2020年 マーメイドS・エプソムC

●マーメイドS

マーメイドSは、みなさんもご存知のように、先週の鳴尾記念と同じ阪神芝2000mで行われるレース。先週の鳴尾記念の傾向でもお伝えしたように、阪神芝2000mはラスト1Fで急坂のある阪神芝コースとしては、逃げ、先行馬がけっこう頑張れるコースであり、内枠よりも3~4コーナーの下り坂でスピードに乗せられる外枠のほうが有利です。

阪神芝2000mが阪神芝1800mなどと比べて逃げ、先行馬が有利なのは、スタート直後に上り坂があるため、前半のペースが上がりづらいのが理由。また、内枠が不利なのは、3コーナーが鋭角のため、あまりにインに入りすぎると減速する必要性があり、それによって包まれる場合があるからです。

しかし、馬場が悪化して時計が掛かると状況が変わってきます。時計が掛かると実走ペースが上がるために、逃げ、先行馬が不利になりますし、馬群が縦長になるので、3コーナーで減速しても包まれるリスクが軽減されます。また、外枠の馬も3~4コーナーでスピードに乗せると、早仕掛けになるので、よほどスタミナに自信がない馬以外は早仕掛けになるので動きません。

それが先週の鳴尾記念の1枠1番のパフォーマプロミスの勝因。先週は阪神開幕週ながら、雨の影響もあり、高速馬場ではありませんでした。また、実際に重馬場で行われた2008年のこのレースで優勝したのも、後方から最短距離を立ち回り、実質内枠の競馬をした12頭立てで12番人気だったトーホウシャインでした。馬場が悪化すると、逃げ、先行馬が有利ではなくなること、また内枠不利外枠有利でもなくなることを踏まえて予想を組み立てたいです。

また、このレースはハンデ52kg以下の馬がしばしば穴を開けているのがポイント。過去10年の該当の連対馬は2012年・クリスマスキャロル(7番人気・2着)、2014年のコスモバルバラ(13番人気・2着)、2016年のヒルノマテーラ(7番人気・2着)、2018年のアンドリエッテ(10番人気・1着)、2019年のサラス(7番人気・1着)、レッドランディー二(10番人気・2着)。ちなみに前記したトーホウシャインも、2勝馬だったこともあり、ハンデ48kgでした。20頭中6頭も連対しているのですから、一考の価値はあるでしょう。

●エプソムC

昨年のこのレースは、出走馬唯一の逃げ馬ダノンキングダムが大外枠に入り、他馬が勝ちに行くと伸びない差し、追い込み馬ばかというメンバー構成。同馬は1000万下でマイペースで逃げて、ひとクラス上の指数で完勝の実績もあり、テンのスピードもNO.1。当然、同馬が単騎で逃げるものかと思っていましたが……内枠からハナを主張したサラキアに行かせて、まさかの2列目外に控える形。その結果、前半4F51秒3-後半4F45秒2という、理解不能なウルトラスローペースが発生しました。

こういうのを見せつけられると、それまでの傾向を参考にしたくなくなるのですが、基本的に東京芝1800mで行われるエプソムCは、「府中の千八展開いらず」という言葉がピッタリのレースです。東京芝1800mは1~2コーナーの間のポケット地点からスタートして、最初の2コーナーまでの距離が約160m。このため序盤のペースが上がらず、約750mある2~3コーナーの間のストレートでじわじわとペースが上がり、3~4コーナーで息を入れて、直線でもう一度ペースが上がることが大半。

さっくり言うと、レースが適度に緩みあるワンペースになるので、どこから動いても強ければ通用します。出遅れ癖のある馬でも、道中でリカバーできる能力があれば問題ありません。昨年はダノンキングダムを始め、2~3コーナーの間のストレートでどの馬も動かず、ペースが上がらなかったことが問題なのであって、通常はある程度上がり、実力どおりに決まることがほとんどです。

だからこそこのレースで連対したダークシャドウ(2011年・優勝)、ダノンシャーク(2012年・2着)、ジャスタウェイ(2013年・2着)、エイシンヒカリ(2015年・優勝)、サトノアラジン(2015年・2着)らが、その後のG1でも通用しているのです。将来に繋がっていないのは、レベルが低いか、昨年とまではいかずとも極端なスローペースになった年ばかりです。

