2019年 ターコイズステークス

オープン特別から重賞に格上げされ、今年で5年目となるターコイズS。重賞に格上げと同時に、この時期に行われていた愛知杯の施行時期が年明けに繰り下げられたこともあり、オープン時代と比べると好メンバーが集うようになりました。

マイル戦ながら、秋華賞組や年によっては、エリザベス女王杯組などの中距離路線組が多数参戦し、対戦図式は中距離路線組vsマイル路線組。この比較が予想を難しくさせますが、秋華賞組やエリザベス女王杯組が苦戦傾向なのは確か。これはG1を目標にした後の一戦では余力がない上に、重いハンデが課せられることが多いからでしょう。

特に、内枠有利の中山芝1600mが舞台ということもあり、外枠の差し、追い込み馬は不利。2017年の1番人気馬ラビットランや昨年の1番人気馬プリモシ―ンのように、追走に苦労し、外々を回るロスの大きい競馬で敗れています。このレースは、中距離路線組が集うことで、先行馬が手薄となり、前が容易にバテずに上がりの速い決着となりやすいのも、前記の差し、追い込みタイプが苦戦する理由でもあります。

今年は逃げ馬トロワゼトワルが大外枠に入り、その一つ内枠にコントラチェック。トロワゼトワルは今回と同じ舞台の京王杯AHで単騎の逃げ切りが決まりましたが、今回はにコントラチェックがいることで、自分の型に持っていきづらいでしょう。トロワゼトワル、コントラチェック…それともコントラチェック、トロワゼトワルか?

どのみちこれらが競り合って内に繰り込みながら、また、内枠の馬もその好位を取るためにある程度出して行くでしょうから、ハイペースよりの競馬になるでしょう。ただし、内枠にテンの速い馬がいないことから、超ハイペースにはならないと見ています。強ければ前からでも押し切れるペースの範囲内で収まるはず。

また、コントラチェックより外枠の差し馬はロスの大きい競馬になる可能性が極めて高く、内枠の好位で脚をタメられる馬が有利となるはず。その前提で予想を組み立てたいです。

2019年 クイーン賞の予想

牝馬限定のダートグレードでは唯一、ハンデ戦で行われるクイーン賞。このレースは前走JBCレディスクラシックの上位馬に優先出走権がありますが、ハンデを背負わされることを嫌って出走して来ないことも少なくありません。また、JBCレディスクラシックの優勝馬は、今年のアンジュデジールのように、牡馬相手のチャンピオンズカップに出走することも多く、この隙にこれまで牝馬限定の交流重賞の出走枠に入れなかった馬が、新規参戦してくることも多いです。

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2019年 カペラS・阪神ジュベナイルF

●カペラステークス

カペラSはJRAでは唯一行われるダ1200mの重賞。ゆえに同年のG2~G3のスプリント戦で勝ち負けして来た馬や上がり馬など、強豪が集結し、例年ほぼフルゲート16頭立てで行われます。当然、スピード自慢のスプリンターが集うわけですから、出走馬16頭中、逃げ、先行馬が多く占めます。

しかし、カペラSが行われる中山ダ1200mは、高低差4.5mのダートコースの頂上に位置する2コーナー奥の芝のポケット地点からのスタート。緩やかに坂を下って行くコースで、最初の3コーナーまでの距離は約502m。芝スタート+下り坂でダッシュが付く上に、最初のコーナーまでの直線が長く、隊列形成がすぐに決まらないとなれば、当然、前半ペースが上がります。

しかも、中山は年間を通してもJRAのどのダートコースよりも時計を要すタフな馬場状態。前崩れの条件が揃ったも同然でしょう。実際に過去10年を見ても、ダ1200m戦ながら逃げ馬3頭、先行馬6頭しか連対できていません。

