■逃げ馬有利の舞台もペースが鍵
2016年まで12月上旬に開催されていたが、17年に3月の中京開幕週に移行(20年除く)。21年は重馬場で行われるなど、雨に見舞われることも多く、本日も朝の時点で重馬場だ。
この開催は最終日に高松宮記念が行われるため、芝の悪化した箇所は広範囲にわたって張り替えられており、完全な良馬場なら高速馬場となる。そのうえ中京芝2000mは、ゴール手前の急勾配の途中からスタートして、向正面半ばまで坂を上っていくコース形態。このためペースが上がりにくい。
実際に2021年に10頭立て10番人気のギベオンが逃げ切ったように、逃げ馬が大活躍。過去8回で逃げ馬は1着2回、2着3回、3着1回という活躍ぶり。一方、追込馬の3着以内は23年と24年のプログノーシスのみ。逃げ有利、追込苦戦の傾向がはっきりと出ている。
ただし、逃げ馬が活躍した年は全てややスロー~かなりのスローペース。平均ペースまで上がった昨年は前が崩れて、差し、追込馬のワン、ツーだった。今年は折り合いに課題のある(5)デシエルトの逃げが予想され、平均ペース以上になると見ている。さらに馬場悪化となると、逃げ、先行馬に素直に飛びつけず、本命馬は「差し馬」という結論に至った。
中京11R 金鯱賞 芝2000m
◎ (6)クイーンズウォーク
○ (2)ホウオウビスケッツ
▲ (5)デシエルト
注 (8)プログノーシス
△ (3)ライラック
△ (7)ディープモンスター
△ (9)ラヴェル
△ (10)マイネルモーント
結論 馬連6-2,5,8,3,7,9,10 (14:10:10:4:4:4:4) 複勝6 (50)
■有力馬と評価ポイント
◎ (6)クイーンズウォーク
昨秋のローズSの勝ち馬。この時は2番枠からまずまずのスタートを切って、いったん好位の内目を取り、そこからコントロールしながら控えていく形。
道中ではやや掛かりながら中団内目を進んでいたが、道中でごちゃつき外目に誘導され3角を迎えた。3~4角で徐々に進出し、4角出口でさらに外へ誘導されると、直線序盤でじわじわ伸びて3列目に上がり、ラストはそのまま突き抜けて1馬身半差で完勝した。
ここでは11番人気の逃げ馬セキトバイーストが3着に粘ったように、前有利の展開。ここで末脚の違いを見せつけたことは価値が高い。
本番の秋華賞はローズSから一転、セキトバイーストの大逃げでかなりのハイペースとなった。本馬は3番枠からスタート後に大きく躓いて後手を踏み、道中で捲って行く形。3、4角で大外をぶん回したことも影響して最後はもう脚がなく、15着と大失速した。
秋華賞はひどい騎乗だったが、行きっぷりが悪かったのは休養明けで自己最高指数を記録した後の一戦で、疲れによるものが大きい。
そこから立て直された前走の小倉牝馬Sは、9番枠からまずまずのスタートを切った。しかしこれが災いして、激流の好位外を進むことになった。結果、ラスト1Fで外差し勢に飲み込まれてしまったが、叩かれての今回は前進が期待できる。
本馬は成長期の4歳馬。前走で激流に乗って6着に敗れた以上、ここは脚をタメてくるはず。川田将雅騎手が(8)プログノーシスではなく、こちらを選んだことで想定以上に人気だが、ローズS時のように中団から末脚を生かす形なら有力だ。
○ (2)ホウオウビスケッツ
昨夏の函館記念で初重賞制覇を達成。同レースは12番枠から五分のスタートだったが、二の脚で楽に逃げ馬アウスヴァールの外2番手に取り付いた。1~2角では手綱を抑えてコントロールし、道中は同馬から2馬身半ほど離れた2番手を追走した。
3角ではアウスヴァールと3馬身差だったが、3~4角で徐々に差を詰めながら外に誘導し、4角で一気に並びかけた。直線序盤で抜け出すと、ラスト1Fで突き抜けて3馬身半差で圧勝した。
この函館記念は前後半5F59秒6-59秒6の平均ペース。一つ前の巴賞を逃げ切り勝ちした後の一戦から控えたことでやや掛かってはいたが、道中で逃げ馬から離れた単独2番手になったことで折り合いもつき、自己最高指数を記録した。
