2024年 ヴィクトリアマイルの予想

■後方からでは届きにくいレース

 過去10年で勝ち馬は逃げ~中団までで8勝。差しは2勝しているが、追い込み馬の3着以内はゼロ。2着は逃げ~中団までが6回。3着は逃げ~中団までが9回。差し馬の2勝は2016年のストレイトガール(18頭立ての3角11番手)と2017年のアドマイヤリード(17頭立ての3角12番手)で、2017年は雨の影響で外差し有利の馬場だった。基本的に高速馬場で行われることが多いこのレースでは、後方からでは届きにくく、ある程度は前目にいないと厳しいレースとなっている。

本日2番 東京11R ヴィクトリアマイル 芝1600m
 ◎ (6)マスクトディーヴァ
 ○ (13)モリアーナ
 ▲ (3)スタニングローズ
 △ (1)ライラック
 △ (2)フィアスプライド
 △ (7)ハーパー
 △ (4)コンクシェル
 △ (14)フィールシンパシー
結論 馬連6-13,3,1,2,7,4,14 (10:10:10:10:4:3:3) 複勝6 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (6)マスクトディーヴァ

 前哨戦である阪神牝馬Sの覇者。阪神牝馬Sでは1番枠からまずまずのスタートを切り、コントロールして2列目の最内を追走。道中は先頭列のゴールドエクリプスの後ろで進め、3角では3列目の最内。3~4角で最短距離を通り、直線序盤で外に誘導。やや窮屈な馬の間を捌いたところで、鞍上が手綱を落とすアクシデントがあり、そこで外へ外へと行ったが、上手く内に切り返し、ラスト1Fで外から迫る(5)ウンブライルを振り切って半馬身差で勝利した。

 マスクトディーヴァは昨秋のローズS、秋華賞ともに最後の直線で中団列から一気に伸びて1着、2着と好走したように末脚抜群。秋華賞では向上面で中団馬群の中目で動けずにやや位置が下がり、4角でもかなり遅れて外に誘導と、仕掛けにロスがありながらも、リバティアイランドに優る上がり3Fタイムを記録している。

 このように、これまでは出遅れや前半で良い位置が取れず、瞬発力頼みのレースしかできなかったのが、前走では出遅れず、スムーズに先行して結果も出した。ここへ来て一段階上の力をつけた感がある。前走は前々走の東京新聞杯で大出遅れした後の一戦かつ最内枠だったこともあり、積極的に出してレースの流れに乗せることにこだわって乗られていたが、今回も好位の直後くらいで進めて末脚を引き出す形なら、勝ち負けになる可能性が高い。

○ (13)モリアーナ

 昨年の紫苑S覇者。同レースでは2番枠からまずまずのスタートだったが、二の脚ひと息で最後方まで下げた。逃げ馬がペースを引き上げたことで隊列が縦長となり、道中では後方2列目付近。3角では前にいた馬たちが苦しくなって下がってきて、3~4角内目から4角で中目を縫うように上がったが、直線序盤でもまだ中団列。ラスト1Fでも先頭と6馬身あったが、そこから一気に詰め切って半馬身差で完勝した。このラスト1Fの伸びは非凡で、かなりインパクトがあった。

 昨年のNHKマイルC以来のマイル戦となった前走阪神牝馬Sでは3着。6番枠から出遅れ、押して行ったが最後方に下がってしまった。道中で後方内目のスペースを拾って後方2列目まで押し上げ、3~4角では中目を通したが、4角で前が壁に。直線序盤で外に誘導し、進路を確保して追われると、そこからしぶとく伸びて3列目付近まで上がった。ラスト1Fで2着(5)ウンブライルとの差は詰め切れなかったが、シングザットソングとの3着争いはハナ差で制した。

 前走は前々走で芝2200m戦を後方からレースをした後の一戦で、かなりテンに置かれ、4角では進路もなく、やや仕掛けが遅れてしまった。それでも末脚は確かで最速タイの上がり3Fタイムで3着に善戦している。今回は前走でマイル戦を使ったことで、マイルの流れに慣れ、前走ほど置かれないと見ている。それでも13番枠となると、◎(6)マスクトディーヴァよりも後ろの後方からの追走になるだろう。前走時よりも軽い芝の芝1600m戦となると勝ち切るのは難しそうだが、2、3着なら十分ありそうだ。

▲ (3)スタニングローズ

 一昨年の秋華賞ではスターズオンアースの三冠を阻止して優勝した馬。同レースでは7番枠からまずまずのスタートを切って、そこからコントロールしながら好位直後の中目を追走。道中で前にスペースを作り、内と外を両睨みで進め、3~4角でそのスペースをじわっと詰めると4角では外を選択し直線へ。序盤で追い出されると先頭付近まで上がり、ラスト1Fで抜け出した。最後は内からスターズオンアース、外から(10)ナミュールに迫られたが振り切って半馬身差で勝利した。

 スタニングローズは一昨年のオークス時に「マイルではキレ負けるので、距離延長◎」ということで、当時穴馬に推奨し、その期待に応えてくれた馬。もちろん、マイルでも前に行って後続の決め手を封じる作戦も可能だが、本馬は好スタートからハナに立ったデイリー杯2歳Sでも、道中で無理に抑えハナを譲ってキレ負けする、逃げない競馬をしていた。これは距離が延びる舞台で期待するしかないと当時は見ていた。

 しかしそれが、長期休養明けの前走大阪杯ではまずまずのスタートながら、二の脚の速さでハナを主張して逃げる競馬ができた。結果的には、スタミナが不足しがちな長期休養明けでローシャムパークが捲ってくるタフな流れで息が持たなかったが、ひと叩きされたことで息持ちが違ってくるだろう。

 今回のメンバーでマイル戦となるとさすがに逃げるまでは厳しいが、3番枠を生かして先行することは可能だ。実績馬の大半が末脚型という状況下で、前に行ってしぶとさを生かせば、一発が期待できる。

△ (1)ライラック

 一昨年のエリザベス女王杯では2着同着だった馬。同レースでは15番枠から出遅れ。軽く促して中団で進めていたが、狭くなったこともあり、控えて後方待機策を選択。道中は後方2番手の外目で進めて、3角ではジェラルディーナを徹底マーク。

 4角で同馬が仕掛けると、それを追い駆けて中団外まで上がり、直線序盤でしぶとく伸びて2列目付近。最後までジェラルディーナとの差は詰められなかったが、ラスト1Fで先頭に立ったウインマリリンに並びかけての同着だった。

 このエリザベス女王杯は外差し有利の馬場と展開に恵まれた2着だったが、展開の後押しがあればそれくらいは走れる馬である。昨年のエリザベス女王杯でも前がやや有利な流れを中団馬群の中目を追走し、3~4角で包まれて仕掛けが遅れる不利がありながらも4着に善戦している。

 このようにライラックは中長距離がベストだが、昨年の東京芝1800mの府中牝馬Sではディヴィーナが逃げ切るかなりのスローペースを、序盤は2列目の中目付近、2角で置かれて3列目に下がったが、積極的な恵奈で最後の直線でしぶとく伸び続けて3着に善戦している。また、前走の阪神牝馬Sでも大外11番枠で終始好位の外々を追走する形となり10着に敗れているが、好位は取れていた。今回は1番枠。枠の利を活かせば、ある程度、前の位置を取り、ロスのない立ち回りができる可能性もある。現時点で9~11人気と人気もないので一考したい。

