2025年 クイーン賞の予想

■オーサムリザルトは対抗評価

 BCディスタフで謎の出走取消となった、7戦全勝の大器(7)オーサムリザルトが出走。しかし、今回は始動戦だけに、先週の東京新聞杯のブレイディヴェーグのように、能力全開とならない可能性がある。

 前走のブリーダーズGCから指数ダウンしながらも連対を確保してしまう可能性も否定はしないが、ここが目標のあの馬に本命◎で攻める。

船橋11R クイーン賞 ダ1600m
 ◎ (8)キャリックアリード
 ○ (7)オーサムリザルト
 ▲ (6)アンモシエラ
 △ (4)テンカジョウ
結論 馬複8-7,6,4 (30:10:10) ワイド8-7,6,4 (30:10:10)

■有力馬と評価ポイント

◎ (8)キャリックアリード

 3走前のスパーキングレディーCでは、6番人気の低評価を覆してアーテルアストレアとクビ差2着に健闘した馬。アーテルアストレアは中央の名鉄杯(L) を好指数勝ちした後に、このスパーキングレディーC他、2023年のレディスプレリュード、2023年のクイーン賞を優勝し、昨秋はチャンピオンズCに出走した実績馬だ。

 3走前は8番枠から出遅れたが、じわっと中団最内まで挽回。道中は前にスペースがある状態で進め、3~4角では最短距離からスペースを潰して2列目まで押し上げ、4角出口で中目に誘導。直線では外から先に仕掛けたアーテルアストレアに食らいついてクビ差まで迫った。

 ここはややタフな馬場で前後半4F49秒5-52秒0のハイペース。アーテルアストレアよりも前で進めて同馬とクビ差の内容は高評価できる。

 また2走前の秋桜賞では、快進撃を続けていたハクサンアマゾネスに好位の中目から突き抜けて7馬身で圧勝したように、ここへ来て地力をつけている。

 前走のJBCレディスクラシックでは、(6)アンモシエラの単騎逃げでかなりのスローペース。中団からの追走となり、最後の直線で砂厚の深い内から追い上げたために6着敗退。いつもより出脚が悪かった辺りに、2走前の疲れを感じさせた。立て直されての今回で能力を出し切ればチャンスはある。

○ (7)オーサムリザルト

 デビューから7戦全勝の大器。2走前のエンプレス杯では前年のJBCレディスクラシックの上位2頭グランブリッジ、アイコンテーラーを撃破し、前走のブリーダーズGCでは5馬身差で圧勝した。

 前走は11番枠から好スタートを切り、軽く促して好位の外を追走。道中は緩みない流れの3番手で4番手以下を離して進め、3角で2番手に上がり、4角でもう先頭。直線では後続を突き放す一方で5馬身差の完勝だった。

 前走は不良馬場だったにせよ、砂厚12cm前後(船橋と同じ)の門別では破格の時計。明確にハイペースだったが、先行策から押し切って圧勝した内容は評価できる。

 その後、出走予定だったBCディスタフでは、歩様検査で引っ掛かって出走取消となったが、今回はそこから5ヵ月半の休養明けの一戦。さすがに能力全開とはいかないだろうが、ここでは能力が二枚は上の存在だけに、上位争いには加わってくると見る。

▲ (6)アンモシエラ

 昨年のJBCレディスクラシックの覇者。同レースは同型馬不在。大外11番枠からまずまずのスタートを切って、押してハナを主張。ハナを取り切ると、外から人気のアイコンテーラーが上がって2番手。これにより後方勢はアイコンテーラーをマークする形でペースが落ち着いた。

 向上面でアイコンテーラーとのリードを広げて3角へ。3~4角ではさらに後続を離して直線では5馬身ほどの差。最後にグランブリッジや(4)テンカジョウにやや差を詰められたが、余裕を持って4馬身差で完勝した。

 このレースはその1走前のマリーンCでアンデスビエントに競りかけられてオーバーペースの厳しい流れの経験が前走の持久力強化に繋がった面がある。それでも最後の直線で砂厚の深い最内を通して、グランブリッジに4馬身差をつけたことは評価できる。

 今回も(7)オーサムリザルトにマークされる形になるだろう。早めに潰される可能性も当然あるが、少頭数の前走時、アイコンテーラーの大名マークでペースが落ち着いたように、今回もオーサムリザルトの大名マークで前半のペースが上がらないことも考えられる。4歳馬の成長力も加味して3番手評価とした。

△ (4)テンカジョウ

 2走前のマリーンCを5馬身差で圧勝した馬。2走前は大外6番枠から出遅れたが、押して5番手まで挽回。ここでは前2頭が後続を離していったが、向上面で徐々に差を詰めて、先頭列とは3馬身ほどの差で3角へ。

 3~4角では最短距離から差を詰めて、4角で先頭に立ったザオの後ろから2列目で直線。序盤で前2頭の外に誘導しながら追われて伸び始め、ラスト1Fで抜け出して5馬身差で完勝した。

 2走前は(6)アンモシエラとアンデスビエントがゴリゴリやり合ったことで、前後半4F48.1-52秒3の激流になったもの。ここは前崩れの展開に恵まれた面があったが、かなりのスローペースだったが好位直後の外から2着ランブリッジとアタマ差の3着だったことは評価できる。

 本馬はペースが上がれば理想的だが、スローペースでも早めに仕掛けて崩れない馬。ここも警戒しておきたい。

2025年 アルデバランS&エルフィンSの予想

■隊列がすぐに決まりそうな組み合わせ

 逃げ馬は(8)ヴィブラフォンと(11)アンデスビエントの2頭。テンの脚はヴィブラフォンのほうが速いが、同馬は揉まれなければ2番手でも可能なタイプ。アンデスビエントが逃げて、ヴィブラフォンが2番手、もしくは(1)ダノンブレットとヴィブラフォンが2列目というような形ですぐに隊列が決まりそうだ。

 ここはややスロー~平均ペースで流れ、先行馬が有利と見て予想した。

京都11R アルデバランS ダ1900m
 ◎ (9)リアレスト
 ○ (16)ジューンアオニヨシ
 ▲ (7)ヒップホップソウル
 △ (1)ダノンブレット
 △ (3)ソニックスター
 △ (6)ブライアンセンス
 △ (8)ヴィブラフォン
 △ (12)ゼットリアン
結論 馬連9-16,7,1,3,6,8,12 (20:5:5:5:5:5:5) 複勝9 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (9)リアレスト

 2走前にダート路線に転向して2連勝。2走前の東京ダ2100mの2勝クラスでは、大外16番枠から五分のスタート。大外を利して1角までにじわっと位置を上げて2列目の外を追走。道中のペースがかなり遅く、向上面で外から被されて好位馬群の中に押し込まれて3角へ。

 3~4角では好位の中目に包まれて直線序盤で仕掛けを待たされたが、ラスト2Fで捌いて抜け出し1馬身半差。ラスト1Fでさらに差を広げて3馬身差で完勝した。ここでは砂を被る競馬でも怯まず、ダート適性の高さを感じさせる内容だった。

 前走の晩秋Sは11番枠からアオり気味のスタートで中団外からの追走になったが、ラスト2Fですっと伸びて2番手に上がり、先頭のプラウドヘリテージを捉えて3/4差で勝利している。

 本馬は芝では速い上がりの対応に苦しんでいたが、ダートではまだ伸びしろがあると見る。

○ (16)ジューンアオニヨシ

 初めてのダート戦となった前走の京都ダ1900m戦、ペテルギウスS(L)では2着。ここでは14番枠から五分のスタートだったが、押して好位の外を追走。道中は緩みなく流れて隊列が縦長になったが、3~4角で先頭列の直後まで上がって2列目の外から直線へ。

 直線序盤で内の(13)タイセイドレフォンとともに伸びて3番手に上がり、ラスト1Fで同馬を捉えて半馬身差。ただ直線序盤で先頭にたったサンデーファンデー2馬身半ほど前にいた。

 しかし、サンデーファンデーは次走のプロキオンSも逃げ切り勝ちしたほどの馬。ミトノオーに同馬がプレッシャーをかけていく前後半4F48秒0-50秒0のかなりのハイペースを好位から押し切れたことは高評価できる。

 本馬のように初ダートでも対応できる馬というのは、ダート適性が高く、ダートに慣れてさらに前進するパターンもある。しかし、前走が消耗度の高いレースになっているので、ここでスムーズに上昇するかは微妙な面があり、対抗評価までとした。

▲ (7)ヒップホップソウル

 初めてのダート戦となった前走の中山ダ1800m戦、ラジオ日本賞(OP)では8着。前走では8番枠から出遅れたが、出たなりで中団後方を追走。道中でやや掛かって外に誘導し、3~4角の外から中団まで上がって直線へ。直線序盤で追われるとそれなりに伸びていたが、ラスト1Fで甘くなっての敗退だった。