それもこのレースを逃げ切り勝ちした馬は、2014年のダノンレジェンド、2016年のノボバカラと、その後のG1でも連対している馬。また、昨年逃げて2着のサイタスリーレッドも、ダ1200mでハナを切った場合には、G1級の能力を発揮する実力馬です。つまり、逃げ馬はG1級の実力がないと通用しないし、先行馬も中団、差し、追い込み馬を上回れる実力が必要ということになります。

●阪神ジュベナイルフィリーズ

2歳牡馬は朝日杯フーチュリティSとホープフルSに有力馬が分散しますが、2歳牝馬はほぼここ一本道。それだけに例年、「2歳女王決定戦」と呼ぶに相応しい、錚々たる顔ぶれが集います。今年も 2戦2勝で前走重賞を制したウーマンズハート、リアアメリア、レシステンシアに、それに準ずる馬も集い、かなりの好メンバーです。

また、例年のこのレースは、前走ファンタジーSなどの短距離戦で逃げた馬や先行馬がスピードをコントロールしきれずにペースを上げ、平均よりもペースが速くなることがほとんど。このため逃げ、先行馬は苦戦しがちです。

実際にこのレースの過去10年の結果を見ると、逃げ馬の3着以内はゼロ。先行して優勝した馬は、2015年のメジャーエンブレムと2016年のソウルスターリングのみ。2着馬は2010年のホエールキャプチャ、2011年のアイムユアーズ、2012年のクロフネサプライズ。3着馬は2011年サウンドオブハート、2016年レーヌミノルと、その後のクラシック戦線で活躍した馬ばかりです。

つまり、正攻法の競馬で優勝するのは、来春のG1を勝てるような馬でないと難しいということ。2着、3着馬でも後のクラシック戦線で有力馬の一頭とみなすことができるほどです。2017年以降は馬場が軽くなっており、それ以前よりも先行馬が活躍しやすくはなっていると見ていますが……それでも本命馬とするには、実力がないと難しいでしょう。

また、2歳戦、特に重賞は成長比べですから、前走で大敗している馬はよほどの敗因がないと巻き返してこれません。過去10年の優勝馬を見ても前走の勝ち馬か、重賞連対馬でした。2着馬ならば、前走で多少負けていたとしても巻き返せていますが、それらは全て前走で不利なレースをしている馬たちの巻き返しでした(該当馬は、2010年のホエールキャプチャ、2015年のウインファビラス)。

2019年 中日新聞杯

一昨年より1回中京開催からこの時期に移動した、ハンデG3の中日新聞杯。このレースが行われる中京芝2000mは、スタートしてから約920m地点までゆったりと坂を上って行くコース。最初の1コーナーまでの距離が約314mと短い上に、前半で坂を上って後半で坂を下るコースなので、前半スローの後傾ラップが発生しやすいのが特徴。

しかし、3~4コーナーが下り坂の上に入り口が広く、出口が狭いスパイラルカーブになっており、上級条件のレースは、特に外枠の馬が3~4コーナーの下り坂で勢いに乗せて前との距離を詰めてくるので、差しが届かないこともありません。

最初のコーナーまでの距離が短いので、逃げ、先行馬であれば内枠の馬が有利ですが、差し馬であれば外枠でも問題なく、スピードに乗せやすいという意味では、むしろ有利に働く場合があります。それでもどちらかと言えば、逃げ、先行馬が有利は確か。特に今回は、何が何でもハナを主張したい馬がいないだけに、スローペースが濃厚。ある程度前に行ける馬が有利という前提で予想を組み立てたいです。

2019年 チャンピオンズカップ

2014年に舞台を阪神から中京コースへ移し、名称もジャパンCダートから一新して行われるようになったチャンピオンズC。阪神ダ1800mで行われていた頃は、前走、マイルCS南部杯や武蔵野Sなど、ダ1600m戦出頭馬がしばしば活躍していました。しかし、中京ダ1800mで行われるようになってからは、前走ダ1600m組の活躍が目立ちます。