△ (2)フィアスプライド

 前々走のターコイズSで初重賞制覇を達成した馬。前々走は6番枠からやや出遅れたが、内枠だったこともあり、押して挽回し好位の内目を追走。道中では前のスペースを維持して3列目付近の内目で3角へ。4角で前のスペースを潰して出口で外に誘導すると、直線序盤ですっと伸びて2番手に上がり、先頭の(14)フィールシンパシーとは3/4差。ラスト1Fで踏ん張る同馬を捉えると、突き抜けて1馬身1/4差で勝利した。

 フィアスプライドは3走前まで末脚を生かす競馬をしていたが、前々走は出遅れを楽に挽回しての先行策で勝利と、新たなる一面を見せた。ただし、前々走は前半3F35秒2と遅く、楽に先団へ取り付けた面がある。

 前走の中山牝馬Sは13番枠からやや出遅れ、序盤は無理なく中団の外目を追走。向正面で徐々にペースが上がっていく展開の中、外から捲って先頭列に並びかけたが、3角で内の3頭に抵抗されて3頭分外を回ることになった。このため4角でやや手応えが怪しくなり、そのまま置かれて直線序盤では3列目。結果、9着に敗れた。

 この前走はいわゆる「捲り失敗」。ペースが上がっていく展開では、捲り失敗のリスクは大きく、レース最速の11秒3を記録した地点(1000~1200m)で、大外をぶん回して脚を使ったことで崩れてしまった。かなり無謀なレースだったが、それでも勝ち馬(4)コンクシェルとの着差が0.4秒と大きく離されなかった辺りにフィアスプライドの充実度を感じさせる。

 本馬はゲートも、二の脚もそこまで速くないので、よほど流れが遅くない限り先行するのは難しいが、前走で能力を出し切れていないのでここでの前進も可能。無理なく追走ができれば巻き返しが期待できる。

△ (7)ハーパー

 昨年のオークス2着、秋華賞3着とクラシックではリバティアイランドの脇役だったが、古馬相手のエリザベス女王杯で3着と健闘した馬。そのエリザベス女王杯では3番枠からまずまずのスタートを切って、そこから外のアートハウスらを行かせて離れた3番手を追走。道中も前2頭が単騎という展開だったが、3角手前で先頭のアートハウスが謎のペースダウン。ここで楽に前に取り付いて3角。3~4角で最内を通し切って4角出口で仕掛けて馬場の良い外目に誘導。直線序盤は3番手だったが、伸びが地味で内の2頭にかわされ、5番手に下がる。しかし、そこからもじわじわ伸び続けて3/4+クビ差の3着となった。

 このエリザベス女王杯は前有利の展開だったが、3番手追走かつ最短距離を立ち回って、最後の直線で馬場の良い外へ誘導する形。かなり上手く乗られていた。しかし、今回も先行勢が手薄の状況下で前に行けることは強み。前走の大阪杯はスタミナが不足しがちな休養明け。好位の外を追走していたが、向上面でローシャムパークが捲り、それに抵抗して動いて行くタフな流れで13着に大敗したが、ほと叩きされたことで息持ちが良くなり、変われる可能性がある。

△ (4)コンクシェル

 昨夏の不知火特別(2勝クラス)で逃げて5馬身差で圧勝し、重賞でも通用する指数を記録した馬。その後は不振だったが、近走は3勝クラスの初音S、中山牝馬Sを連勝して再び軌道に乗ってきた。

 前々走の初音Sは5番枠から好スタートを切り、押してハナを主張。外から競ってくるセンタースリールに抵抗して行ったが、最終的には同馬を行かせて2番手で折り合う。3角では同馬と3馬身差、4角では2馬身半ほどで直線へ。序盤でセンタースリールの外に誘導しながらもまだ仕掛けずに1馬身差。ラスト2Fで仕掛けてすっと抜け出すと2馬身半差のリードを奪い、ラスト1Fでそのまま突き抜けて3馬身差で完勝した。

 前半3Fは35秒5とそこまで遅くはなかったが、楽に2番手を取って最後の直線でもうひと伸びしたことに強さを感じた。ここでも重賞レベルの指数を記録しており、この時点で、前走中山牝馬Sでも展開次第では通用するレベルの能力はあった。

 その前走は前後半4F49秒6-47秒5のかなりスローペースで逃げる競馬。向正面で(2)フィアスプライドが捲ってきたことで、コンクシェルも3角から抵抗して仕掛けて行く形となった。そこまで楽な展開でもなかったが、ラスト1Fで甘くなり、2着ククナや3着シンリョクカに半馬身差まで詰め寄られての勝利だった。

 前走である程度の能力を出し切っているだけに、ここへの大きな上昇は見込めないが、今回は実績馬の大半が末脚型という状況下で、前に行ける強みがある。同型馬の(14)フィールシンパシーが外枠を引いたのに対して、コンクシェルは4番枠と枠も良く、展開次第では2番手で折り合える点は強調材料だ。

△ (14)フィールシンパシー

 前走の福島牝馬S2着馬。前走は14番枠からまずまずのスタートを切って、内の馬の出方をうかがいながら2列目の外を追走。しかし、向正面でペースが上がらず、外からタガノパッションに捲られそうになり、ここで2列目の内にいたラリュエルとともに先頭のウインピクシスの外まで位置を押し上げた。そのため3~4角で2頭分外を回る形になったが、4角で促して2番手で直線へ。ラスト1Fでウインピクシスを競り落として先頭に立ったが、最後にコスタボニータに差されてクビ差で惜敗した。

 3角手前から仕掛けて、3~4角で外を回る競馬だったが、それでも2着に粘る、なかなか強い競馬だった。本馬はコンクシェルよりもゲートも二の脚も速い点が魅力。2列目でも問題ないが、今回のメンバーを相手に外々を回るロスのある競馬になると苦しいものがある。そういう意味で今回の14番枠は減点材料だが、実績上位馬の大半が末脚型という状況下で前に行ける強みがあるので警戒したい。

推定1番人気 (10)ナミュール

 昨春のヴィクトリアMでは7着、安田記念では16着。ヴィクトリアMではスタート後に挟まれて好位の中目から中団まで押し下げられる不利、安田記念では中団中目で包まれてラスト2F目まで進路を作れずに仕掛けが遅れる不利があって着順を下げた面もあった。しかし、昨秋に復帰すると富士SとマイルCSを連勝。その後は世界の強豪相手に香港マイル3着、ドバイターフ2着と好走し、地力をつけたことを明確に証明した。

 前走のドバイターフでは14番枠からやや出遅れ、コントロールして後方に下げて追走。道中でも後方2列目の外でじっと我慢して進めた。3~4角で後方中目から外に誘導し、位置を押し上げて4角出口で外へ。直線序盤で追われるとしぶとく伸びて2列目まで上がり、ラスト1Fで抜け出した勝ち馬のファクトゥールシュヴァルに食らいつき、短アタマ差まで迫った。

