2024年 東西金杯+京都10R+12R以降の予想

中山12R・2勝クラスの予想を追加しました♪ 本日はこれにて終了です。

■Cコース替わりで内と前が有利な傾向

 中山芝コースは前年12月の開催はAコース、年明けからCコースに替わるため、中山金杯当日は内と前が有利になる傾向がある。また中山芝は昨年の有馬記念週やホープフルS当日の段階で、例年より2,3段階は馬場が軽く、内からでも十分に粘れていた。

 今年に入って降水量0%で、昨日金曜の段階でクッション値10.1。有馬記念週やホープフルS当日が9秒台前半だったことを考えると、これはかなり軽い数値だ。おそらく標準馬場だった有馬記念週やホープフルS当日から高速化しているはず。

 今回は昨春のフローラSを逃げ切り勝ちしたゴールデンハインドが逃げるか、芝1400m~1600m路線馬のホウオウアマゾンが逃げるかというメンバー構成。ホウオウアマゾンが逃げた場合は平均ペースまで上がる可能性もあるが、ゴールデンハインドはスローで逃げたいタイプ。また、ここは先行型がやや手薄でもあるだけに、スローペースの可能性が高いと見ている。例年の傾向どおりに、内と前が有利であることを念頭に予想を組み立てたい。

本日2番 中山11R 中山金杯 芝2000m
 ◎ (7)ククナ
 ○ (4)エピファニー
 ▲ (3)リカンカブール
 △ (2)アラタ
 △ (6)クリノプレミアム
 △ (8)ボーンディスウェイ
 △ (10)マテンロウレオ
 △ (11)ゴールデンハインド
 △ (9)サクラトゥジュール
 △ (14)カレンシュトラウス
結論 馬連7-4,3,2,6,8,10,11,9,14 (10:10:8:8:4:4:4:1:1) 複勝7 (50)

■有力馬とその評価

◎ (7)ククナ

 デビュー3戦目のアルテミスSでソダシの2着。クイーンCでは1番人気に支持されたほどの馬。これまでメンバー最速上がり3Fタイムを何度も記録しているように、トップスピードが長く維持できる。古馬になってからは期待ほど伸びていないが、3走前の七夕賞では2着に好走しているように、ハンデ重賞ならば通用する実力はある。

 3走前は4番枠からまずまずのスタートを切って、じわっと先行策。コントロールして2列目の最内に収めて、逃げ馬バトルボーンのやや離れた後ろを追走。3~4角では前のスペースを詰めて、バトルボーンの後ろから直線へ。序盤でひとつ外に出されると、そこでやや置かれたが、そこから徐々に伸び始める。ラスト1Fで外からセイウンハーデスに差し切られて1馬身3/4差をつけられたが、ホウオウエミーズの追撃はクビ差で制した。

 前走のエリザベス女王杯は、夏以来の競馬で10番枠から出遅れ。スローペースを中団でレースを進めた影響もあり、勝ち馬ブレイディヴェーグとは0.5秒差(10着)に敗れた。今回はひと叩きされての上昇が期待できる。今回は3走前と同じハンデ54Kg。ここは当時よりも好位の中目とある程度、前の位置が取れそうなだけに、そこから最後にもうひと脚使っての上位争いを期待する。

○ (4)エピファニー

 前々走のOP・ケフェウスSの勝ち馬。前々走は1番枠から好スタートを切って、外から前を主張する各馬を行かせて中団の最内を追走。マテンロウスカイとアルナシームの2頭がぶっ飛ばして前半5F通過57秒1のかなりの速い流れになったが、本馬は仕掛けを待って3角。3~4角では後方に近い位置からひとつ外に出して、直線序盤で追われるとすっと伸びたが、先頭列3頭が壁となり、その外に誘導。ラスト1Fで2列目からしぶとく抜け出して1馬身差で完勝した。

 前々走は8番人気のスタッドリーが大外一気で2着に食い込んだように、差し、追い込み馬有利の展開。3角で我慢して位置を下げた本馬も展開に恵まれた面はある。また3~4角のコーナーロスも1頭分外に出した程度で、ほとんどなかった。しかし、ここでハンデ重賞なら通用レベルの指数を記録したことも確か。

 前走のチャレンジCは8番枠からやや出遅れ、内の馬と少し接触してコントロールしながら中団の外を追走。3~4角で外を回って、4角で5頭分も外を回るロスを作った影響もあって、ラスト1Fで伸びを欠いて4着に敗れた。スムーズならばもっと走れていた内容だっただけに、内枠でもある今回は対抗馬とした。

▲ (3)リカンカブール

前々走で3勝クラス・西宮Sを勝利した馬。前々走は1番枠から出遅れて、後方待機策。3角では後方から4番手だったが3~4角で徐々に外に誘導し、直線で大外に出されると、最後までしぶとく伸びてエアサージュ、メモリーレゾンとの接戦をアタマ差で勝利した。前走はサンライズロナウドが大逃げを打って、前半5F57秒6-後半5F60秒7のかなりのハイペース。展開に恵まれての勝利ではあったが、長期休養明けでしっかり結果を出したことは大きい。

前走のチャレンジCは3番枠から、スタート後に躓いてここでは最後方からの追走。長期休養明け好走後で疲れも出ていたのだろう。それでもレースがスローペースの後半勝負となった中、最後の直線では大外から一気に伸び、勝ち馬べラジオオペラに0.5秒差まで迫っている。休養明け3戦目の今回は前進必至。差し馬だけに、内枠の利を生かし切れない可能性はあるが、要注意だ。
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本日1番 京都11R 京都金杯 芝1600m
 ◎ (9)セルバーグ
 ○ (4)トゥードジボン
 ▲ (11)セッション
 △ (8)サヴァ
 △ (18)アヴェラーレ
 △ (10)アンドヴァラナウト
 △ (15)ドーブネ
 △ (17)フリームファクシ
 △ (1)メイショウシンタケ
 △ (5)ダノンタッチダウン
 △ (13)マテンロウオリオン
結論 馬連9-4,11,8,18,10,15,17,1,5,13 (10:10:7:7:4:4:4:2:1:1) 複勝9 (50)

■Aコース替わりで内が断然有利

 昨年11月の京都開催をCコースで終了して、今週はAコースを使用する。前開催最終日の京阪杯で平均ペースで流れて1分07秒5が出たように、前開催もそこまで時計を要していなかったが、昨年10月の京都開催以来のAコース使用になるので高速化するだろう。

 本日の4Rの未勝利戦(芝1800m)でも2番枠のエトラーが逃げ切り勝ち、5Rの1勝クラス(芝1200m)でも2番枠のピューロマジックの逃げ切り勝ち。逃げ馬の逃げ切りは展開によるものもあるが、断然内が有利で、外からの差し、追い込みは届きにくい。

 京都金杯は逃げ、先行馬が揃っており、ペースは平均ペースくらいまで上がると見ているが、前目内目でレースを進められる馬を中心に予想を組み立てたい。

■有力馬とその評価

◎ (9)セルバーグ

 昨年の中京記念の優勝馬。同レースでは6番枠からまずまずのスタートを切り、そこから押してハナを主張。外のアナゴサンを制して逃げ、道中も緩めずに淡々とレースを引っ張り、1馬身半のリードで3角へ。3~4角でもアナゴサンらが食らいつこうとしていたが、楽な手応えで1馬身半差のリードを維持し、直線序盤で追われるとすっと伸びて、リードを2馬身半差に広げる。ラスト1Fで外からディヴィーナにじわじわ詰められたが1馬身半差で完封した。

 前記の中京記念はなかなかの好指数での逃げ切り勝ち。当時の指数で走れればここも完封できる。もともと7走前の2勝クラスでは今回で1番人気に支持されている(4)トゥードジボンに2馬身差をつけ、オープン通用級の指数を記録している。6走前の3勝クラス・武庫川Sでもオープン級の指数で勝利しているように、すんなり前に行けると強い。

 スタミナが不足する休養明けの前走・マイルCSは、13番枠から押しながらハナを主張していったが、外からバスラットレオンがハナを取り切って2番手の外。3角手前で同馬がペースを落としたところで、競り掛けて行ってオーバーペースとなり、差し馬が台頭する展開。共倒れの結果となったが、すんなり前に行ければ巻き返す可能性は十分ある。

 今回は前走のキャピタルSを逃げ切り勝ちした(15)ドーブネが外枠。内に昨春のマイラーズCを逃げて4着に粘ったテンの速い(6)シャイニーロックがいるが、本馬はその後の行きっぷりが悪く、今回は休養明け。その他にもトゥードジボンなど、逃げたい馬や前に行きたい馬はいるのだが、それらはテンがそこまで速くないので、意外とスムーズに前に行ける可能性が高い。ハナへ行き切ってしまえば、ペースがある程度、速くなっても問題ない馬だけに、本命馬とした。
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本日3番 京都10R 万葉S 芝3000m
 ◎ (13)ウインルーティン
 ○ (12)ボスジラ
 ▲ (4)メイショウブレゲ
 注 (8)プリュムドール
 △ (1)ビジン
 △ (2)メロディーレーン
 △ (6)アップデート
 △ (11)セファーラジエル
結論 馬連13-12,4,8,1,2,6,11 (10:10:10:5:5:5:5) 複勝13 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にプリュムドール(-19.3pt)、ディナースタ(-17.0pt)、メイショウブレゲ(-16.7pt)、ウインルーティン(-13.7pt)、ジャンカズマ(-13.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (13)ウインルーティン
 
 前々走では芝2600mの1勝クラスでは7番枠から好スタートを切って好位の外を追走。スタンド前ですっと2番手に押し上げたが、1~2角で外から2頭が上がってきたので、それらを行かせて好位の直後の中目を追走。スムーズに折り合ってしっかり脚を溜め、最後の直線で外に出されるとしっかり伸びる。ラスト1Fで外からコパノサントスが迫ってマッチレースとなったが、それをハナ差で勝利した。

 前々走では3着馬に5馬身差をつけており、ハナ差2着のコパノサントスは次走で1勝クラスをなかなかの好指数で勝利している。本馬は中距離では出遅れて後方から競馬をしていた馬だったが、長距離では好位が取れるようになり、能力を発揮してきた。

 前走では3番枠からまずまずのスタートを切って、じわっと先行。2列目の内から1~2角で2番手に上がって、逃げ馬からやや離れた位置を追走。3~4角で逃げ馬の直後まで差を詰めて、直線序盤でスパート。いったん外のミタマに前に出られたが、ゴール前でしぶとく差し返してクビ差で勝利した。

 前走ではさらに前目のポジションから、ファイトバックして勝利したようにスタミナは豊富。ここはオープン馬たちの勢いがあまりなく、後方からレースをしている馬が多い。よって、前で立ち回れてハンデが52kgと軽いことはアドバンテージとなりそう。勢いを評価して本命馬とした。
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本日4番 中山12R 2勝クラス ダ1800m
 ◎ (1)セラフィナイト
 ○ (13)タケルペガサス
 ▲ (5)リチャ
 注 (12)タマモロック
 △ (4)リバーサルバレット
 △ (2)アレクサ
 △ (3)アイアムイチリュウ
 △ (6)フリーフロー
結論 馬連1-13,5,12,4,2,3,6 (14:12:10:5:3:3:3) 複勝1 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にタケルペガサス(-18.0pt)、リバーサルバレット、リチャ(ともに-15.3pt)、セラフィナイト、アレクサ、アイアムイチリュウ(ともに-14.0pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (1)セラフィナイト

 デビューからしばらく芝を使われていたが、初ダートとなった前々走で3着と好走。前々走は初ダート馬らしく、一完歩がひと息で出遅れ。そのまま中団の最内を立ち回り、ラスト2Fでは前が壁。そこから中目に出して進路を確保すると、しぶとく脚を伸ばして前伊迫った。前走は勝ち馬オレデイイノカとは2馬身半差だったが、砂を被っても怯んでなかったことは収穫で、ダート適性が高い。

 前走は距離が短く、テンに置かれて追走が忙しかったが、5着としっかり走れた。もともと芝ではマイル以上、中距離を主体に使われてきた馬。距離ベストの1800mで上昇が期待できる。

2024年 川崎マイラーズの予想

■鬼の居ぬ間の賞金加算を狙う馬に期待

 2024年の南関東重賞路線が開幕。昨年までは距離2100mの報知オールスターCが年初の重賞レースだったが、今年からは川崎マイラーズからスタートする。今回はエースのスマイルウィこそ不在だが、マイル路線の上位馬が揃っており、波乱が見込めるレースとなった。

 今回は昨年1月の大師OP、2月の多摩川OPを勝って、川崎1600mでは2戦2勝のギャルダルが1番人気に支持されているが、同馬はデュードヴァンを前記2レースで下してはいるが、スマイルウィとは戦ったことがない。ここはスマイルウィの存在によって泣かされてきた馬の巻き返しを期待したい。

川崎11R 川崎マイラーズ ダ1600m
 ◎ (10)アイウォール
 ○ (1)デュードヴァン
 ▲ (6)アランバローズ
 注 (2)フォーヴィスム
 △ (3)ギャルダル
 △ (5)アマネラクーン
 △ (14)カジノフォンテン
 △ (7)ディアセオリー
 △ (11)エアアルマス
結論 馬複10-1,6,2,3,5,14,7,11 (8:8:8:6:6:6:4:4) 複勝10 (50)

■有力馬とその評価

◎ (10)アイウォール

 3走前に川崎マイラーズを逃げ切り勝ちした馬。同レースでは3番枠から好スタートを切って、そこから押してハナを主張。外から(6)アランバローズがハナを主張して来たので、そこからペースを引き上げ、向正面でも食らいつく同馬を振り落とし、約2馬身差のリードで最後の直線へ。いったんは約3馬身まで差を広げたが、ラスト1Fで14秒2と鈍化したところで、スワーヴアラミスらに2馬身半差まで迫られたが、踏ん張って完勝した。

 前々走は前半4F49秒8-後半4F52秒6の厳しい流れ。その流れを自身で持ち込んで、(1)デュードヴァンを3着に下したことは評価できる。前々走のマイルGPでは6着に敗れたが、南関東のエース、スマイルウィに2番手外からプレッシャーをかけていく競馬での失速なので仕方ない。

 また前走のビオラ賞は距離1400mと短く、序盤から追っつけて行って4着に失速。しかし、無理に行かせたことで、今回はテンの速力が強化されるはず。ここも同型馬アランバローズや(14)カジノフォンテンが出走しているが、2番手でも好走実績があるし、3番手でも悪くない馬なので、ここは期待したい。

