2023年 ジャパンダートダービーの予想

ミックファイア、ユティタム、ミトノオーの三強対決と言われているが、ここは弱点のあるあの一強を斬る。

大井11R ジャパンダートダービー ダ2000m
 ◎ (6)ミックファイア
 ○ (5)ユティタム
 ▲ (4)オーロイプラータ
 注 (11)キリンジ
 △ (3)テーオーリカード
 △ (8)ゴライコウ
結論 馬複6-5,4,11,3,8 (24:12:6:4:4) 複勝6 (50)

■ミックファイア、ユティタム、ミトノオーの三強対決!?

 ミックファイア、ユティタム、ミトノオーの三強対決と言われている。確かに能力面では三強だがミトノオーは新馬戦から2Fの距離短縮となった4走前のオキザリス賞ではテンに置かれて前に行けず、キックバックを嫌がる素振りを見せて11着に大敗している。

 ミトノオーはダ1800m以上では4戦4勝。同型馬テーオーリカードよりも外枠という条件は好ましく、今回も逃げる可能性が高い。しかし、逃げられたとしても終始ミックファイアやユティタムにマークされる競馬は楽ではない。そこでミトノオーの評価を下げた。

■有力馬とそのコメント

◎ (6)ミックファイア

 無敗の二冠馬。前走の東京ダービーは、12番枠から五分のスタートだったが、二の脚で楽に2番手を追走。3角手前で好位外にいたヒーローコールがペースが遅いと判断して先に仕掛けたが、本馬はそれに抵抗して、4角で先頭。そこからどんどん差を広げて6馬身差で楽勝した。前走は前々走の羽田盃と同じ2着ヒーローコールに6馬身差の圧勝だった。

 そのヒーローコールはけっして弱い馬ではない。昨秋の鎌倉記念では、後の兵庫JPで2着のスペシャルエックス、3着のデステージョに完勝し、次走の全日本2歳優駿では、2番枠から出脚ひと息で前に行けず、外差し馬場なのに外にも出せず、砂厚の深い最内から好位勢を追いかける形となりながらも4着。

 雲取賞では強豪マンダリンヒーローを2着に下し、中央馬が相手の伏流Sでも1番枠から出脚ひと息で後方からとなったが、向正面で外から派手に進出し、3着まで追い上げている。その馬に6馬身差だから、中央のトップクラスが相手でも見劣りしないだろう。本馬は前走を勝って5戦5勝。近2走で折り合えている点も好ましく、今回の本命馬とした。

○ (5)ユティタム

 新馬戦ではペリエールの2着に敗れたが、その後に地力を付けて前走の青竜Sを勝利した馬。前走は6番枠からまずまずのスタートを切って外のコパノパサディナを行かせながら、コントロールして2列目外を追走。3~4角では外からブレーキ気味に人気を分け合っていたウェイワードアクトに蓋をして直線へ。序盤で軽く仕掛けるようにして放たれるとラスト2Fで抜け出しかけていたコパノパサディナに半馬身差まで迫り、残り150m付近で同馬を交わして先頭。そのまま差を広げて2馬身半差で完勝した。

 前走を見る限り、楽な競馬だった。しかし、休養明け2戦目というのはスムーズに上昇しない可能性もある。(7)ミトノオーや◎ミックファイアを見ながらレースを進められる点は好ましいが、思わぬ取りこぼしも視野に入れて対抗評価とした。

▲ (4)オーロイプラータ

 古馬相手の阪神ダ2000m戦、鷹取特別を勝利した馬。同レースでは8番枠から五分のスタートを切ったが、二の脚が遅く最後方からの追走。3~4角で中目を通して中団の後ろまで押し上げて直線へ。同レースは前半5F60秒0-65秒0と極端なハイペースで、直線ではもう前がバテてはいたが、直線の大外から一頭だけ違う脚色で伸びて、ラスト1Fで7馬身ぶっち切った。

 鷹取特別は展開に恵まれてはいるが、大外から長くいい脚を使えていたのも確か。(7)ミトノオーの鞍上は武豊騎手だけに、ペースを引き上げて先行勢に楽をさせない逃げを打つ可能性が高く、その場合に2着、3着に突っ込んで来るのは本馬と見た。

注 (11)キリンジ

 デビュー当初は芝を使われていた馬。ダート転向後の2戦は結果が出なかったが、その後に2連勝し、前走の兵庫CSでも2着と好走した。前走は滑って出遅れたが、押して位置を取りに行く競馬。中団馬群の前目を追走し、2周目の向正面で外に出されると、3~4角で失速する馬を交わして2列目の外3番手で直線へ。追って2番手の3着馬メイショウオーロラには楽に差を付けたが、(7)ミトノオーとの差は大きく、単独2着が精一杯だった。

 前走を見る限り、ミトノオーに完敗だが、逃げ馬というのは逃げ切るほど後続のマークが厳しくなるために、何戦も連続して逃げ切るのは簡単ではないもの。今回は自滅する可能性があること、また、本馬は前走時、出遅れを挽回するロスがあったことから、能力の天井はもっと上にある可能性が高いことから特注馬とした。

2023年 七夕賞・プロキオンS・メインR以降の予想

本日は下記の4レースのみの提供となりますm(__)m。

■外差し有利の舞台で逃げ馬多数

 過去10年の平均前半5Fは58秒6-後半5F60秒59。福島芝2000mは1角までの距離が約505mと長く、さらに序盤から2度の坂を下るため、福島芝1800mよりも前半3Fが速く、ハイペースが発生しやすい。その上、この時期の福島は雨に見舞われることが多く、開幕週の先週も稍重スタート。昨日土曜の時点でも馬場の内側が傷んでおり、福島芝2000mの2勝クラスで2分01秒1と時計も要していた。

 今回はさらにフェーングロッテン、セイウンハーデス、ショウナンマグマと逃げ馬が多数。大外16番のシフルマンは前走の小倉記念で強引に行って崩れているだけに無理に行かない可能性が高いが、同馬も逃げ馬である。ここまで逃げ馬が揃うと、さすがに平均ペースよりも速い流れが予想される。外差し優勢と見て予想を組み立てたい。

本日1番 福島11R 七夕賞 芝2000m
 ◎ (1)エヒト
 〇 (8)ガロアクリーク
 ▲ (15)セイウンハーデス
 注 (5)カレンルシェルブル
 △ (4)ククナ
 △ (6)サンレイポケット
 △ (9)レッドランメルト
 △ (14)テーオーソラネル
結論 馬連1-8,15,5,4,6,9,14 (10:10:10:5:5:5:5) 複勝1 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (1)エヒト

 昨夏の七夕賞で初重賞制覇を達成した馬。同レースでは大外16番枠から五分のスタートを切って、そこからじわりとコントロールしながら楽に好位の直後の外まで上がって追走。1~2角で外目を通すロスが生じて中団まで下がったが、3角から仕掛けて4角では先頭列の直後から、直線序盤で並ぶ間もなく抜け出してリードを広げる。ラスト1Fでは差し勢が上がってきたが、本馬との差を詰めることが出来ず、2馬身半差の完勝だった。

 本馬は前々走のAJCCで4角で中団の外から仕掛けて2着に善戦しているように、ある程度時計の掛かる差し決着の競馬は強い。前走は海外で距離も長く、能力を出し切れなかったが、得意の舞台で巻き返しを期待する。

○ (8)ガロアクリーク

 昨年のエプソムCの2着馬。同レースでは8番枠からやや出遅れて中団やや後方の外を追走。3~4角で先に仕掛けたトーセングランについて行って、直線はスムーズにその外。序盤は追われてもジリジリだったが、そこからしぶとく伸びてラスト2Fでは2列目。内から粘るノースブリッジにクビ差食らいつて2着と好走した。

 前走のエプソムCは昨年の同レースから1年ぶりの出走。スタミナが不足する休養明けで、好位の中目から向正面で外に出し、3~4角の外から積極的に動いて勝ちに行く競馬をしたために10着に失速したが、このひと叩きで変わってくるはず。昨年のエプソムC同様に外差し馬場を利して外目から差す競馬で巻き返しを期待したい。

▲ (15)セイウンハーデス

 極悪馬場の前走・新潟大賞典で2着と好走した馬。前走は6番枠からまずまずのスタートを切って、そこから各馬の出方を窺っていたが、ショウナンマグマが上がって来ないのでハナを取り切る。そのままペースを緩めることなく淡々としたペースを刻んで3角へ。3~4角で意識的に手綱を引いてペースダウンを図ったが、当日の極悪馬場を考えると既に十分なオーバーペースだった。

 それでもまだ手応えがあり、直線序盤で1馬身半差ほどのリードを保っていたが、ラスト2Fで内から食らいついてきたカラテ徐々に迫られ、ラスト1F標では半馬身差。そこからもうひと踏ん張りしたが、最後は差されて3/4差の2着だった。しかし、3着馬に8馬身も差を付けていることから十分に褒められる内容だった。

 本馬はかなりのスタミナがあり、時計の掛かる馬場でこその雨歓迎のタイプ。ただし、ここまで出走を待ったと言っても、極悪馬場で好走した後の一戦となるとその疲れも気になるところである。また福島は天気予報に反してたいして雨が降らず、本馬にとって馬場がやや軽いこともあり、3番手評価とした。
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本日2番 中京11R プロキオンS ダ1600m
 ◎ (3)シャマル
 ○ (10)リメイク
 ▲ (13)タガノビューティー
 注 (7)ドンフランキー
 △ (4)ジレトール
 △ (8)ブルベアイリーデ
 △ (16)オメガレインボー
 △ (1)ケイアイターコイズ
 △ (9)フルム
 △ (11)メイショウテンスイ
結論 馬連3-10,13,7,4,8,16,1,9,11 (10:10:10:5:5:5:2:2:1) 複勝3 (50)

■差し馬有利の傾向も、意外と前でも押し切れる

 過去3年は阪神と小倉で行われていたが、今年は中京ダ1400mに戻る。またこのレースは2012年からは阪神から中京に舞台が変わった。中京ダ1400mの過去8年の平均前半3Fは34秒06-後半3Fは36秒42。明確にハイペース傾向だが、他場のダ1400m戦と似たようなコース設定のため、極端ではない。

 中京ダ1400mは他場同様に、最初のコーナーまでの距離が長く、先行争いが激化すると差し、追込馬のチャンスも高まる。しかし、この時期の中京は雨も多くダートが軽いことが多いため、過去8年で逃げ切りが2回、先行押し切りが3回と、意外と前からでも押し切れているのがポイントだ。

 今年は昨日同様に良馬場で行われる。時計の出方は標準だが、例年のこのレースと比較をすると実力上位馬の多くが差し、追込馬で、逃げ、先行馬は意外と手薄。ハイペースにはなるだろが、極端なほどにはならず、前からでも押し切れる可能性が高いと見ている。

■有力馬とそのコメント

◎ (3)シャマル

 短距離の交流重賞で4勝の実績馬。今年の黒船賞は4番枠から好位の内を前の馬とのスペースを作って追走。3~4角で内から押し上げて、4角で砂厚の深い最内から抜け出し、直線序盤で外に出しながら一気に先頭。そこから後続との差をじわじわ広げ、3馬身差で完勝した。

 本馬は昨秋のマイルCS南部杯で3着、チャンピオンズCで5着とマイルも中距離もそれなりにこなせるが、ベストはダ1400m。前記の黒船賞時に自己最高指数を記録したばかりではなく、昨秋のオーバルスプリントでは、3番手から3角を外から進出し、(10)リメイクにマークされながらも直線で同馬に差を詰めさせず、1馬身半差で完勝している。

 本馬は昨年1月の伊賀Sで、好位の直後から3~4角でズルズル後退し、直線で盛り返しながらも6着敗退、初めて内で揉まれた競馬で結果を出せなかった。そういったことから、前へ行く、外から進出する、馬場の悪い内から押し上げるなど、揉まれない競馬を意識して乗られているが、近走は内で揉まれる場面がありながらも、がんばりを見せている。

 前走のさきたま杯は1番人気に支持されながらも、跛行で競走中止。今回はそこから立て直されての一戦。この中間は栗東坂路で追われてラスト12秒1-12秒6と明確に減速した辺りに物足りなさは感じたが、及第点の動きは見せられている。今回は3番枠で外から被される可能性が高いが、今の本馬なら対応できると見ている。

○ (10)リメイク

 昨年のカペラSの覇者。同レースは6番枠からやや出遅れたが、ある程度促して中団を追走。3~4角で中団の中目を通り、4角出口でスムーズに外に出され、直線で追い出されるとスッと加速。ラスト1Fでは一頭だけ違う脚色でグングン伸びて、リュウノユキナに4馬身差をつけ圧勝した。

 同レースの前半3Fは32秒2。このタイムは芝1200mでもなかなかお目に掛かれないレベルで、走破タイムも良馬場で1分08秒9。過去に稍重でケイアイガーベラが記録した歴代NO.1の走破タイム1分09秒1を上回った。つまり、レベルが高い一戦だったということ。当然、今回のメンバーでもNO.1の指数となる。

 その後は海外のリヤドダートスプリント、ドバイゴールデンシャヒーンの2戦でも3、5着と日本馬では再先着を達成。ドバイゴールデンシャヒーンはホプキンスが激しい先行争いを制してのオーバーペースの逃げ。道中も競られて超絶ハイペースになったことで、出遅れて最後方からの競馬となった本馬は、その後の立ち回りもスムーズで展開に恵まれ、勝ち馬シベリウスと0.3秒差と、能力を引き出せたことは確か。この好走でさすがに疲れが出た可能性が高い。

 今回はそこからリフレッシュを図っての始動戦。この先に行われるクラスターC、秋に大井で行われるJBCスプリントを見据えた一戦であることが濃厚だ。本馬はダ1400mで前半3F36秒7-後半3F36秒6と前有利の流れとなったオーバルスプリントでも3着馬を3馬身引き離して2着と好走しているように、この距離も悪くない。

 しかし、やや出遅れを挽回して4番手を追走し、3角で2番手に上がった◎(3)シャマルの後ろを追いかけて進出しながらも、最後の直線で同馬との差が詰められなかったように、ベストは速い流れのダ1200m戦。ここでは能力値1位だけに上位争いに加わる可能性は高いが、取りこぼしがあっても不思議はない。

▲ (13)タガノビューティー

 初めてのブリンカー着用で挑んだ今年初戦の根岸Sで4着に入ると、次走のコーラルSで1着。そして前走のかしわ記念(JpnⅠ)でも2着と好走した。前走は13番枠から五分のスタートを切って、そこから押しながら中団外を追走。向正面では中目からハヤブサナンデクンの後ろまで押し上げ、3~4角では先に動いた同馬の直後から進出し、直線で外に誘導。外のメイショウハリオと併せて3番手まで上がり、ラスト1Fでハヤブサナンデクンを競り落として、メイショウハリオからクビ差の2着に好走した。