これは中京ダートコースが中山、函館に次いで起伏が激しく、阪神とよりも持久力が問われるからでしょう。近2年こそダートが軽かったこともあり、前走・マイルCS南部杯で上位のゴールドドリームやルヴァンスレーヴが優勝していますが、2014年~2016年の優勝馬ホッコタルマエ、サンビスタ、サウンドトゥルーは、前走で中距離のJBCクラシックかJBCレディスクラシックで上位の馬でした。今年は良馬場で標準的な馬場状態。それだけに前走・中距離路線組が活躍する可能性が高いでしょう。

また、中京ダ1800mはスタンド正面の上り坂の途中からスタートで最初の1コーナーまでの距離が約291m。1コーナーまでの距離が短すぎるため、2コーナーまで隊列形成が持ち越してハイペースが発生する場合もありますが、基本的には前半ペースが上がりづらいコースです。このため上級条件のこのレースでは3~4コーナーの下り坂で一気にペースアップ。3~4コーナーの加速で外に膨らみ、この際にインコースが開くことが多くあります。

昨年の2着馬ウェスタールンド(8番人気)のように、最後方のインから先行したルヴァンスレーヴの直後まで位置を上げたのは極端な例としても、2014年の優勝馬サンビスタ(12番人気)、2015年のサウンドトゥルー(6番人気)もイン強襲でした。3~4コーナーの外から意、強くても善戦止まりで終わるケースが多いので、このことは理解して予想を組み立てたほうがいいでしょう。もっともインを強襲するには、ロングスパートできる最低限の実力と騎手の覚悟も必要です。インが開かなかった場合には、「あの位置は何なんだよ!」とファンや関係者から叩かれるのだから。

今回は内枠の実績馬インティの逃げで、1番人気のクリソベリルがそれを見ながらの競馬。他の逃げ馬は外枠に入ったこともあり、インティに競り掛けてはいかずに2列目という選択をしてくる可能性が高いだけに(ロンドンタウンは脚をタメる競馬を示唆するコメント)、スローペース~平均ペースが濃厚。前が有利な競馬になると見ていますが、ヒモ穴にはイン強襲馬を加えたいものです。

2019年 チャレンジC・ステイヤーズS

●チャレンジC

この時期の阪神ではかつて鳴尾記念(別定戦)が行われていましたが、7年前にハンデ戦芝1800mのチャレンジCに変更。さらに一昨年から別定の芝2000mへ変更。目まぐるしく施行条件が変わるこのレースは、一体、何にチャレンジするのだろうか? 有馬記念の前哨戦としても、例年、メンバーが手薄です。

ただし、阪神芝1800mから阪神芝2000mに替わったことで、前からでも押し切りやすくなったのは確か。阪神芝1800mは最初の3コーナーまでの距離が約665mとストレートが長く、隊列形成が長引くため、何が何でもハナへ行きたい馬は、3コーナー(4F目あたり)まで息を入れられません。目下5連勝で挑んだあのエイシンヒカリに初めて土が付いたのも阪神芝1800m時のチャレンジCです。

しかし、阪神芝2000mは、スタート直後に坂を上って約365mで最初の1コーナーを向かえます。芝1800mよりも最初のコーナーまでの距離が約半分。つまり、早い時点で隊列が形成され、ペースが落ちつきやすいということ。実際に過去2年の勝ち馬はサトノクロニカルとエアウインザーで、ともに先行馬です。

今年もブラックスピネルか、距離を怖がらなければベステンダンクの逃げが濃厚。先行馬も揃ってはいますが、コースと開幕週の馬場を考慮した場合、極端にはペースが上がらないでしょう。スローペースよりの平均ペースで収まりそうな感があります。また、最初のストレートが短いコースは、ロスなく立ち回れる内枠の馬が有利でもあるだけに、内枠の先行馬を主体に予想を組み立てたいです。