しかし、今年は昨日がど不良だったこともあり、馬場の完全回復は難しく、時計の掛かる馬場のはず。大外枠からトーラスジェミニが逃げるか、同馬がハナを主張しなければマイネルハニーが行くか…。その直後にマイネルファンロンやダイワキャグニーといった形。もともと逃げ馬だったアンドラアステは、前走時に出遅れ、末脚を生かす競馬で結果を出したことで、行かない可能性が高いでしょう。岩田望来騎手は、父のようにあまり行きたがらない傾向もあります。

そうなると一見、前が楽な展開になるようにも感じますが、馬場が重いので、極端なスローペースになることもないでしょう。重馬場だった昨年くらい(平均ペースくらい)までは上ると見ています。それだけに実力や将来G1で活躍する素質重視で予想を組み立てたいところ。

今年は過去2年のこのレースの覇者サトノアーサーやレイエンダを始め、重賞ウイナーが7頭。前哨戦のオープン・メイSのレベルも高く、重賞ウイナーに準ずる馬も多数出走のなかなかのメンバー構成です。それだけにここで連対した馬は近い将来、G1でも活躍しても不思議ありません。この先を占う意味でも、楽しみな一戦となりました。

2020年 関東オークス

3歳牝馬限定の唯一のダートグレードとなる関東オークス。関東オークスは、2012年に川崎のアスカリーブルが中央の強豪を抑えて優勝するなど、地方勢の活躍が目立ちます。2016年は船橋のミスミランダー(7番人気)が2着に食い込んで波乱。2018年も川崎のゴールドパテック(5番人気)、大井のクレイジーアクセル(3番人気)が2着、3着に食い込み、また、1着馬が中央勢ではもっとも人気のないハービンマオ(6番人気)だったこともあり、3連単10万越えの高配当決着となりました。

地方馬のこのレースでの成績は、過去10年で1着1回、2着4回、3着7回。中央馬が1~3着を独占した年は、2013年しかありません。中央馬の活躍ばかりが目につくダートグレードで、地方馬のこの成績は驚くほど優秀です。これは地方競馬が牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を目的として、2010年よりグランダムジャパン(対象レースの競走成績に応じてポイントを付与し、上位3頭の地方馬はボーナスがもらえる)を開催するなど、牝馬の番組が充実していることが一番の理由でしょう。

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2020年 安田記念

今週初めに安田記念の出馬表を見た時、不気味さを感じました。それは全ての実績馬がここ4走以内に出遅れの前科があったことです。もっともダノンプレミアムは、昨年の安田記念は外のロジクライに進路妨害をされたもの。決してスタートは下手ではありませんが、それ以外の実績馬は全て出遅れ癖があります。

比較的にスタートが安定していたインディチャンプでさえも、昨秋の香港マイルでは、マイルCSで好走した疲れもあったようで、3番枠から出遅れて後方から。そのため内から位置を押し上げたものの包まれて位置を下げ、直線ドン詰まりとなって7着に敗れました。

そのうえで今回は昨年のアエロリットのように、最後までしっかりとレースを引っ張れる逃げ馬が不在。馬群が縦長になる可能性が低いとなると、実績馬が内枠に入って出遅れた場合には、インディチャンプの二の舞となる危険性が高まります。どんな実力馬でも包まれて進路を失ったらThe end。だからこそ欧州競馬ではラビットを用意するし、先週の日本ダービーでも前田軍が率いるコントレイルがチームプレーを見せたのです。

日本ダービーのコントレイルは、しっかりとした逃げ馬不在のうえで5番枠。それよりも内枠にテンの速い馬がおらず、本来であれば外から切り込まれて進路確保に苦労するのが見え見えの状況下でした。しかし、逃げるウインカーネリアンの外にコルテジア、ディープボンドを配して、進路確保に努めました。何かに捲られた場合には、コントレイルがディープボンドの直後につけて外に出す、捲られなければディープボンドが道中でハナに立ってペースを引き上げる計画だったのでしょう。さすがは日本一を誇るチームプレイヤーです。

さて、話は元に戻しますが、今週初めに「出遅れ癖のある実績馬が、揃って内枠に入ったらどうなるのか?」と考えたら、気味が悪くなったのですが、それらが本当に内枠に入ってしまったという話です。特に5番枠のアーモンドアイは出遅れたらかなり苦しい枠に入ったと感じます。