また3着アウスヴァールと4着サヴォーナが後にオールカマーで2着、4着と善戦したように、意外とハイレベルな一戦だった。出走馬の近5走では、プログノーシスが優勝した昨年の金鯱賞に次ぐ2番目の指数を記録している。
本馬はその後の毎日王冠2着、天皇賞(秋)3着。ともにマークが薄く、スローペースで逃げられたことも好走要因ではあるが、逆にペースを落とし過ぎたため、勝ち馬の決め手に屈した面もある。
前走の中山金杯はスタミナが不足しがちな休養明け。また大外18番枠からやや掛かってハイペースで逃げるクリスマスパレードに絡んでいったため9着に失速。前走は天皇賞(秋)を大目標にした後の一戦でもあり、仕方のない敗戦だった。
今回は函館記念の時のように平均ペース前後の2番手で行ければ上位争い濃厚も、前走時のようにハイペースになる可能性も視野に入れて対抗評価とした。ただし、ハイペースになっても(5)デシエルトに競って行かなければ、前走のように崩れることはないと見ている。
▲ (5)デシエルト
近2走の芝で本格化。2走前アンドロメダSは6番枠からまずまずのスタートを切り、押して二の脚で楽にハナを取り切った。そこからはコントロールして折り合い重視で進めていたが、それでも後続と差を広げて3角に入った。
3角下りではペースを上げて大逃げの形。後続が追い上げてくるものの、4角で仕掛けリードを維持して5馬身差で直線へ。直線序盤でもその差を維持し、ラスト1Fではロードデルレイに差を詰められたが、3馬身半差で圧勝した。
前走の中日新聞杯は8番枠から五分のスタートを切り、押して内のタマモブラックタイのハナを叩き、内に切れ込んでペースを引き上げた。1~2角で鞍上がペースを落とそうとしたが抑えきれず。向上面では少し掛かりながらペースを引き上げ、やや差を広げて1馬身半差のリードで3角を迎えた。
3角で少し我慢して3~4角で徐々に差を広げ、4角で促して2馬身半差のリードを保って直線へ。直線序盤で追われてリードを広げ2馬身半差。ラスト1Fで追ってくる各馬を問題とせず、2馬身差で完勝した。
本馬は3年前のダービーでは、14番枠からかなり押して内の先行馬を制しハナを主張するなど、かなり掛かって暴走したことがある。
当時と比べるとかなり折り合いに新境を見せている。しかし、テンにもっさりしたところがあり、2走前のようにスムーズにハナへ行けないときは、押して気性にスイッチが入り、ペースを平均以上に引き上げてしまう可能性がある。
そのため今回、内に同型馬の(2)ホウオウビスケッツがいることが厄介だ。本馬は前走も掛かってハイペースで逃げたことを考えると素直に評価できないが、コントロールしての逃げなら令和のサイレンススズカになれる可能性もある。
注 (8)プログノーシス
一昨年の札幌記念で今回のメンバーでは断トツのGⅠ勝ち負けレベルの指数を記録。その時は13番枠からやや出遅れてふらつく場面があり、無理せず後方付近からの追走。道中も前3頭が飛ばしてペースは緩みなく流れたが、本馬は向正面で中目を捌いて押し上げ、一気に好位まで進出した。
3~4角ではそのままの勢いで外に誘導しながら2番手に上がり、馬場の悪化した最内から先に先頭に立ったトップナイフを追撃して1馬身半差ほどで直線へ。直線序盤で同馬に並びかけると、ラスト1Fで抜け出して4馬身差で完勝した。
一昨年の札幌記念はタフな馬場で逃げ馬が多数出走。そのためオーバーペースとなり、先行馬が総壊滅する展開。またこの週はA→Cコース替わりで最後の直線で外に誘導した馬が猛威を奮っていた。つまり、ここでのプログノーシスは追い込み有利の展開に恵まれただけでなく、完璧なコース取りで自己最高指数を記録した。
本馬は昨年の本レースも勝利。昨年は4番枠から五分のスタートを切り、コントロールして後方馬群の内目を追走。道中はドゥレッツァをマークしてじわっと押し上げ、中団内目まで進出。3角手前で上手く同馬の内に入り、3角では3列目付近に付けた。