 本馬は6歳ながらブリンカー効果が相当あったのか、前走で昨年と今年の帝王賞を優勝したメイショウハリオ相手に善戦するほどまで強くなった。また本馬は3走前の根岸Sでもやや出遅れたが、後方外から中団のバトルクライの後ろまで押し上げ、3~4角で同馬の外から強気に仕掛けて、直線序盤で同馬との叩き合いを演じて4着に食い込んでいる。

 根岸S当日はかなりタフな馬場で、オーロラテソーロとヘリオスが競り合い、かなりペースが速くなり前が崩れたのは確かだ。しかし、本馬も4角で大外を回るロスがありながら善戦しており、この距離も問題ない。マイルがベストで前走で能力を出し切った感があるものの、近走の充実ぶりから当然チャンスはある。

注 (7)ドンフランキー

 前走の京都競馬場グランドOP記念は、10番枠から五分のスタートで出脚はそこまで速くなかったが、しつこく押して3角まで続いた激しい先行争いを制してハナに立ち、逃げ切り勝ちを決めた馬。同レースは2、3着馬との着差は2馬身差だったが、4着馬にはさらに5馬身差を付けており、リニューアル直後の京都でかなりタフな馬場、さらに強風だったことを考えればとても強い内容だった。

 実際、このレースで本馬と競り合い9着に敗れたワルツフォーランは次走の天保山Sで2着に巻き返している。また本馬は3走前の遠江S(ダ1400m)では、14番枠からトップスタートを切って二の脚で内に切り込みながら、重馬場とはいえかなりのハイペースで逃げた。結果は2着に2馬身半差、3着にさらに3馬身差、4着にもさらに4馬身差と後続馬をバラバラにして逃げ切っているように、この距離も問題ない。

 本馬はこれまで内で揉まれる競馬の経験がなく、相手強化のダートグレードで内枠に入って外から被されたときの危うさを感じていたが、今回のメンバーなら前走で1200m戦を行き切っている強みで逃げられる可能性が高い。

 仮に外からメイショウテンスイがハナを主張したとしても、前走の欅Sで逃げて2着のジレトールより外の枠なら、2列目の外を追走できるだろう。馬場が軽ければもっと重い印を打った可能性があるが、先日の金曜正午の段階で稍重から一気に回復して、標準的に時計を要しているだけに、評価を下げた。

△ (4)ジレトール

 逃げ競馬では4戦2勝2着2回。前走の欅Sでは7番枠から好スタートを切って二の脚でハナを主張。(8)メイショウテンスイに終始プレッシャーをかけられ、稍重とはいえ前半3F34秒8-36秒4のかなりのハイペースで逃げを強いられたが、ラスト50mくらいまでしぶとく粘った。最後はバトルクライに差されたものの、3、4着馬には3馬身半差を付けた。またこのレースで好位の外を追走して5着に敗れたルコルセールは昨日のマリーンCで2着に巻き返している。

 本馬はこれまで逃げで好走の実績が多いが、3走前の銀蹄Sでは2番手からの競馬で勝利しているように、折り合う競馬でも問題ない。今回は休養明けの前走で好走した反動が怖かったが、この中間の栗東坂路で軽く促されてラスト2F12秒4-12秒0と加速しているように、動きの良さが目についた。本馬は○(2)リメイクと同世代の4歳馬で、3歳時はオープンでライバルとして戦っていた馬。今が充実期である可能性が高く、チャンスはある。

△ (8)ブルベアイリーデ

 デビューから長らく短距離路線を使われていたが、久々のダ1800m戦となった一昨年夏のBSN賞は、前々走から2Fの距離延長だったこともあり、3番枠からまずまずのスタートを切って、軽く促されると楽に先頭。そこから外枠の各馬に行かせて2列目の最内をスペースを作って追走。3~4角でそのスペースを詰めて直線で逃げ馬ベルダーイメルの外に出されると、ラスト1Fで同馬を差し切って3馬身差で勝利した。

 本馬は前記のレースで3着馬に5馬身差を付けており、ベストは中距離戦でその後のシリウスS、東海S、マーチSでもともに3着と善戦している。しかし、ダ1400mも悪くなく、2020年のグリンーンチャンネルCと3走前のコーラルSともにクビ差2着の実績がある。前走の栗東Sではあったが、重馬場だったがそれでもタフな京都のダートで前半3F34秒2-後半3F37秒3(ラスト3F12秒3-12秒3-12秒1のかなり速い流れ。中団の内を追っつけて行ったため、追走一杯の11着に敗れたが、もっと息を入れて後方から追走できれば変われる可能性はある。

△ (16)オメガレインボー

 ダート1700mに多くの好走実績があり、2021年夏にはマリーンS、エルムSで連続2着。その次走の武蔵野Sで3着したあと、距離不足と思われたカペラSでも3着。同レースは一気の2Fの距離短縮で、9番枠から出遅れて想定どおり後方からだったが、そこから盛り返すような脚を見せ、後方馬群の最内を追走。3~4角で最短距離を通って、直線では最内から進出。序盤はジリジリだったが、ラスト1Fでバテた馬を捌いて前のモズスーパーフレアを交わしたところがゴールだった。

 一昨年のカペラSは良馬場で前半3F32秒8。昨年が異常過ぎただけで、一昨年も芝の逃げ馬モズスーパーフレアが極端なハイペースにしたことで、ラスト3F36秒7(11秒9-12秒0-12秒8)の消耗戦となり、直線で前がバタバタと失速。3着はそれをロスなく立ち回り、差したもの。その後もダートのオープンクラスで距離を問わず安定した成績を残している。今回の距離だとテンのスピード不足で後方からの競馬になる可能性が高いが、展開に恵まれればチャンスは十分ある。
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本日4番 函館11R 五稜郭S 芝1800m
 ◎ (12)アケルナルスター
 〇 (13)ダークエクリプス
 ▲ (4)ゴーゴーユタカ
 注 (9)サンストックトン
 △ (3)マジカルステージ
 △ (5)アンダープロット
 △ (8)ジャスティンエース
 △ (10)ミスフィガロ
結論 馬連12-13,4,9,3,5,8,10 (10:10:10:5:5:5:5) 複勝12 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にフィールシンパシー、ダークエクリプス(ともに-15.0pt)、サンストックトン(-14.0pt)、シルヴェリオ(-13.7pt)、マジカルステージ(-12.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (12)アケルナルスター

 4走前に2勝クラスを勝利すると、次走の昇級戦・早春Sで4着したように、地力をつけている馬。3走前の早春Sでは10番枠から五分のスタートを切って、逃げ馬から大きく離された好位(実質、中団)を追走。3~4角では中目から逃げ馬との差を詰めて3列目の外で直線へ。そこからジワジワ伸び続けて、最後に逃げ馬を交わして勝利したククナと3/4差に好走した。

 前記のレースは超高速馬場で前が止まらない展開。最後までしぶとく伸びながらも前との差を詰め切れなかったのは、トップスピード不足だからだろう。それだけに洋芝で上がりの掛かる馬場は向いてると見ている。前走の府中Sは1番枠を利して好位の最内を追走したが、3~4角で包まれて、直線で前が壁。ラスト1F標識の手前で手綱を引っ張るほどの不利で、全く能力を出し切れなかった。ここは巻き返しを期待する。
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本日3番 中京12R シンガポールTC賞 芝1600m
 ◎ (11)メイショウカイト
 〇 (6)ヴェールアンレーウ゛
 ▲ (3)ダノンソフィア
 △ (1)コーディアル
 △ (2)エアミアーニ
 △ (5)レゾンドゥスリール
 △ (7)ミスヨコハマ
 △ (10)タイセイドリーマー
結論 馬連11-6,3,1,2,5,7,10 (15:10:5:5:5:5:5) 複勝11 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にヴェールアンレーヴ(-12.7pt)、レゾンドゥスリール(-11.7pt)、ダノンソフィア(-10.7pt)、メイショウカイト(-10.3pt)、エアミアーニ(-10.0pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (11)メイショウカイト

 デビューからずっとダートを使われてきたが、3走前の初芝の一戦でいきなり5着と好走。同レースでは5番枠から五分のスタートを切ったが、初芝の一戦らしくテンに置かれて後方を追走。向正面で内に入れて、そこから位置を挽回していく形。3~4角で最短距離を通して直線に出されると、狭い間を割って伸びて、勝ち馬と0.4秒差に好走した。

 本馬はその後の2戦も芝を使われているが、大きく崩れていない。また芝での3戦は全てメンバー中、上がり3Fタイム1、2位を記録しており、トップスピードの速さと芝適性を感じる。前走の皆生特別は極端な前残り競馬となってしまったが、短距離だとテンに置かれて後方からの競馬になり過ぎるので、芝1600mのほうが好ましい。芝4戦目でさらなる上昇を期待する。

2023年 7/8のメイン以降の予想

こんにちは✨ 本日はメインレース以降の下記の4レースで終了です😊

本日3番 函館11R マリーンS ダ1700m
 ◎ (2)アシャカトブ
 〇 (11)メイショウユズルハ
 ▲ (9)ルコルセール
 △ (1)1ロッシュローブ
 △ (6)パワーブローキング
 △ (7)プリティーチャンス
 △ (10)ペプチドナイル
 △ (13)セキフウ
結論 馬連 2-11,9,1,6,7,10,13 (10:10:10:5:5:5:5) 複勝2 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にルコルセール、ペプチドナイル(ともに-28.3pt)、ウェルドーン(-27.7pt)、メイショウユズルハ(-26.7pt)、パワーブローキング(-26.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

 ◎ (2)アシャカトブ

 3走前のラジオ日本賞であのウシュバテソーロに2馬身半差を付け3着に下して勝利した馬。3走前は2番枠から好スタートを切って3列目の最内を追走。向正面では3番手まで上がって、最後までしぶとく粘り、ラスト1Fでバテたロードエクレールを交わし、ウィリアムバローズを交わして半馬身差を付けたところがゴールだった。

 同レースは不良で超絶高速ダートだったが、向正面の下りからのペースアップで前が苦しいレースになっている。出遅れて後方からのレースを進めたウシュバテソーロは、4角でかなり大外を回るロスがあったとはいえ、同馬に対して展開上は完勝の形だった。実際に2番手からラスト1Fで早め先頭に立った2着馬ウィリアムバローズは、その後のマーチSでハナ差2着と好走している。

 3走前は消耗度に高いレースだったため、休養明けで好走した本馬もウィリアムバローズも次走の重賞で大敗したが、前走のボルックスSでは本馬は3着、ウィリアムバローズは2着と巻き返しているように、本馬は能力を出し切れればウィリアムバローズとそう変わらない実力を持っておる。

 本馬は前走時、斤量59Kgを背負いながらも3番枠から好スタートを切って序盤は1番枠から逃げたウィリアムバローズを追い駆けるように積極的に出す形。そこから控えて好位の最内を追走し、3~4角で最短距離から位置を押し上げて2列目で直線へ。序盤で早々と2番手に上がったが、ウィリアムバローズとの差は詰まらず、外からニューモニュメントに一気に差されて、上位2頭とは3馬身差の3着だった。

 前走時は良馬場で逃げ、先行馬が手薄でそこまでペースが上がらなかったため、勝ちに行き過ぎたことが主な敗因。今回は大沼Sでハナを主張した(10)ペプチドナイルに、基本的に逃げ馬にプレッシャーをかけて行く騎乗をする(14)ウェルドーンと前に行きたい馬が集っている。本馬も先行馬だが、2番枠の今回は3走前のように最内から前に行く馬の出方を窺いながら、動いて行ける強みがある。またダ1600mのOP勝ちの実績もあるだけに、この距離でも不安はなく、本命馬とした。
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本日4番 中京11R マレーシアC ダ1800m
 ◎ (1)ミッキーヌチバナ
 ○ (5)サンライズアリオン
 ▲ (7)サンマルレジェェンド
 注(11)タガノエスコート
 △ (2)ゼウスバイオ
 △ (4)セレッソ
 △ (8)プリモスペランツァ
 △ (12)セイクリッドゲイズ
結論 馬連1-5,7,11,2,4,8,12 (10:10:10:5:5:5:5) 複勝1 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にプリモスペランツァ(-23.7pt)、ミッキーヌチバナ、タガノエスコート(ともに-23.3pt)、サンライズアリオン(-23.0pt)、セレッソ(-21.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (1)ミッキーヌチバナ

 4走前に2勝クラスを快勝、3走前の上総Sでは3着馬を3馬身半も引き離して2着しているように、ここでは能力値も最高値も上位の存在となる。3走前は8番枠から好スタートを切って、スムーズに好位の中目を追走。3~4角では包まれ気味だったが、直線序盤で狭い間を割って進路を確保すると鋭く伸び、逃げ切りを図るべストリーガードに唯一、? 迫った。

 前走の薫風Sは久々のダ1600m戦で外枠。出遅れて序盤の芝の部分でモタついて後方だったが、1番人気に支持されていたこともあり、そこから好位まで挽回して行く形。結果、終始外を回って勝ちに行く形となり、さすがに苦しくなって6着に敗れた。それでも勝ち馬と0.4秒差と大きく崩れなかったことは評価できる。

 今回は実績のあるダ1800m戦。1番枠の今回で前走のように出遅れられた場合は厄介だが、前走でマイル戦を使って位置を取りに行ったことでテンの速力が強化されているので、多少の出遅れなら二の脚で好位まで挽回できる可能性が高い。また今回は(7)サンマルレジェンド、(5)サンライズオリオン、(10)ラルフと前に行きたい馬が揃ってはいるが、サンライズオリオンとラルフはテンがそこまで速くない。よって、好位の内を立ち回れる強みもある点も評価した。
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本日1番 福島11R 阿武隈S 芝1800m
 ◎ (3)オンリーオピニオン
 ○ (1)シンボ
 ▲ (7)イリマ
 △ (4)ギャラントウォリア
 △ (9)エリオトローピオ
 △ (11)ヴェールランス
結論 馬連3-1,7,4,9,11 (10:10:10:10:10) 複勝3 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にエリオトローピオ(-17.0pt)、イリマ、ヴェールランス(-13.0pt)、ホウオウリアリティ(-13.0pt)、モリノカンナチャン(-11.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (3)オンリーオピニオン

 2歳時に福島芝1800mの新馬戦を逃げ切って、その次走の札幌2歳Sでは時計の掛かる馬場で厳しい流れを2番手から逃げ馬トップナイフにプレッシャーをかけて行きながらも4着した実績馬。昨年夏には1勝クラス、2勝クラスのかもめ特別を連勝した。かもめ特別は同型馬不在で3番枠。好スタートから二の脚でハナを主張し、上手くマイペースに持ち込んではいるが、現3勝クラスのアサケレディ、ハーツラプソディを2着、3着に下してのものであり、なかなかの好指数での勝利だった。