 前走ではダートをこなせていたが、折り合いを欠いて外々を回るロスを作ったぶん、最後に甘さを見せたもの。五分のスタートを切ってスムーズならもっと着順を挙げられると見て、3番手評価とした。
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京都10R エルフィンS 芝1600m
 ◎ (2)カムニャック
 ○ (10)ダノンフェアレディ
 ▲ (6)グローリーリンク
 △ (3)ピリカサンライズ
 △ (4)サタデーサンライズ
 △ (5)サウンドサンライズ
結論 馬連2-10,6,3,4,5 (20:15:5:5:5) 複勝2 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (2)カムニャック

 中京芝2000mの新馬戦では、1番枠からトップスタートを決めたが、そこから控えて後方2番手まで下げ、1角までに外に誘導した。道中は後方2番手で5F通過64秒1のスローペース。これで届くのかと思われたが、3角過ぎから外を回りながら位置を押し上げ、4角で好位の外と前を射程圏内に。

 4角出口でワンテンポ待ってさらに外に誘導されると、フットワークが大きくなり楽に抜け出してラスト1F標で先頭。そこから突き抜けて3馬身半差で勝利した。

 上がり3Fタイム33秒6はこの週の中京芝中距離では最速。ラスト2F10秒9-10秒9も高評価ができる数字だ。ただ牝馬クラシック戦線では短い距離に対応する必要があり、芝1600mでレースの流れに乗れるのかという不安があった。

 前走のアルテミスSでは6着敗退。ここでは10番枠から好スタートを決めて内枠各馬の出方を窺いながらコントロールし、2列目の外を追走。道中もペースが上がってこない中で、前に壁が作れず、やや掛かる場面を見せながらも2列目の外を維持。

 3~4角でも好位の外を維持して直線へ。序盤で内のシホリーンに蓋をし、じわっと仕掛けて2列目に上がったが、ラスト1Fで甘くなって最後は蓋をしたシホリーンにも差された。

 前走は終始外々を回るロスを作ったぶん、ラスト1Fで甘くなったが、勝ち馬との着差は0.2秒と小さく、コンクリート馬場の1600m戦でも流れに乗れていたことは評価できる。ここも素質場が揃った一戦だが、川田将雅騎手が本馬を選んだことに賭けたい。

○ (10)ダノンフェアレディ

 6月の東京芝1600mの新馬戦の勝ち馬。ここではスタート直後は外のショウナンザナドゥの方が速かったが、1番枠ということもあってハナを主張。スローではあるが、新馬戦特有の超スローというほどではないペースで逃げて、3角では2番手外のショウナンザナドゥと3/4差ほど。4角で同馬に並びかけられたが、直線序盤で追われると2馬身半まで差を広げた。それを目標に仕掛けたショウナンザナドゥにラスト1Fで半馬身差まで詰め寄られたが、3着以下には7馬身以上の差をつけての勝利だった。

 当日4Rの同距離で行われた3歳未勝利戦が走破タイム1分32秒6に対し、この新馬戦が1分33秒8だからそこまで速いように感じないが、実は4Rは1勝クラス級の指数を記録したハイレベルな一戦だった。道中のペースは新馬戦の方が明らかに遅く、上がり3Fタイムは断然上。よって、この新馬戦は高指数評価となった。

 2着ショウナンザナドゥはこの週に行われた他の新馬戦に出走していればどこでも勝てた計算で運がなかった。地齋にそのショウナンザナドゥは次走の未勝利戦を5馬身差で勝利し、アルテミスSでも3着と健闘している。

 ただ、ダノンフェアレディは新馬戦でがんばりすぎた面があったようで、その後に種子骨靭帯炎を発症。靭帯炎は屈腱炎と並ぶ競走馬にとって致命的な病気で運動強度を上げると再発リスクもある病気。そこから復活を果たした馬もいるが、始動戦は能力全開とはならないケースもあるので評価を下げた。

▲ (6)グローリーリンク

 タフな馬場で行われた1月の中京芝1600mの未勝利戦の勝ち馬。ここでは1番枠から五分のスタートを切って押していったが、進みが悪く2角で中目に誘導して中団中目からの追走。道中は淡々と流れて、隊列が縦長に。先頭からやや離されたが、3角で内に入れて最短距離を通し、4角出口で中目に誘導。直線序盤で馬群を捌いて一気に抜け出し、ラスト1Fでは後続を引き離す一方。結果5馬身差の圧勝だった。

 前記の未勝利戦はデビュー戦だったが、既走馬を相手に圧勝したことは評価できる。当然、指数も高指数で強いことは間違いないが、デビュー戦としてはタフな馬場で、流れもややタフ。

 前走から中1週で出走してくるからには状態が悪くないのだろうが、疲れが出る可能性もあり、3番手評価とした。

2025年 報知オールスターCの予想

■逃げ先行馬と内枠が有利な舞台

 過去10年では3角先頭馬が5勝。3角2~5番手以内だった馬が、3勝、2着6回、3着6回。馬番1~4番が3勝、2着9回、3着3回。地方競馬の中でももっともコーナーの角度がきつい小回りコースで、6回もコーナーを回るコースだけのことはあり、逃げ、先行して最短距離を通せる馬が活躍している。

 この傾向は少々ペースが上がっても、外のほうが多少伸びる馬場でも大きく変わらない。

 今年は前に行く(2)ランリョウオー、(7)ヒーローコールの小久保厩舎の2頭なので共存策を図ると見ている。その場合は外の(11)ライトウォーリアがハナへ行く可能性が高いが、同馬は折り合える馬。ライトウォーリアが逃げたとしても極端にペースは上がらないと見る。

川崎11R 報知オールスターC ダ2100m
 ◎ (11)ライトウォーリア
 ○ (3)ヘラルドバローズ
 ▲ (2)ランリョウオー
 △ (6)テンカハル
 △ (10)シシュフォス
 △ (13)ジョエル
結論 馬連11-3,2,6,10,13 (16:10:10:10:4) 複勝11 (50)このラインより上のエリアが無料で表示されます。

■有力馬と評価ポイント

◎ (11)ライトウォーリア

 上半期の大一番、川崎記念を優勝し、年度代表馬に選出された馬。同レースでは大外11番枠からまずまずのスタートを切り、押して内のアイコンテーラー、ノットゥルノを制してハナを主張。1周目の3角でハナを取り切ると、ペースを落とし、2周目の向正面でペースアップ。

 3~4角で外からアイコンテーラーに並びかけられたが、半馬身差で直線へ。最後までしぶとく食らいつく同馬を振り切り、外から迫るクランブリッジも何とか凌いでアタマ差で勝利した。

 川崎記念当日は前と内が圧倒的に有利な馬場で、本馬は展開に恵まれた面がある。また川崎記念は1着賞金1億と上半期に行われる最高超金額のレースだが、ドバイワールドCと時期が重なり、トップクラスが不在だった。このためJpn1としては低レベルで、指数も昨年の帝王賞や浦和記念と比較しても明確に低い。

 しかし、逃げ、先行馬が多数だった前走の浦和記念でも2着に善戦。前走では10番枠から好スタートを決めて、ブリンカー着用&内枠を利してメイショウフンジンが好スタートを切ってハナを主張し、その外のダイシンピスケス、アウトレンジがかなり出していく展開をやや抑えて内に切れ込み、2列目の最内を確保。

 道中はメイショウフンジンの1馬身ほど後ろを維持して追走していたが、2周目の3角手前のペースアップで置かれ、それを4角最内から盛り返して、4角出口で前2頭の外に誘導。直線ではアウトレンジは遥か前で、結果6馬身離差だったが、2番手のメイショウフンジンはかわして2馬身差でゴールした。

 地方馬が相手のここでは前走くらいの走りでもここは上位争いに加われる可能性が高いが、ここも休養明けの一戦。前走後は賞金がここよりも高盃に出走予定だったが、スキップした辺りに疲れが出ていたことが想定される。

 しかし、昨年のこのレースでも逃げ切り勝ちしているように、逃げ、先行馬が有利の川崎ダ2100mはベスト条件。1番人気ではあるが、本命に推す。

〇 (3)ヘラルドバローズ

 2023年の中央のOP・スレイプニルS(東京ダ2100m)の2着馬。ここれは15番枠から五分のスタートを切り、押して好位の外を追走。道中はゆったりとした流れの内から2頭分外の3番手を追走した。

 3角でもまだ仕掛けを待って、4角で前2頭が仕掛けるとそれを追い駆けて2頭分外から進出。直線ではしぶとく伸びてラスト2Fで先頭に立ったが、ラスト1Fで甘くなったところをダノンラスターに差されて半馬身差だった。

 ダノンラスターは東京ダ2100m路線のオープンやリステッドで(6)テンカハルとライバル関係だった馬。つまり、中央ではテンカハルと同じくらいの実力はあったが、スムーズに先行できないと脆さを見せていた。

 その後は東京ダ1400mのOP・霜月Sで差し、追い込み有利の展開に恵まれて上位3頭大接戦の3着に善戦したことがきっかけで短距離路線を使われていたが、本質的に1400mでは追走に忙しく、ダ2100mがベストの馬。