○ (1)デュードヴァン

 一昨年夏ののJRAオープン・阿蘇S(ダ1700m)を逃げ切り勝ちした実績馬。南関東移籍後の川崎1600mのオープンで連続2着に善戦し、4走前の川崎マイラーズや前々走のマイルGPでも3着に好走している。

 ◎(10)アイウォールとの対決になった4走前の川崎マイラーズCでは、1番枠からまずまずのスタートを切って、いったんアイウォールの直後まで出し、そこから位置を下げて中団最内を追走。3角手前で外に誘導し、仕掛けて3列目の外で最後の直線へ。そこからしぶとく伸び続けて前の2頭をかわしたが、最後に外からスワーヴアラミスに差されてクビ差の3着に敗れた。

 また前々走のマイルGPでは、大外8番枠から五分のスタートを切って、中団を追走。3角の一気のペースアップで後方2番手まで下がって最後の直線で外へ。そこからもう一度伸びて前に迫り、勝ち馬スマイルウィと3馬身差に善戦した。前々走は前有利な流れだったが、スマイルウィ、アイウォール、(6)アランバローズらが競って行く展開なら、2着はあったレース内容だった。

 本馬はあまりスピードがある馬ではないので、前半が速ければそこで置かれて、3角で速くなればそこで置かれてと、勝ちに行く競馬ができないぶん、常に善戦できている。このタイプは馬群を馬群を捌いていく競馬が苦手なので内枠よりも外枠のほうがいいが、4走前のような競馬ができればこの枠でも善戦が可能だ。

▲ (6)アランバローズ

 3年前の全日本2歳優駿で、逃げてランリョウオーに5馬身差をつけて優勝した実績馬であり、その後の東京ダービーも制した馬。古馬になってからはやや伸び悩み気味ではあるが、4走前のサンタアニタTではスマイルウィの外2番手を追走し、最後の直線で馬体を合わせてのマッチレースを演じるなど、実力はある。

 5ヵ月の休養明けとなった前々走の川崎マイラーズCは、逃げる◎(10)アイウォールを突きバテして大差の10着に大敗。休養明けで13Kg減という事象が示すように、まともな状態ではなく、心房細動だった。

 前走・マイルGPではスマイルウィや◎(10)アイウォールに競り掛けることなく、無理をさせずの2列目の外を追走。心房細動明けだったため、無理をさせていなかったが、ひと叩きされての今回はアイウォールよりも内枠を引いたことで積極的に出して、逃げることも視野に入れてくると推測される。上手く逃げられればチャンスがあるだろう。

注 (2)フォーヴィスム

 5走前のJRA3勝クラス・鎌倉Sの勝ち馬。5走前は9番枠から好スタートを切って、先行争いに加わったが、そこで下がって好位の直後を追走。道中は前2頭が飛ばして行ったため、やや離れた5番手を追走し、最後の直線でしぶとく伸び続けて、1馬身3/4差で完勝した。

 5走前はパサパサダートで前半3F34秒6-後半3F37秒5のかなりのハイペース。前に行った2頭がフォルツァエフとレイニーデイがブービーと最下位に敗れる流れを、好位から押し切ったことは評価できる。

 本馬はJRA時代に時計の掛かるハイペースで指数が高かったことから南関東へ行くのは悪くないと見ていたが、前走の神奈川記念でも2番枠からかなり押して2列目の最内で追走し、3角2番手から先頭に立ったヴィブラフォンを追いかけて4着と、悪くない走りを見せた。今回は相手が楽になり、斤量馬も他馬と比較して2Kgも軽くなるだけに要注意だ。

△ (3)ギャルダル

 昨年1月の大師OP、2月の多摩川OPを勝って、川崎1600mでは2戦2勝。昨年3月のフジノウェーブ記念では、初重賞制覇を達成した。3走前の多摩川OPでは2着○(1)デュードヴァンに1馬身半差で勝利しているが、同レースはキャッスルトップが大逃げを打って、前半4F49秒7-52秒9の速い流れ。外一気に差し切った本馬よりも、3番手から4角で先頭に立ち、しぶとく粘ったデュードヴァンのほうが強い内容だった。

 前々走のフジノウェーブ記念では12番枠から好スタートを切って好位の中目を追走。3~4角では外から2列目まで上がって直線へ。そこからしぶとく伸び続けて、残り100mで逃げ粘るギシギシを捉え、内を突いて上がったアヴァンティストを差し切ってアタマ差で勝利した。

 アヴァンティストは昨年1月の中京ダ1400m戦、すばるSでテイエムサウスダンの2着を始め、中央のオープンで活躍していた実績馬だが、南関東に移籍してからは、まだオープンも勝ってはおらず、そこまで強烈な馬ではない。

 長期休養明けの前走・ビオラ賞は、7番枠から五分のスタートを切って、好位馬群の中目を追走。頭を持ち上げる場面があるほど掛かっていたが、3角で2列目の最内に入れて、3~4角で我慢させる。特選では前が4頭が横並びの壁となり、仕掛けを待たされたが、ラスト1F手前で前の狭い間を割って抜け出し、外から上がったボンディマンシュとのマッチレースを半馬身差で完勝した。

 前走は3着馬に4馬身差をつけているように強い内容だったが、長期休養明けで能力を引き出されてしまっただけに、今回での二走ボケの危険性もある。この一戦は取りこぼしても不思議ないので評価を下げた。

△ (5)アマネラクーン

 前々走のプラチナC2着馬。同レースでは2番枠から好スタートを切って、好位の内4番手を追走。向正面で前3頭がペース引き上げ、そこで差を広げられたが、3~4角で前との差をやや詰めて4角出口で前3頭の外へ。そとからしぶとく伸びて、残り100mで抜け出したサヨノグローリーに迫り、アタマ差2着と好走した。

 アマネラクーンは次走のゴールドCでも3着に善戦。ここではジョーパイロライトがスマイルウィのハナを叩いて先頭に立ったところで、折り合いを欠いた(12)ジャスティンが競り掛けて、前半3F35秒8-後半3F39秒4の超絶ハイペース。中団やや後方の最内で脚をため、3~4角で仕掛けて外に誘導した本馬は展開に恵まれる形となったが、2着ブラックパンサーよりは先に動いて、勝ち馬スマイルウィと0.3秒差に善戦している。今回は初めての1600m戦になるが、ひと叩きされての前進に期待する。

△ (14)カジノフォンテン

 2021年はJpnⅠ・川崎記念を逃げ切り、同年のかしわ記念でも優勝した馬。そのかしわ記念では6番枠から好スタートを切って、内の逃げ馬に行かせ、その外3番手を追走。向正面でじわじわ位置を上げ、4角先頭から踏ん張り、ソリストサンダーの強襲をアタマ差しのいで優勝した。

 本馬はその後にスランプになったが、一昨年は強豪相手の川崎記念で5着、一昨秋の勝島王冠でも3着、そして3走前の大井記念では2着に好走するなど、ある程度は復調している。というよりは、かつてと比べるとテンのスピードに衰えを見せているが、現状の能力は出し切れる状態になっているはず。

 休養明けの前走・勝島王冠はオーバーペースの逃げ。馬場の内側が伸びない状態だったが、外からライトウォーリアに蓋をされて外には出せず、結果、最下位の15着に大敗した。通常ならさすがにもっと走れるはるなので、ここは巻き返しを警戒しておきたい。

△ (7)ディアセオリー

 2023年11月のJRAオープン、霜月S(ダ1400m)で3着に善戦すると、その次走の師走S(ダ1800m)でも3着と好走した馬。師走Sは3番枠から好スタートを切って、かなり押していったんハナから、外からハナを主張する各馬に行かせて位置を下げ、中団の最内を追走。3~4角で内から外目に誘導して、直線序盤では好位の外。そこからしぶとく伸び続けたが、外から一気に来られて、勝ち馬キタノヴジョンと2馬身半差だった。

 昨年は一度も3着以内はないが、3走前の大沼Sでは3番手から向正面で内から逃げ馬ペプチドナイルに並びかけて行く競馬で5着に善戦している。休養明けの前々走の太秦Sでも致命的には崩れていないので、相手弱化のここは警戒しておきたい。

△ (11)エアアルマス

 2020年の東海Sの優勝馬。同レースでは7番枠からまずまずのスタート切って、押してハナを意識したが、他が速いのでそれらに行かせて好位の外を追走。3~4角ではインティが絡んで来たので、先頭列に並びかけて直線へ。早仕掛けではあったが、そこから押し切って半馬身差で勝利した。

 本馬はキックバックが苦手で、包まれると終わる馬。またさすがに東海S優勝時ほどの勢いはないが、それでも前々走の東京スプリントでは5番枠からテンに置かれてそのまま位置を上げ、外を狙う形で5着に善戦している。もともとの実績を考えれば距離が長くなるのは悪くないし、気性面から外枠も好ましい。人気もそれほどないので、警戒しておきたい一頭だ。

2023年 東京2歳優駿牝馬の予想

■エーデルワイス賞経由馬が優勢のレースも…

 過去10年で門別デビュー馬が6勝、2着7回。一昨年の覇者スピーディーキックや昨年の覇者メイドイットマムのように、東京2歳優駿牝馬はエーデルワイス賞経由馬が優勢のレースとなっている。

 しかし、今年のエーデルワイス賞はJRA勢が手薄で、フローラCの8着馬スティールマジックが1番人気に支持され、2着と好走したように、例年と比較をすると低レベルだった。今年は別路線組を中心に狙ってみたい。

大井10R 東京2歳優駿牝馬 ダ1600m
 ◎ (7)ミスカッレーラ
 ○ (5)アメリアハート
 ▲ (2)コモリリーガル
 △ (8)スピニングガール
 △ (13)モノノフブラック
 △ (1)シトラルテミニ
 △ (12)ミライヘノメグミ
結論 馬連7-5,2,8,13,1,12 (14:10:10:10:4:2) 複勝7 (50)

■有力馬とその評価

◎ (7)ミスカッレーラ

 3戦3勝。前走のローレル賞では7番枠から出遅れたが、そこから促して逃げ馬テルオールの外2番手を取って、向正面から同馬にプレッシャーをかけていく形。3~4角で並びかけ、直線序盤で抜け出して先頭。そこからもうひと伸びして3/4差で勝利した。ラスト2Fは13秒7-13秒3。外から迫る(5)アメリアハートを寄せ付けず、3着(8)スピニングガールに8馬身差を付けての完勝だった。

 門別デビューで門別の2歳牝馬重賞路線を使われ、キャリアが9戦と豊富な(5)アメリアハートに対して、本馬は3戦とキャリアが浅い。まだ伸びしろが見込めるだけに、本命馬とした。

○ (5)アメリアハート

 6走前のオープンでは、好位追走からスティールマジック(エーデルワイス賞の2着馬)にクビ差2着に迫った実績がある馬。その後、ホッカイドウ競馬の牝馬重賞路線を経由し、前走のローレル賞の2着と好走した。

 前走は2番枠から好スタートを切って好位の最内を追走。3~4角で中目に誘導し、4角で先頭列に並びかけて直線へ。早めに抜け出した◎(7)ミスカッレーラを追い駆けて2番手に上がったが、同馬との差は詰めることができず、3/4差で敗れた。

 しかし、ミスカッレーラがラスト1Fでもうひと伸びした中で、食らいついた内容は立派なもの。ただし、キャリアが豊富なので、大きな上昇は見込めない。よって、対抗評価に止めた。

▲ (2)コモリリーガル

 2歳グランダムジャパン狙いの馬。本馬は現在1位の(1)シトラルテミニと3pt差の2位で、前々走の園田プリンセスCでは同馬に先着しているのだから、現時点で優勝圏内だ。現時点で3位の(15)モズミギカタアガリに勝たれる可能性もゼロではないが、シトラルテミニはその後のラブミーチャン記念で、モズミギカタアガリが前々走のブロッサムCで敗れたヴィヴィアンエイトに0.4秒差まで迫っているのだから実に際どい。

 前走の岩手のプリンセスCでは14番枠から好スタートを切って、好位の外目を追走。3~4角の外から先頭列に並びかけ、ラスト1F手前で先頭。そこから後続に差を広げて2馬身差で完勝した。前走は門別勢が3頭出走し、それらが上位を独占する結果。2着サウスヴィルはフローラルCやブロッサムCで〇(5)アメリアハートやモズミギカタアガリに完敗した馬ではあるが、前記の2レースは距離が応えた面がある。本馬自身は距離を1200m→1400mに延ばして、さらなる上昇力を見せており、ここは期待できる。

△ (8)スピニングガール

 9月のゴールドジュニアの3着馬。同レースでは5番枠から好スタートを切って、積極的に出して好位を狙ったが、徐々に下がって中団のやや後ろを追走。3角中目から4角では内目。直線序盤でクルマトラサンの後ろを通して、その外から同馬に2馬身差まで迫った。そのクルマトラサンは、次走のハイセイコー記念で3着。一気の距離延長で最後に甘さを見せて3着に敗れたが、南関東の現2世代ではダテノショウグン次ぐ、2番手グループにはいる実力馬だ。

 前走のローレル賞では3着。前走は3番枠から好スタートを切って先行争いに加わって行ったが、外からザオにぶつけられて一列下がり、好位直後の最内を追走。3~4角では前の○(5)アメリアハートを追い駆けて進出し、単独2列目で直線へ。最後の直線では前2頭に離されてしまったが、スタート後の不利や2Fの距離延長だったことを考えればよく粘れている。この距離に慣れての前進に期待する。

△ (13)モノノフブラック

 前々走のエーデルワイス賞の3着馬。前々走は10番枠からまずまずのスタートを切って、序盤は好位にいたが、そこからじわっと位置を下げて、中団の外目を追走。3~4角の外から動いたスティールマジックを追い駆けて進出し、4角では4列目5番手。直線ではバテた馬をかわし、前のスティールマジックとの差をしっかり詰めてクビ差まで迫ったが、外から(15)モズミギカタアガリに一気に来られて同馬と3/4差の3着に敗れた。

 前々走はライトヴェールが好スタートを切って、二の脚の速さで楽にハナを主張したが、その後にJRA勢に追撃され、前半3F34秒5-後半3F38秒6のかなりのハイペース。結果的に10番人気の追込馬モズミギカタアガリが優勝する形となった。今回は初めての1600m戦で、前走から2Fの距離延長となる不安はあるが、エーデルワイス賞組は展開に恵まれたモズミギカタアガリよりも本馬に分があると見る。

△ (1)シトラルテミニ

 3走前の園田プリンセスCでは▲コモリリーガルの2着に敗れたが、前々走の金沢シンデレラCでは、3着馬に大差を付けて勝利した馬。前々走では3番枠から五分のスタートを切って、押して先行策。外から前を主張する馬を行かせてその外に誘導。そこから徐々にポジションを押し上げて3角では2列目。4角では先頭に立ち、2馬身差のリードで直線へ。3~4角では本馬を追い駆けて道営馬バラライカが上がってきたが、ほぼ差を詰めさせることなく、2馬身差で完勝した。

