2019年 函館記念

函館芝は、タフな馬が活躍する」と、いわれています。理由は、函館と札幌では寒冷地対策として欧州と同じ洋芝が使われているからです。洋芝は緑が鮮やかですが、他場で使われている野芝より耐久性が低いのが弱点。つまり、開催が進むほど馬場の傷みが進行し、時計を要するようになります。函館は蝦夷梅雨の時期の開催ですからなおさらでしょう。時計を要する=馬場が「重い」ですから、非力な馬では通用せず、タフさも必要になるのです。

当然、2連続開催後半の函館記念も、前半と比べれば時計を要することが多いです。近年は馬場の維持や向上技術が進み、かつてほどではありませんが、それでもひと雨降れば、決着タイムが2分を超えることもしばしば。昨日も少し前の影響があったにせよ、1000万下のSTV杯(芝1200m)で、ハイペースで1分09秒3の決着でした。標準よりはタフな馬場状態です。今年の函館記念は良馬場だけに、さすがに2分は切ってくるでしょうが、それでも1分59秒台の決着にはなるでしょう。そうなると前走でタフな競馬を経験し、心肺機能が強化された状態で挑める馬が優勢となります。

函館記念は、2005~2007年に巴賞を経由したエリモハリアーが3連覇し、その後もしばらく巴賞が活躍したことから、「函館記念は巴賞組を狙え!」という格言がブームになった時期がありました。しかし、近年はすっかり影を潜めました。これは函館芝コースが高速化し、巴賞が高速馬場で行われることが多くなったことで、それほどタフさが要求されなくなってしまったからです。巴賞が超高速馬場で行われ、函館記念が重馬場で行われた2017年度などは、巴賞組全滅、巴賞の勝ち馬サトノアレスは断然の1番人気を背負ってドボンしました。

一方、エリモハリアーが3連覇した年の巴賞は時計を要していました。函館記念も同様に時計の掛かる馬場で行われたために、巴賞で時計の掛かる馬場を経験している強みが生きたのです。現在の函館もまあまあタフな馬場状態。また、今年の巴賞当日は断続的に雨が降り続いた影響で時計を要し、巴賞自体が逃げた3番人気のサトノフェイバーが大失速するハイペース。こうなると巴賞組に優位性が増すでしょう。

2019年 ジャパンダートダービーの予想

3歳馬のダートチャンピオンを決めるジャパンダートダービー。このレースは、南関東馬にとっては羽田盃、東京ダービーから続く、3歳クラシックの最終関門。東京ダービーと同距離コースの大井ダ2000mで行われることや、中央馬は8月のレパードSを目標にしていることが多いため、意外と南関東馬が通用しています。

過去10年で南関東馬が優勝したのは、2010年のマグニフィカ、2017年のヒガシウィルウィン。2着したのは2014年のハッピースプリントのみですが、中央馬が圧倒的な中距離のダートグレードの傾向を考えると、がんばれていると言えるでしょう。2007年には中央の強豪を抑えて、南関東のフリオーソ、アンパサンドがワン、ツーを決めたこともありました。これらの共通項は、マグニフィカを除いては前走の東京ダービーで2着以内ということ。また、マグ二フィカは東京ダービーの3着馬でした。


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2019年 プロキオンS・七夕賞

●プロキオンステークス地方で行われるダ1400のグレードレースは、黒船賞、かきつばた記念、さきたま杯、サマーチャンピオン、オーバルスプリント、兵庫GTと数多くあります。しかし、中央で行われるダ1400mのグレードレースは、2月の根岸SとこのプロキオンSのみ。12月のカペラSと併せても、スプリント戦は計3レースと少ないため、このレースは好メンバーが集う傾向があります。

今年も昨年のプロキオンSの覇者にして今年のドバイゴールデンシャヒーンで2着と健闘したマテラスカイや昨年の武蔵野Sの覇者サンライズノヴァなどの実績馬に、地方のダ1400mのグレードレースで活躍してきたウインムートやサクセスエナジーも参戦。さらにオープン特別を目下2連勝の上がり馬アルクトス、ヴェンジェンスなど、好メンバーが集いました。

また、このレースは芝スタートで最初の3コーナーまでの距離が長いコースらしく、ペースが上がりやすいのがポイント。一昨年のように、先行馬総壊滅で差し、追い込み馬が上位を独占することも少なくありません。しかし、雨の影響を受けると、前半の芝の部分で勢いに乗せられず、ペースが落ちつくこともあります。また、ダートが軽くなるので、昨年のマテラスカイのように超ハイペースで逃げても押し切れる場合もあります。

