2023年 全日本2歳優駿の予想

■馬場が軽くなり、前が残り出している

 昨日の川崎は馬場がタフで、外が伸びる馬場。小回りの川崎らしく最初のコーナーから3角までなるべく内を回り、4角出口で勢いに乗せて直線で外を狙うのがベストな馬場だった。

 しかし、本日は昨夜の雨の影響で馬場が軽くなり、前が残りだしている。1Rで逃げたハチマンタイが最後の直線で一旦外に出しながらも最終的に内を狙ったように、内のほうが伸びているようだ。

 前と内が有利な馬場であるのは確かだが、後半になるにつれてペースが上がり差しも利いてくるはず。馬場的には(1)イーグルノワールが有利だが、同馬には別の不安があるので対抗評価とした。また大番狂わせがあるとすれば、同馬よりも前に行ける馬だろう。

川崎11R 全日本2歳優駿 芝1600m
 ◎ (10)ナスティウェザー
 ○ (1)イーグルノワール
 ▲ (9)サトノフェニックス
 注 (12)フォーエバーヤング
 △ (8)ゼルトザーム
 △ (7)サントノーレ
結論 馬複10-1,9,12,8,7 (20:12:12:4:2) 複勝10 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (10)ナスティウェザー

 函館ダ1000mの新馬戦の勝ち馬。同レースでは3番枠から好スタート&好ダッシュを切ってハナを主張。そのままマイペースで逃げて持ったままで4角を回り直線に出されると、そこから先行3頭による強烈な加速比べ。本馬はラスト1Fを過ぎた辺りで、フットワークの回転がさらに上がる。結果は2着馬に4馬身差、4着馬以下には大差をつけての快勝だった。

 ラスト2Fは11秒6-10秒9。ダ1000mだったので減量騎手のプラスはとても大きかったが、素質がかなり高くなくては記録できない数字だ。前走のなでしこ賞は1番枠から出遅れて最後方からの競馬になったが、最内からじわっと上がって3~4角で中目に誘導。4角で大外のモズナイスバディ―の内を割って勢いに乗せ、一気に2番手まで上がり、ラスト1Fで逃げ馬を捉えて半馬身差で完勝。3着馬に4馬身差で勝利したように、着実に力をつけている。

 今回、ライバルたちは前哨戦のダートグレードで能力を出し過ぎてしまった感がある。特にJBC2歳優駿は消耗度の高いレースで、2着のサンライズジパングは次走のカトレアSでは15着に敗れている。よって、ここに向けて照準を合わせてきた本馬の強みにも期待した。

○ (1)イーグルノワール

 ダートでは3戦3勝で前走の兵庫ジュニアGPを優勝した馬。前走は7番枠からまずまずのスタートを切って、二の脚で2番手まで上がったが、外から前を主張する2頭に行かせて好位の外を追走。3~4角から進出して4角で前2頭に並びかけたところで、外から(9)サトノフェニックスが上がり、直線では同馬とのマッチレース。サトノフェニックスにいったん前に出られたが、しぶとく踏ん張り、差し返して勝利した。

 前走ではサトノフェニックスとはハナ差だったが、3着馬(8)ゼルトザームに5馬身差で勝利したように、着実に力をつけている。前走は前半で前2頭が競り合ってペースを引き上げ、本馬とサトノフェニックスが早めに仕掛けたことで緩みない流れ。それを早めに動いて、ファイトバックした内容からも1400mよりも1600mでこそを感じる。ただし、前走で激走した後の一戦になるので、今回は前走比で指数ダウンする危険性がある。そのため対抗評価に止めた。

▲ (9)サトノフェニックス

 前々走のヤマボウシ賞では◎(10)ナスティウェザーなど、ダートの新馬戦で優秀な走りを見せた馬が集結していたが、それを制して2連勝目を挙げた馬。前走の兵庫ジュニアGPは2番枠から五分のスタートを切って、押して積極的に出したが位置を取れず、進路を外に切り替えて、好位直後の外を追走。3~4角の外から捲って4角では先頭列の一番外。先に動いた(1)イーグルノワールを目標に仕掛けていったん前に出たが、最後に差し返されてハナ差で敗れた。

 前走は4角で外を回されてはいるが、3~4角でペースが落ちていたので、そこまで致命的なものではない。しかし、スムーズな競馬ではなかったのは確か。1400mでも差して終いが甘くなるレースぶりから、距離が長くなる点はあまり好ましくないが、(12)フォーエバーヤングのほうが今回における不安があるので3番手評価とした。

注 (12)フォーエバーヤング

 デビュー2戦目でJBC2歳優駿を優勝した馬。前走のJBC2歳優駿は3番枠からやや出遅れ。後方3番手からの追走になったが、3角で上手く内目を捌いて進出し、4角で中団の外に出されると直線で一気に伸びて2番手に上がり、ラスト1Fで先に抜け出したサンライズジパングを難なく捉えて1馬身半差で完勝。3着馬を9馬身半も引き離して、古馬3勝クラスでも通用レベルの指数で優勝した。

 しかし、前々走は先行争いの激化でかなりのハイペースとなったもの。展開が噛み合ってのぶち抜きだっただけに今回で疲れが出る可能性が高い。実際にこのレースの2着馬サンライズジパングは、未勝利戦で後のもちの木賞の勝ち馬アンモシエラに4馬身の圧勝を収めた程の馬だったが、次走のカトレアSで15着とドボンしている。同馬はJBC2歳優駿が休養明けでの好走だったので、強くダメージが出たものではあるが、本馬も多かれ少なかれ反動が出る危険性が高い。

△ (8)ゼルトザーム

 兵庫ジュニアGPの3着馬。本馬は函館ダ1000mの新馬戦でも出遅れたが、前走の兵庫ジュニアGPでも4番枠からやや出遅れ。外から被されて進路をカットされ、キックバックを食らって頭を上げて徐々に下がり、後方3番手を追走。3~4角の外から一気に動いたことで苦しくなって、最後の直線では上位2頭に5馬身離されてしまった。前走は後方からの競馬になったことで展開に恵まれてはいるが、スムーズなレースはできていない。今回は上位2頭との差は詰まるだろう。上位2頭の疲れ次第で逆転があっても不思議ないと見ている。

△ (7)サントノーレ

 鎌倉記念の勝ち馬。同レースでは2番枠から好スタートを切ってハナに立ったが、外からモンゲースパイがダッシュ良くハナを主張したので、同馬を行かせてその外2番手を追走。モンゲースパイにプレッシャーをかけていき、3角手前で先頭。4角ではライゾマティクスが外から並びかけて来たが、直線序盤でじわっと引き離し、ラスト1Fでもうひと伸びして2馬身半差で優勝した。

 前走はオーバーペースで逃げて6着に失速したが、あくまでも叩き台だろう。中間で楽をさせた影響もあって馬体重8Kg増という数字以上に太かった。今回は相手が強化されるが、中央勢が揃って差し、もしくは出遅れ癖のある馬だけに、前に行っての一発を警戒した。

2023年 阪神ジュベナイルF・カペラS+メインの予想

香港マイルの予想を追加しました。
中央競馬は下記の3レースで終了ですm(__)m。

■内~中目から差せる馬が有利

 過去10年では2019年と22年こそ前半4F45秒台の極端なハイペースになっているが、大半は46~47秒台の平均ペース前後で収まることが多い。しかし、3着以内に入線した逃げ馬は、19年のレシステンシア(1着)のみ。先行馬も3勝、2着1回、3着1回となっており、他レースと比較しても圧倒的に3着以内の回数が少なく、中団よりも後方でレースを進める馬が活躍している。極端にペースが上がらなくても前が崩れることが多いのは、スローペースで逃げ、先行して勝ち上がってきた馬が多いからだ。

 今回もそれなりに逃げ先行型が多いことから、差し有利と見る。ただし、秋の阪神開催が3連続(10~12月)で行われた21年こそ外差し有利だったが、基本的に内からでも粘れている点には注意したい。また過去3年は変則開催でやや時計も掛かっていたが、5回京都→5回阪神に替わる開催は高速馬場(今年は超高速馬場)となるため(今年は3回京都→5回阪神)、3~4角で外を回るとロスを作ってしまうので、内~中目から差せる馬が有利だろう。それを中心に予想を組み立てたい。

本日1番 阪神11R 阪神ジュベナイルF 芝1600m
 ◎ (3)キャットファイト
 ○ (6)ステレンボッシュ
 ▲ (14)サフィラ
 注 (16)ルシフェル
 △ (18)ドナベティ
 △ (7)アスコリピチェーノ
 △ (2)クイックバイオ
 △ (5)スプリングノヴァ
 △ (11)スウィープフィート
結論 馬連3-6,14,16,18,7,2,5,11 (15:12:8:5:4:2:2:2) 複勝3 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (3)キャットファイト

 6月東京のボンドガールが勝利した新馬戦では6着敗退。この新馬戦では出遅れて中団からの追走になり、好位の直後を追走した(10)コラソンビートに伸び負けする形。あまり見せ場がなかった。

 しかし、そこから立て直された前々走の新潟未勝利戦では快勝。3~4角で中団馬群の中目で包まれて、直線序盤で進路がなく後退する不利を受けるも、ラスト2Fで位置を下げ切って、残り300mあたりで外に誘導すると、そこからしっかり伸びて1馬身3/4差で初勝利を挙げた。不利があったので、そこまで好指数は記録できなかったが、良い内容だった。

 そして前走のアスター賞では、6番枠からまずまずのスタートを切って、すっと内に入れて3番手を追走。終始開いていた最内をつき、3~4角で2列目まで上がる。直線序盤で逃げ馬の外に誘導されると、ラスト1F付近で先頭に立ち、そのまま突き抜けて5馬身差で圧勝した。

 前走はゴール板を過ぎてもまだ伸びていくような走り。それはラスト2Fの11秒6-11秒3の数字にも出ている。ここでは新潟2歳Sの優勝馬(7)アスコリピチェーノを上回り、京王杯2歳Sの優勝馬コラソンビートと同等の指数を記録した。キャリア3戦目でコラソンビートのダリア賞優勝時の指数を上回り、京王杯2歳Sと同等の指数を記録した点は優秀だ。

