2025年 ヴィクトリアマイル+栗東Sの予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2025.05.19
2025年 ヴィクトリアマイル+栗東Sの予想

■外有利の馬場でも追込は届きにくい

 過去10年の勝ち馬は逃げ~中団までで7勝。差しは3勝しているが、追込の3着以内はゼロ。2着は逃げ~中団までが6回、3着は逃げ~中団までが9回だった。差し馬の2勝は2016年のストレイトガール(18頭立ての3角11番手)と2017年のアドマイヤリード(17頭立ての3角12番手)で、17年は雨の影響で外差し有利の馬場だった。

 日曜は本降りの土曜から馬場がどこまで回復するかにもよるが、先週のNHKマイルC時のように、逃げ馬が暴走してのよほどのハイペースにならないと追込馬が連対するのは難しい。まして先週が超高速馬場を考慮しても前半4F44秒9という、見たことない数字が飛び出しているだけに、今回騎乗する騎手たちも意識的にペースを落としてくるはずだ。

 ただし、土曜は内を空けて走っており、最後の直線で外へ誘導した馬が有利。馬場は内から乾くので、このレースまでに内が乾いている可能性もあるが、さすがに内有利にはならないと見ている。2017年に近い感覚で予想したい。

東京11R ヴィクトリアM 芝1600m
 ◎ (12)シランケド
 ○ (17)アスコリピチェーノ
 ▲ (5)ラヴェル
 △ (2)ステレンボッシュ
 △ (3)アルジーヌ
 △ (10)ボンドガール
 △ (15)ソーダズリング
 △ (9)アドマイヤマツリ
 △ (13)ビヨンドザヴァレー
結論 馬連12-17,5,2,3,10,15,9,13 (13:9:9:9:3:3:2:2) 複勝12 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (12)シランケド

 キャリア4戦目の紫苑Sでは、1勝クラスの身ながら3着に入った。その後、休養を挟んだ1勝クラスの戸畑特別では馬体重14kg増と成長した姿を見せて5馬身差で圧勝。ここではオープン通用級の指数を記録し、この時点で能力が本物、後に活躍することは必至だった。そこから成績を上げて、前走の中山牝馬Sでは初重賞制覇を達成した。

 前走は11番枠からやや出遅れ、押して挽回し好位を狙ったが、好位列が雁行状態で窮屈になり、一列下げて中団の外を追走。道中は中団の外でホーエリートをマークして進め、仕掛けを我慢させた。

 3~4角ではホーエリートの外から押し上げ、4角では同馬に張られて4頭分外を回るロスもあったが、直線序盤ですっと2列目に上がる。ラスト1Fで内のホーエリートとの叩き合いとなったが、アタマ差で振り切った。

 このレースは標準馬場で前後半4F48秒2-47秒5の平均ペースだが、レース最速がラスト5F目の11秒4。向正面で逃げ馬がペースを引き上げたことでやや差し馬に有利な展開ではあった。やや内有利の馬場を外々からロスを作りながらも最後までしぶとく粘った内容は高く評価できる。

 本馬はエンジンが掛かってからがしぶとく、本質的には中距離向きだが、もう一枚奥がある可能性を感じさせる。今回は12番枠と外目の枠で出遅れた場合には位置取りが悪くなりそうだが、最近は出遅れ癖がだいぶ改善されている。また昨日の外差し馬場を考慮すると、今回の12番枠も好ましく、本命に推す。

○ (17)アスコリピチェーノ

 デビューから3連勝で阪神JFを勝利した実績馬。その後、マイル路線を徹底して使われ、桜花賞、NHKマイルCで2着。昨秋の休養明け初戦、京成杯AHでは古馬を圧倒した。

 京成杯AHでは10番枠からやや出遅れ、そこから押して中団の中目を追走。コンクリード馬場で道中は内に入れたいところではあったが、入れられないまま3角に入った。

 3~4角の中間でペースが落ちると外から取りつき、4角で外目から押し上げて3列目で直線へ。直線序盤ですっと伸びて一気に先頭列付近まで上がり、ラスト1Fで突き抜けて1馬身1/4差で勝利した。

 ここは前後半4F45秒6-45秒2の平均ペース。脚質による大きな有利不利はないが、秋の中山開幕週の超高速馬場で内有利な状況のなか、一度も内に入れることなく4角で外から押し上げて勝利した内容は高く評価できる。