 最後の直線で中団の外から早めに動いた10番人気のファクトゥールシュヴァルとナミュールのワンツー決着だったように、3~4角のペースダウンでダノンベルーガ、ドウデュースら内の馬が包まれて直線序盤で前が壁になり、仕掛けが遅れる不利があった。しかし、ラスト3Fおおよそ11秒8-11秒2-11秒3と加速する流れを後方外からしぶとく伸び続けて、勝ち馬に短アタマ差まで迫った内容は高評価できる。

 前走の走りがここでも再現できれば好走できるが、今回は前走で能力を出し切った後の一戦となるだけに、その疲れが心配である。あのアーモンドアイでさえもドバイターフ優勝後の安田記念では外枠から出遅れて挟まれ、3着に敗れていることを考えると、今回のナミュールは妙味的にも評価を下げるべきだろう。能力が高いので消すまでは至らずとも、近4走と比べると分が悪い。

推定2番人気 (5)ウンブライル

 前哨戦となる阪神牝馬Sの2着馬。前走の阪神牝馬Sでは9番枠からやや出遅れ。そこからじわっと中団中目まで挽回し、コントロールしながら追走。道中は中団のやや後方で進め、3~4角では外に誘導し4角出口へ。序盤で2列目まで上がり、ラスト1Fでもしぶとく伸びると、勝ち馬(6)マスクトディーヴァに半馬身差まで迫った。

 ウンブライルは前走で自己最高指数を記録。ただし、休養明けの前々走となる東京新聞杯を馬体重22kg増と太め残りで出走し、その後一気に馬体を絞り込んでのもの。前走が勝負だった感がとても強い。本馬は今回と同舞台となる昨春のNHKマイルCで2着の実績があるが、時計の掛かる馬場で前後半4F46秒3-47秒5のややハイペースを利して追い込んだもの。相手強化のここでは狙いにくい。

2024年 京王杯SC・新潟9R+メイン以降の予想

本日は下記の4レースで終了ですm(__)m。

■Bコース替わりで外枠の先行、差し馬が活躍

 過去10年で馬番1~8番の馬が1着1回、2着2回、3着7回に対し、馬番9番より外の馬は9勝、2着8回、3着3回と外枠の馬が活躍している。AコースからBコース替わりで外枠の馬のほうが馬場の良い外を走れるからだ。超高速馬場の東京芝でもコーナー2回なら、馬場の良い外目を走れる外枠の先行、差し馬に優位性がある。

本日3番 東京11R 京王杯スプリングC 芝1400m
 ◎ (13)ダディーズビビッド
 ○ (2)リュミエールノワル
 ▲ (15)ウインマーベル
 注 (4)レッドモンレーヴ
 △ (1)トウシンマカオ
 △ (3)ソーヴァリアント
 △ (6)プルパレイ
 △ (7)グランデマーレ
 △ (11)スズハローム
結論 馬連13-2,15,4,1,3,6,7,11 (10:10:10:4:4:4:4:4) 複勝13 (50)

◎ (13)ダディーズビビッド

 昨年の阪急杯の2着馬。5番枠から五分のスタートだったが、二の脚が速く、楽に最内から逃げたメイショウチタンの後ろを追走。道中で(12)メイショウチタンがペースを上げてくれたこともあり、前のスペースが広がり、3~4角の最短距離から前との差を詰めて直線へ。序盤の伸びはやや地味だったが、2番手まで上がり、早めに抜け出したアグリとの差は1馬身半ほど。ラスト1Fでしぶとく伸びて、アグリにクビ差まで迫った。

 前記の阪急杯では内と前が有利な馬場&展開で上手く立ち回れたのは確かだが、ここでは3着馬に2馬身半差をつけており、自己最高指数を記録している。ダディーズビビッドは3歳春の芝1400m戦、橘Sでは4馬身差で圧勝し、古馬OPレベルの指数を記録しているように芝1400mがベスト。昨年の京王杯SCでも2列目の外で進めて半馬身+クビ差の3着に善戦している。

 休養明けの前々走、オーシャンSは距離が短く枠も外で、後方外々回って能力を出し切れずに11着敗退。前走のダービー卿CTは最内枠から積極的に出して行ったが、距離がやや長く、ラスト1Fで甘さを見せながらも5着に善戦した。前走は復調気配を感じさせる内容。距離ベストの今回で能力全開を期待する。
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本日2番 新潟9R はやぶさ賞 芝1000m
 ◎ (8)ドナヴィーナス
 ○ (10)パレスドフィーヌ
 ▲ (1)ルクスパラディ
 注 (9)ネイルンノ
 △ (6)アシセバイラ
 △ (7)ヘルメース
結論 馬連8-10,1,9,6,7 (20:10:10:5:5) 複勝8 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にシーウィザード(-14.7pt)、タイキラフター(-14.0pt)、カフジアスール(-13.0pt)、カンティプール(-12.3pt)、マルチャン(-12.0pt)。

 能力値は競走馬の力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (8)ドナヴィーナス

 阪神芝1200mの新馬戦では逃げて後の小倉2歳Sの2着馬ミルテンベルクの2着。次走の小倉芝1200mの未勝利戦では逃げ切り勝ち。続く小倉2歳S4番枠から好スタートを切って馬場の悪い内を通しながら逃げ、外から差した勝ち馬アスクワンタイムと0.5秒差(8着)と大崩れしなかった。

 近2走はテンの速い馬が多く、自分の競馬ができずに能力を出し切れなかったが、スピードの持続力が活かせる直線1000mならば本来の能力を出し切れるはず。巻き返しに期待する。
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本日4番 新潟11R 信濃川特別 芝2000m
 ◎ (9)フェミナフォルテ
 ○ (3)カンティプール
 ▲ (11)シーウィザード
 △ (4)タイキラフター
 △ (8)カフジアスール
 △ (2)マイネルメモリー
 △ (1)エイトキングゴッド
 △ (7)マルチャン
結論 馬連9-3,11,4,8,2,1,7 (10:10:10:10:4:3:3) 複勝9 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にシーウィザード(-14.7pt)、タイキラフター(-14.0pt)、カフジアスール(-13.0pt)、カンティプール(-12.3pt)、マルチャン(-12.0pt)。

 能力値は競走馬の力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (9)フェミナフォルテ

 新潟芝1800mで2戦2勝の実績馬。デビュー2戦目の昨年5月の新潟芝1800mの未勝利戦では、8番枠から出遅れて中団やや後方からの追走。道中では内ラチ沿いの馬場の悪い箇所を避けながら内を追走し、3~4角では最短距離を通して直線へ。各馬が直線序盤で馬場の良い外へ外へと出して行く状況下だったが、馬場が悪化した内から一気に2列目まで上がって外に誘導。ラスト2F目から後続を引き離して逃げ馬シャイニースイフトとのマッチレースとなったが、最後は追うものの強みで差し切って3/4差で勝利した。

