2023年 CBC賞・ラジオNIKKEI賞+福島10R+他メインR以降の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2023.07.02
2023年 CBC賞・ラジオNIKKEI賞+福島10R+他メインR以降の予想

■前有利も何か1頭が差す傾向

 過去4年は阪神・小倉の芝で行われたが、今年は3回中京の開幕週で行われる。中京芝はリニューアル後、しばらく時計を要していたが、2016年の高松宮記念の週から一気に高速化。良馬場ならば1分07秒台前半、ペース次第では1分06秒台も視野に入るほど、超絶高速馬場だが、昨日は重~不良馬場。馬場が回復しても超高速馬場にはならず、それなりに時計が掛かりそうだ。

 また開幕週で行われるこのレースは、2016年以降の4年中3回は3角先頭が3着3回、3角2番手が2着2回3着1回と前有利の傾向だが、優勝馬は全て3角6~16番手と中団より後方でレースを進めた馬となっている。これは中京芝1200mは中盤にあたる3~4角が下り坂になっているため、そこでペースが緩まず、ラスト1Fで大きく減速する傾向があるからだ。今年は12頭と小頭数だが、前に行きたい馬は多数。差し馬の浮上も視野には入れたい。

本日1番 中京11R CBC賞 芝1200m
 ◎ (8)マッドクール
 〇 (1)ヨシノイースター
 ▲ (5)テイエムスパーダ
 △ (9)トゥラヴェスーラ
 △ (12)サンライズオネスト
 △ (10)ジャスパークローネ
結論 馬連8-1,5,9,12,10 (17:10:10:10:3) 複勝8 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (8)マッドクール

 芝のスプリント路線で上昇軌道に乗り、4連勝目で3走前の知立S(3勝クラス)を勝利した馬。同レースは二の脚で先行争いに加わったが、最終的には好位の内目を追走。3~4角では中目に誘導して位置を押し上げ、直線序盤で一気に伸びて先頭へ。ラスト1Fではもう抜け出し、外から迫る(3)エイシンスポッターを振り切って1馬身半差で完勝した。そのエイシンスポッターはここでは能力値2位。本馬と4馬身半差の3着だったスンリも次走で3勝クラスを勝利しており、3勝クラスとしてはレベルの高い一戦だった。

 前々走のシルクロードSは3着だったが、休養明け好走後の一戦ながら積極的にハナを主張し、前半から飛ばす攻めの騎乗だったがよく粘っていた。このレースで先着を許したナムラクレアとファストフォースが高松宮記念でもワン、ツーを決めている。そういったことから本馬も高松宮記念に出走していれば十分チャンスがあったと推測できるだけに、自ら厳しい流れに持ち込んで敗れ、賞金不足で出走できなかったのはもったいなかった。

 休養明けで重馬場の前走・春雷Sは、ジャスパージャックを行かせて2番手を追走。4角で馬場の良い外に誘導し、先頭列に並びかけて直線へ。内から抜け出したキミワクイーンとの叩き合いをクビ差で制したが、前走は2~3走前と比べると指数をダウンさせているように、相手に恵まれた面が大きい。よってタフな馬場でも消耗が少なく、ここでの前進が期待できる。今回はハンデ58.5Kgとかなり見込まれたが、相手にも恵まれただけに最有力だろう。

○ (1)ヨシノイースター

 4走前のファイナルSでは、(3)エイシンスポッターとの一騎打ちを演じた馬。同レースは2番枠からまずまずのスタートを切って各馬の出方を窺っていたところを、外のショウナンラスボスに強引に進路をカットされ、スムーズさを欠いたが、それでも好位の内をキープして追走。3~4角でペースが上がらず、進路がない状態だったが、4角で外目に誘導して何とか進路を確保。直線序盤で追い出されるとしぶとく伸びて先頭列まで上がり、ラスト1Fで外のエイシンスポッターと馬体を合わせての叩き合いとなった。

 結果はアタマ差の2着だったが、3着のショウナンラスボスには2馬身半差を付けており、なかなかの好指数&好内容だったと言える。また3~4角で待たされて動けなかった本馬に対し、エイシンスポッターは3~4角で開いた中団内のスペースを利用して前に迫っており、とても上手く乗られていた。