●ステイヤーズS

ステイヤーズSは、ご存知のように日本の最長距離戦。天皇賞(春)などのG1では、やや能力が足りない長距離馬にとって、最終目標となるのがG2のこのレースです。重要なのは、芝3000m級の距離実績。過去10年の優勝馬10頭中8頭が、芝3000m以上での重賞連対実績がありました。該当馬は、2009年のフォゲッタブル、2011年のマイネルキッツ、2012年のトウカイトリック、2013年-2014年のデスペラード、2016-2017年のアルバート、2018年のリッジマン。2着馬4頭、3着馬は4頭が前記項目に該当しています。

しかし、距離3000mを超えるレースは、国内ならばステイヤーズS以外に、万葉S、ダイヤモンドS、阪神大賞典、天皇賞(春)、菊花賞と、そう多くはありません。今年は前記該当馬は、アルバートとリッジマンの2頭で、両馬ともに近走不振。その上、人気。それだけに芝3000m以上を未経験の隠れステイヤータイプを中心視することをお薦めします。

よくある穴パターンは、2010年の優勝馬コスモヘレノス(5番人気)、2011年の2着馬イグアス(6番人気)のように、デビューから距離を延ばしてパフォーマンスを上げて来たタイプ。2009年に13番人気で2着に入線し、波乱の立役者となったゴールデンメインも、近走、中距離戦を使われて凡退続きでしたが、もともとは距離を延ばして指数を上昇させた馬でした。

ただし、前記の馬ほどわかりやすいタイプもそう多くないのも確か。長距離戦はトップスピードの速さよりも、早めの仕掛けから押し切れる強さ(ロングスパート)が求められるだけに、そういうタイプを積極的に狙いたいです。中山芝3600mなら2週目の向こう正面(ラスト5F目あたり)から動いても、最後までバテない馬が理想的です。

2019年 浦和記念の予想

一番の実績馬ケイティブレイブ
長期休養明けでも通用するか?
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暮れの大一番、東京大賞典へ向けての前哨戦となる浦和記念。この時期は、中央ではチャンピオンズカップが行われ、トップクラスはそちらに出走するために、G2としては中央勢が手薄。このため南関東のトップクラスが、ここを狙って出走してきます。

過去10年の優勝馬を見ても、2009年ブルーラッド、2011年ボランタス、2014年サミットストーン、2015年ハッピースプリントと地方勢が4勝を挙げ、2着も2017年のヒガシウィルウインを始め、地方勢が6度も入線しています。近年のダートグレードは中央勢が圧倒的。特に古馬の中距離路線は中央勢が席巻する中で、地方馬のこの活躍は驚異的なレベルです。

実は、南関東を始めとする地方勢がここを大目標にするのには、もうひとつの理由があります。地方馬のG1馬が不在の年は、G2のここを勝てば、『NRAグランプリ』(地方馬の年度代表馬)に選出される可能性が高まるからです。

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2019年 兵庫ジュニアグランプリの予想

全日本2歳優駿の前哨戦となる兵庫ジュニアグランプリ。2歳最初のG3・エーデルワイス賞は、過去10年で地方馬が6勝2着9回と優勢。次のG3・北海道2歳優駿も地方馬が4勝着6回と中央馬とほぼ五分。(20010年~2019年終了現在) しかし、3度目の兵庫ジュニアグランプリとなると、過去10年で地方馬が2勝2着3回と中央馬との逆転現象が起こります。

なぜ、このタイミングで逆転現象が起こるのかというと、JRAでは秋になるとダートの500万下が行われるようになり、中央勢もある程度のキャリアを積むことが出来るからです。キャリアを何戦も積んで大きな上積みが見込めない地方馬と、キャリアの浅い時点で2勝した中央馬の対戦図式になれば、後者に軍配が上がることがほとんど。競走馬はデビューしてから5戦目くらいまではレースに慣れて大きな上昇を見せるものだからです。