 フェミナフォルテはその後2戦は凡退したが、休養明けとなった昨秋の新潟芝1800mの淡島特別でも圧勝。ここでは14番枠から五分のスタートを切って中団外目を追走し、3~4角の外々から4角出口で外に誘導。そこから追い出されるとしぶとく伸び続け、ラスト2Fでは好位。ラスト1Fで2番手に上がり、早めに抜け出したロジシルバーを最後に差し切ってクビ差で勝利した。このレースでも3着以下にはしっかりと差をつけ、なかなか良い指数での勝利だった。

 休養明けの前走、奥の細道特別は前有利の展開だったが、直線序盤で挟まれてポジションが悪くなり、能力を出し切れなかった。今回はひと叩きされて、フェミナフォルテの息の長い脚が活かせる新潟芝1800m戦。12頭立てではあるが、外差し有利の馬場の9番枠も好ましく、前進を期待する。
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本日1番 京都11R 都大路S 芝1800m
 ◎ (2)ダノンティンパニー
 ○ (9)セントカメリア
 ▲ (8)ショウナンマグマ
 △ (1)ピンハイ
 △ (4)アルナシーム
 △ (3)アウスヴァール
 △ (7)リューベック
 △ (11)プライドランド
結論 馬連2-9,8,1,4,3,7,11 (10:10:10:10:6:2:2) 複勝2 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にショウナンマグマ(-18.0pt)、ピンハイ、セントカメリア(ともに-17.3pt)、フォワードアゲン(-17.0pt)、アルナシーム(-16.7pt)。

 能力値は競走馬の力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (2)ダノンティンパニー

 デビューから3戦は地方でダート。JRAに移籍と同時に芝に転向すると強くなり、4走前の2勝クラス・山陽特別、3走前の六甲アイランドSをOPレベルの指数で勝利した実力馬。長期休養明けの3走前は14番枠から五分のスタートを切り、中団馬群の中目を追走。3~4角でも中団馬群の中目を通し、直線序盤では前が壁。そこでワンテンポ待つと1頭分の進路が開き、そこを一気に抜けて2番手に上がる。ラスト1Fでもその勢いのまま抜け出し、1馬身3/4差で完勝した。

 3走前は阪神芝1400mで前後半3F33秒1-35秒9の超絶ハイペース。逃げ、先行馬総崩れの展開に恵まれたのは確かだが、エンジンが掛かってからは後続を引き離す一方の強い内容で、3着馬レイべリング(現在、OP馬)には3馬身差をつけて完勝している。

 前々走のニューイヤーCは長期休養明けで好走した反動で5着敗退。2番枠から出遅れて挽回していくロスやラスト1Fで最内を突こうとしたところでパラレルヴィジョンに先に入られる不利もあったが、進路が開いてからも伸びてこれなかった。

 また、前走の阪急杯は15番枠から出遅れ、早めにスピードに乗せて中団まで挽回したが、3角で5頭分、4角ではカルロヴェローチェに外に張られて6頭分も外を回るロスが生じて9着に敗れた。まあ、酷い騎乗!! 今回は前走から2Fの距離延長。マイルならともかく芝1800mとなると微妙なところがあるが、早めにエンジンをかけていければ面白い。

2024年 エンプレス杯の予想

■川崎記念で0.2秒差のディクテオンは名古屋GPで馬群に沈んだ

 先月の川崎記念でアタマ+ハナ+1馬身差のディクテオンは、先日の名古屋GPで1番人気に支持されながらも、上位馬に大きく離された4着と馬群に沈んだ。同馬は弱かったのか? 体調面の問題か? 前有利の馬場だったからなのか?

 今回は川崎記念で2着、3着だった(4)グランブリッジと(7)アイコンテーラーが出走。ディクテオンの名古屋GPの敗戦をどう考えるが予想のポイントとなる。

川崎11R エンプレス杯 ダ2100m
 ◎ (12)アーテルアストレア
 ○ (7)アイコンテーラー
 ▲ (1)キャリックアリード
 △ (4)グランブリッジ
 △ (10)オーサムリザルト
結論 馬連12-7,1,4,10 (20:10:10:10) 複勝12 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (12)アーテルアストレア

 昨年のエンプレス杯では4着に敗れたが、その後に地力をつけて6走前の名鉄杯では、3着馬に4馬身差をつけ、川崎記念の上位2頭に見劣りしない指数で勝利した。同レースでは9番枠から五分のスタートを切って、中団やや後ろから追走。前2頭が飛ばして隊列が縦長になったが、3~4角でペースダウンすると、外から手応え良く前との差を詰め、4角出口で外に誘導。直線序盤で追い出されてスピードが乗ると一気に2番手に上がった。そこからもしぶとく伸び続け、早めに抜け出したメイクアループを捉えてクビ差で勝利した。

 アーテルアストレアは中団からのロングスパートが持ち味で、その次走のレディスプレリュードではテリオスベルの捲りによる前崩れの流れを利して、(4)グランブリッジをクビ差で差し切って勝利。本番のJBCレディスクラシックでは休養明けのレディスプレリュードで好走した反動で、今年の川崎記念の上位2頭には敗れたが、今年2月のクイーン賞では中団やや後方追走から向正面から動いて捲って行く競馬で完勝している。ここでも川崎記念の上位2頭に見劣らない指数での勝利だった。

 前走の兵庫女王盃は休養明け好走の反動で出遅れ。スタンド前や向上面で強気に押し上げて3角では先頭に立ったが、さすがに3~4角から苦しくなって(5)ライオットガールに敗れた。アーテルアストレアは今年3月で引退したテリオスベルの後釜のような存在で、捲りが板についてきた。今回はグランブリッジと(7)アイコンテーラーは前走で馬場と展開に恵まれ、ある程度の能力を出し切った後の一戦だけに、ここでの逆転を期待したい。 

○ (7)アイコンテーラー

 休養明けで初ダートとなった6走前のBSN賞を完勝すると、5走前のシリウスSでも2着と善戦し、4走前のJBCレディスクラシックを優勝と一気に上昇した馬。

 4走前は4番枠から五分のスタートだったが、促されるとすっと行き脚がついて先行し、道中は内からハナを主張したヴァレーデラルナにある程度プレッシャーをかけながらの追走。3角手前で同馬に並びかけ、3~4角で先頭。そこで捲って上がってきたテリオスベルに抵抗しながら2頭で並走して直線へ。序盤で同馬を振り切り、そこから4馬身ほどリードを広げる。ラスト1Fでもその差を守り切って完勝した。

 当時の大井は砂を入れ替えたばかりで、砂厚も8㎝→10㎝に変更。かなり時計が掛かる状況下で、前後半4F49秒8-51秒0のハイペースとなったが、これを2番手から楽に抜け出して優勝したことは高く評価できる。

 3走前のチャンピオンズCは、内と前有利の馬場&展開を14番枠から前に行けず、初めて被る砂を嫌がって進んで行かずの14着大敗。前々走の仁川Sでは内と前有利の馬場&展開を大外16番枠からトップハンデ57kgを背負っていた影響もあり、ハナを取り切れずに終始好位の外々を回るロスが生じての3着。またアイコンテーラー同様の競馬で13着に敗れたヒロイックテイルは先日の名古屋GPで2着に巻き返している。