 前走のラブミーチャン記念ではブロッサムカップCで(15)モズミギカタアガリを撃破したヴィヴィアンエイトに敗れたが、逃げる同馬の外2番手からプレッシャーをかけに行っての2着となかなかの内容。ここでは3着にバラライカに5馬身差を付けて2着と好走している。本馬も地力をつけてはいるが、2歳グランダムジャパンを3戦消化し、余力の面で不安があるために、評価を下げた。

△ (12)ミライヘノメグミ

 前々走のブラッサムCの5着馬。前々走は3番枠から五分のスタートを切ったが、進みが悪く、中団やや後方を追走。3~4角の外から中団まで上がったが、最後の直線では前との差を詰め切れずに5着に敗れた。一言で言うとズブい馬で、どうしてもテンに置かれて後方からの追走になってしまう面があったが、休養明けの前走・カナリア特別では積極的に出して行く競馬。結果は8着と大敗したが、前走で負荷を掛けたことで、今回はテンに置かれず、追走がスムーズになる可能性がある。警戒しておきたい。

2023年 東京シンデレラマイルの予想

■南関東のエース牝馬は秋2戦がやや不振

 牡馬トップクラスが相手のフェブラリーSで6着、かしわ記念でも6着、そして今夏の交流受賞スパーキングレディーCでは2着と好走した、南関東のエース牝馬スピーディキックが登場する。スパーキングレディーCは3~4角で中団中目から内目を何とか捌いて直線で外に誘導と、進路取りにやや苦労する場面があり、3~4角の進路取りがもう少しスムーズなら、優勝まであったか…という内容だった。

 しかし、今秋に復帰してからのレディースプレリュード、JBCクラシックの2戦が振るわない。鞍上、御神本騎手はその敗因を「距離がやや長いことにある」とコメントしているが、タフな馬場でレースが緩みなく流れたJBCラシックで、中団待機策で脚をタメながらも勝ち馬アイコンテーラーに9馬身半差も離されてしまったのは頂けない。

 今回は南関東の牝馬相手で距離が短くなるのはいいとしても、近2戦でややズブさを見せていた点は不安な材料ではある。また、今回はJpnⅠの前走を大目標にした後の一戦であり、余力面にも不安があるのでここも波乱の要素は十分。本命◎はここが目標の穴馬に託す。

大井10R 東京シンデレラマイル ダ1600m
 ◎ (2)サーフズアップ
 ○ (11)スピーディキック
 ▲ (7)ラブラブパイロ
 △ (1)セパヌイール
 △ (9)ツーシャドー
 △ (16)メイドイットマム
 △ (14)ノーブルシルエット
結論 馬複2-11,7,1,9,16,14 (20:10:6:6:6:2) 複勝2 (50)

■有力馬とその評価

◎ (2)サーフズアップ

 今春の桜花賞2着、東京プリンセス賞の勝ち馬。東京プリンセスは、9番枠から五分のスタートだったが、じわっと位置を取りに行って、3番手からの追走。3~4角で内から(16)メイドイットマムが押し上げ、それに抵抗して進出し、前2頭から約3馬身で直線へ。直線で早め先頭に立ったボヌールバローズが外に膨れ、その内から差そうとしていたが、同馬が内に戻って来たので、残り150mで進路を外に切り替える。そこからしっかり伸びて1馬身1/4差で完勝した。

 本馬は現3歳世代牝馬トップクラスの一頭。前々走の金沢スプリントCは大幅距離短縮だったこともあり、5番枠から出遅れて、進みも悪く、後方2列目の外からの追走。4角で大外を回って押し上げるロスが生じて3着に敗れた。また前走の橘賞は3番枠から五分のスタートを切ったが、1角手前で外の馬が突然、勢いよくぶつかって落馬。本馬もその煽りを受けて内ラチ側に吹っ飛んで位置が下がり、本来の能力を出し切れなかった。

 本質的にダ1400mは短いよう。しかし、今回は1600m戦。近2走ともに1400m戦を使われているので、今回はレースの流れにも乗りやすいはず。ここでの復活を期待する。

○ (11)スピーディキック

 今夏のスパーキングレディーCの2着馬。同レースでは大外9番枠から五分のスタートを切って、後方2列目の外を追走。3角手前から徐々に進出開始し、3~4角では中目から内目を何とか捌いて直線で外に誘導。進路取りにやや苦労したが、最後まで伸び続けて、ラスト1Fで先頭に立ったレディバグにアタマ差まで詰め寄った。3~4角の進路取りがもう少しスムーズなら、優勝まであったか…という内容だった。

 しかし、今秋のレディースプレリュード、JBCクラシックの2戦が振るわない。これに対して鞍上は「1800mは少し長い」とコメントしているが、前走のレディスクラシックはタフな馬場でレースが緩みなく流れ、逃げたヴァレーデラルナは12頭立ての11着、3番手を追走したノーブルシルエットは12着と大失速する展開。中団待機で脚をタメて差す競馬で、勝ち馬アイコンテーラーに9馬身半差も離されてしまったのは不安な材料だ。

 今回は南関東の牝馬相手で距離が短くなるのはいいとしても、近2戦でややズブさを見せていた点は不安な材料ではある。また、今回はJpnⅠの前走を大目標にした後の一戦であり、余力面にも不安があるので対抗馬とした。

▲ (7)ラブラブパイロ

 この秋にB1クラスを2連勝と勢いある馬。前々走のJBCレディスクラシックは11番枠から五分のスタートを切って、じわっと好位の直後まで上がって追走したが、向正面で外から被され、キックバックを食らってズルズル後退する場面。5番手から最後方12番手まで上がってしまったが、最後の直線で8着まで盛り返したように、ここでも通用する下地がある馬である。

 前走の東京シンデレラマイルTRでは3着。前走はやや前が有利な展開を、10番枠から五分のスタートを切って、序盤で内に潜り込み、後方最内を追走。前の馬とのスペースを作って最短距離を立ち回って、最後の直線では馬群を縫うように捌いたが、届かずの1馬身3/4差+アタマ差だった。

 今回は(5)フラテルニテ、(9)ツーシャドー、(10)ラムリケティ、(13)パワースレイヴと逃げ馬多数の組み合わせ。ここも前走時のようにツーシャドーがハナへ行く可能性が高いが、先行馬が手強く、ペースが速くなりそうな組み合わせ。上がりの掛かる決着になればチャンスはある。

△ (1)セパヌイール

 昨年の東京シンデレラマイルTRを勝利した馬。同レースでは2番枠から好スタートを切ったが、外の馬に行かせて、好位の最内をスペースを作って追走。3~4角でスぺースを詰めて、4角では逃げ馬の直後で包まれて仕掛けをワンテンポ待たされたが、直線で逃げ馬のひとつ外に出し、ラスト1F標手前で先に抜け出したミラバーグマンを内から追い駆けてスパートすると残り100m地点で先頭に立ち、1馬身半差で完勝した。

 昨年の東京シンデレラマイルは、ハナ争いの4頭から離れた5番手から追走し、3~4角で馬群の中目から位置を押し上げ、2列目付近で直線へ。序盤で前の2頭の外に出していったん(11)スピーディーキックの2番手に上がったが、外からトップザビルに差されて3馬身半差+1馬身差の3着を死守した。

 昨年のこのレースでは、スピーディキックが別次元だったが、休養明けでトライアルを勝利した馬がよく負けるパターンの敗戦である。一転して今年は東京シンデレラマイルTRでは、やや前有利の流れを4番枠からで出遅れて、後方から追走し、3~4角の外目から押し上げて5着と本来の能力を出し切れていない。よって、今回での前進が見込める。

 本馬は中央時代はダ1200mで3勝した馬だけに、前々走のしらさぎ賞で勝ち馬スティールルージュと0.6秒差の5着に好走しているように、1600mよりも1400mのほうが好ましい。しかし、マイルも守備範囲だ。

△ (9)ツーシャドー

 1150mの新馬戦こそ5着に敗れたが、その後は3着以内を外さず、4走前の夏木立賞は逃げて3着馬に5馬身差をつけて2着。前々走の水無月特別では2番手から向正面で早々と先頭に立つ競馬で3馬身差で完勝した。スタミナが不足する休養明けの前々走・クイーン賞TRでは、1Fの距離延長だったこともあり、最後に甘さを見せて(8)サブルドールにアタマ差先着を許したが、前走の東京シンデレラマイルTRでは完勝した。

 前走は1番枠からトップスタートを切って早々と主導権を握って、マイペースの逃げに持ち込み、最後の直線でスパートして1馬身3/4差で完勝。競ってくる馬がいなかったのが功を奏した形ではあるが、それゆえに消耗度の少ないレースになっている。今回は同型馬が多く出走しており、ハナへ行けたとしても楽な展開になりそうもないが、まだ底を見せ切っていないので警戒したい。

△ (16)メイドイットマム

 SⅠの東京2歳優駿牝馬と桜花賞を優勝し、前々走の関東オークスでも0.3秒差(4着)に善戦した馬。秋初戦のサルビアCでは、1番枠から好スタートを切って、積極的に出してハナを主張。折り合いを欠いていたが、そこを外からマテリアルガールにぴったりマークされる形。2週目の3~4角で先頭を狙う同馬に抵抗したが、直線序盤で苦しくなって失速し、離された2着に終わった。

 スタミナが不足する休養明けで、初めての逃げで目標にされる苦しい競馬だったが、マテリアルガールにかわされてからもしぶとく粘っていたのは成長の証。前走のロジータ記念でも7番枠から好スタートを切って、ここでは2番手を追走。ここでもマテリアルガールにマークされ、3角手前で同馬に並びかけられたが、それに抵抗して3角で先頭に立ち、1馬身差のリードで直線へ。そこからじわじわ差を広げて、4馬身差で完勝した。

 前走は強かったが、前々走で厳しい競馬を強いられ、能力を出し切れなかったことが前走に繋がった面がある。サルビアCで強かったマテリアルガールが、ロジータ記念で出遅れ、手応えも悪く3着に敗れているように、競走馬は好走と反動の繰り返し。ここは本馬がロジータ記念のマテリアルガールになりかねないと見て評価を下げた。

△ (14)ノーブルシルエット

 7走前の中央のオープン・総武Sの4着馬。同レースは大外16番枠から五分のスタートを切って、そこから押してハナを取りに行ったが、内のタイセイサムソンが抵抗したので、無理せずその外2番手を追走。3角で同馬に並びかけて直線。しかし、直線ではタイセイサムソンに食い下がりを見せ、差が詰まらず、最後に外から2頭に差された。しかし、着差は接戦の上位3頭と半馬身差の4着と好内容だった。

 本馬はスタミナが不足する休養明けの4走前・スパーキングレディーCでも○(11)スピーディキックやグランブリッジらと0.5着に善戦。同レースはマイペースで逃げて残り100mで4頭に差されてたものだったが、展開に恵まれればそれくらいは走れるということだ。

 3走前のレディースプレリュードは、テリオスベルに抵抗していく競馬で9着敗退。3走前のJBCレディスクラシックは出遅れを挽回し、好位の外を追走と勝ちに行く競馬。タフな馬場でレースが前半から緩みなく流れたことを考えると、明確に不利なレースだった。また前走のクイーン賞は、逃げたパライバトルマリンが早め先頭を狙うテリオスベルに抵抗したためにオーバーペースとなり、それに巻き込まれる形で9着に大敗している。今回はさすがに近3走よりも、前に行って楽な競馬ができると見て、買い目に加えた。

2023年 東京大賞典の予想

■ウシュバテソーロは日本国内での走りはそこまで突出していない

 JBCクラシックやチャンピオンズCの上位馬不在の昨年から一転、今年は前記2レースの上位馬に、ドバイワールドCを優勝したウシュバテソーロ、南関東三冠馬のミックファイアと好メンバーが集った。

 ダートでは9戦7勝のウシュバテソーロが断然1番人気に支持されているが、同馬の日本国内の走りは、昨年の川崎記念でテーオーケインズの追撃を退けて完勝した今年の川崎記念が最高指数で、そこまで突出していない。同馬はリモースとパンサラッサが競り合って、5F59秒25(日本の計測方法だとおおよそ58秒25)という、芝並みのオーバーペースで逃げたドバイワールドCを大外一気で優勝しているように、高速ダートの消耗戦が合う。

 今回はタフなダートの大井。これまでの交流重賞一連の実績から、3着以内は外さない可能性が高いが、ここは今回の条件が向く、穴馬で攻める。もしかすると本命◎が3着かもしれないが、人気もないので3着で十分だろう。

大井9R 東京大賞典 ダ2000m
 ◎ (7)グロリアムンディ
 ○ (5)ウシュバテソーロ
 ▲ (8)ミックファイア
 注 (1)キングズソード
 △ (2)ノットゥルノ
 △ (3)テンカハル
 △ (6)ドゥラエレーデ
結論 馬複7-5,8,1,2,3,6 (20:12:6:4:4:4) 複勝7 (50)

■有力馬とその評価

◎ (7)グロリアムンディ

 芝では1勝クラスで頭打ちだったが、ダートに路線転向すると急上昇。1勝クラス勝ちから一気に重賞のアンタレスSで2着するまで上昇した。しかし、秋緒戦の昨年のチャンピオンズCでは12着大敗。そして1分51秒5(前半4F50秒3-後半4F48秒9)と昨年のチャンピオンズCよりも速いタイムで、速い上がりが求められた前々走のコリアCでは、最後の直線で置かれるように勝ち馬クラウンプライドに大きく離されてしまったように、本質的にダ1800mは短く、前走のチャンピオンズCでも13着に大敗している。

 本馬の持ち味はタフな馬場、タフな展開で他馬が消耗する中、しぶとく脚を使ってくることが魅力で、昨年のダイオライト記念では自己最高指数を記録している。同レースでは1番枠から五分のスタートを切り、軽く促されて好位の内目を追走。そこからじわっと位置を下げて、道中は中団中目。2周目の向正面で徐々にペースが上がって行く中で、わりと楽な手応えで内から3角へ。そこでやや詰まったが、ワンテンポ待って砂の深い最内から押し上げて4角ではもう先頭、2馬身差でのリードで直線へ。そこから一気に後続を引き離して5馬身。ラスト1Fでさらにぶっちぎって9馬身差で圧勝している。

 今秋2戦はダ1800mを使われていたが、今回はタフな馬場の大井ダ2000mに変わる。シンプルに時計の掛かる馬場は好ましく、2分05秒前後の決着が予想されるここは一発を狙う。