 大井に移籍してからは1600m~1800mを使われて4戦2勝。危険な人気馬に推した3走前のフリオーソレジェンドCの12着大敗は、休養明けで圧勝後の後の疲れ残りの一戦で仕方ないが、前走のカサブランカ特別の5着敗戦は、鞍上の判断ミスに尽きる。

 前走はスローペースで前有利の展開を1番枠からトップスタートを決めながらも控えて被され、向上面では最後方まで下がってしまったことが主な敗因。この距離なら前走のように絶望的な位置にはならないだろう。好位の内目を立ち回っての巻き返しに期待が高まる。

▲ (2)ランリョウオー

 南関東の重賞5勝馬。2000m以上では2022年の大井記念、東京記念、昨年の金盃を優勝している。昨年の金盃(大井2600m)は、大外15番枠から五分のスタートを切り、かなり押して2番手を確保。ゆったりとしたペースで逃げるマテリアルガールに付き合っていたが、2周目の3角手前でセイカメテオポリスが外から上がってきたので抵抗してハナへ。

 4角ではセイカメテオポリスに並ばれたが、直線で振り切り、じわじわ伸びて2馬身ほどリードを広げる。ラスト1Fで再びセイカメテオポリスに迫られたが、踏ん張ってアタマ差で勝利した。

 本馬はゲートもテンの脚も速くはないが、前にいって持久力を活かすとしぶとい馬。マイルだと楽に前に行けないが、中距離ならスムーズに先行できるし、長距離なら過去2年の東京記念時のように逃げることも可能だ。ただし、重賞勝利時がすべて先行策であるように、逃げがベストではない。

 昨年の金盃以降は不振だが、距離が短かったり、逃げることが多くなったことも敗因のひとつ。今回は立て直されて2戦目。2列目の最内でレースの流れに乗っての復活を期待する。

△ (6)テンカハル

 2023年の東京ダ2100m戦、ブラジルCの勝ち馬。同レースでは10番枠からやや出遅れ、そこから押して後方中目。道中は淡々と流れて縦長の隊列が形成されていったが、中団馬群の単独後方を追走した。

 3~4角では中団の内のスペースを拾ってじわじわ進出し、直線序盤でするすると外に誘導しながら伸び、ラスト2Fでは一気に2番手上がった。そのままラスト1Fで先頭のロードヴァレンチを捉え、ダンンラスターの追撃も振り切って1馬身1/4差で完勝した。

 本馬はここでダートグレードでも通用する自己最高指数を記録。その後の日本テレビ盃でもウシュバテソーロと2馬身半差の2着に健闘している。

 それを考えると船橋移籍後の近2走は振るわないが、ゲートも二の脚も速くない本馬は展開に泣いた。2走前のカサブランカ特別は異様なスローペースだったし、前走の報知グランプリCも逃げ馬不在でスローだった。

 今回は逃げ馬が出走しているので前走ほどのスローになることは考えにくく、300mの距離延長なら絶望的な位置にはならないだろう。ここでの変わり身を期待する。

△ (10)シシュフォス

 昨年のクラウンCを勝利し、東京湾C、黒潮盃ともに2着とクラシック戦線で活躍した馬。4走前の黒潮盃では、3番枠からまずまずのスタートを切り、2列目の最内を追走。前半は遅いペースだったが、向正面半ばで外から無敗のダテノショウグンが3番手に上がって一気にペースアップ。

 ここで位置が下がったが、3~4角の最短距離からダテノショウグンに離されすぎないようについていき、直線序盤で前3頭の外へ。そこから追い出して右ムチに反応しすぎて外に膨れてしまったが、最後までしぶとく伸び続けてダテノショウグンに3馬身半差まで迫った。

 本馬は次走の戸塚記念でも4着に善戦。ここでは3列目の最内を追走して、2周目の向正面のペースアップでやや外に誘導してマコトロクサノホコを追い駆けての4着。ここは休養明けの黒潮盃で好走した後の一戦で危険な人気馬にしていたが、想定よりも走っており、2100mでも対応できそうだ。

 休養明けをひと叩きして前進が期待された前走、スパーキングオールスターチャレンジでは1番人気を裏切り3着敗退。ここは異様なスローペースの2列目の最内を追走していたが、3~4角で包まれて進路がなく、直線での仕掛けて先頭に立ったが、外から2頭の決め手に屈する形となったもの。力負けではないだけに、ここで通用する可能性はある。

△ (13)ジョエル

 一昨年の埼玉新聞栄冠賞の覇者。ここでは10番枠から好スタートを切り、かなり押して好位の外を確保。道中も好位の外で進めて、3~4角の外から押し上げて2番手で直線へ。直線ではしぶとく伸びて、逃げ粘る(2)ランリョウオーをクビ差で捉え、外から一気に迫ったユアヒストリーもクビ+アタマ差で凌いで勝利した。

 当日は外が伸びる馬場ではあったが、本馬は揉まれずに行ければしぶとい馬。3走前の中原Sも単独4番手を追走し、3~4角の外から押し上げて先週の金盃の4着馬ヴェルテックスに1馬身差で勝利している。

 昨夏以来の長期休養明けの一戦となった前走の報知グランプリCは12着と大敗したが、ひと叩きされて外枠の今回は揉まれずに行けると見て一考する。

推定2番人気 (2)ヒーローコール

 川崎ダ2100m戦、昨年の戸塚記念を圧勝した馬。戸塚記念では3番枠からまずまずのスタートを切り、かなり押して2番手を追走。2周目の1角で逃げ馬に並びかけ、向正面で先頭に立って3馬身のリードで3角へ。4角でリードを4馬身に広げ、直線ではさらに差を広げて6馬身差で完勝した。

 本馬は1800mで昨年の報知グランプリCやブリリアントCでも2着の実績があるが、スムーズにハナへ行けることがベスト条件の馬。そういう意味で川崎ダ2100m戦は合っている。

 本命◎を打った休養明けの3走前の埼玉栄冠賞でスムーズに逃げながらも4着に失速したのは、馬体重14Kg増と太目が影響したと見ている。体が絞れてスムーズに逃げた前走の金盃では3着だったが、ここはやや距離が長かったのも確か。

 それでもけっこう走っており、サンタアニタトロフィー10着から連闘策で戸塚記念Vだった時とは違う。これで2番人気ならば思い切って消し、他の脈ある馬を狙いたい。

2025年 2/1 舞浜Sの予想

■テンの速い馬が手薄

 ここはテンの速い馬が手薄。(6)ダブルハートボンドが中京ダ1800mの1勝クラスを逃げて大差勝ちしているが、逃げ馬不在と内枠を利して逃げたもの。そこまでテンの速い馬ではないので、ここだと2、3番手には行けるが、無理しないと逃げられない可能性が高いと見ている。

 逃げるのは内枠の利で(2)サトノアイオライトか、(7)バスタードサフランとどちらか。(8)バロネッサ辺りも先行争いに加わってくると見ているが、何れにしても何が何でも逃げたい馬は不在で先行型が手薄。ここは平均ペースで流れてやや前有利の決着を期待する。

京都11R 舞浜S ダ1800m
 ◎ (7)バスタードサフラン
 ○ (4)フラッパールック
 ▲ (6)ダブルハートボンド
 △ (2)サトノアイオライト
 △ (9)ヘニータイクーン
 △ (10)メイショウポペット
結論 馬連7-4,6,2,9,10 (15:15:10:7:3) 複勝7 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (7)バスタードサフラン

 2走前の京都ダ1800mの2勝クラスでは、3勝クラスでも勝ち負けになる指数を記録した馬。2走前は4番枠からトップスタートを決めて二の脚で楽にハナを主張。主導権を握るとペースを落とし、淡々と平均ペースで進めた。

 3~4角でも最短距離を通して4角でスパート。直線では本馬をマークして2番手から食らいついたテーオールビーとの一騎打ち。後続を突き放して追い比べが最後まで続いたが、これをクビ差で制した。ここではテーオールビーとはクビ差だったが、3着馬に6馬身差をつけているように、相手が悪かっただけだ。

 続く昇級戦の花園Sでも2着。ここでは12番枠から出遅れたが、促して二の脚でわりと楽に挽回して2番手を追走。道中は逃げ馬と半馬身差の2番手で進めて3角へ。

 3~4角で手応え良く逃げ馬に並びかけ、4角で仕掛けるとすっと先頭。直線序盤でアオイイーグルが食らいついてきたが、追って踏ん張り、同馬を振り切る。しかし、ラスト1Fでフォーチュンテラーに迫られ、ゴール寸前で差し切られてクビ差で敗れた。

 前走は出遅れを挽回しての2着と強い内容ではあったが、2走前のようなマイペースの逃げがベスト。前記したように(2)サトノアイオライトがハナを主張する可能性もあるが、同馬の鞍上は2番手至上主義の川田将雅騎手。本馬がハナを切る可能性が高いと見ている