 前走の鞍馬Sでもエイシンスポッターに敗れ4着。ただ同レースは8番枠から出遅れて中団馬群の中目を追走。ペースが上がらずに団子状態となったため、3角手前で位置を下げて外に誘導する形となった。そこから3~4角の後方外々を回って4角出口で大外に出されると、直線序盤ではジリジリだったが、ラスト1Fでエンジンが掛かると目立つ脚で伸び3着のスマートクラージュにハナ差まで迫っって4着。

 本馬はエイシンスポッターとそう変わらない能力の持ち主。馬場と展開次第で逆転はあると見ている。今回は馬場がそこまで軽くないので、1番枠でも無理に出して行く必要なく、前が飛ばして行く中で好位の内でロスなく立ち回れる優位性がある。8走前の小牟田特別では馬場がやや重い中、淡々としたペースで逃げて◎(8)マッドクールの2着に敗れたが、同馬をマークしながらの競馬になりそうなここは、好走が期待できそうだ。

▲ (5)テイエムスパーダ

 小倉のコンクリート馬場で行われた昨年のCBC賞を、驚異的なレコードタイムで逃げ切り勝ちした馬。当時は斤量48Kg。軽斤量はダッシュ力、瞬発力などの加速力に最も大きなプラスの影響を与えるだけに、超絶高速戦で48kgは圧倒的に有利だったことは確か。しかし、そこを踏まえても5F通過53秒8(アイビスSDのレコードタイムに0.1秒差)の超ハイペースで逃げての3馬身差は圧倒的だった。

 本馬はこれまでの4勝が全て1~2番手でレースを進めての結果であるように、揉まれずに前に行ってこその馬。近走は出遅れ続きで本来の力を出し切れていないが、前走は中距離戦を使われたこともあり、トップスタートを決めることができていた。そこから立て直されての今回は巻き返しに期待する。本馬はそこまでテンの速い馬ではないが、今回はスタートさえ決まれば1~2番手で競馬ができるだろう。同型馬(10)ジャスパークローネよりも内枠に入っただけに、本馬が逃げる可能性が高いと見ている。

△ (9)トゥラヴェスーラ

 今年の高松宮記念で3着に好走した馬。同レースは1番枠から五分のスタートを切り、中団の内目を追走。道中は各馬が馬場の良い外を選んでレースを進めていたが、本馬は3~4角で最短距離を通り、直線でも最内を選択。序盤でしぶとく伸びて2列目付近まで上がり、ラスト1Fまでファストフォースにしぶとく食らいついたが、最後はナムラクレアに差されて3着だった。

 高松宮記念は極悪馬場で逃げ、先行馬が総壊滅する展開。終始馬場が悪化した最内を通ったにせよ、展開に恵まれた。ただ、スタミナが不足する休養明けで好走したことは褒められる。前走の京王杯スプリングCは中団の内目を追走。1番人気のダノンスコーピオンをマークして乗っていたが、直線序盤で同馬が動けない中で進路を作れず、仕掛けられなかった。結局、最後までまともに追えずに12着に敗れた。

 前走は最後に進路を内に切って、スペースを確保してからも伸びなかった辺り、休養明けで好走した疲れがあったと見ている。ただそれでもスムーズならそこまで負けなかったはずだ。昨年の阪急杯でダイアトニックにクビ差の2着まで迫り、自己最高指数を記録していることから、距離が長かったということもないだろう。よってここでの巻き返しがあっても不思議はない。また(3)エイシンスポッター同様に後半型の馬ではあるが、同馬よりも二の脚が速く、後方からの競馬になり過ぎない点も良い。

△ (12)サンライズオネスト

 昨年の阪急杯3着や、その後のOP・L連対時2度が先行策だったように、前でレースの流れに乗れると馬券圏内に突入することが多い馬。3走前のモルガナイトSは時計の掛かる馬場だったが、8番枠から押してトップスタートを切ったヴィズサクセスの外まで上がり、2番手を追走。最後の直線でヴィズサクセスとともにしぶとく粘り続けて2着と好走している。

 本馬は高速馬場で前半のペースが速いと前の位置が取れない弱点があるが、時計の掛かる馬場なら前の位置が取れるはず。前の位置を取ってしぶとさを生かす競馬なら通用の余地がある。また時計が掛かれば、ロスなく立ち回れる内枠の優位性がそれほどなく、外枠の不利は軽減される。テイエムスパーダが出遅れ、タフな馬場で好走してきた馬が能力を出し切れないなど、他馬が力を出し切れず、なおかつ好位が取れた場合には馬券圏内突入のチャンスが高まるので要注意だ。