○ (5)ウシュバテソーロ

 ダートに路線転向して9戦7勝、3走前の東京大賞典で初重賞制覇を達成すると、その次走の川崎記念も強豪テーオーケインズの追撃を退けて完勝。遂にはダート開催では日本馬初のドバイワールドC優勝も成し遂げた。

 本馬は初ダートの3勝クラス・横浜S(2100m)時に、超絶高速ダートではあったが、上がり3Fタイム「34秒0」の芝並みの数字を記録したことから、世界で通用するヤバさを感じさせたが、それがアッサリと通用するとは思っていなかったのが本音である。

 前記のドバイワールドCは、前半5F59秒25(日本の計測方法だとおおよそ58秒25)という、芝並みのオーバーペースになったことで前が崩れたもの。14番枠から五分のスタートを切りながらもテンに置かれ、後方外々から押し上げた本馬は展開に恵まれての大外一気だったが、2馬身3/4差での完勝だった。

 前走のBCクラシックは相手も強く、休養明けの前々走日本テレビ盃で好走したことが祟って末脚が不発したが、ここはさすがに通用するだろう。ただし、タフなダートはベストではないうえに、断然の1番人気なので対抗馬とした。

▲ (8)ミックファイア

 6戦6勝、無敗の南関東三冠馬。前々走のジャパンダートダービーは、6番枠から好スタートを切って、そこから押して行ったが、外のミトノオーのほうがテンが速く、同馬を先に行かせて、その外を取りに行ったが、取れずに好位の外を追走。ミトノオーが淡々とペースを引き上げていく中、3角の外から位置を押し上げて、3番手で直線へ。ミトノオーとは6馬身くらい差があったが、ラスト1Fで同馬が失速したところをしぶとく差し切って2馬身半差で完勝した。

 今年のジャパンダートは、3着馬ミトノオーがその後の浦和記念でも2着に好走しているように、ノットゥルノが優勝した昨年と比べてもハイレベルだった。そのハイレベルで消耗度の高い一戦で結果を出した後の前走ダービーグランプリは、大外7番枠から逃げる競馬。4角ではマンダリンヒーローの前に出られる危うい場面があったが、何とか凌いで1馬身半差で勝利した。

 前走はジャパンダートダービー好走後で、楽をした影響もあったのだろう。本来の走りではなかったが、一度、レースを使ったことで調整は楽になるはず。本馬はここが目標。ただし、これまでの実績が高速ダートの大井と盛岡で、タフなダートを一度も経験していないことは、間違いなく不安な材料ではある。しかし、前走チャンピオンズCの上位馬は、ここは3着、4着くらいで終わることが多いので、3番手評価とした。

注 (1)キングズソード

 休養明けの前走、JBCクラシックで初重賞制覇を達成した馬。前走は9番枠から五分のスタートだったが、楽な手応えで先行策。道中は3列目の外を追走し、3~4角のペースダウンで外から押し上げて、4角で仕掛けながら3番手で直線へ。そこからしぶとく脚を伸ばして残り300m標地点で先頭に立つと、後続にどんどん差を広げて4馬身差で完勝した。

 前走はタフな馬場で前半5F61秒5-後半5F63秒6のかなりのハイペース。それでありながら外枠から楽にポジションを取って、末脚も他馬に対して削がれなかったことは大きな収穫。後半型の馬が先行すると崩れるのが常だが、崩れるどころか自己最高指数で優勝した点は褒められる。

 前走内容は今後の見通しが明るくなる勝ち方であり、タフな馬場の大井ダ2000mはベスト条件とも言えるが、休養明けでこれまでにない走りをしてしまうと反動が出る危険性が伴う。今回は評価を下げてこそ、馬券妙味がある。

△ (2)ノットゥルノ

 昨年のジャパンダートダービーの覇者であり、東京大賞典の2着。前々走のJBCクラシックでも2着とこの舞台をやたら得意としている馬だ。前々走のJBCクラシックは、2番枠から好スタート。外のテーオーケインズのほうがテンが速かったが、じわっとハナを主張。道中も淡々としたペースを刻み、3~4角で息を入れて直線へ。残り300m標地点で注(1)キングズソードにかわされてからもしぶとく粘り、2着を死守した。

 前走はタフな馬場でこそ前に行ってペースを引き上げ、バテ比べの形を好む、森流の逃げだった。しかし、最後の直線では注(1)キングズソードに交わされてからもしぶとく食らいついたように、同じ大井ダ2000mでもタフな馬場でより長所が引き出されて、自己最高指数を記録した。

 前走のチャンピオンズCはその反動もあって出遅れ。前に行って持久力を生かすことができなかったが、今回はハナを主張できる組み合わせ。相手は前々走時よりも強豪揃いだが、上手く逃げられればチャンスはある。

△ (3)テンカハル

 デビューからしばらく芝の中距離路線を使われていた馬だが、今年2月に復帰し、初ダートの金蹄Sに出走すると、2着に好走。同レースでは後方馬群の先頭を追走。3~4角から進出し、4角でかなり外を回って大外から直線へ。内のダノンラスターとの追い比べになったが、クビ差で敗れた。しかし、3着馬に7馬身差をつけており、ここではダートグレードでも通用する指数を記録している。

 本馬は前有利の馬場&展開だった4走前のスレイプニルSでは勝ち馬にダノンラスターに離された6着に敗れているが、平均ペースで流れた前々走のブラジルCでは再び同馬を2着に下しており、平均ペース以上ではほぼ崩れていない。

 ただ本馬はテンが速くないので、浦和記念ではそこが弱点となる可能性を感じていたが、案の定と言うべきか、前半5F63秒0の前が有利な流れを出遅れたこともあり、勝ち馬ディクテオンに離される形での3着となった。4走前に近い負け方である。今回はタフな馬場。前がペースを引き上げて上がりの掛かる展開になればチャンスはあるが、そこまでペースが上がるかどうかが課題だ。

△ (6)ドゥラエレーデ

 UAEダービー以来のダート戦となった前走のチャンピオンズCで3着と好走した馬。前走は5番枠から五分のスタートだが、しっかりと促されての先行策。外のレモンポップが内に切って来たので外に誘導して、同馬の外2番手を確保する。道中もレモンポップをマークして追走。3~4角で軽く仕掛けて同馬と半馬身差で直線へ。序盤で追われたが、レモンポップに差を広げられ、内から迫るテーオーケインズは退けたが、外の(9)ウィルソンテソーロに差されて同馬とクビ差の3着となった。

 前走はやや速い流れだったが、そこでスムーズに流れに乗れたことは大きく、末脚に特化させたウィルソンテソーロよりも強いレースをしている。本馬も休養明けの前走で自己最高指数を記録した後の一戦だけに不安はあるが、ダートのキャリア3戦にしてトップクラスと互角以上に戦えたことはこの先の見通しが明るいもの。ダート2戦目野UAEダービーで、後にBCクラシック2着と好走したデルマソトガケの2着に入線した素質の高さに期待してみたい。

2023年 ホープフルS+メインR以降の予想

■前走1着馬が有力だが、厳しい流れで結果を出した馬は成長を欠く傾向あり

 先週の朝日杯FSは無敗馬が3着以内を独占したように、2歳戦、特に重賞は前走好走馬や無敗馬が有力。前走で致命的な不利もなく敗れた馬は、順当に成長を遂げられないことが多く、ここで通用していないことがポイントだ。近走で凡退が続いて成長力にやや疑問符がつく成績の馬は苦戦の傾向がある。

 ホープフルSはラジオNIKKEI杯2歳Sを引き継ぐ形で9年前より「GⅡ」に昇格し、7年前には「GⅠ」に昇格。実際に過去9年の3着以内馬27頭中、前走1着が23頭、無敗馬が16頭という成績だ。しかし、同じ前走1着馬や無敗馬でも、前走で厳しい流れで結果を出したり、強い相手と戦って結果を出している馬は、上昇力を欠いてここでは苦戦している。

 昨年のホープフルSで1番人気に支持されたミッキーカプチーノもその典型で、前走の張牡丹賞では緩みない流れを差す、展開に恵まれた勝利だったため、ここでは5着に敗れている。一方、優勝したドゥラエレーデは、過去9年で前走着順が最も悪い4着だったが、同馬は前走の東京2歳Sでシルトホルンと競り合って緩みないペースを作る厳しい競馬で敗退したもの。

 また2着のトップナイフも、前走の京都2歳Sではグリューネグリーンにクビ差の2着だったが、同レースでは好位直後の内目を追走していたものの、4角出口で本馬が押し上げようとしたところで、内のビキニボーイが雑な騎乗で接触し、外に弾かれ、中団まで下がる致命的な不利があったものだ。

 このように前走好走馬、特に無敗馬は有力ではあるが、それらを狙う場合は前走で余力を残して勝利していることが条件。前走で展開に恵まれて勝利した馬は、ミッキーカプチーノのようにここで上昇力を欠く場合が多々ある。また前走で敗れた馬は、展開に恵まれなかったり、致命的な不利があった馬を狙うことがポイントとなる。

本日1番 中山11R ホープフルS 芝2000m
 ◎ (13)レガレイラ
 ○ (10)シリウスコルト
 ▲ (15)ウインマクシマム
 注 (6)シンエンペラー
 △ (3)アンモシエラ
 △ (9)タリフライン
 △ (18)ミスタージーティー
結論 馬連13-10,15,6,9,18 (10:10:9:7:7:7) 複勝13 (50)

■有力馬とその評価

◎ (13)レガレイラ

 函館芝1800mの新馬戦では6番枠から出遅れたが、そこから挽回して中団の外を追走。3~4角では好位の外から位置を押し上げるカルパをマークし、4角でその外に出されると、直線ではすっと伸びて2番手に上がり、ラスト1Fで先頭のセットアップを捉えて1馬身半差で完勝した。ラスト2Fは11秒4-11秒5。母ロカのようなド派手な数字ではないが、函館芝の中距離ということを考えればなかなか優秀なものだ。

 前走のアイビーSは3番枠からやや出遅れ、そこから促されて3番手を追走。道中で内からレディントンが上がったが、特に動かず3列目の外で3角へ。3~4角でも前のダノンエアズロックをマークし、直線でも同馬を追い駆けたが、ラスト2Fでやや外にもたれて同馬に1馬身半差ほど離されてしまう。しかし、ラスト1Fではその差をやや挽回し、ダノンエアズロックから3/4+クビ差の3着となった。

 前走のラスト2Fは10秒9-11秒0。ラスト2Fで若さを見せてダノンエアズロックに離されながらも、ラスト1Fではその差を詰めている。またこのレースは4着馬に4馬身差を付けているように、ハイレベルな一戦。ダノンエアズロックはクラシック候補、ホウオウプロサンゲは逃げるととてもしぶといことを証明したレースだった。

 (1)ゴンバデカーブースは前走のサウジアラビアRCで強豪を撃破しているが、序盤で前のエコロマーズが下がってきたところに巻き込まれて、思い切って最後方まで位置を下げて、脚をタメたことで展開に恵まれたもの。今回は上昇力に疑問符があるので、前走で本来の能力を出し切れなかった本馬を本命馬としたい。

 本馬は超絶スローペースの前走でズムーズに折り合いが付いていたことから高速馬場よりも時計が掛かる馬場でこそのタイプ。もう少し時計が掛かる中山は芝がベストだが、エンジンが掛かってからが強いタイプなので距離延長は好ましい。

○ (10)シリウスコルト

 今回と同舞台の芙蓉Sの勝ち馬。前走の芙蓉Sでは5番枠から五分のスタートだったが、それまで短い距離を使われてきたので、前進気勢が良く、序盤は馬なりで好位の中目にいたが、そこからコントロールして外の各馬を行かせ、中団の内を取る。しかし、2角でやや折り合いを欠いて、向正面ではそのまま先頭に立つくらいの勢いだったが、何とか前の馬の後ろに入れて折り合い、3~4角も外を回りながら絶好の手応えで4角では先頭列に並びかけ、直線序盤ですっと伸びて半馬身差で先頭。ラスト1Fでさらに差を広げて2馬身差で完勝した。

 前走は距離が長くなることでスタミナ面に不安があったが、外を回りながら長く脚を使って早め先頭で勝利とは驚かされた。潜在的なスタミナが豊富な馬なのだろう。本馬は芝1200mでデビューしているが不適距離で勝利し、新潟2歳Sも距離不足だったということになる。そうなるとまだまだ伸びしろはある。地味なタイプだが、前走で記録した指数はオープンとしては悪くなく、能力は確か。今回は休養明けで目標はこの先だが、今回の条件はベストで対抗馬とした。

▲ (15)ウインマクシマム

 8月札幌の新馬戦では2着だったが、それ以来の一戦となった前々走では成長力を見せた馬。前々走は6番枠からやや出遅れたが、そこから時間をかけて2番手まで挽回。道中は逃げ馬の後ろの2番手で進めて、3角では逃げ馬とは3馬身差。3~4角で逃げ馬がペースダウンしたが、そこでは差を詰めず、直線序盤で外に出して後続の仕掛けを待つ形。ラスト2Fでも後続の仕掛けを待ち、そこで外から一気にトラジェクトワールに差を詰められて半馬身差のリードを奪われる。そこから追い出されてマッチレースとなったが、トラジェクトワールにアタマ差前に出られてゴールした。

 前々走のラスト2Fは11秒4-11秒2。本馬はラスト1Fでもしっかり加速しており、ラスト2Fまで後続の仕掛けを待たなければ、勝っていたレースだった。またここでは3着馬に3馬身、4着馬に8馬身差をつけており、未勝利戦としては好指数を記録している。

 前走は2番枠からまずまずのスタートを切って、押して積極的に位置を取りにいった。外の馬にハナを譲ろうとしていたが、外の馬もハナに行きたがらず、枠の並びとスピードの違いから逃げる競馬となった。道中はマイペースの逃げ。3~4角では楽な手応えで後続の仕掛けを待ち、4角で2列目勢が仕掛けてくるのを待って1馬身差のリードで直線へ。序盤で追い出されるとすっと伸びて1馬身3/4差。ラスト1Fでは外からサトノエピックが伸びてきたが、それを振り切って1馬身1/4差で完勝した。

 前走は前々走比でやや指数ダウンしたが、自らレースを作って勝利することはとても難しいこと。それは評価を下げる材料にはならない。むしろ苦しい競馬をしながら、苦しく感じさせない勝利を決めたことに数字以上の潜在能力の高さを感じる。本馬もスタミナが豊富。今回もわりと楽に逃げられる可能性が高いメンバーなので3番手評価とした。