昨日の中京は重馬場でしたが、本日はワンランク回復の稍重からスタート。ただし、小雨が降り続いているようなので、それ以上に道悪になる可能性もありますが、どのみち高速ダートでしょう。あとはテンの速いマテラスカイのレースメイクで、芝スタートだとあまりスタートが速くないウインムートがどこまで前に行けるかといったところ。他の先行馬は、マテラスカイに行かせて控える意識で乗ってくる可能性が高いので、先行馬にも十分チャンスがあると見ています。

●七夕賞

まるでサイン馬券のように、「七夕賞は、七枠が有力」と言われていたのは、七夕賞が福島最終週に行われていた頃の話。当時は福島の馬場状態も悪く、最終日ともなると内側の芝がボロボロになり、外差しが決まってばかりでした。何も考えずに、外目の枠の差し馬のボックス馬券買っておけば、軽く万馬券が獲れたこともあったほど。

ところが、福島は2012年に芝を密度の濃いものに張り替えて以来、馬場高速化。ここ2年はやや時計を要していますが、それでもかつてほどではないのは明確。さらに春の東京開催が2週延長されたことで、七夕賞は2回福島4日目に繰り上がり、七夕賞当日は、道悪にならない限り、昨年の3着馬パワースポットのように内枠の馬や逃げ、先行馬もがんばれています。

それでも七夕賞が行われる福島芝2000mのは、最初の1コーナーまでの距離が約505mと長く、さらに序盤から2度の坂を下るため、福島芝1800mよりも前半が速く、ハイペースが発生しやすいレース。それも逃げ馬が大失速するような超絶なハイペースが発生する年もあります。

しかし、今回出走の逃げ馬マルターズアポジーは、前半3F33秒9通過した一昨年ほどレースを引っ張れなくなっていることや同馬のような玉砕型の逃げ馬が出走していると、他が先行馬が消極的になる面があるのも事実。超絶ハイペースとなった近3年ほどペースは上らないと見ていますが、それでもハイペースにはなるでしょう。内枠の馬や逃げ、先行馬よりも、外差しのほうが優勢と見て、馬券を組み立てたいです。

2019年 スパーキングレディーCの予想

川崎競馬場のナイター競走の名称「スパーキングナイター」より由来して名付けられたスパーキングレディーカップ。昨年こそ3歳馬牝馬は不出走でしたが、例年は、関東オークスやユニコーンSで上位の結果を出した3歳馬牝馬が、初めて古馬牝馬と激突する舞台です。

実はこのレース、一昨年、前年のJBCレディスクラシックの優勝馬ホワイトフーガが単勝オッズ1.4倍の断然1番人気に支持されながらも4着に敗れたように、実績馬よりも新興勢力が優勢の傾向。JBCレディスクラシックが新設された2011年度以降、JBCレディスクラシック優勝馬のこのレースでの成績は【1・0・2・1】と、案外と活躍していません。


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2019年 ラジオNIKKEI賞・CBC賞

●ラジオNIKKEI賞

福島芝コースは、東日本大震災の影響を受けて芝を大きく張り替えた2012年以降、馬場高速化が顕著でした。しかし、昨年からまた時計の掛かる馬場にシフト。もちろん、この時期は雨の影響もあるのでしょうが、福島は基本的に「時計が掛かる」という認識でいいはず。

また、福島は最後の直線が約292mととても短く、直線一気が決まらないため、2コーナーまでにリードを奪いたい逃げ、先行馬と、短い直線を意識して3コーナーから動いて行く差し、追い込み馬との相関関係によって緩みないペースが生まれやすいのがポイント。

特に福島は、3~4コーナーがスパイラルカーブになっており、3コーナーが緩いため、後続馬はスピードに乗せやすいというのもあります、つまり、福島は持久力勝負になりやすいということ。これは馬場が悪化するほど顕著です。

さらに福島芝1800mでの穴目は内枠の馬。福島芝1800mは、1コーナーまでの距離が約305mと短く、内枠のほうがロスなく立ち回れる優位性もあるのですが、スパイラルカーブという特性から、稀に3コーナーで内ががっぽり開いて漁夫の利が得られることがあります。(2013年の優勝馬ケイアイチョウサンなど) 今回は前記のことを全て踏まえて、予想を組み立てたいです。