 今回のメンバーで実績、マイル適性は明確に上位。前走ではサウジアラビアに遠征し、1351ターフスプリントを勝利。ここも五分のスタートではあったがしっかり先行しており、マイル戦ならポジションを取っていけるはず。

 今回は前走時の疲れが取れているかがカギになるが、対抗に推す。

▲ (5)ラヴェル

 デビュー2戦目のアルテミスSでは後方から3~4角でリバティアイランドに蓋をしながら先に動き、同馬を完封した素質馬。その後、長期間不振だったが、昨秋のエリザベス女王杯で2着に入り、3走前のチャレンジCで重賞2勝目を挙げ、完全復活を遂げた。

 3走前は9番枠から出遅れて外を狙った。しかし、外に出し切るのが難しく、中団中目のスペースを軽く促して拾う形。道中もマイネルモーントの後ろの中団中目を走り、3角手前で同馬の内から押し上げ3角を迎えた。

 3~4角では好位の中目のスペースを拾い、4角でセイウンハーデスの後ろから2列目まで押し上げ直線で外に出た。直線序盤で追われるとすっと抜け出して1馬身差。ラスト1Fでディープモンスターらに迫られたが、問題とせず1馬身3/4差で完勝した。

 3走前は標準馬場で前後半5F58秒4-59秒8と緩みなく流れたが、出遅れを挽回して中団まで位置を上げ、早め先頭に立っての勝利ととても強い内容だった。ここでは今回のメンバーでは№.1の指数を記録している。

 2走前の金鯱賞は9番枠から出遅れて後方からの追走。道中も後方の外目で追走し、3~4角でも鞭を入れながら押し上げたが、動き切れずに9着敗退。スタミナが不足しがちな休養明けでかなりタフな馬場&激流になったことえ、息切れしてしまった。

 前走の大阪杯ではやや内有利のコンクリート馬場を3番枠から五分のスタートを切って中団の最内で進めていたが11着敗退。大阪杯では金鯱賞組が全滅しているように、各馬がタフな競馬をしたダメージが強く出たが、本馬は着差は0秒7着と牡馬の一線級を相手によく走れていた。

 本馬が3走前のチャレンジCで記録した指数は、今回は休養明け3戦目。本馬も中距離がベストの馬ではあるが、相手弱化のここで本領発揮なら通用していい。

△ (2)ステレンボッシュ

 昨年の桜花賞馬だが、オークス、秋華賞ではチェルヴィニアに完敗の2着、3着。しかし、秋華賞では出遅れて後方馬群の中目を追走する形となり、3~4角で包まれて直線序盤で前が壁。進路取りがスムーズではなかった。しかし、2走前の香港ヴァーズでは3着と成長力を見せた。

 2走前は13番枠から出遅れて、後方馬群の中目に突っ込んでいったが、結局最後方で外に誘導して進めていく。向上面でも最後方の外で動けずに3角に入った。

 3~4角で徐々にペースが上がっていく中で仕掛けて4角でややペースが落ちると、外からすっと押し上げて一気に2列目の外まで進出。直線序盤でいったん先頭に立ったが、さすがに甘くなり最後は3着争いで何とか踏ん張った。

 2走前は前後半5F63秒15-59秒29(日本の計測法なら、前半があと1秒速い)のかなりのスローペースで前有利の展開。後方からの追走となった時点で早めに仕掛けざるを得なかったのは仕方ないが、もう少し仕掛けを遅らせていれば、4,5着馬にしっかり差を付けられていたはず。またここの2着馬はこの路線の強豪ドバイオナーで、同馬と1馬身差ならば上々だ。

 休養明けの前走の大阪杯では惨敗。前走はコンクリート馬場のややハイペースで12番枠、終始中団外々を追走する形で、しんどい競馬になって13着に敗退した。ここは2走前の香港で好走した疲れもあったと見ている。

 本馬はゲート不安があり長らく中距離を使われていたが、桜花賞馬でもあるように本来はマイルでもやれる馬。桜花賞ではやや出遅れを中団外目まで挽回し、最後の直線では鋭く伸びて勝利している。当時よりも相手が強いここで出遅れられると厄介ではあるが、近走はスタートを決められるようになっているので警戒したい。

△ (3)アルジーヌ

 3走前に牡馬混合オープンのカシオペアSを勝利。ここでは8番枠から五分のスタートを切り、コントロールしながら先行策。ほぼ馬なりで好位の中目から追走した。道中では緩みなく流れたが、好位を維持したまま外に誘導して3角に入った。

