2023年 ロジータ記念の予想

■金沢ダービー馬と岩手ダービー馬が参戦

 今年は金沢、岩手、兵庫で牝馬のダービー馬が誕生した。今年のロジータ記念は金沢ダービー馬ショウガタップリと岩手ダービー馬ミニアチュールが参戦する。

 それを迎え撃つのはロジータ記念TR・サルビアCで8馬身差で圧勝したマテリアルガールや関東オークスでパライバトルマリンと0.4秒差(4着)に好走したメイドイットマム等。

 勝つのは南関馬か、それとも他地区か…。マテリアルガールはサルビアCで圧勝だったが、サルビアCの勝ち馬は2010年以降の過去12年で【0・1・1・10】と2014年のモフモフの2着が最高着順。1勝もしていないこと考えると、サルビアCの敗退馬や他地区の馬もノーチャンスではないと見ている。

川崎11R ロジータ記念 ダ2100m
 ◎ (4)ショウガタップリ
 ○ (9)マテリアルガール
 ▲ (7)メイドイットマム
 注 (8)ワイズゴールド
 △ (2)スギノプリンセス
 △ (6)リコシェ
 △ (11)ミニアチュール
結論 馬複4-9,7,8,2,6,11 (18:14:6:4:4:4) 複勝4 (50)

■有力馬のコメント

◎ (4)ショウガタップリ

 金沢で11戦11勝。牝馬ながら石川ダービーを制した馬だが、前々走の黒潮盃で初めて土が付く形となった。前々走は3番枠からまずまずのスタートを切ったが、トップスタートを切った内のマンダリンヒーローが外にヨレて接触。それでも行き脚がついて好位馬群の中目を追走。3角のペースアップでマンダリンヒーローがやや下がってきたので、そこで一列下げて4角で外に出す形。直線の外から前を追ったが1.9秒差の6着に敗れた。

 黒潮盃は逃げた7番人気馬ウインドフレイバーが3着に好走しているように、前有利の流れ。そこを考えると3角の不利は大きく、スムーズならば本馬と同じ位置の内を追走していた5着馬タイガーチャージと互角のレースはできていたはず。そのタイガーチャージは次走の戸塚記念で3着である。これくらいの走りができれば、今回のメンバーが相手でも見劣りしない。

 また前走の西日本ダービー(距離2000m)で好位の外から4角先頭の競馬で6馬身差で圧勝しているように、距離が延びるのはいいはず。サルビアCの上位2頭は強いが、ここは食い込みを期待したい。

○ (9)マテリアルガール

 ロジータ記念TR・前走のサルビアCを優勝した馬。前走は5番枠から好スタートを切って、最内枠からハナを主張した(7)メイドイットマムをぴったりマークでその外2番手を追走。2週目の向正面半ばからメイドイットマムにプレッシャーをかけ、抵抗する同馬を競り落として4角ではもう先頭。そこから後続との差をどんどん広げて8馬身差で圧勝した。

 本馬は前走を制して4連勝。前走は強かったが、このレースはサルビアCの勝ち馬が苦戦の舞台。2010年以降の過去12年で【0・1・1・10】と2014年のモフモフの2着が最高着順で、それ以外は連対を外している。つまり、それだけトライアルで好走、激走するのは本番へ向けては好ましくないということだ。

 ちなみにモフモフはサルビアCで1.1秒差で圧勝した馬。この着差は過去12年でNO.2のもの。マテリアルガールは1.6秒差とNO.1の着差で強い勝ち方だっただけに、前走からパフォーマンスをダウンさせる形でも、連対を確保する可能性は十分に考えられる。

▲ (7)メイドイットマム

 SⅠの東京2歳優駿牝馬と桜花賞を優勝し、前々走の関東オークスでも0.3秒差(4着)に善戦した馬。前々走は9番枠からまずまずのスタートを切って、そこから押して押しての先行策。最終的には外の2頭を行かせて、好位の最内を確保する。スタンド前でメイショウオーロラ等が外から上がって来たが、それを行かせて好位の直後の最内。2週目の3~4角でも最短距離から進出し、4角で2列目の外に出されると、そこから前に迫って3着メイショウオーロラとハナ差の4着に好走した。

 休養明けの前走、サルビアCは1番枠から好スタートを切って、積極的に出してハナを主張。折り合いを欠いていたが、そこを外から〇(9)マテリアルガールにぴったり外からマークされる形。2週目の3~4角で先頭を狙う同馬に抵抗したが、直線序盤で苦しくなって失速し、離された2着に終わった。前走はデビュー以来、初めての逃げで苦しい競馬になたっが、前走で厳しい競馬をいたことでスタミナ面の良化が見込める。

注 (8)ワイズゴールド

 桜花賞では4着だったが、その後水沢の留守杯日高賞で1着、園田ののじぎく賞で3着と、他地区で賞金加算をした馬。留守杯日高賞では5番枠からまずまずのスタートを切って、内枠の利を活かしてハナを主張すると、マイペースの逃げ。3角手前でキャッツライズが競って来たが、これを競り落として4馬身差で完勝した。

 留守杯日高賞で6馬身半差の3着馬は(1)フークエンジェル。本馬は休養中に成長したにせよ、ワイズゴールドはここでそんなに足りないとも思えない。確かに前々走のレキサンドライトCは(2)スギノプリンセスや(6)リコシェに完敗の3着だったが、今回は休養明けの前走で芝でテンの速力強化を図っての臨戦過程。好位でレースの流れに乗り、展開に恵まれた場合には一発あっても不思議ない。

△ (2)スギノプリンセス

 牝馬クラシック3冠ではひと息だったが、4走前の川崎1600m戦、江戸切子特別では好位の外から早めに抜け出したソウルストライクに迫ってクビ差の2着。ここで成長をアピールすることができた。

 本馬は関東オークスで大敗したことから、距離不安も囁かれているが、前走のサルビアCで▲(7)メイドイットマムの後ろの3~4番手を追走して、最後の直線で同馬に1馬身半差まで迫っていることから、距離の不安はないはず。◎マテリアルガールが本来の能力を出し切れなかった場合にはチャンスがありそうだ。

△ (6)リコシェ

 4走前のB2・ひらつか七夕まつり記念杯では逃げて8馬身差と圧勝しているように逃げてこその馬。本馬はその後も逃げて1着、2着と善戦している。前走のサルビアCでは大外13番枠から控えて好位の外を追走したが、外に逃げようとしてほとんど競馬になっていなかった。

 本馬は外に馬を置いて競馬ができれば逃げなくてもオーケーだが、今回のメンバーだと逃げる可能性が高い。その場合は距離が持たない可能もあるが、上手く折り合って脚を溜めて行ければ、これまで逃げることで鍛えた心肺機能で、この距離を克服しても不思議ないと見ている。

△ (11)ミニアチュール

 岩手の三冠馬。ダイヤモンドC、岩手ダービーの二冠で2着だったリッキーナイトは南関東でルクバーやロッソナブアを相手に歯が立たなかった馬。しかし、ロッソナブアは後の岩手ダービーでリッキーナイトと接戦の3着。それらに4馬身先着していることを考えると、岩手ダービーがそこまでレベルが低いこともなさそうだ。

 またロッソナブアは今年4月のチューリップ特別で2着と△(6)リコシェに先着している。このレースでは最後の直線でリコシュが飛ぶ鳥に驚いて内ラチに激突と自滅したものではあるが、通用の可能性が残されている以上は警戒しておきたい。岩手ダービー以降の圧勝劇から、本馬自身地力を付けていると見ている。

2023年 ローレル賞の予想

■人気上位馬に死角あり

 『2歳戦は門別の馬が有力』というのをよく耳にする。また、私もよく使う。実際に平和賞では優勝したカプセルを始め、上位を門別勢が独占。鎌倉記念を優勝したサントノーレも門別の馬であり、今年のJBC2歳優駿ではJRA勢がワン、ツーを決めたが、昨年は門別勢が掲示板を独占している。

 しかし、牝馬はどうかというと、そうでもない。特にブロッサムCを大目標にした馬は、2018年のグレイアンジェラ、2019年のプリモジョーカー、2021年のカーロデスティーノなど、この舞台でことごとく崩れている。シンプルに南関勢が強いのもあるが、ホッカイドウ競馬は2歳牝馬限定の重賞が充実しているからこそ、そこを大目とし、ここを惰性で使ってくる馬が多いからだ。

 そう考えると、いくら距離実績があると言えど、アメリアハートで安泰ではないし、1番人気に支持されているミスカッレーラも今回休養明けであり、これまでの2戦が外枠からスムーズにスローペースで逃げる逃げ馬の外を先行と揉まれる競馬を経験していない。つまり、今回で先週のハイセイコー記念で2番人気に支持されてドボンしたピコイチの要素を持っているということ(ただし、ミスカッレーラはタフな馬場を経験できている)。

 またスピニングガールは前走のゴールドジュニアから大幅距離延長。同馬は前走が忙しい競馬になっているだけに、距離が長くなること自体は好ましいが、1600mまで延長するとなると微妙な面がある。さらにザオは新馬戦、つばめ特別と砂を被るのを嫌がって首を上げ、スムーズさを欠く場面も見せており、内枠で揉まれた場合の危うさがある。

 このように人気馬の死角を考えていくと、辿り着いたのは穴馬だった。穴馬予想ばかりで、ごめんなさいm(__)m。

川崎11R ローレル賞 ダ1600m
 ◎ (4)フォルトリアン
 ○ (7)ミスカッレーラ
 ▲ (5)ザオ
 注 (3)スピニングガール
 △ (2)アメリアハート
 △ (13)ムサシジェリーナ
 △ (6)テルオール
 △ (14)ボレロオブソロウ
結論 馬連4-7,5,3,2,13,6,14 (18:10:10:4:4:2:2) 複勝4 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (4)フォルトリアン

 デビュー2戦目の200mで逃げて7馬身差の圧勝、3走前の1400mでも中団外から差し切って2勝目を挙げた馬。しかし、4走前の1600m戦、カワセミ賞でも2着、前走のとき特別でも2着に善戦している。4走前の勝ち馬は、先週のハイセイコー記念で2番人気に支持されたピコイチ。前走の勝ち馬はハイセイコー記念で独走したダテノショウグンである。このように本馬は1600m戦で牡馬の強いところとぶつかって健闘している。

 ピコイチはハイセイコー記念で3.8秒差(6着)に凡退。これによりピコイチと対戦していた馬たちの総体評価は下がったが、同馬は大井の高速馬場で6頭立て以下のスローペースの経験しかなく、タフな馬場の馬場のハイペースに対応できなかったもの。カワセミ賞の次走で2着馬に7馬身、3着馬に大差勝ちをしているように十分に強い馬だ。

 また前走ではダテノショウグンに1.4秒差をつけられているが、今回で上位人気に維持されている(5)ザオもつばめ特別で1.3秒差を付けられている。このようにダテノショウグンが経由した路線がハイレベルであるのは明確。ここも能力が足りない馬ではない。

 今回は上位人気馬が前走が大目標だったり、休養明けだったり、大幅距離延長だったり、揉まれる競馬の経験がなかったり、キックバックが苦手だったりと死角を抱えているなかで、本馬は幅広い競馬に対応でき、レースを順調に使われている強みがある。

○ (7)ミスカッレーラ

 船橋1600mの新馬戦では2番手追走から直線早め先頭に立って、大差勝ちすると、前走も圧勝。前走は大外6番枠から出遅れたが、二の脚で挽回して逃げ馬の外を追走。前半は3F通過40秒1とゆったりした入りで、3~4角からペースが上がっていくなかで、4角で逃げ馬に並びかけ、直線序盤で早々と先頭。ラスト1Fでじわじわ差を広げて4馬身差で完勝した。

 前走2着のコルベットは平和賞で0.6秒差(5着)に善戦した馬。クビ差3着のパンセは若武者賞で0.1秒差(2着)、鎌倉記念で0.5秒差(3着)と重賞で連続好走した馬。その実績を考えると、1番人気に支持されるのも当然だ。しかし、今回は相手強化の重賞で3ヵ月の休養明け。さらにこれまで外枠からすんなり先行と揉まれた経験もないので、揉まれた場合の危うさがある。そこを考慮して対抗評価とした。

▲ (5)ザオ

 新馬戦、つばめ特別と砂を被るのを嫌がって首を上げ、スムーズさを欠く場面もあったが、それでも新馬戦では後の鎌倉記念の勝ち馬グラッシーズマンと0.6秒差(2着)、その次走でも後のハイセイコー記念の勝ち馬ダテノショウグンと1.3秒差(4着)に善戦した馬。

 前走は4番枠から好スタートを切って、逃げ馬の外2番手を追走。向正面半ばから逃げ馬にプレッシャーをかけ、4角ではもう先頭。そこから後続を突き放して大差勝ちした。今回は激走後の一戦で疲れが残っている可能性はあるが、今回が内枠でも前走時に揉まれない競馬で結果を出したことで、揉まれない競馬を意識した競馬をしてくるだろう。

注 (3)スピニングガール

 9月のゴールドジュニアの3着馬。同レースでは5番枠から好スタートを切って、積極的に出して好位を狙ったが、徐々に下がって中団のやや後ろを追走。3角中目から4角では内目。直線ではクルマトラサンの後ろを通して、その外へから同馬に迫ったが0.3秒差(3着)までだった。

 そのクルマトラサンは、次走のハイセイコー記念で3着。一気の距離延長で最後に甘さを見せて3着に敗れたが、南関東のこの世代ではダテノショウグン次ぐ、2番手グループにはいる実力馬だ。そこを考えると本馬もここで通用しても不思議なく、前走が忙しい競馬だったことから距離が長くなるのもいいが、2Fの距離延長となると微妙な面がある。警戒が必要な馬ではあるが、過大評価もできない。

△ (2)アメリアハート

 フルールC、フローラC、ブロッサムCとホッカイドウ競馬の牝馬重賞路線を使われてきた馬。4走前のオープンでは、好位追走から先週のエーデルワイス賞の2着馬スティールマジックにクビ差2着に迫った内容も素晴らしかったが、エーデルワイス賞の優勝馬モズミギカタアガリと0.6秒差(4着)だった前走のブロッサムCもより素晴らしかった。

 前走は4番枠から好スタートを切って、好位馬群の中目を追走し、3角から仕掛けて、早めに抜け出したヴィヴィアンエイトに迫る競馬。ヴィヴィアンエイトが強くて同馬との差はなかなか詰められなかったが、同馬とアタマ差2着だったモズミギカタアガリの次走の活躍からもそれなりのレベルにあったのは確かだ。しかし、今回は前走を大目標にした後の一戦。

 南関東の牝馬重賞はローレル賞と暮れの東京2歳優駿牝馬の2レースしかないために、ビックタイトルこそないが、牡馬トップクラスを相手に善戦してきた馬が多いのも事実である。2018年のグレイアンジェラ、2019年のプリモジョーカー、2021年のカーロデスティーノなど、ブロッサムCの上位馬の苦戦の歴史を考えると過大評価は禁物だ。

△ (13)ムサシジェリーナ

 1200mのデビュー2戦目、デビュー3戦目のオオタカ特別では、好位の外を追走して、4馬身差、1馬身半差と連勝した馬。前走のゴールドジュニアは1番枠から五分のスタートを切ったが、二の脚が遅くて好位へは行けず、砂を被って後退。後方2番手からのレースとなり、結果、前を射程圏内に入れられず、結果、勝ち馬から1.4秒離された6着に終わった。

 本馬は距離が伸びることはあまりいい材料ではなさそうだが、外枠の今回は砂を被らない競馬ができる。人気の実績馬が自滅すればチャンスが巡ってきそうだ。

△ (6)テルオール

 新馬戦、オオクワガタ特別と逃げて連勝した馬。特に3番枠からまずまずのスタートを切って、二の脚でハナを主張し、前半3F37秒2-後半3F42秒2のハイペースで逃げ切った前々走の川崎1500m戦、オオクワガタ特別の内容が強かった。

 前走の小町特別は2番枠から出遅れ、そこから挽回して行ったが外から被され、そこから前2頭の外に出して位置を押し上げていく形、3角で2番手、4角で先頭。しかし、前半で脚を使ったことが仇となり、ラスト1Fで失速し、5着に敗れた。しかし、今回は本馬以外に逃げたい馬が不在で、ハナを狙える組み合わせ。ペース次第では粘り込みの可能性がありそうだ。

△ (14)ボレロオブソロウ

 これまでの4戦すべてが3着以内という実績。前々走のオオムラサキ特別では、10番枠から好スタートを切って2番手を追走し、アジアミッションの2着。最後の直線でアジアミッションに差を広げられたが、勝ちに行く競馬での2着の内容は悪くない。