●CBC賞

中京芝1200mといえば、向こう上面の半ばからスタートして緩やかに100mほど坂を上った後、最後の直線序盤まで坂を下っていくコース。坂を下るコースはペースが上がりやすく、基本的に逃げ、先行馬が苦戦。ひと雨降れば、一昨年のシャイニングレイのように直線一気が決まることもあります。

しかし、パンパンの良馬場、超高速馬場でありさえすれば、一昨年のラヴァーズポイント(2番手2着)や、ベルカント(逃げて3着)のように、逃げ、先行馬ががんばれることも少なくありません。今年は稍重発表だった昨日の知多特別(1000万下)で1分20分3の決着。これが平均ペースでのものですから、標準よりもやや高速馬場といえる状態でした。しかし、本日はワンランク馬場悪化で重馬場。

逃げ馬はセイウンコウセイ、グランドボヌールといるものの、両馬ともに逃げにこだわるタイプではなく、外枠のセイウンコウセイが内枠のグランドボヌールの出方を窺いながらの競馬になるでしょう。グランドボヌールがハナを主張すれば、セイウンコウセイが2番手。グランドボヌールがハナを主張しなければセイウンコウセイが逃げる形。騎手も重馬場という意識が働いているだけに、共存し合う形になるのではないでしょうか。

また、外枠の先行馬は、前記2頭の出方を窺いながらポジションを取っていく形になる可能性が高く、そうなるとペースは落ちつくでしょう。しかし、中京芝1200mのコース形態や馬場状態を考慮すると、スローペースになるのも考えづらく、平均ペースといったところではないでしょうか。また、馬場が悪化すると瞬発力タイプの馬が苦戦するので、脚質よりもトップスピードが持続できるタイプを狙いたいです。

2019年 ユニコーンS・函館スプリントS

●ユニコーンステークス

フェブラリーSと同じ東京ダ1600mで行われるユニコーンS。芝スタートの直線の長いコースらしく、ペースが上がりやすいのが特徴。過去10年でも平均ペースで決着したのは、高速ダートで逃げ馬の出走がサマリーズのみだった2013年(勝ち馬ベストウォーリア)のみ。それ以外の年は全てハイペースで決着しており、差し、追い込み馬が台頭することもしばしばあります。

今年も2013年同様に高速ダート。逃げたい馬はダンツキャッスルですが、地方ならばともかく、中央の高速ダートでは逃げられないでしょう。また、イメルは前走時、他に行く馬がいないから逃げただけで、「逃げ厳禁」の音無厩舎ですから重賞のここでは逃げない公算大。

そうなるとヴァニラアイスのマイペースの逃げが濃厚となりますが、最内枠を引いたワイルドファラオはNZTと同様、包まれないように積極的に出していく可能性は十分あるでしょう。ワイルドファラオの陣営は、先行策を示唆するコメントをしていましたが、あくまでも枠順発表前のコメントなので何とも…。

ただし、ヴァニラアイスもワイルドファラオもレースを引っ張る典型的な逃げ馬ではないので、ペースは早過ぎず、遅すぎずの平均ペースの範囲内で収まる可能性が高いと見ています。速い時計が求められる中での平均ペースとなると、やっぱり穴目は前々、内々ででレースを進めて、ロスなく立ち回れる馬ということになるでしょう。

●函館スプリントステークス

函館スプリントSが行われる芝1200mは、前半で坂を上って、後半で坂を下るコース。このため、本来はペースが上がりにくいのですが、高松宮記念以来の芝1200m戦となるために、トップクラスのスピードタイプが集い、意外とペースが上がるのがポイント。ただし、開幕週の高速馬場、レコード決着が連発した一昨年のような超高速馬場で行われることもあり、ある程度、ペースが上がっても前から押し切れているのが実情です。

ただし、今年は、昨日のHTB杯が前半3F33秒6-後半3F35秒0のハイペースで流れて1分08秒台で決着したように、例年並みの馬場状態。高速馬場だった昨年よりもやや時計を要しています。その上で雨が降るとなると、ある程度、ペースが上がるはずですが、今回は逃げ馬シュウジやその他先行馬の回避により、本来逃げ馬ではない馬が逃げるので、そこまで上がらないでしょう。過去10年で一番遅い前半3F34秒台という決着になると見ています。前半34秒台の決着ならば、前へ行った馬でも通用するし、差し馬でも届くはず。

