2019年 クイーンS・アイビスサマーダッシュ

●クイーンステークス

夏場に行われる唯一の牝馬限定重賞ということもあり、かつてはトップクラスの牝馬が出走してくるレースでした。しかし、5月にヴィクトリアマイルが創設され、春シーズン、秋シーズンとしっかりと形ができたことで、G1上位馬はこの時期に休養することが多くなりました。それでも一昨年のアエロリットや昨年のディアドラのように、G3としては好メンバーが集います。

また、クイーンSが行われる札幌芝1800mは、スタートしてからすぐに1コーナーがあるために、外枠の先行馬が不利なコース。外枠の馬は3年前のシャルールのように、1コーナーでハナを奪うか奪わないかの勢いで出していかないと、1コーナーでがっつり外に張られて壊滅しています。札幌は直線が短く、コーナーばかりのコースなので、1コーナーで外を回ると、なかなか内に入れにくいのが理由です。

今回は内枠のリリックドラマの陣営が「単騎で逃げたい」とコメントしていますが、馬も鞍上もそんなにスタートが速いタイプではないので逃げられるだろうか? 私自身はスタートが上手い武豊騎手のエイシンティンクルが1コーナーのロスを嫌って、逃げる可能性のほうが高いと見ています。しかし、ミッキーチャームを始め、先行馬が揃っているだけに、スローペースになる可能性は極めて低いでしょう。場合によってはハイペースまであると見ています。強い先行馬が出走していますが、穴は差し、追い込み馬でしょう。

●アイビスサマーダッシュ

緑が目に痛い新潟競馬の開幕週で行なわれるアイビスサマーダッシュ。新潟はJRAでは唯一、野芝100%で行なわれる競馬場だけあって、とにかく芝が軽く、特に直線1000mはスピードがあれば、少し非力な面があっても押し切れる場合もあります。

しかし、前半からぶっ飛ばしたのでは、ゴール手間のもうひと伸びが利かないこともあり、近年は脚をチョイ貯めするのがトレンド。それでもペースがあまり緩まないことが多いので、一昨年のラインミーティアのように、後方11番手あたりからでも通用する場合もあります。

また、短距離戦だけあって、スタートダッシュや加速がつく軽量馬が有利。過去の上位馬を見ても、斤量55kg以上で活躍しているのは重賞勝ちの実績がある馬ばかり。ほとんど斤量54kg以下の馬が活躍しています。他にもほぼ一点に集約される穴パターンがあるのですが、それは予想コメントでご確認ください<(_ _*)>。

2019年 函館2歳S・中京記念

●函館2歳ステークス

中央競馬では2歳世代最初の重賞となる函館2歳S。このレースはキャリアの浅い若駒同士の争いため、予想ファクターが少ないように感じるかもしれません。しかし、逆に言えば、将来のオープン馬と生涯一勝馬が競うレース。このため能力上位馬同士で決着することがほとんど。

しかし、多少、能力の裏付けがない馬が穴を開けることもあります。どのようなタイプが穴を開けるのかというと、2011年のアイムユアーズ(5番人気)、2013年のプラチナティアラ(9番人気)、2014年のタケデンタイガー(11番人気)のような前走・未勝利組。つまり、キャリアが一戦でも豊富な馬です。プラチナティアラは前走の未勝利戦で5馬身差の圧勝と、普通に強い馬でではありましたが、新馬戦で6着に敗れていたことで嫌われたようです。

これはデビュー2戦目の馬よりも、デビュー3戦目の馬のほうが成長力を見せることが多いから。かつてこのレースの前哨戦として、オープンのラベンダー賞が用意されていた頃、ラベンダー賞組が大活躍していたのもキャリアが豊富な馬の優位性を示すものです。また、ラベンダー賞が行われていた頃は、門別勢がよく穴を開けていました。ダートばかり使われてきた馬が芝を経験させることで、活躍しやすかったのです。

しかし、ラベンダーSが廃止されてからは、門別勢はこのレースが初芝となるために苦戦。一度も馬券に絡んでいません。2015年のタイニーダンサー(12番人気)や昨年のエムティアン(9番人気)が4着入線したあたりから、門別勢がアドバルーンを打ち上げる日はそう遠くないでしょうが、芝適性が未知だけに重い印は打てないでしょう。