 またサトノアイオライトが逃げて、本馬は2番手の外でも外から被せてこれる馬がいないので悪くない。1,2番手で前半で無理なく進められれば上位争いに加われると見る。

○ (4)フラッパールック

4走前の中山ダ1800mの1勝クラスで3勝クラスでも通用する指数を記録した馬。4走前は大外9番枠から五分のスタートだったが、促すとスッと行き脚がついて楽にハナを主張した。向上面の下り坂でペースを引き上げて3角へ。

 3~4角でもペースを落とさず、2馬身ほどのリードで向かえ、あとは後続を突き放す一方。結果9馬身差で圧勝だった。ここでは早仕掛けで後続をぶっちぎる好内容で、前に行ってこそのタイプを証明。

 2走前のアレキサンドライトS(3勝クラス)は、休養明けの鹿島特別で1着と好走後の疲れ残りの一戦。3番枠からまずまずのスタートを切ったが、外の馬のほうが速く、先団馬群の後ろで進める形。しかし、不良馬場で前が止まらない展開となり、ポジションに泣く形となった。

 前走のアリエスSは2列目の最内と絶好位で進めていたが、最後の直線で伸びて来れずの13着大敗。当時は休養明けながら体重が減っており、本調子ではなかったと予想され、立て直された今回は変わり身が期待できる。

 今回のメンバーで4番枠なら3走前の鹿島特別時のように好位の最内をロスなく立ち回れる組み合わせ。1番人気の呪縛から解放されたここは面白そうだ。

▲ (6)ダブルハートボンド

 これまで3戦3勝。デビュー2戦目の2走前、中京ダ1800mの1勝クラスでは大楽勝した。ここでは逃げ馬不在を利して、2番枠からトップスタートを決めて、すっと行き脚がついてハナへ。道中も絡まれずにマイペースで進めて3角へ。3~4角でも仕掛けを我慢し、4角で仕掛けると後続を引き離して2馬身差で直線へ。序盤で追われるとラスト2Fで7馬身ほど差を広げ、ラスト1Fでも後続を引き離す一方。終わってみれば大差勝ちだった。

 2走前は相手が強くなかった一面もあるが、今回のメンバーではNO.1の指数を記録。それを考えると前走の恵那特別で2着のミヤジレガリアに3馬身差というのはやや物足りないが、休養明けの影響もあったのだろう。今回は叩かれての前進が期待できるが、ベストはあくまでも逃げだけに、ここは評価を下げた。

2025年 2/18 カーバンクルSの予想

■外差し有利の馬場傾向だが、ややスローが濃厚の組み合わせ

 ここは逃げ馬が(4)カンティーユと(8)マスクオールウィンのみ。しかし、マスクオールウィンは芝1400mがベストの馬。前走のラピスラズリSでも立ち遅れて内の馬と接触し、後方からレースを進めているだけに、芝1200mのここではカンティーユに競って行くのも簡単ではないはず。

 中山芝は外差し有利の馬場傾向だが、ペースが上がらなければ前と内からでも押し切れると見ている。

中山11R カーバンクルS 芝1200m
 ◎ (4)カンティーユ
 ○ (15)サウザンサニー
 ▲ (16)キミワクイーン
 注 (3)モリノドリーム
 △ (2)メイクアスナッチ
 △ (7)エエヤン
 △ (10)ミルトクレイモー
 △ (13)エイシンフェンサー
結論 馬連4-15,16,3,2,7,10,13 (10;10:10:5:5:5:5) 複勝4 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (4)カンティーユ

 これまで22戦してハナを譲ったことが3回のみ。逃げるとしぶとく、7走前の新潟芝1200m戦、新津特別(2勝クラス)では大楽勝した馬。ここでは外のカフジテトラゴンの方がスタートが速く先頭に立ったが、3番枠から押して同馬のハナを叩いた。そこからはカフジテトラゴンに並ばせることなく、2馬身差のリードで3角へ。

 3~4角でさらにリードを広げて3馬身差。最後の直線では悪化した馬場を避けて、内から3頭分外から追い上げ、ラスト1Fでは後続を引き離す一方。結果5馬身差で完勝した。

 当時の5馬身差の2着馬カフジテトラゴンは、昨秋の新潟芝1000mのルミエールADで2着に好走したほどの馬。ここでは重賞通用レベルの指数を記録している。

 カンティーユその次走で南総Sも逃げ切り勝ちし、長期休養明けでOP初挑戦となった3走前のしらかばSでも逃げてハナ差の2着に善戦。4走前のラピスラズリSは2番枠からスタート後に躓いてハナを主張できず、2列目の最内を追走。3~4角で包まれ、直線序盤で詰まってしまったが、進路が開くと狭い間をしっかりと捌いて2着に浮上した。

 そこから長期休養明けとなった3走前の青函S、2走前のUHB賞でも逃げて2着に善戦。前走ルミエールADは距離が短く、10番枠から外に切れ込みながら押して行ったがハナを主張できず、接触もあって2列目の中目からの追走。後半では外によれたマウンテンムスメと接触してバランスを崩す不利もあった。

 しかし、今回は芝1200m戦で、実質、同型馬は不在。ここは楽にハナを主張して、速くても平均ペース前後で逃げられると見て本命に推す。

2025年 シンザン記念の予想

■現在の中京芝はタフ

 昨日の3勝クラスの中京芝1600m(新春S)では、前後半4F46秒3-48秒1のハイペースで1分34秒4で決着。芝1200mのOP・淀短距離Sでも1分08秒7で決着しているように、かなり時計を要していた。馬場がタフなので瞬発力よりも持久力に富んだ馬を狙いたい。

中京11R シンザン記念 芝1600m
 ◎ (12)ラージギャラリー
 ○ (2)タイセイカレント
 ▲ (8)アルテヴェローチェ
 △ (1)マイネルチケット
 △ (4)リラエンブレム
 △ (5)ジーティーマン
 △ (6)カラヴァジェスティ
 △ (10)ゴールデンカイト
 △ (13)レーヴブリリアント
結論 馬連12-2,8,1,4,5,6,10,13 (10:10:5:5:5:5:5:5) 複勝12 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (12)ラージギャラリー

 12月の中京芝1600mの未勝利戦を逃げ切り勝ちした馬。ここでは4番枠から好スタートを決めてじわっとハナを主張し、主導権を握った。道中はコントロールしながらマイペースで進め、1馬身半で3角へ。

 3~4角でも後続がプレッシャーをかけてこないので仕掛けを我慢し、1馬身半差を維持して直線へ。序盤で仕掛けるとしぶとく抜け出して3馬身差。ラスト1Fでも食らいつくシドニーホバートらを尻目に3馬身差で完勝した。

 本馬は3走前の中京芝2000mの新馬戦でも2番手から最後の直線序盤で先頭に立って3着と善戦しているように、前に行ってこその馬だ。

 今回、テンの速い(14)アーリントンロウが出走しているが、同馬は休養明けのうえに距離不安があり、逃げない可能性もある。ここは各馬が牽制しあって楽に逃げ、先行できると見て一発逆転を狙う。

○ (2)タイセイカレント

 2走前のサウジアラビアRCの2着馬。ここでは5番枠から出遅れた後、ややつまずいて内の馬と接触。最後方に置かれてしまう。しかし、前の馬たちがペースを引き上げていったので、すぐに下げ切って道中は最後方で脚を温存した。

 3~4角で前が息を入れると、最内から前との差を詰めて4角出口で中目に誘導。直線序盤では肩鞭を合図にラスト2Fで後方2番手から中目のスペースを拾って中団まで上がる。ラスト1Fで中目をさばいてしぶとく伸び、3着馬に半馬身差をつけて2着に入った。

 本馬は中京芝1600mの新馬戦を逃げ切っているが、その時も4番枠からやや出遅れながら押してハナを取り切り、レースをスローで支配していた。出遅れ癖があり、前半からポジションを取れるタイプではないが、長くいい脚を使える強みがある。

 前走の朝日杯FSはGIとしては珍しいほどかなり遅いペースで、3~4角でもペースが上がらず、直線だけの競馬。本馬は大外16番枠からまずまずのスタートを切ったが、無理なく中団の外目で進めて、3~4角では大外から追い上げるロス。4角で前がじわっと加速するとそこでやや置かれて後方に下がり、本馬の強みが活かせる展開ではなかった。レースが普通に流れてくれれば巻き返しがあっていい。

▲ (8)アルテヴェローチェ

 2走前のサウジアラビアRCの優勝馬。ここでは1番枠からまずまずのスタートを切り、行きたがってやや折り合いを欠いた。それでもコントロールしてなんとか下げて2列目、最終的には3列目の最内まで下げて進めた。

 3角手前で前にスペースを作り、4角で外に誘導しながら前のアルレッキーノをマークしながら後方で直線へ。直線序盤の伸びは地味だったが、ラスト2Fから伸び始めて3番手争いに加わり、ラスト1Fで前を捉えて1馬身差で勝利した。