 前走の川崎記念はJpnⅠとしては凡戦。3角手前でライトウォーリアを負かしに動いた時は、勝ったかと思ったが最後に苦しくなってアタマ+ハナ差の3着。前走は勝ちパターンだったが、最後に甘さを見せた点にやや不安も感じる。昨年のJBCレディスクラシック時の能力を出し切れれば、勝ち負けになるが、人気も考慮の上で対抗評価とした。しかし、今回もマテリアルガール(吉原J)が逃げる展開の2番手でレースの流れに乗れる点も好ましい。

▲ (1)キャリックアリード

 3走前の神奈川記念の2着馬。前走は3番枠からやや出遅れ、そこからあまり進んで行かずに、中団中目を追走。道中は前のスペースを維持して、3~4角でそのスペースを潰して4角出口で外に誘導。直線序盤でスムーズに3番手に上がり、ラスト1Fで早め先頭に立ったヴィブラフォンに3/4差まで迫った。

 3走前はは逃げたポリゴンウェイヴの外2番手からヴィブラフォンがプレッシャーをかけ、緩みない流れ。ヴィブラフォンが3角で先頭に立つ強気の仕掛けをしたことで展開に恵まれた面がある。今年、復帰してからはクイーン賞3着、兵庫女王盃4着に敗れているが、前走は逃げ馬不在で2番手と積極策を取ったことで勝負所で苦しくなったもの。今回は休養明け3戦目で、3走前のような着狙い騎乗でペースが上がってくれれば、馬券圏内突入のチャンスはある。

△ (4)グランブリッジ

 ダートグレードで4勝、2着6回の実績馬。川崎2100mでは一昨年の関東オークスと昨年のエンプレス杯を優勝の実績があり、前走の川崎記念でも2着に善戦している。昨年のエンプレス杯では2番枠から出遅れ、中団やや後方を追走。向正面で外に誘導し、3角手前から進出開始。3~4角で3頭分外から位置を押し上げ、4角では先頭のサルサディオーネとは1馬身差。直線序盤で同馬を交わして先頭に立つと、じわじわ差を広げて2馬身半差で完勝した。

 グランブリッジは川崎のダ2100mがベスト。前々走の佐賀記念では2番枠で終始砂厚の深い内を先行して4着敗退と、能力を出し切れておらず、前走の川崎記念はもっと走れても良かったが…JpnⅠとしては凡戦の川崎記念でわずか差だが2着まで。

 前走は前後半5F想定63秒3-65秒8のかなり速い流れ。中団を追走していた本馬は勝ち負けしても不思議なかったが、ライトウォーリアをわずかに差し損なった。同じく展開に恵まれながらも4着だったディクテオンは、先日の名古屋GPで2.9秒差の4着に敗れている。

 名古屋GPは内と前が有利な馬場でペースも速くはなかったが、捲りに行かなかったのが大敗の理由。結果的に1~3番手馬のワン、ツー、スリーの前残り決着ではあるが、大差で敗れたとなると状態面にも問題があったはず。グランブリッジはダ2100mなら幅広い立ち回りができ、崩れにくい馬ではあるが、前走勝負で勝てなかった辺りにやや物足りなさを感じ、評価を下げた。

△ (10)オーサムリザルト

 デビューから上昇一途で前走のアルデバランSを勝利した馬。前走は大外12番枠からスタートでアオって後手を踏んだが、二の脚が速く、3角で後方2列目の3番手に上がった。向上面序盤で外に誘導し、半ばから動いて3角では3番手。3~4角では5頭分外からさらに進出し、内から抵抗するテーオーリカードと並んで直線へ。序盤で同馬を競り落としてラスト1Fで完全に抜け出したところを、内からハピに迫られたが、もうひと伸びして3/4差で完勝した。

 前走はかなり強い内容で、ダートグレードでも勝ち負けになる指数を記録している。また序盤で控えて初めて砂を被る競馬になったが、それも難なくクリアして見せた。その後の休養中にさらに成長している可能性もあるが、休養明けで相手強化となると取りこぼす危険性もある。将来が楽しみな馬ではあるが、ここは評価を下げた。

2024年 名古屋グランプリの予想

■何が何でも逃げたい馬は不在

 今回は「逃げてもいい」というタイプは何頭もいるが、何が何でも逃げたい馬が不在。テンの速いのは(2)ヒロイックテイルだが、同馬は昨年6月の中央OP・スレイプニルスSでゆったりとしたペースで逃げて(3)レッドファーロに完敗、(4)ディクテオンに先着という結果になっただけに、他馬がハナを主張すれば緩る可能性が高い。何れにせよ、そこまで速い流れにならないだろう。

 しかし、名古屋は馬場がタフで、距離2100mとなると、よほど先日のかしわ記念時のように水が浮くような馬場にならない限り、捲りも利くので、あまり脚質にこだわらず、距離適性重視で予想した。このラインより上のエリアが無料で表示されます。

名古屋11R 名古屋グランプリ ダ2100m
 ◎ (4)ディクテオン
 ○ (3)レッドファーロ
 ▲ (1)エクセスリターン
 注 (6)アンタンスルフレ
 △ (2)ヒロイックテイル
 △ (9)ブリーザフレスカ
結論 馬複4-3,1,6,2,9 (24:14:8:2:2) 複勝4 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (4)ディクテオン

 昨年の浦和記念と名古屋GPを連勝した馬。4走前の浦和記念は10番枠から出遅れて、最後方からの追走。2周目の2角からじわっと動いて向上面に入ると外から一気に位置を上げ、3角では好位の外。4角で先頭列に並びかけ、直線序盤でミトノオーを捉えると、そこからどんどん差を広げて、2馬身半差で完勝した。

 4走前はミトノオーのマイペースの逃げが決まる可能性が高いと見て、後方からの追走になるディクテオンは評価を下げた。しかし、ラスト5F付近から動いて、最後までしぶとかったことに驚かされた。3走前の名古屋GPは3走前ほど鮮やかな捲りではなかったが、大外12番枠から出遅れて後方から進めて、2角からじわっと進出して2馬身差で完勝。中央のダ2100m戦では前崩れの展開にならないと勝てなかったが、時計が掛かって、捲れる地方の馬場は合うようだ。

 名古屋GPから直行(休養明け)となった前々走のダイオライト記念は、2015年のシビルウォー、2021年のマスターフェンサー同様にスタミナ切れを起こし、4着と敗れた。昨年の名古屋GPは2100mだっただけに、距離延長が応えたというのもある。

 前走の川崎記念は内と前が有利な馬場を出遅れて後方から進める形となり、0.2秒差の4着に敗れた。今回は何が何でも逃げたい馬が不在だが、相手弱化で捲りも利く馬場&距離だけに、ディクテオンを本命馬とした。

○ (3)レッドファーロ

 4走前の中央のOP・スレイプニルスの3着馬。4走前は5番枠から五分のスタートを切り、そこから押して好位馬群の中目を追走。3~4角のペースアップでやや置かれ、直線での加速に踏み遅れたが、じわじわ伸び続けて勝ち馬に3馬身差まで迫った。

 4走前は(2)ヒロイックテイルのレースメイクで、前後半5F62秒4-60秒8のスローペース。3~4角からペースが上がっていく展開だったが、レッドファーロはここで内目を通せたことが好走要因のひとつ。ここでは後方外々からの追走となった◎(4)ディクテオンを撃破している。