しかし、馬場が悪化するほど、スピードを生かしてこのタワーオブロンドンのようなタイプはドボンしがち。これだけ出走馬のメンバー質が低くなってしまうと、消すのに躊躇してしまいますが、タフな馬場を得意としている馬や、前走でタフな流れを経験している馬のほうが優位性があるのは事実。スピードよりもスタミナ型の馬を積極的いたいです。


2019年 関東オークスの予想

3歳牝馬限定の唯一のダートグレードとなる関東オークス。関東オークスは、2012年に川崎のアスカリーブルが中央の強豪を抑えて勝利するなど、地方勢の活躍が目立ちます。2016年は船橋のミスミランダー(7番人気)が2着に食い込んで波乱。昨年も川崎のゴールドパテック(5番人気)、大井のクレイジーアクセル(3番人気)が2着、3着に食い込み、また、1着馬が中央勢ではもっとも人気のないハービンマオ(6番人気)だったこともあり、3連単10万越えの高配当決着となりました。

地方馬のこのレースでの成績は、過去10年で1着1回、2着5回、3着7回。中央馬の活躍ばかりが目につくダートグレードで、この成績は驚くほど優秀です。これは地方競馬が牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を目的として、2010年よりグランダムジャパン(対象レースの競走成績に応じてポイントを付与し、上位3頭の地方馬はボーナスがもらえる)を開催するなど、牝馬の番組が充実していることが一番の理由でしょう。

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2019年 北海道スプリントカップの予想

旭川競馬場の廃止により、2009年から門別に舞台を移し、2010年より門別のダ1200mで行われている北海道スプリントカップ。このレースは放牧地という土地柄で行われることもあり、秋の大一番を目指して、この後にリフレッシュ放牧予定の実績馬が多く集います。ハイレベルな決着になることが多いため、人気の実績馬同士で決着することがほどんど。

実際に2009年以降の過去10年で、7度も1~3番人気で決着しています。1~3番人気でありながら、このレースで4着以下だったのは、2014年のセイクリムズン(2番人気)、2015年のアドマイヤサガス(3番人気)、2018年のニシケンモノノフのみ。

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今年は、実績馬よりも現行勢力を覆しかねない新興勢力が集いましたが、果たして結果は?

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2019年 帝王賞の予想

いよいよ明日に迫った、上半期の総決算・帝王賞。かつてはマキバスナイパー(2001年)、ネームヴァリュー(2003年)、アジュディミツオ―(2006年)、ボンネビルレコード(2007年)、フリオーソ(2008年)がこのレースを制すなど、地方勢、特に船橋所属馬の活躍が目立っていました。しかし、近年はJRAのダートのレースが充実。早い時期からダートを目指す馬が多くなったことや、地方の中距離レースが減ったことなどから、地方馬の活躍が激減。2011年度以降は地方馬の連対ゼロと、地方馬苦戦の傾向が続いています。

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帝王賞は逃げ馬多数。
帝王賞で逃げる馬をTwitterでアンケート中!
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2019年 鳴尾記念

昨日、金曜日の正午の時点でダートが稍重だっただけに、超高速馬場かどうかはともかく、3回阪神開幕日のパンパンの良馬場で行われる鳴尾記念。阪神はスタートしてから坂を下って上るコースがほとんど。全体に的にはペースが上がりやすい競馬場です。しかし、阪神芝2000mはスタート直後に上り坂があるため、意外とペースが上がりません。

阪神芝2000mが舞台の今春のG1・大阪杯で逃げたエポカドーロは早々とバテましたが(後日報道によると、鼻出血)、その内々を先行したアルアインが押し切って優勝。また、阪神芝2000mで行われるようになった過去6年のこのレースでも、2度ほど逃げ切り勝ちが決まっています。(2013年のトウケイヘイロー、2017年のステイインシアトル) このことからも、逃げ、先行馬向きのペースになりやすいのがご理解いただけるでしょう。

今回は二の脚こそ遅いもののスタートが上手い内枠のタニノフランケルが逃げるか、大外からブラックスピネルが逃げるかといったところ。タニノフランケルの鞍上・武豊騎手が主導権を握ると、前後半差のない平均ペースでまとめてくることが多いとはいえ、開幕週を考慮すると先行馬向きの流れになる可能性が高いでしょう。先行馬主体で予想を組み立てたいです。