 2走前は秋の東京開幕日の稍重馬場で、前後半4F45秒7-47秒3のハイペース。序盤でやや掛かってはいたが、そこから折り合い重視で脚をタメたことである程度は噛み合っての好走だったと見ている。

 前走の朝日杯FSでは5着に敗退。ここでは8番枠から五分のスタートを切って軽く促して先行したが、ペースが上がらずにコントロールに苦労して好位の中目から下げて中団となった。道中も中団の中目で我慢が精一杯で折り合いに苦労したまま3角へ。

 3~4角でもペースが上がらずに後方まで下げて折り合いに苦労。最後の直線でも進路取りに苦労していたが、前走はGⅠとしては珍しい最後の直線ヨーイ、ドンの競馬。後方まで下げ切った時点で勝ち負けするのは厳しかった。

 本馬は折り合い難の馬だが、レースがある程度、流れてくれればもっと折り合いもマシになるはず。潜在能力は高いので、巻き返しに要警戒だ。

△ (1)マイネルチケット

 2走前のサウジアラビアRCの3着馬。ここでは4番枠からまずまずのスタートだったが、行きっぷり良くハナへ。外からしつこくシンフォーエバーが絡んでくるので、折り合いに苦労。最終的に3角手前で一列下げて、3~4角では2列目の最内を通す。

 4角出口でひとつ外に誘導し、ラスト2Fで追われるとじわっと逃げるシンフォーエバーに並びかける。ラスト1Fで抜け出して先頭に立ったが、最後に(8)アルテヴェローチェ、(2)タイセイカレントに差されて、1馬身+半馬身差の3着となった。

 ここでは3角手前で本馬が一列下げたことでペースが緩んだが、全体的に見ればハイペースで先行馬には厳しい展開。それを考えればよく粘っている。

 本馬は前走の京王杯2歳Sでも2列目の外からラスト2Fで先頭に立ってクビ差の2着と健闘しているように、上昇一途。今回は2走前よりもタフな馬場だけに、なるべく好位の最内で脚をタメたいところ。しかし、1番枠で(12)ラージギャラリーらの外枠勢の出方によっては押し出されて先頭に立ってしまう危険性もあり、そこが不安だ。

△ (4)リラエンブレム

 10月の京都芝1600mの新馬戦の勝ち馬。ここでは8番枠から五分のスタートを切り、無理をさせずに中団中目からの追走。道中は折り合いもついて至ってスムーズ。3~4角半ばで外目に誘導し、4角で外からじわっと2列目の外まで進出して直線へ。直線序盤で追い出されるとしぶとく伸びて半馬身差で先頭。ラスト1Fでそのまま抜け出して1馬身半差で完勝した。

 この新馬戦は時計の掛かる馬場で、新馬戦としてはペースが遅くなかったが、4角の外から動いてラスト2Fで11秒7-11秒5と、ラスト1Fで加速したことは評価できる。上がり3F34秒4は2着馬と同じで、この日としてはそこまで速くないが、今回はそこから成長を促されての一戦。休養中に成長していればチャンスがある。

△ (5)ジーティーマン

 前走の東京スポーツ杯2歳Sでは6着。ここでは2番枠から五分のスタートを切り、軽く促して3列目の最内を追走。道中では相当掛かっていたが、その位置で我慢させ続ける。3~4角でもペースが上がってこなかったが、そこでも我慢させて3列目の最内で直線へ。直線序盤で追われても反応がイマイチ。ラスト2Fで伸び負けして離され、ラスト1Fでも伸びてこれなかった。

 前走は前後半4F48秒5-45秒9のかなりのスローで直線勝負となった一戦。酷く掛かって消耗してしまったのもあるが、直線で伸び負けしたことも、上位馬に離された理由だ。

 本馬は瞬発力よりも持久力型。タフな馬場で淡々とレースが流れて、上がりの掛かる競馬のほうが向くと見ている。また折り合いを欠く面があるので芝1800mよりも芝1600mのほうがいいだろう。条件替わりで一考したい。

△ (6)カラヴァジェスティ

 11月の東京芝1400mの新馬戦の勝ち馬。ここでは大外16番枠から出遅れ、押して中団外まで挽回して追走。道中はブリックスラテをマークして進めた。3~4角で同馬が一番外から進出すると、それを追い駆けて進出し、好位の直後から直線へ。直線序盤でブリックスラテの外に誘導し、ラスト2Fで追い出されるとしぶとく伸びて好位の外まで上がり、ラスト1Fで前を捉え切って3/4差で勝利した。

 前走は前後半3F37秒1-33秒9のかなりのスローペース。3~4角で好位勢が包まれて、最後の直線で進路取りに苦労した馬も少なくはなかったが、3~4角で4~5頭分外から進出して、差し切ったことは評価できる。長くいい脚を使っていたので、1Fの距離延長でも問題なさそう。あとは前走からの成長力次第だ。

△ (10)ゴールデンカイト

 11月の東京ダ1600mの未勝利戦を勝利した馬。ここでは2番枠から出遅れたが、発走地点の芝で行き脚がついて3頭のハナ争いに加わっていく。そこから一列下げて最内から、前2頭の外に進路を切り替えて道中は3番手を追走した。3~4角でも前2頭の外から置かれずについていき、ラスト2Fでは先頭に並びかけると、ラスト1Fで抜け出して1馬身3/4差で完勝した。

 前記の未料理戦では、前後半4F47秒7-51秒1のかなりのハイペースを、出遅れを挽回して先行し完勝。発走地点の芝で勢いがついた辺りにも芝適性の高さを感じさせる。タフな芝ではダートを使われていることが優位に働くことが多いだけに一考したい。

△ (13)レーヴブリリアント

 前走のベゴニア賞で4着。前走は5番枠からやや出遅れ、無理をさせずに中団やや後方からの追走。道中も中目で脚を温存し、3~4角でも中団やや後方最内で、前にスペースがある状態で進めた。直線序盤で追われると最内からじわじわ伸びる。ラスト2Fでもまだ地味だったが、ラスト1Fで鞭が入ると最後は前との差を詰めた。3着ガルダイアの方が伸びが良かったが、同馬と1馬身1/4差ならば悪くない。

 本馬は前々走の中山芝1600mの新馬戦でも出遅れて、後方からの追走になったように、ポジションを取れない点が弱点。それでもこの新馬戦では3~4角で中団の外からじわっと進出して4角で好位の外に取り付き、ラスト1Fでしぶとく伸びて抜け出して勝利したように、後半で早めに動いてもバテない強みがある。タフな馬場にも対応できそうだ。

2025年 フェアリーSの予想

■Cコース替わりで内と外がフラットな馬場に

 6回中山開催の9日間はAコース使用。今開催2日間はBコース使用で悪化した内側がカバーしきれていなかったが、今週からCコースに替わり、悪化した内側がしっかりカバーされ、内と外がフラットな馬場になった。

 それならば中山外回りの芝1600mのコースの特性を活かした予想をしたい。中山外回りの芝1600mは円状コースで初角(2角)までの距離が約240mと短く、外枠に入った馬は終始外々を回されがちになるので、内有利と見て予想した。

■有力馬と評価ポイント

◎ (1)マイスターヴェルク

 前走の新潟芝1600mの未勝利戦では、8番枠から好スタートを決め、そこから押して2番手を追走。道中でペースが落ちても折り合いながら2番手の外を維持。3~4角でもペースが上がらなかったがコントロールして逃げ馬と半馬身差で直線へ。序盤で追われて逃げ馬に並びかけ、ラスト2Fでしぶとく抜け出して2馬身半差。ラスト1Fでもそのまま粘って2馬身差で勝利した。

 9月の中山開幕週の芝1600mの新馬戦では、コンクリート馬場のかなりのスローペースで、ラスト2F11秒5-10秒8と加速する展開。勝ち馬のファンダム(先週のジュニアC勝ち)や2着シホリーン(次走の未勝利を好指数で勝利し、アルテミスSでは鞍上の致命的なミスで詰まって終戦)が強かったのもあるが、前に行けない弱みと決め手に泣く形になった。

 しかし、前走ではわりと楽に2番手を取れたことは大きな収穫。新馬戦時のような高速馬場ではないことも好ましく、1番枠を利しての好走を期待する。

○ (7)ホウオウガイア

 前走の百日草特別の2着馬。ここでは6番枠から出遅れ、そこから挽回していったが、2角で前のパートオブワールドが外に張られて急に外に飛び出す場面。本馬はその影響を受けて躓いてバランスを崩したが、そこから立て直して道中は中団中目を追走した。

 3角でもペースが上がらなかったが、そこでは我慢し、4角で中目からじわっと前のスペースを詰めて好位の直後で直線へ。最後の直線では外のショウナンマクベスと併せて伸び、ラスト2Fで一旦先頭に立ったが、ラスト1Fでやや甘くなり、そこを同馬に差し切られ、1馬身1/4差で敗れた。