 前走の初陣賞は前々走を踏まえて、中団から最内をロスなく立ち回って、最後の直線では外という脚をタメる競馬をしたが、そこでも離された3着。ただアジアミッションが、その後の若武者賞で0.3秒差(3着)、鎌倉記念で0.9秒差(5着)に善戦していることを考えると、牝馬相手のここなら、本馬もそれなりの走りを見せられそうだ。

2023年 アルゼンチン共和国杯・みやこS+京都9R+メイン以降の予想

京都9Rの予想を追加しますm(__)m。

■極端な脚質の馬は全く馬券に絡んでいない

 過去10年で遅い年は5F通過62秒後半~63秒台、速い年は59秒~60秒だが、60秒を切った年は2回しかない。それも遅い年は極端なほど遅いので、予想する際には「極端なスローペース」か「ややハイペース」かに決め打つのもひとつの手段だが、全体的には極端にスローペースになることが多い。

 それ以上に面白いのは、過去10年で逃げや追い込みという極端な脚質が全く馬券に絡んでいないこと。基本的に先行~中団が強く、勝ち馬は先行馬5勝、中団馬4勝と先行~中団がほぼ独占している。唯一、差し馬が優勝したのは2014年で5F通過59秒8とややハイペースだった年だ。

 今年はアフリカンゴールドとディアスティマがハナを争うと見ているが、ハイペースにしていいタイプではなく、平均よりも遅いペースになると見ている。前走で長い距離を使われ、後方からレースを進めたようなタイプは苦戦する可能性が高い。

本日4番 東京11R アルゼンチン共和国杯 芝2500m
 ◎ (16)テーオーロイヤル
 ○ (14)ヒートオンビート
 ▲ (2)レッドバリエンテ
 △ (1)プリュムドール
 △ (3)ヒュミドール
 △ (4)チャックネイト
 △ (9)ゼッフィーロ
 △ (17)マイネルウィルトス
 △ (8)アリストテレス
 △ (12)ハーツイストワール
結論 馬連16-14,2,1,3,4,9,17,8,12 (11:10:5:5:5:5:5:2:2) 複勝16 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (16)テーオーロイヤル

 昨年は4連勝でダイヤモンドSを優勝し、天皇賞(春)でも3着と上半期の注目株だった馬。ダイヤモンドSは9番枠から五分のスタートを切って、単騎で逃げるグレンガリーから離れた好位の中目を追走。向正面で3番手に上がって、3~4角で前のアンティシペイトの外に誘導して同馬を交わし、グレンガリーとの差を詰める。4角では同馬と2馬身半差、それを直線序盤で一気に伸びて先頭列に上がり、ラスト2Fでは抜け出して2馬身差。ラスト1Fでジリジリ迫るランフォザローゼスにもしっかり差を付けて2馬身半差で完勝した

 天皇賞(春)は7番枠からまずまずのスタートを切って、タイトルホルダーの単騎逃げから離れた3列目の中目を追走。3角手前で外からクレッシェンドラヴに並びかけて交わし、そのままカラ馬のシルヴァーソニックの外からタイトルホルダーに迫ったが、4角ですっと離されて甘くなる。そこをディープボンドに交わされ、同馬に1馬身差つけられたが、ここではタイトルホルダーを負かしに行く好内容だった。

 しかし、本馬はその後、不利の連続で本来の能力を出し切れていない。昨年のオールカマーは内が圧倒的に有利な馬場&展開を終始好位の外々から押し上げていく不利。アルゼンチン共和国杯は最後の直線でキングオブドラゴンを捕らえに行くなかで、同馬が内ラチに激突し、それに巻き込まれて減速する不利。前走のジャパンCは最後の直線で追い出されたところで窮屈になり、そこをボッケリーニに寄られてブレーキ。徐々に位置が下がって終戦となった。今回は骨折による長期休養明けで、8枠というのも不安材料だが、実力はここでは上。配当妙味もあるここは大逆転に期待してみたい。

〇 (14)ヒートオンビート

 今年の目黒記念の2着馬。同レースは10番枠からまずまずのスタートを切って、中団中目から1角で内目に入れて追走。3~4角では最内で脚を溜め、4角でひとつ外に出し直線では中目に誘導。序盤は進路がなく仕掛けを待たされたが、ラスト2Fで中目を捌いて3番手まで上がると、ラスト1Fで逃げ粘る(13)ディアスティマを強襲し、アタマ差で捕え切った。

 前記の目黒記念は超絶スローペースで3~4角からペースが上がったが、そこで最内を走り貯金ができたことが大きく、それが最後の末脚に繋がった面がある。同レースは戦前の段階から、メンバーの貧弱さが囁かれており、今回と同格&同コースで勝ちながらも低評価されている。しかし、終わってみれば今年の目黒記念はそこまでレベルが低いものでもなかった。

 また本馬は昨年のこのレース3着馬でもあり、この舞台に高い適性を示している。前走の京都大賞典は休養明けで9着敗退。しかし、すでに体勢が決した後ではあったが、ラスト1Fで挟まれブレーキをかけたための大敗である。このような実績で低評価というのは不思議だ。

▲ (2)レッドバリエンテ

 3走前の2勝クラス・熊野特別ではオープン通用域の指数を記録して勝利と、ここに来て地力を付けている馬。同レースでは8番枠方五分のスタートを切って、中団のやや後方外目を追走。3角手前でタイセイドリーマーが2列目まで上がったが、これを追い駆けてじわっと進出。3~4角の外から徐々に上がって3列目付近で直線へ。そこからしぶとく伸び続けて4馬身差の圧勝だった。

 前走は休養明けで3勝クラスのムーンライトHを勝利。ここでも完勝ではあったが、3走前よりも指数は低く、全能力を出し切ったものではない。叩かれての前進が期待できる。

△ (1)プリュムドール

 デビュー当初は芝1600、1800mに使われ勝ちきれない競馬が続いた。しかし、芝2000m以上を使われて成績が上昇。未勝利、1勝クラスを連勝した。昨秋のローズSはスピード不足だったが、その次走の芝2400mの2勝クラスを勝利したように、距離適性はかなり長距離にある。

 その後も芝3200mの松籟Sで3着、そして前々走は芝3000mの古都Sで1着、前走は芝3600mのステイヤーズSで2着だった。その前走は12番枠からやや出遅れたが、そこから促して中団の外で流れに乗せ、向正面で最内に入れて追走。2週目の3~4角で中目に誘導して押し上げ、4角で外々からしぶとく差して、最短距離を立ち回ったシルヴァーソニックに3/4差まで迫った。

 このように芝2000mをやや超える距離では掲示板止まりだったが、3000m級になると重賞でも馬券になるという、かなり距離適性が偏った馬だ。今回のメンバーでは指数上位の存在だが、休養明けで芝2500mとなると、レースの流れに乗れず、スタミナを生かせないまま終わってしまう可能性もある。鞍上がどうやってこの馬の持ち味を引き出すかが見どころとなりそうだ。

△ (3)ヒュミドール

 デビュー以来久々の芝レースとなった信夫山特別(2勝クラス)を勝利すると、そこから芝に路線転向し、3勝クラスのノベンバーSも勝利した。オープン昇格後はやや足りない成績が続いた時期もあったが、2021年は小倉記念2着、福島記念2着と芝の重賞で馬券圏内に突入するまで地力をつけた。

 しかし、その後はまた不振が続き、さすがに終わったかと思わせたが、前々走のダイヤモンドSでは2着に激走。同レースは5番枠から五分のスタートを切り、二の脚で楽に先行し、好位の最内を追走。向正面でスタッドリーが捲って先頭に立ち、ペースが上がったが、そこでワンテンポ待って前のスペースを広げた。3~4角でそのスペースを潰して最短距離を立ち回り、直線序盤ですっと伸びて2列目まで進出。ラスト2Fで先頭列に並びかけ、大外のミクソロジーとの叩き合い。惜しくもクビ差で敗れたが、3着馬には2馬身差としっかり差をつけた。

 本馬はデビューしてからしばらくの間、不適なダートを使われ、無理をさせなかったことで7歳馬だがまだまだ元気だ。今回は前走で距離の長い天皇賞(春)を後方からレースをした後の一戦となり、レースの流れに乗れるか微妙も、能力はまだしっかりしたものを持っている。過大評価は禁物も、警戒しておく必要はある。

△ (4)チャックネイト

 昨春にノド鳴り手術をし、そこから復帰すると右肩上がりで上昇。休養明けの前走では3勝クラスの六社を勝利した。前走は9番枠から五分のスタートを切って中団の外目を追走。3~4角では3列目の外から4角で手口で外に出されると、直線序盤の伸びはそこまででもなかったが、外から上がって来たエンドウノハナと馬体をぶつけるように併せて一気に伸び、同馬に競り勝ち、内から上がった2頭も振り切ってクビ差で制した。

 本馬は前走で自己最高指数を記録。正直、本馬が2番人気に支持されるほどの能力の裏付けはない。しかし、前走からさらなる前進があればここで通用する領域にはいる存在だ。

△ (9)ゼッフィーロ

 今年のオールカマー3着馬。同レースは8番枠から五分のスタートだったが、二の脚が速く、中団最内を取って追走。道中は本馬の前でレースを進めていたマテンロウレオが下がってきたので、コントロールしながら後方付近までポジションダウン。3~4角でマテンロウレオの外に出して前のスペースを詰め、中団の中目で直線へ。序盤で好位列まで上がってラスト1Fで窮屈なところを走り切って最後まで伸び続け、2着タイトルホルダーにクビ差まで迫った。

 前走は前後半5F61秒1- 58秒5とかなりのスローペースで、前有利の流れだった。それだけに前のウインマリリンに突進しようとするのを抑え、位置が下がったマテンロウレオの巻き添えで位置が下がってしまったのは痛かった。しかし、最内から中目を追走したことで、脚を溜めたことが功を奏して自己最高指数を記録。そういったことを考えると、今回でさらなる上昇を期待するのは難しい。

 また前々走の目黒記念は、まずまずのスタートを切りながらも坂スタートの影響もあって二の脚が遅く、位置が下がって最後方からの競馬になり、3角でも後方3番手。3~4角で外目を追走も位置を押し上げ切れず4着に敗れた。本馬はここへきて地力をつけていることは確かだが、目黒記念と同舞台の今回も後方からになることが予想され、ペースが上がらないと届かない可能性も十分あり、全幅の信頼はおけない。

△ (17)マイネルウィルトス

 デビューからしばらく脚を溜める競馬で伸び悩んでいたが、2020年4月の飯盛山特別(1勝クラス)では先行策から圧勝。スタミナ豊富なところを見せた。その後、極悪馬場の新潟芝2000mで行われた2021年福島民報杯でも大差勝ち。同レースは序盤は好位直後の最内を追走していたが、そこから徐々に位置を上げ、4角では2列目。直線序盤で中目に誘導されると、他馬が次々と失速していく中を最後までしぶとく粘り、2着馬に1.8秒差をつけた。

 本馬は豊富なスタミナで時計の掛かる馬場を得意としており、凱旋門賞などもタイミングが合えば激走しそうなタイプだ。その後もアルゼンチン共和国杯、目黒記念、そして重馬場の函館記念で2着しているように、とにかくスタミナが豊富。

 ただ今年に入ってややレース内容が悪くなっているのも確か。超高速馬場の東京芝でスローペースになったときは微妙な印象もある。ただ全能力を発揮したときには、今回のメンバーでも能力上位の存在。スタミナが生きる流れ、スタミナを生かす騎乗がされたときは一発の可能性は十分ある。

3番人気 (13)ディアスティマ

 今年の目黒記念の2着馬。同レースは7番枠からまずまずのスタート。内からトップスタートを切ったバーデンヴァイラーがハナを主張したが、押して1角までにハナを奪った。そこからはペースを超絶スローに落とし、特に動きのないまま一団で3角へ。3~4角でじわっとペースを引き上げ半馬身差のリードで直線へ。序盤でバラジに並ばれたが、しぶとく踏ん張ってラスト1Fで同馬を振り切った。しかし、最後は中目から馬群を捌いて強襲してきた○(14)ヒートオンビートに差されてアタマ差の惜敗だった。

 前走の目黒記念は超絶高速馬場で前半5F62秒0-後半5F57秒9の超絶スローペース。つまり、逃げて内目をロスなく立ち回った本馬は展開に恵まれての2着だった。今回は同型馬(6)アフリカンゴールドの出走により、前走ほど楽には前に行けないはず。今回は前走を大目標とし、そこで自己最高指数を記録した後の休養明けの一戦。ここが目標ではないはずで評価を下げたい。
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本日2番 京都11R みやこS ダ1800m
 ◎ (7)メイクアリープ
 ○ (1)アスクドゥラメンテ
 ▲ (6)ブリッツファング
 △ (3)タイセイドレフォン
 △ (14)ウィリアムバローズ
 △ (10)ホウオウルーレット
 △ (4)サンライズホープ
 △ (12)ペプチドナイル
結論 馬連7-1,6,3,14,10,4,12 (14:9:9:9:5:2:2) 複勝7 (50)

■みやこSのポイント

 みやこSは2018年はJBCが京都競馬場で開催されたため、行われなかったこともあるレース。このようにJBCと開催時期が重なっているため陰が薄く、古馬一線級の参戦が少ないことから、上がり馬、特に4歳馬が過去10年で6勝2着1回(出走馬32頭中)が目立つ。

 また、このレースが行われる京都ダ1800mの舞台は、最初のコーナー(1角)までの距離が286mと短く、外枠の馬は最初のコーナーで外に張られることになるので、基本的には内枠有利だ。2015年の7番人気で優勝した2番枠のロワジャルダンを始め、最内を立ち回った馬が上位争いをしている。

 ただし、今年は何が何でも逃げるペプチドナイルが出走しているので、序盤でウィリアムバローズがハナを狙うフリをして抵抗していく可能性が高いにせよ、隊列がすぐに決まる可能性が高い。そうなると逃げ馬インティが大外16番枠に入り、序盤から先行争いが激化した2019年のような極端な外枠不利ではなくなるが、それでも有利な材料ではない。今回はそれも踏まえて予想を組み立てた。

■有力馬とそのコメント

◎ (7)メイクアリープ

 3走前の三宮Sでは、先日のJBCクラシックを優勝したキンズソードに最後までしつこく抵抗してハナ差の2着。前々走の名鉄杯でもJBCレディスクラシックで3着のアーテルアストレアとハナ差の2着。前々走は14番枠から五分のスタートを切って、逃げ馬からやや離れた好位の外を追走し、3~4角で前との差を詰めて4角2列目の外から直線へ。ラスト2Fでグンと伸びて先頭に立ち、ラスト1Fで高速を突き放したが、最後に外から一気に伸びたアーテルアストレアに交わされてハナ差だったが、3着ニューモニュメント(今年の川崎記念3着の実績)には4馬身差をつけた。

 このように後に交流重賞を勝利する馬と接戦、それも先に仕掛けてしつこく抵抗する形で好指数を記録しているように、実力はある。スタミナが不足する休養明けの前走、太秦Sは11番枠で人気を背負ったこともあって、ハナを奪う競馬。ペースが速くなり、最後の直線で勝ち馬に早めに来られてしまう苦しい展開となり、ラスト1Fで失速した。しかし、前走で厳しい競馬をしたことで、スタミナが強化され、ここでの上昇が期待できる。
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本日1番 京都9R もちの木賞 ダ1800m
 ◎ (2)ピュアキアン
 〇 (4)ジャスパーロブスト
 ▲ (9)テンエースワン
 注 (8)アラレタバシル
 △ (5)ヒロノラメール
 △ (10)グランルーチェ
結論 馬連2-4,9,8,5,10 (20:10:8:6:6) 複勝2 (50)

PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にピュアキアン(-9.0pt)、テンエースワン(-7.0pt)、アンモシエラ(-6.3pt)、グランルーチェ(-6.0pt)、ジャスパーロブスト(-5.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (2)ピュアキアン (新馬戦の評価A)

 9月の中山ダ1800mの新馬戦の勝ち馬。同レースでは10番枠からトップスタートを切ってハナを主張すると、ペースを落としてマイペースで逃げ。逃げながらも道中では脚を溜めていたため、手応えに余裕があり、3~4角から後続を引き離しにかかった。

 ところがラオラシオンが食らいついて来たため、リードを奪い切れず、楽な展開とはならなかった。同馬は直線序盤で失速したが、最内からバナマンテソーロが猛追。しかし、本馬は追い出されるとフットワークの回転が上がり、最後まで抜かせず、半馬身差で振り切った。