 しかし、3~4角では前が雁行状態となったので、再び中目に誘導して直線へ。直線序盤で追われると一気に抜け出して2馬身のリードを奪った。ラスト1Fでトゥデイイズザデイをはじめとする外差し勢に詰め寄られたが、3/4馬身差で振り切った。

 この日は馬場の内が荒れており、本馬は上手く内を避けてレースを進めていた。標準馬場で前後半4F46秒1-46秒7の平均ペース。緩みなく流れて後方有利な展開を好位から早めに抜け出して勝利した内容はそれでも評価できる。

 本馬は前走、2走前で芝1600mを使われ、2走前はターコイズSを勝利。前走は阪神牝馬Sで2着とマイルもしっかり対応している。ただ、極端なスローペースで上がり3F33秒8の後半勝負となった京都芝1600mの2勝クラス時に4着と敗れたことがあるように、上がりの速い決着は得意ではない。

 前走の阪神牝馬Sもかなりのスローペースで上がりの速い決着だったが、1番枠からスタートして3角手前で最内から好位まで挽回できたこともあって、上がりの速い決着にも対応できた面がある。

 今回も3番枠と内目の枠。この並びなら好位~中団の内目が取れるだろう。今回は内が有利な状態ではないが、ある程度、前の位置が取れるという意味ではこの枠も悪くない。

△ (10)ボンドガール

 2走前の東京新聞杯で2着。2走前は4番枠から五分のスタートを切ったが、コントロールして中団内目を追走。道中も中団馬群の中目から折り合い重視で進めた。

 3~4角でも前2頭から離れた中団中目で仕掛けを待って、直線序盤で前のゴートゥファーストの後ろからスムーズに外に誘導し、楽々と4番手に上がる。ラスト2Fでさらに前との差を詰めたがまだ4番手。ラスト1Fで先頭のメイショウチタンを捉えたが、外からウォーターリヒトに差し切られてクビ差で敗れた。

 2走前は標準馬場で前後半4F46秒1-46秒5の平均ペース。脚質による大きな有利不利はないが、末脚型の本馬がいつもよりも早めに動いて押し切った内容に進化を感じさせた。

 本馬はNHKマイルCこそ、最後の直線で最内から先頭を狙ったところを○(17)アスコリピチェーノに寄られて窮屈になり、安全確保のために位置を下げて流し17着と崩れたが、それ以外は全て着差0秒3以内に善戦しているように、自在性があって安定感も抜群だ。

 前走の阪神牝馬Sは9番人気の(4)サフィラが2番手から抜け出して勝利しているように、超高速馬場でかなりのスローペース。前と内が有利な展開だった。本馬は10番枠からやや出遅れ、軽く促して中団の外を追走していたが、道中でやや折り合いに苦労して位置を下げたことが主な敗因。結果、3~4角で外々から押し上げる形となり、前を捉え切れなかった。

 前走は展開を考えれば5着でも仕方のない内容ではあったが、同じように出遅れて中団中目を追走したラヴァンダとの末脚比べで敗れた点はやや不安。ただ今回は前走よりも前走のような超高速馬場ではなく、ペースも上がる可能性が高いだけに軽視はできない。

△ (15)ソーダズリング

 デビュー当初は中距離路線を使われていたが、京都芝1600mで3勝クラスを勝利すると、次走のターコイズSで4着。ここでは内の馬にぶつけられ、やや掛かりながら中団馬群の中目を追走しての3着大接戦の4着に健闘し、古馬重賞でも通用の目途を立てた。すると次走の京都牝馬Sでは重賞初制覇を達成した。

 京都牝馬Sでは15番枠から五分のスタートを切り、無理なく中団の外を追走。道中も緩みなく流れっていたが、中団の外からある程度流れに乗って3角に入った。

 3~4角では中団の中目でワンテンポ仕掛けを待って、4角出口でスムーズに外に誘導。直線序盤で中団列からすっと伸びて先頭列まで上がり、ラスト1Fでナムラクレアとの叩き合いとなったが、クビ差で振り切った。

 ここはややタフな馬場で前後半4F34秒5-34秒5の平均ペースだが、緩みなく流れており、前へ行った馬には不利な展開。ここは展開に恵まれており、進路取りも完璧だった。

