2023年 全日本2歳優駿の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2023.12.13
2023年 全日本2歳優駿の予想

■馬場が軽くなり、前が残り出している

 昨日の川崎は馬場がタフで、外が伸びる馬場。小回りの川崎らしく最初のコーナーから3角までなるべく内を回り、4角出口で勢いに乗せて直線で外を狙うのがベストな馬場だった。

 しかし、本日は昨夜の雨の影響で馬場が軽くなり、前が残りだしている。1Rで逃げたハチマンタイが最後の直線で一旦外に出しながらも最終的に内を狙ったように、内のほうが伸びているようだ。

 前と内が有利な馬場であるのは確かだが、後半になるにつれてペースが上がり差しも利いてくるはず。馬場的には(1)イーグルノワールが有利だが、同馬には別の不安があるので対抗評価とした。また大番狂わせがあるとすれば、同馬よりも前に行ける馬だろう。

川崎11R 全日本2歳優駿 芝1600m
 ◎ (10)ナスティウェザー
 ○ (1)イーグルノワール
 ▲ (9)サトノフェニックス
 注 (12)フォーエバーヤング
 △ (8)ゼルトザーム
 △ (7)サントノーレ
結論 馬複10-1,9,12,8,7 (20:12:12:4:2) 複勝10 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (10)ナスティウェザー

 函館ダ1000mの新馬戦の勝ち馬。同レースでは3番枠から好スタート&好ダッシュを切ってハナを主張。そのままマイペースで逃げて持ったままで4角を回り直線に出されると、そこから先行3頭による強烈な加速比べ。本馬はラスト1Fを過ぎた辺りで、フットワークの回転がさらに上がる。結果は2着馬に4馬身差、4着馬以下には大差をつけての快勝だった。

 ラスト2Fは11秒6-10秒9。ダ1000mだったので減量騎手のプラスはとても大きかったが、素質がかなり高くなくては記録できない数字だ。前走のなでしこ賞は1番枠から出遅れて最後方からの競馬になったが、最内からじわっと上がって3~4角で中目に誘導。4角で大外のモズナイスバディ―の内を割って勢いに乗せ、一気に2番手まで上がり、ラスト1Fで逃げ馬を捉えて半馬身差で完勝。3着馬に4馬身差で勝利したように、着実に力をつけている。

 今回、ライバルたちは前哨戦のダートグレードで能力を出し過ぎてしまった感がある。特にJBC2歳優駿は消耗度の高いレースで、2着のサンライズジパングは次走のカトレアSでは15着に敗れている。よって、ここに向けて照準を合わせてきた本馬の強みにも期待した。

○ (1)イーグルノワール

 ダートでは3戦3勝で前走の兵庫ジュニアGPを優勝した馬。前走は7番枠からまずまずのスタートを切って、二の脚で2番手まで上がったが、外から前を主張する2頭に行かせて好位の外を追走。3~4角から進出して4角で前2頭に並びかけたところで、外から(9)サトノフェニックスが上がり、直線では同馬とのマッチレース。サトノフェニックスにいったん前に出られたが、しぶとく踏ん張り、差し返して勝利した。

 前走ではサトノフェニックスとはハナ差だったが、3着馬(8)ゼルトザームに5馬身差で勝利したように、着実に力をつけている。前走は前半で前2頭が競り合ってペースを引き上げ、本馬とサトノフェニックスが早めに仕掛けたことで緩みない流れ。それを早めに動いて、ファイトバックした内容からも1400mよりも1600mでこそを感じる。ただし、前走で激走した後の一戦になるので、今回は前走比で指数ダウンする危険性がある。そのため対抗評価に止めた。

▲ (9)サトノフェニックス

 前々走のヤマボウシ賞では◎(10)ナスティウェザーなど、ダートの新馬戦で優秀な走りを見せた馬が集結していたが、それを制して2連勝目を挙げた馬。前走の兵庫ジュニアGPは2番枠から五分のスタートを切って、押して積極的に出したが位置を取れず、進路を外に切り替えて、好位直後の外を追走。3~4角の外から捲って4角では先頭列の一番外。先に動いた(1)イーグルノワールを目標に仕掛けていったん前に出たが、最後に差し返されてハナ差で敗れた。

 前走は4角で外を回されてはいるが、3~4角でペースが落ちていたので、そこまで致命的なものではない。しかし、スムーズな競馬ではなかったのは確か。1400mでも差して終いが甘くなるレースぶりから、距離が長くなる点はあまり好ましくないが、(12)フォーエバーヤングのほうが今回における不安があるので3番手評価とした。

注 (12)フォーエバーヤング

 デビュー2戦目でJBC2歳優駿を優勝した馬。前走のJBC2歳優駿は3番枠からやや出遅れ。後方3番手からの追走になったが、3角で上手く内目を捌いて進出し、4角で中団の外に出されると直線で一気に伸びて2番手に上がり、ラスト1Fで先に抜け出したサンライズジパングを難なく捉えて1馬身半差で完勝。3着馬を9馬身半も引き離して、古馬3勝クラスでも通用レベルの指数で優勝した。

 しかし、前々走は先行争いの激化でかなりのハイペースとなったもの。展開が噛み合ってのぶち抜きだっただけに今回で疲れが出る可能性が高い。実際にこのレースの2着馬サンライズジパングは、未勝利戦で後のもちの木賞の勝ち馬アンモシエラに4馬身の圧勝を収めた程の馬だったが、次走のカトレアSで15着とドボンしている。同馬はJBC2歳優駿が休養明けでの好走だったので、強くダメージが出たものではあるが、本馬も多かれ少なかれ反動が出る危険性が高い。

△ (8)ゼルトザーム

 兵庫ジュニアGPの3着馬。本馬は函館ダ1000mの新馬戦でも出遅れたが、前走の兵庫ジュニアGPでも4番枠からやや出遅れ。外から被されて進路をカットされ、キックバックを食らって頭を上げて徐々に下がり、後方3番手を追走。3~4角の外から一気に動いたことで苦しくなって、最後の直線では上位2頭に5馬身離されてしまった。前走は後方からの競馬になったことで展開に恵まれてはいるが、スムーズなレースはできていない。今回は上位2頭との差は詰まるだろう。上位2頭の疲れ次第で逆転があっても不思議ないと見ている。

△ (7)サントノーレ

 鎌倉記念の勝ち馬。同レースでは2番枠から好スタートを切ってハナに立ったが、外からモンゲースパイがダッシュ良くハナを主張したので、同馬を行かせてその外2番手を追走。モンゲースパイにプレッシャーをかけていき、3角手前で先頭。4角ではライゾマティクスが外から並びかけて来たが、直線序盤でじわっと引き離し、ラスト1Fでもうひと伸びして2馬身半差で優勝した。

 前走はオーバーペースで逃げて6着に失速したが、あくまでも叩き台だろう。中間で楽をさせた影響もあって馬体重8Kg増という数字以上に太かった。今回は相手が強化されるが、中央勢が揃って差し、もしくは出遅れ癖のある馬だけに、前に行っての一発を警戒した。

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