 結果、上位2頭で3着馬に10馬身以上の差をつけてゴールイン。ラスト2Fは13秒1-12秒6。逃げて最後まで加速できた内容は優秀だ。また道中で息を入れての逃げができていたことから、逃げ限定タイプではないだろう。2着馬バナマンテソーロも指数は良く、近いうちに未勝利を突破すると見ていたが、先月末にしっかり勝ち上がった。
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本日3番 福島11R みちのくS 芝1200m
 ◎ (1)エナジーグラン
 ○(12)グルーヴィッド
 ▲ (7)アビッグチア
 △ (4)シュバルツカイザー
 △ (6)モントライゼ
 △ (8)コムストックロード
 △ (9)ファロロジー
 △ (11)グレイトゲイナー
 △ (15)キャプテンドレイク
結論 馬連1-12,7,4,6,8,9,11,15 (10:10:10:4:4:4:4:4) 複勝1 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にシュバルツカイザー(-20.0pt)、コムストックロード(-17.3pt)、エナジーグラン、グレイトゲイナー(ともに-16.0pt)、リレーションシップ、ファロロジー、 ディヴィナシオン(ともに-15.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (1)エナジーグラン

 昨秋の福島1勝クラスを勝利すると、そこから一気に3連勝してオープン入りした馬。4走前の下関Sは11番枠から五分のスタートを切って、そこから押して中団中目を追走。位置を取ってからはレースの流れに乗り、3~4角の外から勢いに乗せて4角大外から直線へ。ラスト1Fで追い出されると一気に抜け出し、猛追するグランレイをクビ差で振り切った。

 ただ、4走前を含めて3連勝は展開に恵まれた面もあったため、オープン昇級後はやや苦戦しているが、前走の信越Sでは1番枠から五分のスタートを切って、馬場の悪化した最内からじわっと上がって好位の直後を追走。3~4角でも3列目付近の最内でレースを進めて直線で中目に出されると、勝ち馬に0.4秒差まで迫った。前走るは地力をつけていることがよくわかる内容だった。

 今回のメンバーでは能力値上位。今回も最内枠なのでギャンブル的な要素もあるが、うまく捌ければ十分に勝ち負けが狙える。また現時点では5番人気で内枠のリスクに見合うオッズとなっているので狙うことにした。

2023年 京王杯2歳S+ファンタジーS+メイン以降の予想

本日は下記の4レースで終了ですm(__)m。

■過去10年で前半3Fが後半3Fよりも速くなったことがない

京王杯2歳Sが行われる東京芝1400mの舞台は、スタートして約60mから緩やかに坂を上りながら、約350m地点で3角を迎えるため、前半ペースが上がりにくいのがポイント。

またこのレースは朝日杯FSの前哨戦であり、前走芝1200mで逃げて好走した馬たちが、ここで脚をタメて将来的にもっと長い距離もこなす工夫をしてくることがとても多い。このため過去10年では前半3Fが後半3Fよりも速くなったことが一度もない。

今年も逃げ、先行馬が多数揃ってはいるが、例年のように平均よりも遅いペースで決着すると見て予想を組み立てたい。

本日4番 東京11R 京王杯2歳S 芝1400m
 ◎ (8)ミルテンベルク
 ○ (2)ロジリオン
 ▲ (9)バンドシェル
 注 (12)ジャスパーノワール
 △ (3)オーキッドロマンス
 △ (6)ゼルトザーム
 △ (7)コラソンビート
結論 馬複8-2,9,12,3,6,7 (15:10:10:5:5:5) 複勝8 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (8)ミルテンベルク (新馬戦の評価A)

 小倉芝1200mの新馬戦では2番枠から抜群のスタートを切ったが、コントロールして2番手を追走し、2着に3馬身、3着には10馬身の差をつけて好指数勝ちした馬。今回のメンバーでは新馬戦時の指数はNO.1となり、素質上位と判断できる。

 前走はデビュー2戦目ながら、いきなり重賞の小倉2歳Sで2着と好走。ここでは9番枠からまずまずのスタートで、促されてもそこまで進んで行かず、中団外からの追走となった。3~4角でも外を回ったが、好位列がしんどくなって凝縮して横に広がり、4角で大外に振られてしまう。その影響で直線序盤の伸びはひと息だったが、外から上がったアスクワンタイムとともに抜け出し、同馬に食らいついてのアタマ差だった。

 前走は小倉1200mで前半3F33秒3-後半3F35秒3のかなりのハイペースで淡々とした流れ。レース当日は外差し馬場であり、馬場と展開に恵まれたのは確かだが、4角で外に振られて(11)アスクワンタイムの目標にされながらも、ギリギリまで抵抗した内容は、同馬よりも上だった。

 今回は京都1400m戦。前走で芝1200m戦の速い流れを経験していることで、ここは好位でレースの流れに乗れる可能性が高い。またデビュー3戦目でさらなる前進も期待できる。

○ (2)ロジリオン

 デビューから上昇一途で、前走の未勝利戦を勝利した馬。前走は重馬場の東京芝1400m戦。6番枠からやや出遅れたが、押して挽回し、好位の外目を追走。3~4角でペースが緩んだところで2列目の外まで押し上げて直線へ。序盤でじわっと仕掛けられて2番手まで上がり、ラスト2Fで追い出されるとそこで先頭。ラスト1Fでそのまま突き抜けて2馬身半差の完勝だった。

 本馬はデビューから1~2戦目は後方からの競馬だったが、前走では出遅れたものの、前の位置を取って押し切れたことは大きな収穫。良馬場の今回は前走ほど前の位置は取れないが、中団くらいでレースを進められるだろう。それならばチャンスがある。また経験豊富でレースを順調に使っている強みもある。

▲ (9)バンドシェル

 重馬場の京都芝1400mの新馬戦を勝利した馬。同レースでは14番枠から出遅れたが、押して挽回し、中団の外目を追走。道中はレースの流れに乗れていたが、3~4角でも中団外のままでロスが大きく、それでも中団を維持して直線へ。序盤でしぶとく伸びて先頭列まで一気に上がり、ラスト1Fでは内からサリュエに食らいつかれたが、それをクビ差で捻じ伏せた。

 前記の新馬戦では、3~4角のかなり大外を回って4角では前の馬と約4馬身差はあったが、そこを回転の速いフットワークで一気に先頭列まで上がったように末脚抜群。今回はデビュー2戦目。五分のスタートを切ってスムーズなレースができれば、いきなり重賞で通用しても不思議ない。

注 (12)ジャスパーノワール (未勝利戦の評価A)

 小倉芝1200mの新馬戦では2番人気に支持されたが、スタートから3頭雁行の先行争いが長く続き、3~4角で一番外を回って直線で失速。6着に敗退した。しかし、前走では一変。1番枠から五分のスタートだったが、枠の利を生かして先手を取ることに成功すると緩みないペースを刻んだ。最後の直線でもその逃げ脚は衰えず、2着に3馬身半差、3着以下には7馬身半以上の差をつけて圧勝した。

 前走では1クラス上の指数を記録。厳しいペースを経験していたことが今回に繋がったのだろうが、とにかく強かった。ただし、前走は前々走で厳しい流れを経験したことが粘り強化に繋がった面がある。つまり、今回で上昇しきれない可能性があるということ。本馬は最終的にはオープンで活躍する馬になると推測され、今回も逃げて展開に恵まれる可能性が高いが評価を下げた。
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本日3番 京都11R ファンタジーS 芝1400m
 ◎ (18)クリノハレルヤ
 ○ (17)キャンシーエンゼル
 ▲ (4)ヒヒーン
 △ (3)ピューロマジック
 △ (5)クイックバイオ
 △ (10)イツモニコニコ
 △ (14)シュークリーム
 △ (16)ワイドラトゥール
 △ (2)ロータスワンド
 △ (6)カルチャーデイ
 △ (8)テラメリタ
結論 馬連18-17,4,3,5,10,14,16,2,6,8 (10:9:8:8:3:3:3:2:2:2) 複勝18 (50)

■珍しくフルゲートで逃げ、先行馬が揃った

 ファンタジーSが行われる京都外回りの芝1400mの舞台は、スタートして約200m地点から3角にかけて急坂を上って行くコース。このため短距離戦ながら、前半のペースが上がりにくい。

 またこのレースは阪神JFの前哨戦であり、前走芝1200m~芝1400m戦で逃げて好走した馬たちが、ここで脚をタメて将来的にもっと長い距離もこなす工夫をしてくることがとても多い。このため過去10年で逃げ馬が1勝、2着3回と好走しており、前へ行ける馬が活躍している。

 今年は珍しくフルゲート18頭立てとなった。そのうえ逃げ、先行馬も揃っているが、テンは速くないが逃げてこそのイツモニコニコが強引にハナを主張して行かない限り、ペースはそこまで上がらないだろう。平均ペース前後で流れて1分12秒前後の決着になると見ている。

■有力馬とそのコメント

◎ (18)クリノハレルヤ (新馬戦の評価A)

 7月の中京芝1200mの新馬戦の勝ち馬。同レースでは7番枠から出遅れたうえに外に大きくヨレたが、大外枠だったのでそれが致命傷とはならず、他の馬にも被害を与えなかった。そこから気合いをつけるとあっという間にハナを奪うスピードを見せたが、先頭に立ってからはペースを落として折り合いをつけた。後続を引き付けたまま最後の直線へ。重馬場での長い直線、逃げ切るのは簡単なことではないが、そこから後続を突き放し、3馬身半差の勝利と強かった。

 ラスト2Fは11秒3-11秒6。馬場がタフだったことを考慮すれば悪くない。上がり3Fタイムの34秒5はこの日の中京芝では評価できる数字。スタートでロスがありながらの快勝劇や、なかなか軽くて良いフットワークからまだ奥を感じる。また新馬勝ち後に休養させて成長を促した点にも好感が持てる。
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本日1番 福島11R フルーツラインC ダ1150m
 ◎ (8)イスラアネーロ
 〇 (5)ウラカワノキセキ
 ▲ (3)ロックユアハート
 注 (12)エコロアイ
 △ (7)メルシー
 △ (2)オンザダブル
 △ (10)クインズレモン
 △ (1)ナンヨープランタン
 △ (9)ギャラクシーナイト
結論 馬連8-5,3,12,7,2,10,1,9 (15:10:10:5:3:3:2:2) 複勝8 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にウラカワノキセキ(-22.0pt)、イスラアネーロ(-20.0pt)、エコロアイ(-19.3pt)、ロックユアハート(-19.7pt)、ユスティニアン(-17.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (8)イスラアネーロ

 4走前の2勝クラスでは、3勝クラスは勝てる、ここでNO.1の指数を記録した馬。4走前は5番枠からトップスタートを切って、緩みないペースで逃げて5馬身差の圧勝だった。本馬はすんなり前に行けると強いが、そうでない場合は成績が悪くなる傾向がある。

 休養明けの前々走、会津特別は5番枠から五分のスタートを切って、2列目付近の内目を追走していたが、前のパウオレが不用意に下がり、そこでコントロールすると、中団に近い位置まで下がったのが痛かった。その後は中目に誘導し、4角出口で外と進路取りはスムーズだったが、ラスト1Fでジリジリになり、3着争いの5着までだった。

 前走はダ1000mの釜山Sを使われ、忙しい競馬で凡退となったが、前走で1000mに使われたことで今回はデンのダッシュが良くなるはず。それならば能力発揮が期待できる。このクラスは勝って当然の力量馬。逃げられずとも2番手外、2列目外くらいなら有力だ。
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本日2番 京都12R 3歳上・2勝クラス 芝1600m
 ◎ (3)ショーモン
 〇 (10)ディオ
 ▲ (5)テラステラ
 △ (6)ロンズデーライト
 △ (9)セオ
結論 馬連3-10,5,6,9 (20:10:10:10) 複勝3 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にディオ(-14.0pt)、エアミアーニ(-12.0pt)、テラステラ(-11.3pt)、ムーンリットナイト(-11.0pt)、フランコイメル(-9.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (3)ショーモン

 デビュー3戦目にデイリー杯2歳Sで3着と善戦し、今春のアーリントンCでは3着と好走した馬。アーリントンCは1番枠からトップスタートを切ってハナに立ったところを、外からユリーシャに競られて苦しい展開。最終的には同馬を行かせて2番手を追走し、3~4角で最短距離を通してはいたが、最後までしぶとかった。

 このアーリントンCは、道悪で前半4F45秒8-後半4F48秒1のかなりのハイペースの2番手を追走しながらも、ラスト1Fで外からセッションに交わされても食らいつき、再びクビ差まで詰め寄っており、とても中身が濃い。

 前走は休養明けで初ダート。明確に叩き台で大敗は度外視できる。本馬はマイル適性の高さ、札幌芝1500mの新馬戦で外枠から距離ロスを作りながらも2着し、次走の未勝利戦で4馬身差で圧勝した素質の高さからも、ここで十分に勝利が期待できる。

2023年 JBC4大競走の予想

前回行われた2020年のJBC大井開催では、JBC2歳優駿も含めて4競走全的中の快挙を達成しました。今年も全突破を狙っていますが、調子こくと悲惨な目に遭うので謙虚にいきます(笑)。また、最初のJBCレディスクラシックを外すとシラけるので、何とか突破したい気持ちです。当たるような気がしていますけど…。

発走時刻が早い順に掲載しておりますm(__)m。

■JBC大井のポイント

 今回のポイントは前哨戦の東京盃やレディスプレリュードと全く違う馬場だということ。東京盃はドンフランキーが1分00秒0のレコードタイムで優勝して話題を集めたが、今開催は青森県の六ケ所村産+東通村産から、粒が大きいオーストラリア産に入れ替えられ、砂厚も8㎝→10㎝に変更。

 これによりタフな馬場となり、スピードや決め手が削がれるため、スタミナのある馬が活躍しているということだ。

大井9R JBCレディスクラシック ダ1800m
 ◎ (4)アイコンテーラー
 ○ (1)ヴァレーデラルナ
 ▲ (10)テリオスベル
 △ (2)グランブリッジ
 △ (12)アーテルアストレア
 △ (8)ライオットガール
 △ (3)スピーディキック
 △ (5)レディバグ
結論 馬複4-1,10,2,12,8,3,5 (10:10:10:10:6:2:2) 複勝4 (50)

■有力馬とそのコメント

◎(4)アイコンテーラー

 休養明け&初ダートで前々走のBSN賞を圧勝すると、前々走のシリウスSでも2着と好走した馬。前走は2番枠から五分のスタートを切って、外から内に切れ込んだサンマルレジェンドを行かせて、その外へ誘導。道中は2列目の外を追走し、3角では前2頭の外から仕掛けて4角ではもう先頭。そこから追われて抜け出し、後続を突き放したが、最後に外から伸びてきたハギノアレグリアスに捕らえられて、1馬身1/4差。しかし、3着馬に3馬身半差を付けており、早仕掛けでこの内容は立派なもの。

 前走は3角でやや反応が甘くて、押して押して行ったら、勢いが付いて4角で先頭に立ってしまって、後続の目標にされたという内容。ラスト6F辺りから仕掛けて最後までしぶとかった内容はダ1800mよりもダ2000mでこそ。しかし、大井のタフな馬場ならばそれくらい長距離適性がある馬のほうが好ましい。まだダートのキャリアが浅くダート慣れも見込め、ここは順当に勝利が期待できる。

○ (1)ヴァレーデラルナ

 昨秋のJBCレディスクラシックの覇者。同レースでは大外12番枠から五分のスタートを切って、内の馬の出方を窺いながら、2番手の外を追走。3角手前で外から(10)テリオスベルが並びかけてくると、それに抵抗して並走。4角出口で仕掛けて直線で早々と先頭に立つと、しぶとく粘り、外から迫る(2)グランブリッジをクビ差退けた。

 昨秋のJBCレディスクラシックは超高速馬場。サルサディオーネが逃げたが、ペースを引き上げられなかったことで、前有利の流れとなり、ここでは展開に恵まれた。本馬は今年1月のTCK女王盃では2着。2番枠から好スタートを切って最序盤は先頭だったが、外からハナを主張する(10)テリオスペルに行かせて2番手を追走。ラスト1Fでそのテリオスベルを交わして先頭に立ったとこをろ、(2)グランブリッジに差されて1馬身差だった。

 しかし、JBCレディスクラシックを大目標にした後の一戦だったことを考えると上々の内容。その後のエンプレス杯は距離延長とタフな馬場が応えて2着。また前々走のかしわ記念は川崎以上にタフな馬場の船橋で、1番枠から積極的に出して逃げ、カジノフォンテンに競られて苦しくなって大敗したもの。

 今回は立て直されて2戦目。タフな馬場ではグランブリッジの方が上だが、今回での勝負度合いは本馬のほうが上で対抗馬とした。実際にこのレースでは、2017年の優勝馬ララベル、2018年の優勝馬アンジュデジールなどが、休養明けのレディスプレリュードで4着以下から巻き返している。