 また、レッドファーロはこのレースで自己最高指数を記録しているように、ダ2100mでしぶとさを活かす競馬がベスト。前走のブリリアントSはスタミナが不足しがちな休養明けで出遅れ、ペースがそこまで遅くもない中、後方外目からじわじわ位置を挽回して行く形となり、最後の直線で苦しくなって6着に敗れた。しかし、ひと叩きされて意欲の連闘策となる今回は、変わり身が期待できる。

▲ (1)エクセスリターン

 前走で3勝クラスの観月橋Sを勝利した上がり馬。前走は3番枠から五分のスタートを切ったが、進みが悪く最後方からの追走。最内からじわじわ位置を上げ、3角では中団やや後方。4角では好位まで上がって直線序盤では3番手。ラスト1Fで前2頭を捉えて、1馬身1/4差で完勝した。

 前走は前後半4F48秒3-51秒0のかなりのハイペース。後方から最短距離を通す競馬が功を奏した結果を言える。今回は展開が向くかはともかく、◎(4)ディクテオンをマークして動いて行ければチャンスがありそうだ。

注 (6)アンタンスルフレ

 昨秋の金沢の重賞・北国王冠(ダ2600m)を圧勝し、二連覇を達成した馬。同レースでは7番枠からスタート後に躓いたが、すぐに立て直してじわっとハナを主張。しっかり先頭を取り切ると、ゆっくり進めて2周目の3角から後続を引き離して行った。3角では2列目と1馬身差だったが、4角では4馬身ほど広げて直線へ。そこからは後続を引き離す一方で、8馬身差で完勝した。

 一昨年の北国王冠では2番手から早め先頭に立つ競馬で2着馬とアタマ差だったが、昨年は逃げ有利の馬場だったにせよ、8馬身差の圧勝と、さらに地力をつけたことをアピールした。そして今回と同舞台となる、その次走の東海菊花賞でも逃げ切り勝ち。南関東移籍初戦の金盃TRでも外枠から2番手を取りに行って勝利している。

 前走の東海桜花賞では4着に敗れたが、前々走で芝3000mを使われ、そこで出遅れて後方からレースを進めた後の一戦で8番枠。行きっぷりが悪かったが、序盤から先行争いに加わり、3角手前で外からアナザートゥルースが上がってくると、それに抵抗して行ったために4角ではもう手応えが悪く、最後の直線でバテた馬を一頭かわすのが精一杯だった。しかし、前走で先行したことで今回はレースの流れに乗りやすくなるはず。ここでの前進を警戒したい。

△ (2)ヒロイックテイル

 2021年の東京ダ2100mのOP・ブリリアントSの勝ち馬。同レースでは11番枠から五分のスタートだったが、二の脚は速く、1角では2番手の外。向上面ではじわっと逃げ馬にプレッシャーをかけて行った。3~4角で逃げ馬に競り掛けて、4角出口で先頭に立つと、そこから4馬身、5馬身と2列目に差を広げる。ラスト1Fでバンクオブクラウズにやや差を詰められたが、余裕を持って3馬身差で完勝した。

 このようにヒロイックテイルは前に行ってしぶとさを生かす競馬がベストだが、最近は二の脚にやや衰えを見せ、先行争いに加われなくなっている。それが成績不振に繋がっている面があるが、今回のメンバーで2番枠なら、行く気になれば逃げられるはず。他馬が競り掛けてこなければ、一発あるかもしれない。


△ (9)ブリーザフレスカ

 JRA所属時代は芝ばかりを使われて1勝もできなかったが、名古屋へ移籍してダートを使われると一気に上昇。4走前のゴールド争覇では3番枠から五分のスタートを切って中団で進め、向上面序盤で外に誘導。そこからじわじわ上がって、3~4角の外から一気に押し上げて4角ではもう先頭。そのまま後続を引き離して4馬身差で完勝した。

 その次走の東海菊花賞では逃げる(6)アンタンスルフレをマークで乗り、向上面で負かしに動いて失速したが、前走の東海桜花賞では、アナザートゥルースをマークで乗り、同馬がアンタンスルフレを負かしに行って、アンタンスルフレが失速する展開を差し切ったもの。アナザートゥルースと2馬身半差の2着に善戦した。今回は休養明けで好走した反動が出ることなく、スムーズに上昇すればチャンスある。

2024年 新潟大賞典+京都10R以降の予想

本日は12R以降の予想提供はございませんm(__)m。

■2018年以前、昨年と同じ開催4日目で外差し馬場

 新潟大賞典は新潟外回りの芝2000mが舞台。新潟の外芝2000mは日本唯一のUターンコースで、最初の3角までの距離は約950mと非常に長いために、前半3~4F目でもあまりペースが緩まない(特に逃げ、先行馬が揃った場合)。さらに3~4角で急坂を下りながらのスパイラルカーブとなっており、ここで勢いに乗せられる中団馬、差し馬が非常に有利。逃げ、先行馬は苦戦の傾向となっている。

 実際に過去10年で逃げ馬の3着以内は、2020年のアトミックフォース(2着)と昨年のセイウンハーデス(2着)のみ。2020年は開催2日目で内からも十分に残れており、優勝馬も先行馬のトーセンスーリアである。昨年のセイウンハーデスは、当日が極悪に近い不良馬場でオーバーペースの逃げを打ち、持久力勝負に持ち込んだものだ。

 今年の新潟大賞典は、2019年から2022年までは春の新潟開催2日目で行われていたが、今年は2018年以前と同じ新潟開催4日目で行われる。このため2019年から2022年と比べて極端ではないが馬場の内側が悪化しており、内よりも中~外が伸びる。今年も中~外が優勢と見て予想を組み立てたい。

本日3番 新潟11R 新潟大賞典 芝2000m
 ◎ (15)レーベンスティール
 ○ (14)マイネルクリソーラ
 ▲ (16)ヤマニンサルバム
 △ (7)ノッキングポイント
 △ (9)カラテ
 △ (10)ファユエン
 △ (5)ダンディズム
 △ (12)シーズンリッチ
結論 馬連15-14,16,7,9,10,5,12 (10:10:7:7:7:5:4) 複勝15 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (15)レーベンスティール

 昨秋のセントライト記念の2着馬。同レースでは4番枠からまずまずのスタートを切ったが、そこからコントロールして好位の中目で進めた。道中はスローだったがそのままの位置を維持して3角へ。3角でじわっと外に誘導し、外からソールオリエンスが上がってくると、4角でさらに外に誘導。序盤で追い出されるとすっと伸びて一気に先頭に立つ。ラスト1Fで抜け出すと、外からソールオリエンスにじわじわ詰め寄られたが、1馬身3/4差で完勝した。

 新馬戦では終始外からソールオリエンスに蓋をされる形でクビ差で敗れたが、それを意識してソールオリエンスに外から並ばせない騎乗。そしてその鬱憤を晴らした。前走の香港ヴァーズは二の脚でじわっと先行させるとかなり掛かって馬群の中に入れて何とか折り合わせる形。それでもクビを上げるほどの折り合い難を見せ、最後の直線では2列目の中目から逆噴射して8着に敗れた。