今年の函館2歳Sは、PP指数の能力の高い順に挙げると、レッドヴェイパー、ビアンフェ、パフェムリ。他、横並びでタイセイビジョン、プリンスリターン、マンバー。これらにキャリアの豊富な馬や、初芝の馬がどこまで食い込めるかというレースです。

今回1番人気のレッドヴェイパーは、前走の新馬戦がかなりのハイペースを先行策から押し切り勝ち。3着メイショウナパワンに5馬差をつけて完勝。けっこう無理をさせたぶん、そこまで大きな上昇度はなさそう。他馬にも付け入る隙はありそうです。

●中京記念

中京新装オープンとともに、夏のマイル重賞として生まれ変わって今年で8年目の中京記念。中京芝1600mは、1~2角の中間にあるポケット地点からのスタートして、約198mで本線に合流する札幌芝1500mとよく似たコース形態。このため昨年のように、外枠に逃げ馬(ウインガニオン)がいた場合には、最初のコーナーでハナを取るために序盤からペースが上がることがほとんど。

一方、内枠に逃げ馬がいる場合は、最初のコーナーで楽にハナが取れるので、そこまでペースが上がりません。1番枠のカオスモスが逃げた2016年はスローペースでした。これは向こう正面の距離は長いとはいえ、2コーナーから向こう上面にかけて坂を上り、後半で坂を下るコース形態も影響しています。

このレースはマイル戦になった初期の頃、馬場悪化が激しく、後方一気のフラガラハが2連覇を決めたことがありました。この過去のイメージや外枠の逃げ馬のオーバーペースによって、時々、浮上する追い込み馬のせいで、先行馬不利のイメージが強く、そこまで人気になりません。

これまでこのレースで連対した先行馬は、2013年・ミッキードリーム(2着)、2015年・スマートオリオン(1着)、2016年・ピークトラム(2着)、2017年・ウインガニオン(1着)、2018年・ロジクライ(2着)。どれも5番人気以下です。

昨年のロジクライは実力の2着でしたが、逆に2016年のピークトラムは生涯で唯一の重賞で連対。馬場状態や内枠の馬が逃げるのか、外枠の馬が逃げるのかによって、先行馬の活躍がアップダウンすることを覚えておいて損はありません。さて、今年の中京記念で逃げる馬は、何だ?

2019年 マーキュリーCの予想

海の日に恒例となった、岩手競馬の夏の風物詩マーキュリーC。この時期は実績馬が秋の大一番に備えて休養することが多いため、上半期で結果を出すことが出来なかった馬が、賞金加算を狙って出走してくることが多いレースです。また、JRAのオープン馬が新規参戦してくるケースもけっこう目立っています。

とにかく様々な路線からの参戦が目立つレースですが、意外と前走・帝王賞上位馬の取りこぼしが見られます。2010年にこのレースを制したカネヒキリのように、帝王賞で連対した馬ならば当然、高い信頼度がありますが、そのような実績馬がこのレースに出走してくることは、滅多にありません。

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競馬最強の法則8月号『儲けたいなら逃げ馬を極めろ』掲載

これまで『競馬最強の法則』で連載しておりました「山崎エリカの逃げ馬勝ち抜け馬券講座・儲けたいなら逃げ馬を極めろ」 が今回で最終回となります。今号では連載の総決算として「逃げ馬の見抜き方10カ条」を実際のレースと照らし合わせながらわかりやすく解説。逃げ馬で勝つための秘策がココに詰まっておりますので、見逃し厳禁です!

2019年 函館記念

函館芝は、タフな馬が活躍する」と、いわれています。理由は、函館と札幌では寒冷地対策として欧州と同じ洋芝が使われているからです。洋芝は緑が鮮やかですが、他場で使われている野芝より耐久性が低いのが弱点。つまり、開催が進むほど馬場の傷みが進行し、時計を要するようになります。函館は蝦夷梅雨の時期の開催ですからなおさらでしょう。時計を要する=馬場が「重い」ですから、非力な馬では通用せず、タフさも必要になるのです。