▲ (10)テリオスベル

 前々走のブリーダーズゴールドCで、昨秋のクイーンC以来のグレードレース2勝を達成した馬。前々走は6番枠から五分のスタートを切って、かなり押して出鞭を入れてハナを主張。ハナを取り切ると後続との差を徐々に広げ、3角では2番手のパライバトルマリンとは4馬身差。4角ではそれを6馬身差まで広げて直線へ。ラスト1Fでパライバトルマリンに4馬身差まで詰め寄られたが、余裕を持っての完勝だった。

 本馬は逃げ、もしくは早め先頭から上がりの掛かる展開に持ち込んでこその馬。前走のレディースプレリュードは、内の(9)ノーブルシルエットがしつこく抵抗したため、先手を取るのに苦労して4着敗退。前日にレコードタイムが出るような超絶高速馬場の1800mは向いていないが、それでも上位2頭とは1馬身3/4差だった。

 今回は一転してタフな馬場。今回もノーブルシルエットがいるし、テンの速い◎(4)アイコンテーラーもいるが、両馬ともにハイペースにしていいタイプではないので、2角までには先手を取れると見て、3番手評価とした。
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■JBCスプリントの馬場と展開

 今回のポイントはJBCの前哨戦の東京盃やレディスプレリュードと全く違う馬場だということ。東京盃はドンフランキーが1分00秒0のレコードタイムで優勝して話題を集めたが、今開催は青森県の六ケ所村産+東通村産から、粒が大きいオーストラリア産に入れ替えられ、砂厚も8㎝→10㎝に変更。これによりタフな馬場となり、スピードや決め手が削がれるため、スタミナのある馬が活躍しているということだ。

 ここは今回初ダートとなるモスメイメイがどこまで行けるかは読みにくいが、テンは速いのでハナを主張してくるはず。大外のダンシングプリンスも逃げてこそなので、同馬に競り掛けて行くだろう。また東京盃でドンフランキーのハナを叩いたギシギシも最内枠を引き当て、前を狙ってくるはず。その他、強豪先行馬が多数出走しており、ここはペースが上がる可能性が高いと見ている。

大井10R JBCスプリント ダ1200m
 ◎ (11)リメイク
 ○ (15)ダンシングプリンス
 ▲ (7)ラプタス
 △ (10)ジャスティン
 △ (14)バスラットレオン
 △ (6)マックス
結論 馬複11-15,7,10,14,6 (16:10:10:10:4) 複勝11 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (11)リメイク

 昨年暮れのカペラSを圧勝し、ひと皮剥けた強さを見せると、今夏はプロキオンS2着、前々走のクラスターCでは好指数勝ちした。前々走は8番枠から出遅れて中団から挽回して好位の内目を追走。3~4角で上手く好位の中目のスペースを拾って2列目に押し上げて直線へ。そのまま先頭のドンフランキーを楽捕らえて、2馬身半差で圧勝した。

 前々走は超高速馬場の盛岡で、前半3F33秒6-後半3F35秒0のかなりのハイペース。3~4角で上手く立ち回ってスピードに乗せたまま直線を向かえたとはいえ、上がり3Fタイム2位の馬を1.0秒も上回る33秒5の芝並みの末脚。本馬は前々走のような超高速馬場のハイペースが理想的な馬ではあるが、本馬は1400mもこなせるスタミナがある。

 今回は韓国遠征後という点がやや不安ではあるが、ここ3戦では今回のメンバーにおいて一枚上の強さを見せていること、ダ1400m以下では崩れない安定感があり、今回は展開に恵まれる可能性も高いことから、ここは大崩れしないと見た。

○ (15)ダンシングプリンス

 昨年のJBCスプリントの覇者。同レースは6番枠からまずまずのスタートを切って、二の脚でハナを取り切り、超高速馬場の盛岡で前半3F34秒4-後半3F34秒7の平均ペースでの逃げ。最後の直線でリュウノユキナに3/4差まで迫られたが、2番手のヘリオスには3馬身3/4差引き離しての完勝だった。本馬はこの時点ではNO.1と言える存在だったが、その後、◎(11)リメイクが力を付け、ドンフランキーという存在も現れた。

 前走の北海道スプリントCは、4番枠から好スタートを切ってハナを主張したが、斤量59Kgを背負っていたために、そこまでスピードが乗らず、スペシャルエックス内から競られ、最内枠の(10)ジャスティンも内から抵抗。前半3F33秒7-後半3F38秒0の超絶ハイペースとなり、5着に失速した。前走は負けて当然の内容であり、定量戦で斤量57Kgのここは巻き返しが期待されるが、本馬は超高速馬場で平均ペースで逃げてこそのタイプなので、今回は馬場も展開も向かない。

 ただし、今回は大外枠なので「2番手でもいいよ」という入り方ができるので、前走よりは楽なレースができるだろう。また、前哨戦の東京盃で展開に恵まれて連対したようなタイプは、2014年の1番人気馬ノーザンリバー→5着、2016年の5番人気馬ドリームバレンチノ→10着、2021年の3番人気馬(5)リュウノユキナ→5着と、この舞台でことごとく敗れていることもあり、本馬を対抗馬とした。
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■ブリーダーズゴールドジュニアCのレベルがポイント

 このレースはサッポロクラシックCが2020年に門別1200mから1700mに条件変更されてから、同レースの連対馬の活躍が目立っていた。2020年の優勝馬ラッキードリーム、2着馬のトランセンデンス、2022年の2着馬ベルピットがそれである。つまり、サッポロクラシックCの連対馬でここが目標の馬を本命にするだけで、的中にかなり近づけていたが、今年からそうもいかなくなった。

 というのはサッポロクラシックCがまた門別1200mに戻り、開催時期も早まってしまったからだ。ホッカイドウ競馬は短距離路線に力を入れ、中距離路線の牡牝混合重賞は、8月のブリーダーズゴールドジュニアCとサンライズCしかない。しかも、ブリーダーズゴールドジュニアCは今年からHⅠ→HⅡに降格し、1着賞金も600万円→500万円に減額された。

 これにより今後は門別勢の中距離路線のレベル低下が予想され、2020年以降の門別勢の快進撃はストップし、JRA勢が2019年以前のように活躍しそうだ。何れにせよ、ブリーダーズゴールドジュニアCのレベルがポイントとなる。

門別11R JBC2歳優駿 ダ1800m
 ◎ (5)ブラックバトラー
 ○ (3)フォーエバーヤング
 ▲ (12)サンライズジパング
 △ (4)ティントレット
 △ (1)ダバイエスペランサ
 △ (9)エストレヤデベレン
 △ (10)パッションクライ
結論 馬複5-3,12,4,1,9,10 (20:12:6:4:4:4) 複勝5 (50)

■有力馬とそのポイント

◎ (5)ブラックバトラー

 前々走のブリーダーズゴールドジュニアCを勝利した馬。前々走は1番枠から五分のスタートを切って中団の最内を追走。3角手前で最内からじわっと位置を上げ、4角では逃げ馬カプセルの後ろ。直線で同馬の外に出されると、それを交わして1馬身半差で勝利した。

 前々走で2着に敗れたカプセルは後の平和賞の勝ち馬、2馬身半差の3着馬サントノーレは鎌倉記念の勝ち馬だ。前走のサンライズCは2着に敗れたが、前々走がハイレベル戦だっただけに、少し疲れも残っていたのだろう。前記したラッキードリーム、トランセンデンス、ベルピットもサンライズCで2着以下に敗れていた馬たちだ。

 本馬は対門別組ではキャリアが浅いが、JRA勢は初ダートや1戦1勝馬、ダートのキャリアが浅い馬ばかりなのに対して、ダートの経験が豊富で地の利もある。○(3)フォーエバーヤングも本命候補だったが、ここは配当面も考慮し、本馬を本命に推す。

○ (3)フォーエバーヤング

 京都ダ1800mの新馬戦の覇者。同レースでは2番枠からまずまずのスタートを切ったが、二の脚で置かれて位置が下がり、そこから1番枠の馬の外に出して好位の直後を追走。外に出せるタイミングがなく、向正面では内目で包まれた。手応えに余裕がありながらも4角では前に馬がズラリ。そこでも外に出せない状況だったが、直線序盤で馬の間が開くと一瞬で抜け出し、そこから一気に後続を突き放して4馬身差で圧勝した。

 ラスト2Fは12秒8-12秒2。最後の直線で抜け出してから、他馬とはフットワークの回転スピードが違っており、やはり映像通りというべきか、ラスト1Fが急加速で速い。

 砂を被っても問題なく、最後の脚も文句なしで、見たところまだ余裕たっぷり。当然、ダートで今後の活躍が期待できる馬ではあるが、あの瞬発力ならいずれ芝路線に転向しても面白そうだと感じている。何れにせよ、素質はAAAだがデビュー2戦目で輸送、そして門別のタフな馬場に対応できるかという点が不安がある状況での1番人気なので、対抗馬とした。

▲ (12)サンライズジパング

 6月東京芝のダノンエアズロックが勝利した新馬戦では好位から伸びずバテずの4着。前走はデビュー2戦目で、初ダートながら1番人気に支持された。確かに大型馬で前肢の掻き込みが強いフットワークから、芝よりもダートのほうが合う印象はあった。

 レースは1番枠から五分のスタートを切って好位を取ったが、1角で外に張りそうになるのを抑えて中団から。枠なりに最内からじわっと上がり、3角では2列目に進出した。3~4角で前との差を詰め、4角で外に誘導しようとしたところで、外に膨れてノイヤーヘルトと接触。同馬の体勢を崩す形になったが、それが壁になったことでそこまで大きく膨らむことなく、先頭列に並びかけた。直線ではジワジワと後続を引き離し、ダート経験馬たちを相手に4馬身差をつけて快勝した。

 ラスト2Fは12秒8-13秒1とまずまずだが、芝の新馬戦で見せたようなフットワークの空転感がなく、やはりダートが合うのだろう。レースぶりに気性面の若さを残すが、今回はダートに慣れての前進が見込める。

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■JBCクラシックの馬場と展開

 今回のポイントはJBCの前哨戦の東京盃やレディスプレリュードと全く違う馬場だということ。東京盃はドンフランキーが1分00秒0のレコードタイムで優勝して話題を集めたが、今開催は青森県の六ケ所村産+東通村産から、粒が大きいオーストラリア産に入れ替えられ、砂厚も8㎝→10㎝に変更。これによりタフな馬場となり、スピードや決め手が削がれるため、スタミナのある馬が活躍しているということだ。

 ここはタフな馬場では前の位置を取ってくる森騎手鞍上のノットゥルノがどこまで前を主張してくるかにもよるが、テンが速くないケイアイパープルが逃げるならばペースは速くならないだろう。ここは展開に幅を持たせて予想を組み立てたい。

大井11R JBCクラシック ダ2000m
 ◎ (5)ウィルソンテソーロ
 ○ (4)ケイアイパープル
 ▲ (7)メイショウハリオ
 △ (3)テーオーケインズ
結論 馬連5-4,7,3 (18:18:14) 複勝5 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (5)ウィルソンテソーロ

 8走前の初ダートの未勝利戦では、3番手から最後の直線早めに抜け出して、3勝クラス通用域の指数で勝利した素質馬。その後2勝クラス、3勝クラスを連勝。4走前の名古屋城Sは、8番枠からまずまずのスタートを切ったが、内の馬が外によれて、タックルされる不利。そこから狭いところを通って位置を上げ、好位外まで挽回して追走。最後の直線序盤でしぶとく伸びてはいたが、ラスト1Fで甘くなっての9着に敗れた。

 4走前はダ1800mで1分50秒2の好タイム決着となったように、超絶高速馬場。スタート直後の不利を挽回するのに脚を使ったことや終始3頭分外を回るロスを考えれば、崩れても仕方のない内容だった。しかし、能力を出し切れずに敗れれば巻き返すのが競走馬の宿命。3走前のかきつばた記念では初重賞制覇を達成した。

 3走前は8番枠から五分のスタートを切って、好位外を追走。2周目の向正面では外からルーチェドーロが捲ってきたが、それをやり過ごして4角で外に出して先頭列で直線へ。直線では本馬が上がってくるのを待っていたドライスタウトと追い比べになったが、それをハナ差で制した。

 そして休養明けの前々走マーキュリーCでは、初めての距離2000mにも対応して、重賞2勝目を達成。前々走は9番枠から五分のスタートを切って、無理せず5番手を追走。3~4角からじわっと進出して、4角で前を射程圏に捉えると、直線で一気に伸びて4馬身差の圧勝。ここでは今年の帝王賞の勝ち馬(7)メイショウハリオと同等の指数を記録した。

 ただし、前々走は緩みない流れとなったことで展開に恵まれ、超絶高速馬場でスピードが問われたことで、距離適性がそこまで求められなかった面もある。そこで自己最高指数を記録となると、前走の白山大賞典は不安もあったが、3番枠からまずまずのスタートを切って好位でコントロール。2週目の3角で好位の外から押し上げて4角では2列目の外。そのまま直線でメイショウフンジンを捕えて半馬身差で勝利した。

 前走は陣営もコメントしていたように、ここへ向けての叩き台だったはず。相手がそこまで強くなかったとはいえ、あっさりと勝たれたように、本馬はダートで底を見せ切っていない。また今年の帝王賞の上位2頭が休養明けに対して、本馬は夏場を順調に使われた強みもあり、ここはJpnⅠ獲りのチャンスだ。

○ (4)ケイアイパープル

 キックバックが苦手でありながらテンのスピードが速くないという弱点がある馬。しかし、昨年の平安Sでは3番枠からかなり押して出鞭も入れて2列目の外を追走し、3~4角で前2頭に並びかけ、ラスト1Fで先頭。外からテーオーケインズに突き抜けられたものの、2馬身半差の2着を死守。このように本馬は豊富なスタミナの持ち主で、早め先頭から押し切れることが強みだ。

 また本馬は、佐賀、名古屋、金沢は最内の砂厚が深く、場合によっては他馬が避けて走る最内に進路が取れる、言わば裏路線を主体に使われている。そういう事情があって裏路線を使われているだけで、昨年の白山大賞典では、今年の帝王賞の勝ち馬(7)メイショウハリオと同等の指数を記録している。

 同レースでは4番枠から五分のスタートを切って、前2頭から離れた4番手を追走し、2週目の4角では前2頭の外に出して3番手を追走。2週目の向正面で先頭に立つと、そのまま押し切る強い内容だった。今回は一転して表街道のこの舞台に出走。しかし、ここは相手は強いが、逃げたい馬は本馬のみという組み合わせ。タフな馬場では前の位置を取ってくる、森騎手騎乗の(2)ノットルノの出方にもよるが、マイペースで逃げられる可能性もかなりあり、対抗馬とした。

▲ (7)メイショウハリオ

 昨年の帝王賞は5番人気ながら(3)テーオーケインズらを撃破し、優勝した馬。同レースは大外9番枠からやや出遅れたが、前半のペースがかなり遅かったこともあり、わりと楽に好位の外を確保。テーオーケインズをマークしながらの追走になった。しかし、向正面でスワーヴアラミスが外から捲って一気にペースアップ。これに抵抗して速度を上げたテーオーケインズ、クリンチャー、オーヴェルニュは最後の直線で余力がなく、苦しくなり潰れた。

 一方、本馬は捲られてもワンテンポ待ち、脚をタメることを選択したことで、最後の直線で余力を残せた面が大きい。帝王賞は本馬が強かったというより、前記した馬たちが自滅したことが大きかったレース。当時、本馬が記録した指数はそこまで高いものではなかったが、ここへ来てかしわ記念、帝王賞を連勝。

 今年の帝王賞では4番枠から五分のスタートを切って、中団の外を追走。3~4角で位置を押し上げ、最後の直線でも伸び続けて、内で粘るクラウンプライド、テーオーケインズらを交わして連覇を達成した。前走は前半5F60秒4-後半4F61秒5とややハイペースではあったが、そこまで差しが有利な決着だったわけではない。

 また本馬はそもそもペースにあまり影響されることなく、外枠、あるいは外から自分の形で動ければ、常に安定して差し込んでくるタイプ。前走ではテーオーケインズと接戦だったが、外目の枠の今回は同馬よりも印を上に取りたい。

△ (3)テーオーケインズ

 一昨年の帝王賞を含めて、GⅠ・JpnⅠで3勝を挙げた実績馬。一昨年のチャンピオンズCは、6番枠からまずまずのスタートを切って好位の中目を追走。向正面でスペースを作って、4角出口でそれを詰めて直線で外に出されると、圧巻の末脚。戦慄の6馬身差で完勝した。

 昨年は平安SとJBCクラシックを優勝し、今年は川崎記念で2着。今年は一昨年と比べるとやや勢いは落ちているが、それでも3走前の川崎記念では好位の内から3角手前で外に出し、そこから勝ちに行く競馬で3着馬ニューモニメントに4馬身差を付けての2着に善戦している。