 気性難ではない馬がかなり折り合いを欠く時というのは、体調が万全ではない時が多い。セントライト記念で好走した疲れがあったようだ。しかし、今回は前走から立て直されての一戦。今回は15番枠と外枠で自然と末脚を生かす競馬になりそうな点、そして現在の新潟芝は明らかに直線の外が伸びていることから、この馬を本命馬とした。
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本日4番 京都10R 橘S 芝1400m
 ◎ (2)コーティアスマナー
 ○ (10)オーサムストローク
 ▲ (11)スパークリシャール
 △ (6)ペアポルックス
 △ (9)ガロンヌ
 △ (3)リジル
 △ (8)ジョーローリット
結論 馬連2-10,11,6,9,3,8 (10:10:10:10:5:5) 複勝2 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にスパークリシャール(-11.0pt)、ペアポルックス(-10.3pt)、オメガウインク(-9.3pt)、オーサムストローク(-8.0pt)、コーティアスマナー(-7.3pt)。

 能力値は競走馬の力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (2)コーティアスマナー

 前走の1勝クラスを好指数で勝利した馬。前走は6番枠からトップスタートを切って、様子を窺っていたが、他の馬が行かないのでそのままハナへ。道中はゆったりとした逃げ、外からソルトクイーンがプレッシャーをかけてきたが、それでも自分のリズムを守り、半馬身差で最後の直線へ。ラスト1Fでソルトクイーンにかわされそうになる場面があったが、それを振り切って3/4差で完勝した。

 前走は毎日杯当日のタフな馬場。ゆったりとしたペースでも実質のペースは厳しく、逃げ切った内容は強かった。現在の京都芝は内と前有利の馬場状態。前走は逃げてはいるが、他がハナを主張すれば2列目に控えることも可能な馬である。ここは内目、前目で流れに乗って、再度の好走を期待する。
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本日3番 京都11R 鞍馬S 芝1200m
 ◎ (12)スマートクラージュ
 ○ (1)ディヴィナシオン
 ▲ (8)カルロヴェローチェ
 注 (10)レイベリング
 △ (2)ヤクシマ
 △ (13)ジャスティンスカイ
 △ (7)ジャスパージャック
 △ (5)カリポール
結論 馬連12-1,8,10,2,13,7,5 (11:11:11:6:6:3:2) 複勝12 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にサンライズオネスト(-17.3pt)、マイネルジェロディ(-17.0pt)、ヤクシマ、レイベリング(ともに-16.0pt)、ディヴィナシオン、ジャスティンスカイ(ともに-15.3pt)。

 能力値は競走馬の力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (12)スマートクラージュ

 中京芝1200mで行われた一昨年の淀短距離Sの勝ち馬。同レースでは4番枠からまずまずのスタートを切り、そこから促されてハナを主張して行ったが、外からレジェーロが勢いよく内に切れ込んで来たので、ブレーキ気味にコントロールして2列目の最内に収めた。道中は2列目の内で我慢し、3~4角でもコントロールして2列目の内を維持した。直線序盤で前2頭の間をすっと割って伸び、ここで先頭。そのまま抜け出すと、外からダディーズビビッドが食らいつき、ラスト1Fでは迫られたが、寄せ付けることはなく、3/4差で完勝した。

 前記の淀短距離Sはやや速い流れだったが、再加速して勝利と強い内容だった。昨年も鞍馬S、CBC賞、セントウルSの3戦ともに3着の善戦。オープン特別では実力、実績ともに上位の存在だ。前走の阪急杯はスタミナが不足する休養明けで馬場が悪く、距離も久々の芝1400mと長く、ラスト1Fで急失速してしまった。今回は叩かれて順当に上昇が期待できる。


2024年 NHKマイルCの予想

■今年は外<中<内

 昨年のNHKマイルCで外差し馬がワン、ツー、スリーを決め、大外から差したシャンパンカラーが優勝したように、例年のNHKマイルCは外差し馬場で行われることが多かった。しかし、今年は外よりも内が伸びるとは言わないが、経済コースを走れるぶん、外よりも内の馬が活躍している。

 その上で、今年は逃げ、先行馬が手薄。その上で(9)キャプテンシーが逃げ宣言。タフな馬場だった前走のNZT時は(17)ユキノロイヤルのほうが明確にテンが速かったが、今回は(9)キャプテンシーが内枠。ジュニアC時のように好スタートを切れれば、ハナに行けないことはない。どちらが逃げてもテンが速くなく、今回は平均ペースの範囲内で収まる可能性が高いと見ている。

 しばしば差し、追い込みが決まるNHKマイルCだが、今年は先行馬と速い末脚で上がれる馬が有利と見て予想した。

東京11R NHKマイルC 芝1600m
 ◎ (5)ボンドガール
 〇 (13)シュトラウス
 ▲ (9)キャプテンシー
 △ (2)ノーブルロジャー
 △ (14)アスコリピチェーノ
 △ (16)ジャンタルマンタル
 △ (3)ディスペランツァ
 △ (6)ロジリオン
結論 馬連6-13,9,2,14,16,3,6 (8:8:8:8:8:5:5) 複勝5 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (5)ボンドガール

 NZTの2着馬。3番枠からスタートはまずまずだったが、二の脚が速く楽に先行。そこからコントロールしながらじわっと下げ、2列目の内で我慢させた。やや掛かり気味だったが、意識的に位置を下げて、前にスペースを作る。3~4角でもそのスペースを維持し、4角でじわっと詰めてスピードに乗せながら直線で最内へ。序盤はスムーズに内を追われたが、先頭の(17)ユキノロイヤルがしぶとく、まだクビ差の2番手。ラスト1Fで同馬を競り落としたが、外からエコロブルームに差されて3/4馬身差の2着に終わった。

 ボンドガールは昨年6月、東京芝1600mの新馬戦ではチェルヴィニアやコラソンビート、キャットファイト、そして今回出走してくるマスクオールウィンといった後の活躍馬たちを相手に勝利した馬。この新馬戦では2列目の最内でレースを進め、最後の直線序盤では進路がなく、ラスト2Fで追い出される形になったが、ラスト2F11秒0-11秒1の流れを差し切って勝利している。

 新馬戦でマークした上がり3Fは33秒0。これは同日に行われた安田記念でシュネルマイスターが記録した32秒8、ホンコンJCT(2勝クラス)でドゥレッツァ(後の菊花賞馬)が記録した32秒7には劣るものの、同日の東京芝ではその2頭に続く堂々の3位。ここで見せた素質を考えると、近2走の2着は物足りないようにも映る。

 しかし、前々走のサウジアラビアRCは前半3Fのペースが速く、3~4角でペースダウンする展開。その流れを3番枠から出遅れ、前半から掛かり気味になりながら中団中目まで押し上げ、3~4角では我慢を強いられるなど、レースの流れと噛み合っていなかった。

 前走もスタミナが不足しがちな長期休養明け、かつ馬場がタフだった影響から末脚不発に終わった面もある。今回は叩かれての上積みが見込め、キャリアも3戦と浅いだけにまだまだ伸びしろもあるはず。本馬の末脚に期待して、本命馬とした。