 本馬はかもめ特別時に鼻出血していたことで、その後、半年の休養を余儀なくされた。鼻出血を発症すると完治するまで時間が掛かり、強い調教ができないことが影響している。しかし、そこから再び立て直された前走では初ダートながら逃げるスピードを見せていた。前走で芝よりも時計の掛かるダートで負荷をかけたことで、福島芝1800mで同型馬不在のここは変わり身が期待できる。ブリンカー着用で出走する辺りにも勝負がけを感じ、本命馬とした。
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本日2番 中京12R 3歳上1勝クラス 芝1600m
 ◎ (5)プウスカンドゥール
 ○ (6)メテオリート
 ▲ (11)キタサンダムール
 △ (1)トンジンチ
 △ (9)サファイア
 △ (12)テンノメッセージ
 △ (4)ハレアカラフラ
 △ (2)ゴールドローズ
 △ (3)モラトリアム
 △ (13)アンジェリーナ
結論 馬連5-6,11,1,9,12,4,2,3,13 (8:8:8:8:8:4:2:2:2) 複勝5 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にモラトリアム(-8.3pt)、ゴールドローズ(-8.0pt)、メテオリート、アンジェリーナ(ともに-7.7pt)、プウスカンドゥール(-6.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (5)プウスカンドゥール

 出遅れて中京芝1400mの新馬戦を勝利した馬。その後はもっと派手に出遅れるようになったが、紅梅ステークス8着、フィリーズレビュー11着と大きくは離されなかった。特にフィリーズレビューでは、17番枠からスタート後にバランスを崩し、約2馬身の大出遅れ。4角で何とか後方馬群に取り付いたが、直線では前が壁。進路を探しながら外に出されると、ジューンオレンジの直後から伸び、勝ち馬に0.6秒差まで迫った。

 フィリーズレビューはレースが激流で、物理的に厳しい位置だったが、3着馬ジューンオレンジに次ぐ№2の上がり3Fタイムを記録しており、能力の片鱗を感じさせた。

 前走はこれまでから1Fの距離延長。初めて2番枠から五分のスタートを決め、二の脚で先行争いに加わって行くかのように出して行ったが、スピード負けしたために一旦控えて、そこから外に誘導して行く形。

 前走時は大阪杯と同日で、内が伸びていた日。そのまま最内を追走していれば、まだ上位馬との差を詰められたと見ているが、3~4角で外を回って勝ちに行ったために終いが甘くなり、5着に敗れた。鞍上は、新人・角田河騎手。スタートを決めたら前に行けという支持でも出ていたのだろうか?

 しかし、スタートを決められたことは大きな進化だ。陣営のコメントによるとまだスタートが不安定なところがあるようだが、ここでは能力値も最高値も上位。スタート決めればチャンス十分なだけに、現時点で9番人気と人気薄の今回は食指が動く。

2023年 スパーキングレディーCの予想

 スパーキングレディーCはかしわ記念組が優勢のレース。秋のJBCレディスクラシックを目指す馬たちが、休養明けで始動してくるのに対して、かしわ記念組には同距離を使っている優位性がある。2021年の優勝馬サルサディオーネ、2022年の優勝馬ショウナンナデシコ、2015年の3着サンビスタ、遡って2011年にラヴェリータが前記に該当している。

 ただし、前記の該当馬にはダートグレード勝ちの実績があったが、今回1番人気で出走予定の(9)スピーディキックにはない。同馬が経由した南関東の重賞路線が、今年のTCK女王盃やエンプレス杯などと比べて、どのレベルまであるのかが課題である。

川崎11R スパーキングレディーC ダ1600m
 ◎ (9)スピーディキック
 〇 (1)グランブリッジ
 ▲ (4)タガノクリステル
 注 (5)ノーブルシルエット
 △ (6)エナハツホ
結論 馬連9-1,4,5,6 (30:10:6:4) 複勝9 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (9)スピーディキック

 一昨年末の東京シンデレラマイル以降、敗れたのは中央馬が相手の関東オークス、フェブラリーS、かしわ記念の3戦。南関東の牝馬に対しては絶対的な存在だが、関東オークスでは出遅れを挽回して3番手を追走とロスのある競馬ではあったが、ラスト1Fで2番手から抜け出した(1)グランブリッジに離され、3馬身半差の3着と完敗している。

 またフェブラリーSでは6着だったが、戦前の段階から言われていたように、TCK女王盃やエンプレス杯を1pt(0.1秒)下回る決着指数の凡戦。本馬は13番枠から五分のスタートを切りながらも位置を下げ、3角の内を狙って追走。3~4角をロスなく回って、最後の直線で馬群の内に突っ込み、そこから捌いて行く形。レース後に御神本騎手が、「外に出すほどの手応えがなく、内を狙っていきました」とコメントしているように、スムーズに捌けていればもうひとつくらいは着順を上げていた可能性はあるが、外を回っていたらもっと崩れていた可能性は十分にあった。

 そして前走のかしわ記念では、前々走同様に6着でも勝ち馬メイショウハリオに大きく離されてのもの。フェブラリーSを大目標にした後の疲労残りの一戦ではあったが、それを考慮しても中団から最後の直線で失速した馬を交わすだけの6着と見せ場のない内容だった。中央の一線級が相手となると、現状では壁があると言える。しかし、今回は本馬よりも実力が上のグランブリッジが斤量58.5Kgで叩き台の一戦。この先のブリーダーズGC、そしてJBCレディスクラシックが目標だけに本馬を◎とした。

○ (1)グランブリッジ

 昨秋のJBCレディスクラシック、クイーン賞ではともに2着と勝ち切れなかったが、今年はTCK女王盃とエンプレス杯をともに優勝した馬。前走のTCK女王盃では大外7番枠から五分のスタートを切って、内からハナを主張したヴァレーデラルナの外へ。1角で外からテリオスベルがハナを主張したが、そのままヴァレーデラルナの外3番手を追走し、ラスト1Fで同馬が先頭のテリオスベルを交わして甘くなったところを差し切って1馬身差で優勝した。

 TCK女王盃はヴァレーデラルナをマークで乗り、仕掛けのタイミングがドンピシャ。しかし、前走のエンプレス杯は、2番枠から出遅れて、そこから無理をさせず、中団やや後方を追走。向正面で外に誘導し、3角手前から進出開始。3~4角で3頭分外から位置を押し上げ、先頭のサルサディオーネとは1馬身差で直線へ。直線ですぐに先頭に立つと、じわじわ差を広げて2馬身半差と、勝ちに行く競馬で完勝した。

 本馬はここでは実績、実力ともにNO.1だが、ベストは勝ちに行く競馬で勝つことができる2100m。スタートや二の脚が速いタイプではないので、逃げ馬不在のマイル戦で斤量58Kgだと、楽に前の位置が取り切れず、包まれてしまう危険性もある。また休養明けで最適距離のブリーダーズGCが目標なので対抗評価とした。

▲ (4)タガノクリステル

 デビュー当初は芝を使われていたが、ダートに路線転向してから徐々に地力を強化した馬。ここに来てさらに本格化し、前々走で3勝クラスを勝利すると、前走ではオープンの栗東Sで2着と好走した。

 前走時は本命-対抗で予想を当てることに成功したが、アイオライトに7馬身も離されての2着。しかし、前走時は重馬場ではあったが、それでもタフな京都のダートで前半3F34秒2-後半3F37秒3の速い流れ。4番枠から五分のスタートを切って好位の内を追走し、最後の直線では狭い内を捌いて抜け出した内容は評価できる。

 前走時、最後の直線では苦しくなって内によれていた辺りに距離が伸びての不安はある。また逃げ馬不在の今回は、押し出されるようにして本馬が逃げる可能性が高く、再度、厳しい流れになった場合は怖いが、距離不足な馬が多く、意外と楽に逃げられる可能性もあるので3番手評価とした。

注 (5)ノーブルシルエット

 前走の総武Sの2着馬。前走は大外16番枠から五分のスタートを切って、そこから押してハナを取りに行ったが、内のタイセイサムソンが抵抗したので、無理せずその外2番手を追走。3角で同馬に並びかけて直線。しかし、直線ではタイセイサムソンが食い下がりを見せ、差が詰まらず、最後に外から2頭に差されて4着に敗れた。

 前走は悪い内容ではなかったが、能力面でややもの足りなさを感じたのは確か。ただ今回は実力上位馬が当てにならない面があるので、前でレースの流れに乗っての一発を警戒した。

2023年 CBC賞・ラジオNIKKEI賞+福島10R+他メインR以降の予想

■前有利も何か1頭が差す傾向

 過去4年は阪神・小倉の芝で行われたが、今年は3回中京の開幕週で行われる。中京芝はリニューアル後、しばらく時計を要していたが、2016年の高松宮記念の週から一気に高速化。良馬場ならば1分07秒台前半、ペース次第では1分06秒台も視野に入るほど、超絶高速馬場だが、昨日は重~不良馬場。馬場が回復しても超高速馬場にはならず、それなりに時計が掛かりそうだ。

 また開幕週で行われるこのレースは、2016年以降の4年中3回は3角先頭が3着3回、3角2番手が2着2回3着1回と前有利の傾向だが、優勝馬は全て3角6~16番手と中団より後方でレースを進めた馬となっている。これは中京芝1200mは中盤にあたる3~4角が下り坂になっているため、そこでペースが緩まず、ラスト1Fで大きく減速する傾向があるからだ。今年は12頭と小頭数だが、前に行きたい馬は多数。差し馬の浮上も視野には入れたい。

本日1番 中京11R CBC賞 芝1200m
 ◎ (8)マッドクール
 〇 (1)ヨシノイースター
 ▲ (5)テイエムスパーダ
 △ (9)トゥラヴェスーラ
 △ (12)サンライズオネスト
 △ (10)ジャスパークローネ
結論 馬連8-1,5,9,12,10 (17:10:10:10:3) 複勝8 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (8)マッドクール

 芝のスプリント路線で上昇軌道に乗り、4連勝目で3走前の知立S(3勝クラス)を勝利した馬。同レースは二の脚で先行争いに加わったが、最終的には好位の内目を追走。3~4角では中目に誘導して位置を押し上げ、直線序盤で一気に伸びて先頭へ。ラスト1Fではもう抜け出し、外から迫る(3)エイシンスポッターを振り切って1馬身半差で完勝した。そのエイシンスポッターはここでは能力値2位。本馬と4馬身半差の3着だったスンリも次走で3勝クラスを勝利しており、3勝クラスとしてはレベルの高い一戦だった。

 前々走のシルクロードSは3着だったが、休養明け好走後の一戦ながら積極的にハナを主張し、前半から飛ばす攻めの騎乗だったがよく粘っていた。このレースで先着を許したナムラクレアとファストフォースが高松宮記念でもワン、ツーを決めている。そういったことから本馬も高松宮記念に出走していれば十分チャンスがあったと推測できるだけに、自ら厳しい流れに持ち込んで敗れ、賞金不足で出走できなかったのはもったいなかった。

 休養明けで重馬場の前走・春雷Sは、ジャスパージャックを行かせて2番手を追走。4角で馬場の良い外に誘導し、先頭列に並びかけて直線へ。内から抜け出したキミワクイーンとの叩き合いをクビ差で制したが、前走は2~3走前と比べると指数をダウンさせているように、相手に恵まれた面が大きい。よってタフな馬場でも消耗が少なく、ここでの前進が期待できる。今回はハンデ58.5Kgとかなり見込まれたが、相手にも恵まれただけに最有力だろう。

○ (1)ヨシノイースター

 4走前のファイナルSでは、(3)エイシンスポッターとの一騎打ちを演じた馬。同レースは2番枠からまずまずのスタートを切って各馬の出方を窺っていたところを、外のショウナンラスボスに強引に進路をカットされ、スムーズさを欠いたが、それでも好位の内をキープして追走。3~4角でペースが上がらず、進路がない状態だったが、4角で外目に誘導して何とか進路を確保。直線序盤で追い出されるとしぶとく伸びて先頭列まで上がり、ラスト1Fで外のエイシンスポッターと馬体を合わせての叩き合いとなった。

 結果はアタマ差の2着だったが、3着のショウナンラスボスには2馬身半差を付けており、なかなかの好指数&好内容だったと言える。また3~4角で待たされて動けなかった本馬に対し、エイシンスポッターは3~4角で開いた中団内のスペースを利用して前に迫っており、とても上手く乗られていた。

 前走の鞍馬Sでもエイシンスポッターに敗れ4着。ただ同レースは8番枠から出遅れて中団馬群の中目を追走。ペースが上がらずに団子状態となったため、3角手前で位置を下げて外に誘導する形となった。そこから3~4角の後方外々を回って4角出口で大外に出されると、直線序盤ではジリジリだったが、ラスト1Fでエンジンが掛かると目立つ脚で伸び3着のスマートクラージュにハナ差まで迫っって4着。

 本馬はエイシンスポッターとそう変わらない能力の持ち主。馬場と展開次第で逆転はあると見ている。今回は馬場がそこまで軽くないので、1番枠でも無理に出して行く必要なく、前が飛ばして行く中で好位の内でロスなく立ち回れる優位性がある。8走前の小牟田特別では馬場がやや重い中、淡々としたペースで逃げて◎(8)マッドクールの2着に敗れたが、同馬をマークしながらの競馬になりそうなここは、好走が期待できそうだ。

▲ (5)テイエムスパーダ

 小倉のコンクリート馬場で行われた昨年のCBC賞を、驚異的なレコードタイムで逃げ切り勝ちした馬。当時は斤量48Kg。軽斤量はダッシュ力、瞬発力などの加速力に最も大きなプラスの影響を与えるだけに、超絶高速戦で48kgは圧倒的に有利だったことは確か。しかし、そこを踏まえても5F通過53秒8(アイビスSDのレコードタイムに0.1秒差)の超ハイペースで逃げての3馬身差は圧倒的だった。

 本馬はこれまでの4勝が全て1~2番手でレースを進めての結果であるように、揉まれずに前に行ってこその馬。近走は出遅れ続きで本来の力を出し切れていないが、前走は中距離戦を使われたこともあり、トップスタートを決めることができていた。そこから立て直されての今回は巻き返しに期待する。本馬はそこまでテンの速い馬ではないが、今回はスタートさえ決まれば1~2番手で競馬ができるだろう。同型馬(10)ジャスパークローネよりも内枠に入っただけに、本馬が逃げる可能性が高いと見ている。