 3走前は本馬が3角で外に出したことで内にスペースが生まれ、本馬をマークしていたウシュバテソーロがそこから先に抜け出し、直線で逆に同馬を追い駆ける立場となったもの。半馬身届かなかったが、タフな馬場で前半5F63秒3-後半5F66秒0のかなりのハイペースを3角から3角外から勝ちに行っての内容は悪くなかった。

 前々走のドバイワールドCは6番枠から好スタートを切って4頭の先行争いに加わる形。外からパンサラッサが上がって来ると、3列目くらいの最内まで位置を下げて追走していたが、序盤で競り合った代償は大きく、最後の直線伸びあぐねて4着に終わった。しかし、休養明け好走後の一戦で激流に巻き込まれながらも4着と大崩れしなかった辺りはさすがではあった。

 ただ前走の帝王賞はもっとやれると見ていたが、接戦の3着に終わった。Ⅰ番枠から出遅れて中団の最内を追走したため、3~4角で包まれて最後の直線で馬群を捌きながらの競馬になったにせよ、一昨年の帝王賞やチャンピオンズC時と比べると明確に物足りない。前走からさらに相手が強化されるこの一戦で、どこまで立て直されているかが鍵となるだろう。

△ (12)ケイアイパープル

 キックバックが苦手でありながらテンのスピードが速くないという弱点がある馬。しかし、一昨年の平安Sでは3番枠からかなり押して出鞭も入れて2列目の外を追走し、3~4角で前2頭に並びかけ、ラスト1Fで先頭。外からテーオーケインズに突き抜けられたものの、2馬身半差の2着を死守したように、豊富なスタミナの持ち主で、早め先頭から押し切れる強みがある。

 またケイアイパープルは佐賀、名古屋、金沢は内の砂厚が深く、場合によってはそこに進路が取れる、言わば裏路線を中心に使われている。一昨年の白山大賞典でも、4番枠から五分のスタートを切って、前2頭から離れた4番手を追走し、2週目の4角では前2頭の外に出して3番手を追走。2週目の向正面で先頭に立つと、そのまま押し切る強い内容だった。4走前の名古屋大賞典も2列目の砂厚の深いインコースから進出して早め先頭に立っての2着だった。

 前走のJBCクラシックでは揉まれ弱さを見せて9着と大敗してしまったが、今回はそこから立て直されての一戦。ケイアイパープルは鉄砲駆けするタイプであり、今回は大外12番枠と自由に動ける枠でもあるので警戒しておきたい。

2023年 エーデルワイス賞の予想

■今年は門別勢が優勢

 このレースは過去10年で地方馬が6勝、2着6回、3着7回と、とにかく門別勢が活躍している。これは地方勢、特に門別はデビュー時期が早く、番組が充実しているのが理由だ。また門別勢が活躍するのは、どういう年かというと、中央馬に2勝馬や圧勝馬が出走していない年だ。

 今年は2013年の覇者フクノドリームや2016年の覇者リエノテソーロなどの2勝馬は不在。2014年の覇者ウィッシュハピネスや2021年のヒストリックノヴァなどの前走で1.0秒以上、圧勝している馬も不在。ダートは未知数のスカイキャンバスが、「実はダート適性が高かった」のストーリーはあるかもしれないが、今年も門別勢が優勢と見る。

 ※11月4日(金)はJBC4大競走が行われます。前日から順次予想を更新し、当日の12時30分を目途に終える予定ですm(__)m。

門別11R エーデルワイス賞 ダ1200m
 ◎ (7)イイデスカイハイ
 〇 (4)スカイキャンバス
 ▲ (3)ジュデシャンス
 △ (5)ライトヴェール
 △ (9)シシャモフレンド
 △ (13)スティールマジック
 △ (10)モノノフブラック
 △ (2)ホーリーブライト
 △ (11)ムーム
 △ (14)ハニービート
結論 馬連7-4,3,5,9,13,10,2,11,14 (8:8:8:8:8:4:2:2) 複勝7 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (7)イイデスカイハイ

 門別1200mの新馬戦をなかなかの好タイムで勝利した馬。デビュー2戦目のJRA認定ターフチャレンジⅡでは、その後、重賞のイノセントCとネクストスター門別と連勝したトラジロウと2馬身半差に善戦している。驚きは前々走のすずらん賞で、初芝の一戦ながら13番枠から好スタートを切って、逃げる(4)スカイキャンバスに競りかけ、差し馬台頭の流れを作ったこと。スピード能力はかなり高い。

 前走のトルマリン特別も逃げ馬に競りかけ、途中からハナを奪ってオーバーペースを演出。差し馬のザイデルバストが勝利することになった。ここも当然ペースが厳しくなるであろうが、近2走の厳しい流れでスピードを問われた競馬の経験が生きれば、チャンスは十分にあると見る。

 実際に前走の門別ダ1200m戦・リリーCでオーバーペースで逃げた2017年のストロングハートはこのレースを優勝、2015年のモダンウーマンは2着、2016年のアップトゥーユは3着と好走、善戦している。ちなみにトルマリン特別は、2020年よりこの時期の1000m~1200mで施行されたオープン特別。これまでは同レースからこのレースに参戦する馬は不在だったが、今年からリリーCの開催時期が移行したことで、今後はここを経由した馬が穴を輩出する機会が多くなると推測される。また、レースレベルも低くない。

○ (4)スカイキャンバス

 今夏の函館2歳Sの3着馬。同レースでは1番枠から好スタートを切って、そこからは押してハナを主張。外のナスティウェザーが競り掛けてきたので、レースが淡々と流れて超ハイペースとなった。3~4角では2列目をやや離して、1馬身3/4差くらいのリードで直線へ。序盤は踏ん張っていたが、ラスト2Fで外から2頭に交わされ、最後に甘くなっての3着だった。

 函館2歳S当日は重馬場発表でタフな馬場。レースが消耗戦になっており、逃げた本馬には厳しい流れだったが、3着に好走したことは高く評価できる。またその次走のすずらん賞も、◎(7)イイデスカイハイに競られながらも上々の3着。前走のカンナSは最内枠のモンシュシュマンのテンが速くて、ハナに行けず、同馬と競り合って10着に大敗したが、前走でテンの速いレースをしているので、本馬にダート適性があれば、楽に先手を主張できるはず。巻き返しを期待したい。

▲ (3)ジュデシャンス

 前々走のフル―ルCの2着馬。前々走は6番枠から好スタートを切って一旦2番手にはいたが、外からトップスタートを切ったヨシノヒローインに内の(8)シシャモフレンドが抵抗していく形でテンが速くなったので、控えて3番手、最終的には先頭から離れた4番手を追走。4角で2列目の外に上がって、ラスト1Fで甘くなったシシャモフレンドを交わして同馬と1馬身半差の2着に好走した。

 前々走ではヨシノヒローインには5馬身差を付けられてしまったが、勝ちに行っての2着なら上々。そこから1Fの距離延長となった前走・園田プリンセスCは1番枠から積極的に出して逃げ、終始地元のコモリリーガルにプレッシャーをかけられ、4角から早々と失速したが、前々走で好走した疲れもあったし、ペースも厳しく、距離も長かったのだろう。実績のある門別1200mで前を見ながらレースを進められるここは、巻き返しを期待する。

△ (5)ライトヴェール

 門別1000mの新馬戦、オープンを連勝した馬。特に前々走のオープンでは、2番枠からトップスタートを切って、出鞭を入れての逃げ。外からジャティルウィにプレッシャーをかけられて緩みないペースで逃げて、最後の直線で苦しくなって内にヨレながらも6馬身差で逃げ切った。

 休養明けの前走・トルマリン特別は3番手の外を追走していたが、◎(7)イイデスカイハイが3~4角で逃げ馬を競り潰したところで進出し、4角では同馬に並びかけていく形。ラスト1F付近で先頭に立ったが、その外からザイデルバストに差されて1馬身差の2着となった。結果的に早仕掛けでだった。

 今回は前走から1Fの距離延長。スタミナが不足する休養明けだったにせよ、逃げなかった前走でもラスト1Fで甘くなっていることから、距離延長は好材料ではないと見ている。この距離に対応させるにはもっと後方で脚をタメる必要がありそうだ。ただし、今回はダートグレードでペースが速くなりそうなだけに、展開に恵まれる可能性は十分あると見ている。

△ (8)シシャモフレンド

 デビュー2戦目で門別のクラシック一冠目のリリーCを勝利した馬。同レースでは6番枠からトップスタートを切って、マイペースの逃げ。最後の直線ではどんどん後続を引き離し、4馬身差の圧勝だった。本馬は1Fの距離延長となった次走のフルールCでは3着に敗れたが、これはリリーCを大目標にした後の一戦で、外からトップスタートを切ったヨシノヒローインのハナを叩いて、ペースが厳しくなったもの。

 また前走のネクストスター門別は出遅れて自分の型の競馬ができず8着に大敗したが、五分のスタートなら巻き返しがあっても不思議ない。

△ (13)スティールマジック

 門別1100mの新馬戦で逃げて9馬身差の圧勝を飾り、今回の栄冠賞でも2着と好走した馬。前走のオープンでも2着とは1馬身差だったが、3着馬には7馬身差をつけて完勝した。前走は5番枠から好スタートを切って、内の2頭を行かせて3番手の外を追走。3~4角の外を回って内のデカプリオを交わしにかかったが、同馬がしぶとく抵抗。しばらく並走状態が続いたが、ゴール手前で捕らえて1馬身差で勝利した。

 前走は7馬身離された逃げ馬のパレスレガシーが次走でオープンを完勝しているように、ハイレベルだった。しかし、2着のデカプリオは次走のオープンで2番人気に支持されながらもドボン。本馬とマッチレースでハイレベル戦へと持ち込んだことで強い疲れが出たようだ。フローラルC大敗からの直行ならここで本命馬にした可能性が高いが、臨戦過程が好ましくないので評価を下げた。

△ (10)モノノフブラック

 前々走のイノセントCで3着、前走のネクストスター門別では2着と牡馬相手の重賞で善戦した馬。前々走は1番枠から五分のスタートを切って、前3頭から離された5番手を追走。最後の直線でしぶとく伸び続けて、早めに2番手に上がったストリームにアタマ差まで迫った。

 また前走のネクストスター門別は8番枠から好スタートを切って、3列目の外を追走。ここでも前2頭が飛ばしていく中での離れた3列目で実質差しの競馬だったが、3~4角の中目から4角で2列目まで上がって、最後の直線も脚を伸ばした。近2走とも前がペースを引き上げ、直線で早めにトラジロウが抜け出したことで、展開に恵まれての善戦。今回も展開に恵まれる可能性が高く、この馬なりの走りを見せられると見ているが、相手強化が課題となる。

△ (2)ホーリーブライト

 中央所属の1勝馬。前々走の未勝利戦では、16番枠から好スタートを切って、一旦先頭に立ったが、内からハナを主張するカラフルメロディーに行かせて、その外からプレッシャーをかけていく形。緩みない流れとなり、ラスト2F12秒1-13秒1と失速したが、本馬とカラフルメロディーがワン、ツーを決めた。

 つまり、相手が弱わく、最後に失速した本馬とカラフルメロディーを、差せなかったということ。実際にこの未勝利戦で敗退した馬は、当時が初ダートだったマーゴットファイブしか勝ち上がっていない。本馬の前走・ヤマボウシ賞6着敗退も納得の結果であるが、JRA勢は門別勢と比べてキャリアが浅いので上昇力は見込める。

△ (11)ムーム

 休養明け&初ダート、初ブリンカー着用でもあった前走・未勝利戦で一変して勝利した馬。前走は6番枠からまずまずのスタートだったが、二の脚が速く、じわっとハナへ行くことに成功。マイペースの逃げだったが、他馬にからまれることなく、最後の直線では一気に後続を引き離す。しかし、ラスト1Fで甘くなって、2番手のシリウスに3/4差まで迫られる形。3着馬に6馬身差の差を付けていたが、このレースも△(2)ホーリーブライトの未勝利戦以上に凡戦で、まだ一頭も勝ち上がっていない。

 しかし、キャリアが2戦と浅く、ダートのキャリアも浅いことから、ここで一気の上昇を見せても不思議ない。ただし、相手も強いので、よほど大きく変わらないと連対圏内に突入するのは難しいと見る。

△ (14)ハニービート

 前々走のフローラルCの2着馬。前々走では7番枠から五分のスタートを切って、中団の外を追走。最後方から3角手前で捲って上がったサウスヴィルを追い駆けて進出。4角では2列目まで上がって、直線序盤で先頭に立ったが、そこを内からアメリアハートにすくわれて半馬身差の2着となった。

 ただし、前々走は前半4F50秒0-後半4F56秒8の超絶ハイペース。(12) モズミギカタアガリと△(13)スティールマジックが競り合ってペースを引き上げたことで展開に恵まれた面は否めない。

 前走のフルールCは最後の直線でアメリアハートが外に斜行し、進路をカットされて下がる不利があっての8着大敗だったが、上がってからもさほど盛り返せてはおらず、決定的なものではなかったと見ている。前走で1700mを使われ、差す競馬をしているので、ここではテンに置かれるとみているが、展開に恵まれて、どこまで着順を上げられるかになってくるだろう。

2023年 ハイセイコー記念の予想

大井は今週から砂厚8㎝→10㎝に変更され、時計の掛かるタフな馬場になった。ダテノショウグン、ピコイチなどの実績馬、人気馬の大半は高速馬場の大井のスローペースで結果を出してきた馬。また、前走で能力を出し切り、ここが目標ではない馬も多く、必然と人気薄馬を狙う形となった。

大井11R ハイセイコー記念 芝1600m
 ◎ (3)ルートヴィヒ
 ○ (8)ピコイチ
 ▲ (1)ポッドマーフィー
 △ (6)クルマトラサン
 △ (11)ダテノショウグン
 △ (9)ビッティンキバラ
 △ (4)ライゾマティクス
 △ (7)ドウザン
結論 馬連3-8,1,6,11,9,4,7 (10:10:10:10:6:2:2) 複勝3 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (3)ルートヴィヒ

 川崎1400mの新馬戦を逃げて快勝した馬。前々走のシャイニングトレジャー賞は3番枠から出遅れて最後方から挽回して前に2頭に迫っていく競馬。序盤から前2頭が競り合ってペースを引き上げたため、本馬は3番手の外でレースを進めた。3角で内からパワームーブが2列目に上がって、3~4角では2列目の外を回って直線へ。最後の直線ではパワームーブに前に出られたが、ラスト1Fで前のパワポケウイングを交わし、パワームーブを差し返しての3着だった。

 前々走は前半3F36秒8-後半3F42秒2の超絶ハイペース。このハイペースに乗じて、(7)ドウザンの大外一気が決まったが、出遅れを挽回して勝ちに行きながらも3着を確保したことは評価できる。前走の影武者賞はやや出遅れたが、それを挽回して逃げ、終始プレッシャーをかけられる競馬。結果ペースが厳しくなって失速した。ここも前半3F36秒9-後半3F42秒2の超絶ハイペースだった。

 今回の出走馬は前走で好走し、能力を出し切った感のある馬が多い。また遅めの流れを勝利した馬も多い。一方、本馬は近走で息が入れられない厳しい流れを経験しているだけに、タフになった大井の馬場もこなしやすいはず。陣営は「(前走を踏まえて)今回は脚をタメたい」とコメントしており、目標とされなくなるのも好材料だ。今回は相手が強化されるが、人気の実績馬に死角がある以上、大振りしてみたい。

○ (8)ピコイチ

 デビューから3戦3勝。前走では2番枠からトップスタートを切ってハナに立ったが、外の2頭に行かせ、進路を外に切り替えて3番手からの追走。向正面半ばで2番手に上がって、3角ではもう逃げ馬を交わして先頭に立つと、最後の直線で後続をどんどん引き離して7馬身差で楽勝した。

 本馬はこれまでの3戦が全て7馬身以上の圧勝と底を見せていない一方、全て大井の高速馬場で6頭立て以下のスローペース。タフな馬場の今回でペースが上がった場合の不安がある。また、揉まれる競馬を経験していないので、そこも不安のひとつであり、対抗に止めた。

▲ (1)ポッドマーフィー

 前走のルーキーズサマーCの3着馬。前走は6番枠から好スタートを切って、前に行く馬を行かせて、好位の中目の追走。向正面で(4)ライゾマティクスを潰しにいくアムクラージュを追い掛けるようにして3角では3番手。最後の直線では失速したライゾマティクスを交わして2番手に上がったが、内からビッグショータイムに差されて同馬と1馬身半差に敗れた。

 前走時の最後の直線の失速ぶりを見ると、1F距離延長が吉と出るように感じないかもしれないが、そう思われて鎌倉記念で7番人気と人気大暴落したライゾマティクスは巻き返しの2着。つまり、前半3F36秒5-後半3F39秒8が示すように、それだけ前が厳しい流れだったということ。ポッドマーフィーの前走は好内容だったが、鎌倉記念で断然の1番人気に支持されてドボンしたアムクラージュのように、疲れが心配で評価を下げた。