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2019年 京阪杯・ジャパンC

●京成杯

年内最後の芝1200m重賞となる京阪杯。このレースは2月のシルクロードSと同じ京都芝1200mが舞台で、前が有利な展開になることが多いのが特徴。京都芝1200mは、スタートしてから3コーナーにかけて坂を上がって行くコースのため、前半ペースが上がりづらく、スローペースが発生しやすいからです。

過去10年の前半3F-後半3Fのアベレージは、34秒12-34秒13。更に重馬場で行われた2016年度を除くと34秒12-33秒90ですから、芝1200m戦としてはペースが遅いことを理解して頂けるでしょう。実際に過去10年で逃げ馬の1着が4回、2着が1回と、半数も馬券に絡んでいます。当然、先行馬も1着が5回、2着が1回、3着が3回と活躍しています。

こうなると逃げが確定的な実績馬モズハイパーフレアと狙いたくなりますが……。実は、前走スプリンターズS出走馬、特に好走馬が苦戦しているのもこのレースのポイントだったりします。

過去10年では、2010年のスプリンターズS・2着降着のダッシャーゴーゴー(1番人気・10着)、2013年のスプリンターズS・3着のマヤノリュウジン(3番人気・9着)、2014年スプリンターズS・3着のレッドオーヴァル(1番人気・9着)、2018年のスプリンターズS・6着のワンスインザムーン(3番人気・16着)。ちなみにワンスインザムーンは逃げ馬です。

スプリンターズS組は、相手が格下だから「あわよくば本賞金を加算」とばかりに出走してくるのでしょうが、スプリンターズSを大目標にした馬にはおつりがないのでしょう。このために上がり馬が浮上するパターンもしばしばあります。確かにスプリンターズSで凡走した馬ならば、3年前のこのレースの覇者ネロのようにチャンスがありますが…基本的にスプリンターズSの好走馬は割引が必要でしょう。これを踏まえて予想を組み立てたいです。

●ジャパンC

一流の外国馬不在どころか、外国馬が一斉不在の今年のジャパンC。近年、ジャパンC出走の外国馬陣営の口から飛び出す本音が、「自国が競馬シ―ズン終わりでレースを使うところがないから」や「香港国際競走へ向けての叩き台」だったことから、こうなる日も近いことを理解はしていました。

ジャパンCの1着賞金が米・ブリーズCターフとさほど変わらないのなら、相手が弱く、他ブリーダーズC出走馬とまとめて馬を連れて行けるブリーダーズCターフに出走しようと考えるのが調教師として懸命でしょう。かつてのジャパンCの賞金は他国と比べて非常識に高額だったこともあり(日本が好景気時に創設)、海外から多くの一流馬を集めることが出来ました。

しかも、近年は香港も中距離指向が高まり、香港Cや香港ヴァーズも賞金を増額していく中で、もはやジャパンCの1着賞金3億円は特別な魅力がないのです。しかも、一昨年にステークス形式(馬主が賭け金stakeを出し合い、それを集めたstakesを勝者、あるいは事前に定められた入着馬に分配する方法)ではありますが、米国で世界最高賞金額のペガサスワールドCが創設され、今年はペガサスワールドカップターフも創設されたとなると、ますますジャパンCに外国馬が集まらなくなるでしょう。

私は米国や香港と賞金増額合戦を繰り返すよりも、ジャパンCの賞金をドカーンと2倍レベルまで引き上げて、世界の注目かっさらうほうが得策と考えます。米国や香港にショックを与えて、しっかりと「ターフ大国・日本」を打ち出し、ジャパンCを勝つこと=ホースマンの名誉になれば、長らくジャパンCの安泰が続くでしょう。本当にかつてのジャパンCは、凱旋門賞の上位馬やブリーダーズCターフの上位馬など、世界の一流馬が揃って参戦し、とても華やかでした。