△ (9)トゥラヴェスーラ

 今年の高松宮記念で3着に好走した馬。同レースは1番枠から五分のスタートを切り、中団の内目を追走。道中は各馬が馬場の良い外を選んでレースを進めていたが、本馬は3~4角で最短距離を通り、直線でも最内を選択。序盤でしぶとく伸びて2列目付近まで上がり、ラスト1Fまでファストフォースにしぶとく食らいついたが、最後はナムラクレアに差されて3着だった。

 高松宮記念は極悪馬場で逃げ、先行馬が総壊滅する展開。終始馬場が悪化した最内を通ったにせよ、展開に恵まれた。ただ、スタミナが不足する休養明けで好走したことは褒められる。前走の京王杯スプリングCは中団の内目を追走。1番人気のダノンスコーピオンをマークして乗っていたが、直線序盤で同馬が動けない中で進路を作れず、仕掛けられなかった。結局、最後までまともに追えずに12着に敗れた。

 前走は最後に進路を内に切って、スペースを確保してからも伸びなかった辺り、休養明けで好走した疲れがあったと見ている。ただそれでもスムーズならそこまで負けなかったはずだ。昨年の阪急杯でダイアトニックにクビ差の2着まで迫り、自己最高指数を記録していることから、距離が長かったということもないだろう。よってここでの巻き返しがあっても不思議はない。また(3)エイシンスポッター同様に後半型の馬ではあるが、同馬よりも二の脚が速く、後方からの競馬になり過ぎない点も良い。

△ (12)サンライズオネスト

 昨年の阪急杯3着や、その後のOP・L連対時2度が先行策だったように、前でレースの流れに乗れると馬券圏内に突入することが多い馬。3走前のモルガナイトSは時計の掛かる馬場だったが、8番枠から押してトップスタートを切ったヴィズサクセスの外まで上がり、2番手を追走。最後の直線でヴィズサクセスとともにしぶとく粘り続けて2着と好走している。

 本馬は高速馬場で前半のペースが速いと前の位置が取れない弱点があるが、時計の掛かる馬場なら前の位置が取れるはず。前の位置を取ってしぶとさを生かす競馬なら通用の余地がある。また時計が掛かれば、ロスなく立ち回れる内枠の優位性がそれほどなく、外枠の不利は軽減される。テイエムスパーダが出遅れ、タフな馬場で好走してきた馬が能力を出し切れないなど、他馬が力を出し切れず、なおかつ好位が取れた場合には馬券圏内突入のチャンスが高まるので要注意だ。

△ (10)ジャスパークローネ

 時計の掛かる馬場で行われた前々走の春風Sでは大外16番枠を利してハナを主張し、逃げ切り勝ちした馬。本馬は3走前の2勝クラスでもタフな馬場の中山芝1200mで逃げ切り勝ちを決めているように、この距離にも実績がある。

 前走の函館スプリントCは、函館開幕週としては時計が掛かっていた中で、外からカネトシアサーダが外からハナを主張。内からリバーラがそれに抵抗してペースアップする中、本馬もその争いに加わって行く形。その結果前半3F33秒0-後半3F35秒2の超絶ハイペースとなり、前が崩れて差し馬のキミワクイーンが台頭する展開となった。

 これが理由で青函Sではカネトシアサーダの巻き返しに期待して◎を打ったが、2着に巻き返している。本馬も展開ひとつで巻き返しがあっていいはず。これまで2番手外の競馬でも善戦はしているが、4勝全てが逃げ切りで理想はハナという馬。▲(5)テイエムスパーダの出方は気になるところだが、警戒はしておきたい。

推定2番人気 (3)エイシンスポッター

 デビュー当初は中距離戦を走っていたが、5戦目から芝1200mを使われるようになり、同距離では【5-1-2-1】。着外に敗れた1回は6着で、そのレースは3~4角で後方の内で包まれ、最後の直線で前が壁になり、残り100mくらいまで進路を作れなかった昨年10月の北陸S時。本馬は末脚を生かす馬らしく、安定した成績を収めながら、徐々に指数を上昇させている。

 不良馬場の前走・鞍馬Sは14番枠からやや出遅れ、そこから促されたが追走に苦労して後方に下がって追走。道中では中目のスペースを詰めて3~4角では我慢。直線では中目を捌いて一気に3列目まで上がると、ラスト1Fでそのまましぶとく伸び、前を捉えて1馬身差で勝利した。

 前走はタフな馬場ではあったが、そこまでペースが上がらず、先行馬でも粘れる展開ではあった。それでもタフな馬場で自己最高指数を記録した後の一戦となると、今回は余力面に不安があり、上昇は期待しにくい。また本馬は二の脚が遅く、この距離ではどうしても後ろからになってしまうので、よほど馬場が悪化しているながらばともかく、開幕週の前と内が有利な傾向の馬場で上位争いに加わるのはそう簡単ではなさそうだ。
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本日3番 福島11R ラジオNIKKEI賞 芝1800m
 ◎ (2)グラニット
 ○ (14)レーベンスティール
 ▲ (7)シルトホルン
 注 (6)エルトンバローズ
 △ (5)シーウィザード
 △ (8)セオ
 △ (1)コレペティトール
 △ (4)オメガリッチマン
結論 馬連2-14,7,6,5,8,1,4 (16:10:10:4:4:3:3) 複勝2 (50)

■逃げ馬の3着以内が60%を占める

 福島芝1800mは1角までの距離が約305mとローカルの芝1800m戦の中ではもっとも長いが、序盤で坂を上るため、福島2000mよりもテンの3Fが遅いことが多い。一方、最後の直線も約292mと短く、直線一気が決まりにくいのが特徴。逃げ馬が3~4角でペースを落とし過ぎると後続勢に捲られてしまうことになるので、逃げ馬はそれを意識し、中盤でしっかりとペースを落として、脚を温存している傾向がある。

 このため極端なハイペース・スローペースが発生しにくく、過去10年で唯一、かなりのハイペースになったのは、トシザキミが鞍上の意に反して暴走してしまった2014年のみ。普通に乗ってくれれば平均ペース前後で収まるため、脚質による大きな有利不利はない。しかし、このレースに関しては過去10年で逃げ馬が1勝2着2回3着3回と、60%の高確率で馬券圏内に絡んでいる。

 それらの逃げ馬は2020年の覇者バビットのような上がり馬か、昨年の2着馬ショウナンマグマのように、クラシック路線で暴走し、本来の能力を出し切れなかった実はそれなりに強い馬たち。相手が楽になることでマイペースで逃げられることが多いので、今年も逃げ馬には注意したい。

■有力馬とそのコメント

◎ (2)グラニット

 昨秋のサウジアラビアRCでは、7番人気で大逃げを展開して2着と好走し、波乱の立役者となった馬。同レースは1番枠からまずまずのスタートを切って、押してハナを主張。道中も淡々とペースを刻んで後続を引き離し、10馬身ほど差を広げて直線へ。さすがにラスト2Fで甘くなり、最後はドルチェモアに交わされたが3着馬には2馬身半差を維持して完封した。

 さらにタフな馬場で行われた3走前のスプリングSでも、1番枠からトップスタートを切って、後続を引き離しての逃げ。当時は重馬場ながら優秀なタイムが出ているように、とても逃げ馬が残れるペースではなかったが、4着に粘った。前走の皐月賞は前々走以上に馬場が悪化していたが、前々走以上のオーバーペースでの逃げ。結果、苦しくなって12着に大敗した。

 しかし、今回は同型馬の(8)セオがいるが、前走よりは楽に逃げられる組み合わせ。皐月賞で外枠から積極的に出して2番手を追走し、10着に大敗したべラジオオペラも次走の日本ダービーでクビ+ハナ+ハナ差の4着に巻き返していることから、ここは本馬の巻き返しの可能性が高まる。鞍上が上手いとは言えない嶋田騎手ながら、想定よりも人気に支持されているが、毎年のようにこのパターンで狙っている当方としては、引けない状況だ。

○ (14)レーベンスティール

 新馬戦でソールオリエンスとマッチレースを演じた馬。新馬戦では6番枠から五分のスタートを切ってコントロールし、好位の中目を追走。ソールオリエンスが終始外から蓋をする形で、4角で詰まってブレーキ気味。直線でも前が壁でソールオリエンスの作戦勝ちのように見えたが、狭い間を割って抜け出し、内から食らいつくガッツを見せる。そこから激しい叩き合いで一旦前に出かかる場面もあったが、最後はわずかにソールオリエンスに前に出られてゴールイン。

 この新馬戦の上位2頭で3着馬に5馬身差を付けた点もすごかったが、驚いたのはラスト2Fの11秒0-11秒0。東京芝の中距離新馬戦でついに出てしまったかという数字だ。いくら前半5F通過が65秒0の超絶スローペースだったとしても、ラスト1Fで減速せずに11秒0は、超優秀な数字であることは間違いなく、この時点でこの2頭はクラシック級だった。

 本馬はその後が順調ならば、無敗で重賞に駒を進めてくると見ていたが、前々走の1勝クラスでまさかの取りこぼし。本馬は9番枠から二の脚で先頭に立ったが、(8)セオに行かせてその外2番手をコントロールしながら追走。最後まで差を詰め切れずにクビ差の2着に敗れた。それもそのはず、セオは持久力に特化型で道悪を得意としているのだから仕方ない面はある。敗れはしたが3着馬に7馬身、4着馬にさらに3馬身引き離しているのだから、十分に能力の高さは見せている。

 また前走の1勝クラスも3番枠から二の脚で先頭に立ってしまったが、外の各馬に行かせたいため、コントロールして折り合いに苦労。やや掛かり気味になりながら、何とか前にスペースを作って2列目の内を追走し、4角出口で開いた最内を突いて直線へ。序盤ですっと反応して早々と先頭。ラスト2Fでそのままリードを広げて3馬身、ラスト1Fでも後続を寄せ付けず、さらに突き放しての5馬身差で圧勝した。このレースでも最後までほぼ減速しておらず、能力の高さを見せつける内容だった。

 ただし、前走は休養明けの前々走で能力を出し切れなかったからこそ、その余力が前走に繋がった面はある。キャリアの浅い馬だけに今回でさらなる上昇力を見せる可能性も十分にあるが、本馬は二の脚が速すぎてどうしても先頭に立つような形になって、コントロールに苦労している点も弱点。その弱点が解消されてしっかり末脚を生かす競馬が出来ればもっと活躍できるが、今回で◎(2)グラニットについて行ってしまうと前々走のようなこにもなりかねない。ましてグラニットはセオよりもしぶといだけに、ここは対抗評価とした。

▲ (7)シルトホルン

 デビューしてからの2戦戦は特に目立つ成績ではなかったが、そこから立て直されての復帰戦となった未勝利戦では大外9番枠から二の脚で先頭に立つ行きっぷりを見せ、そこからスムーズに2番手で折り合う競馬。最後の直線、ラスト2Fで前を交わして先頭に立つと、そこからはジワジワと後続を引き離し、6馬身差の圧勝でした。

 本馬はこの未勝利戦で逃げ馬としての地位を確立。ただ折り合いはつくので、ひいらぎ賞時のように内枠の利を生かして逃げることもできれば、3走前や前々走のように好位で折り合って追走することが出来る。

 またスプリングS時のように前に行って厳しい流れを経験することで、体力もついて近走は崩れすに走れている。特に前走はマイペースで逃げて、3着馬(12)タイシンヤマトに6馬身弱の差を付けての完勝だった。今回は前を行く◎グラニットや(8)セオを見ながら好位でレースを進められる優位性がある。鞍上が大野騎手なら、無理に前に競ってはいかないはず、展開に恵まれる可能性が十分あるので3番手評価とした。
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本日2番 福島10R いわき特別 ダ1700m
 ◎ (2)ヴィンテージボンド
 ○ (5)コスモコラッジョ
 ▲ (8)アルマドラード
 注 (4)ティアップリオン
 △ (1)トリプルスリル
 △ (3)ナンヨーヴィヨレ
結論 馬連2-5,8,4,1,3 (20:10:10:5:5) 複勝2 (50)


 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にヴィンテージボンド(-17.0pt)、コスモコラッジョ(-14.0pt)、マサカウマザンマイ(-11.7pt)、プリンスミノル(-11.3pt)、ナンヨーヴィヨレ(-10.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (2)ヴィンテージボンド

 デビューから芝路線を使われて来た馬だが、3走前に初ダートに起用されると未勝利馬ながら1勝クラスを4馬身差の圧勝。次走の1勝クラスでは1クラス上の指数を記録して連勝となった。

 前記の1勝クラスは2番枠から軽く促された程度で先頭。外のヒロシクンに先頭を譲りたくてコントロールしていたが、やや折り合い欠いて掛かり気味に逃げる形。向正面ではカズカポレイが捲って来たので、同馬に行かせてスペースを作って2番手を追走し、3手前で後続馬が上がって来ると、本馬もそれに抵抗するようにして進出。4角でカズカポレイに並びかけ、直線序盤で同馬とともに抜け出したが、それをすぐに競り落として6馬身差の圧勝だった。

 前走の弥富特別も逃げたが、終始揉まれ弱いラルフに競り掛けられオーバーペースを強いられる形。また後続勢が超絶高速ダートを意識して3~4角で早々を動いて来たために、苦しくなって7着に失速した。今回はそこから立て直されての一戦。ダートのキャリアはまだ3戦と浅く、すでに2勝クラスは勝利できる指数を記録している馬だけに、巻き返しは十分に期待できる。
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本日4番 函館11R 巴賞 芝1800m
 ◎ (2)アラタ
 〇 (10)テーオーシリウス
 ▲ (15)ドーブネ
 △ (4)フォルコメン
 △ (6)サトノエルドール
 △ (7)プライドランド
 △ (9)シルトプレ
 △ (13)ルビーカサブランカ
結論 馬連2-10,15,4,6,7,9,13 (15:15:4:4:4:4:4) 複勝2 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にテーオーシリウス(-21.3pt)、アラタ(-20.7pt)、ドーブネ(-19.0pt)、エンデュミオン(-16.7pt)、プライドランド(-15.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (2)アラタ

 昨年の札幌記念4着馬。同レースはタフな馬場でユニコーンライオンのハナをパンサラッサが叩いて、前半5F59秒5-後半5F61秒7のかなりのハイペース。本馬は12番枠からやや出遅れたが、そこから促してある程度の位置を取りに行く形。好位の外でレースを進めるソダシの後ろをスペースを作りながら追走した。

 3~4角でもソダシをひたすらマークしてスペースを詰め、3列目で直線へ。序盤でジリジリ食らいついて、ラスト1Fでソダシを交わし、3着ウインマリリンとの差もクビまで詰めての4着だった。このレースは上位3頭が全てその後のGⅠ馬。それを考えればよくがんばっている。