△ (6)クルマトラサン

 船橋1000mの新馬戦の走破タイムが圧倒的に優秀。5番枠から好スタートを切ってハナを主張し、一頭だけ食らいつく2着馬エスケイチャンスを4角出口から差を広げて大差勝ち。3着馬にはさらに大差をつけて、ラスト2Fを12秒6-12秒2でまとめたことも評価できる。

 本馬は前走のゴールドジュニアも2馬身差で快勝。前走は大外11番枠から好スタートを切って、先行争いの3頭を見ながら4番手の外を追走。3角で中目に入れて、4角で外に出されると、しぶとく伸び続けて前を差し切った。

 本馬は前走から一気の距離延長となる点が不安だが、新馬戦でラスト1Fで加速している点や、ゴールドジュニアで最後まで伸び続けている点から1000mや1200mがベストではないはず。1600mでも警戒しておきたい。

△ (11)ダテノショウグン

 デビューから4戦4勝。前走のとき特別は5番枠から好スタートを切って、二の脚の速さでハナと主張すると、前半3F39秒0とゆったりとした入り。向正面で2番手馬にプレシャーを掛けられたので、そこでペースを引き上げたが、3~4角でまた息を入れて後続を引きつけて直線へ。ラスト1Fで後続を一気に突き放して7馬身差で楽勝した。

 前走は自身の逃げでラスト2F13秒1-12秒5とかなり加速しているが、前半4F59秒4-後半4F50秒7と極端なスローペースによるものなので、そこまで高い評価はできない。本馬はこれまでの4戦もスローペースで決め手を活かす形での勝利。大井1600mで結果を出していることは強みではあるが、馬場が一変したここでは評価を下げた。

△ (9)ビッティンキバラ

 大井1400mの前走で8馬身差で圧勝した馬。前走は5番枠から出遅れ。しかし、4頭立てで全頭出遅れというレースだったため、二の脚でハナを主張し、マイペースの逃げで4角までは団子状態だったが、直線では突き抜けて独走。8馬身差で圧勝した。前走は2着馬がその後2勝しているように決して弱くはなく、本馬が強かったということになる。ただし、その後、強い疲れが出て休養させており、休養中に成長しているかどうかが鍵。状態が良かったとしても、休養明けでSⅠを勝つのは楽ではないために評価を下げている。

△ (4)ライゾマティクス

 前走の鎌倉記念の2着馬。前走はテンの速いモンゲースパイに行かせてその外3番手を追走。3角で2番手のサントノーレが先頭に立ったが、それを追い駆け、4角外から同馬に並びかけて直線へ。序盤は並走状態だったが、最後にサントノーレがもうひと伸びして2馬身半差だった。

 しかし、サントノーレはブリ―ダーズゴールドCで3着の強豪。先週の平和賞を優勝したのも、同レースの2着馬カプセルであることから、強い内容だったと言える。ただし、前走時にサントノーレの大本線で狙ったように、前走が大目標。そこで能力を出し切っているだけに、今回で大幅な上昇は期待しにくい。ただし、印上位馬が本来の能力を出し切れなければチャンスがあるだろう。スタミナを活かすタイプなので、タフな馬場も悪くない。

△ (7)ドウザン

 前走のシャイニングトレジャー賞を勝利して2戦2勝。ただし、前走は前記したように、前2頭がペースを引き上げて、前半3F36秒8-後半3F42秒2の超絶ハイペース。こに流れを1番枠から五分のスタートを切ったが、他馬を怖がる素振りを見せて、最後方からの追走。向正面から徐々に進出して、4角出口で外に出されて、先頭から5馬身くらいの差で直線へ、そこからバテた馬を交わして勝利した。

 本馬は2戦2勝と底を見せていないが、前走が展開に恵まれての勝利であり、さらに相手が強化される点が不安な材料。また怖がりな気性の持ち主で後方からの競馬になってしまう点がネック。連対圏内に突入するには成長力と展開の助けが欲しいところである、ただし、今回はタフな馬場で上がりの掛かるレースにはなりそうなので、押さえることにした。

2023年 10/29(日) 東京9R+メイン以降の予想

10月29日(日)の天皇賞(秋)以外の予想は、こちらのページで行います。
本日は計5レースで予想終了ですm(__)m。

本日4番 東京9R 国立特別 芝1600m
 ◎ (2)アイオブザストーム
 ○ (6)エッセレンチ
 ▲ (1)ショーヒデキラ
 △ (5)ロードディフィート
 △ (8)チアチアクラシカ
結論 馬連2-6,1,5,8 (20:10:10:10) 複勝2 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にアイオブザストーム(-12.7pt)、キタノブライド(-11.7pt)、ショーヒデキラ(-11.3pt)、ビジュノワール(-10.7pt)、チアチアクラシカ(-9.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

 ◎ (2)アイオブザストーム

 4走前から再度芝に路線転向すると2着、2着、1着と成績が上昇。特に前々走の1勝クラスは10番枠からやや出遅れたが、二の脚で挽回して中団の外目を追走。道中は好位馬群を壁にしてスムーズに折り合い、3~4角も外々を回って直線でさらに外に出されると、じわじわと差を詰め、ゴール目前でニホンピロキーフを捕らえて1馬身1/4差で完勝した。

 このレースの2着馬ニホンピロキーフはその次走で1勝クラスを勝利しているように、本馬は1クラス上で通用する指数を記録して勝利と強かった。前走の宝ヶ池特別はそこからひと息入っての昇級戦。極端なスローペースでラスト3F11秒5-10秒7-11秒3と上がって行った中で、中団の中目で包まれて、最後の直線で2列目が壁。外からラファドゥラに蓋をされて追えない状況になりながらも、ラスト1Fで進路が開くとしぶとく伸びて脚色よく2着争いに突っ込んできた。

 前走で苦しい競馬になりながらも5着に善戦したように、よほどのことがなければ崩れない馬だけに、ここは1番人気でも信頼する。
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本日5番 東京10R ペルセウスS ダ1400m
 ◎ (1)ヘリオス
 ○ (4オメガレインボー
 ▲ (3)アルファマム
 △ (5)ヴァルツァーシャル
 △ (6)エーティーマクフィ
 △ (7)エイシンチラー
 △ (2)ナンヨーアイボリー
 △ (11)アーバンイェーガー
結論 馬連1-4,3,5,6,7,2,11 (15:10:10:10:3:1:1) 複勝1 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にオメガレインボー(-26.7pt)、アルファマム(-26.3pt)、ヴァルツァーシャル(-23.7pt)、ヘリオス、アーバンイェーガー(ともに-22.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (1)ヘリオス

 一昨年の秋に東京ダ1400mのグリーンチャンネルCと、霜月Sを逃げて連勝した馬。本馬は昨秋の南部杯で2着、JBCスプリントで3着の実績もあるが、前記のグリーンチャンネルCが自己最高指数で、昨年の根岸Sでも2着に善戦しているようにダ1400mがベスト。

 始動戦となった今年の根岸Sでは、外差し馬場を内からオーロラテソーロと競り合ってペースが厳しくなったにせよ、15着に大敗したように、物足りなさを感じさせた。しかし、先行策で前々走の黒船賞では2着、前走のかきつばた記念で3着と復調気配は見せられている。

 そこから再び立て直された前々走のサマーチャンピオンは、軽いダートでそれまでに逃げたことがないサンライズホークが大外枠から逃げ、後半4F48秒3-3F36秒1の上がりの速い決着。本馬は4番枠から好スタートを切ったが、トップハンデ58.5Kgを背負っていたために楽に前には行けず、逃げ馬の外2番手を追走。4角地点でも後続とのリードを奪い切れず、後続馬の決め手に屈する形となった。また前走の東京盃は距離が短く、自分の型の競馬ができなかった。

 今回のメンバーでは最高指数が「-32」ともっとも高く、能力を出し切ればここでは一番強い馬。先行馬が手薄な組み合わせのここは、前に行くスピード面から前走でダ1200mを使われたことがプラスに出る。主導権をとってそのまま押し切りを期待する。
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本日3番 新潟11R ルミエールオータムダッシュ 直線芝1000m
 ◎ (18)レジェーロ
 ○ (16)アジアノジュンシン
 ▲ (11)メディーヴァル
 △ (1)ロードベイリーフ
 △ (6)トレンディスター
 △ (2)ファイアダンサー
 △ (5)トキメキ
 △ (8)シンシティ
 △ (12)チェリーブリーズ
結論 馬連18-16,11,1,6,2,5,8,12 (10:8:8:8:4:4:4:4) 複勝18 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にロードベイリーフ(-17.7pt)、マイヨアポア(-17.0pt)、サトノファビュラス(-16.7pt)、ジュニパーベリー、シンシティ(ともに-16.0pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (18)レジェーロ

 3歳時の葵Sの2着馬で、古馬になってからもカーバンクルS・1着、タンザナイトS・2着とオープンで好走実績がある。特に一昨年のカーバンクルSでは3番枠から好スタートを切った逃げ馬にプレッシャーを掛けて緩みない流れへと誘う競馬。最後の直線で馬場の良い外に出しながら、ラスト1F地点で先頭に立って抜け出しかかったところを、最後にナラングラグに差されてクビ差ではあったが好内容だった。

 本馬は昨夏のアイビスSDでも4着、3走前の今年のアイビスSDでも5着と直線1000m適性も実力はある。近2走は芝1200m戦で凡退しているが、前半3F33秒4、33秒9とスピードは見せている。特に前走のセントウルSでは二の脚で一番のスピードを見せていた。近走を見る限り、直線1000mがベスト。そして大外枠に入った。本日は秋の新潟開催最終日で、内の馬場悪化が進んでおり、外有利の度合いが大きい状況下。条件好転のここは期待が高まる。

○ (16)アジアノジュンシ

 休養明け&初芝の前々走・邁進特別は出遅れて後方のままで終わったが、前走の飛翔特別では一変。13番枠から五分のスタートを切って、前半で急かさずに中団から進めて外ラチ沿いをスムーズに通して、ラスト2Fで先頭に並びかけ、ラスト1Fでグンと突き抜けて4馬身差で完勝した。前走の走りならここでも申し分はなく外枠もいいが、短距離で連続好走は難しいので、対抗に止めた。
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本日2番 京都11R カシオペアS 芝1800m
 ◎ (11)アルナシーム
 ○ (4)マテンロウスカイ
 ▲ (16)ピンハイ
 △ (2)フライライクバード
 △ (8)ショウナンマグマ
 △ (12)シュヴァリエローズ
結論 馬連11-4,16,2,8,12 (15:15:10:5:5) 複勝11 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にビーアストニッシド(-19.7pt)、フライライクバード(-18.3pt)、グラティアス、エアファンディタ(ともに-18.0pt)、ヤマニンサンパ(-17.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

■有力馬とそのコメント

◎ (11)アルナシーム

 デビュー3戦目の朝日杯FSでは、出遅れて最後方から馬場の悪化した内を通して、ドゥデュースと0.4秒差(4着)に善戦した素質馬。本馬は素質を秘めながらも、出遅れ癖や気性面に問題があり、出世にやや時間が掛かったが、3走前の芝1800m戦・垂水Sを勝利し、晴れてオープン入りを果たした。

 3走前は大外9番枠から五分のスタートを切って、序盤は内の馬の出方を窺いながら好位直後の外目を追走していたが、すっと仕掛けてハナを奪い取り、そこからペースを落としていく。3角でじわっと11秒8まで引き上げ、4角で軽く仕掛けて外から並びかけてくるシャフトオブライトを振り切って、3/4差で直線へ。序盤で追われてリードを広げに掛かったが、トゥデイイズザデイに半馬身差まで詰め寄られる。それをラスト1Fでもうひと踏ん張りして、アタマ差で振り切った。

 3走前は2着トゥデイイズザデイや3着パラレルヴィジョンがその後準オープンを勝利しているように、それなりのレベルはあり、前々走の函館記念で0.5秒差(6着)に善戦したのも必然だったと言える。前走の ケフェウスSはオーバーペースで逃げた(3)マテンロウスカイを負かしに行って4角で並びかけ、直線序盤で先頭に立って失速。敗因がはっきりしているだけに、ここでの巻き返しに期待する。ここもマテンロウスカイが逃げる可能性が高いが、前走の敗戦を踏まえて、今回は無茶はしないと見ている。

○ (4)マテンロウスカイ

 これまで逃げて【2・1・0・1】と逃げるとしぶとい馬。その中でも3走前のメイSが強い内容だった。3走前は8番枠からまずまずのスタートを切って、二の脚の速さで内のヴィジュネル、外のドーブネを制してハナを取り切る。そこからもペースを落とさず淡々と進めて3角ではやや単騎逃げの形。3~4角で少し息を入れて2列目勢の仕掛けを待って、約2馬身差のリードで直線へ。序盤で追われて後続を離しにかかったが、内から捌いて上がってきたサクラトゥジュールに唯一食らいつかれ、最後に差されてクビ差の2着だった。

 本馬は前々走のエプソムCでは2列目の内でレースを進めて3着に善戦しているように、折り合うことも可能だが、ベストは3走前のような平均ペースの逃げ。前走のケフェウスSは坂スタートの芝2000m戦で、前半5F57秒1-後半5F60秒1のレースメイク。さすがに暴走だったが、これは横山典騎手流の叩き台だったと推測される。よって、今回は巻き返してくれる可能性が高く、一旦は本命も視野に入れたが、京都の外差し馬場を考慮し、対抗に止めた。

▲ (16)ピンハイ

 昨春の桜花賞4着、オークス5着とクラシック2冠では善戦止まりだったが、そこから休養明けとなった西宮Sでは圧巻のパフォーマンスで勝利し、成長力をアピールした馬。同レースでは8番枠からやや出遅れて、好位馬群から大きく離れた後方3番手でレースを進める形。3角でも最短距離を通し、前のスペースを維持して脚を温存。4角で徐々に差が詰まってきたところで中目、4角出口で外に誘導して直線へ。序盤で鋭く伸びて一気に2列目まで上がり、ラスト1Fでもしぶとく伸びて、早めに抜け出したノースザワールドを楽に捕えて1馬身1/4差の完勝した。

 本馬はその後、本来の能力を出し切れていない。振り返ると本馬が連対をしたのは新馬戦と、休養明けのチューリップ賞と、前記の西宮S。そして休養明けで逃げ馬が逃げ切る流れで展開に恵まれなかった東京新聞杯でも0.5秒差(5着)に善戦していることを考えると、鉄砲巧者なのだろう。今回はこれまでよりも長い7ヵ月の休養明けではあるが、外差し馬場も好ましく、変わり身に期待してみたい。

2023年 天皇賞(秋)予想

今回もかなりの文字数になってしまったので、その他の予想は別途ページを設けますm(__)m。

■35年間も逃げ切りが決まっていない

 天皇賞(秋)は1987年のニッポーテイオー以来、35年間も逃げ切りが決まっていない。歴史上は1991年にプレクラスニーが逃げ切り勝ちを収めているが、これは1着入線したメジロマックイーンの降着によるもの。

 1998年にサイレンススズカは5F57秒4の驚異的なタイムで通過したものの、大欅の向こう側に消え、2015年のエイシンヒカリはデビュー戦以来の折り合う競馬を選択。また2017年は逃げると思われたキタサンブラックは出遅れ、デビュー以来初の後方から道中追い上げる形となった。サイレンススズカで逃げた武豊騎手がその後、天皇賞(秋)で積極的に逃げなくなったのは、東京芝2000mは良馬場でも逃げ切るのが難しいと知っているからだろう。

 なぜ難しいのかというと、Bコース替わりで馬場の内側が良くないのも影響しているが、スタート直後にコーナーがあるため、外枠のテンの速い馬はすぐに内に切り込み、内枠の逃げたい馬はそれに抵抗して序盤から加速、2角で先頭を奪うという意識で騎乗しなければならないからだ。

 序盤からスピードに乗せて行かせたうえに、さらに次の3角までの距離が長いとなると、逃げ馬は容易に息を入れられない。レースの前半3F目までが速くても、4F目で息を入れられれば、最後の直線で余力を残せる。しかし、4F目でしっかり息を入れられなければ、最後の失速に繋がる。

 しかし、10年以上前は5F通過57秒台があたりまえで、56秒台が出る年もあった。しかし、近年は高速馬場の影響もあり、かなりスローペースになる傾向だ。このため過去5年で逃げ馬の2着が1回、3着が2回と善戦している。逃げ切りが決まる日もそう遠くはない。

 ただ、過去10年で5F通過がもっとも速い年で57秒4まで上がっており、展開の振れ幅が広いのも確か。展開を決め打って予想を組み立てるのもひとつの手段だろう。個人的に今年は昨年同様に超高速馬場となっているだけに、ペースが上がらず、前に行ける馬と、決め手ある馬が上位を独占するような形になると見ている。