 前走はスムーズさを欠く内容。本馬はタフな芝の福島1800mの新馬戦で、中団から4角で外を回って直線序盤で早々と先頭に立ち、ラスト1Fで2着馬に3馬身差をつけて好指数で勝利した馬。この新馬戦は新馬戦としては緩みが少なく消耗度が高いレースになっていただけに、前走はその疲れが残っていたと推測される。

 それでも2着に健闘したのは地力があればこそであるが、ゲートや二の脚が遅く、芝1600mよりも芝2000mを感じさせるので対抗評価にした。2023年に追込馬のキタウイングが優勝しているが、当時は前2頭が競り合ったことで展開に恵まれたもの。前走時の前半3Fがもっとも遅いだけに、ペースがある程度、上がらなかった場合の不安がある。

▲ (9)モルティフレーバー

 2走前に9月の中京芝2000mの新馬戦を勝利した馬。ここでは2番枠からトップスタートを決めて、すっと先頭へ。道中はマイペースで進めて1馬身差のリードで3角へ。3~4角の半ばで仕掛けると、2列目勢が食らいついてきたが、ラスト2Fでもしぶとく粘り通して先頭を維持。ラスト1Fで2列目勢の失速で差が広がって1馬身3/4差で勝利した。

 前走の芙蓉Sでは6着敗退。ここでは大外9番枠から五分のスタートだったが、じわっと促して1角手前で先頭へ。外からジェットマグナムに終始プレッシャーをかけられて2走前のようにペースを落とし切れず、最後の直線で苦しくなって失速した。

 前走は馬体重14kg減。2走前の好走が負担になったようで大きく体を減らしていた。今回はそこから休ませて馬体回復を図っての一戦。また前走時、最後の直線で甘くなった辺りに、距離が短くなるのは好材料と感じさせる。ここも逃げ、先行策でペースがそこまで上がらなければ一発がありそうだ。

△ (3)ジャルディニエ

 2走前のアスター賞の勝ち馬。2走前は1番枠からやや出遅れ、内枠だったこともあり、無理せずに中団最内を追走した。道中ではある程度速く流れたが、中団馬群の後方内目で我慢。

 3~4角で中目に誘導し、4角で外に誘導して仕掛けながらじわっと押し上げて3列目の外へ。直線序盤でしぶとく伸びて2列目外まで上がり、ラスト1Fで早めに抜け出したキタノクニカラを差し切って1馬身半差で完勝した。

 前走の阪神JFは10着完敗。ここでは4番枠からやや出遅れ、じわっと中団最内まで挽回したが、最終的には後方の最内に下がってしまう。

 3~4角で前のビップデイジーが動いてくれたので上手く中団最内まで押し上げ、最後の直線で中目からじわじわ伸びて挽回したが、ラスト1Fで中団中目を捌きながら追い上げる形となった影響も多少あり、勝ち馬に1.1秒も離される結果となった。

 前走はタフな馬場でハイペースになったことを考えると、明確に物足りない内容だったが、スタミナが不足する休養明けの影響もあったはず。叩かれの前進を警戒する。

△ (8)レイユール

 前走の赤松賞の2着馬。前走は3番枠から出遅れ、前にスペースがなく、いったん下げて最後方からの追走。道中も最後方の最内で進めた。3角で最後方列から中目に誘導し、4角出口で中目のスペースを維持して直線へ。

 直線序盤で追われて中目のスペースをじわっと詰め、ラスト2Fで外に誘導して4番手に上がる。ラスト1Fで先頭と2馬身半ほどあった差をしっかり詰めたが、3/4差及ばなかった。

 本馬は9月の中山芝1600mの新馬戦でも3番枠から出遅れ、中団最内を追走。3~4角で内ぺのスペースを押し上げながら進出し、4角で前のニシノヒナアラレが外を狙ったので、上手く最内のスペースを拾って2列目の最内から直線へ。

 直線序盤で先頭列の内からすっと先頭に立ち、ラスト1Fでそのまま突き抜けて3馬身半差で圧勝した。この新馬戦は中山のコンクリート馬場でややスローペースだったが、ラスト2F11秒8-10秒8と加速して勝利。このように本馬は末脚抜群。今回のメンバーならばNO.1の末脚を持っていると言える。

 しかし、ゲートが甘く、芝1600mだとやや追走に苦労している点が難点。新馬戦のように内枠で上手く内のスペースが開いてくれればいいが、フルゲートの重賞だと、簡単に内は開かないだろう。後手後手に回って3~4角でロスを強いられる危険性もあるので評価を下げた。

△ (10)ルージュミレネール

 前開催の中山芝1600mの未勝利戦では馬体重12kgと成長した姿を見せ、逃げ切り勝ちした馬。ここでは15番枠から五分のスタートだったが、かなり押して勢いをつけて1角手前で先頭。道中はマイペースで進めていたが、3角手前で2列目勢が迫ってくると、そこでペースを上げて1馬身差。

 3~4角で息を入れるとまた2列目勢に迫られ、4角で仕掛けて1馬身差のリードで直線へ。直線序盤で2馬身半まで差を広げ、ラスト1Fで後続を突き放しにかかったが、外から一気にマイネルアウルムに迫られたが、凌ぎ切って半馬身差で勝利した。

 前走は最後まで他馬に並ばせることなくゴールイン。ある程度、時計の掛かる馬場で前有利の展開だったわけではないが、危なげない逃げ切りだった。前走からさらなる前進があれば、ここで通用してもいいはず。

2025年 1/11・すばるSの予想

■平均ペースの範囲内で収まる可能性が高い

 昨年6月の京都ダ1400m、天保山S(OP)でも逃げて3着の実績が(6)メイショウテンスイだが、当時は外から好スタートを切ってハナに立った(15)サトノルフィアンに行かせてもらったもの。今回は当時よりも同型馬が手強く、斤量60kgでは逃げられないだろう。

 ここは外枠から(16)アドバンスファラオ、発走地点が芝を利して(13)ピースオブエイト、サトノルフィアンらが内に切り込みながら前を主張していく可能性が高いが、この3頭は何が何でもハナへというタイプではない。

 アドバンスファラオは揉まれたくないから逃げることもあるタイプで、大外枠なら無理してまでハナを主張しないだろう。案外とペースが上がらず、平均ペースの範囲内で収まるのではないかと見ている。ある程度、前目で立ち回れる馬を中心に予想したい。

中京11R すばるS ダ1400m
 ◎ (12)ウェイワードアクト
 ○ (10)フリームファクシ
 ▲ (5)イーグルノワール
 △ (6)メイショウテンスイ
 △ (13)ピースオブエイト
 △ (14)ショウナンライシン
 △ (16)アドバンスファラオ
結論 馬複12-10,5,6,13,14,16 (20:10:5:5:5:5) 複勝12 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (12)ウェイワードアクト

 これまで7戦4勝2着1回3着2回。初めてのダ1400m戦となった前走のギャラクシーS(OP)でも2着に健闘した。前走は12番枠から五分のスタート。前々走で1600m戦を中団やや後方からレースを進めていた影響で二の脚はひと息だったが、押して先団馬群の後尾を追走した。

 3角手前で外目に誘導し、3~4角で2列目の外4番手まで押し上げて直線へ。直線序盤でじわじわ伸び、ラスト1Fでロードアワードとの競り合いを制して先頭に立ったところを外からアルファマムに一気に差されてクビ差で敗れた。

 しかし、前走は冬場のタフなダートで前後半3F34秒9-37秒0と超ハイペース。逃げ、先行馬には苦しい流れだったことを考えれば、好内容の2着で、(9)ベルダーイメルを完封している。今回は前走よりも楽なペースでレースを進められると見て、本命に推す。

○ (10)フリームファクシ

 初めてのダート戦となった3走前の中京ダ400m戦、コールドムーンS(OP)を圧勝した馬。3走前は大外16番枠から五分のスタートを切り、軽く促して好位馬群の後方外を追走。道中も砂の被らない好位馬群の後方外で進めて3角へ。3~4角で大外からロスを作りながら直線へ。序盤ですっと伸びて一気に先頭に立ち、半馬身ほど前に出ると、ラスト1Fで突き抜けて4馬身差で圧勝した。

 2走前はギャラクシーS時ほどタフなダートではなかったにせよ、前後半3F34秒5-36秒6の超ハイペースで好位馬群の外をスムーズに追走と、やや展開に恵まれた面がある。それでもラスト1Fで4馬身突き抜けた内容は強く、ダート適性の高さを裏付けるものだった。

 前走のペルセウスS(京都ダ1800m)では7着に敗れたが、これは休養明けで好走した反動によるものが大きい。また中団の外で進めながらも最後の直線で伸びてこれなかった辺りから、距離が長かったことも影響したと見ている。2走前から中1週、中1週の押せ押せローテーションであるが、2走前の内容からここも侮れない。

▲ (5)イーグルノワール

 デビューから3連勝で昨年12月の兵庫ジュニアGP(園田ダ1400m)を優勝した馬。ここでは7番枠で外の2頭が速かったが、スムーズに外目に誘導し、2列目の外を追走。3角手前で前2頭に並びかけ、外から動いてきたサトノフェニックスと併走で先頭に進出して直線へ。序盤でサトノフェニックスに前に出られたが、最後に差し返してハナ差で勝利した。