 本馬は札幌記念以外にも北海道の芝で好走実績多数。能力は高く、今年に入っても中山金杯4着、金鯱賞3着。今回は能力値上位の本馬と(10)テーオーシリウスと(15)ドーブネの3強ムードだが、自在性があって、この枠の並びなら前記2頭を見ながら2列目、3列目で戦える強みと安定感を評価した。

2023年 7/1・函館9R+メインR以降の予想

本日はメインR以降から、予想を提供する予定でしたが、函館9Rも追加しますm(__)m。また、本日は下記の4レースで終了です。

本日2番 函館9R 長万部特別 芝2000m
 ◎ (1)ラピカズマ
 ○ (12)スピリットワールド
 ▲ (10)ステークホルダー
 △ (3)コーリングユー
 △ (7)アスクエピソード
 △ (2)ビップシュプリーム
 △ (9)ブライトサイン
結論 馬連1-12,10,3,7,2,9 (20:10:10:6:2:2) 複勝1 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にコーリングユー(-11.0pt)、ビップシュプリーム(-9.7pt)、ラピカズマ(-9.0pt)、ホウオウエンジェル(-8.0pt)、フィルムスコア(-5.0pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (1)ラピカズマ

 昨夏の函館芝1200m戦、下北半島特別で連対実績のある馬。同レースでは6番枠からやや出遅れたが、追っつけてすぐに2列目外まで上がり、4角で外からマイネルチューダに被されて手応えが悪化する場面があったが、そこからの手応えがしぶとく逃げた勝ち馬ネレイドにクビ差まで差を詰めた。

 前走はスタミナが不足する長期休養明けで、追い込み馬が台頭する流れを好位の中目と勝ちに行く競馬。ゴール前で横一線の5着と敗れはしたが、内容は濃い。今回は厳しい流れを経験したことで持久力が強化されての前進が期待できる。
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本日4番 函館11R TVh杯 芝1200m
 ◎ (1)オードゥメール
 ○ (9)モリノドリーム
 ▲ (15)ドグマ
 注 (16)イルクオーレ
 △ (4)ヒロノトウリョウ
 △ (6)アップリバー
 △ (3)ヤマニンペダラーダ
 △ (5)タイセイグラシア
結論 馬連1-9,15,16,4,6,3,5 (20:10:10:3:3:2:2) 複勝1 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にインフィナイト(-15.3pt)、モリノドリーム、ブルースピリット(-15.0pt)、オードゥメール、ドロップオブライト(ともに-14.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (1)オードゥメール

 芝1200mで後方から末脚を生かす競馬をするようになって、指数を上昇させた馬。前々走の花見山特別(2勝クラス)では6番枠から五分のスタートを切って中団の後方を追走。3走前から1Fの距離短縮で前半3F32秒8とペースが速かったこともあり、やや追走に苦労していたが、3~4角では前に壁を作って仕掛けを我慢、最後の直線で徐々に外に出しながら追い出されてエンジンが掛かると、前を一気に捉えてゴールした。

 昇級戦の前走のUHB賞はひと息入って14Kg増と太目だったが、それでも最後の直線では内から外に出しながら馬群を捌いてしっかりと伸び、差のないところまで来ていたように、かなり充実していることを感じさせた。今回は逃げ馬(14)ドロップオブライト、(14)イルクオーレが外枠。内から同型の(6)アップリバーも抵抗してハイペースが濃厚の組み合わせだけに、上手く捌ければここはチャンスだ。
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本日3番 中京11R 白川郷S 芝1600m
 ◎ (6)ルージュラテール
 ○ (3)ベルクレスタ
 ▲ (13)トランキリテ
 △ (2)シュヴェルトライテ
 △ (7)ダンテスヴュー
 △ (10)ボーデン
 △ (8)ヴェルヘルム
 △ (9)スズカトップバゴ
 △ (11)ペースセッティング
 △ (12)オールイズウェル
結論 馬連6-3,13,2,7,10,8,9,11,12 (15:12:5:5:5:2:2:2:2) 複勝6 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にトランキリテ(-17.0pt)、ベルクレスタ、ヴィルヘルム(ともに-16.3pt)、ルージュラテール(-15.3pt)、ダンテスヴュー(-14.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (6)ルージュラテール

 2歳時には強敵とぶつかってきた馬。3歳時にはエルフィンS3着、夏には古馬2勝クラスを勝利している。また芝マイルで3勝を挙げ、3走前の立雲峡Sでも小差の5着に善戦しているように、追走に忙しい芝1400mよりもこの距離を得意としている。

 前々走の渡月橋Sは長期休養明けながら2着と好走。12番枠から出遅れて、後方外からレースを進めていたが、直線序盤で内から寄られて外に弾かれて立て直すロスがありながらも、しぶとく伸びて来たように、力をつけている。

 前走は初ダートで度外視できるもの。それでありながらも最後の直線では一瞬外から伸びかけ、見せ場のあるレースぶりだった。今回は得意の芝マイル戦で巻き返し期待。また本日の道悪馬場も前走で芝よりもタフなダートを経験できたことがプラスとなりそうだ。
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本日1番 福島11R 鶴ヶ城S ダ1700m
 ◎ (4)コンスタンティン
 〇 (3)リリーミニスター
 ▲ (5)オンザライン
 注 (11)レッドラパルマ
 △ (6)スノーグレース
 △ (7)サトノスライウ゛
 △ (8)カズプレスト
 △ (9)ロードインファイト
 △ (1)ヴェイルネビュラ
結論 馬連4-3,5,11,6,7,8,9,1 (14:10:10:4:4:4:3:1) 複勝4 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にレッドラパルマ(-20.7pt)、オンザライン(-18.3pt)、コンスタンティン(-17.7pt)、カズプレスト(-16.3pt)、スノーグレース(-16.0pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (4)コンスタンティン

 5走前の2勝クラスで先日の帝王賞に出走していたプロミストウォリアの2着しているように、力はある馬。前々走の平尾台特別は高速ダートでやや速い流れを、中団外から3~4角で外を回りながら進出。それでも最後まで脚色が衰えることなく、しぶとく伸び続けて勝利した。

 前走の三条Sは大外15番枠から先行策。枠なりで終始外を回らされながら勝ちに行く苦しい形だったが、それでも小差の5着と崩れなかったように力をつけている。今回は内枠。ロスの少ない競馬で前進を期待する。

○ (3)リリーミニスター

 5走前の尾頭橋Sでは3着と好走した馬。同レースでは15番枠から好スタートを切ってその外の逃げ馬に行かせてその外2列目を追走。3~4角では持ったまま逃げ馬について行き、直線では外から上がってきたテイエムマグマに抵抗するように早めのスパート。そこから甘くなって3着に失速したが、先頭に立つかの勢いで見せ場を作った。

 その後が不振で2桁着順大敗の連続だったが、立て直された前走・桃山特別では5着に善戦。スタート後に躓いたが、積極的に前に言って、サンマルレジェンドにプレッシャーをかけて行く形。結果、差し馬台頭の流れとなり、本馬も苦しくなって失速したが、復調気配は見せられた。本馬はキックバックが苦手で揉まれない競馬では強さを見せる馬。今回は逃げか2番手でレースを進められそうなメンバー構成だけに、対抗評価とした。

2023年 帝王賞の予想

■前有利な馬場

 5回大井1日目は逃げ切り10回、昨日は4回。昨日の優駿スプリントのように、前半3F34秒2-37秒5とかなりペースが上がっても、先行策から押し切れるような前有利の馬場だ。今、大井が目指しているのは、JRAと同じくらいの速さのダートとのこと。開催後半になるにつれて差しが決まりだすのが通例だが、これからも基本的にタイムの速い決着になるはず。

大井11R 帝王賞 ダ2000m
 ◎ (8)プロミストウォリア
 〇 (1)テーオーケインズ
 ▲ (10)ジュンライトボルト
 注 (4)メイショウハリオ
 △ (2)クラウンプライド
 △ (5)ノットゥルノ
 △ (9)ライトウォーリア
 △ (12)ハギノアレグリアス
結論 馬複8-1,10,4,2,5,9,12 (10:5:3:2:2:2:1) 複勝8 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (8)プロミストウォリア

 骨折による長期休養明けから復帰してから、怒涛の5連勝ともっとも上昇軌道に乗っている馬。前々走の東海Sでは、10番枠から五分のスタートを切って、そこからじわっとハナを主張し、前半4F50秒2-後半4F48秒6のかなりのスローペースで逃げ切り勝ち。当時はラスト1Fで外から伸びて来た結果2着の(12)ハギノアレグリアスが、カラ馬のヴァンヤールが邪魔になり、ブレーキをかける不利で本来の能力を出し切れなかったが、それを差し引いても3着ハヤブサナンデクンに4馬身差は高いパフォーマンスだった。

 前走のアンタレスSは一転して、前半4F47秒5-後半4F50秒1の緩みない超ハイペースでの逃げ切り勝ち。ハイペースでも高水準で逃げ切れるとなると、休養明けでも逆らいにくい。また今回は楽にハナへ行ける組み合わせで、2番手が(2)クラウンプライドの川田騎手となると平均前後で収まると見ている。

〇 (1)テーオーケインズ

 一昨年の帝王賞を含めて、GⅠ・JpnⅠで3勝を挙げた実績馬。一昨年のチャンピオンズCは、6番枠からまずまずのスタートを切って好位の中目を追走。向正面でスペースを作って、4角出口でそれを詰めて直線で外に出されると、圧巻の末脚。戦慄の6馬身差で完勝した。

 昨年は平安SとJBCクラシックを優勝し、今年は川崎記念で2着。一昨年と比べるとやや勢いは落ちているが、それでも前々走の川崎記念では好位の内から3角手前で外に出し、そこから勝ちに行く競馬で3着馬ニューモニメントに4馬身差を付けての2着に善戦している。

 本馬が3角で外に出したことで内にスペースが生まれ、本馬をマークしていたウシュバテソーロがそこから先に抜け出し、直線で逆に同馬を追い駆ける立場となり、半馬身届かなかったが、タフな馬場で前半5F63秒3-後半5F66秒0のかなりのハイペースを3角から3角外から勝ちに行った本馬のほうが内容が上だった。

 前走のドバイワールドCは6番枠から好スタートを切って4頭の先行争いに加わて行く形。外からパンサラッサが上がって来ると、3列目くらいの最内まで位置を下げて追走していたが、序盤で競り合った代償は大きく、最後の直線伸びあぐねて4着に終わった。しかし、休養明け好走後の一戦で激流に巻き込まれながらも4着と大崩れしなかった辺りはさすがと行ったところ。立て直されての今回は巻き返しの公算が高く、ここは相手本線で狙いたい。

▲ (10)ジュンライトボルト

 デビューからしばらく芝を使われていたが、長期休養明けの6走前からダート路線に転向し、上昇一途で昨秋のチャンピオンズCを制した。同レースでは5番枠からまずまずのスタートを切って、序盤は内のハピとのポジション争いの形。外のレッドソルラードらを行かせながら最終的には控える形で中団の内を追走。向正面でも中団馬群の中でレースを進め、3~4角で包まれて、直線序盤で進路がなかったが、○(1)テーオーケインズについて行く形で進路を作り、その外からラスト1Fでグンと伸びて最後に粘る(2)クラウンプライドを捉えてクビ差で優勝した。

 チャンピオンズCは一旦出して、道中で位置を下げて、最後の直線で進路がないという競馬。上手く乗ってもらえていなかった中で、しっかり結果を出したことは評価できる。海外の2戦は崩れたが、国内のダートでは無敗。立て直されての今回は巻き返しが期待できる。また芝でデビューしたダート馬というのは、ウシュバテソーロの活躍からもわかるように、その後の上昇力が大きいもの。まだ上に行ける可能性も残されている。

注 (4)メイショウハリオ

 昨年の帝王賞は5番人気ながら○(1)テーオーケインズらを撃破し、優勝した馬。同レースは大外9番枠からやや出遅れたが、前半のペースがかなり遅かったこともあり、わりと楽に好位の外を確保。テーオーケインズをマークしながらの追走になった。しかし、向正面でスワーヴアラミスが外から捲って一気にペースアップ。これに抵抗して速度を上げたテーオーケインズ、クリンチャー、オーヴェルニュは最後の直線で余力がなく、苦しくなり潰れた。

 一方、本馬は捲られてもワンテンポ待ち、脚をタメることを選択したことで、最後の直線で余力を残せた面が大きい。帝王賞は本馬が強かったというより、前記した馬たちが自滅したことが大きかったレース。本馬が記録した指数もそこまで高いものではなかったが、マイル以上で末脚を生かす競馬では崩れていないのも確か。ここも警戒が必要だ。

△ (2)クラウンプライド

 デビュー4戦目でUAEダービーを優勝した素質馬。昨秋の復帰戦、日本TV盃でサルサディオーネ逃げる超ハイペースを3番手からしぶとく粘って2着と好走すると、その後のJBCクラシックとチャンピオンズCでも2着と好走した。チャンピオンズCは10番枠から坂スタートでスタートがそこまで速くはなかったが、ペースが上がらない中、外のレッドソルダードを行かせてその外2番手を追走と前で立ち回れたことが好走要因。それでも○(1)テーオーケインズらを撃破しての2着は評価できる。

 海外の2戦はともに5着に善戦。良くも悪くも特筆するような内容ではなかったが、前崩れで展開に恵まれたはずの前走・ドバイワールドCで、中団中目から最後の直線で伸びあぐねた辺りから、2000mよりも1800mベストを感じる。ただし、帝王賞は一昨年の○(1)テーオーケインズのように成長期の4歳馬がよく穴を開ける舞台。今回も2番手、3番手でレースの流れに乗れれば、ペース次第で上位争いに加われる可能性が高い。

△ (5)ノットゥルノ

 昨年の東京大賞典の2着馬。同レースでは逃げるショウナンナデシコの後ろでスペースを作って好位の最内を追走していたが、向正面で捲りが発生したことで3角で位置が下がってしまう。さらに前のカジノフォンテンが下がって来たために3~4角で外に出して4角出口で外。本馬が進路を探して仕掛けを待っている間に、4角外からウシュバテソーロに一気に前に出られて、本馬もしぶとく食らいついていたが、1馬身3/4差敗れた。

 本馬はその次走の川崎記念では8着大敗。川崎記念はタフなダートで前半5F63秒3-後半5F66秒0のかなりのハイペース。6番枠から五分のスタートを切って、そこからじわっと行かせて2番手外を追走。スタンド前ではテリオスベルが上がって来たのでそれを行かせて、掛かり気味になりながら2列目の外と勝ちに行く競馬をしたために3~4角でもう手応えを失い、8着に敗れた。