本日1番 東京11R 天皇賞(秋) 芝2000m
 ◎ (4)ダノンベルーガ
 ○ (7)イクイノックス
 ▲ (10)ジャックドール
 注 (3)ドウデュース
 △ (5)ガイアフォース
 △ (6)ジャスティンパレス
 △ (9)プログノーシス
結論 馬連4-7,10,3,5,6,9 (17:12:12:3:3:3) 複勝4 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (4)ダノンベルーガ

 前々走のドバイターフの2着馬。前々走は4番枠から五分のスタートを切って促していたが、窮屈になって下がり、後方2列目の中目からの追走。3~4角では包まれて最後方まで下がったが、4角で必死に追いながら中目を通って直線へ。直線序盤でも進路が作れずバタバタしていたが、中団中目を捌いて残り300mで外に出されると、そこから一気に前に迫り、ロードノースに3/4差まで迫った。

 本馬は中団内々で脚をタメた4走前の天皇賞(秋)で、大半の馬が上がり3F33秒半ばだったなか、(7)イクイノックスに次ぐ上がり3F32秒8を記録しているように、末脚を生かしてこその馬。前々走は3走前で芝2400mのジャパンCを使われ、中団からレースを進めた影響もありテンに置かれ気味で、ややスムーズさを欠いた。しかし、位置取りも本仕掛けも本馬の適性を生かすには悪くなかった。

 直線で早め先頭に立ったなら、ラスト2Fで先頭に立った3走前のジャパンC時のように、甘さを見せていた可能性が高い。実際、自身のラスト2Fも10秒88-11秒10とやや減速しており、1着ロードノースと3着ネーションズプライドが抜け出しかかったタイミングで動いたことが2着好走に繋がったと言える。

 前走の札幌記念は本馬を管理する堀調教師の「目標は秋のレースですし、一度使っておくと仕上げやすいので、今回は馬の状態に合わせて調整していきます」といったコメントを各社が報道していたように、叩き台だったはず。ただレースは中団の中目から向上面で馬場が悪化した内に入れ、そこから上がって行く競馬で4着に善戦。前走まで末脚を生かす競馬ばかりしてきた本馬が積極的な競馬で善戦したことは価値が高い。

 ドバイターフの指数を算出していないためPP指数の能力値5位以内にランクインしていないが、ドバイターフの指数はけっこう高く、厳密には能力値5位以内と推測される。また本馬はライバルたちが休養明けに対して、夏場に使われた強みもある。末脚を存分に生かせる舞台のここは本命馬だ。

○ (7)イクイノックス

 昨年の天皇賞(秋)でGⅠ初制覇を達成すると、そこから何とGⅠを4連勝。その実績は現役世界最強馬である。本馬が自己最高指数を記録したのは昨年暮れの有馬記念。同レースは9番枠から五分のスタートを切って、そこからの行きっぷりが良かったが、折り合い重視で中団馬群の外目、エフフォーリアをマークして追走。3~4角で同馬をアオるように馬なりで並びかけ、先頭列で直線を向かえると、すっと抜け出して2馬身半差の完勝だった。

 有馬記念当日は馬場の良い外をスムーズに走れたのは確かだが、早めに動いて3角後方2番手の2着ボルドグフーシュに次ぐ、メンバー2位の上がり3Fタイムを記録したのは強いの一言だ。ただ、前走の宝塚記念は2着スルーセブンシーズにクビ差まで迫られたように、昨年の天皇賞(秋)や有馬記念と比較すると指数ダウンしている。

 前走は5番枠からまずまずのスタートを切ったが、躓き加減で挟まれそうになったため、ブレーキを掛けて中団、最終的に最後方付近まで下がって、そこからの追走。向正面で外に誘導して3角。3~4角では大外から(6)ジャスティンパレスに蓋をしながら位置を押し上げ、4角でやや膨れてロスが生じた。ただ直線序盤で追われるとすっと先頭列まで上がり、ラスト1Fで抜け出しかけたが、内から食らいついて伸びてきたスルーセブンシーズにクビ差まで迫られる、ギリギリの優勝だった。

 前走は超高速馬場で外枠から逃げるユニコーンライオンにドゥラエレーデがプレッシャーをかけたことで、前半3F通過34秒0と短距離レベルの速さ。5F通過も58秒9と速く、先行馬が壊滅する展開。その流れを最後方付近まで下げたことで、展開に恵まれる形での優勝だった。前走で指数をダウンさせたのは、前々走ドバイSCを圧勝した後の一戦で疲れが残っていたと推測されるが、先行力を喪失していた点が不安材料である。

 またドバイSCを優勝している本馬にとって、昨年のシャフリヤール同様に1着賞金約2億円のここよりも、1着賞金5億円+報奨金約3億円のジャパンCが目標だろう。昨年の天皇賞(秋)もその先が目標の始動戦でありながら優勝しているが、今回出走の◎(4)ダノンベルーガに1馬身差、(10)ジャックドールに1馬身半差だった点を考慮すれば、他馬に逆転される可能性もある。全能力を出し切れなくても勝たれる可能性もあるが、配当に見合わない死角があるので対抗に止めたい。

▲ (10)ジャックドール

 今春の大阪杯勝ち馬。同レースは9番枠からまずまずのスタートを切り、「2番手でもいいよ」という入り方でじわっとハナを主張。前半はそこまで速くなかったが、向正面でペースを引き上げ5F通過58秒9の淡々とした流れ。3~4角でもペースを緩めず、2馬身差のリードで直線へ。ラスト2F11秒4-12秒5。ラスト1Fで失速しかかったが他馬も甘くなり、唯一、突っ込んで来たのがスターズオンアースだったが、それをハナ差で振り切った。

 本馬は昨年の金鯱賞でも向上面からペースを引き上げる形で、2馬身半差の完勝。とても強い勝ち方をしている。前走の札幌記念はトップスタートを切りながらも、馬場の悪化した内を走ることを嫌って、外に誘導しながら他馬に行かせての先行策。稍重で馬場がタフな状況で3~4角で外から押し上げるロスも生じ、直線では苦しくなって失速した。

 本馬は前々走の安田記念で超絶高速馬場も意外とこなせており、すんなり先手を取れそうな今回は怖い。能力値1~4位の馬と◎(4)ダノンベルーガが末脚型であり、それらが牽制し合って仕掛けが遅れるようであれば、一発がありそうだ。

注 (3)ドウデュース

 昨年の日本ダービーでは○(7)イクイノックスを撃破して優勝した馬。同レースは13番枠からやや出遅れ、そこからコントロールして◎(4)ダノンベルーガをマークするように、イクイノックスより2列前の後方馬群の中目を追走。道中もダノンベルーガをマークしていたが、3~4角の外から押し上げるジオグリフを目標に切り替え、直線で同馬の外に出されるとラスト2Fでグンと伸び、ラスト1Fで楽に先頭。最後はイクイノックスに迫られたが、クビ差で振り切った。

 また、京都記念は12番枠から出遅れて後方からの追走。そこから余裕のある入り方で、後方で我慢。1~2角でペースダウンして向正面で馬群が凝縮したところを、コントロールしながら中団の外まで上がって3角へ。3~4角では外から押し上げるマイネルファンロンを目標に動いて、4角では3列目。直線序盤で同馬の外に出されると、グンと伸びて一気に先頭。ラスト1Fでそのまま突き抜けて3馬身半差の圧勝だった。

 日本ダービーも京都記念も逃げ馬がしっかりレースを引っ張り、平均ペース以上の流れ。今回も逃げ馬▲(10)ジャックドールがしっかりレースを引っ張れば、本馬にチャンスが巡ってくる。またイクイノックスは逃げ馬不在のドバイSCこそ押し出されるようにして逃げたが、昨年の有馬記念辺りと比較すると前に行けなくなっている。同馬は総合力が高いが、決め手は本馬のほうが上。超高速馬場の今回で末脚比べの形になれば、日本ダービー同様に逆転のチャンスもある。

△ (5)ガイアフォース

 2歳新馬戦ではラスト2F11秒4-11秒1の流れで、3着馬に3馬身差をつけて2着と好走した馬。当時の勝ち馬は注(3)ドウデュース。4角で外から本馬に並びかけてきたドウデュースとのマッチレースをクビ差で敗れた。この時点で後の活躍は必然で、セントライト記念を優勝するまで出世した。

 今春はマイル路線を使われ、初戦のマイラーズCは2着。芝2200mを使われた後の一戦で7番枠から出遅れたが、二の脚で置かれることなく中団馬群の中目につける形。道中もスムーズにキングエルメスの後ろ辺りを走って3角へ。3~4角ではペースが上がっていく中で進路を作れず、直線序盤では外からソウルラッシュに進路をカット気味に前に入られ、外に誘導。ラスト1Fでもまだ3列目付近だったが、ラスト1Fでしぶとく伸びて同馬を捕らえ、そこをシュネルマイスターに差し切られてのクビ差2着だった。

 前走オールカマーはあくまで叩き台。5着と言っても悲観するものではなく、むしろ能力を出し切らなかったことで今回に向けては順当に上昇が見込める。今回は能力を出せそうだが、問題は能力を出し切ったとして今回のメンバー相手に勝ちきれるほどの能力、瞬発力があるかどうか。後方勢の仕掛けが遅れるなど、展開の助けが欲しいところだ。

△ (6)ジャスティンパレス

 今年の天皇賞(春)で悲願のGⅠ制覇を達成した馬。同レースは1番から五分のスタートを切ったが、そこから押して枠なりで中団まで上がって追走。スタンド前で中目に誘導し、向正面ではディープボンドをマーク。3~4角では同馬を追い駆けてじわっと進出し、4角では2列目の外。直線序盤ですっと伸びて早めに抜け出したディープボンドの外に出されると、楽に同馬を交わしてどんどんリードを広げ、2馬身半差で完勝した。

 天皇賞(春)は逃げたタイトルホルダーの故障の影響もあり、3角手前から大きくペースが緩んだ。そこを外から上手く押し上げたことが功を奏した面はある。しかし、本馬が記録した指数は(9)プログノーシスの札幌記念、○(7)イクイノックスの有馬記念に次いで3番目のもの。

 前走の宝塚記念は9番枠から五分のスタートを切って、レースの流れに乗せていこうとしたが、挟まれそうになったので控えて中団、最終的には後方付近からの追走。道中は中団やや後方を追走していたが、3角手前で前のモズベッロの後ろから外に出して3角へ。3~4角では外々から進出したが、その外からイクイノックスに蓋をされ、それに抵抗して一緒に上がって直線へ。序盤の伸びはイクイノックスに見劣ったが、それでも伸び続けて2列目付近。ラスト1Fで同馬に食らいついてジェラルディーナを競り落とし、3着を確保した。

 前走は前々走を最大目標にした後の一戦だったことを考えると、上々の内容だった。しかし、イクイノックスには完敗。前走は前半3F34秒0とテンが速い流れだったとはいえ、同馬以上にテンに置かれており、この距離だと前走同様に後方からの競馬でレースの流れに乗れない可能性が高い。展開に恵まれればチャンスはあるが、前からでも押し切れるような流れになると連対圏内突入は苦しい。

△ (9)プログノーシス

 これまで10戦6勝2着2回3着1回と3着以内率90%。4走前の中日新聞杯は4着と初めて馬券圏外に敗れたが、このレースは極端なスローペースで、3角手前の下り坂から一気にペースアップ。3~4角で内を回った馬が1、2、3、5着と上位入線する流れだった。本馬は6番枠から好スタートを切りながらもブレーキを掛けて後方2番手を追走し、4角で大外をぶん分回すロスがあった。直線序盤でも進路を作れなかったが、外に出されると1頭だけ違う末脚で伸び、勝ち馬とキラーアビリティからクビ+クビ+ハナ差。ペースが上がらない中、絶望的な位置から距離ロスの大きい競馬でも崩れなかったあたりに強さを感じた。

 前走の札幌記念は今回のメンバーではNO.1の指数で優勝。前走は13番枠から五分のスタートを切って、序盤は無理をさせず後方に近い位置から追走。1角で内に入れ、向正面では内目のスペースを拾って位置を押し上げ、3角では好位。そこから外目に誘導しながら2列目まで上がり、4角2番手で直線へ。序盤で最内から抜け出したトップナイフに並びかけ、そこからは突き抜けて4馬身差の圧勝だった。

 前走はタフな馬場。今回は一転して超高速馬場で行われる。本馬はデビュー2戦目の毎日杯を除いて、国内ではすべてメンバー最速の上がり3Fを記録している。しかし、これまで超高速馬場を使われたことがない点が人気の盲点となる。またタフな馬場の前走で自己最高指数を記録した後の一戦となると、疲れが出る可能性もある。ただし、4走前のような苦しい位置からでも脚力の違いを見せつけていることから、ここも大崩れしない可能性が高い。

2023年 スワンS・アルテミスS+京都8R以降の予想

本日は下記の計6レースの予想になりますm(__)m。

■ペースが上がりにくい舞台だが、先行馬は多数

 スワンSが行われる京都芝1400mは、向正面からスタートして2F目から坂を上り、4F目で坂を下るコース。このため前半のペースが上がりにくく、過去10年の平均前半3Fは34秒9と芝1400m戦としては遅い。内訳は極端なスローペースが4回、平均ペースが4回、ややハイペースが2回。

 2017年と2018年はややハイペースが発生しているが、2017年は重馬場、2018年は開催日が雨に見舞われる日が多く、良馬場発表もやや時計の掛かる馬場で行われた年だ。2018年は唯一、追込馬のロードクエストが優勝しているが、2013年はコパノリチャード、2014年はミッキーアイル、2020年はカツジが逃げ切り勝ちを収めている。

 今秋の京都芝は過去のこの時期と比べると時計が掛かっているが、それでも高速馬場。そのうえで明確な逃げ馬が不在。今春のヴィクトリアマイルで逃げの手を打ったロータスランドは、大外枠からだとよほど押して行かないとハナに行けないので、積極的に逃げたがらない岩田康騎手が鞍上となると、それをやらないだろう。

 今年1月のニューイヤーCを逃げ切り、前走時からブリンカー着用で出脚が良くなった内枠のウイングレイテストも岩田康騎手と同タイプの松岡騎手が鞍上となると逃げない可能性が高く、ここは4走前の芝1200m戦、仲春Sを逃げ切ったメイショウソラフネかテンの速いタマモブラックタイ辺りが、押し出されるようにして逃げる可能性が高いと見ている。

 ロータスランドは好位の外を狙うのか、後方に下げて内を狙うのかはともかく、2列目を狙う先行馬はルガル、ウイングレイテスト、トウシンマカオ。極端なスローペースではないかもしれないが、速くはならないだろう。差し馬よりも先行馬という想定で予想を組み立てたい。

本日5番 京都11R スワンS 芝1400m
 ◎ (12)ルージュスティリア
 ○ (2)ルガル
 ▲ (15)ララクリスティーヌ
 △ (9)アヴェラーレ
 △ (14)インダストリア
 △ (3)ウイングレイテスト
 △ (4)トウシンマカオ
 △ (6)スマートリアン
 △ (8)グレナディアガーズ
 △ (16)ウインマーベル
結論 馬連12-2,15,9,14,3,4,6,8,16 (10:10:10:10:2:2:2:2:2) 複勝12 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (12)ルージュスティリア

 昨秋から芝マイルを使われ、3連勝で3勝クラスの長篠Sをオープン級の指数で勝利した馬。同レースは6番枠からトップスタートを切って一旦ハナに立ったが、そこからコントロールし、内のシルヴェリオに行かせて2番手を追走。やや折り合いに苦労していたが、シルヴェリオを壁にして追走し、3~4角で最短距離を通して4角出口で同馬の外に誘導。直線序盤で追い出されるとすっと先頭に立ち、ラスト1Fでリードを広げて2馬身差で完勝した。

 休み明け緒戦となった4走前の阪神牝馬Sでは1番人気に支持されながらも6着敗退。しかし、同レースは川田騎手らしからぬラフプレーが目立った。7番枠から五分のスタートを切って、二の脚で2列目を取りに行ったが、サウンドビバーチェに前を取られて好位の中目を追走。レースがかなりのスローペースだったこともあり、道中はやや折り合いに苦労していたが何とか我慢させ、3角ではスペースを作って中団に近い位置。4角中目から前のスペースを詰めて3列目で直線へ。

 しかし、最後の直線では前のサウンドビバーチェに突っ込みそうになってバランスを崩し、急に外に進路を切り替えて外のイズジョーノキセキと接触。しばらく左右にフラ付く不利があった。3走前のヴィクトリアマイルでも10着に敗れているが、同レースは15番枠から五分のスタートを切ったが、そのあと内の馬に接触。そこから位置を取りに行ったが、外からソダシに切れ込まれて、そこでも内の馬に接触する不利があった。