 前走時のラスト1Fの伸びからまだ余裕がありそうだし、前走から再び休養させ、成長を促しているのでさらなる伸びしろを感じる。エンジンが掛かってからが強いタイプなのでもっと距離があったほうが好ましいが、ここは通過点と見て本命馬とした。

○ (6)ステレンボッシュ

 このレースの前哨戦的な立ち位置となる、2歳牝馬のスーパー1勝クラス赤松賞の勝ち馬。同レースでは6番枠からまずまずのスタートを切ったが、そこから控えるとすぐに掛かり気味になり、コントロールが難しい状態に。内の馬に接触して、中団中目とポジションが下がったが、3角手前から再び進出して4角では好位の外に出た。直線序盤で追い出されると、早めに抜け出したテリオスサラを残り300m付近で捉えて先頭。食らいつく同馬を振り切って3/4差で完勝した。

 新馬戦では逃げ馬カズアブディーンの外2番手を追走していたが、同馬が1角で逸走。巻き込まれて1角でかなり外に膨らみ、中団中目まで位置が下がってしまったが、それを挽回して完勝した。またサフラン賞ではスプリンターズS当日の、内と前が残る馬場状態のなか、後方2番手から4角で大外を回ってハナ差の2着と、これまで一度もスムーズなレースができていない。それでまとまった成績が残せているのは素質が高いからに他ならない。

 本馬はある程度前の位置から末脚を生かしてこそのタイプ。スタートしてから控える選択をするため、内枠すぎると控えて3~4角の外を回る危険性があったが、今回は6番枠と内過ぎないちょうどいい枠に収まった。前々走のサフラン賞で16kg増と緩さの残る作りで、前走の赤松賞でも絞れていなかった。緩くても走れている以上、そこまで評価を下げる必要はないが、今回でいくらかでも絞れていればよりチャンスが広がる。

▲ (14)サフィラ

 アルテミスSの2着馬。同レースでは8番枠からまずまずのスタートを切って、軽く促されたが中団に下がる。道中はスティールブルーをマーク。3~4角では同馬後ろから4角出口で外。序盤は反応がなく、ラスト2F目でも3列目のまま。ラスト1Fで4番手、そこで鋭くチェルヴィニアに抜け出されたが、最後までジリジリ伸びて前2頭を交わし、3着スティールブルーとは半馬身差。チェルヴィニアとは1馬身3/4差だったが、しっかり2着を死守した。

 アルテミスSは前半4F48秒0-後半4F45秒6のかなりのスローペースで、ラスト3F11秒4ー11秒2-11秒0。極端な後半勝負となったことでキレ負けしているが、チェルヴィニアが加速したラスト1Fでもバテずに伸びたことは評価できる。本馬は前半でも置かれ気味になっており、本来はもっと距離があったほうが追走が楽になっていいと見ているが、今回はスプリント路線馬の出走で前哨戦よりもペースが上がるはず。そこに期待してみたい、

△ (16)ルシフェル

 新馬戦では次走コスモス賞圧勝のエコロヴァルツに敗れたが、その後2連勝。前走では牡馬相手の萩Sを勝利した。前走は5番枠からやや出遅れ、そこから促されていたが、6頭立てですぐにペースが落ち着いたので、5番手の中目でコントロールしながら追走。前のアレグロブリランテを壁にして仕掛けを我慢し、3~4角で同馬の後ろを通して3列目で直線へ。序盤で外に誘導して追われると、しっかり伸びて2番手に上がり、ラスト1Fで逃げ粘るビーグラッドを捉えて1馬身半差で完勝した。

 前走は前半5F50秒5-後半5F47秒9のかなりのスローペースで、ラスト2F11秒0-11秒5。ラスト1Fで減速しており、ラスト3Fで見てもそこまで強調できるものはない。しかし、致命的な弱点もない。またゲートも二の脚も甘く、前走から1Fの距離短縮でこのメンバーだと後方からの追走となる可能性が高い。16番枠と外枠で3~4角の外々を回るリスクはあるが、展開に恵まれての一発を警戒したい。

△ (18)ドナベティ

 ファンタジーSの2着馬。同レースでは1番枠からまずまずのスタートを切ったが、すぐ外のピューロマジックがハナを主張していったので、控えて中団の最内を追走。3~4角でも中団の最内を上手く立ち回り、直線序盤で前のスペースに飛び込んで最内を通してしぶとく伸び、ラスト2Fでは3列目まで上がる。ラスト1Fではそのまま内ラチ沿いを突いて勝ち馬カルチャーデイに半馬身差まで詰め寄った。

 前走は前がペースを引き上げて、前半3F34秒1-後半3F35秒2とかなり速い流れを作ったことで、完全に展開がハマる形となった。これは本馬よりも前の位置から3~4角で最短距離を立ち回った(13)カルチャーデイにも同じことが言える。

 ただ前々走のすずらん賞で内から寄られる不利があって後方2番手からの追走となり、3~4角の大外から押し上げて差し切った内容は強かった。同レースでは最後の直線で追えないほど激しく内にモタれる面を見せていた。この内容から前走はラチ沿いにこだわる競馬をしたのだろう。

 今回は前走から一転して大外18番枠。前々走時のように気の悪さを見せる可能性はゼロではない。また距離が延びて良いとは言えないタイプだが、この枠だと3~4角で距離ロスが生じる懸念がある。一方で、成長途上のレースぶりから、まだ伸びしろはありそうな気がしている。前走でいきなり超高速馬場に対応できたことも素晴らしく、ここは警戒しておきたい。

△ (7)アスコリピチェーノ

 デビュー2戦目で新潟2歳Sを優勝した馬。前走の新潟2歳Sでは、12番枠から出遅れて後方からの追走。そこから促されて好位直後の外目まで挽回し、3~4角でも好位直後の外だったがペースが落ちたため無理なく追走ができた。直線序盤で好位列。ラスト2F地点で2番手まで上がり、ラスト1Fで逃げ粘るショウナンマヌエラを捉え切って1馬身差で完勝した。

 新潟2歳Sは重賞としてはまずまずのレベルの指数。ただし、勝ちにいきながら距離延長にも対応し、その上で優勝したわけで大収穫の一戦だったと言える。ただし、ゲートの甘さや二の脚の甘さは改善されておらず、ここも後方からの追走となる可能性が高い。そのうえ中目の枠で鞍上は詰まるのが得意の北村宏騎手。この辺は減点材料だが、前走後に休ませたことで、この中間、成長力を感じさせる動きでもあったので、ここは警戒しておきたい。

推定1番人気 (10)コラソンビート

 新馬戦こそ後の重賞活躍馬ボンドガール、チェルヴィニアに敗れたが、そこからは破竹の3連勝で京王杯2歳Sを優勝した。前走の京王杯2歳Sは7番枠から出遅れたが、促されると楽に中団外目まで挽回。3~4角ではミルテンベルクをマークし、直線序盤で同馬の外に誘導して追われると、一気に3番手まで上がる。そこからもしぶとく伸びて、ラスト1F地点では先頭と3馬身ほどの差をしっかり詰め切ってクビ差で勝利した。

 前走はコンクリート馬場で緩みない流れ。けっして前が楽な流れではなかったが、ラスト1Fで加速した点は褒められる。ゲートは甘いが二の脚で挽回できるほどの能力があり、メリハリのあるレースぶりからも完成度の高さがうかがえる。ピッチ寄りの走法だが、ゲートの甘さを挽回して自在性が生かせるという意味ではマイルの方がいいだろう。ただし、休養明けで自己最高指数を記録した後の一戦となるので、今回で疲れが出る懸念もある。過信は禁物だ。
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■激流の傾向だが、例年より逃げ、先行型が手薄

 カペラSはJRAで唯一行われるダ1200mの重賞。ゆえにJBCスプリントの上位馬や同年のスプリント重賞で勝ち負けした馬、前走勝ちの上がり馬などの強豪が集結し、例年ほぼフルゲート16頭立てで行われる。スピード自慢のスプリンターが集うため、当然、出走馬16頭中、逃げ、先行策で勝ち上がってきた馬が大半を占める。

 またこの舞台の中山ダ1200mは、高低差4.5mのダートコースの頂上に位置する2角奥の芝のポケット地点からスタートするコース。緩やかに坂を下って行くコースで、最初の3角までの距離は502m。芝スタート+下り坂でダッシュが付く上に最初のコーナーまでの直線が長いとなれば、隊列形成もすぐには決まらず、前半ペースは速くなる。

 しかも、中山は年間を通してもJRAのどのダートコースよりも時計を要すタフな馬場状態。前に厳しい条件が揃ったも同然で過去10年の平均前後半3Fは33秒19-36秒69と速く、過去10年で5回も32秒台に突入している。

 しかし、それでも過去10年で逃げ馬が2勝、2着1回、先行馬(基準は3角の位置が2~5番手以内)は5勝、2着2回、3着7回と活躍している。逃げて連対した3頭はGⅠ、Jpn勝ちやそれに準ずる能力があった馬たちだが、やはりダ1200m戦はペースが上がっても逃げ、先行馬が強く、有力なのだ。

 その上で今年は例年のこのレースと比較した場合に、逃げ、先行型が手薄である。テンが速いテイエムトッキュウが4番枠と内枠を引いたので、同馬がハナを主張して、外のチェイスザドリームがその2番手と隊列がわりとスムーズに決まる可能性が高い。11月の室町S時にテイエムトッキュウに外からチェイスザドリームがファーンヒルとともに競りかけ、共倒れした経緯があるからだ。

 また、先行型にアイスリアンやピンシャンがいるが、それらはペースが上がっていいタイプではないので2列目を狙うだろう。ここはテンが速くなる中山を考慮しても、前半3F33秒半ばで入って行けると見ている。よって、先行型を中心に予想を組み立てた。

本日2番 中山11R カペラS ダ1200m
 ◎ (13)チェイスザドリーム
 ○ (16)リュウノユキナ
 ▲ (7)スズカコテキタイ
 △ (3)テイエムトッキュウ
 △ (10)タガノクリステル
 △ (14)オメガレインボー
結論 馬連13-16,7,3,10,14 (10:10:10:10:10) 複勝13 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (13)チェイスザドリーム

 4走前のOP・安達太良Sの勝ち馬。4走前は11番枠から五分のスタートを切った後、外にヨレてしまったが、それを立て直してじわっと先行。最終的には逃げ馬ハコダテブショウの外2番手まで上がり、3~4角でもハコダテブショウをマークで半馬身で直線へ。直線では同馬にしぶとく食らいつき、ラスト1Fでしぶとく伸びて先頭。外から強襲されたが、それをクビ差で振り切った。