注 (6)シンエンペラー

 11月の東京芝1800mの新馬戦の勝ち馬。同レースでは4番枠から抜群のスタートを切って、1馬身くらい前に出たが、外からハナを主張する馬に行かせて、2列目の最内を追走。道中で前にやや離されて、3列目くらいまで下がったが、促されると3~4角で前との差を詰めて直線で逃げ馬の外へ誘導。狭い間を割って、あっさり抜け出し、そのまま減速することなく3馬身差で押し切った。

 ラスト2Fは11秒1-11秒0。JRAのタイムの計測方法が変わったようで、今秋以降はラスト1Fが以前よりも0.3秒は速い数字が出続けている。よってこれひとつで同ラスト2Fの昨秋のソールオリエンスが勝利した新馬戦時のように、最強クラスの扱いはできない。しかし、素質が高くなければ出せない数字であるのも確かだ。

 前走の京都2歳Sは5番枠からやや出遅れ。促されても進みが悪く、後方からの追走となった。道中は後方の内目を追走し、3角手前で中目のスペースを拾いながら押し上げ、3~4角で狭いところを通って中団辺りの位置で直線へ。直線序盤で馬群を捌いて3列目まで上がり、ラスト1Fで前が失速しかかったところを捌いてしぶとく抜け出し、半馬身で完勝した。

 鞍上のJ.モレイラ騎手は、今秋の競馬で前が詰まってスムーズさを欠く競馬が目立っているが、ここも直線で外に出さずに中目を割ることを選択。それが吉と出て、しっかりゴール前で差し切った。前走は2着以下との差は僅かで、指数は重賞としては平凡。逃げ馬がハイペースでぶっ飛ばしたことで展開にもやや恵まれた感がある。前走でやや展開に恵まれたために評価を下げたが、素質が高い馬であることは確かだ。

△ (3)アンモシエラ

 ダ1800m戦で2連勝中の馬。前々走では5番枠から五分のスタートを切って好位の外を追走。3~4角では内の2頭と並走状態で回り、直線序盤ですっと先頭に立つと、そこからどんどん後続を引き離して7馬身差で圧勝した。

 前走のもちの木賞では、6番枠からまずまずのスタートだったが、軽く促されると二の脚が速く、ハナに立つかの勢いで逃げ馬の外2番手を追走。逃げ馬にプレッシャーをかけていく形で、4角で競り落として先頭。ラスト1F手前で抜け出したところを、大外から2着馬に一気に来られたが、それをアタマ差で振り切って勝利した。

 前走は本馬がプレッシャーをかけた逃げ馬が大差の再下位に敗れたように、差し馬台頭の流れ。それを2番手から早め先頭の競馬で押し切ったことは評価できる。

 また本馬はキックバックが苦手で揉まれ弱い馬だが、チークピーシーズを着用して揉まれない位置でレースを進めると、たちまちオープン入りを果たした。初芝でGⅠとなると楽な条件ではないが、芝でもやれそうな走法。人気薄のここは一考の価値がある。

△ (9)タリフライン

 1戦1勝馬。前走の東京芝1800mの新馬戦は、4番枠から出遅れて行き脚がつかず、後方馬群の外目を追走。3~4角でも外目を回り、直線でしっかり外に出してラスト2Fでスパート。前の馬たちも速い脚で粘っていたため、なかなか前に出ることができなかったが、ラスト1Fでグンと伸びて前を一気にかわし、1馬身差でゴールした。

 ラスト2Fは11秒3-11秒0と驚きの数字が出た。レース映像ではそこまで一気に加速している印象はなかったが、やはりラスト1F11秒0は素晴らしい。以前はラスト1Fでこのような数字を出す馬は稀だったが、今秋以降はラスト1Fで0.3秒補正している。

 ラスト1F11秒0の数字が決定打になりにくくなっているが、本馬は余裕を持ってこの新馬戦を勝利しており、素晴らしい瞬発力の持ち主であることは確か。また、前走後に休養で成長を促している点も好ましく、警戒が必要だ。

△ (18)ミスタージーティー

 1戦1勝馬。前走の京都芝2000mの新馬戦では、4番枠からやや出遅れ、1角では最後方。そこからじわっと位置を上げ、3角では後方3番手の中目につけた。3~4角では手応えが悪く、直線で外に出るとラスト2Fでフラフラして、そこで前に離される。これは厳しいかと思われたが、体勢を立て直して追われると一気に伸び、前をまとめて捉えてクビ差で勝利した。

 ラスト2Fは11秒2-11秒5とマズマズだったが、エンジンが掛かってからの最後の伸びが目についた。今回はこの手の馬に乗せたら一流の坂井瑠騎手が鞍上。今回は自由に動ける外枠でもっと速い地点からエンジンを掛けて行ければ面白い。
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本日3番 阪神11R ぺテルギウスS 芝2000m
 ◎ (15)ペプチドナイル
 ○ (4)トウセツ
 ▲ (7)ホウオウルバン
 注 (8)エクロジャイト
 △ (5)ミッキーヌチバナ
 △ (14)キタノヴィジョン
結論 馬連15-4,7,8,5,14 (15:15:10:5:5) 複勝15 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にハピ(-28.0pt)、ペプチドナイル(-27.0pt)、キタノヴィジョン(-24.3pt)、ホウオウルーレット(-24.0pt)、マリオロード、トウセツ、ルリアン(ともに-23.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (15)ペプチドナイル

 今夏の大沼S、マリーンSともに重賞級の指数で連勝した馬。大沼Sは10番枠からまずまずのスタートを切って、押してハナを主張し楽に内に切れ込んで行く形。2角過ぎでペースダウンしたが、ここで一気に外からボイラーハウスに捲られ、そこで抵抗しながら外に出して、今度は内からディアセオリーに前を取られる。

 ボイラーハウスは早々と下がり、3~4角で先頭に立ったのはディアセオリーだったが、本馬は外を併走しながら直線へ。直線ではしぶとく伸び、残り100m辺りでディアセオリーを交わし、そこから突き抜けて3馬身差で完勝した。

 マリーンSは10番枠から五分のスタートだったが、そこからかなり押して二の脚でハナを主張。外のウェルドーンに競られたが、これを制してハナを取る。向正面ではコントロールされていたが、ペースは緩めず、2馬身差で3角へ。そこで少し息を入れて後続の仕掛けを待ち、4角で各馬が上がってきたタイミングで出し抜いて再び2馬身差で直線へ。直線ではさらに差を広げ、3馬身半差で完勝した。

 本馬は自らレースが作れて、捲られても対応できる強さ、速い末脚で上がってこられる強さがある。3走前のエルムSは2019年のリアンヴェリテ(同馬も大沼S、マリーンSを連勝)のように、中間で楽をさせた影響、そして自分の形に持ち込めなかったために13着に大敗したが、ひと息入れた前々走のみやこSでは、逃げて4着に巻き返している。

 前走のカノープスSでは大外枠の1番人気のテーオーリカードにマークされる形で展開が厳しかった。京都ダ1900mは前半が平坦で外枠にテンの速い馬がいるとプレッシャーをかけられて苦しい競馬になってしまう可能性が高いが、今回は大外15番枠。

 阪神ダ1800mでも大外枠は有利とは言えないが、阪神は前半で急坂があるので、序盤からプレッシャーをかけられにくい。また外から競られるよりも内から競られるほうが、立ち回りに自由が利くぶん楽。今回は逃げられる可能性が高いと見ているが、内から抵抗する馬がいれば、序盤はそれに行かせて道中でハナを取ることができる。ここは巻き返しに期待する。

○ (4)トウセツ

 3走前の灘Sを勝利した馬。同レースでは8番枠から五分のスタートを切ったが、あまり進んで行かずに後方中目を追走。3~4角では包まれて動けなかったが、4角で外を回って直線で大外に出されると、じわじわと伸び始め、ラスト1Fでは前をまとめて差し切って3/4差で勝利した。

 本馬はテンが速くなく、後半に特化させてこその馬。前走のブラジルCは距離も長く、中団6番手を追走といつもよりも前でレースを進めたために最後の直線での伸びを欠いてしまった。しかし、今回は3走前に勝利した舞台。末脚を生かす競馬で展開に恵まれれば一発ある。

▲ (7)ホウオウルバン

 3走前の総武Sを勝利した馬。3走前はオープンとしてはかなり遅い流れ。大外13番枠から五分のスタートを切って、好位の外を追走。3~4角の外から人気のフィルロッソに蓋をするように2列目付近まで上がり、最後の直線では同馬を追い駆けてスパート。ラスト1Fで競り落として、大接戦をクビ差で制した。

 今回は長期休養明け2戦目。前走は1角で進路をカットされ、チグハグなレースぶりで本来の能力を出し切れていないだけに、ここでの変わり身に期待した。
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本日2番 中山12R 2023ファイナルS 芝1600m
 ◎ (1)ニシノスーベニア
 ○ (10)クルゼイロドスル
 ▲ (2)ドゥラモンド
 注 (3)ブランデーロック
 △ (4)ビジュノワール
 △ (5)ホウオウラスカーズ
 △ (8)リサリサ
 △ (11)サンカルパ
結論 馬連1-10,2,3,4,5,8,11 (10:10:10:5:5:5:5) 複勝1 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にニシノスーベニア(-16.0pt)、ビジュノワール(-15.7pt)、ホウオウラスカーズ(-15.3pt)、リサリサ、クルゼイロドスル、トランキリテ(ともに-14.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (1)ニシノスーベニア

 前々走の秋風Sの3着馬。前々走は2番枠から五分のスタートを切って、中団馬群の内目を追走。3~4角では包まれて動けなかったが、徐々にスペースを作って4角中目から直線序盤で外に誘導すると、しぶとく伸びる。ラスト1Fでバテた馬をかわしたところで外からルージュエクレールに一気に来られたが、同馬と半馬身+クビ差の3着に善戦した。

 前々走は前半4F45秒7-後半4F47秒9の速い流れ。やや展開に恵まれてはいるが、本馬は能力値1位であるように、芝1600m戦ならある程度、幅広いレースに対応できるのが魅力だ。

 前走の紅葉Sでは平均よりもやや速い流れを先行。逃げるラズールを外からプレッシャーをかけにいき、自身も外からバルサムノートにプレッシャーをかけられ、引くに引けない厳しい展開で脚が溜まらなかったが、勝ち馬と0.6秒差(6着)に善戦している。

 1番枠のここは前半が早い流れであまり勝ちに行かれると危険も伴うが、上手く末脚を生かす競馬なら馬券圏内に突入できるはず。本馬は揉まれても問題ないタイプなので、内で上手く脚をタメての好走に期待する。

2023年 有馬記念・阪神8R+メインR以降の予想

買いたい馬が意外と人気がなかったので、中山12Rの予想を追加しましたm(__)m。

■例年よりも馬場が軽く、経済コースを立ち回れる馬が有利

 中山Aコース使用8日目。芝育成の技術向上が著しい現代でも冬の開催は芝の維持が難しいようで、有馬記念の週は馬場の内側が悪化し、外差しが有利になる年もある。近2年は馬場がタフで、外差しが決まったが、今年は例年と比べると馬場が軽く、内からでも十分に粘れる状態となっている。

 ペースはおそらく今回も逃げることが予想されるタイトルホルダー次第だが、今の馬場だとそこまでペースを上げていかないだろう。土曜・グレイトフルSのホウオウエクレール(岡田スタッド×横山和騎手)のように、逃げなかった場合は、捲りが発生しそうで怖い。しかし、平均ペースで行ければ前と内が有利の決着になる可能性が高いので、今年の有馬記念はそういう想定で予想を組み立てたい。

本日1番 中山11R 有馬記念 芝2500m
 ◎ (4)タイトルホルダー
 ○ (1)ソールオリエンス
 ▲ (6)ディープボンド
 注 (13)タスティエーラ
 △ (8)ライラック
 △ (15)スルーセブンシーズ
 △ (2)シャフリヤール
 △ (11)ハーパー
結論 馬連4-1,6,13,8,15,2,11 (20:8:8:5:5:2:2) 複勝4 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (4)タイトルホルダー

 一昨年の菊花賞馬であり、昨春は天皇賞(春)と宝塚記念を連勝した馬。ステイヤーだが、2200mまでは守備範囲で、昨年と今年の日経賞を二連覇しているように、この舞台も得意だ。4走前の日経賞は極悪馬場だったが、2番枠からまずまずのスタートを切って迷いのない逃げ。スタンド前ではマイペースだったが、向正面からは淡々とレースを進めて3~4角で加速。この時点で後続はバテ始めるが、仕掛けを待って2馬身差のリードで直線へ。そこからはどんどん差を広げて8馬身差で圧勝した。

 昨年の有馬記念では9着だったが、同レースはダートのような極悪馬場で行われた凱旋門賞(最初の400mはほぼ平坦で、残り600mは10mほどの上り坂)で、ブルームにプレッシャーをかけられたこともあり、オーバーペースで逃げて消耗度の高いレースをした後の一戦。日本馬よりもスタミナがある欧州馬でもまずやらない消耗戦に持ち込んだことで、疲れが出ていたものと推測される。

 しかし、今年は前走のジャパンCでは完調手前だったこともあり、無理をさせない走り。3番枠から好スタートを切ったが、外からパンサラッサがハナを主張すると、同馬を行かせてその2番手を追走。ぶっ飛ばして行く同馬に対して、距離を取って控えて行く。本馬の直後にイクイノックス、その直後の内にリバティアイランド、外に(16)スターズオンアース、その直後に(5)ドウデュースというような隊列で実質は脚をタメる差し競馬。結果、後続馬の決め手に屈したような負け方だったが、消耗度は少ないはず。

 持久力型の逃げ馬というのは、ジャックドールしかり、ペースを上げていかないと批判されやすい。しかし、馬の手応え(調子)が悪い場合もあり、行かせないことがその先を含めて正解の場合もある。今回は状態も良く、陣営から「積極的な競馬で」と指示が出ているようなのである程度ペースを引き上げて行くだろう。

 また、ジャパンCで先着を許した(16)スターズオンアース、(5)ドウデュースは、前走が目標でそこまで余力が残っていないはず、と見ている。今回(7)アイアンバローズがハナ宣言をしているが、中山芝2500mは前半に坂があって、ここでリードを広げようとしてもたいして広げられないうえに消耗するので、ペース次第では2番手でもいいと見ている。

○ (1)ソールオリエンス

 今年の皐月賞馬。当日は外から差す馬が有利な馬場状態。1番枠から好スタートを切ったが、そこからコントロールして最後方付近まで位置を下げて外へ誘導。道中も最後方に近い位置で外目を追走し、3角手前で外から進出。そのまま追い出されたが、そこまで上がって行けず、スピードに乗ったのが4角だったため、大きく外に振られるロスが生じた。しかし、直線ではしぶとく伸びて中団まで上がり、ラスト1Fでグンと伸びると並ぶ間もなく、早めに抜け出していたタスティエーラを捕らえ、1馬身1/4差で完勝した。