 本馬は2走前の阪急杯でも3着争いを制して3着に善戦しているように芝1400mがベスト。しかし、3走前の高松宮記念では追走一杯の14着に失速しているように、芝1200mよりは明確に芝1600m向きだ。

 超高速馬場のかなりのスローで、内と前が有利な展開となった前走の阪神牝馬Sは6着。ここでは4番枠からまずまずのスタートを切って好位を確保したが、位置を下げて外に誘導したことで、内枠の利を生かせずに6着敗退。△(10)ボンドガールほどではないが、本馬も3~4角で中団の外から押し上げていく苦しい競馬になっているだけに警戒した。

△ (9)アドマイヤマツリ

 上昇一途の4歳馬で前走の福島牝馬Sでは重賞初出走ながら勝利した。前走は1番枠からまずまずのスタートを切り、軽く促して好位の最内を確保。そこからやや掛かってはいたが、前にスペースを作ってコントロールしながら進め、前3頭からやや離れた好位の最内で3角に入った。

3角でもまだ仕掛けを待って、前のスペースを詰めていったが、4角で2列目の最内にいたアマイがタイミングよく外を選択。これによりほぼ最短距離を通ることができ、4角出口で前2頭の外に誘導して2列目の3番手で直線へ。直線序盤で追われて2番手争いに加わり、ラスト1Fで突き抜けて2馬身差で完勝した。

前走は高速馬場で前後半4F47秒2-47秒0の平均ペース。脚質による大きな有利不利はないが、内有利の馬場で4角まで最短距離を通り、4角出口でアマイが動いた後ろをついていき、そのまま一気に加速と完璧な騎乗だった。

本馬は新馬戦こそ7着に敗れているが、以降は連対率100%と安定感も勢いもある。ただ、前走があまりに完璧な騎乗だっただけに、ここでは前走以上を期待しにくい。

△ (13)ビヨンドザヴァレー

 3走前のターコイズSの2着馬。ここでは12番枠からまずまずのスタートを切り、促して先行し2列目の外を確保。道中でも内に入れられず、3角でも2頭分外から進出した。

 3~4角の中間地点でペースが落ちると、ここでコントロールし、4角でも仕掛けを待っていたが、外からドゥアイズが競ってくるとじわっと仕掛けて先頭列で直線へ。序盤で追われてしぶとく先頭のイフェイオンに並びかける。ラスト1Fでも踏ん張っていたが△(3)アルジーヌに差し切られて1馬身差の2着となった。

 ここは超高速馬場で前後半5F46秒3-46秒9の平均ペース。道中で緩みが生じており、前有利な展開ではあったが、内がやや有利の馬場状態で内に入れようと外枠から積極的に出して行ったにもかかわらず、一度も内に入れられなかったことは痛かった。

 本馬はその後の中山牝馬S、阪神牝馬Sでも着差0秒4差の4着に善戦。中山牝馬Sでは2番枠から好スタートを切って、じわっと下げて中団の最内を追走。ここは向正面で逃げ馬がペースを引き上げたことでやや差し馬に有利な展開になっており、中団に控えたことが吉と出た面があった。

 しかし、前走の阪神牝馬Sは2番枠からまずまずのスタートを切って、最終的には控えて2列目。内と前有利な展開&馬場を考えると絶好ポジションだったが、なぜか外に誘導し、好位の中目で包まれて位置取りが下がって4着と不完全燃焼だった。

 このように本馬は中距離路線組が多いここで積極的にポジションが取れる立ち位置ではあるが、ここで鞍上がその優位性を生かせるかが課題。ただ案外とペースが上がらず、鞍上が前走の敗因を糧に攻めの騎乗をした場合の一発が怖いので警戒することにした。

推定4,5番人気 (15)クイーンズウォーク

 古馬牡馬と初対戦となった前走の金鯱賞を勝利した。前走では6番枠から五分のスタートを切り、楽に先行して2列目の外で進めていたが、デシエルトが飛ばしていったので、3番手を追走。道中は2番手のホウオウビスケッツをマークする形で進めた。

 3角でひとつ外の3番手で仕掛けを待って、4角出口で馬場の良い外に誘導して直線へ。序盤で追われてややもたついていたが、じわじわ差を詰めて先頭とは3馬身差ほど。ラスト1Fでグンと伸びて内のホウオウビスケッツをハナ差で捉えて勝利した。