 4走前は前半3F33秒6-後半3F36秒6のかなりのハイペース。当時、展開に恵まれて外から強襲したクビ+アタマ差の3着馬が(4)デュアリストである。

また前々走3走前のNST賞でも、4番枠からまずまずのスタートだったが、二の脚ですっと先行し、ハナに立ちかかったところを、外からシンシティが競ってくる。序盤は内から抵抗していたが、最終的には控えて2番手。3~4角でペースが落ちたところで、再び外から差を詰めて3/4差で直線へ。序盤ですっと反応してラスト1F標手前で先頭、抜け出しかかったが甘くなり、そこを外から一気にアルファマムに差されての半馬身差だった。

 しかし、前々走は前半3F33秒9-後半3F37秒3の超絶ハイペースだっただけに、負けて強しの内容で、ここでも展開に恵まれたデュアリストに先着している。

 前走の室町Sは3頭雁行と先行争いが厳しくなり、本馬は一番外を追走。最後の直線で一気に差し馬が台頭する競馬になったが、本馬は8着ながら着差は0.3秒差と大崩れしていない。前走で厳しい流れを経験したことで持久力の強化が見込め、ここでのもうひと押しを期待する。
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本日3番 中京11R 知立S 芝1200m
 ◎ (5)メイショウエニシア
 ○ (7)ドロップオブライト
 ▲ (8)ヒルノローザンヌ
 注 (2)ラキエータ
 △ (4)アビエルト
 △ (6)ロードラスター
結論 馬連5-7,8,2,4,6 (16:12:12:5:5) 複勝5 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にドロップオブライト(-17.0pt)、メイショウエニシア、メイショウツツジ(ともに-15.7pt)、タツリュウオー(-14.0pt)、ラキエータ、ロードラスター(ともに-13.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (5)メイショウエニシア

 前々走の道頓堀Sでは同型馬が不在。9番枠から好スタートを切って、二の脚で楽にハナを主張すると、すぐに隊列が決まり、前半3F34秒5のスローペースで逃げ、1馬身半差のリードで最後の直線へ。ゴールまであと50mくらいのところで、2番手のグレートゲイナーに前に出られてクビ差で敗れたが、しぶとい粘りは見せられていた。

 休養明けの前走・醍醐Sは、7番枠から好スタートを切ったが、外のアドヴァイスもテンが速く、それに抵抗していく形でハナを取り切るのに苦労。このため超高速馬場とはいえ、前半3Fが32秒6まで上がったために6着に失速した。しかし、着差は0.5秒差と致命的には負けていない。

 今回は3勝クラスの芝1200mのわりに前走で3角12番手以降の追い込み競馬をした馬ばかりが揃った一戦。ここは自分の型に持ち込んでの巻き返しが期待できる。
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香港4R 香港ヴァース 芝2400m
 ◎ (4)ファイブジーパッチ
 ○ (8)レーベンスティール
 ▲ (7)ジェラルディーナ
 注 (3)ゼッフィーロ
 △ (9)ウォームハート
結論 馬連4-8,7,3,9 (20:15:10:5) 複勝4 (50)

◎ (4)ファイブジーパッチ

 4走前のGⅠ・チャンピオンズ&チャッターCで3着と好走しているように、ここでも通用する能力がある馬。前走のジョッキークラブCはやや仕掛けが早くなったぶん伸びきれなかったが、着差は0.5秒差と大きく負けたわけではない。

 本馬は秋3戦目で今回が体調面のピーク。芝2400m路線は香港勢が手薄で日本馬が強しの舞台だが、日本馬は前走を目標とし、ここをついでに使ってくるような馬ばかり。それならばここが目標の本馬に期待したい。
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香港5R 香港スプリント 芝1200m
 ◎ (4)サイトサクセス
 〇 (1)ラッキースワイネス
 ▲ (8)ジャスパークローネ
 △ (3)マッドクール
 △ (10)ハイフィールドプリンセス
 △ (2)ウェリントン
 △ (7)デュークワイ
結論 馬連4-1,8,3,10,2,7 (20:10:7:7:3:3) 複勝4 (50)

◎ (4)サイトサクセス

 昨年の香港スプリントで逃げて2着した実力馬。前々走のプレミアボウルでは6Kgの斤量差があったとは言え、1番人気の(1)ラッキースワイネスを負かしている。前走のジョッキークラブスプリントは勝ちに行ったぶんの4着で内容は悪くない。ここは巻き返しを期待する。
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香港7R 香港マイル 芝1600m
 ◎ (4)セリフォス
 ○ (7)ビューティーエターナル
 ▲ (2)カリフォルニアスパングル
 △ (1)ゴールデンシックスティ
 △ (5)ソウルラッシュ
 △ (8)ビューティージョイ
 △ (11)エンカウンタード
 △ (13)ナミュール
 △ (14)ディヴィーナ
結論 馬連4-7,2,1,5,8,11,13,14 (10:10:10:4:4:4:4:4) 複勝4 (50)

◎ (4)セリフォス

 昨秋のマイルCSの覇者。同レースは10番枠からやや出遅れたが、そこから促されて中団中目まで挽回。しかし、道中はやや遅い流れで団子状態だったため、位置を下げて後方馬群の中目を追走した。3~4角でも後方の外目で包まれたままで、4角出口で下げながら外に誘導して直線へ。序盤の伸びは地味だったが、ラスト1Fで一気に前を捉えて1馬身1/4差で完勝した。

 このレースではジャスティンカフェやシュネルマイスターなど、最後の直線で馬場の良い中目を狙いたい中団馬、後方馬が3~4角から直線序盤に掛けて包まれ、能力を出し切れなかった。けっしてスムーズなレースではなかったが、結果的に外を選択したことは正解だったことになる。

 前走の安田記念は2着。ここでは4番枠から五分のスタートを切ると、やや促して好位の最内を追走。ポジションを取ってからはコントロールし、3~4角は2列目の内のスペースに。直線はジャックドールの後ろから伸び、ラスト1Fで捉えたが、外から(5)ソングラインに抜け出されて1馬身1/4差の2着に敗れた。前走は外差し有利の馬場。馬場の悪化した内側を通ったことが敗因のひとつであり、本馬は日本のマイル路線馬では1、2を争う存在だ。

 しかし、ぶっつけ本番の前走・マイルCSでは8着に敗退。前走ではまずまずのスタートを切ったが、そこから促して好位を追走。そこから位置を下げるのが本気の時の川田騎手だが、そのまま下げずに好位の外を追走。3~4角でも好位の外を追走し、3列目で直線へ。序盤で追われて2番手に上がったが、ラスト1Fで苦しくなって失速。外から一気に差されて8着に敗れた。

 前走はある程度、時計の掛かる馬場で前半4F46秒5-後半4F46秒0の緩みない流れ。末脚型でありながら、前半で脚を使って、3~4角で外を回っては失速も仕方ない。0.4秒差ならGⅠ馬の貫禄を見せられている。しかし、前走時、川田騎手が位置を下げなかったのは、当初からここが目標でマイルCSが叩き台だったから。当方もそれが推測がついていたからこその当落選上の△だった。香港勢は手強いがトップのゴールデンシックスティは長期休養明け。日本馬の本気に賭けたい。
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香港8R 香港C 芝2000m
 ◎ (5)ヒシイグアス
 〇 (3)プログノーシス
 ▲ (2)ロマンチックウォリアー
 △ (1)ルクセンブルク
 △ (4)ローシャムパーク
 △ (7)ストレートアロン
 △ (8)ソードポイント
 △ (9)ニンブルニンバス
 △ (11)オリゾンドレ
結論 馬連5-3,2,1,4,7,8,9,11 (10:10:9:9:3:3:3:3) 複勝5 (50)

◎ (5)ヒシイグアス

 昨年の宝塚記念2着の実績馬。同レースはタイトルホルダーがペースを引き上げて行く中で、10番枠からまずまずのスタートを切り楽な手応えで2番手まで上がり、そこから控えて好位の中目を追走する形。道中でやや折り合いに苦労していたが、3~4角で4列目の最内から最短距離を通り、4角で中目を捌いて3列目で直線へ。そこからしぶとく伸び、タイトルホルダーに2馬身差まで詰め寄る驚きの好内容だった。

 そこから長期休養明けとなった4走前の中山記念は、出脚は良くなかったが、中団中目をスムーズに立ち回り、一昨年に続く中山記念2勝目を挙げた。本馬の能力の高さは健在のようだ。その後は馬体重が乱高下しているように、体調面がもうひとつだったようだ。前走の天皇賞(秋)は9着だったが、逃げたジャックドールが最下位に敗れるハイペースを先行したもの。悲観する内容ではなかった。本馬は一昨年のこのレースの2着馬でもあり、秋3戦目のここは能力全開に期待する。

○ (3)プログノーシス

 これまで11戦6勝2着2回3着2回。唯一、4着に敗れた中日新聞杯は極端なスローペースで、3角手前の下り坂から一気にペースアップ。3~4角で内を回った馬が1、2、3、5着と上位入線する流れだった。本馬は6番枠から好スタートを切りながらもブレーキを掛けて後方2番手を追走し、4角で大外をぶん分回すロスがあった。直線序盤でも進路を作れなかったが、外に出されると1頭だけ違う末脚で伸び、勝ち馬とキラーアビリティからクビ+クビ+ハナ差。ペースが上がらない中、絶望的な位置から距離ロスの大きい競馬でも崩れなかったあたりに強さを感じた。

 前々走の札幌記念は自己最高指数で優勝。前々走は13番枠から五分のスタートを切って、序盤は無理をさせず後方に近い位置から追走。1角で内に入れ、向正面では内目のスペースを拾って位置を押し上げ、3角では好位。そこから外目に誘導しながら2列目まで上がり、4角2番手で直線へ。序盤で最内から抜け出したトップナイフに並びかけて、ラスト1F標地点で先頭。そこから抜き抜けて4馬身差の圧勝だった。