 今秋はセントライト記念2着、菊花賞3着と振るわないが、菊花賞は前有利の流れとなった中で中団やや後方でレースを進め、向正面で位置を押し上げていかなかったことが、(13)タスティエーラにも敗れた理由と見ている。前走はとても消耗するレースではなかったので、今回は余力十分と見ているが、1番枠と本馬にとって好ましくない枠順を引いてしまった。

 最内枠だとある程度、積極的に出して位置を取るか、皐月賞時のように最後方付近まで位置を下げて外へ誘導する必要がある。今回は皐月賞時のように馬場の内側が悪化していないだけに、おそらく、ある程度積極的に出してロスを最小限にする騎乗をしてくる可能性が高いが、これまでにそういう器用な競馬をしたことがないだけに、そこがやや不安だが、3歳馬の成長力と古馬よりも軽い斤量に賭けたい。

▲ (6)ディープボンド

 天皇賞(春)で3年連続2着。阪神大賞典でも21、22年と二連覇しているステイヤー。有馬記念でも一昨年に2着に善戦している。同レースでは5番枠からまずまずのスタートを切って、そこから押して先行策。外の馬の方がテンが速く、好位の中目に押し込められ、向正面では包まれたが、3~4角で他馬が避ける馬場の悪化した最内から進出して、やや窮屈なスペースを通して前2頭の外に誘導。そこで外から勝ち馬エフフォーリアに一気に来られたが、それに食らいついて3/4差に好走した。

 一昨年はパンサラッサがかなりのハイペースでレースを引っ張ったことで、本馬の豊富なスタミナが活きた面がある。スローペースの上がり勝負となった場合にはキレ負けする可能性があるが、今回もある程度はペースが上がると見ている。それならばこの距離でもチャンスがある。また、超高速馬場で距離も文字会前走ジャパンcでは促されながらの追走で、能力を出し切れていない点もここへ向けては好ましい。

注 (13)タスティエーラ

 今春の日本ダービーでは好位から早めに抜け出して大接戦を振り切って戴冠、今秋の菊花賞でも2着と好走した馬。前走の菊花賞は7番枠から五分のスタート。そこからコントロールして折り合い重視で中団やや前目の内を追走。スタンド前ではやや外目を通したが、向正面でトップナイフらが外から捲ったことで包まれて動けずにやや位置が下がる。3~4角でも中団外目で多少ロスもあったが、直線序盤では1頭だけ鋭く伸びて2列目まで上がる。ラスト1Fでは先頭のドゥレッツァとは2馬身半差くらいだったが、そこからやや差を広げられ、3馬身半差の2着となった。

 菊花賞はドゥレッツァに完敗だったが、ドゥレッツァがここに出走してくれば本命候補だっただけに2着だったのも仕方ない。また、菊花賞は前有利の展開で、3角までにもっと前の位置を取っても良かったと思うが、○(1)ソールオリエンスがもっとひどい騎乗だったことで助けられた面がある。前走がスムーズな競馬ではなく、今回で前進の余地があることと3歳馬の成長力に期待した。

△ (8)ライラック

 昨年のエリザベス女王杯では2着同着だった馬。同レースでは15番枠から出遅れ、ある程度は促されたが、結局、後方を追走。道中も後方馬群の外目で進めて、3角では前のジェラルディーナを徹底マーク。4角でジェラルディーナが仕掛けると、それを追い駆けて中団外まで上がり、直線序盤でしぶとく伸びて2列目付近。ジェラルディーナには1馬身3/4差の完敗だったが、ラスト1Fでウインマリリンに並びかけての同着だった。

 このエリザベス女王杯は外差し有利の馬場と展開に恵まれた2着だったが、展開の後押しがあればそれくらいは走れるということ。前走となる今年のエリザベス女王杯は、戸崎騎手らしく中団やや後方追走から道中で馬群の中に突っ込むスタイルで乗られ、3~4角で包まれて直線での進路取りがスムーズではなかった中での4着なので、ここへ向けての余力は残っていると見ている。確かに今回は相手が強いが、天皇賞(秋)やジャパンCの上位馬が不発のパターンならチャンスがある。

△ (15)スルーセブンシーズ

 今年の宝塚記念では、世界最強の座に君臨したイクイノックスにクビ差の2着と脅威を与えた馬。しかし、この宝塚記念のイクイノックスはスタート直後で躓きかけて挟まれそうになったため、ブレーキを掛けて中団、最終的に最後方付近まで下げてからの追走になったことや、3~4角では大外から(10)ジャスティンパレスに蓋をしながら位置を押し上げて、4角でやや膨れるなどのロスが生じ、本来の能力を出し切れなかった。イクイノックスが古馬になってから最も指数が低かったレースがこの宝塚記念である。

 宝塚記念は先行争いの激化で、先行馬壊滅の展開。本馬は6番枠から出遅れ、そこから押して追走しながらも、好位~中団が横に広がって先行争いが激化するのを察知すると、コントロールして最後方待機という勝負に出る。3角では内を通したが、そこから徐々に外に誘導してイクイノックスを完全マーク。

 4角でイクイノックスが大外という状況下でその内を通して我慢させたが、そこでイクイノックスに蓋をされ、ブレーキ気味で直線へ。序盤で包まれたが、進路を中目に切り替えて3列目に上がり、ラスト1Fでしぶとく伸びてイクイノックスにクビ差まで迫った。

 宝塚記念は騎手が展開に嵌めたもので、上位入線馬の中ではもっとも上手く乗られている。しかし、先行馬壊滅の展開で、直線で詰まる不利がなければ、本馬が勝っていた可能性もあったと見ている。今年の凱旋門賞は良馬場でも軽い方で、◎ (4)タイトルホルダーが出走した昨年とは全く違う馬場なので、ここは敢えて触れないが、ロンシャンでも出遅れて後方からの追走になってしまうような馬なので、展開と進路取りが全てと言ってもいいような馬である。

 今回はさすがに宝塚記念のような展開とはならないだろうが、タイトルホルダーがペースを本気でレースを作りに行った場合には展開に恵まれるし、中山芝2500mなら3角手前から位置を押し上げることもできる。仕掛けのタイミングが上手い、通称「グランプリ男」が鞍上だけに警戒はしておきたい。

△ (2)シャフリヤール

 昨年のドバイシーマクラシック優勝、前走のBCターフ3着の海外GⅠがベストの馬。前走は1番枠から好スタートを切って、ある程度促してはいたが、外の馬を行かせて中団の最内を追走。スタンド前を通過するとやや掛かり気味だったが、折り合いに専念。向正面でもペースが上がらなかったため、前にスペースを作って3角。しかし、3~4角でもペースが上がらず、前のスペースを徐々に詰めて好位の中目に誘導。4角で外を狙ていたが外には出せず、好位の中目から直線へ。序盤で追い出されるとジワジワ前との差を詰めて、勝ち馬オーギュストロダンから3/4+半馬身差の3着だった。

 前走は米国のレ―スとしてはペースが遅かったが、平均的な流れ。今年は札幌記念を叩いて前走が目標だったが、わりと順当な結果だと見ている。高速馬場よりも標準馬場、スローペースよりも平均ペースがベストという馬だからだ。天皇賞(秋)やジャパンCなどのような東京の高速馬場の上がりの速い決着は合わないので、国外でこそだ。ただし、東京芝2400mよりは中山芝2500mのスタミナよりの決着のほうが合うので買い目に加えた。

△ (11)ハーパー

 前走のエリザベス女王杯の2着馬。前走は11番枠からまずまずのスタートを切ったが、外のアートハウスを行かせ、それを追い賭ける形で上手く2列目の最内に収めて行く。2角過ぎで前2頭がペースを引き上げて離して行ったため、先行馬群の先頭。前2頭に離されてしまったが、3角手前でアートハウスがまさかのブレーキをかけたので、無理なく取り付き、3~4角の最短距離を通し、4角出口で馬場の良い外に誘導。直線序盤では3番手だったが、外から2頭に交わされていったん5番手まで下がったが、ラスト1Fでもうひと伸びして、ルージュエヴァイユに食らいついてクビ差の3着だった。

 本馬はクラシック戦線ではリバディアイランドに完敗で、秋華賞ではマスクトディーヴァにも完敗だったが、前走の秋華賞ではしっかり指数を上昇させてきた。また、しっかりと成長曲線を描けていることもあり、ここは警戒しておきたい。

1番人気 (10)ジャスティンパレス

 今年の天皇賞(春)で悲願のGⅠ制覇を達成した馬。同レースは1番枠から五分のスタートを切ったが、そこから押して枠なりで中団まで上がって追走。スタンド前で中目に誘導し、向正面では(6)ディープボンドをマーク。3~4角では同馬を追い駆けてじわっと進出し、4角では2列目の外。直線序盤ですっと伸び、早めに抜け出したディープボンドの外に出されると、楽に同馬を交わしてリードを広げ、2馬身半差で完勝した。

天皇賞(春)は逃げたタイトルホルダーの故障の影響もあり、3角手前から大きくペースが緩んだ。そこを外から上手く押し上げたことが功を奏した面はある。しかし、その後の宝塚記念でも3着、天皇賞(秋)でも2着に好走しているように、本馬はここへ来ての地力強化が著しく、イクイノックスが引退した今となっては、現役トップクラスの存在だ。

しかし、天皇賞(秋)は世界レコードが出たように、コンクリート馬場でレースが緩みない流れ。6番枠から出遅れて後方から2番手を追走し、3~4角では後方最内からロスを最小限に乗り、直線ではプログノーシスの後ろからスムーズに外に出されての2着好走と、展開も位置取りも噛み合ったもの。中山芝2500mはステイヤー寄りの適性が求められる舞台で、適性面での問題はないが、前走、展開に恵まれたことで能力を引き出されているので、今回は余力面に不安が残る。

2番人気 (5)ドウデュース

 海外遠征ではタフな馬場で結果を出せなかったが、帰国初戦の京都記念では独走V。同レースでは12番枠から出遅れ、コントロールして後方で我慢をさせる。向正面で馬群が凝縮したところを、中団の外まで上がって3角へ。3~4角では外から押し上げるマイネルファンロンを目標に動いて、4角では3列目。直線序盤で同馬の外に出されると、グンと伸びて一気に先頭。ラスト1Fをそのまま突き抜けて3馬身半差で完勝した。

 前記の京都記念は欧州遠征で全く能力を出せなかったことからエネルギーが溜まっており、異様な強さだった。このことからも、現状はスタミナにやや不安があるが、瞬発力は一級品ということがわかる。今秋初戦の天皇賞(秋)では、急遽、戸崎騎手に乗り替わったこともあり、出たなりで位置を取って、3角ではイクイノックスの後ろと、勝ちに行く競馬。結果、ラスト2Fで鈍化し、前から離されてしまった。前走のジャパンCではリバティアイランド、(16)スターズオンアースの直後と、ワンテンポ脚をタメて4着と善戦した。

 今回は東京芝よりは時計の掛かる中山の芝、さらに距離も延びる。今回は再び武豊騎手へと乗り替わり、目いっぱい脚を溜めてスタミナを温存する競馬ならチャンスはあるが、前走比でプラスとなる材料が少ないことは確かで、無印とした。
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本日3番 阪神8R 3歳上2勝クラス 芝1800m
 ◎ (6)マラキナイア
 ○ (3)アンリーロード
 ▲ (1)ダノンソフィア
 注 (10)タイセイフェリーク
 △ (11)フェミナフォルテ
 △ (12)ディヴァージオン
結論 馬連6-3,1,10,11,12 (20:10:10:7:3) 複勝6 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にマラキナイア(-16.7pt)、アンリーロード(-15.3pt)、フォーチュンコード(-13.7pt)、スタティスティクス(-12.3pt)、ウインミニヨン(-11.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (6)マラキナイア

 昨年6月の新馬戦を勝利し、デビュー2戦目のハイレベル決着となったアルテミスSで5着となった素質馬。前々走のローズSではその素質が開花したようで、3着と好走した。

 前々走は10番枠から五分のスタートを切って促されたが、好位は取れず、そこから進路を中目に切り替えて、中団中目を追走。前にスペースを作って追走し、3角では内目を通して4角では前のスペースを詰めながら外目に誘導。マスクトディーヴァの後ろから進出して、直線ではその外。序盤で内の馬に接触されてフラついていたが、最後までしぶとく伸び、内の(3)アンリーロードを差し切って、同馬とクビ差の3着だった。

 休養明け好走の反動が懸念されていた前走の秋華賞でも、大崩れすることなく6着に善戦しており、この辺りに地力強化が窺える。能力値も最高値もここではNO.1であることからここで大崩れする可能性は低い。相手探しの一戦と見る。
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本日4番 中山10R クリスマスC 芝1600m
 ◎ (12)グラニット
 ○ (3)サザンステート
 ▲ (1)テンノメッセージ
 注 (6)フェイト
 △ (9)スタニングスター
 △ (10)コントラポスト
 △ (15)ポリーフォリア
 △ (16)サイルーン
結論 馬連12-3,1,6,9,10,15,16 (10:10:10:5:5:5:5) 複勝12 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にテンノメッセージ(-14.0pt)、サイルーン、コントラポスト(ともに-13.3pt)、フェイト(-11.7pt)、スタニングスター、グラニット(ともに-11.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (12)グラニット

 昨秋のサウジアラビアRCで、7番人気で大逃げをうち、2着に入って波乱の立役者となった馬。同レースは1番枠からまずまずのスタートを切って、押してハナを主張。道中も淡々とペースを刻んで後続を引き離し、10馬身ほど差を広げて直線へ。さすがにラスト2Fで甘くなり、最後はドルチェモアに交わされたが、3着馬には2馬身半差で封じ切った。

 本馬は3走前の京成杯AHでも、7番枠からトップスタートを切って、超高速馬場ではあったが、淡々としたペースで逃げて6着に好走。格上挑戦でハンデ51kgだったにせよ、強豪相手に0.4秒差なら上々だ。

 前走の鷹巣山特別は時計の掛かり気味の東京芝でピースディオンとともに後続を離す逃げでオーバーペースとなり、差し馬決着を誘発したもの。12着大敗も仕方ない。今回は楽にハナへ行ける組み合わせ。マイペースの逃げができれば、3勝クラスは勝利して当然の実力馬だ。
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本日2番 阪神11R りんくうS ダ1200m
 ◎ (8)ハコダテブショウ
 ○ (12)アームズレイン
 ▲ (5)パウオレ
 注 (13)シンシティ
 △ (9)パラシュラーマ
 △ (16)サトノテンペスト
 △ (3)レッドゲイル
 △ (4)ピアシック
 △ (6)クロジシジョー
 △ (11)テイエムアトム
結論 馬連8-12,5,13,9,16,3,4,6,11 (10:10:8:7:7:2:2:2:2) 複勝8 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にサンライズアムール(-28.0pt)、チェイスザドリーム(-26.7pt)、ハコダテブショウ(-26.0pt)、クロジシジョー(-24.3pt)、パラシュラーマ(-23.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (8)ハコダテブショウ