当然、2連続開催後半の函館記念も、前半と比べれば時計を要することが多いです。近年は馬場の維持や向上技術が進み、かつてほどではありませんが、それでもひと雨降れば、決着タイムが2分を超えることもしばしば。昨日も少し前の影響があったにせよ、1000万下のSTV杯(芝1200m)で、ハイペースで1分09秒3の決着でした。標準よりはタフな馬場状態です。今年の函館記念は良馬場だけに、さすがに2分は切ってくるでしょうが、それでも1分59秒台の決着にはなるでしょう。そうなると前走でタフな競馬を経験し、心肺機能が強化された状態で挑める馬が優勢となります。

函館記念は、2005~2007年に巴賞を経由したエリモハリアーが3連覇し、その後もしばらく巴賞が活躍したことから、「函館記念は巴賞組を狙え!」という格言がブームになった時期がありました。しかし、近年はすっかり影を潜めました。これは函館芝コースが高速化し、巴賞が高速馬場で行われることが多くなったことで、それほどタフさが要求されなくなってしまったからです。巴賞が超高速馬場で行われ、函館記念が重馬場で行われた2017年度などは、巴賞組全滅、巴賞の勝ち馬サトノアレスは断然の1番人気を背負ってドボンしました。

一方、エリモハリアーが3連覇した年の巴賞は時計を要していました。函館記念も同様に時計の掛かる馬場で行われたために、巴賞で時計の掛かる馬場を経験している強みが生きたのです。現在の函館もまあまあタフな馬場状態。また、今年の巴賞当日は断続的に雨が降り続いた影響で時計を要し、巴賞自体が逃げた3番人気のサトノフェイバーが大失速するハイペース。こうなると巴賞組に優位性が増すでしょう。

2019年 ジャパンダートダービーの予想

3歳馬のダートチャンピオンを決めるジャパンダートダービー。このレースは、南関東馬にとっては羽田盃、東京ダービーから続く、3歳クラシックの最終関門。東京ダービーと同距離コースの大井ダ2000mで行われることや、中央馬は8月のレパードSを目標にしていることが多いため、意外と南関東馬が通用しています。

過去10年で南関東馬が優勝したのは、2010年のマグニフィカ、2017年のヒガシウィルウィン。2着したのは2014年のハッピースプリントのみですが、中央馬が圧倒的な中距離のダートグレードの傾向を考えると、がんばれていると言えるでしょう。2007年には中央の強豪を抑えて、南関東のフリオーソ、アンパサンドがワン、ツーを決めたこともありました。これらの共通項は、マグニフィカを除いては前走の東京ダービーで2着以内ということ。また、マグ二フィカは東京ダービーの3着馬でした。


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★この後の大井12R・オフト祭り賞も提供予定です♪

2019年 プロキオンS・七夕賞

●プロキオンステークス地方で行われるダ1400のグレードレースは、黒船賞、かきつばた記念、さきたま杯、サマーチャンピオン、オーバルスプリント、兵庫GTと数多くあります。しかし、中央で行われるダ1400mのグレードレースは、2月の根岸SとこのプロキオンSのみ。12月のカペラSと併せても、スプリント戦は計3レースと少ないため、このレースは好メンバーが集う傾向があります。

今年も昨年のプロキオンSの覇者にして今年のドバイゴールデンシャヒーンで2着と健闘したマテラスカイや昨年の武蔵野Sの覇者サンライズノヴァなどの実績馬に、地方のダ1400mのグレードレースで活躍してきたウインムートやサクセスエナジーも参戦。さらにオープン特別を目下2連勝の上がり馬アルクトス、ヴェンジェンスなど、好メンバーが集いました。

また、このレースは芝スタートで最初の3コーナーまでの距離が長いコースらしく、ペースが上がりやすいのがポイント。一昨年のように、先行馬総壊滅で差し、追い込み馬が上位を独占することも少なくありません。しかし、雨の影響を受けると、前半の芝の部分で勢いに乗せられず、ペースが落ちつくこともあります。また、ダートが軽くなるので、昨年のマテラスカイのように超ハイペースで逃げても押し切れる場合もあります。

昨日の中京は重馬場でしたが、本日はワンランク回復の稍重からスタート。ただし、小雨が降り続いているようなので、それ以上に道悪になる可能性もありますが、どのみち高速ダートでしょう。あとはテンの速いマテラスカイのレースメイクで、芝スタートだとあまりスタートが速くないウインムートがどこまで前に行けるかといったところ。他の先行馬は、マテラスカイに行かせて控える意識で乗ってくる可能性が高いので、先行馬にも十分チャンスがあると見ています。