 前走の天皇賞(秋)では、出遅れて最後方からの追走だったが、早々と最内に入れて虎視眈々。レースが緩みなく流れる中で後方2番手のジャスティンパレスに取り付いて3角。3~4角では同馬の外から早めに動いて4角出口では前のアドマイヤハダルの外。直線序盤で同馬に並びかけて中団列まで上がり、ラスト2Fでは3番手争いに加わる。ラスト1Fで内のガイアフォースを交わし、ダノンベルーガを競り落としたが、外から一気にジャスティンパレスに交わされ、
3着に敗れた。

 前走は3~4角で速めに動いてジャスティンパレスよりも先に動いたにせよ、展開には恵まれていたはず。それを考えると勝ち馬イクイノックスと0.9秒差はやや物足りない内容だった。これは休養明け好走の反動によるものだろう。今回は巻き返せるとは見ているが、ここは逃げ、先行馬が手薄でペースが上がりそうにない。前走以上に後方から早めに動いて苦しくなるか、届かない危険性もあると見て対抗評価とした。

2023年 中日新聞杯・中京9R・中山9R+メインRの予想

本日は下記の5レースで終了ですm(__)m。

■3角から動いてもバテない脚を使える馬が有力

 6年前に1回中京開催からこの時期に移動した、ハンデGⅢの中日新聞杯。このレースが行われる中京芝2000mは、スタンド前の急勾配の上り坂の途中からスタートし、前半で緩やかに坂を上り、後半で緩やかに坂を下って行くコース。このため前半スローの上がり勝負が発生しやすく、一昨年はショウナンバルディとアフリカンゴールドの行った、行ったが決まった。

 しかし、古馬重賞のこのレースは、大半の馬が3~4角の下り坂で勢いに乗せて動くため、シンプルな前残りになることは稀。逃げ、先行馬も3角からもうひと脚使えなければ勝ち負けするのは難かしい。実際に一昨年の上位2頭も3角手前からスパートし、ラスト3F目となる4角で後半最速の11秒1が刻まれている。つまりこのレースは、3角から動いても最後までバテない馬を狙うのがポイントだ。

本日3番 中京11R 中日新聞杯 芝2000m
 ◎ (8)ホウオウビスケッツ
 ○ (10)リューベック
 ▲ (16)スパイダーゴールド
 △ (2)カントル
 △ (3)ドルチェモア
 △ (1)ユニコーンライオン
 △ (7)ヤマニンサルバム
 △ (11)ハヤヤッコ
結論 馬連8-10,16,2,3,1,7,11 (15:10:6:6:5:5:3) 複勝8 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (8)ホウオウビスケッツ

 今春の日本ダービー6着馬。同レースでは3番枠からまずまずのスタートを切り、楽にハナを主張したが、1角で外のパクスオトマニカを行かせて2列目の最内を追走。道中はペースが上がらず、掛かってコントロールに苦労していたが、向正面で徐々に後続を離していくパクスオトマニカを追い駆けずに3角へ。3角からさらに同馬は後続を引き離し、直線序盤では6馬身ほど差があったが、それをじわっと詰めて2列目。ラスト2Fで外のタスティエーラに並ばれて交わされたが、食らいついて2番手に上がったが、ラスト1Fでは内外から来られて一列下がり、最後はノッキングポイントとの5着接戦となったが、アタマ差で掲示板を外した。

 本馬は3走前のタフな馬場のスプリングSの3着馬。同レースではグラニットが逃げて、前半4F47秒3-後半4F49秒5のかなりのハイペースを演出したが、その流れに乗って2列目の最内を追走。最後の直線ではベラジオオペラに一気に差されて1馬身1/4差の2着だったが、とても逃げ、先行馬が押し切れるペースではなかったことを考えると立派な内容。また、この前に行って容易にバテない強みを、コンクリート馬場の日本ダービーで、もっとパクスオトマニカを追い駆けていたならば、上の着順が狙える内容だった。

 また、本馬はフリージア賞で逃げて後半5F57秒7でまとめており、良い脚を長く使える。おそらく中日新聞杯はベストマッチな舞台。また、スプリングS、日本ダービーでわずかに先着を許したベラジオオペラは先週のチャレンジC勝ち。3歳馬だけにベラジオオペラ同様に休養中の成長も見込める。意外と人気ではあるが、ここでの期待は高まる。
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本日4番 中京9R つわぶき賞 芝1400m
 ◎ (10)ヒヒーン
 ○ (12)コートリーバウ
 ▲ (4)ビーグラッド
 △ (1)セイウンデセオ
 △ (2)テラメリタ
 △ (3)ステラスプレンダー
 △ (6)ラヴァンダ
 △ (7)ルージュレベッカ
結論 馬連10-12,4,1,2,3,6,7 (15:15:4:4:4:4:4) 複勝10 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にヒヒーン(-8.7pt)、ビーグラッド(-6.3pt)、セイウンデセオ(-5.7pt)、バウンシーステップ(-5.3pt)、アサギリ(-4.0pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (10)ヒヒーン

 東京芝1600mの新馬戦では、ラスト2F11秒2-11秒3とかなり強い内容で勝利した馬。新潟2歳Sでは初戦好走の疲れで大敗したが、立て直されると良化。前々走のファンタジーSでは京都芝1400mで前半3F34秒1-後半3F35秒2とかなり速い流れを、出遅れて後方から追走したことで噛み合った面はあったが0.3秒差に善戦。前走の白菊賞では五分のスタートを切って、逃げ馬を徹底マークと勝ちに行く競馬で接戦の3着と善戦している。前走は前有利の展開に恵まれてはいるが、このように幅広い展開に対応できるのが本馬の魅力である。能力値1位のここは期待高まる。
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本日5番 中山9R 黒松賞 芝1200m
 ◎ (2)スピリットガイド
 ○ (1)シュシュトディエス
 ▲ (10)タイセイフェスタ
 △ (4)アララララ
 △ (9)マスクオールウィン
 △ (3)イスラアズール
 △ (11)クールベイビー
結論 馬連2-1,10,4,9,3,11 (10:10:10:10:5:5) 複勝2 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にマスクオールウィン(-9.7pt)、 アララララ(-5.7pt)、スピリットガイド、キョウエイカンセ(ともに-3.3pt)、タイセイフェスタ(-1.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (2)スピリットガイド

 前走は2番手で流れに乗り、ラスト2F標付近で先頭から押し切る強い内容の競馬。上がり3Fタイムもメンバー最速で非の打ちどころがない内容だった。2着馬に1馬身1/4差、3着馬にはそこからさらに2馬身半差をつけている。今回も好位で流れに乗れそうな組み合わせ。前走の着差以上の強さを評価して本命馬とした。
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本日2番 阪神11R リゲルS 芝1600m
 ◎ (9)ドゥアイズ
 ○ (1)グラティアス
 ▲ (3)エスコーラ
 注 (13)アナゴサン
 △ (6)エンペザー
 △ (2)コルテジア
 △ (4)ミッキーブリランテ
結論 馬連9-1,3,13,6,2,4 (15:15:12:4:2:2) 複勝9 (50)

◎ (9)ドゥアイズ

 デビュー3戦目に好位直後の外目から向正面で進出して2着に善戦した素質馬。今年2月のクイーンCでも2着に好走している。同レースは7番枠からやや出遅れたが、押してスピードに乗せ、じわっと挽回して好位の最内を追走。向正面で2列目まで上がり、最後の直線ではやや捌くのに苦労し、外の馬と接触する不利もあったが、ラスト2Fで捌いて先頭に立つと、そこからしぶとく粘った。最後にハーパーにクビ差交わされ、さらに外からモリアーナにハナ差まで迫られたが、早め先頭の競馬で2着だった内容は評価できる。

 前走の秋華賞は、前々走のオークスで出遅れて最後方からレースをしたためにレースの流れに乗れず、能力を出し切れなかった。叩かれた今回は状態面が上がってくるはず。今回は実績のあるマイル戦。おそらく(7)マテンロウスカイの逃げで、クイーンCと同じくらいの平均ペースで流れそうなのも、総合力が高い本馬には好ましい。ここでの復活を期待する。
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本日1番 中山11R 常総S 芝1800m
 ◎ (15)カナテープ
 ○ (9)デコラシオン
 ▲ (3)ロジハービン
 △ (10)ルドヴィクス
 △ (11)ボーンディスウェイ
 △ (4)セイウンプラチナ
 △ (13)レイトカンセイオー
 △ (12)モリノカンナチャン
結論 馬連15-9,3,10,11,4,13,12 (14:10:8:8:4:4:2) 複勝15 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にカナテープ(-18.0pt)、デコラシオン(-15.7pt)、ウインリブルマン(-14.3pt)、レイトカンセイオー(-14.7pt)、アールクインダム(-14.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (15)カナテープ

 ここまでキャリア8戦、前々走の2勝クラス・tvk賞ではオープンでも通用するレベルの指数を記録した馬。前々走では4番枠から好スタートを切って、好位馬群の中目を追走。3~4角で包まれ、4角~直線序盤では仕掛けを待ってラスト2F標手まで外に出されると、しぶとく抜け出して2着馬に2馬身、3着馬に3馬身3/4差つけて快勝した。このレースでは上がり3Fタイムも32秒6と速く、かなりの能力を持っていることを見せる走りだった。

 前走のユートピア賞は休養明けで自己最高指数を記録した反動が出たようで、行きっぷりが悪く中団からの追走。3~4角では中団馬群の中目で包まれて、直線序盤では前が壁。そこから外を狙ったが、外には出せず、ラスト2Fで進路を内に切り替え、進路を確保したのは残り300mくらい。ラスト1Fで猛追したが、3着が精一杯だった。巻き返しに期待する。

2023年 勝島王冠の予想

■大井記念の再現のようなペースになる?

 カジノフォンテン、アナザートゥルース、ライトウォーリア、ランリョウオーと前に行きたい馬が揃っていた今年の大井記念では、カジノフォンテンがハナを主張。向正面からペースを引き上げ、前半5F61秒9-後半5F63秒3のかなりのハイペースとなり、セイカメテオポリスの好位からのイン差しが決まった。

 今回はアナザートゥルースこそ不在だが、代わりにデュードバンが加わる。ランリョウオーは当時のように控える選択をし、カジノフォンテンが逃げる形になると見ているが、揉まれる競馬が得意ではないライトウォーリアは流動的だ。大井記念時のように内枠でも逃げ馬からスペースを作って追走できれば問題はないが、外から被されるようであれば逃げ馬の外に出して行く可能性もあるし、最初から出して行く可能性もある。デュードヴァンもこの距離で内枠なら出していくだろうか? 