今回それよりも内枠のダノンプレミアム、ダノンキングリーには、ダノンスマッシュというアシスト役がいます。ダノンスマッシュが外から内に切り込み同馬が逃げてペースを引き上げるか、逃げ宣言をしているミスターメロディの外につけて進路を確保するか…。しかし、アーモンドアイにはそういう馬がいません。実際にノーザンF軍は、他よりもチームプレーにうるさくないし、騎手の配慮によって進路を開けるくらいと騎手から聞いています。

だからと言って、勝ちに行けば、競られたり、後続にガンガン突かれたりするでしょう。大本命馬を破滅へと導けば、騎手にとってこのうえない手柄。それを出柄を得て次の騎乗馬の交渉をする者もいます。実際に昨年の有馬記念のアーモンドアイは、嫌がらせのようにスタンド前の壁を作りたいところで外に弾かれ(それが理由で前に馬が置けずに折り合いを欠いたもの)、さらに3~4コーナーでは先頭列に並びかけたものの、本来、同チームであるはずのフィエールマンに外から蓋をされ、馬場の良い外に出せずにThe endとなりました。

そういったことを考えたうえで、今回ではアーモンドアイは本命にしたくないという結論に達しました。これまで「一戦ごとの消耗度が大きい」ということでレース間隔を開けることに徹していた同馬が、中2週で使ってくることも狙い下げたい理由のひとつです。そのうえヴィクトリアマイルよりも相手強化となるだけに、△まで印を落とすことにしよう。これは私がアーモンドアイに印を打ってきた中で、一番低い評価です。

2020年 鳴尾記念

鳴尾記念はかつて12月に有馬記念の前哨戦のような位置付けで行われていましたが、2012年に現在の時期へと移行。宝塚記念の前哨戦の位置付けで行われるようになりました。ここ4年で2度もレコードが更新されているように、6月は芝の発育期ということもあり、超高速馬場で行われることがほとんど。

ただ、時期的に前に祟られることもあり、年によってはそこまで高速馬場ではないこともあります。それだけに「開幕日だから超高速馬場」とは決めつけずに、馬場をしっかりと見極める必要性がありますが、今年はさほど雨が降っていないことから、高速馬場で行われる可能性が高いと見ています。

また、その他の傾向としては、内枠よりも外枠のほうが有利で、7・8枠だった馬は【6・5・0・20】で連対率35.5%。対して1・2枠だった馬は【0・1・2・15】しかありません。これは3コーナーが鋭角で、外枠の馬は下り坂を利して加速していくのに対して、あまりにインに入りすぎると減速する必要性があるからです。一度外に出して、再び内に切り込める逃げ馬ならともかく、先行~中団だと内に押し込められて位置取りを下げることもあります。

そう考えると、現役時代は内枠率が高かったキタサンブラックが大阪杯を始めとする阪神ではやたらり外目の枠を引いていた辺りに、噂の枠順操作疑惑が拭えませんが、とにかく開幕週でも外枠有利の傾向があることは覚えておいて損はないでしょう。今回もそういう前提で予想を組み立てたいです。

2020年 北海道スプリントCの予想

旭川競馬場の廃止により、2009年から門別に舞台を移し、2010年より門別のダ1200mで行われている北海道スプリントカップ。このレースは放牧地という土地柄で行われることもあり、秋の大一番を目指して、このあとにリフレッシュ放牧予定の実績馬が多く集います。このため好メンバーが集うことが多く、人気の実績馬同士で決着することがほどんど。

実際に2009年以降は、7度も1~3番人気で決着しています。1~3番人気でありながら、このレースで4着以下だったのは、2014年のセイクリムズン(2番人気)、2015年のアドマイヤサガス(3番人気)、2018年のニシケンモノノフ(2番人気)、2019年のシュウジ(2番人気)、タテヤマ(3番人気)のみ。

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2020年 日本ダービー・目黒記念

●日本ダービー

こちらを参考にして下さいm(__)m。
https://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=46711

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https://news.yahoo.co.jp/articles/41a6f05e4021c7243c484644fa02618cebc560fb

●目黒記念

ダービーDayの最終レースとして定着した目黒記念。このレースは、芝2400mのダービーよりも距離が100m長いだけ。しかし、ダービーよりも100m後方からのスタートになるだけで、直線の坂を2度も上ることになります。このためダービー以上に、スタミナが要求されます。