3~4角では最内を通り、4角出口で中目を狙ったが前が壁。直線序盤で進路を内に切り替えてすっと抜け出し、一気に先頭に立ち2馬身差。ラスト1Fでさらに突き抜け5馬身差で圧勝した。
昨年は珍しく前が競り合って前半が速い流れ。道中のペースが落ちたタイミングで中団内目まで押し上げ、3~4角でもほぼロスなく立ち回り、直線序盤も上手く捌いていた。ここでは末脚の違いを見せつけたが、いわゆる神騎乗でもあった。
前走の有馬記念は超絶スローペースで前有利の展開。出遅れは想定内としても、道中でポジションを上げなかったことで、生涯で初めて掲示板に載ることが出来なかった。
今回は前走より相手緩和もどうしても後方からになるだけに、展開と押し上げのタイミングに大きく左右される。2022年の中日新聞杯(中京芝2000m)で最後方から届かず4着に敗れたことを忘れてはいけない。
△ (3)ライラック
2022年のエリザベス女王杯2着馬。同レースでは15番枠から出遅れ。軽く促して中団で進めていたが、狭くなったこともあり、控えて後方待機策を選択。道中は後方2番手の外目で進めて、3角ではジェラルディーナを徹底マーク。
4角で同馬が仕掛けると、それを追い駆けて中団外まで上がり、直線序盤でしぶとく伸びて2列目付近。最後までジェラルディーナとの差は詰められなかったが、ラスト1Fで先頭に立ったウインマリリンに並びかけての同着だった。
このエリザベス女王杯は「重」で外差し有利の馬場。ペースも速く展開に恵まれての勝利だった。しかし、時計の掛かる馬場で展開に恵まれれば、それくらい走れる馬である。
近2走のエリザベス女王杯やAJCCでも、展開に恵まれたとはいえないなかで、中団やや後方を立ち回って6着、5着に善戦。想定よりも上がりが掛かるようであれば、内差し一発がありそうだ。
△ (7)ディープモンスター
稍重で行われた2023年のアンドロメダSの勝ち馬。同レースでは大外16番枠から好スタートを決め、馬なりで好位直後の外まで進出。道中は前に壁が作れず、かなり掛かっていたが、向上面で中団馬群の中目に入れる折り合いがついて3角を迎える。
3~4角では中目を通し、4角で外からテーオーソラネルが上がってくると、同馬を行かせて同馬を行かせてその後ろから直線へ。直線序盤で追いながら同馬の外へ誘導すると、じわじわ伸び始め、ラスト1Fで一気に伸びて1馬身半差で勝利した。
このアンドロメダSは前後半5F59秒4-59秒8の平均ペース。外枠が響いて折り合いを欠いていたが、この日はタフな馬場で差し馬天国だったこともあって、自己最高指数を記録した。
本馬は重賞をまだ勝っていないが、昨年は小倉大賞典で3着、チャレンジCで2着に善戦。2走前のチャレンジCでは、(9)ラヴェルには完敗だったが、3~4角で好位列が凝縮する中で、後方から中団の外目のスペースを拾って押し上げ、ラスト1Fでラヴェルと4馬身ほどあった差を、1馬身3/4差まで詰めてきた。
2走前はラヴェルが早め先頭に立ってやや甘くなったところがあったが、ラヴェルが休養明けの一戦であることを考えると、対ラベルに対しては逆転の可能性もある。また本馬はそこまで“キレる”タイプではないので、時計が掛かる馬場でより良いタイプだ。
△ (9)ラヴェル
デビュー2戦目のアルテミスSは後方から3~4角でリバティアイランドに蓋をしながら先に動き、同馬を完封した素質馬。古馬になってからはスランプだったが、2走前のエリザベス女王杯で2着。前走チャレンジCで重賞2勝目を挙げ、完全復活を遂げた。
前走は9番枠から出遅れて外に誘導。しかし、外に出し切るのが難しく、中団中目のスペースを軽く促して拾う形。道中も(10)マイネルモーントの後ろの中団中目を走り、3角手前で同馬の内から押し上げ3角を迎えた。