△ (10)ジャスパークローネ

 時計の掛かる馬場で行われた前々走の春風Sでは大外16番枠を利してハナを主張し、逃げ切り勝ちした馬。本馬は3走前の2勝クラスでもタフな馬場の中山芝1200mで逃げ切り勝ちを決めているように、この距離にも実績がある。

 前走の函館スプリントCは、函館開幕週としては時計が掛かっていた中で、外からカネトシアサーダが外からハナを主張。内からリバーラがそれに抵抗してペースアップする中、本馬もその争いに加わって行く形。その結果前半3F33秒0-後半3F35秒2の超絶ハイペースとなり、前が崩れて差し馬のキミワクイーンが台頭する展開となった。

 これが理由で青函Sではカネトシアサーダの巻き返しに期待して◎を打ったが、2着に巻き返している。本馬も展開ひとつで巻き返しがあっていいはず。これまで2番手外の競馬でも善戦はしているが、4勝全てが逃げ切りで理想はハナという馬。▲(5)テイエムスパーダの出方は気になるところだが、警戒はしておきたい。

推定2番人気 (3)エイシンスポッター

 デビュー当初は中距離戦を走っていたが、5戦目から芝1200mを使われるようになり、同距離では【5-1-2-1】。着外に敗れた1回は6着で、そのレースは3~4角で後方の内で包まれ、最後の直線で前が壁になり、残り100mくらいまで進路を作れなかった昨年10月の北陸S時。本馬は末脚を生かす馬らしく、安定した成績を収めながら、徐々に指数を上昇させている。

 不良馬場の前走・鞍馬Sは14番枠からやや出遅れ、そこから促されたが追走に苦労して後方に下がって追走。道中では中目のスペースを詰めて3~4角では我慢。直線では中目を捌いて一気に3列目まで上がると、ラスト1Fでそのまましぶとく伸び、前を捉えて1馬身差で勝利した。

 前走はタフな馬場ではあったが、そこまでペースが上がらず、先行馬でも粘れる展開ではあった。それでもタフな馬場で自己最高指数を記録した後の一戦となると、今回は余力面に不安があり、上昇は期待しにくい。また本馬は二の脚が遅く、この距離ではどうしても後ろからになってしまうので、よほど馬場が悪化しているながらばともかく、開幕週の前と内が有利な傾向の馬場で上位争いに加わるのはそう簡単ではなさそうだ。
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本日3番 福島11R ラジオNIKKEI賞 芝1800m
 ◎ (2)グラニット
 ○ (14)レーベンスティール
 ▲ (7)シルトホルン
 注 (6)エルトンバローズ
 △ (5)シーウィザード
 △ (8)セオ
 △ (1)コレペティトール
 △ (4)オメガリッチマン
結論 馬連2-14,7,6,5,8,1,4 (16:10:10:4:4:3:3) 複勝2 (50)

■逃げ馬の3着以内が60%を占める

 福島芝1800mは1角までの距離が約305mとローカルの芝1800m戦の中ではもっとも長いが、序盤で坂を上るため、福島2000mよりもテンの3Fが遅いことが多い。一方、最後の直線も約292mと短く、直線一気が決まりにくいのが特徴。逃げ馬が3~4角でペースを落とし過ぎると後続勢に捲られてしまうことになるので、逃げ馬はそれを意識し、中盤でしっかりとペースを落として、脚を温存している傾向がある。

 このため極端なハイペース・スローペースが発生しにくく、過去10年で唯一、かなりのハイペースになったのは、トシザキミが鞍上の意に反して暴走してしまった2014年のみ。普通に乗ってくれれば平均ペース前後で収まるため、脚質による大きな有利不利はない。しかし、このレースに関しては過去10年で逃げ馬が1勝2着2回3着3回と、60%の高確率で馬券圏内に絡んでいる。

 それらの逃げ馬は2020年の覇者バビットのような上がり馬か、昨年の2着馬ショウナンマグマのように、クラシック路線で暴走し、本来の能力を出し切れなかった実はそれなりに強い馬たち。相手が楽になることでマイペースで逃げられることが多いので、今年も逃げ馬には注意したい。