 4走前のながつきSでは、重賞レベルの指数を記録した馬。同レースでは15番枠から五分のスタート。内のミラーウォーカーズのテンの方がテンが速くハナを主張したが、外から徐々にハナを主張して取り切る。3~4角では仕掛けを待ち、4角で各馬がじわっと上がってきたところで軽く促して1馬身半差のリードで直線へ。そのまま差を広げてラスト1F地点では2列目と3馬身差。内からミラーウォーカーズが伸びて来たが、差を詰めさせることなく、振り切って3馬身差で完勝した。

 本馬は能力を出し切った場合には強く、ここでは能力最高値はNO.1。ベストは4走前のような超絶高速ダートだが、標準に近いダートだった前々走のジャニアリーSでも1番枠から出遅れたが、あっという前に先頭に立って、勝ち馬と3/4差、(14)ナークダヴィンチに先着している。

 前走の安達太良Sはスタミナが不足する長期休養明けで、最後に甘くなって8着に敗退したが、叩かれて再調整された今回は状態良化が見込める。本馬はスタート地点の芝でスピードに乗せてハナを取り切るタイプだが、今回のメンバーならダートスタートでもハナへ行けるだろう。本来の能力発揮に期待する。
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中山11R フェアウェルS ダ1200m
 ◎ (4)レヴール
 ○ (3)タイセイブリリオ
 ▲ (13)ウラカワノキセキ
 注 (12)サザンエルフ
 △ (1)スマートラプター
 △ (8)ヴァンデリオン
 △ (11)グッドディール
 △ (14)テイエムランウェイ
結論 馬連4-3,13,12,1,8,11,14 (10:10:10:5:5:5:5) 複勝4 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にタイセイブリリオ、サザンエルフ(ともに-20.7pt)、スマートラプター(-20.3pt)、ウラカワノキセキ、メズメライザー(ともに-17.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (4)レヴール

 前々走の2勝クラスで2着と好走した馬。前々走は9番枠から五分のスタートだったが、二の脚で挽回して好位の中目を追走。前が飛ばして行く展開で、道中はやや離されたが、3角で内に入れて、3~4角の最内から押し上げて直線へ。直線ではしぶとく脚を伸ばし、ゴール寸前でキュートヘスティアをクビ差で捉えて2着。勝ち馬オメガシンフォニーとは1馬身半差だったが、同馬はその次走で3勝クラスを勝利している。

 本馬は休養明け好走の反動で、前走では指数を下げたが、それでも好位の外からしぶとく伸びて勝利。ここへ来て地力をつけている。また、本馬の強みは揉まれて砂を被っても問題がないこと。今回は逃げ、先行馬揃いでそれらがペースを引き上げていくことが予想される中で、4番枠から(3)タイセイブリリオの後ろを狙って、最内で立ち回れる強みがある。意外と人気もないので期待したい。

2023年 阪神C・中山大障害・阪神9R+メインR以降の予想

阪神12Rの予想も追加しますm(__)m。

■芝1400m重賞としては遅い流れが濃厚

阪神芝1400mは最初の3角までの距離が443m、最後の直線距離はBコース使用時で359.1m。3角までは平坦というコース形態のため、昨年のように逃げ馬がぶっ飛ばせば前半3F33秒4の激流にもなる一方、2013年のように何が何でも逃げたい馬が不在の場合には、前半3F35秒0とペースが落ち着くこともある(ともに良馬場)。

今年は何が何でも逃げたい馬が不在。ピクシーナイトが全盛期のテンの速力で逃げた場合には激流の可能性もあるが、長期休養から復帰して以降はそこまでのスピードが見せられていない。逃げられたとしても34秒前後で、逃げられない可能性もあると見ている。

また、下馬評ではホウオウアマゾンが「逃げ」となっているが、本馬も前半3F33秒半ばで行けるほどの馬ではないので、同馬が逃げたとしてもペースが上がらないだろう。前有利の流れになると見て予想を組み立てたい。

本日1番 阪神11R 阪神C 芝1400m
 ◎ (6)ピクシーナイト
 ○ (14)アグリ
 ▲ (10)グレナディアガーズ
 注 (13)ママコチャ
 △ (4)ウインマーベル
 △ (3)エエヤン
 △ (11)ホウオウアマゾン
 △ (16)アサヒ
結論 馬連6-14,10,13,4,3,11,16 (15:10:10:9:2:2:2) 複勝6 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (6)ピクシーナイト

 3歳夏のCBC賞で2着に入ると、そこから勢いに乗りセントウルS2着、スプリンターズS優勝と、3歳馬の上昇力で一気にGⅠホースとなった。本馬が優勝した2021年スプリンターズSは4番枠から五分のスタートを切り、二の脚の速さで楽に好位から3番手の最内まで上がって行く形。3~4角でじわっと仕掛けて前の馬とのスペースを詰め、直線序盤で捌いてひとつ外に出されると、ラスト1Fで突き抜けて2馬身差で完勝した。

 しかし、その次走の香港スプリントでは落馬事故に巻き込まれ転倒し骨折。そこから流れが反転してしまったようで、長期休養から復帰した今年の4戦は13、8、8、8着と苦戦している。苦戦の理由は以前のように前のポジションを取れなくなったことにあるが、それだからこそ芝1400mのほうがいいだろう。この中間ハードに追い切られて動きも変わって来ているだけに、今回はハナへ行ける気配を感じる。ハナへ行けなかったとしても先行はできると見ているので、本命馬とした。

○ (14)アグリ

 今年の阪急杯で重賞初制覇した馬。。同レースは11番枠からまずまずのスタートを切り、二の脚で一旦先頭に立ったが、内のメイショウチタンがかなり抵抗したため、同馬を行かせて外からプレッシャーをかけて行く形。3~4角でもメイショウチタンから半馬身の外で進め、直線序盤で楽々と競り落として先頭。食らいついてきたダディーズビビッドにアタマ差まで迫られたが、3着馬に2馬身半差をつけて勝利した。

 秋の始動戦となった前々走のセントウルSでは2着。前々走は8番枠から五分のスタートを切ったが、出脚がひと息で後方からの追走。道中は後方の内目で脚を温存し、3~4角で外に出さずに最内から直線へ。序盤で中団馬群の中目のスペースを拾いながら外へ誘導。ラスト1Fで外に広がって行く2番手争いを大外から切り裂いて単独2番手まで上がり、逃げ切りを図るテイエムスパーダに1馬身差まで迫った。

 前々走は超高速馬場で前有利の展開だったが、3~4角で最内を立ち回って直線でスピードを削がずに上手く外に誘導したにせよ、ここでは抜群の末脚を見せている。前走のスプリンターズCは9番枠からやや出遅れて、後方からの追走。3~4角で外々を回るロスはあったが、やや物足りない内容ではあった。休養明けで好走した反動が出たのだろう。

 本馬は阪神芝1400mで実績もあり、後半勝負となった前々走でメンバー最速の上がり3F32秒4を記録しているように、ペースが上がらなくてもやれる馬ではある。ただ近2走であまりにも後方からの競馬になっている点に一抹の不安がある。よって◎との取捨選択で迷ったが、対抗馬とした。
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本日2番 阪神9R 万両賞 芝1400m
 ◎ (13)ルクスノア
 ○ (7)ロゼフレア
 ▲ (2)モンシュマン
 △ (5)ソンシ
 △ (6)ロータスワンド
 △ (8)アンクルクロス
 △ (1)キョウエイカンセ
結論 馬連13-7,2,5,6,8,1 (20:10:10:4:4:2) 複勝13 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にモンシュマン(-7.7pt)、デルシエロ(-6.3pt)、ルクスノア(-5.7pt)、ソンシ(-4.0pt)、キョウエイカンセ、ロゼフレア(ともに-3.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (13)ルクスノア

 デビュー2戦目の新潟2歳Sで4着した実績馬。同レースでは5番枠からまずまずのスタートを切って、外のショウナンマヌエラが速いので同馬を行かせながらの走りだったが、同馬に進路をカットされたことで、折り合いを欠いてしまったが、何とか2列目の内で我慢させる。3~4角で前のスペースをじわっと詰め、ショウナンマヌエラの後ろから直線へ。序盤で内を選択して追われると2番手に上がったが、ラスト2Fでやや甘くなり、3番手に後退。ラスト1Fで外にヨレて、シリウスコルトらに迷惑をかけながらも4着を死守した。

 前走のりんどう賞は、1Fの距離短縮でテンに置かれ、ややレースの流れに乗るのに苦労していたが、気合を付けると折り合いを欠き気味に早目に上がって行く形。3~4角で外を回り、4角では鞍上の未熟さでスピードがコントロールできず、外に膨れてしまってもいたが、それでも前に食らいついて大接戦の4着に好走したことは褒められる。

 また、前走は馬場が悪化しており、実質やや早仕掛けだったが、4角手前でひとつ内にいた3着馬バウンシーステップは、次走、脚をタメる競馬でつわぶき賞を好指数勝ちしている。今回は折り合いをつけるのが得意のルメール騎手に乗り替わり、巻き返しを期待する。
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本日3番 中山10R 中山大障害 芝4100m
 ◎ (4)ジューンベロシティ
 ○ (9)ニシノデイジー
 ▲ (5)ダイシンクローバー
 注 (3)マイネルグロン
 △ (7)ネビーイーム
 △ (10)マイネルヴァッサー
結論 馬連4ー9,5,3,7,10 (15:15:15:3:2) 複勝4 (50)

◎ (4)ジューンベロシティ

 まだ障害のキャリアは8戦と少ない馬。それでありながら実績十分。4走前の中山グランドジャンプでは結果が出なかったが、本格障害コースの中山のキャリアがなかったことが応えたもの。前走の東京ハイジャンプは4番枠から好スタートを切り過ぎて、序盤は3番手。そこから控えると、勝ち馬(3)マイネルグロンらに前に入られ、包まれて動くに動けない展開。最後の直線で追い上げたものの、前から離され過ぎており、どうにもならなかった。前走はチグハグなレースだったが、ここに向けての調整と考えれば悪くない。巻き返しに期待する。

本日4番 中山11R グレイトフルS 芝2500m
 ◎ (12)ダノンレガーロ
 ○ (4)キングズパレス
 ▲ (11)リビアングラス
 △ (10)ニシノレヴナント
 △ (1)タイムオブフライト
 △ (5)シルキーヴォイス
 △ (14)エクセレントタイム
 △ (16)ホウオウエクレール
結論 馬連12-4,11,10,1,5,14,16 (18:12:10:4:2:2:2) 複勝12 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にキングズパレス(-18.3pt)、ニシノレヴナント(-15.0pt)、ホウオウエクレール(-13.3pt)、カランドゥーラ、ダノンレガーロ(ともに-11.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (12)ダノンレガーロ

 6走前、5走前と3勝クラスで連続2着、当時の勝ち馬スカーフェイスやルビーカサブランカはその後ともに重賞で好走しているように力はある。また、デビューから4戦連続して1番人気に支持されたように、素質を高く買われていた馬でもある。

 長期休養明けの前々走・佐渡Sは1、2番手馬がワン、ツーを決めたように、前有利の流れ。本馬には距離が短かったこともあり、決定的にテンに置かれてレースの流れに乗れず、後方2番手からの追走。最後の直線でバテた馬を交わしての12着だった。

 逆に前走の古都Sは大幅距離延長を意識し、後方最内で我慢して仕掛けては行かず、最後の直線でも進路を取るのに苦労して8着敗退。本馬は5走前のオリオンSで、3角手前から先に仕掛けて3~4角の中~外を通し、ルビーカサブランカに食らいついて1馬身半差まで迫ったように、エンジンが掛かってからが強く、息の長い脚が使える馬。

 中山芝2500mならある程度、積極的に出して行けるし、今回はテンが速い(11)リビアングラスに逃げてこその(2)プリマヴィータ、そして岡田牧夫さんとの半持ち馬で、明日のタイトルホルダーの予行演習をしたい(16)ホウオウエクレールが出走。何が逃げるかはともかく、逃げ馬がこれだけ揃えば、ペースが上がるだろう。今回はひと叩きされて良化が見込め、展開にも恵まれる可能性が高い一戦。これで9番人気なら「買い」だ。
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阪神12R 3歳上1勝クラス 芝1600m
 ◎ (7)イングランドアイズ
 ○ (9)ガットネロ
 ▲ (11)グランデサラス
 注 (4)アイルシャイン
 △ (5)トラストエムシー
 △ (10)スズカダブル
結論 馬連7-9,11,4,5,10 (13:13:10:7:7) 複勝7 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にイングランドアイズ(-12.0pt)、ゴールドローズ(-7.7pt)、アイルシャイン、トラストエムシー、バトルハーデン(ともに-7.0pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (7)イングランドアイズ

 新馬戦ではハーパーに先着して勝利。デビュー2戦目の芝1600mクイーンCでは4着した実績馬。前々走の休養明けとなった1勝クラスでは、7番枠から五分のスタートを切って、中団の外を追走。最後の直線では中目をこじ開けて外に出されると、しっかり前との差を詰めてラスト1F地点では3番手。そこからダニーデンとのマッチレースとなりクビ差で敗れたが、3着馬に5馬身差をつけ、3勝クラスレベルの指数を記録した。

 前走はその疲れが出て凡退。スタートでアオって最後方からの競馬となり、最後の直線でも伸びあぐねたが、今回は変わってくるはず。ブリンカー着用がどう出るかはわからないが、普通ならばここは巻き返しが当然濃厚なところだ。逃げ、先行馬が手薄のここは、前有利の有利の展開となる可能性が高いが、それでも馬券圏内には食い込めると見る。

2023年 名古屋グランプリの予想

本日の浦和のゴールドCは、配当妙味がないので予想をを出さない可能性があります。ご了承くださいm(__)m。

名古屋11R 名古屋グランプリ ダ2100m
 ◎ (4)ミトノオー
 ○ (6)グランブリッジ
 ▲ (1)テリオスベル
 注 (11)メイショウフンジン
 △ (10)セイカメテオポリス
 △ (5)アナザートゥルース
結論 馬連4-6,1,11,10,5 (20:14:8:6:2) 複勝4 (50)