 前々走の中京記念は16番枠から好スタートを切ったが、やはり意識的に位置を下げて中団の内を狙う形。しかし、さすがに内には入れず、中団やや後方の中目。3~4角でも中団やや後方の中目でレースを進めていたが、外のディヴィーナとの接触で躓いてやや位置を下げ、何とか同馬の後ろを通して直線で同馬の外。そこから追われたがジリジリで、ディヴィーナに伸び負けする形。最後にウイングレイテストを何とか捕らえてハナ差の3着だった。大外枠のここで控えるという判断自体は良かったが、3~4角でペースが上がっていく中での不利は小さくなかった。

 前走の府中牝馬Sは3番枠から好スタートを切って、前々走から一転してハナへ。最終的に外のディヴィーナがハナを主張したのでそれを行かせて2列目の外で我慢の競馬。そうしているうちにディヴィーナにどんどん離され、3~4角でペースが緩んでも動かないまま2番手で直線へ。直線序盤で追われてもジリジリで、ラスト2Fでも2列目付近で踏ん張ったが、ラスト1Fで甘くなって0.4秒差の7着に敗れた。本馬はスパっと切れる脚がなく、ある程度、前の位置を取ってこその馬。3~4角で動かなかった辺りに、本馬に乗る川田騎手は「迷手」になっていると感じさせた。

 この馬に関しては、乗り替わりが懸命だろう。前走の行きっぷりなどから調子落ちはないと判断できるだけに、ここは本馬の能力全開に期待してみたい。今回は芝1400m戦だが、前半3F34秒台半ばで入って行ける先行力があるので3列目くらいは狙っていけると見ている。阪神牝馬Sや中京記念で1番人気に支持された馬が、ここでは単勝9番人気というのは実に美味しいい。
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本日1番 東京11R アルテミスS 芝1600m
 ◎ (4)チェルヴィニア
 〇 (10)ラヴスコール
 ▲ (5)シュシュトディエス
 △ (1)ライトバック
 △ (2)ショウナンマヌエラ
結論 馬連4-10,5,1,2 (20:10:10:10) 複勝4 (50)

■阪神ジュベナイルFに繋がることが多い一戦

 阪神ジュベナイルFの前哨戦として創設されて今年で11年目。過去の連対馬からアユサン(2012年)、レッツゴードンキ(2014年)、メジャーエンブレム(2015年)、リスグラシュー(2016年)、ラッキーライラック(2017年)、ソダシ(2020年)、サークルオブライフ(2021年)、リバティアイランド(2022年)と、後のGIホースを多く輩出しており、本番に繋がるという意味でも、注目度の高いレースとなっている。

 このレースは本番を意識して、末脚を生かすレースをする馬が多いことがポイント。2018年のライデンシャフトのようなハナ必須タイプが出走していない限り、まず平均ペースよりも遅い流れになる。まず、平均ペースよりも遅い流れになる。このため将来のある馬が活躍する一方、2017年の13番人気馬サヤカチャンのような、前からの一発も決まっている。2019年も5番人気馬のビッククインバイオが逃げて3着、2022年は6番人気アリスヴェリテが逃げて3着だった。

 キャリアの浅い馬2歳馬は、まだ脚質が定まっていない場合もあり、急な脚質チェンジもあるが、それでも騎手自ら無理に行かせてバテさせるようなレースは基本的にはさせない。将来性を紡ぐことになりかねないからだ。だからこそ前残りが発生したり、2015年の13番人気馬デンコウアンジュのように、大外枠から思い切った末脚を生かす競馬で激変したりするのだろう。そこも踏まえて予想を組み立てたい。

■有力馬とそのコメント

◎ (4)チェルヴィニア (未勝利戦の評価AA)

 超ハイレベルだった6/4の東京芝1600mではボンドガールに敗れたものの3着馬には3馬身差と、しっかり差をつけて好指数の2着だった馬。新馬戦では逃げて目標にされてしまったことで最後に苦しくなった点を踏まえ、前走の未勝利戦では6番枠から好スタートを切ったが、内からハナを主張する馬を行かせて2番手からの競馬。こうなると負けるわけにはいかない。

 最後の直線では逃げ馬を目標に楽な手応え、残り300m辺りで前を捉えるとそこからは後ろをグングン引き離し、6馬身差で圧勝した。指数は先に行われたダリア賞、函館2歳Sと同等。8月12日時点では、現2歳世代芝部門の指数トップタイとなった。最後の直線で馬なりのまま逃げ馬に並びかけていくなど、余裕度合いを考えると、ダリア賞の勝ち馬コラソンビートや函館2歳Sの勝ち馬ゼルトザームを上回る走りだった。

 半兄ノッキングポイントと指数上の比較をすると、新馬戦の時は負けていたが、デビュー2戦目で大きく上回ったことになる。前走はかなり優秀な指数を記録。能力の天井が思いのほか低かった場合には凡退する可能性もあるが、レースぶりからもう一段上のものを持っていると見て、本命馬とした。

○ (10)ラヴスコール (新馬戦の評価AA)

 札幌芝1500m戦の勝ち馬。同レースでは8番枠から好スタートを切って前に行こうとし、前進気勢の強さを見せていた。しかし、外の馬に前に入られてしまい、抑える形になって折り合いを欠いた。前に壁を作って好位の中目を追走したが、それでも行きたがる感じを見せていた。最後の直線では外に出すのに手こずったが、進路を確保するとグイグイ伸び、最後は早めに抜け出したラーンザロープスをクビ差捉えてゴールした。

 3着馬には3馬身差をつけており、上位2頭はなかなかの好指数を記録。ラスト2Fは11秒6-11秒3。時計の掛かる札幌芝ではかなり評価できる数字だ。今回はスムーズさを欠くところもあっただけに、前走からの大きな前進があると見て、対抗馬とした。

▲ (5)シュシュトディエス (新馬戦の評価AA)

 秋の中山芝1600mの新馬戦の勝ち馬。同レースでは11番からスタート後に外にヨレたが、このレースは16頭立てで外がゲートのつなぎ目だったことや、12番枠の馬が出遅れたこともあり、問題なく立て直し、好位の外まで上がって行くことができた。3~4角では前に並びかけ、直線では粘る逃げ馬を目標にしっかり脚を伸ばして、1馬身3/4差で快勝した。

 前記の新馬戦はペースが遅く、後続馬に差を付けられなかったので指数は高いものとはならなかったが、ラスト2F11秒3-10秒8と急加速。前開催の中山芝の新馬戦は、最後に加速してゴールした馬がすごく多く、数字を鵜呑みにできないが、余裕を持って勝利したことは確か。本馬も今後の成長が期待できる。ただし、新馬戦ではやや他の馬を気にするような素ぶりを見せていたので、好位の外で進める競馬が理想的。そういう競馬ができれば、大仕事をやってくれそうだ。

△ (1)ライトバック (新馬戦の評価B)

 新潟芝1800mの新馬戦の勝ち馬。同レースでは10番枠から出遅れて最後方を追走。ペースは5F通過63秒9と遅いが、4角を迎えても最後方列の中目だった。最後の直線ではズラリと前が壁で、鞍上は進路を求めて右往左往。ラスト2F過ぎでようやく外に進路を見つけたが、前とはかなりの差。あまり届きそうな感じはしなかったが、残り300mあたりでエンジンを点火してグイグイと伸び始め、最後にキッチリと差し切った。

 ラスト2Fは11秒0-11秒4。上がり3Fタイムは32秒8。最後に前が止まったので差し切っているが、単勝1番人気でありながら、危うい競馬だった。ただし、出遅れの不利、スローペースを後方からだったことを考慮すれば悪くない内容。前走から前進必至で警戒が必要だ。

△ (2)ショウナンマヌエラ

 中京芝1600mの新馬戦の勝ち馬。同レースでは7番枠から抜群のスタートを切ってハナを主張。内のサトノアイオライトが競ってきたが、これを制してじわっとハナを取り切ると、かなりのスローペースに持ち込んでの逃げ。最後の直線では後続に約2馬身差のリードを広げたものの、ラスト1Fでやや甘くなり、そこを外からウインディオーネに3/4まで迫られた。

 前走の新潟2歳Sでは6番枠から好スタートを切って、じわっとハナを取り切る。そこからそれほどペースを落とさずに後続とのリードを広げ、3~4角で息を入れながらも約2馬身差のリードで直線へ。ラスト2Fでは内からルクスノアも食らいついてきたが、それを振り切ったが、ラスト1Fで外からアスコリピチェーノに捕えら切られて1馬身差の2着に敗れた。しかし、ここでは勝ち馬アスコリピチェーノは◎(4)チェルヴィニアが勝利した未勝利戦と同等の指数を記録。本馬が前走で記録した指数はここでは2位となる。前有利の利があれば、ここも好走が期待できる。
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本日2番 京都8R 萩S 芝1800m
 ◎ (7)ボルケーノ
 ○ (5)ルシフェル
 ▲ (3)アレグロブリランテ
結論 馬連7-5,3 (40:10) 複勝7 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にルシフェル(-3.7pt)、デルシエロ、ビーグラッド、ボルケーノ(ともに-3.0pt)、アレグロブリランテ(-2.0pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

■有力馬とそのコメント

◎ (7)ボルケーノ (新馬戦の評価A)

 6月の東京芝1600mの新馬戦の勝ち馬。同レースでは8番枠からトップスタートを切って、そのままハナを主張。マイペースの緩やかな逃げで、外から2番手のコスモブッドレアが早めに上がってきたが、行きたがることなく、折り合いが付いていた。そのせいもあって最後の直線に向いても手応え抜群。最後まで脚色が衰えることなく、結局そのまま逃げ切った。

 ラスト2Fは11秒5-11秒6とほぼ減速せずにゴール。4着馬には3馬身半差と大きな差をつけており、2着馬、3着馬は次走の未勝利戦でともに好指数勝ちしており、レベルの高い新馬戦だったと言える。この中間は古馬のオープン馬たちを相手に調教を積んで来ており、ここは決めたいところである。

○ (5)ルシフェル (未勝利戦の評価A)

 前々走の新馬戦は、後にコスモス賞を高指数で勝利したエコロヴァルツの2着だった。前走は前走成績の悪い馬が揃った未勝利戦だったこともあり、単勝オッズ1.1倍の支持を受けた。ただ前々走ではエコロヴァルツが3~4角で早めに上がっていき、見た目以上に前が苦しい競馬。外から差して2着の実績は、額面通りに受け取れないところもあると考えていた。

 レースは前走同様に2番枠からやや出遅れ、後方2番手を追走。しかし今回は相手が弱かったこともあり、向正面で上がっていく。3~4角では外から早々と先頭に立ち、直線では堂々と押し切って4馬身差の圧勝だった。

 早めに上がっていく競馬をしながら、ラスト2Fは12秒3-12秒0。これはまだ余裕があった証拠。クラスが上がっても活躍が十分に期待できるものだった。また、このレースで離された2着争いを制したのはチョメチョメ。同馬は〇(7)ボルケーノが勝利した新馬戦で2秒も離された8着だった。やはりボルケーノはかなり強いのだろうと再認識させられた。

▲ (3)アレグロブリランテ (新馬戦の評価B)

 福島芝1800mの新馬戦の勝ち馬。同レースでは4番枠からまずまずスタートを切って、前を行く3頭を見ながら好位の中目を追走。向正面で外からアーマルコライトが捲って一気に先頭に並びかけると、それを追いかけて2列目3番手で3角へ。3~4角では前2頭の内から先頭に立とうとする勢いだったが、最内のキットハナガサクに張られてポジション後退。直線では伸びないかと思われたが、最後にグイッと伸びて前を行く同馬を差し切った。

 このレースでは2着と半馬身差だったが、3着とは3馬身差をつけて勝利した点は評価できる。ラスト2Fは12秒4-12秒5。減速度合いは少ないので余力はあるように感じる。ただし、上がり3Fタイムは36秒8。時計の掛かる福島最終週の馬場ではあるが、良いとは言えない。今回の走りは数字面でそこまで高い評価はできないが、今回での前進があると見て一考した。
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本日4番 東京9R 伊勢崎特別 ダ2100m
 ◎ (8)コルサファターレ
 ○ (5)クールミラボー
 ▲ (9)メイテソーロ
 注 (14)メイショウカゲカツ
 △ (1)キタノセレナード
 △ (12)インテンスフレイム
 △ (13)ソッコータルマカ
 △ (15)トクシースタローン
結論 馬連8-5,9,14,1,12,13,15 (10:10:10:5:5:5:5) 複勝8 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にクールミラボー(-17.7pt)、インテンスフレイム、トクシースタローン(ともに-14.7pt)、キングサーガ(-14.3pt)、コルサファターレ(-14.0pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (8)コルサファターレ

 ここまでキャリア5戦で3着を外したことがない馬。前々走の東京ダート2100mの未勝利戦では、11番枠から五分のスタートを切って、じわっと二の脚で先行。向正面序盤では4番手だったが、半ばで前2頭から離れた3番手に上がり、そこからもじわじわ差を詰めて、4角では3~4馬身差の射程圏内。ラスト3F手前で先頭に立つと、そこからどんどん後続を引き離して大差の勝利を収めた。本馬が同レースで記録した指数は2勝クラスで通用級のもの。休養明けの前走の1勝クラスは、前2頭の外を追走して余裕残して快勝。得意の舞台に戻る今回はさらに前進が期待できる。
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本日6番 新潟11R 魚沼S 芝2000m
 ◎ (3)ビキニボーイ
 ○ (2)エーデルブルーメ
 ▲ (6)ルドヴィクス
 △ (10)マイネルモーント
 △ (1)バレエマスター
 △ (4)ホウオウリアリティ
 △ (5)セレシオン
 △ (9)マテンロウアレス
 △ (11)レヴァンジル
結論 馬連3-2,6,10,1,4,5,9,11 (15:15:5:3:3:3:3:3) 複勝3 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にルドヴィクス(-17.7pt)、エーデルブルーメ、マイネルモーント(16.3pt)、レヴァンジル(-14.7pt)、バレエマスター(-13.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (3)ビキニボーイ

 デビュー2戦目の札幌芝1800mの未勝利戦を逃げ切り勝ちした馬。しかし、重賞では全く通用せず、京都2歳Sでは逃げるグリューネグリーンに絡んで行って撃沈したこともあった。ところが姫路、園田のタフなダートを経験することで体力が付いて、中央再転入後の4走前・佐渡S(3勝クラス)では、勝ち馬トゥデイイズザデイと0.4秒差(5着)に好走した。

 4走前は1番枠から五分のスタートを切って、終始中団の最内を通して、最後の直線でも内ラチ沿いからジリジリ脚を伸ばす競馬。3勝クラスの上位常連馬(3着のオヌールは次走で長岡S勝ち)を相手にここまでやれたのは大きな収穫だった。

 前走の大原Sは5番枠から五分のスタートを切って、手綱をしごきながらハナを主張し、内からハナを主張したゴールドエクリプスとの競り合いを制して、秋華賞当日のある程度時計の掛かる馬場で実質オーバーペースの逃げ。さすがに無茶過ぎた。今回は前走で厳しい流れを経験したことが、スタミナ強化に繋がると見て本命馬とした。
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本日3番 京都12R 4歳上2勝クラス ダ1800m
 ◎ (4)ブライアンセンス
 ○ (3)テンダンス
 ▲ (5)ドットクルー
 注 (7)テーオーレガシー
 △ (11)ワンダースティング
 △ (13)メイショウコジョウ
結論 馬連4-3,5,7,11,13 (15:15:10:5:5) 複勝4 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にブライアンセンス(-20.7pt)、メイショウオーロラ(-15.7pt)、コンティノアール(-15.0pt)、テーオーレガシー( -12.3pt)、メイショウコジョウ(-11.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (4)ブライアンセンス

 デビュー3戦目に後の関東オークス勝ち馬パライバトルマリンとハナ差の2着、この時点で古馬2勝クラス勝ちレベルを超える指数を記録すると、その次走の1勝クラスでは3着馬に8馬身差をつけ、古馬3勝クラス勝ちレベルの指数をマークした実力馬。

 前記の1勝クラスは2番枠から五分のスタートを切って、そこから押して行ったが、そこまで前の位置は取れず、3列目の内目。3~4角でも3列目の中目を通して直線へ。ラスト1Fで抜け出していたブレイゼストを捉えて2馬身半差で完勝した。このレースでは当日の東京ダ1600mの立夏S(3勝クラス)と同等の指数での勝利だった。

 前々走のユニコーンSは全能力を出し切れなかったが3着。そして前走の西湖特別は休養明け。最後の直線でなかなか進路が開かず、能力を出し切れなかった。叩かれた今回は能力発揮を期待できる。