 ここでは後のレパードSの2着馬サトノフェニックスとはハナ差だったが、3着馬に5馬身差をつけており、例年の兵庫ジュニアGPと比較しても水準の指数を記録している。

 3歳春はスランプで当時の指数で走ることはできなかったが、2走前のオーバルスプリントで4着と復調の兆し。ここでは6番枠から五分のスタートを切り、逃げ馬の外2番手を追走。3角でサンライズホークが捲ってペースが上がり、最後の直線で早々と失速しての4着だったが、かなりのハイペースで前へ行った馬には厳しい展開だったことを考えれば、よく粘っていた。

 本馬は前走の武蔵野Sでは14着に大敗。しかし、前走は内からハナを主張した(6)メイショウテンスイに外からドルチェモアが競りかけて前後半4F45秒8-50秒2の激流になったもの。本馬は前2頭から離れた3列目の外付近を追走していたが、それでも十分厳しいペースだったし、距離も長かった。

 今回は実績のあるダ1400m戦。タフな馬場の園田や浦和のダ1400mで実績があるように、良馬場で時計が掛かる馬場もいいはず。今回は近2走よりも遅い、先行馬に有利なペースが予想されるだけに、巻き返しを期待したい。

△ (6)メイショウテンスイ

 昨年7月に福島ダ1700mのジュライS(L)を勝利した馬。ここでは12番枠から好スタートを決め、じわっと内に切れ込みながらハナを主張。1角手前でハナを取り切るとペースを落として、十分に息の入った逃げ。3~4角でペースを引き上げ、2馬身差のリードで直線へ。直線序盤でもその差を維持し、ラスト1Fでさらに差を広げて2馬身3/4差で完勝した。

 前記のジュライSは同型馬の不在を利してマイペースで逃げ切ったもの。本馬は前に行って、持久力を活かしたいタイプで、昨年6月の京都ダ1400mの天保山特別でも逃げて3着の実績がある。

 このように前に行ければ幅広い距離に対応できるが、今回は外枠にテンの速い馬が出走しているので逃げられず、外から被されてしまうリスクもある。しかし、ある程度、前に行ければ、近走で厳しいペースを強いられた経験が活かされるはず。前からしぶとく粘っての一発を警戒したい。

△ (13)ピースオブエイト

 2走前に重馬場の新潟芝1600m戦、谷川岳S(L)を勝利した馬。ここでは6番枠から好スタートを決めると、二の脚の速さの違いですぐに先頭へ。外から上がったアナゴサンに行かせようとしていたが、最終的には同馬が2番手に控えたので、掛かるのを宥めながら平均ペースで進めていく。

 3角では1馬身差、4角でもその差を維持して先頭で直線へ。直線序盤で仕掛けて後続との差を広げにかかったが、アナゴサンがしぶとく食らいついてくる。ラスト1Fで同馬が甘くなり、外から中団のインをロスなく進めたヴィジュネルが上がってきたが、余裕を持って2馬身半差で完勝した。

 本馬はその後に屈腱炎を発症し、前走のカシオペアSは1年6ヵ月ぶりの一戦。内から掛かり気味にアウスヴァ―ルのハナを叩いて苦しくなったが、スタミナが不足する長期休養明けでは仕方ない。

 今回は再び立て直されての一戦。発走地点が芝のここではハナを主張する可能性もあるが、折り合いさえつけば2、3番手でもやれるはず。今回は初ダートになるが、揉まれない外枠に入ったことは好ましく警戒したい。

△ (14)ショウナンライシン

 2走前の東京ダ1600m戦、グリーンチャンネルCの勝ち馬。ここでは4番枠から出遅れて後方2列目の最内を追走。道中も後方最内で脚を温存し、3~4角でも最短距離を通して4角出口で2頭分外に誘導。しかし、直線序盤で進路がなく、仕掛けを待たされたが、再び進路を内に切り替えて2列目に並びかける。ラスト1Fで抜け出したタマモロックを捉え切って、半馬身差で勝利した。

 2走前は前後半4F45秒6-後半4F48秒6の超ハイペース。展開に恵まれての勝利だった。しかし、本馬は3走前の福島ダ1700m戦、ジュライSでは好位の中目で進めて2着に善戦しているように、マイル前後の距離なら好位でもレースができる馬だ。

 今回はダ1400m戦になるが、前走の武蔵野Sでは前半の速いレースをしているので、ここではそこまで後方からのレースにはならないと見ている。中団くらいでレースが進められれば、ペース次第でチャンスがありそうだ。

△ (16)アドバンスファラオ

 3走前の中京ダ1400m戦、桶狭間Sではオープンでも上位争いが可能な指数で勝利した馬。ここでは13番枠から五分のスタートだったが、かなり押してハナを主張。ハナを取り切ってからはペースを落として3/4差で3角へ。そこからやや差を広げて4角では1馬身差。直線序盤で仕掛けて後続との差を広げにかかったが、テイエムリステッドが食らいついてくる。ラスト1Fで同馬にクビ差まで詰め寄られたが、3着馬に6馬身差をつけており、実質完勝だった。

 また3走前は前後半3F34秒2-35秒8と、そこまで速いペースではないが、前半でハナを主張するのにかなり脚を使っており、ラスト1Fで甘くなったのも仕方ない。

 本馬は2走前のながつきS(OP)でも好位の外で進めて2着接戦の3着に善戦しているように、ハナへ行けなくても揉まれなければ問題がないタイプ。前走のペルセウスSは出遅れ後に躓いて最後方からの追走となり大敗したが、立て直されて大外枠の今回は、前半から無理をさせない競馬で好走を期待する。

2025年 中山金杯の予想

■今年はBコース使用。悪化した馬場の内側がカバーしきれていない

 中山芝コースは前年12月の開催はAコース、年明けからCコースに替わるため、中山金杯当日は内と前が有利になる傾向があった。しかし、今年はBコース使用。悪化した内をカバーし切れず、中目が伸びている現状で、本日6レースの中山芝1600mの未勝利戦でも最後の直線で内の先行馬が失速し、外からの差しが決まった。

 中山芝2000mはスタート後に急坂があり、それを上り終えるとすぐに1角なので前半のペースが上がりにくいが、今回は(18)ホウオウビスケッツ、(10)セイウンプラチナなどの逃げ馬が出走している。

 大外枠で斤量59.5kgのホウオウビスケッツが1角までにハナを取り切れなかったならば、セイウンプラチナが逃げてペースを引き上げる形になるだろうし、(16)ボーンディスウェイ、(9)ギャラクシーナイト、(5)ショウナンアデイブなどの強力先行馬も多数出走。ここはそれなりにペースが上がると見て予想したい。

中山11R 中山金杯 芝2000m
 ◎ (15)クリスマスパレード
 ○ (16)ボーンディスウェイ
 ▲ (9)ギャラクシーナイト
 △ (6)カラテ
 △ (12)ディオスバリエンテ
 △ (13)アドマイヤビルゴ
 △ (17)シンリョクカ
 △ (18)ホウオウビスケッツ
結論 馬連15-16,9,6,12,13,17,18 (15:10:5:5:5:5:5) 複勝15 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (15)クリスマスパレード

 秋華賞トライアル・紫苑Sの勝ち馬。その2走前は6番枠からまずまずのスタートを決め、二の脚の速さで先行して逃げたイゾラフェリーチェの外2番手を確保。1~2角でややペースが落ち、コントロールしながら3角へ。

 3~4角では軽く仕掛けて4角出口で先頭に立つと、直線序盤ですっと伸びて3/4差ほど前に出る。ラスト1Fで外からミアネーロにクビ差まで詰め寄られたが、1分56秒6のレコードタイムで勝利した。

 2走前のレコードタイムは秋の中山開幕日、異常なほどの高速馬場によるものでハイペースではないが、極端に前が有利だったわけでもない。ラスト1Fで末脚が強烈なミアネーロにクビ差まで詰め寄られたが、自身もラスト1Fで加速して勝利している。

 前走の秋華賞では5着。ここでは13番枠から五分のスタートを切り、二の脚良く楽に先行したが、外からセキトバイーストが競ってきたので同馬を行かせて2番手に控える形。道中はコントロールしながら同馬から6馬身ほど後ろで進めた。

 3角ではセキトバイーストから8馬身ほど離れた2番手で最短距離を通して、同馬と6馬身差まで差を詰めて直線へ。序盤で追われるとセキトバイーストに並びかけ、ラスト1Fですぐに先頭に立ったが、そのあと甘くなって2着争いから一列遅れて4着大接戦の末に5着となった。

 前走は勝ちに行ったぶん、ラストで甘くなったが、もう少し脚をタメていれば4着はあった内容だった。ここへ来て明確に地力をつけていると言える。レガレイラが有馬記念を優勝したことなどから現5歳馬の評価が急上昇しており、正直に言えば、積極的に狙いたくない。ひとつ上の世代のレベルが高くないので、現5歳馬が活躍している面があるからだ。