 カジノフォンテンが全盛期のテンのスピードがあれば、前半でリードを奪い切って、平均ペース前後でまとめてくる可能性もあるが、本馬は以前ほどのスピードはない。そうなると前半で競られなくても、大井記念時のように向正面からペースを引き上げていく必要がある。当時は高速馬場だったが、現在はタフな馬場。そうなると大井記念時ほどペースが上がらなかったとしても、差しが決まる可能性が高い。

 ただ大井記念時と違って、内が伸びない馬場なので、外から差す馬が有利だろう。ここはカジノフォンテンも捨てがたくはあったのだが、展開に恵まれる公算が高い外差し馬と本命馬とした。

大井11R 勝島王冠 ダ1800m
 ◎ (12)ロードレガリス
 ○ (11)カジノフォンテン
 ▲ (7)マンガン
 注 (4)ライトウォーリア
 △ (2)サヨノネイチャ
 △ (14)リベイクフルシティ
結論 馬連12-11,7,4,2,14 (14:14:14:4:4) 複勝12 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (12)ロードレガリス

 2020年の平安Sでは、現時点で2番人気の(10)スワーヴアラミスを撃破して優勝した馬。同レースでは、6番枠からまずまずのスタートを切って、好位の外目を追走。道中はペースが上がらずに団子気味だったが我慢し、3角では2列目の外。楽な手応えに前との差を詰め、4角では先頭列に並びかけて直線へ。序盤では内から抵抗するスワーヴアラミスとの一騎打ちになったが、早々と半馬身ほど前に出る。ラスト1Fで突き放しにかかったが、スワーヴアラミスが食らいついて半馬身差のままではあったが、しっかりと勝ち切った。

 このように本馬は揉まれない競馬で強い馬。さすがに全盛期の勢いはないが、長期休養後もプロキオンS4着、エルムS5着と善戦している。また、今年の東海Sでも6着と、今年の日本テレビ杯で3着のスワーヴアラミスとそれほど変わらない能力で走れている。その後の2戦は崩れたが、そこから立て直されて大井再移籍後の前走、フリオーソレジェンドCでは(6)ギガキングと3/4馬身差の2着に善戦。ここでは内枠で好位の最内を追走していたが、砂を被らない位置を追走できていた。

 今回は4ヵ月の休養明けにはなるが、近走の本馬はレース間隔を開けたほうが走れているし、この枠なら前記の平安S同様に、スワーヴアラミスの外から動いて行く競馬で揉まれない競馬ができるはず。また、スワーヴアラミスは前走が大目標でそこで結果を出していることから、今回で指数ダウンすると見ている。よって、本馬を◎とした。

○ (11)カジノフォンテン

 一昨年はJpnⅠ・川崎記念を逃げ切り、かしわ記念でも内の逃げ馬に行かせて、その外3番手を追走し、向正面でじわじわ位置を上げ、4角先頭から押し切って優勝した馬。本馬はその後にスランプになったが、昨年は強豪相手の川崎記念で5着、昨秋の勝島王冠でも3着、そして前走の大井記念では2着に好走するなど、ある程度は復調している。というよりは、かつてと比べるとテンのスピードに衰えを見せているが、現状の能力は出し切れる状態になっている。

 前走のフリオーソレジェンドCでは、タフな馬場の船橋で同型馬に競られ、オーバーペースの逃げ。結果、8着に失速したが、前走時よりはスムーズに逃げられそうなここは期待したい。大井記念でかなりのハイペースで逃げて2着に善戦しているように、高速馬場なら本馬を本命にしていたところだが、今の大井のタフな馬場を考慮すると、やや苦しいのではないかという見立てだ。

▲ (7)マンガン

 一昨年の金盃の覇者。同レースでは3番枠から五分のスタートを切って、外の各馬を行かせて、中団の最内を上手く立ち回り、2週目の3~4角で外に出されると、4角大外から一気に2列目に進出。直線序盤で先頭に立つと、そこから突き抜けて9馬身差で圧勝した。

 本馬はその後の東京記念TRで2度の優勝があるように、出遅れ癖やテンに置かれる面があるので、長距離がベストだが、昨年の埼玉栄冠賞(ダ2000m)でも2着の実績がある。1800mは距離が短いが、時計の掛かる馬場なら序盤後方でも道中で中団くらいまで挽回できる。ペースが上がった場合が怖い一頭だ。

注 (4)ライトウォーリア

 7走前の埼玉栄冠賞は逃げて3馬身差の圧勝、6走前の勝島王冠は大外16番枠から好位の外を追走して、2馬身差で完勝した馬。かつてよりはマシになってはいるが、中央所属時代から逃げか、好位の外と揉まれない競馬ならば好走する馬だ。

 5走前の東京大賞典は3番枠から好スタートを切って積極的に出して行ったが、外から被され、揉まれる競馬で5着。3走前の川崎記念では10番枠からじわっと出してハナを主張したものの、外からテリオスベルに捲られて苦しくなり、ここでも5着。前走の帝王賞でも9番枠から内から逃げるプロミストウォリアに競り掛けて、オーバーペースの競馬で6着。

 そして休養明けの前走白山大賞典では好位の外を追走と理想的な形ではあったが、相手が強くて5着に敗れた。しかし、後のチャンピオンズCで2着となるウィルソンテソーロにこそ離されているが、2着メイショウフンジンと4馬身差、4着ケイアイパープルとは2馬身差で、絶望的な敗戦でもない。スタミナが不足する休養明けだった影響もあったのだろう。今回はひと叩きされての前進が見込め、揉まれない競馬ならチャンスがある。

△ (2)サヨノネイチャ

 デビューから10戦8勝2着と連対率100%の馬。前走のA2スポーツニッポン賞でも13番枠から五分のスタートを切って、じわと位置を上げ、好位の外目から最後の直線でさらに外に出しての差し切り勝ち。4Kgの斤量差はあったが、前有利の展開に恵まれたオープンで上位常連のマッドルーレットに完勝したことは評価できる。前走からさらなる成長があれば、斤量54Kgを生かしての浮上があっても不思議ない。

△ (14)リベイクフルシティ

 4戦4勝で大井1200mのゴールドジュニアを優勝した馬。当時2着に下したポリゴンウェイウは次走のハイセイコー記念でマンダリンヒーローと差のない2着しているように、2歳時はトップクラスに準ずる実績を持っていた。

 ただゴールドジュニアは、前半3F34秒2-後半3F38秒6(ラスト2F12秒5-13秒3)の超絶ハイペース。4番枠からやや出遅れて中団中目を追走し、最後の直線で大外から差し切った本馬は展開に恵まれた面が強く、その後はやや苦戦するかもと見ていた。

 しかし、京浜盃4着、羽田盃4着と意外と好走。特に羽田盃は3番枠から好スタートから好位を追走し、3~4角で位置を押し上げて4角で先頭に立ったミックファイアを追いかけて行く競馬。直線序盤ではスパートする同馬について行く脚を見せながらも、ラスト1Fで甘くなったもの。なかなかの好内容だった。

 前々走の東京ダービーは先行馬手薄の状況下で好位の外でスムーズにレースの流れに乗れてはいたが、3角手前で外からヒーローコールが捲って来て、それに抵抗して早仕掛けをしたために9着に敗れた。内容は着順、着差ほど悪くない。前走の優駿スプリントでは、クラシック2戦で善戦した疲れもあって14着と崩れたが、立て直されたここは警戒しておきたい。休養中に成長していれば通用するだろう。

2023年 チャンピオンズC・メイン以降の予想

本日は計4レースで終了ですm(__)m。

■近年はややスローから平均ペースで決着

ジャパンカップダートから『チャンピオンズC』と名を改め、中京ダ1800mで行われるようになって今年で10年目。2014年は前後半5F62秒3-60秒6の極端なスローペース、15年は同60秒2-62秒4の極端なハイペースだったが、近年はすべて良馬場で、前半4F48秒中盤から49秒台後半の、ややスローから平均ペースの範囲内で決着している。これは各競馬場のダ1800m戦と比較すると遅い傾向だ。

このレースのペースが上がりにくいのは、坂の上りの途中からスタートするコースの上に、最初のコーナーまでの距離が約300mと短いことが影響している。前半が遅く、向正面でもペースが上がらない場合は、3角手前の下り坂から一気にペースアップするケースが多い。基本的には前半のペースが上がりにくいのがこのレースの特徴だ。

今年は何が何でも逃げたい馬は不在であるが、手強い逃げ、先行型が集結した。それらが外枠に入ったので、1~2角で外に張られないようにペースを引き上げていく可能性も高いと見る。中京ダ1800mの場合、1角までに隊列が決まらないと、2015年のように極端なハイペースになることもあるだけに、どちらのペースでも対応できる馬を中心視したい。

本日1番 中京11R チャンピオンズC ダ1800m
 ◎ (4)テーオーケインズ
 ○ (5)ドゥラエレーデ
 ▲ (6)グロリアムンディ
 △ (3)ジオグリフ
 △ (7)ウィルソンテソーロ
 △ (9)クラウンプライド
 △ (12)セラフィックコール
 △ (14)アイコンテーラー
 △ (15)レモンポップ
結論 馬連4-5,6,3,7,9,12,14,15 (10:10:5:5:5:5:5:5) 複勝4 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (4)テーオーケインズ

 一昨年の覇者。同レースでは6番枠からまずまずのスタートを切って、外から前を主張する各馬を行かせ、好位の中目を追走した。向正面でスペースを作って、3~4角では早めに動いた前のインティを追いかけて2列目まで上がって直線へ。直線序盤で外に出されるとグンと伸びて一気に先頭、6馬身差で完勝した。昨年もJBCクラシックを優勝しているように、能力は高い。

 前々走の帝王賞は海外遠征直後で調整が難しく、接戦での3着。このレースでは1番枠からやや出遅れて中団の最内を追走したため、3~4角で包まれて最後の直線で馬群を捌きながらの競馬になった。これも敗因のひとつである。