■有力馬とその評価

◎ (4)ミトノオー

 デビュー2戦目、ダ1400mのオキザリス賞ではテンに置かれて前に行けず、キックバックを嫌がる素振りを見せて11着に大敗した。しかし、その次走の兵庫CSでは、前走で短距離戦を使われたことで6番枠からスッと加速して内に切り込みながら楽にハナを主張。ハナを取り切るとコントロールしてマイペースに持ち込み、3~4角でペースアップ。4角でGoサインが出されると、2着馬キリンジ(次走・ジャパンダートダービー2着)に6馬身差をつけて圧勝した。

 その次走のジャパンダートダービーは、同型馬のテーオーリカードに絡まれ、オーバーペースで逃げて3着。その次走の日本テレビ盃もスワーヴアラミスに絡まれ、オーバーペースの逃げとなり、ここでは6着(1.9秒差)に失速した。日本テレビ盃はもう少し走れても良かったが、クラシック出走後の休養で楽をさせた影響もあったのだろう。

 そして前走の浦和記念では巻き返して2着。ここでも2番枠から五分のスタートだったが、二の脚の速さと枠の並びでハナを取り切る。ここでも外からテイエムサウスダンに終始プレッシャーをかけられ、ペースを落とし切れなかったが、3角で外からディクシオンが捲って来ると、それに抵抗して仕掛け、食らいついていく。しかし、残り300mで甘くなって、2馬身半差で敗れた。

 このレースは浦和記念で、3角2番手以内だった馬も活躍している舞台。浦和記念はコース形態上、例年ハイペースになるだけに、そこで前へ行った馬をペースに緩みが生じやすいこの舞台で狙うというのが有効策で、過去10年のこのレースでの成績は【3・2・1・1】。一方、浦和記念で捲り勝ちした馬はここで苦戦することが多く、前記データで唯一の4着馬ランフォルセ(2013年)は捲り勝ちだった。また昨年の浦和記念の覇者クリノドラゴンは、その後、大敗の連続である。よって、浦和記念で逃げて2着の本馬を本命馬とした。

○ (6)グランブリッジ
 
 交流重賞で4勝、2着4回の実績馬。交流重賞で唯一、連対を外し、4着に敗れたのは1600m戦のスパーキングレディC。一方、2100mでは昨年の関東オークスと今年のエンプレス杯を優勝。今年のエンプレス杯では2番枠から出遅れ、中団やや後方を追走。向正面で外に誘導し、3角手前から進出開始。3~4角で3頭分外から位置を押し上げ、4角では先頭のサルサディオーネとは1馬身差。直線序盤で同馬を交わして先頭に立つと、じわじわ差を広げて2馬身半差で完勝した。

 このように本馬は2015年、16年(当時は2500m)のこのレースの覇者アムールブリエのように、長距離がベスト。休養後の1800mの近2走でも連続2着に善戦しているように、調子落ちはないだろう。また現在の牝馬の交流重賞路線は強く、牡馬が相手でも指数面で見劣らないだけに、得意舞台のここは対抗馬とした。

▲ (1)テリオスベル

 今夏のブリーダーズゴールドCで、昨秋のクイーン賞以来のグレードレース2勝を達成した馬。ブリーダーズゴールドCでは6番枠から五分のスタートを切って、かなり押して出鞭を入れてハナを主張。ハナを取り切ると後続との差を徐々に広げ、3角では2番手の(3)パライバトルマリンとは4馬身差。4角ではそれを6馬身差まで広げて直線へ。ラスト1Fでパライバトルマリンに4馬身差まで詰め寄られたが、余裕を持っての完勝だった。

 本馬は逃げ、もしくは早め先頭から上がりの掛かる展開に持ち込んでこその馬。3走前のレディースプレリュードは、内のノーブルシルエットがしつこく抵抗したため、先手を取るのに苦労して4着敗退。近2走は2番手まで上がって5着、2着に善戦している。今回も前へ行く馬が手強いのでハナには行けない可能性が高いが、距離2000m以上では崩れずに走れることがアピールポイントだ。

注 (11)メイショウフンジン

 前々走の白山大賞典で惜しい2着だった馬。前々走は8番枠から押してハナを主張。ケイアイパープルがピッタリ2番手とプレッシャーをかけてきたので、ペースを落とし切れないままの逃げ。2周目3角手前で外から同馬に並びかけられたが、交わされずに振り切って直線へ。ラスト1Fで外からウィルソンテソーロに差されたが、食らいついて1/2馬身に奮闘した。

 本馬は3走前のマーキュリーCではウィルソンテソーロに4馬身差を付けられたが、前走では大きな差が付けられなかったように逃げがベストの馬。しかし、今回は◎(4ミトノオーのテンが速いので、前走の浦和記念のように逃げられない可能性が高い。それでもある程度前の位置が取れれば崩れない馬なので、警戒しておきたい。

△ (10)セイカメテオポリス

 今年の大井記念と東京記念を連勝したステイヤー。大井記念では1番枠から五分のスタート後、やや積極的に出して3列目の最内を追走。4角で前のランリョウオーが外に出したので、直線でその内を突いてラスト1F手前で2番手に上がり、逃げていたカジノフォンテンの外へ出されると、残り100mで先頭。そこから伸びて2馬身差で勝利した。

 本馬は休養明けで挑んだ3走前の東京記念でも勝利しているように、長距離カテゴリーでは南関東のトップクラスの存在だ。しかし、この路線は中央勢も層が厚いので、近2走の交流戦ではともに2秒以上離された2着に終わっている。先行馬総崩れの流れにならないと厳しいが、その可能性も少し残されているので買い目に加えた。

△ (5)アナザートゥルース

 キックバックが苦手で揉まれないように厳しいペースで逃げ、先行しているうちに体力がついて強くなった馬。2020年のダイオライト記念では逃げて優勝し、2021年は3着している。また、一昨年秋のチャンピオンCでは好位の外3番手からしぶとく粘って3着に善戦しているように、揉まれなければどの位置からでも問題はない。

 本馬は9歳となり、以前ほど楽に前に行けなくなり、それに伴って成績が下降線だが、それでも今年2月の報知グランプリCでは逃げて2着に粘っている。その後は完全に調子を落としていたが、今夏よりホッケイドウ競馬に移籍して復調気配。前走の道営記念はかなりの激流の中、先頭馬群からやや離れた好位の外を追走し、4角で前の馬が落馬して外に立て直すロスがありながらの2着に善戦。侮り切れない。

2023年 兵庫ゴールドTの予想

おはようございます😊 今年もあと11日になりました。気合を入れて行きましょう❣

■前に行きたい馬が集った一戦

タイガーインディ、スペシャルエックス、ボヌールバローズ、サンライズホークと、前に行きたい馬が揃った一戦。テンが一番速いのはボヌールバローズだが、タイガーインディ、スペシャルエックスは揉まれ弱く、被されたくないので積極的に出して行くはず。

サンライズホークは距離を1400mにして逃げられるようになった馬で、テンがやや遅いので1角で好位の外へ出して行く形になるだろい。早めに進出して前にプレッシャーをかけていく形も考えられる。何れにしてもここはペースが速くなり、差し馬の台頭が濃厚だ。

園田11R 兵庫ゴールドT 芝1400m
 ◎ (3)ケイアイドリー
 ○ (4)スペシャルエックス
 ▲ (10)セキフウ
 △ (8)サンロアノーク
 △ (9)サンライズホーク
 △ (6)マルモリスペシャル
 △ (7)スティールペガサス
 △ (11)デュープロセス
結論 馬連3-4,10,8,9,6,7,11 (12:12:8:8:6:2:2) 複勝3 (50)

■有力馬とその評価

◎ (3)ケイアイドリー

 今夏の北海道スプリントCで初重賞制覇を達成した馬。同レースはダンシングプリンス、(4)スペシャルエックス、ジャスティンが競り合って、前半3F33秒7-後半3F38秒0の超絶ハイペース。本馬は1番枠から五分のスタートを切って、最内から好位まで上がって行く形。3~4角で上手く距離ロスなく押し上げられたにせよ、直線でスッと伸びて、そのまま突き抜けて1馬身差で完勝した。前がぶっ飛ばして自滅したのは確かだが、今回も展開に恵まれる可能性が高い。

 また前走のJBCスプリントは、3番枠から五分のスタートを切って、好位の直後の最内を追走していたが、3角手前でリュウノユキナがカラ馬を避けために急に前に入って来て、ここで落馬寸前の不利があり、終戦が決定的なものとなった。

 前走で本来の能力を出し切れていないので、ここは巻き返す可能性が高い。また本馬は1200mでペースが速くなると追走に忙しい面を見せていることからも、前走から1F距離が長くなるのも加点材料と見ている。

○ (4)スペシャルエックス

 リメイクが優勝したハイレベルなクラスターCの7着馬。同レースでは大外14番枠から好スタートを切ると、じわっと進出して逃げ馬ドンフランキーの外、2番手を追走。最後の直線では苦しくなって早々と失速したが、高速馬場の盛岡で前半3F33秒6-後半3F35秒0のかなりのハイペースでは仕方なく、負けて強しだった。

 前走の楠賞は大外11番枠からまずまずのスタートを切ったが、内の(6)ボヌールバローズのテンが速く、同馬が逃げて本馬は2番手を追走。ボヌールバローズに離されないようについて行き、3手前でハナに立つ。3~4角で最短距離を通って1馬身差のリードで直線へ。直線半ばでボヌールバローズに再び差し返されたが、前走時はここを見据えて行き切ったものだろう。

 ここへ向けての勝負度はボヌールバローズよりも高い。実際にこのレースは一昨年の3着馬イグナイターのように、前走で格下のレースを行き切った馬が穴を開ける舞台でもあり、ここは期待した。

▲ (10)セキフウ

 3走前のエルムSでは、兵庫ジュニアGP以来のダートグレード制覇を達成した馬。前々走は6番枠から五分のスタートを切ったが、狭くなって控えて後方からの追走。2角過ぎでペースが落ちて馬群が凝縮していく中で、離れた後方2番手を維持し、3~4角の外からスピードに乗せて中団まで上がる。早めに動いたロッシュローブの後ろから4角出口で外に出されると、しぶとく伸び続け、ラスト1Fでワールドタキオンを捉えて半馬身差で完勝した。

 本馬の自己ベストは3走前。しかし、1400mでも一昨年の兵庫ジュニアGP優勝を始め、今年1月にはすばるSで3着に善戦している。すばるSはコパノマーキュリーが逃げてレースが消耗戦になったことで、本馬の大外一気が決まったもの。要は距離云々よりも後方から揉まれずに行って展開に恵まれれば通用するというタイプの馬だけに3番手評価とした。

 前走は大幅に減った馬体重を元に戻すことに一線を置いた調整だったが、前走時は体重が戻っていたので、今回はそれなりには仕上がっているだろう。今回は揉まれにくい外枠で、展開にも恵まれそうなだけに3番手評価とした。

△ (8)サンロアノーク

 今春のかきつばた記念の5着馬。同レースでは9番枠から五分のスタートを切って、中団中目を追走。3~4角で仕掛けを我慢しながら外に誘導し、4角大外から前を目標にしぶとく脚を伸ばす。このレースは最後の直線で中央馬が砂の深い内目を通したことが好走に繋がった面はあるが、最後の直線で勝ち馬イグナイターが通った外を通して0.8秒差なら悪い内容ではない。

 今回は長期休養明けをひと叩きされての一戦。今春のかきつばた記念ではハンデ51Kgだったが、今回もハンデ52Kgとメンバーを考えれば軽い。また、中央馬が相手だと前に行けずに差す形になるので、展開の恩恵もありそうだ。

△ (9)サンライズホーク

 芝のデビュー戦は大敗したが、ダートに転じて怒涛の4連勝で一気にオープン入りを達成した馬。オープンに昇格後はペースが速くなって追走に苦労していたことから、1Fの距離延長はプラスに転じる可能性が高いと見て、前走のサマーチャンピオンでは本命◎に推した。

 前走は12番枠から五分のスタートを切って、ペースをコントロールしての逃げ。向正面でヘリオスが上がってくると、そこでペースを引き上げ、2馬身差のリードで直線へ。ラスト1Fではさらに後続との差を広げて2馬身半差でゴールした。

 本馬は距離を伸ばして前に行くことで、さらに前進。ここでは自己最高指数を記録した。本馬はハナにこだわる馬ではなく、今回も外枠で前の馬の出方を窺いながらレースを進められる点はプラス。ただ前走後に休養させているように、相当に疲れが出てしまったようだ。今回はあくまでもこの先を見据えた始動戦になるので、過大評価は禁物だ。

△ (6)マルモリスペシャル

 前走で中央のOP・ギャラクシーSを勝利した馬。前走は五分のスタートだったが、押して位置を取りに行って好位馬群の後方中目を追走。3~4角で徐々に進出し、4角で前のアイオライトが動いたで、それを追い駆けて直線へ。ラスト1Fでアイオライトを交わすと、その外からカセノダンサーが迫ってくる。しかし、そこから踏ん張ってクビ差で振り切った。

 前走は前が厳しい展開ではあったが、北海道スプリントCの2着馬アイオライトを撃破しているように、オープンとしてはなかなかの指数が高く、ここでも通用する指数を記録している。しかし、本馬はやや展開に恵まれたことで能力を出し切っているだけに、ここでの余力面に不安があり、評価を下げた。

△ (7)スティールペガサス

 今春の北海道スプリントでは3着、今夏のクラスターCでは5着と、ともに(4)スペシャルエックスに先着している。前記のレースは差し馬有利の展開に恵まれた面はあるが、1200mならばこれくらいは走れる。しかし、今回の距離1400mでは、地方馬が相手でも【1・0・0・5】で、昨年11月の笠松グランプリでも崩れているだけに、この距離では不安もある。また、地方馬でありながら、ハンデも56Kgと見込まれてしまった。

△ (11)デュープロセス

 3歳時にユニコーンS・2着の実績や2019年のこのレースの覇者。その後しばらく不振だったが、昨夏のBSN賞ではあのジュンライトボルトを相手に3着と善戦し、復調気配を見せた。BSN賞はアメリカンシードの逃げで前半4F48秒2-後半4F50秒9とかなり速い流れ。12番枠から出遅れて、後方3番手で脚をタメて、4角大外から進出した本馬は展開に恵まれたのは確かだが、本来は中央のマイル戦でも中団くらいは狙っていけるテンの速力はある。

 2019年のこのレースは強力同型馬の不在を利しての逃げ切り勝ちだったが、近走は中距離路線を使われていることもあり、後方からになるだろう。ただし、短距離路線よりも中距離路線のほうがレベルが高いのも確か。展開に恵まれれば通用の余地が残されている。