■有力馬とそのコメント

◎ (2)グラニット

 昨秋のサウジアラビアRCでは、7番人気で大逃げを展開して2着と好走し、波乱の立役者となった馬。同レースは1番枠からまずまずのスタートを切って、押してハナを主張。道中も淡々とペースを刻んで後続を引き離し、10馬身ほど差を広げて直線へ。さすがにラスト2Fで甘くなり、最後はドルチェモアに交わされたが3着馬には2馬身半差を維持して完封した。

 さらにタフな馬場で行われた3走前のスプリングSでも、1番枠からトップスタートを切って、後続を引き離しての逃げ。当時は重馬場ながら優秀なタイムが出ているように、とても逃げ馬が残れるペースではなかったが、4着に粘った。前走の皐月賞は前々走以上に馬場が悪化していたが、前々走以上のオーバーペースでの逃げ。結果、苦しくなって12着に大敗した。

 しかし、今回は同型馬の(8)セオがいるが、前走よりは楽に逃げられる組み合わせ。皐月賞で外枠から積極的に出して2番手を追走し、10着に大敗したべラジオオペラも次走の日本ダービーでクビ+ハナ+ハナ差の4着に巻き返していることから、ここは本馬の巻き返しの可能性が高まる。鞍上が上手いとは言えない嶋田騎手ながら、想定よりも人気に支持されているが、毎年のようにこのパターンで狙っている当方としては、引けない状況だ。

○ (14)レーベンスティール

 新馬戦でソールオリエンスとマッチレースを演じた馬。新馬戦では6番枠から五分のスタートを切ってコントロールし、好位の中目を追走。ソールオリエンスが終始外から蓋をする形で、4角で詰まってブレーキ気味。直線でも前が壁でソールオリエンスの作戦勝ちのように見えたが、狭い間を割って抜け出し、内から食らいつくガッツを見せる。そこから激しい叩き合いで一旦前に出かかる場面もあったが、最後はわずかにソールオリエンスに前に出られてゴールイン。

 この新馬戦の上位2頭で3着馬に5馬身差を付けた点もすごかったが、驚いたのはラスト2Fの11秒0-11秒0。東京芝の中距離新馬戦でついに出てしまったかという数字だ。いくら前半5F通過が65秒0の超絶スローペースだったとしても、ラスト1Fで減速せずに11秒0は、超優秀な数字であることは間違いなく、この時点でこの2頭はクラシック級だった。

 本馬はその後が順調ならば、無敗で重賞に駒を進めてくると見ていたが、前々走の1勝クラスでまさかの取りこぼし。本馬は9番枠から二の脚で先頭に立ったが、(8)セオに行かせてその外2番手をコントロールしながら追走。最後まで差を詰め切れずにクビ差の2着に敗れた。それもそのはず、セオは持久力に特化型で道悪を得意としているのだから仕方ない面はある。敗れはしたが3着馬に7馬身、4着馬にさらに3馬身引き離しているのだから、十分に能力の高さは見せている。

 また前走の1勝クラスも3番枠から二の脚で先頭に立ってしまったが、外の各馬に行かせたいため、コントロールして折り合いに苦労。やや掛かり気味になりながら、何とか前にスペースを作って2列目の内を追走し、4角出口で開いた最内を突いて直線へ。序盤ですっと反応して早々と先頭。ラスト2Fでそのままリードを広げて3馬身、ラスト1Fでも後続を寄せ付けず、さらに突き放しての5馬身差で圧勝した。このレースでも最後までほぼ減速しておらず、能力の高さを見せつける内容だった。

 ただし、前走は休養明けの前々走で能力を出し切れなかったからこそ、その余力が前走に繋がった面はある。キャリアの浅い馬だけに今回でさらなる上昇力を見せる可能性も十分にあるが、本馬は二の脚が速すぎてどうしても先頭に立つような形になって、コントロールに苦労している点も弱点。その弱点が解消されてしっかり末脚を生かす競馬が出来ればもっと活躍できるが、今回で◎(2)グラニットについて行ってしまうと前々走のようなこにもなりかねない。ましてグラニットはセオよりもしぶといだけに、ここは対抗評価とした。

▲ (7)シルトホルン

 デビューしてからの2戦戦は特に目立つ成績ではなかったが、そこから立て直されての復帰戦となった未勝利戦では大外9番枠から二の脚で先頭に立つ行きっぷりを見せ、そこからスムーズに2番手で折り合う競馬。最後の直線、ラスト2Fで前を交わして先頭に立つと、そこからはジワジワと後続を引き離し、6馬身差の圧勝でした。