 前走のJBCクラシックは3番枠からまずまずのスタートを切って内の(10)ノットゥルノを行かせて2番手を追走、この馬をマークする形で進めた。直線では、3~4角で外から上がったキングズソードに前に出られ、ノットゥルノとの叩き合いにもアタマ差敗れての3着だった。スタミナが不足する休養明けで、タフな馬場となった大井で、かなりのハイペース。最後に苦しくなっての3着と、敗因は明確だ。

 今回は前走で能力を出し切れていないので疲れもなく、その前走で厳しい流れを経験したことで順当に息持ちの良化も見せるだろう。本馬は年内引退の予定で、これがラストランになる可能性もある。年齢を重ね、一昨年のこのレースで見せたような末脚は使えなくなっているが、そのぶん、持久力が強化されており、まだまだやれる。また、ペースに関しても前走でハイペースの中3着、一昨年の当レースで前後半4F49秒3-48秒3のスローに対応して1着。ペースへの対応力と、ここでの変わり身に期待して、今回の本命馬だ。

○ (5)ドゥラエレーデ

 デビュー3戦目、初ダートの未勝利戦を2番手外から3角で先頭に立ち、3着以下には大差をつけて勝利した。当時記録した指数は1クラス上のものだったことから、ダートでの高い潜在能力を感じていた。その後は芝のホープフルSを優勝。次走のUAEダービーではダート2戦目ながら、後にBCクラシック2着と好走したデルマソトガケの2着に入線した。

 UAEダービーは8番枠から五分のスタート、そこからは押してハナを主張しにいったが、内のデルマソトガケのテンが速く、同馬の外2番手でレースを進める。道中はコントロールしながら、デルマソトガケをマーク。3~4角では同馬に食らいつくが3/4差にリードを広げられ、直線序盤では2馬身差つけられた。ラスト1Fまでしぶとく食らいついたが、結果は5馬身半差の完敗だった。

 しかし、3着コンティノアールには4身半差をつけており、そこからさらに3馬身半差の4着がペリエールだから、とても価値の高い2着だったと言える。それもレースがかなりのハイペースで流れた中の結果だから侮ってはいけない。

 日本のパサパサのダートにどこまで対応できるか、という課題はあるが、初ダートの札幌ダ1700m戦で高い潜在能力を見せていることから、日本のダートが滅法苦手ということはないだろう。近2走は芝で凡退しているが、ダートのキャリアは2戦と浅く、まだまだ上昇が期待できる。逆転劇に期待したい。

▲ (6)グロリアムンディ

 デビューからしばらくは芝を使われていたが、ダートに路線転向してから急上昇。1勝クラス勝ちから一気に重賞アンタレスS2着まで駆け上がった。昨年のチャンピオンズCは休養明けで、ゲートでアオり、進みも悪く大敗したが、そこから再度休養明けで挑んだダイオライト記念では圧勝Vを果たした。

 ダイオライト記念は1番枠から五分のスタートを切り、軽く促されて好位の内目を確保したが、そこからじわっと位置を下げて、道中は中団中目を追走した。2周目の向正面で徐々にペースが上がっていく中、わりと楽な手応えで内から3角へ。やや詰まりはしたが、砂の深い最内から押し上げて4角ではもう先頭、2馬身差のリードで直線を向いた。そこから後続を5馬身引き離し、ラスト1Fではさらに差を広げ、2着に9馬身差をつけて圧勝した。

 前走のコリアCは向正面で先頭に立った(9)クラウンプライドを捲りにいった結果、大差をつけられる形となったが、休養明けで能力を発揮できなかったのだろう。タフな馬場のダ2400m戦で圧勝しているように、スタミナを生かしてこそのタイプ。前走はJRAよりも軽いダートで前後半4F50秒3-48秒9とかなりのスローペースで、速い上がりを求められたのも敗因のひとつである。

 ダ1800mは本馬にとっては短いが、昨年のアンタレスS2着時のように前がペースを引き上げてくれれば通用するはず。仮にペースが上がらないようであっても、前々走の平安S(ダ1900m)のように、向正面で捲って前にプレッシャーをかけていけばチャンスはある。

△ (3)ジオグリフ

 休養明け&初ダートとなった4走前のサウジCで4着と好走した馬。同レースでは12番枠から五分のスタートだったが、そこから押して好位の中目まで上がって行く形。最終的にはオーバーペースで逃げるパンサラッサの外2番手を追走した。残り50mで甘くなって、そこをカントリーグラマーやカフェファラオに差されたが、勝ちに行く競馬でカフェファラオとアタマ差だった点は高い評価ができる。

 その次走のドバイワールドCは休養明け好走の反動で11着に大敗したが、初ダートで世界を相手にそれなりの結果を出せたのは、ダートでの素質が高いということ。確かにサウジはダートではあるが、厳密には芝馬も活躍の余地があるオールウェザーを使用した馬場ではあるが、芝が苦手なカフェファラオでも4着にこれているように、ダート適性もないと通用しない。

 休養明けの前走、マイルCS南部杯では好位の外を追走して9着と大敗したが、(15)レモンポップが圧倒的な強さを見せただけで、2着のイグナイターとは1.2秒差。また超高速ダートで距離が短かったというのもあるはず。ひと叩きされて、1Fの距離延長。ややタフなダートならチャンスはあると見る。

△ (7)ウィルソンテソーロ

 3走前のマーキュリーCでは、初めての距離2000mにも対応して、重賞2勝目を達成。同レースでは9番枠から五分のスタートを切って、無理せず5番手を追走。3~4角からじわっと進出して、4角で前を射程圏に捉えると、直線で一気に伸びて4馬身差で圧勝。ここでは今年の帝王賞の上位3頭と同等の指数を記録した。

 ただし、3走前はレースが緩みない流れとなったことで展開に恵まれ、超絶高速馬場でスピードが問われたことで、距離適性がそこまで求められなかった面もある。そこで自己最高指数を記録となると、前走の白山大賞典は不安もあったが、3番枠からまずまずのスタートを切って好位でコントロール。2週目の3角で好位の外から押し上げて4角では2列目の外。そのまま直線でメイショウフンジンを捉えて半馬身差で勝利した。

 前走のJBCクラシックでは5着に敗れたが、同レースは前半5F61秒5-63秒6のかなりのハイペース。前半が速い流れの中で逃げる(10)ノットゥルノにプレッシャーをかけに行く◎(4)テーオーケインズの直後を追走と、勝ちに行く競馬をしたことが敗因だろう。本馬はマーキュリーCで上がり3Fタイム2位の馬を1.0秒も上回る№1の上がり3Fタイムで優勝しているように末脚型。今回は末脚を生かす競馬での巻き返しを期待してみたい。

△ (9)クラウンプライド

 昨年の当レース2着馬。当時は10番枠から五分のスタート。ゲートが上り坂の途中にある影響でペースは速くなく、軽く促されると勢いがついて先頭集団に混じった。外のレッドソルダードがハナへ行くのを待ち、それを行かせて2番手を追走した。道中はペースが遅く、しばらく掛かり気味だったが、3~4角でも仕掛けを我慢して直線へ。直線序盤で追い出されるとスッと抜け出し、ラスト1Fで2列目の馬たちを振り切ったが、外からジュンライトボルトに差され、クビ差で敗れた。

 今年の帝王賞でも2列目追走から、最後の直線で早め先頭に立ったところを、外からメイショウハリオ、◎(4)テーオーケインズに強襲された。結果、メイショウハリオにハナ差先着されての2着だった。しかし、テーオーケインズをアタマ差で退けているように、能力は高い。前走のコリアCでも14番枠から楽に2番手の外まで上がって追走し、向正面先頭からそのまま押し切って、2着(6)グロリアムンディに大差をつけて完勝している。

 立て直されてはいるが、前走が強烈な勝ち方だっただけに、疲れが取り切れているかどうかが不安である。今回は逃げ、先行型が手強く、昨年のチャンピオンズCや前走のように、楽に前へは行けないはず。よって昨年ほどの走りは期待できないだろう。

△ (12)セラフィックコール

 新馬戦から5戦して無敗。デビュー2戦目となった今年4月の1勝クラスでは、出遅れて最後方から徐々に位置を押し上げて、4馬身差で圧勝。当時、記録した指数は3勝クラス通用域のものだったことから、順調なら今年中にオープン入りを果たすのだろうと見ていた。しかし、想定を上回るスピード出世で、初めての重賞挑戦となった前走のみやこSも優勝した。

 前走は15番枠からやや出遅れ。躓いて最後方に下がったが、そこから押し上げて中団の直後まで挽回。道中もじわっと押し上げ、3角の下りでも外々から押し上げたが、4角でも押し上げきれずに大外に張られる形。それでも追われて苦しかったのか、直線序盤で内にモタれたが、立て直されて好位列まで上がると、ラスト1Fで一頭違う脚で突き抜けて3馬身差で完勝した。

 本馬はゲートが下手でこれまで一度もまともにスタートを切ったことがなく、エンジンの掛かりも遅いが、エンジンが掛かってからが強い。まさにディヴィーナのダート版で、序盤からエンジンを掛けていく大胆な戦法に出るM.デムーロ騎手とは手が合う。エンジンが掛かってからの競馬では底を見せていないが、このタイプは自由に動ける外枠でこその面がある。

 本馬はこれまで全てが10番枠より外で、内枠を引いた時にドボンするのではないかと見ていたが、今回もまた12番枠と外枠を引いた。例年のこのレースのように上がりの速い決着になると苦戦する可能性もあるが、まだ底を見せていないので警戒しておきたい。

△ (14)アイコンテーラー

 休養明け&初ダートで3走前のBSN賞を完勝すると、前々走のシリウスSでも2着と善戦し、前走ではJBCレディスクラシックを優勝と、一気に上昇した。前走は4番枠から五分のスタートだったが、促されるとスッと行き脚がついて先行。道中は内からハナを主張したヴァレーデラルナにある程度プレッシャーをかけながら追走した。3角手前で同馬に並びかけ、3~4角で先頭。捲ってきたテリオスベルに抵抗しながら2頭で並走して直線を向いた。直線序盤で同馬を振り切り、一気に抜け出して4馬身差をつけ、最後までその差を守りきって完勝した。

 このレースはタフな馬場でペースも速かったため、逃げたヴァレーデラルナは12頭立ての11着、3番手を追走したノーブルシルエットは12着と、ともに大失速した。その中で唯一前で粘れたのが本馬だ。それも捲ってきたテリオスベルを振り切って、2着のグランブリッジに4馬身差をつけ、展開に恵まれた3着アーテルアストレアには4馬身半差をつけての圧勝だから高い評価ができる。