 前々走の川崎記念は3走前に好走した疲れもあったと見ているが、それにしても極端な結果。スタミナが不足する休養明けの前走・平安Sも、体重増の影響もあったが、リニューアル直後の京都のタフな馬場で9着に敗れている。一方、昨年のジャパンダートダービー勝ちの実績を含めて、大井2000mでは好成績を残せているだけに侮れない。

△ (9)ライトウォーリア

 4走前の埼玉栄冠賞は逃げて3馬身差の圧勝、3走前の勝島王冠は大外16番枠から好位の外を追走して2馬身差で完勝した馬。本馬は最近は少しマシになって来ているとは言え、中央所属時代から逃げか、好位の外と揉まれない競馬ならば好走する馬だ。

 3走前の東京大賞典は3番枠から好スタートを切って積極的に出して行ったが外から被され、前々走の川崎記念では12番枠からじわっと出してハナを主張したものの、外からテリオスベルに捲られてしまったように、交流重賞ではスピード不足で簡単には逃げられないが、今回は好位の外で立ち回れそうなメンバー&枠の並びなので、通用の可能性はある。

△ (12)ハギノアレグリアス

 昨秋の阪神ダ1800mのOP・太秦Sを勝利すると、その後、ダートグレードで4戦連続連対と安定した走りを見せている馬。3走前の東海Sでは4番枠からまずまずのスタートを切って、3列目の最内を追走。3角でひとつ外に出し、4角出口で外に誘導して直線へ。そこからしぶとく伸びて、2番手のハヤブサナンデクンに接近したが、ラスト1Fでは外のカラ馬に邪魔をされて、ブレーキで位置を下げ、勝ち馬◎(8)プロミストウォリアと2馬身差の2着。

 前々走は最後の手応えを考えると、ラスト1Fで不利がなければ、プロミストウォリアとの差を詰められていた可能性はある。しかし、その次走の名古屋大賞典で砂厚の深い内を通ったケイアイパープルとマッチレースとなり、アタマ差しか差を付けられなかった辺りにやや物足りなさを感じる。

 また前走の平安Sもこれまでにないレベルのタフな馬場で、前半4F49秒6-後半4F51秒6とかなりハイペースと馬場にも展開にも恵まれながら、中団外からジリジリ。2着ではあったが、グロリアムンディには2馬身差を付けられた点にやはり物足りなさを感じ、大外枠でもある今回は評価を下げた。それなりに人気もあるので、ここは押さえ程度でも良さそうだ。

2023年 優駿スプリントの予想

■昨日は、逃げ馬天国の馬場

5回大井2日目、昨日月曜の大井は12レース中逃げ切り10回。昨日は内が極端に軽い馬場状態だったため、極端な結果となったが、今、大井が目指しているのは、JRAと同じくらいの速さのダートとのこと。開催後半になるにつれて差しが決まり出すのが通例だが、これからも基本的にタイムの速い決着になるはず。

大井11R 優駿スプリント 芝1200m
 ◎ (12)ハーンドルフ
 〇 (2)ウインドフレイバー
 ▲ (9)スタードラマー
 △ (5)リベイクフルシティ
 △ (15)メンコイボクチャン
 △ (16)シロイトイキ
 △ (4)デザートウインド
 △ (8)クラティアラ
 △ (11)サグアロ
 △ (13)フジコチャン
 △ (14)マテリアルガール
結論 馬連12-2,9,5,15,16,4,8,11,13,14 (8:8:8:8:8:2:2:2:2:2) 複勝12 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (12)ハーンドルフ

 4走前のはくたか賞では、トップスタートを切ったコロロアのハナを内から叩いて前半3F35秒1-後半3F38秒2のかなりのハイペースで逃げて2着。その次走のジェムストーン賞では好スタート&好ダッシュでハナを主張し、前半3F36秒1-後半3F37秒5のややハイペースで逃げ切っている。また、ここで負かした相手は、オピニオンリーダー(次走で大井1200mの内川賞を完勝して、クラシック2戦でも善戦)やクラティアラ(後の若潮スプリント3着馬)である。

 前々走のユングフラウ賞は、浦和の大外枠でひとつ内のエイシンエイトと競り合いながら内に切れ込み、オーバーペースの形。結果7着に大敗した。また前走の若潮スプリントは、スタミナが不足する休養明けで、タフな馬場の船橋で逃げる競馬。ここでもメンコイボクチャンに終始突かれて厳しい形となった。しかし、今回は実績のある大井、さらに前有利の状況下となれば、期待せずにはいられない。今回は外枠なので、内からハナを主張する馬に行かせて、その外を狙っていってもいいと見ている。

〇 (2)ウインドフレイバー

 前走の東京ダービーはミックファイアには大きく引き離されたが、2着ヒーローコールと1.1秒差、8着に善戦した馬。前走はレコードタイムが記録された前有利の超絶高速馬場を軽くアオって出遅れ、後方4番手からの追走。3角手前で外から徐々に進出し、直線でさらに外に出されると、そこからしぶとい伸びを見せた。前走は休養明けだったが、休養中の成長を示す内容だったと言っていい。

 本馬はもともと浦和の900mの新馬戦、1400mの新選特別を連勝したように短い距離がベストの馬。その後の若武者賞2着や浦和ジュニアCを勝利した実績もある。相手弱化のこの舞台で、一昨年のワールドリングのような浮上を期待する。

▲ (9)スタードラマー

 昨年12月に大井に移籍し、ダ1200mを3連勝目でクロッカス賞を制した馬。クロッカス賞はタフな馬場の船橋で前半3F35秒5-後半3F39秒5のかなりのハイペース。大外枠から内の馬の出方を窺いながら差す競馬となった本馬は展開に恵まれたのは確かだが、今回人気のメンコイボクチャンを撃破して勝利している。

 また前走の優駿スプリントTRでは、6番枠から出遅れてかなり押して中団中目を追走。3~4角でもじわっと位置を上げ、最後の直線でさらに外に出されると、しぶとく伸びて2着に善戦した。前走では(16)シロイトイキに敗れたが、3~4角で内目を通して、4角出口で上手く外に出した同馬よりも、出遅れを挽回するロス、3~4角で中目を通す距離ロスを作りながらも2着に好走した本馬に魅力を感じる。

△ (5)リベイクフルシティ

 4戦4勝で大井1200mのゴールドジュニアを優勝した馬。当時2着に下したポリゴンウェイウは次走のハイセイコー記念でマンダリンヒーローと差のない2着しているように、2歳時はトップクラスに準ずる実績を持っていた。

 ただゴールドジュニアは、前半3F34秒2-後半3F38秒6(ラスト2F12秒5-13秒3)の超絶ハイペース。4番枠からやや出遅れて中団中目を追走し、最後の直線で大外から差し切った本馬は展開に恵まれた面が強く、その後はやや苦戦するかもと見ていた。

 しかし、京浜盃4着、羽田盃4着と意外と好走。特に羽田盃は3番枠から好スタートから好位を追走し、3~4角で位置を押し上げて4角で先頭に立ったミックファイアを追いかけて行く競馬。直線序盤ではスパートする同馬について行く脚を見せながらも、ラスト1Fで甘くなったもの。なかなかの好内容だった。

 前走の東京ダービーは先行馬手薄の状況下で好位の外でスムーズにレースの流れに乗れてはいたが、3角手前で外からヒーローコールが捲って来て、それに抵抗して早仕掛けをしたために9着に敗れた。内容は着順、着差ほど悪くなく、この舞台で実績もあるとなればここは狙ってみたくなるが、京浜盃から始動し、クラシックを目標にしたことがどう出るか…。

 このレースはクラシック組がよく巻き返してはいるが、その大半はプライルードやワールドリングのように、クラシックを一戦ちか使わなかった馬。そこが懸念材料で評価を下げた。

△ (15)メンコイボクチャン

 前走の若潮スプリントを優勝した馬。前走は5番枠から五分のスタートを切って、二の脚の速さで逃げた◎(12)ハーンドルフの外2番手を追走。3~4角で同馬に並びかけ、4角出口で先頭。直線序盤で後続を突き放し、外から迫る(15)フジコチャンを振り切って勝利した。

 本馬は昨秋のイノセントCでも、かなりのハイペースで逃げるスペシャルエックス(後の兵庫GP・2着馬)を追い駆けて2番手を追走し、同馬にクビ差まで迫った実績があり、1200mは最適条件。しかし、その後に芝路線を使われて敗戦したこともあり、前走を勝たなければ確実にここに出走できない立場だった。前走を目標にしているだけに、ここへの余力がどこまであるのか不安である。

△ (16)シロイトイキ

 デビューから5戦3勝2着2回の実績馬。前々走のフォーチュネイト菖蒲特別では3馬身差で圧勝し、前走の優駿スプリントTRでも2馬身差で勝利した。ただ前走は12番枠から五分のスタートだったが、積極的に出して好位馬群の中目を追走。3角で内にスペースがあったので、そこを通して4角出口で外と、上手く乗られていた。

 また前々走も3番枠からスタートは五分だったが、一旦ハナを主張し、そこから位置を下げて上手く内々を立ち回っての勝利だっただけに、今回は大外15番枠がネックとなる。内有利の馬場傾向の今回で、3角で内がガッポリ開くことは考えにくく、外々を回らされるリスクがある。キャリアが浅く、成長力でアッサリここを突破されても不思議ないが、人気ほど信頼できない。

△ (4)デザートウインド

 連闘策で若駒スプリントを勝利し、その次走のユンフラグ賞でも3着に好走した馬。同レースは8枠2頭が競り合って、前半3F35秒6-後半40秒3の超絶ハイペース。サーフズアップの外一気が決まる流れを、6番枠からやや出遅れ、二の脚で先行争いに加わるかの勢い。一旦好位の直後の中目から向正面で外に出して捲って行く競馬。早仕掛けだったが、よく粘れていた。

 その後の牝馬クラシック2戦では距離の壁に当たったが、前走の優駿スプリントTRは大外16番枠からスムーズに好位の外でレースの流れに乗れていた。前走は終始外々を回る競馬になってしまったが、今回は4番枠。ロスなく立ち回っての一発が怖い。

△ (8)クラティアラ

 前走の早苗月特別は11番枠からトップスタートを切って、ハナを取りに行こうとしたが、内から(7)ポーチュラカがハナを主張したので競らずに2番手を追走。3~4角で差を詰めに行ったが、逆に差を広げられて4馬身差の2着に敗れた。完敗ではあったが、1400mは少し距離が長いのも確か。

 本馬は3走前の弥生スプリントの覇者。前々走の若潮スプリントでもスタート後に躓いて後手を踏みながらも、内じわっと位置を上げ、3角では2列目の内まで挽回。それでありながら直線でも残り100mくらいまでしぶとく粘っている。前走は超高速馬場のスローペースで(7)ポーチュラカに展開が向いた面もあっただけに、得意距離のここで巻き返しがあっても不思議ない。

△ (11)サグアロ

 中央時代は阪神ダ1800mの1勝クラスで3着の実績。同レースでは8番枠から好スタートを切って2番手を追走し、4角出口で先頭と早仕掛けで勝ち馬と0.4秒差に粘った。当時記録した指数はヒーローコールの伏竜S時よりもやや上である。川崎に移籍して挑戦した羽田盃ではミックファイアの後ろ3番手を追走したものの、ペースが厳しくなって15着大敗。

 しかし、初めての1200m戦となった優駿スプリントTRでは14番枠から2列目の外を追走と、楽に前に行くスピードを見せられているだけに、この距離に慣れての前進を期待した。

△ (13)フジコチャン

 前走のツインベスト特別を大楽勝した馬。前走は5番枠から好スタートを切って5頭雁行状態の先行争いに加わったが、2角でハナを主張し切ってハナへ。向正面でやや息を入れ、3角から再びペースアップ。直線でさらに差を広げて独走し、9馬身差で勝利した。前走は前半3F35秒9-後半38秒5のかなりのハイペースで逃げ切っており、本馬はハナへ言ってこそなのだろう。

 ただし、そこまで消耗度の高いレースをしてしまうと疲れが出てここで上昇力を見せられない可能性が高い。また1200mで今回のメンバーで14番枠となると逃げられない可能性がかなり高い。こういったことから、本馬も人気ほどの信頼はできない。

△ (14)マテリアルガール

 前走のツインベスト特別を大楽勝した馬。前走は5番枠から好スタートを切って5頭雁行状態の先行争いに加わったが、2角でハナを主張し切ってハナへ。向正面でやや息を入れ、3角から再びペースアップ。直線でさらに差を広げて独走し、9馬身差で勝利した。前走は前半3F35秒9-後半38秒5のかなりのハイペースで逃げ切っており、本馬はハナへ言ってこそなのだろう。

 ただし、そこまで消耗度の高いレースをしてしまうと疲れが出てここで上昇力を見せられない可能性が高い。また1200mで今回のメンバーで14番枠となると逃げられない可能性がかなり高い。こういったことから、本馬も人気ほどの信頼はできない。

2023年 宝塚記念+阪神9R+メインR以降の予想

阪神9Rn予想を追加しますm(__)m。本日は下記の4レースで終了となります。

■ペースが二極化しやすい

 宝塚記念は過去10年でかなりのハイペース3回、ややハイペース2回。一方、かなりのスローペース2回、ややスローペース3回と極端な結果となっている。これは阪神芝2200mの序盤が下り坂であることや、初角までの距離が長く、前半3Fが速くなることが影響している。

 前半3Fで勢いに乗せてそのままハイペースになることもあるが、そのぶん道中でペースが落ち、スローペースになることもある。つまり、逃げ馬の数や性質、馬場状態の影響を強く受けるということ。

 昨年のようにパンサラッサが同型のタイトルホルダーを意識して、道中もペースを緩めず逃げればかなりのハイペースにもなるし、2014年ヴィルシーナのように同型馬不在を生かし、道中で上手くペースを落とせば、かなりのスローペースにもなるということ。その年はヴィルシーナが8番人気ながら3着に粘った。

 また過去2年は3回阪神2週目の開催で、内でも十分に粘れていたが、今年は3回阪神4週目に戻る。すでに外差しが決まりだしているので、レースがハイペースになれば2020年のような外差し決着になることが予想される。

 今回はユニコーンライオンが一昨年のように、道中で息を入れて逃げられればいいが、当時は1番枠だったのに対して今年は15番枠と外枠。さらに外にドゥラエレーデが入り、12番枠にアスクビクターモアもいる。間違いなくややスローペースだった一昨年よりペースは上がるだろう。ややハイペースになると想定して予想を組み立てたい。

本日1番 阪神11R 宝塚記念 芝2200m
 ◎ (5)イクイノックス
 ○ (12)アスクビクターモア
 ▲ (2)カラテ
 △ (3)ダノンザキッド
 △ (7)プラダリア
 △ (13)ジオグリフ
 △ (14)ブレークアップ
 △ (17)ドゥラエレーデ
結論 馬連5-12,2,3,7,13,14,17 (20:10:7:7:2:2:2) 複勝5 (50)