 本馬はこの未勝利戦で逃げ馬としての地位を確立。ただ折り合いはつくので、ひいらぎ賞時のように内枠の利を生かして逃げることもできれば、3走前や前々走のように好位で折り合って追走することが出来る。

 またスプリングS時のように前に行って厳しい流れを経験することで、体力もついて近走は崩れすに走れている。特に前走はマイペースで逃げて、3着馬(12)タイシンヤマトに6馬身弱の差を付けての完勝だった。今回は前を行く◎グラニットや(8)セオを見ながら好位でレースを進められる優位性がある。鞍上が大野騎手なら、無理に前に競ってはいかないはず、展開に恵まれる可能性が十分あるので3番手評価とした。
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本日2番 福島10R いわき特別 ダ1700m
 ◎ (2)ヴィンテージボンド
 ○ (5)コスモコラッジョ
 ▲ (8)アルマドラード
 注 (4)ティアップリオン
 △ (1)トリプルスリル
 △ (3)ナンヨーヴィヨレ
結論 馬連2-5,8,4,1,3 (20:10:10:5:5) 複勝2 (50)


 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にヴィンテージボンド(-17.0pt)、コスモコラッジョ(-14.0pt)、マサカウマザンマイ(-11.7pt)、プリンスミノル(-11.3pt)、ナンヨーヴィヨレ(-10.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (2)ヴィンテージボンド

 デビューから芝路線を使われて来た馬だが、3走前に初ダートに起用されると未勝利馬ながら1勝クラスを4馬身差の圧勝。次走の1勝クラスでは1クラス上の指数を記録して連勝となった。

 前記の1勝クラスは2番枠から軽く促された程度で先頭。外のヒロシクンに先頭を譲りたくてコントロールしていたが、やや折り合い欠いて掛かり気味に逃げる形。向正面ではカズカポレイが捲って来たので、同馬に行かせてスペースを作って2番手を追走し、3手前で後続馬が上がって来ると、本馬もそれに抵抗するようにして進出。4角でカズカポレイに並びかけ、直線序盤で同馬とともに抜け出したが、それをすぐに競り落として6馬身差の圧勝だった。

 前走の弥富特別も逃げたが、終始揉まれ弱いラルフに競り掛けられオーバーペースを強いられる形。また後続勢が超絶高速ダートを意識して3~4角で早々を動いて来たために、苦しくなって7着に失速した。今回はそこから立て直されての一戦。ダートのキャリアはまだ3戦と浅く、すでに2勝クラスは勝利できる指数を記録している馬だけに、巻き返しは十分に期待できる。
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本日4番 函館11R 巴賞 芝1800m
 ◎ (2)アラタ
 〇 (10)テーオーシリウス
 ▲ (15)ドーブネ
 △ (4)フォルコメン
 △ (6)サトノエルドール
 △ (7)プライドランド
 △ (9)シルトプレ
 △ (13)ルビーカサブランカ
結論 馬連2-10,15,4,6,7,9,13 (15:15:4:4:4:4:4) 複勝2 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にテーオーシリウス(-21.3pt)、アラタ(-20.7pt)、ドーブネ(-19.0pt)、エンデュミオン(-16.7pt)、プライドランド(-15.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (2)アラタ

 昨年の札幌記念4着馬。同レースはタフな馬場でユニコーンライオンのハナをパンサラッサが叩いて、前半5F59秒5-後半5F61秒7のかなりのハイペース。本馬は12番枠からやや出遅れたが、そこから促してある程度の位置を取りに行く形。好位の外でレースを進めるソダシの後ろをスペースを作りながら追走した。

 3~4角でもソダシをひたすらマークしてスペースを詰め、3列目で直線へ。序盤でジリジリ食らいついて、ラスト1Fでソダシを交わし、3着ウインマリリンとの差もクビまで詰めての4着だった。このレースは上位3頭が全てその後のGⅠ馬。それを考えればよくがんばっている。

 本馬は札幌記念以外にも北海道の芝で好走実績多数。能力は高く、今年に入っても中山金杯4着、金鯱賞3着。今回は能力値上位の本馬と(10)テーオーシリウスと(15)ドーブネの3強ムードだが、自在性があって、この枠の並びなら前記2頭を見ながら2列目、3列目で戦える強みと安定感を評価した。

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