●七夕賞

まるでサイン馬券のように、「七夕賞は、七枠が有力」と言われていたのは、七夕賞が福島最終週に行われていた頃の話。当時は福島の馬場状態も悪く、最終日ともなると内側の芝がボロボロになり、外差しが決まってばかりでした。何も考えずに、外目の枠の差し馬のボックス馬券買っておけば、軽く万馬券が獲れたこともあったほど。

ところが、福島は2012年に芝を密度の濃いものに張り替えて以来、馬場高速化。ここ2年はやや時計を要していますが、それでもかつてほどではないのは明確。さらに春の東京開催が2週延長されたことで、七夕賞は2回福島4日目に繰り上がり、七夕賞当日は、道悪にならない限り、昨年の3着馬パワースポットのように内枠の馬や逃げ、先行馬もがんばれています。

それでも七夕賞が行われる福島芝2000mのは、最初の1コーナーまでの距離が約505mと長く、さらに序盤から2度の坂を下るため、福島芝1800mよりも前半が速く、ハイペースが発生しやすいレース。それも逃げ馬が大失速するような超絶なハイペースが発生する年もあります。

しかし、今回出走の逃げ馬マルターズアポジーは、前半3F33秒9通過した一昨年ほどレースを引っ張れなくなっていることや同馬のような玉砕型の逃げ馬が出走していると、他が先行馬が消極的になる面があるのも事実。超絶ハイペースとなった近3年ほどペースは上らないと見ていますが、それでもハイペースにはなるでしょう。内枠の馬や逃げ、先行馬よりも、外差しのほうが優勢と見て、馬券を組み立てたいです。

2019年 スパーキングレディーCの予想

川崎競馬場のナイター競走の名称「スパーキングナイター」より由来して名付けられたスパーキングレディーカップ。昨年こそ3歳馬牝馬は不出走でしたが、例年は、関東オークスやユニコーンSで上位の結果を出した3歳馬牝馬が、初めて古馬牝馬と激突する舞台です。

実はこのレース、一昨年、前年のJBCレディスクラシックの優勝馬ホワイトフーガが単勝オッズ1.4倍の断然1番人気に支持されながらも4着に敗れたように、実績馬よりも新興勢力が優勢の傾向。JBCレディスクラシックが新設された2011年度以降、JBCレディスクラシック優勝馬のこのレースでの成績は【1・0・2・1】と、案外と活躍していません。


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2019年 ラジオNIKKEI賞・CBC賞

●ラジオNIKKEI賞

福島芝コースは、東日本大震災の影響を受けて芝を大きく張り替えた2012年以降、馬場高速化が顕著でした。しかし、昨年からまた時計の掛かる馬場にシフト。もちろん、この時期は雨の影響もあるのでしょうが、福島は基本的に「時計が掛かる」という認識でいいはず。

また、福島は最後の直線が約292mととても短く、直線一気が決まらないため、2コーナーまでにリードを奪いたい逃げ、先行馬と、短い直線を意識して3コーナーから動いて行く差し、追い込み馬との相関関係によって緩みないペースが生まれやすいのがポイント。

特に福島は、3~4コーナーがスパイラルカーブになっており、3コーナーが緩いため、後続馬はスピードに乗せやすいというのもあります、つまり、福島は持久力勝負になりやすいということ。これは馬場が悪化するほど顕著です。

さらに福島芝1800mでの穴目は内枠の馬。福島芝1800mは、1コーナーまでの距離が約305mと短く、内枠のほうがロスなく立ち回れる優位性もあるのですが、スパイラルカーブという特性から、稀に3コーナーで内ががっぽり開いて漁夫の利が得られることがあります。(2013年の優勝馬ケイアイチョウサンなど) 今回は前記のことを全て踏まえて、予想を組み立てたいです。

●CBC賞

中京芝1200mといえば、向こう上面の半ばからスタートして緩やかに100mほど坂を上った後、最後の直線序盤まで坂を下っていくコース。坂を下るコースはペースが上がりやすく、基本的に逃げ、先行馬が苦戦。ひと雨降れば、一昨年のシャイニングレイのように直線一気が決まることもあります。