3~4角では好位の中目のスペースを拾い、4角でセイウンハーデスの後ろから2列目まで押し上げ直線で外に誘導。直線序盤で追われるとすっと抜け出して1馬身差。ラスト1Fで△(7)ディープモンスターらに迫られたが、問題とせず1馬身3/4差で完勝した。
前走は前後半5F58秒4-59秒8と緩みなく流れたが、出遅れを挽回して中団までポジションを上げ、早め先頭に立っての勝利ととても強い内容だった。ただ近2走は2歳時のように前半で位置を取りに行かなくなったことが好走に繋がった面がある。
スランプ期とは言え、一昨年の秋華賞では先行して11着に崩れている。また昨年3月の中山牝馬Sでも序盤で好位直後の外まで上がって11着に敗れた。また前記の2戦は稍重でスローペースを意識して動いたものだった。
本レースは前有利な傾向があり、ペースが遅ければ前半から位置を取りに行く可能性もある。また今回は前走で自己最高指数を記録した後に楽をさせての始動戦。叩き台の印象が強いが、末脚に特化させる形なら通用していい。
△ (10)マイネルモーント
今年の中山金杯2着馬。同レースは7番枠から出遅れて後方からの追走となったが、促して中目のスペースを拾って挽回。道中はパラレルヴィジョンを見ながら中団やや後方の内目を進んだ。
3~4角で内目から中目のスペースを拾っていったが、4角でパラレルヴィジョンが外を選択すると、同馬の内を追走していたアルナシームが前に入ってきた。直線序盤で同馬の後ろから追われ、しぶとく伸びて3列目に上がり、ラスト1Fでアルナシームとの差はやや詰めたが、1馬身1/4差で2着までだった。
中山金杯では○(2)ホウオウビスケッツに先着しているが、この時は同馬が外からクリスマスパレードに絡んで行ったことでペースが速くなり、差し馬に有利な展開だった。また4角で手応え抜群だったアルナシームの後ろを取ったことで、直線の進路取りに苦労せず、スムーズに着順を上げることができた。
前走の白富士Sでは前半は逃げていたが、向正面で内からシュトラウスがハナを主張すると、スムーズに2番手に控え、3角で被され3列目の最内に下がっても、何の問題もなく最短距離を通って2着に善戦。このように本馬は操縦性が抜群で自在性があり、幅広い展開に対応できる強みがある。ただ今回は相手が強化される点が不安だ。
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■道悪の消耗戦は、前走で苦しい競馬をしている馬が有利
スプリングSの過去10年では重馬場で行われたことが2021年と23年の2回。前記の2回は21年が平均ペース、23年がかなりのハイペースだったが、ともに上がり4F49秒5、3F37秒0~37秒2も要しており、今年もそれくらい掛かることが予想される。
21年、23年ともに差し馬が勝利しているが、かなりのハイペースとなった23年は前走で1~2番手でレースを進めていた馬か、1着、2着、4着、5着とあわや掲示板を独占かという結果だったことを忘れてはいけない。
今回は何が何でも逃げたい馬は不在だが、(1)ダノンセンチュリー、(4)ニホンピロデヴィン、(6)ジェットマグナム、(7)キングスコールと先行馬多数の組み合わせ。本番を見据えて控えたい馬もいるにせよ、馬場悪化の影響もあり、ハイペースになると見ている。
中山11R スプリングS 芝2000m
◎ (6)ジェットマグナム
○ (3)クモヒトツナイ
▲ (9)ピコチャンブラック
△ (1)ダノンセンチュリー
△ (7)キングスコール
△ (8)マテンロウバローズ
△ (10)フクノブルーレイク
結論 馬連6-3,9,1,7,8,10 (10:10:10:10:5:5) 複勝6 (50)
■有力馬と評価ポイント
◎ (6)ジェットマグナム
デビュー2戦目のコスモス賞では心房細動で1番人気を裏切り、大差の最下位に敗れたが、3走前の芙蓉Sではそこから巻き返しV。ここでは2番枠からまずまずのスタートを切り、軽く押してハナに立ったが、外からモルティフレーバーがハナを主張すると、同馬を行かせて外に誘導。道中のペースは遅かったが、先頭に立たないように手綱を抑え、2番手の外で折り合わせて進めた。