■有力馬の紹介とそのコメント

◎ (5)イクイノックス

 昨春のクラシック2冠は連続2着に終わったが、秋になって本格化。天皇賞(秋)と有馬記念を連勝した。有馬記念は9番枠から五分のスタートを切って、そこから行きっぷりが良かったが、折り合い重視で中団馬群の外目、エフフォーリアをマークして追走。3~4角で同馬をアオるように馬なりで並びかけ、先頭列で直線を向かえると、すっと抜け出して2馬身半差で完勝した。

 有馬記念当日は馬場の良い外をスムーズに走れたのは確かだが、早めに動いて3角後方2番手の2着ボルドグフーシュに次ぐ、メンバー2位の上がり3Fタイムを記録したのは強いの一言。指数も今回のメンバーで1位のものを記録している。

 一転して前走のドバイシーマクラシックでは、6番枠からまずまずのスタートだったが、逃げ馬不在で押し出されるようにして先頭。2角過ぎから明確にペースを落とし、「捲りたいなら捲れ」というようなスタンスで乗っていたが、そのままレースは動かず。3~4角で徐々に加速して直線序盤で促されると、すっとここで後続をちぎり、そのまま差を広げて3馬身半差で優勝した。

 同レースはかなりのスローペースに持ち込んでの逃げ切りではあるが、最後は鞍上が後ろを振り返って、流していたほどレースぶりに余裕があった。本馬のように逃げて持久力を生かす競馬も、差してトップスピードを生かす競馬も対応できる馬は滅多にいない。

 例えばタイトルホルダーやパンサラッサが逃げて消耗戦に持ち込んだ昨年のような展開なら、スタミナの差で敗れてしまう可能性はあるが、今回はそういう馬はいない。逃げ馬3頭が揃って外枠に入り、内に3~4角の外から早めに動くティープボンドもいるとなると、3~4角で上手く外に出せず包まれてしまう危険性もあるが、普通に走って能力を出し切れば勝ち負けになるだろう。さすがに逆らいにくい。

○ (12)アスクビクターモア

 昨年の菊花賞馬。同レースは14番枠からまずまずのスタートだったが、押してセイウンハーデスから離れた2番手を追走。同馬の大逃げで前半5F58秒7-中盤62秒7-後半5F61秒0の前半からかなり速い流れになったが、この流れを2番手から4角で並ぶ間もなく同馬を交わして堂々の先頭に立ち、そのまま押し切る強い内容だった。

 本馬は超絶高速馬場で緩みないペースで流れたダービーで単独2番手からイクイノックスと2馬身差の3着に善戦したようにスピードもそれなりにある。今年の2戦は大敗したが、前々走の日経賞はスタミナが不足する休養明けで極悪馬場。出遅れて最後方から挽回していく苦しい展開で9着に敗れた。勝ち馬タイトルホルダーに大きく離されており、本調子ではなかったと推測できる。

 しかし、前走の天皇賞(春)はスピード面の復活を見せている。6番枠からやや出遅れたが、それを二の脚で挽回してスタンド前では2列目の外を追走。向正面で2列目の内からタイトルホルダーをマークして乗られていたが、3角で同馬が故障し、下がってまさかのブレーキ。ここで3列目まで位置を下げてしまった。

 前走は前半で厳しい流れを先行して位置を取りながらも、3~4角の勝負所で位置が下がってしまい惨敗。しかも、本馬は3~4角の外から動いて行くディープボンドのようなタイプだけに、前走の不利は致命的だった。しかし、前走で不完全燃焼だっただけに、疲れが残らず、この中間は強めに追われながらも元気一杯。本馬はディープボンドよりも楽に前の位置が取れる優位性があり、ここは一発を警戒したい。

▲ (2)カラテ

 今年の新潟大賞典をGⅠ通用レベルの指数で優勝した馬。同レースは2番枠から五分のスタートを切って、そこから楽に先行したが、外のセイウンハーデスが大逃げ体勢だったため、好位の内目に収めて追走。3~4角でも我慢させ、3列目の内で直線へ。序盤で馬場の悪い最内から徐々に中目に誘導しながら2番手に上がり、ラスト2Fで追い出されると粘り込みを図るセイウンハーデスとの一騎打ちとなり、それを3/4差で制した。

 当時は極悪馬場で3角5番手以内馬4頭が11着以下に崩れたなか、5番手から優勝したのが本馬であり、3着には8馬身差以上を付けている。つまり、セイウンハーデスと本馬の持久力が優っていたということ。本馬は長らく追走が忙しい芝1600mを使われ、能力の高さで東京新聞杯を制したこともあったが、中距離を使われてスムーズにレースの流れに乗れるようになり、上昇した。

 不良馬場で高指数を記録したことで、道悪巧者でパワー型のイメージが強く残るが、マイル重賞でも通用していたようにそれなりにスピードはある。前走は9着に敗れたが、道悪で好走した疲れがあったのだろう。マリアエレーナをマークしてレースを進めていたが、直線で同馬が伸びず、十分な進路が作れずにまごつく不利もあり敗れた。しかし、勝ち馬との着差は0.5秒差と大きく負けておらず、ここでの巻き返しが期待できる。

△ (3)ダノンザキッド

 今春の大阪杯の3着馬。同レースでは13番枠からやや出遅れたが、そこから促して好位の外を追走。ジャックドールの逃げで道中も緩みなく流れていたが、2列目に近い4番手の外で3角へ。3~4角でもペースが緩まなかったが、2頭分外を回るロスを作りながらジャックドールを追い駆け、2番手に上がって直線へ。そこからしぶとく伸び続け、ラスト1Fでも踏ん張ってくらいついたが、最後はスターズオンアースに捉えられ、ハナ+クビ差の惜敗だった。

 本馬はデビューから3連勝目でホープフルSを優勝した中距離馬のはずだったが、皐月賞で15着に大敗したばかりに、安田厩舎所属ということもあり、マイル路線を使われるようになった。しかし、その皐月賞は休養明けの弥生賞で好走した後の一戦で、状態をピークに持ってこれなかった上に、向正面から3角途中までしつこく、しつこく外からアサマノイタズラにぶつけられる不利があり、それによる消耗も大きかったと考えている。

 当然、マイルでは追走に忙しい競馬。能力の高さでマイルCSで2着に善戦するなどの実績もあるが、終いが甘くなって勝ち切れなかったのは追っつけ気味の追走で体力を使っていたからだろう。本馬は昨秋の香港Cでも2着の実績があるように、芝2000mくらいがベスト。大阪杯で終始2頭分外を回るロスを作りながらジャックドールを追い駆け、差のない競馬をしていることから、もっと距離があってもいいかもしれないと見ている。前走のクイーンエリザベス2世Cは休養明け好走の反動で5着に敗れたが、ここでの巻き返しを期待する。

△ (7)プラダリア

 昨年のクラシックでは日本ダービー5着、菊花賞7着とGⅠの壁にぶつかったが、今年に入って日経新春杯で大接戦の3着、京都記念で3着と成長力を見せた馬。今年の京都記念は今回と同じ阪神芝2200mが舞台で、ユニコーンライオンが1角までぶっ飛ばして逃げ、そこから息を入れていた。序文で阪神芝2200mはペースが二極化しやすいことをお伝えしたが、このレースは珍しく平均ペースで流れた。

 本馬は8番枠から五分のスタートを切って、前半は中団の外目を追走していたが、向正面で中団から2列目の外まで上がって行く形。これは鞍上がトップスピード比べの形だとドウデュースには叶わないと判断し、先に動いて一発を狙った騎乗だったと推測されるが、直線序盤で一気にドウデュースに交わされてしまう結果。ラスト1Fで中目から捌いてきたマテンロウレオにもクビ差捉えられての3着だった。

 個人的に本馬が早めに動いた次点で、「もう終わった」と思ったが、意外と頑張れており、京都記念のように勝ちに行かなければ、相手強化のここでも3着くらいはあると見ている。前走の目黒記念は5着に敗れたが、超絶スローペースをやや出遅れて外のディアスティマにすぐに進路をカットされ、いったん位置を下げて好位の直後の中目と序盤の入り方が悪く、位置も後ろ過ぎたもの。3~4角で外目を回るロスもあって本来の能力を出し切れていないだけに、ここは巻き返して来ると見る。

△ (13)ジオグリフ

 昨春の皐月賞では、本格化前の(5)イクイノックスを撃破して優勝した馬。同レースでは14番枠から五分のスタートを切って、そこからコントロールして好位の外目を追走。1角で前にスペースを作って、ビーアストニッシドの後ろで折り合い重視で乗られていたが、2角で折り合い欠いたイクイノックスが上がってくると、それを行かせ、同馬を目標に動いて行く形。3~4角で同馬の後ろから外に誘導して直線へ。そこからイクイノックスに食らいついて行き、最後に競り落としてクビ差で勝利した。

 本馬はその後、「デビュー前から喉鳴りだった」と突然、報道がされたが、競走馬の大半は度合が違うだけで喉鳴り持ちであり、日本ダービーに向けて調子が上がっていなかったから布石を打っただけのこと。実際にその後はスランプだったが、前々走のサウジCでオーバーペースで逃げるパンサラッサを追い掛けるようにして2番手追走し、4着と粘れているだけに、調子を取り戻していると考えてもいいだろう。

 むしろ、休養明け&初ダートの前々走でいきなり好走した辺りに芝よりもダートでこその資質を感じるが、芝でも実績がある以上、ここは警戒しておきたい。前走のドバイワールドCは休養明けでタフなレースを好走した反動で、11着に大敗したが、そこから立て直されての今回は巻き返しが期待できる。

△ (14)ブレークアップ

 昨秋のアルゼンチン共和国杯で初重賞制覇を達成した馬。同レースでは7番枠から五分のスタートだったが、二の脚が速く、すっと2番手。外からじわっと上がって来るアフリカンゴールドにも行かせて、最終的には逃げるキングオブドラゴンから離れた3番手でレースを進めた。レースはキングオブドラゴンの単騎逃げだったが、3~4角でアフリカンゴールドとともに同馬との差を詰めて直線へ。

 序盤でキングオブドラゴンが内ラチに激突するアクシデントがあったが、それをやり過ごしてから追い出されると、すっと先頭列に上がり、そこから後続を離して1馬身1/4差で完勝した。このレースはかなりのスローペースで良い位置が取れたこと、終始コーナーの最内をロスなく立ち回れていることが好走要因ではあるが、今年に入ってからの2走も崩れずに走れている。

 特に前々走の阪神大賞典は超絶スローペースで前有利の流れだったが、7番枠からまずまずのスタートを切って、先頭を窺う位置にいながらも、外から被されれて好位の中目と位置取りが悪くなってしまった。向正面で上手くスペースを作り、3~4角で外からボルドグフーシュやディープボンドらが仕掛けて行くのを待って、上手く好位の内を上手く立ち回って最後の貯金を作っていたが、後の天皇賞(春)の覇者(9)ジャスティンパレスと1馬身3/4差なら上々。そのジャスティンパレスは天皇賞(春)を大目標とし、今回はそのおつりで走ることになるので、ここは警戒しておきたい。

△ (17)ドゥラエレーデ

 デビュー2戦目の札幌芝1800mの新馬戦ではドゥーラには1馬身3/4差敗れたものの、時計の掛かる馬場で逃げて3着馬に5馬身差を付けた内容は、十分に褒められるものだった。本馬はその次走でダートの未勝利戦を勝ち、その次走の東京スポーツ杯2歳Sではシルトホルンと競り合ってペースを引き上げ、差し、追込馬台頭の流れを演出。同レースは先行馬にはとても厳しい流れだったが、小差の4着に粘った内容は濃く、能力の高さを感じさせた。

 すると次走のホープフルSでは、11番枠からまずまずのスタートを切って、トップナイフの外2番手を追走。同馬をマークして乗り、4角出口で同馬に並びかけて直線へ。序盤ではトップナイフに3/4ほど出られたが、ラスト1Fでしぶとく粘り込む同馬をハナ差捉えて優勝した。ホープフルSは前有利の展開に恵まれた面があったが、今回も恵まれない可能性もないわけではない。

 本馬は前々走でUAEダービーに出走し、そこで2着に善戦。芝の方が成績が良い馬だが、負けて強しの内容で好調ぶりをアピールしている。前走の日本ダービーはスタート後に大きく躓いて落馬。すぐに競走中止となっただけに度外視していいだろう。厳しいダート競馬の経験は、今回の粘りに繋がることが大きく、今回は相手が一気に強化されるが、成長力で通用の可能性も視野に入れておきたい。

推定2番人気 (9)ジャスティンパレス

 前走の天皇賞(春)で悲願のGI制覇を達成した馬。前走は1番から五分のスタートだったが、最内枠を生かして上手く好位を狙い、最終的には好位直後の最内を追走。スタンド前で中目に誘導、向正面ではディープボンドをマークし、3角から同馬を追い駆けてじわっと進出して2列目の外で直線へ。直線序盤ですっと伸びて早めに抜け出したディープボンドを交わしてどんどんリードを広げ、2馬身半差で完勝した。

 逃げたタイトルホルダーの故障の影響で3角手前から大きくペースが緩んでおり、そこを外から上手く押し上げたことが功を奏した面はある。しかし、本馬が前走で記録した指数はイクイノックスの有馬記念に次ぐNO.2のもの。意外と高い指数で決着している。また、昨年の有馬記念ではイクイノックスと1.1秒差の7着に敗れているが、外差し馬場を好位の最内を追走と、馬場が悪化した内から勝ちにいったことが裏目に出た結果である。

 ただし、超一戦級が集うGⅠで連続好走するのは難しいもの。天皇賞(春)を目標に仕上げ、そこで好走すれば今回は余力で走ることになるからだ。昨年のタイトルホルダーは天皇賞(春)と宝塚記念を連勝しているが、着差は7馬身差の圧勝から2馬身差まで縮まっているように、指数を6pt(=0.6秒差)ダウンさせている。

 またキタサンブラックは生涯2度、馬券圏外に敗れているが、そのうちの一回が2017年の天皇賞(春)1着からの臨戦だったこのレース(9着)だ。また2016年も同じ臨戦で3着に敗れている。2013年天皇賞(春)の覇者フェノーメノはこのレースで4着、2012年天皇賞(春)の覇者ビートブラックは9着と、大半の天皇賞(春)優勝馬がこのレースで敗れている。そこを考えると本馬は狙いにくい。
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本日4番 阪神9R 舞子特別 芝1400m
 ◎ (4)イティネラートル
 ○ (8)テーオーダビンチ
 ▲ (12)チャーミングアクト
 △ (3)サトノペルセウス
 △ (5)スカイロケット
 △ (6)ウルトラソニック
結論 馬連4-8,12,3,5,6 (20:10:10:5:5) 複勝4 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にテーオーダヴィンチ(-14.7pt)、ワンダーカタリナ(-12.7pt)、サトノペルセウス、ウルトラソニック(ともに-11.7pt)、プレジールミノル(-10.0pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (4)イティネラートル