 前走はかなりタフな馬場で前後半5F58秒2-63秒1の超絶ハイペース。前へ行った馬にはかなり不利な展開だったが、後続を大きく離して逃げたデシエルト以外は実質差し競馬だった。本馬は展開に恵まれる形で自己最高指数を記録しての勝利だった。

 稍重馬場で時計が掛かった昨秋のローズSを勝利しているように、時計の掛かる中距離がベスト。超高速馬場のマイル戦だと、後方から進めたクイーンC時のように、位置取りに苦労しそうだ。クイーンCでは前がバテたことで差し切ったが、古馬一線級が相手だと、前もそうそうバテないだろう。

 また金鯱賞組は大阪杯で全滅したように、タフな馬場&ハイペースでの激走は次走でダメージを残しやすいもの。その金鯱賞で自己最高指数を記録した後の一戦となると、成長期の4歳馬でも疲れが出る可能性がある。
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京都11R 栗東S ダ1400m
 ◎ (7)ジャスティンアース
 ○ (13)バトルクライ
 ▲ (14)アルファマム
 △ (8)ニシキギミッチー
 △ (12)エミサキホコル
 △ (9)サトノフェニックス
 △ (1)スマートサニー
 △ (3)コンティノアール
結論 馬連7-13,14,8,12,9,1,3 (10:10:10:10:4:3:3) 複勝7 (50)

■トップスピードが速い馬が有利

 昨日は不良だったが、本日は回復化の傾向。現時点で重馬場で脚抜きが良く、トップスピード比べとなっている。

 今回は5月の越後Sで外枠から押してハナを主張し、オーバーペースで逃げて13着に失速した(2)サウンドアレグリアの陣営が「控える」とコメント。

 そうなるとゲート次第で(6)アドバンスファラオが逃げそうだが、コーラルS時は平均ペースの逃げだったことから、ここもさほどペースが上がりそうもない。他が逃げてもテンの脚がそこまで速くないので、穴馬はある程度、前の位置からもうひと脚が使える馬となりそうだ。

■有力馬と評価ポイント

◎ (7)ジャスティンアース

 デビューからすっと芝を使われていたが、2走前よりダートに路線転向して2連勝。前走の門司Sでは10番枠からまずまずのスタートを切り、外から前を主張する2頭を行かせて好位の中目を追走。道中で外に誘導し、そこからコントロールして2列目の外付近に控えて3角に入った。

 3~4角で3頭分外からしわっと上がって直線へ。序盤で追われるとすっと先頭に立ってアタマ差ほど前に出ると、ラスト1Fでそのまま抜け出して1馬身差で勝利した。

 前走は標準馬場で前後半3F35秒4-36秒8のややハイペース。差し有利の展開を先行して外から勝ちにいっての完勝だった。

 本馬は2走前も1番枠で砂を被りながらも怯まずに外に誘導しながらスピードに乗せて勝利。2走前も前走も上がり3F最速を記録しているように、かなりのダート適性の高さと能力を感じさせる。ダート3戦目でここもトップスピードの速さを活かして突破する可能性が高いと見て本命に推す。

○ (13)バトルクライ

 2023年の根岸Sの3着馬。同レースでは14番枠からやや出遅れ、じわっと挽回して中団の外を追走。道中は淡々と流れたが、ある程度促して3角に入った。

 3~4角でも中団外目からじわっと進出して直線へ。序盤で外のタガノビューティーに食らいついて、ラスト2Fで2番手に争いに加わった。ラスト1Fでタガノビューティーを競り落としたが、外からギルデッドミラーにかわされて同馬と3/4差の3着となった。

 ここは前後半3F34秒6-35秒9のかなりのハイペースで後方有利の展開。この日は外差し有利の馬場でもあり、本馬は展開と馬場に恵まれての3着だった。

 本馬はその次走のOP・欅Sでも休養明けながら勝利。その後、右前骨折判明が判明。手術するほどまでに至り、1年1ヵ月にも及ぶ長期休養が余儀なくされた。

 そこから復帰するとしばらくスランプだったが、前走のOP・オアシスSでは久々に勝利して復調をアピール。前走はハイペースを中団外から差す形で展開に恵まれた面があったが、バトゥーキやハビレ等の追い込みを封じたことは評価できる。

 今回はトップハンデ58.5Kgを背負うことになるが、全盛期に近い走りができればここでも通用するはず。

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