 ただ本馬は秋華賞後に休ませて成長を促しており、ここが目標なのは明確。前走が目標で、そこで展開に恵まれて好走後に楽をさせた人気の(14)リカンカブールや(18)ホウオウビスケッツを狙うよりは健全と見て、クリスマスパレードを本命視した。

○ (16)ボーンディスウェイ

 前走のリステッド競走、オクトーバーSの覇者。前走は6番枠からまずまずのスタートを切り、そこから押して加速をつけてハナ争いに加わって行った。最終的には内外の2頭を行かせて、3番手で様子を窺っていたが、道中でもペースが落ちなかったので3番手を維持。

 3~4角でペースが落ちると、外からじわっと仕掛けながら4角で2番手に上がって逃げ馬と1馬身1/4差ほどの差で直線へ。直線序盤で先頭に立ち、ラスト2Fで追われるとしぶとく伸びて、(9)ギャラクシーナイトを寄せつけない。ラスト1Fでもそのまま差を詰めさせず、1馬身3/4差で完勝した。

 前走時は超高速馬場で逃げ、先行馬がわりと手薄ということで本命◎としたが、前後半5F58秒3-59秒1と想定よりもワンランクペースが速かった中でがんばり抜いた。2走前の七夕賞では前半3F33秒6と短距離のように前半が速い展開の中で、かなり押して先行し、3番手で進めた同馬にとっては、前走程度のハイペースではへっちゃらだったのだろう。最後の直線ではずっと左手前のまま走っていた。

 前走時は本格化を感じさせる内容。もともと2歳時には葉牡丹賞を逃げ切り、3歳春の弥生賞では2列目の最内を上手く立ち回って3着に善戦。そして昨年の中山金杯でも2列目の外から直線序盤で先頭に立って4着と、中山芝2000mに実績が豊富な馬でもあり、ここは期待したい。

2025年 京都金杯の予想

■中京開催時の京都金杯は内有利

 21~23年同様に中京芝1600mで実施される。前記の過去3年の京都金杯は、前年12月の6日間開催を前半4日間Aコース→後半2日間Bコース使用後のAコース替わり初日で行われていたが、今年も同じ。21~23年は内枠有利だったが、今年も同じコースローテーションだけに、そういう傾向になる可能性が高い。

 また中京芝1600mは中盤で坂を下るため、中盤で坂を上る京都開催時よりも緩みなくレースが流れ、約1秒も速い時計で決着するため、コーナーで外を回ると苦しい。さらに3角、4角がスパイラルカーブになっていることも、内枠の馬が活躍している理由だ。

 今年も前に行ってこその(14)メイショウチタン、(9)オーキッドロマンス、(10)セルヴァーグなどが出走しているので、ここも緩みない流れが濃厚。内で脚をタメられる馬を中心に予想したい。

京都11R 京都金杯 芝1600m
 ◎ (1)ロジリオン
 ○ (2)セオ
 ▲ (9)シャドウフューリー
 △ (7)サクラトゥジュール
 △ (8)オーキッドロマンス
 △ (11)コレペティトール
 △ (12)フィールシンパシー
 △ (15)ドゥアイズ
 △ (16)ウォーターリヒト
結論 馬連1-2,9,7,8,11,12,15,16 (10:10:5:5:5:5:5:5) 複勝1 (50)

■有力馬と評価コメント

◎ (1)ロジリオン

 2走前の富士Sでは休養明けで3着。ここでは14番枠から出遅れたが、思い切って位置を押し上げ、好位の外で流れに乗って3角へ。3~4角でペースダウンしたが、ここではコントロールして3列目の外を維持。直線序盤でじわっと仕掛けて2列目の外まで上がり、ラスト2Fで先頭に立ちかける場面で外からジュンブロッサム、内からソウルラッシュに上がって来られる。ラスト1Fで前記2頭に突き抜けられたが、本馬もしっかりと3着を確保した。

 2走前は前半で位置を挽回したことがラストでの伸び切れなかった理由。それでも次走でマイルCSを制す2着ソウルラッシュと1馬身1/4差だから、ここでは地力上位だ。

 前走のキャピタルSは4着敗退。これは休養明け好走の反動によるものだろう。前走は楽をさせた一戦で、2走前で馬体重14Kg増からさらに体重が増えていた。またここでも2番枠からやや出遅れ、富士Sよりも前半が速い展開ながら位置を押し上げていったことも影響している。

 今回は1番枠。この枠は外の逃げ、先行勢が競りながら内に切れ込んでくる中で、すっと3列目の最内くらいが取れる最高の枠。最短距離を通して脚を温存できる優位性があるだけに、ここは本命に推す。

○ (2)セオ

 3走前の都Sでは、本日の中山金杯に出走予定のアルナシーム(後に中京記念勝ち)を撃破して勝利した馬。3走前は6番枠から五分のスタートを切って押してハナを主張したが、内からアウスヴァールが絡んでくると、同馬を行かせて2番手の外で折り合った。道中はかなりのスローペースだったが、コントロールしながら2番手の外を維持。

 3~4角では持ったままアウスヴァールにプレッシャーをかけ、4角で同馬に並びかけた。直線序盤で追われるとすっと伸びて2馬身半差。ラスト1Fでやや甘くなってアルナシームに迫られたが、余裕を持って1馬身1/4差で勝利した。

 本馬は3歳時の中山芝1800mの1勝クラスではレーベンスティールを相手に逃げ切り、京都芝1600mの2勝クラスでは、昨年の関屋記念の2着馬ディオを相手に逃げ切った実績があり、前に行って持久力を活かしてこそのタイプ。

 近2走では2桁着順に大敗しているが、今回は前走カシオペアS大敗から再び立て直されての一戦。変わり身を期待したい。

▲ (9)シャドウフューリー

 前走のリゲルSの覇者。前走では12番枠からまずまずのスタートを決め、内枠から先行する馬がいなかったので、じわっと促して3番手まで進出。道中は3番手で我慢させ、3~4角で再び前との差をじわっと詰め、外から2番手のセッションに並びかけて行く。直線序盤では同馬との差は3/4差だが、その差はなかなか詰まらない。しかし、ラスト1Fでしぶとく伸びて粘るセッションを競り落として3/4差で勝利した。

 本馬は東京芝1600mの1勝クラス時に初めて逃げて崩れて以来、好位の直後から最後にひと脚使う競馬で安定した成績を残していたが、前走は勝ちにいく競馬でも崩れず、セッション(昨年の京都金杯2着)に競り勝った。前走指数は特筆するものではないが、地力強化を感じさせる内容。ここは前半から速くなりそうなので、得意の好位直後からもうひと脚使う競馬で、さらなる前進を期待する。

△ (7)サクラトゥジュール

 折り合いに課題があり、3勝クラス以降は大敗することも多かったが、休養明けとなった5走前のメイSでOPをようやく勝利。5走前は2番枠からまずまずのスタートを切り、外の各馬を行かせて3列目の最内を追走。道中では行きたがるのを我慢させ、ポジションを維持。

 3~4角では2列目の最内のヴィジュネルが動かないので仕掛けを待たされたが、直線序盤で最内から同馬をかわして2番手に上がった。ラスト2Fでするする伸びて先頭の(11)マテンロウスカイとは1馬身差。ラスト1Fで同馬を捉えてクビ差で勝利した。

 ここでは7番人気だったが、マテンロウスカイ(後の中山記念覇者)をクビ差で下し、3着馬エピファニー(後の小倉大賞典覇者)、4着馬ドーヴネ(後の中山記念の2着馬)に3馬身差をつけ、重賞でも通用する指数を記録した。

 そして2走前の東京新聞杯で初重賞制覇を達成。ここでは1番枠からやや出遅れ、軽く促されて中団最内から追走。道中では空いていたインコースをコントロールしながら好位の直後まで上がって3角へ。3~4角の中間地点で仕掛けたが、進路がないまま直線を迎えることに。

 直線序盤は外を狙っていたが、最終的には最内に誘導し、ラスト2Fでは3列目から2番手に上がった。ラスト1Fで先頭のウインカーネリアンと1馬身3/4差ほどあったが、そこからしっかり差し切って1馬身差で完勝した。

 5走前と2走前の共通項としては、ともに緩みない流れで前に馬を置いて最短距離をロスなく立ち回っていること。一方、かなりのスローペースだと折り合いを欠いてしまうことが多く、前走の関屋記念は前半が遅く、ここで4番枠から二の脚よく前に行ってしまったために酷く折り合いを欠いて13着に敗れた。

 緩みない流れが予想されるここは折り合いは付くだろうが、今回は7番枠。外の逃げ、先行勢が競りながら内に切れ込んでくることを考えると、外目の枠の競馬になってしまいそうだ。そこが不安なのと、去勢明けを考慮して評価を下げた。ただ、追い切りでは去勢休養明けとしては動けていた。