しかし、パンパンの良馬場、超高速馬場でありさえすれば、一昨年のラヴァーズポイント(2番手2着)や、ベルカント(逃げて3着)のように、逃げ、先行馬ががんばれることも少なくありません。今年は稍重発表だった昨日の知多特別(1000万下)で1分20分3の決着。これが平均ペースでのものですから、標準よりもやや高速馬場といえる状態でした。しかし、本日はワンランク馬場悪化で重馬場。

逃げ馬はセイウンコウセイ、グランドボヌールといるものの、両馬ともに逃げにこだわるタイプではなく、外枠のセイウンコウセイが内枠のグランドボヌールの出方を窺いながらの競馬になるでしょう。グランドボヌールがハナを主張すれば、セイウンコウセイが2番手。グランドボヌールがハナを主張しなければセイウンコウセイが逃げる形。騎手も重馬場という意識が働いているだけに、共存し合う形になるのではないでしょうか。

また、外枠の先行馬は、前記2頭の出方を窺いながらポジションを取っていく形になる可能性が高く、そうなるとペースは落ちつくでしょう。しかし、中京芝1200mのコース形態や馬場状態を考慮すると、スローペースになるのも考えづらく、平均ペースといったところではないでしょうか。また、馬場が悪化すると瞬発力タイプの馬が苦戦するので、脚質よりもトップスピードが持続できるタイプを狙いたいです。

2019年 ユニコーンS・函館スプリントS

●ユニコーンステークス

フェブラリーSと同じ東京ダ1600mで行われるユニコーンS。芝スタートの直線の長いコースらしく、ペースが上がりやすいのが特徴。過去10年でも平均ペースで決着したのは、高速ダートで逃げ馬の出走がサマリーズのみだった2013年(勝ち馬ベストウォーリア)のみ。それ以外の年は全てハイペースで決着しており、差し、追い込み馬が台頭することもしばしばあります。

今年も2013年同様に高速ダート。逃げたい馬はダンツキャッスルですが、地方ならばともかく、中央の高速ダートでは逃げられないでしょう。また、イメルは前走時、他に行く馬がいないから逃げただけで、「逃げ厳禁」の音無厩舎ですから重賞のここでは逃げない公算大。

そうなるとヴァニラアイスのマイペースの逃げが濃厚となりますが、最内枠を引いたワイルドファラオはNZTと同様、包まれないように積極的に出していく可能性は十分あるでしょう。ワイルドファラオの陣営は、先行策を示唆するコメントをしていましたが、あくまでも枠順発表前のコメントなので何とも…。

ただし、ヴァニラアイスもワイルドファラオもレースを引っ張る典型的な逃げ馬ではないので、ペースは早過ぎず、遅すぎずの平均ペースの範囲内で収まる可能性が高いと見ています。速い時計が求められる中での平均ペースとなると、やっぱり穴目は前々、内々ででレースを進めて、ロスなく立ち回れる馬ということになるでしょう。

●函館スプリントステークス

函館スプリントSが行われる芝1200mは、前半で坂を上って、後半で坂を下るコース。このため、本来はペースが上がりにくいのですが、高松宮記念以来の芝1200m戦となるために、トップクラスのスピードタイプが集い、意外とペースが上がるのがポイント。ただし、開幕週の高速馬場、レコード決着が連発した一昨年のような超高速馬場で行われることもあり、ある程度、ペースが上がっても前から押し切れているのが実情です。

ただし、今年は、昨日のHTB杯が前半3F33秒6-後半3F35秒0のハイペースで流れて1分08秒台で決着したように、例年並みの馬場状態。高速馬場だった昨年よりもやや時計を要しています。その上で雨が降るとなると、ある程度、ペースが上がるはずですが、今回は逃げ馬シュウジやその他先行馬の回避により、本来逃げ馬ではない馬が逃げるので、そこまで上がらないでしょう。過去10年で一番遅い前半3F34秒台という決着になると見ています。前半34秒台の決着ならば、前へ行った馬でも通用するし、差し馬でも届くはず。

しかし、馬場が悪化するほど、スピードを生かしてこのタワーオブロンドンのようなタイプはドボンしがち。これだけ出走馬のメンバー質が低くなってしまうと、消すのに躊躇してしまいますが、タフな馬場を得意としている馬や、前走でタフな流れを経験している馬のほうが優位性があるのは事実。スピードよりもスタミナ型の馬を積極的いたいです。