ダービーが中距離指向の強いレースとするならば、目黒記念は長距離指向の強いレース。実際に過去10年の連対馬20頭を見ても、14頭が前走で芝2400m以上の距離を使われていた馬。また、前走で芝2400m以下を使われていた6頭中4頭が、芝2400m以上の重賞で3着以内の実績がある馬でした。(例外は、2010年の2着馬イケドラゴンと2014年の2着馬ラブイズブーシェでともに5歳馬)

また、スタミナが要求されるレースだけに、休養明けはマイナス。半年以上の休養明けだった馬は、過去10年で1度も3着以内がありません。中10週以上の休養明けだった馬も、連対馬は3頭のみ。該当馬は2013年のルルーシュ(2着)、2017年のフェイムゲーム(1着)、2019年のアイスバブル(2着)で、アイスバブル以外は、G2・アルゼンチン共和国杯勝ちやG1・天皇賞(春)で連対するなどの実績があった馬です。

一方、前走・天皇賞(春)の好走馬は、2014年に1番人気に支持されたアドマイヤラクティ(天皇賞・春で4着)のように、馬群に沈むことがほとんど。強豪相手のG1で能力を出し切った後では、おつりがないからでしょう。この年は前走の天皇賞(春)で16着と大敗を喫したムスカテールが巻き返しVを決めています。

当然、前走のG1・大阪杯で好走した馬も苦戦で、昨年は1番人気に支持されたブラストワンピースが、前走の大阪杯で小差の6着と善戦し、このレースでは馬群に沈みました。同馬は前年の有馬記念の覇者であり、決して長距離適性がなかったわけではありません。G1で好走すると、重いハンデを課せられるのも敗因のひとつですが、おつりがないのが一番の理由です。

では、軽ハンデ馬が穴メーカーになっているかというと、決してそうでもありません。目黒記念はスタミナが要求されるワンペースのレースだけあって、軽ハンデ馬の活躍はそこまで目立ちません。もちろん、ハンデが重いよりも軽い方が有利ですが、スタートダッシュが問われる短距離戦や、瞬発力比べのレースほど軽ハンデの優位性はないということです。

まとめるとレースを順調に使わている馬で長距離適性がある馬が有利ということ。休養明けの馬は、長距離実績のある馬でなければ狙いづらいということ。また、前走でG1で好走するなど、馬が消耗していないことがこのレースでの狙い目となります。前記該当馬から、実力のある馬を本命としたいです。

2020年 葵ステークス

年前までは2週前にオープン特別として行われていた葵Sですが、3歳馬のスプリント路線を充実させるために、一昨年より重賞に格上げされ、今回が第3回目。第1回は1番人気の先行馬アサクサゲンキが出遅れ、2番人気の差し馬トゥラヴェスーラが2着同着まで。内枠から8番人気ゴールドクイーン、6番人気ラブカンプーの行った、行ったが決まり、大波乱の幕開けとなりました。

それもそのはず、このレースが行われる京都内回りの芝1200mは、向こう正面の半ばからスタートして、しばらく坂を上るため、ペースが上がりづらいのが特徴だから。逃げ、先行馬が揃った昨年も、1枠のアイサクソニー、ホープフルサインと外からジャスティンが競り合うようにレースが進んだものの、前半3F34秒0‐後半3F34秒0の決着。離れた4番手でレースを運んだ1番人気馬ディアンドルが優勝しました。

今年も前走のファルコンSで大逃げを打ったデンタルバルーンを始め、エレナアヴァンティ、ビアンフェ、カバジェーロ、レジェーロなど、逃げ、先行馬が揃った一戦。当然、ハイペースが想定されます。しかし、コース形態から逃げ馬がペースを上げきれないので、前半3F34秒をギリギリ切って、後半3F34秒台半ばの決着が濃厚と見ています。それくらいのペースならば、過去2年よりも時計を要している京都芝コースを考慮しても、強い先行馬であれば前から押し切れる公算大。

実際にオープン特別時代からの葵Sの過去10年を見ても、逃げ馬が2勝2着2回、先行馬が3勝2着4回と、半数を上回る11連対もしているレース。特に重賞に昇格してからは、前からの押し切りが決まっているだけに、ここも馬券の中心は先行馬としたいです。