 ただし、本馬は前走が大目標。過去のチャンピオンズCでは牝馬のサンビスタが優勝したことがあるが、JBCレディスラシックで2着に敗れた後の参戦だった。また、前走が消耗戦でもあっただけに疲れが残りそうだ。さらに相手が強化されるここは、やや苦しいのではないかと推測されるが、芝で長らく使われていたダート馬はその後の上昇力が大きいこともあり、買い目に加えた。

△ (15)レモンポップ

 今年のフェブラリーSを完勝してGⅠ馬になり、前走のマイルCS南部杯では圧巻の走りを見せた。3番枠からまずまずのスタートを切って、枠なりでハナを主張すると、道中はコントロールして後続を引き付けての逃げ。3角では2番手外のイグナイターとはクビ差で回ってきた。3~4角で後続を引き離して約4馬身のリードで直線へ。序盤の上り坂を楽な手応えで駆け上がると、どんどん後続を引き離しての大差勝ちだった。

 2着馬イグナイターに2.0秒差。そのイグナイターは次走でJBCスプリントを制しているように、けっして弱い馬ではない。盛岡の超高速ダートで前後半4F47秒4-46秒4のスローペースだったことを考慮しても、あまりの大きな着差に度肝を抜いた。本馬はこれまで折り合いに専念してきたが、本来は逃げてこそのタイプだったということになる。

 記録した指数は、馬場と展開に恵まれたとはいえ、圧倒的なもの。前走通りに走ればここも圧勝だが、今回は激走の疲れが懸念される。さらに逃げ、先行型が手強く、大外15番枠となると、本気で主張すれば1角までにハナを取り切れるにせよ、前走ほど楽には逃げられないはず。また1400~1600mで結果を出してきた馬だけに、1Fの距離延長もプラスとは言えない。能力値も最高値もNo.1だが、その辺りの割引が必要だ。
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本日2番 阪神11R ギャラクシーS ダ1400m
 ◎ (8)メイショウウズマサ
 ○ (11)ワルツフォーラン
 ▲ (3)アイオライト
 △ (9)エーティーマクフィ
 △ (12)カセノダンサー
 △ (4)マルモリスペシャル
 △ (6)ディアノイア
結論 馬連8-11,3,9,12,4,6 (10:10:10:10:5:5) 複勝8 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にアイオライト(-28.3pt)、エーティーマクフィ(-25.7pt)、メイショウダジン(-23.3pt)、カセノダンサー(-23.0pt)、オーヴァーネクサス(-21.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (8)メイショウウズマサ

 ダ1400mのオープン&リステッドで何度も好走の実績がある馬。6走前にはOP・バレンタインSを、逃げ切り勝ちしている。同レースでは1番枠からトップスタートを切って、楽にハナを主張。外からケイアイターコイズらが絡んできたが、コントロールしてペースを上げ過ぎずに3角へ。3~4角では仕掛けを待ち、4角で仕掛けて直線へ。ラスト2Fで追われて2番手のケイアイターコイズに1馬身差まで差を広げたが、ラスト1Fで詰め寄られ、クビ差の勝利となった。

 しかし、ケイアイターコイズは後のオープンで2勝、昨秋の霜月Sでは今秋の武蔵野Sを制したドライスタウトと0.3秒差の2着に好走しているほどの実績馬。同馬に先着ならクビ差でも高い評価ができる。
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 前走の武蔵野Sはスタミナが不足する長期休養明けながら、トップスタート&好ダッシュでハナを主張し、逃げるスピードを見せた。さすがに相手が強く、距離も長かったためにラスト1Fで苦しくなって失速してしまったが、スピード面が衰えていないことは感じさせた。ひと叩きされた今回は粘りが違ってくる。

 本馬は通算5勝2着1回3着5回の実績だが、この3着以内はすべて逃げ戦法でのもの。今回はテンの速い(11)ワルツフォーランが出走しているが、同馬は揉まれない競馬が好走の条件で、ハナにはこだわらないタイプ。強豪(3)アイオライトも前走で1800m戦を使われているので、同馬に競り掛けるまでは難しいと見ている。よって、本馬の逃げて馬券圏内突入に期待する。

○ (11)ワルツフォーラン

 阪神ダ1400mの3勝クラス・播磨Sを勝利し、前々走のOP・天保山Sでも2着と好走した馬。播磨Sは逃げ、天保山Sは好位の外を追走と、本馬も揉まれずに行ければしぶとい。前走のながつきSは芝1200mの2番枠だったため、強引に押してハナを主張したために忙しい競馬。結果12着に失速した。しかし、今回は◎(8)メイショウウズマサの外が狙えるだけに、変わり身を期待したい。


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本日3番 中山11R ラピスラズリS 芝1200m
 ◎ (1)サンライズオネスト
 ○ (2)カンティーユ
 ▲ (6)メイショウゲンセン
 △ (3)サトノファビュラス
 △ (4)サマートゥリスト
 △ (5)ロードベイリーフ
 △ (9)コムストックロード
 △ (10)ジャスパージャック
結論 馬連1-2,6,3,4,5,9,10 (21:15:4:4:2:2:2) 複勝1 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にカンティーユ(-20.7pt)、メイショウゲンセン(-19.7pt)、サマートゥリスト(-17.0pt)、サンライズオネスト、ロードベイリーフ(ともに-16.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (1)サンライズオネスト

 芝短距離のオープン&リステッドで2着3回、重賞でも2度の3着がある実績馬。特に5走前の福島芝1200m戦、モルガナイトSでは8番枠からまずまずのスタートではあったが、じわっと2番手に上がって逃げるヴィズサクセスにプレッシャーをかけていく形。最後まで同馬との差を詰め切れず、クビ差の2着に敗れているが、レースが緩みなく流れて、本馬の外3番手を追走したショウナンバニラが11着に失速したことを考えると、よく粘っている。

 このように本馬は好位で流れに乗り、上がりの掛かる展開になると強い馬。前走のみちのくSでも大外16番枠ではあったが、トップスタートを切って、自分の型に持ち込むことができた。今回で上位人気に支持されている能力値上位の(6)メイショウゲンセン、(2)カンティーユは逃げてこその馬。他にも逃げがベストの(10)ジャスパージャックが出走している。小頭数ではあるが、ここまで前に行きたい馬が集うとさすがにハイペースにはなるはずで、それらを見ながら好位で流れに乗れる可能性が高い、本馬を本命馬とした。

○ (2)カンティーユ

 これまで18戦してハナを譲ったことが2度のみの馬。逃げるとしぶとく、3走前の新津特別は3番枠から好スタートを切って、楽にハナを主張し、2着馬に5馬身差の大楽勝。その次走で南総Sも逃げ切り勝ちし、長期休養明けでオープン初挑戦となった前々走のしらかばSでも逃げてハナ差の2着に善戦した。

 本馬は前々走で逃げながらも道中でペースをコントロールし、最後の直線で再加速したように、折り合う競馬でもやれそうな気配はある。しかし、今回はテンの速い(6)メイショウゲンセンが出走しているので、競り合うリスクもある。すんなり2番手で折り合えば好走の可能性が高いが、競り合った場合のリスクも考慮し、対抗馬とした。
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中京12R 栄特別 芝2200m
 ◎ (8)フロムナウオン
 ○ (5)タガノフリューゲル
 ▲ (10)フォーグット゛
 △ (4)スリリングチェイス
 △ (6)プラニスフェリオ
 △ (2)ディープマインド
 △ (7)マイネルカンパーナ
結論 馬連8-5,10,4,6,2,7 (10:10:10:10:5:5) 複勝8 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にスリリングチェイス(-9.7pt)、 プラニスフェリオ、フロムナウオン(ともに-9.0pt)、タガノフリューゲル(-6.3pt)、マイネルカンパーナ(-5.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (8)フロムナウオン

 6走前の山吹賞では逃げて後の菊花賞馬ドゥレッツァの2着に善戦したように、スタミナ豊富な馬。3走前の瓢湖特別では3列目の内を追走し、3~4角で好位馬群の中目から押し上げていく競馬で接戦の3着。前々走では好位の外から3~4角で先頭列に並びかけ、直線序盤で先頭。終始外を回るロスの大きい競馬で、ラスト1Fで甘くなったところを外から差されて、クビ差の2着だった。

 このように1勝クラスでは力量上位で、一介の逃げ馬ではなく、好位から馬群を捌いて行く競馬にも対応できている。前走は初ダート。前半は好位の内を追走していたが、外から被されてどんどんポジションが悪くなり、最後の直線では前が壁。そこからさらに位置を下げて外を狙うロスがあっての3着だった。ダートの前走も悪い内容ではなかったが、現状は中長距離がベスト。今回は芝2200mで反撃を期待する。

2023年 ステイヤーズS・チャレンジC+阪神9R+メインR以降の予想

本日は下記の4レースで終了ですm(__)m。

■穴馬は芝3000m級が未経験の前に行ける馬

 ステイヤーズSは芝3600mの日本最長距離戦。天皇賞(春)などのGⅠではやや能力が足りない長距離馬にとって、最終目標となるのがGⅡのこのレースだ。重要なのは芝3000m級の距離実績。過去10年の優勝馬10頭中8頭が、芝3000m以上で3着以内の実績があった。

 該当馬は2013年のトウカイトリック、2014年のデスペラード、2016年と2017年のアルバート、2018年のリッジマン、2020年のオセアグレイト、2022年のシルヴァーソニック。その他、2着馬7頭、3着馬4頭が前記項目に該当している。

 しかし、芝3000m級の実績がないにも関わらず、通用しているのはどのようなタイプかというと、昨年アイアンバローズが逃げて2着に善戦しているように、前に行く馬だ。そもそも前に行く馬はスタミナに自信があるからこその場合が多いのもあるが、大半の馬が初距離となるために、例年かなりのスローペースが発生しているのが理由だ。

 今回は芝3000m以上で3着以内の馬はワープスピード、メロディーレーン、アイアンバローズ、テーオーロイヤル4頭と少ない上に、それらの馬はここが目標の臨戦過程ではないので、前に行けるスタミナ豊富なタイプを本命馬とした。