3~4角でペースが上がっていく中で、コントロールしながらモルティフレーバーに並びかけ、直線序盤で追い出しを待ちながらも先頭。ラスト1Fで追われるとしぶとく伸び、後続の追撃を余裕を持って振り切り3/4差で勝利した。
3走前は前後半5F61秒9-60秒7のスローペースで前有利の流れ。本馬は展開に恵まれての勝利だったが、ゲートも二の脚も良く、折り合いもついており、レース巧者ぶりが窺える内容だった。
2走前にホープフルSはスタミナが不足する休養明けで7着敗退。ここでは2番枠から好スタートを決めて、やや掛かりながら2番手で進めていたが、向上面でファウストラーゼンに捲られて先行勢には苦しい展開。それでも先行馬で最先着した点は評価できる。
前走のきさらぎ賞は逃げ馬不在。1番枠から五分のスタートだったが、前走から一転してかなりのハイペースで逃げてブービー9着に失速した。このレースの最下位馬は2番手を追走したウォーターガーベラだが、同馬は次走のチューリップ賞でハナ2着に巻き返している。
つまり、きさらぎ賞はそれだけペースが厳しかったということ。本日の悪化した馬場に対応するためには、前走で苦しい競馬をしている点はプラス。個人的にはチューリップ賞の時に、当初はウォーターガーベラに本命◎の予定を、対抗○評価にしてしまった無念を晴らしたい気持ち。
チューリップ賞の時に思ったのは、2~3歳重賞がインフレ気味に行われていることで、前哨戦でメンバーが揃わなくなっていることだ。本場も相手がそこまで手強くないので、キャリアの浅い馬の上昇力に食われなければやれるだろう。
○ (3)クモヒトツナイ
1勝目を挙げるのに5戦を要したが、初勝利の前走がなかなか好内容だった馬。前走では3番枠から好スタートを決めて、軽く促していたが、外から(11)スナ―クピカソがハナを主張すると、コントロールして同馬を行かせ、2列目の最内を追走。道中のペースは遅くはないが、やや掛かって前にスペースを作り切れずに3角を迎えた。
3~4角では当然包まれて、直線序盤で前が壁。外に誘導しようにも外からヴォラヴィアに蓋をされており、進路がない状態。ラスト1F手前でこじ開けると、ラスト1Fで一気に突き抜けて1馬身1/4差で勝利した。
前走は平均ペース。直線序盤で進路がなく、脚が溜まったにせよ、ラスト1F最速を記録しての勝利だった。前走でタフな馬場を経験したことはここへ向けてプラスだ。
タフな馬場の消耗戦で好走すると、次走に繋がらないこともあるが、前走はラスト1Fで加速しているように、余力があったはず。また2着だったスナ―クピカソが次走で未勝利戦を勝利し、ここに出走してきていることからも、本場もここで前進のパターンに期待する。
▲ (9)ピコチャンブラック
2走前のアイビーSの2着馬。2走前は7番枠から五分のスタートを切り、二の脚ですっとハナを狙ったが、外からやや掛かったシルバーレインがハナを主張したので、同馬を行かせて2番手で進める。道中ではシルバーレインとの差を3馬身ほど作って3角を迎えた。
3角では5馬身ほど離れていたが、最短距離から速めに追いかけて2馬身差で直線へ。直線序盤で追われてじわじわ伸び、ラスト2Fで同馬の外に誘導して先頭列まで上がったが、ラスト1Fでは内からマスカレードボールに抜け出され、1馬身半差で完敗した。
ここではマスカレードボールに3番手でマークされたことで道中でペースを落とし、シルバーレインの単騎逃げを許す形になった。しかし、ラスト1Fで甘さを見せてしまった以上、道中で控えたことは正解で、マスカレードボールが強かった(次々走で共同通信杯勝ち)。
前走のホープフルSは外枠で壁が作れずかなり掛かり、スムーズさを欠いて最後も追わずの13着大敗。ここはハイペースが予想されるだけに、折り合っての巻き返しを警戒する。