2020年 さきたま杯の予想

浦和競馬の春シーズンを締めくくる、さきたま杯。このレースは2011年度にG2に昇格して以来、秋に行われる浦和記念と並ぶ、浦和二大レースのひとつとして定着しました。主なメンバー構成は、東京スプリントやかきつばた記念の上位馬、さらにG2昇格後は、G1・かしわ記念の上位馬の出走が目立ちます。

その中でも最有力は、前走1200m~1400mの東京スプリントやかきつばた記念よりも、1600mのかしわ記念の上位馬。かしわ記念は帝王賞のステップレースですから、同年の優勝馬がここへ出走してきたことはありません。しかし、かしわ記念の2着、3着馬がここへ出走してくることは少なくなく、2011年度以降の成績は【1・2・1・1】と優秀。1着の該当馬は、2016年のソルテ。2着の該当馬は、2016年のベストウォーリア、2017年のモーニン。3着の該当馬は、2014年のセイクエイムズン。

唯一の4着以下馬は、2011年のラヴェリータで、このレースでは1番人気を裏切る形での4着でした。しかし、ここへ出走してきたかしわ記念3着以内の馬で、唯一、1400m以下のダートグレードで連対実績がなかったのも事実。序盤で置かれたレースぶりからも、明確に距離不足でした。つまり、1400m以下のダートグレードで連対実績のあるかしわ記念の3着以内の馬ならば、信頼できることになります。

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2020年 オークス

デアリングタクトにデゼルと無敗馬対決に期待が集まる今年のオークス。しかし、デアリングタクトは道悪の桜花賞を制した後の一戦。道悪での好走は疲れを残しやすく、桜花賞の2着馬レシステンシアのように、次走でパフォーマンス(指数)を下げる危険性もあります。

ましてデアリングタクトは、逃げてこそのスマイルカナがレースメイクし、前半4F46.5-後半4F49.6の超絶ハイペースを作ったことで、展開に恵まれたもの。前がバテたところを差したという競馬でした。デビュー2戦目のエルフィンSも、桜花賞ほどではないにせよ、時計の掛かる馬場のハイペースを差し切ったものであり、果たして前が容易に止まらない、超絶高速馬場の東京でも差し切れるのか? 

また、この馬の新馬戦も超絶スローペースの末脚比べではあったものの、時計は要しており、超絶高速馬場の状況下では、どこまでの末脚が引き出せるのか未知数なのも事実。エルフィンSでも、桜花賞でも、トップスプードを持続させていることから、距離が長くなることは問題なさそうですが、断然の1番人気に相応しいかどうかは「?」です。

一方、デゼルはデビュー2戦目のスイートピーSでは、前半4F48.6-後半4F46.0の超絶スローペースを後方から、メンバー断トツの上がりで差し切ったもの。レース最速地点のラスト2F目でグンと伸びて、前に並びかけた辺りからもかなりの素質を感じさせますが、新馬戦、スイートピーSと出遅れているように、何せゲートが下手。前に行ける可能性は極めて低いものがあります。

もっともデゼルと同タイプで当時はゲートが下手だったブエナビスタは、オークスで始めてスタートを決めて、レッドディザイアをギリギリ差し切りました。しかし、その年は標準馬場で例年のオークスよりも緩みなく流れたもの。今年のように超絶高速馬場で前のポジションが求められているとなると…。また、ブエナビスタは2歳女王であり、桜花賞も優勝という豊富なキャリアと実績がありました。

ここまで綴って思ったのですが、同じ無敗馬でありながら、デアリングタクトは1番人気、デゼルは2番人気、アブレイズは11番人気という差は、いったい何? デアリングタクトもデゼルもアブレイズもキャリアが浅い馬だけに、さらなる成長力を見せる可能性も十分あるでしょう。競走馬はデビューから5戦目くらいまでは上昇力を見せることが多いものです。

しかし、明確に死角がある状況の中で、あなたは前記2頭を評価しますか? 私はあくまでも連下の1頭と考えます。では、何が有力かというと…本命にするなら、やっぱりハイレベルの桜花賞組でしょう。オークスではフローラSを始めとする、前哨戦の活躍が目立ちますが、それらが活躍する年は、決着指数が桜花賞と同等レベルだった年。今年は前哨戦のレベルがそこまで高くなかっただけに、桜花賞組が最有力と考えます。