また、ジャパンCは得体の知れない者同士が「我こそは最強」という意識を持って挑むため、序盤から激しい攻防が繰り広げられ、レースはほとんど消耗戦。凱旋門賞やブリーダーズCターフで勝ち負けした馬はおつりなく凡退し、そこで能力を出し切れなかった自国最強クラスの馬が勝つか、日本の最強馬が勝つかという決着。ジャパンCは前走で凱旋門賞やブリーダーズCターフを勝っていない実績馬を狙えば馬券が当たることもあり、私は、1995~2000年の6年連続でジャパンCを当てました。

しかし、近年はほとんど力関係を把握した日本馬同士の対決になるため、有力各馬がマークしあってのスローペースになることがほとんど。雨の影響を受けて時計を要した3年前(優勝馬キタサンブラック)こそは、ほぼ実力どおりの結果になったものの、ディープインパクトが優勝した2006年以降、先行馬と内々をロスなく立ち回った馬と、直線で上手く馬群を捌いてきた馬が上位入線することがとても多いです。

特に4年前のジャパンCは、直線団子状態となり、騎手の直線での進路取りの上手さが結果を大きく左右したところがあり、ショックを受けました。このショックは、ジャパンCの格落ち感です。優勝したショウナンパンドラが一番強かったというよりは、直線で詰まる馬が多い中で、池添騎手が一番上手く捌いて優勝したレース。2着も上手く最内に入り込み、そこから追い通しのラストインパクト&ムーア騎手でした。これは中盤でペースが上がり切らなかったことによるもの。勝ちに行って勝てる実力馬がいないから、起こったものです。

しかし、今週の東京芝コースは、雨の影響を強く受けてかなりタフな馬場。昨日のキャピタルSがコスモイグナーツの単騎逃げて前半4F46秒9-後半4F48秒9のスローペースだったにせよ、1分35秒8も要しました。ここまで時計が掛かると、ほぼ実力どおりの決着となるでしょう。タフな馬場になると、何が何でも逃げたい馬が不在でも、超スローペースにコントロールするのが難しく、距離不安がありながらも、スピードで押し切って来たような馬が通用しないからです。近走成績「?」でも、もともと強い馬(総合力の高い馬)の巻き返しには要弔意です。

2019年 京都2歳S

京都2歳Sはオープンから重賞に格上げされて、今年で6年目。格が高くなっても、オープン時代とそれほど変わらないメンバー構成で行われています。しかし、オープン時代の優勝馬にはエピファネイア、ヴィクトワールピサなどの大物も出現しており、クラシックに繋がった年もありました。さて、今年も大物が誕生するのか!? 今年も小頭数ながら2戦2勝馬や前走圧勝馬が多数参戦しており、楽しみな一戦となりました。

また、このレースは秋華賞と同じ京都内回り芝2000mが舞台。京都内回り芝2000mは、最初の1コーナーまでの距離が約309mと短い上に最後の直線距離も短く、約328mしかありません。このため逃げたい馬が多いと、先行争いが激化することもありますが、下級条件は向こう上面でペースが緩むため、逃げ馬でも十分残れます。

過去の10年の逃げ馬の成績は、2着3回、3着2回。先行馬の成績は、1着6回、2着4回、3着4回。2016年には向こう正面から捲りをかけたベストアプローチが3着入線したこともありました。基本的な傾向としては、超スローペースの上がり勝負で、逃げ、先行馬が有利と考えてもいいでしょう。

ただし、今年は京都芝コースは時計を要している馬に、ショウナンバレリオ、ヒシタイザンなどの逃げ馬に、ロールオブサンダー、ミヤマザクラ、マイラプソディなどの実績上位の先行馬が多数。9頭立てにしてここまで逃げ、先行馬が揃ったとなると、平均くらいまでペースが上がりそうです。先週同様に直線の外目が伸びるなどの横位置の有利不利は多少あっても、縦位置(脚質)による大きな有利不利はなく、実力どおりの決着になる可能性が高いのではないでしょうか。