本日4番 中山11R ステイヤーズS 芝3600m
 ◎ (12)セファーラジエル
 〇 (2)ワープスピード
 ▲ (1)キングズレイン
 △ (5)マイネルウィルトス
 △ (7)アイアンバローズ
 △ (9)ダンディズム
 △ (6)メロディーレーン
 △ (10)シルブロン
 △ (15)アフリカンゴールド
結論 馬連12-2,1,5,7,9,6,10,15 (10:10:7:7:7:3:3:3) 複勝12 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (12)セファーラジエル

 今年1月の3勝クラス・美濃Sを逃げ切り勝ち。次走OPの芝2600m戦、大阪ハンブルグCでは2着。同レースでは12番枠からまずまずのスタートを切って、かなりスローペースの好位の内目を追走。ラスト3F11秒6-11秒1-12秒4とラスト2Fの最速地点では伸びれなかったが、ラスト1Fでジリッと単独2番手に上がって先頭のアーティットに3/4差まで迫っている。

 このように本馬はスタミナを生かすレース、距離が延びてOP通用の内容を見せるようになってきた。休養明けの前々走・オクトーバーSでは距離不足もあって8着に敗れたが、前走のアルゼンチン共和国杯では2列目の内から勝ちに行く競馬。最後の直線で前の(15)アフリカンゴールドが邪魔になってラスト2Fで3列目に下がる不利があったが、ラスト1Fで前との差を詰めて接戦の5着と復調気配を見せている。

 レースを順調に使われた今回は、体調面のさらなる良化が期待できる。また距離延長も歓迎材料。鞍上が松岡騎手は逃げ馬に乗ると下手だが、それ以外のポジション取りは上手。このため長距離戦を得意としており、2009年の天皇賞(春)で12番人気のマイネルキッツでアドバルーンを打ち上げたり、2010年のステイヤーズSでは5番人気のコスモへレノスで優勝するなど、人気薄馬を上位に連れてくることもしばしば。人馬ともに高い長距離適性に期待が高まる。
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本日3番 阪神11R チャレンジC 芝1800m
 ◎ (7)アドマイヤビルゴ
 ○ (4)ボッケリーニ
 ▲ (12)マテンロウレオ
 △ (6)ガイアフォース
 △ (9)フェーングロッテン
 △ (2)イズジョーノキセキ
 △ (13)テーオーシリウス
結論 馬連7-4,12,6,9,2,13 (10:10:10:10:5:5) 複勝7 (50)

■ペースが上がらず、前有利の傾向

 この時期の阪神ではかつて鳴尾記念(別定戦)が行われていたが、11年前にハンデ戦のチャレンジC(芝1800m)に変更。さらに6年前から別定の芝2000mへ変更。目まぐるしく施行条件が変わるこのレースは、何にチャレンジしているかわからないが、阪神芝1800mから阪神芝2000mに変ったことで、前からでも押し切りやすくなった。

 阪神芝1800mは最初の3角までの距離が約665mとストレートが長く、隊列形成が長引くため、何が何でもハナへ行きたい馬は、3角(4F目辺り)まで息を入れられない。目下5連勝でチャレンジCに挑んだ逃げ馬エイシンヒカリに土が付いたのも、阪神芝1800m時のチャレンジCだ。

 しかし、阪神芝2000mはスタート直後に坂を上って約365mで最初の1角を迎えるコース。芝1800mよりも最初のコーナーまでの距離が約半分。つまり、早い時点で隊列が形成され、ペースが落ちつきやすいということ。さらに開幕週で、この時期でもそれなりに高速馬場であることが影響している。

 実際に阪神芝2000mの過去6年中、優勝馬の6頭が3角4番手以内の先行馬であり、逃げ馬のブラックスピネルやベステンダンクが日和って逃げす、前半が極端に遅くなった2019年のこのレースでも人気薄で逃げたトリオンフが2着に善戦している。

 今回は逃げ馬テーオーシリウスや逃げて今年の中京芝2000mの金鯱賞や阪神芝2000mの鳴尾記念を逃げて2着に好走しているフェーングロッテンなど、前に行ってこその馬が多数出走しているので、多少ペースが上がることを考慮しても、好位で立ち回れる馬が有利だろう。それらを中心に予想を組み立てたい。

■有力馬とそのコメント

◎ (7)アドマイヤビルゴ

 昨秋、4走前の阪神芝1800m戦のカシオペアSでは、後に大活躍するプログノーシスを相手に逃げ切っている馬。3歳時にも阪神芝2000mのアンドロメダSを勝利。4歳時もケフェウスS、カシオペアSで好走と、秋の芝中距離戦での活躍が目立つ。本馬は4走前のカペラSでは他がハナを主張しなかったためにかなりのスローペースで逃げ切っているが、3歳時のアンドロメダSは前がペースを引き上げていく中、中団の外から差し切っている。

 このように本馬は芝の中距離戦ならば、展開に応じたレースができることも今回の狙いのポイント。また今年は不得手な芝マイル戦で使いはじめ、負担重量も重く大敗が続いたが、前走のケフェウスSではトップハンデ57.5Kgを背負いながら5着と復調気配を見せている。

 本馬はもともと芝中距離戦ならばOPでで十分にやれる実力馬。今年は始動戦から無理をさせていないので、今回は前走からさらに上昇が期待できる。人気はないが、ここも十分にチャンスがある。
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本日1番 阪神9R さざんか賞 芝1200m
 ◎ (5)フェンダー
 ○ (1)ピューロマジック
 ▲ (10)ジャスパーノワール
 △ (3)ハピアーザンエバー
 △ (4)ドナウ゛ィーナス
 △ (6)マリーアムール
 △ (9)グレースルージュ
結論 馬連5-1,10,3,4,6,9 (20:14:4:4:4:4) 複勝5 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にピューロマジック(-10.0pt)、フェンダー(-7.7pt)、ジャスパーノワール(-7.3pt)、アスティスプマンテ、モンシュマン(ともに-4.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (5)フェンダー

 デビュー2戦目の未勝利戦では1番枠からトップスタートを切って緩みないペースで逃げ、好指数勝ちした快速馬。前々走のもみじSではそのスピードを末脚に転化して、好位の外から最速の上がり3Fタイムで完勝した。

 前走の秋名菊特別は7番枠で前に壁が作れずに折り合いを欠き、緩みないペースで逃げる逃げ馬に並びかけて行く形。4角先頭と早め先頭に立ってしまったことで苦しくなったが、ここは前に行く馬が強いメンバー構成。中目の枠も好ましく、折り合って巻き返しが期待できる。

○ (1)ピューロマジック

 新馬戦はダートで16着、次走は芝で3着。そしてデビュー3戦目、芝2戦目となった前々走では、5番枠から好スタートを切ると、ダッシュよく先手を主張。リードを奪ってからは折り合って脚を溜めながら逃げた。4角では後続馬との差はあまり大きくなかったが、直線を向いて追い出されると大きく突き放して独走。2着馬に10馬身差をつけて圧勝した。

 3走前の走破タイムの1分9秒8は優秀。この日の札幌は後半にかけて時計が掛かっており、走破タイム自体を鵜のみにはできないが、同日9レースの古馬2勝クラスより速く、翌日の3歳未勝利戦よりも速かった。それなりに価値があるタイムで、指数も同週に行われた小倉2歳Sを上回るもの。

 前走のファンタジーSは8着に敗れたが、前々走が消耗度の高いレースになったことで疲れが出たのだろう。また外枠からトップスタートを切ってハナに立った、シュークリームのハナを叩く形で、前半3F34秒1とペースが速くなり過ぎた面もある。今回は同型馬(10)ジャスパーノワールが出走しているが、兼ね合い次第では再度の好走が期待できる。

▲ (10)ジャスパーノワール

 小倉芝1200mの新馬戦は2番人気に支持されたが、スタートから3頭雁行の先行争いが長く続き、3~4角で一番外を回って直線で失速。6着に敗退した。

 しかし、デビュー2戦目の前々走では1番枠から五分のスタートだったが、枠の利を生かして先手を取ることに成功。緩みないペースで逃げたが、直線を向いてもその逃げ脚は衰えず、2着に3馬身半差、3着以下には7馬身半以上の差をつけて圧勝した。

 前々走では1クラス上の指数を記録。新馬戦でで厳しいペースを経験していたことが今回に繋がったのだろうが、とにかく強かった。ただし、逃げ馬の緩みないペースでの好走後は○(1)ピューロマジックの前走のように凡退が常。本馬も前走の京王杯2歳Sでは12番枠から出遅れ、それを挽回して逃げたこともあり、6着に失速した。本馬もピューロマジックとの兼ね合いひとつで巻き返せるだろう。
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本日2番 中京11R 浜松S 芝1400m
 ◎ (6)バルサムノート
 ○ (1)ヤクシマ
 ▲ (11)ジュノー
 △ (2)サトノペルセウス 
 △ (3)アネゴハダ
 △ (9)ラクスバラディー
 △ (4)ハーツラプソディ
結論 馬連6-1,11,2,3,9,4 (16:10:7:7:7:3) 複勝6 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にトーホウディアス(-17.0pt)、ジュノー(-14.3pt)、ハーツラプソディ(-12.7pt)、バルサムノート、スコールユニバンス(ともに-12.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (6)バルサムノート

 今春の白百合Sの覇者。同レースでは8番枠からやや出遅れ、そこからはコントロールしながら中団の外を追走。道中のペースが遅く、後方から捲る馬が出現したが、それをやり過ごして後方の外で我慢。3~4角の外々を回ることになったが、大外には出さずに4角出口で前のワンダイレクトの外へ。序盤ワンダイレクトに並びかけて3列目。ラスト1Fで内にモタれたが、そのまま最後までしぶとく伸びて内のアイスグリーンを捉えてクビ差で勝利した。

 このレースはスローペースで流れて、上がり3F34秒1と後半が極端に速い展開。ここで最速の上がり3Fを記録しているように、本馬は末脚を生かしてこその馬。しかし、前走の紅葉Sはやや出遅れをじわっと出して、前2頭に並びかける形。3頭雁行の先行争いとなったために、結果、展開に恵まれた差し馬に捕まってしまった。

 今回は先行勢がやや手薄なので、折り合いさえ付けば好位でレースができそうだ。3歳馬ながらここでは能力値上位。さらなる成長力にも期待できる。