 4走前にりんどう賞を逃げ切り、デビューから4戦2勝の成績となった素質馬。前々走のフィリーズレビューでは1番枠からまずまずのスタートっを切って、押しての先行争いに加わって行ったが、外の各馬が雁行状態で内に切れ込んで来たので、一列下げて好位の最内を追走。3~4角で前が下がって来たために進路を作るのにやや苦労をしていたが、直線序盤で外のシングザットソングの後ろから同馬について行く形。しかし、同馬との差は詰められず、最後まで伸びずバテすの5着だった。

 本馬はもともと前に行って持久力を生かしてこその馬。前々走は前半で位置を下げ、最後の直線でも仕掛けが遅れたことが主な敗因だ。スムーズなレースならば、もっと勝ち馬シングザットソングとの差を詰めていた可能性が高い。前走の橘Sは不良馬場を2列目の最内2番手と勝ちに行く競馬で実質オーバーペース。最後は馬場の悪い内を通っていたが、それでも勝ち馬と0.4秒差の6着と大きく崩れなかった。りんどう賞を勝利し、フィリーズレビューでも善戦した得意の阪神芝1400mで巻き返しを期待する。
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本日2番 函館11R 大沼S ダ1700m
 ◎ (10)ペプチドナイル
 〇 (2)ブラッティーキッド
 ▲ (12)アドマイヤルプス
 注 (3)ハセドン
 △ (1)ダノンファスト
 △ (4)ディアセオリー
 △ (5)セキフウ
 △ (6)オディロン
 △ (13)キタノリューオー
結論 馬連10-2,12,3,1,4,5,6,13 (15:12:10:3:3:3:3:1) 複勝10 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にハセドン(-29.3pt)、アドマイヤルプス(-27.0pt)、ダノンファスト、メイショウユズルハ(ともに-26.0pt)、ボイラーハウス(-24.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (10)ペプチドナイル

 4走前の赤富士S(3勝クラス)では、6番枠から好スタート&好ダッシュでハナへ行くかの勢いだったが、内からかなり押してハナを主張するショウナンアーチに行かせて、2番手外をピッタリと折り合って追走。ショウナンアーチには競り掛けず、マイペースで行かせて残り300m辺りで追い出されると、そこから後続を引き離して3馬身差で完勝した。

 4走前は当時の出走馬に対して別格の内容でオープン通用を感じさせる勝利だった。前走のブリリアントSは、4番枠から好スタートを切って逃げたが、外からマリオロードに競られて火か着いたかのように緩みないペースで逃げ、自ら追い込み馬台頭の流れを作ってしまった。前走時は初めてのブリンカー着用だったが、その効果があり過ぎたのだろう。それでも残り300mくらいまでは先頭と良く粘っていた。

 陣営はこの中間「ダ1700mのここを見越して前走でブリンカーを着用した」とコメントしており、実際に前走でテンから出して行かせたことで 1700mの流れにもスムーズに乗れるはず。また息が上手く入れられない厳しいペースになったことで、今回は持久力強化も見込める。意外と人気にはなったが、ここは最有力だ。
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本日3番 東京11R パラダイスS 芝1400m
 ◎ (5)オールパルフェ
 ○ (9)サーマルウインド
 ▲ (11)ストーンリッジ
 注 (2)ビューティフルデイ
 △ (4)カイザーミノル
 △ (6)ホウオウノーサイド
 △ (13)メイショウチタン
 △ (1)コムストックロード
 △ (8)モントライゼ
 △ (10)サトノラムセス
結論 馬連5-9,11,2,4,6,13,1,8,10 (12:10:7:5:5:5:2:2:2) 複勝5 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にサーマルウインド(-20.0pt)、ビューティフルデイ(-18.7pt)、テンハッピーローズ(-18.0pt)、カイザーミノル、ストーンリッジ(ともに-17.0pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (5)オールパルフェ

 デビュー3戦目のデイリー杯2歳Sの覇者。同レースでは大外10番枠から五分のスタートを切って、二の脚でハナを主張し、上手くペースをコントロールしての逃げ。3~4角からじわじわペースを引き上げ、直線序盤で追い出されると後続との差を一気に3馬身差ほど広げ、ラスト1Fで外から一気に迫るダノンタッチダウンを振り切って半馬身で完勝した。

 その次走の朝日杯FFSは前日の雨の影響で時計が掛かる馬場状態の中、外からグラニットが競ってきたために、前半4F45秒7のオーバーペースの逃げ。ラスト100mくらいまで先頭の見せ場は作れていたが、最後苦しくなって5着に敗れた。

 前々走のスプリングSはスタミナが不足する休養明けで1Fの距離延長。さらに馬場がタフで前半4F47秒3-後半4F49秒5の激流となった。本馬は11番枠だったために先行争いの激化で内に入れられず、1角では外、そこから位置を下げて2角で内に入れて4番手を追走。前3頭からやや離れた位置でレースを進めていたが、その位置でも十分に苦しく、最後の直線でジリジリ後退して6着に敗れた。

 また前走のNHKマイルCは休養明けで、道悪で好走したために上位のベラジオオペラやホウオウビスケッツ等と同様に、強くダメージが残った面もあるが、ここでも雨の影響で馬場が渋った中で序盤でややハイペースの2番手と勝ちに行く競馬をしたことも16着に大敗した理由だ。序盤で自ら逃げ馬に競り掛けて行った時点で、敗戦が確定したようなレースぶりだった。

 今回は前走時よりも相手が強いが、ここはメイショウチタンなど同型馬がいるにはいるが、芝1400m戦としては後半型の馬が揃った印象を受ける。東京芝はまだ超高速馬場と言える状態。それならばハンデ54Kgを生かして、前に行っての粘り込みが期待できる。

○ (9)サーマルウインド

 前走の春興S(3勝クラス)を、オープンでも通用する指数で勝利した馬。前走は日経賞当日の極悪馬場。スタミナが不足する休養明けながら2番枠からトップスタートを切って、そこからじわっとハナを主張し、緩みないペースで逃げ4馬身差の圧勝だった。

 今回はそこから疲れを取っての一戦。近走よりも距離は短くなるが、本馬は東京芝1400mの未勝利戦を差し切り勝ちした実績がある。またマイル戦で先行できるスピードがあればこの距離でもレースの流れに乗れると見て、対抗評価とした。

▲ (11)ストーンリッジ

 前々走の北九州短距離Sの3着馬。前々走は17番枠からトップスタート切ったが、内の馬がハナ争いを展開してテンが速くなったため、自然と位置が下がり、中団の外目を追走。最後の直線でしぶとく伸び続けてハナ+アタマ差の3着に好走した。

 本馬は3走前より芝1200mを使われるようになり、幅広い展開に対応できるようになった。現在の東京芝は内と前が有利なだけに、今回の枠だと中団の外からロスを作る危険性もあるが、上手く先行できればチャンスがありそうだ。
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2023年 青函S・天保山SなどメインR以降の予想

本日はメイン以降の予想を中心に掲載。最終Rの予想を出すとすれば、函館12Rのみとなりますのでご了承くださいm(__)m。

本日2番 函館11R 青函S 芝1200m
 ◎ (10)カルネアサーダ
 ○ (15)ゾンニッヒ
 ▲ (3)メイクアスナッチ
 △ (1)サトノアイ
 △ (8)マイネルジェロディ
 △ (11)マウンテンムスメ
 △ (2)レッドベルオーブ
 △ (6)ルッジェーロ
 △ (12)ロードマックス
 △ (14)クロジシジョー
結論 馬連10-15,3,1,8,11,2,6,12,14 (10:10:6:6:6:3:3:3:3) 複勝10 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にゾンニッヒ(-20.0pt)、カイザーメランジェ(-16.7pt)、ロードマックス(-16.0pt)、ショックアクション、ルッジェーロ(ともに-15.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (10)カルネアサーダ

 前々走の京葉Sでテイエムトッキュウが逃げるかなりのハイペースを2番手から小差の4着に好走するなど、どちらかと言うと芝よりもダートの実績の方が上だが、芝でも7走前に札幌の知床特別(2勝クラス)を完勝し、4走前の淀短距離Sで2着するなど力を見せている。4走前は3番枠から好スタート&好ダッシュでハナを主張したが、外からハナを主張するジャスパージャックに行かせて2番手を追走。ラスト1Fで先頭に立ったところを、ホープフルサインに突き抜けられたが、見せ場のある好内容だった。

 前走の函館スプリントSは16番枠から、ここでも好スタート&好ダッシュでハナに立つかの勢いだったが、そこから控えたために終始外を回る競馬となり、能力を出し切れなかった。雨の影響が残る中、前半3F33秒0-後半3F35秒2の超ハイペースをロスを作りながら先行しては12着大敗も仕方ない決着だったと言える。今夏の函館芝は開幕週から例年よりも時計を要しており、今回のメンバーならば外のマウンテンムスメに行かせて、楽にその2列目が取れると見て、巻き返しに期待した。
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本日1番 阪神11R 天王山S ダ1400m
 ◎ (15)ワルツフォーラン
 〇 (3)レッドゲイル
 ▲ (10)ディアノイア
 △ (12)オーヴァーネクサス
 △ (14)サトノテンペスト
 △ (16)メイショウテンスイ
 △ (1)リアンクール
 △ (4)ピアシック
 △ (5)ベルダーイメル
 △ (6)ロイヤルパールズ
 △ (7)コパノマーキュリー
結論 馬連15-3,10,12,14,16,1,4,5,6,7 (15:10:5:5:5:2:2:2:2:2) 複勝15 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にスナークダヴィンチ(-25.0pt)、ベルダーイメル(-24.3pt)、メイショウテンスイ(-23.7pt)、ディアノイア、サトノテンペスト(ともに-23.0pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

 ◎ (15)ワルツフォーラン

 3走前に今回と同舞台の播磨S(3勝クラス)を逃げ切り勝ちした馬。3走前はラスト1Fでやや甘くなってモズリッキーに1馬身1/4差まで詰め寄られているが、15番枠から好スタートを切ってじわっとハナを主張し、前半3F34秒4-後半3F37秒7の超絶ハイペースでの逃げては仕方のない結果であり、オープンでも通用を感じさせる指数を記録している。

 実際に本馬は次走のOP・千葉Sで超絶高速ダートの1200m戦でやや忙しい競馬になりながらも3着に善戦。前走の京都競馬場グランドオープン記念は強風の中、大外16番枠から激しい先行争いに加わり、強豪ドンフランキーに外から競り掛けて行ったために9着に凡退したが、能力は十分に感じさせる走りだった。

 今回は前走ほどの強力な逃げ馬はいない。内から(2)ロードシュトロームがハナに行って本馬に脚を使わせてくる可能性、外から前に行ってこその(16)メイショウテンスイが競り掛けてくるくらいのメンバーで、それならば3走前のようなレースが出来るだろう。ここでの巻き返しを期待する。
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本日3番 東京11R 江の島S 芝2000m
 ◎ (4)ホウオウエクレール
 ○(13)チャックネイト
 ▲ (3)ドゥラドーレス
 △ (7)デコラシオン
 △ (9)ウインリブルマン
 △ (12)エンドウノハナ
 △ (1)リフレーミング
 △ (5)ロジハービン
 △ (6)ホウオウリアリティ
結論 馬連4-13,3,7,9,12,1,5,6 (10:10:7:7:7:3:3:3) 複勝4 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にホウオウエクレール(-17.7pt)、エンドウノハナ(-17.0pt)、ドゥラドーレス(-16.3pt)、チャックネイト(-15.3pt)、デコラシオン(-14.0pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (4)ホウオウエクレール

 前々走のサンシャインS(3勝クラス)では3着馬に5馬身差を付け、オープンで勝ち負けとなる好指数の2着と好走した馬。前々走は9番枠から好スタートを切って、楽に2番手を取ったが、皐月賞同日で馬場がかなり悪化していたこともあり、逃げ馬を深追いせず、外のビジンにも行かせて離れた3番手を追走。実質、中団の上手く脚をタメていたこともあり、3~4角の外から押し上げて早めに抜け出したビジンにクビ差まで迫った。

 しかし、前半5F61秒4-後半5F64秒0のかなりのハイペースを先行し、ラスト1Fで後続を寄せ付けないどころか突き離した内容は評価できる。また前走の緑風Sでは道悪で好走した直後ながら、超絶高速馬場にも対応し、ここでも逃げ馬から離れた2番手を追走し、4着と善戦している。

 本馬が前々走で記録した指数はメンバー中で№1のもの。かつ順調で能力値も1着となる。近走長めの距離を使われている馬の芝2000m出走となると、テンに置かれてレースの流れに乗れに乗れず、後方からの競馬でスムーズ差を欠く場合もしばしばあるが、今回はレースを引っ張れる逃げ馬が不在。鞍上がしっかり前を意識して出していければ、近走のように前で流れに乗れるはずだ。

 テンの速い(9)ウインリブルマンは松岡騎手なので逃げずに逃げ馬の外を狙って来る可能性が高く、本馬の逃げも視野に入ってくるような組み合わせである。また(6)ホウオウリアリティも前に行ってこその馬だが、同生産者&同馬主なので競り合う可能性も少ないだけに、ここはチャンス十分だ。
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本日4番 函館12R 1勝クラス ダ1000m
 ◎ (5)テイエムスイスイ
 〇 (1)サンダビューク
 ▲ (2)ワタシダケドナニカ
 注 (3)ルクスディオン
 △ (8)グラサージュ
 △ (11)ミヤジトレヴ
結論 馬連5-1,2,3,8,11 (15:15:10:5:5) 複勝5 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にコウソクカレン(-7.7pt)、サンダビューク(-6.3pt)、ビップアクア(-4.3pt)、アイファーベア(-4.0pt)、テイエムスイスイ(-3.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (5)テイエムスイスイ

 初めてのダ1000m戦、それも超絶高速ダートの前走では、8番枠からまずまずのスタートを切って、二の脚で好位の中目で流れに乗り、3角2番手から逃げ馬に並びかけて行く競馬。直線序盤で早々と先頭に立つと、そのまま押し切る強い内容だった。

 前走は3歳牝馬+減量騎手起用で斤量51Kg。斤量減はダッシュ力、瞬発力などの加速力に最も大きなプラス影響を与えるだけに、距離が短いレースほどその優位性が生かされる。今回も斤量51Kgだけに、楽にレースに流れに乗れると見て、ここも期待したい。