○ (13)シュトラウス

 東京芝1600mの新馬戦を勝ち、次走のサウジアラビアRCでは3着、そして前走の東京スポーツ杯2歳Sで重賞を初制覇した馬。同レースでは7番枠からまずまずのスタートを切って3番手を追走。道中は逃げ馬が単騎で逃げ、やや離れた2番手のシュバルツクーゲルをマークする形で進めた。3~4角もその位置で我慢をし、4角出口では2馬身半差。ラスト2Fではシュバルツクーゲルとともに逃げ馬をかわして先頭列。ラスト1Fでしぶとく食らいつく同馬を振り切り、1馬身半差で完勝した。

 東京スポーツ杯2歳S当日はやや時計が掛かる馬場でペースも平均まで上がり、東京芝としては瞬発力が求められなかった面もあるが、一戦ごとに上昇し確かな強さを見せた。しかし、前々走の朝日杯FSは10着大敗。大外17番枠から大出遅れし、そこからじわっと挽回しようとしていたが、折り合い難に火が点いてコントロールが利かなくなり、一気に先頭まで押し上げてしまった。しかし、ここは明確にオーバーペースの競馬で苦しくなったもの。度外視できる。

 また、前走のファルコンSは明確に距離不足で、テンに置かれる形で最後方を追走。最後の直線でも進路を全く作ることができずに終わってしまった。しかし、今回は前走で芝1400m戦を使ったことで、マイルの流れには乗りやすくなるだろう。

 シュトラウスは秋の東京開幕日のコンクリート馬場で行われたサウジアラビアRCでは速い末脚が求められた中で、キレ負けしてしまっている(出遅れて位置が悪くなったが、4角で外の2頭が逸走したし、最後の直線で楽に2列目に上がれたのは不幸中の幸い)で、惜敗に終わった。一方、不良馬場で行われた新馬戦では2番手から道中で先頭に立って9馬身差で圧勝しているように、長くいい脚を使えることが強みの馬。本質的にマイルよりも中距離だが、折り合いを考えた場合はマイル戦のほうが好ましく、ここは期待した。レースが流れてくれれば、よりチャンスが広がる。

▲ (9)キャプテンシー

 デビュー3戦目のジュニアCを逃げ切り勝ちした馬。同レースでは1番枠から好スタートを切り、そこから押してハナを主張し、主導権を楽に取り切った。道中もペースを緩めず、しっかりと引き上げて、縦長の展開に持ち込んでいく。3~4角の中間でやや息を入れて、4角で2列目を3馬身ほど離して、手応え十分に直線へ。直線序盤で3馬身半差までリードを広げた。ラスト1Fで(7)チャンネルトンネルがじわっと迫って来たが、余裕を持って2馬身差で振り切った。

 キャプテンシーはデビュー2戦目の未勝利戦も逃げて勝利しているように、前の位置を取ってスピードの持続力を生かしてこその馬。休養明けの前走NZTは11番枠からやや立ち遅れ、内と外の馬に挟まれて後手を踏みながらも、向上面で2番手まで上がって、3角手前で先頭の(17)ユキノロイヤルにじわっとプレッシャーをかけていく形。ここでユキノロイヤルに抵抗されて、逆に苦しい競馬となって16着に失速したが、ひと叩きされたことで息持ちも良くなってくるだろう。スタートを決めて楽に前へ行ければ、怖い一頭だ。

△ (2)ノーブルロジャー

 デビュー2戦目でシンザン記念を勝利した素質馬。同レースでは5番枠からやや出遅れ、そこから促されてはいたが進みが悪く、徐々に下がって中団馬群のやや後方中目から進めた。3角手前でペースが落ちると、ここで馬群の狭い間から徐々に押し上げて3角へ。3~4角でも中団外目で我慢させ、4角で外に誘導すると3列目付近で直線へ。序盤で大外に誘導し、しぶとく伸びて先頭列。ラスト1Fでそのまま抜け出して1馬身1/4差で完勝した。

 当時の1回京都の芝は開幕週から時計が掛かっており、シンザン記念当日もタフな馬場。ペースも前後半4F46秒4-48秒1とかなり速く、全てがタフだったことから、前走の毎日杯ではレース間隔を開けてもさすがにダメージが出ると見ていた。

 結果はメイショウタバルには6馬身離されたものの、直線では一度前に出られたベラジオボンドを差し返してクビ差の2着。前々走の反動が出るには出たが、そこまで大きいものでもなかった。大きく崩れなかったあたりに地力強化を感じさせる。

 シンザン記念、毎日杯とタフな馬場だったが、新馬戦では高速馬場の東京芝1600mの超絶スローペースで結果を出していることから、本日の東京芝にも対応できるはず。ノーブルロジャーもキャリア3戦とあって、さらなる伸びしろを警戒したい。

△ (14)アスコリピチェーノ

 桜花賞2着馬。前走は9番枠からやや出遅れ、そこから軽く押して中団の外目を追走した。道中はステレンボッシュのすぐ外を進め、3~4角でも中団外々。4角出口では大外へ。序盤で追い出されたが、ひとつ内をうまく立ち回っていたステレンボッシュに前に出られ、1列後ろの2列目。ラスト1Fではじわっと伸びたが、同馬との差はあまり詰まらず。むしろ外からライトバックに迫られ、何とかクビ差で振り切った。

 前走では昨年暮れの阪神JFでクビ差先着したステレンボッシュに逆転を許し、3/4馬身差をつけられる形になったが、これは同馬よりも前の位置を取り切れなかったことや、4角で外に膨らんだところに、内からステレンボッシュに張り出されたことが影響している。

 本馬は一線級相手だとキレる脚が使えないので、ここでは末脚型の馬たちよりも前の中団くらいでレースを進めたいところ。それならばチャンスは広がる。また末脚型の馬たちよりも多少後ろからになったとしても、息の長い脚が使えるので、大崩れすることはないと見ている。

△ (16)ジャンタルマンタル

 皐月賞3着馬。前走は8番枠から好スタートを切るとハナ争いに加わり、最終的にやや離れた3番手の外を追走した。道中は前のメイショウタバルが飛ばしていく中で、離れた3番手で3角へ。3~4角ではじわっと仕掛けて、4角出口でメイショウタバルを捉えて先頭に立つ。直線序盤ではしぶとく伸びて2馬身差、ラスト1Fでさらに差を広げにかかったが、最後は外の2頭に差されてクビ+半馬身差の3着だった。

 皐月賞の週は雨に見舞われた前週から一気に高速化しており、前日は芝の4レース中2レースで逃げ切りが決まり、当日も直前に行われたドゥラメンテCで逃げ切りが決まるなど、とにかく1~2番手馬の活躍が目立っていた。

 この傾向から、メイショウタバルは先手を主張しようとするシリウスコルトやアレグロブリランテを制してまで逃げを選択したものと見ているが、5F通過57秒5はさすがに速い。相当な快速モンスターでないと逃げ切れるペースではなかった。

 結果的にやや離れた3番手のジャンタルマンタルの位置でも苦しく、それを思えばかなり強い内容だった。しかし、皐月賞で本馬のようなレース内容だと、NHKマイルCでは案外と期待に応えられないことが多い。

 たとえば、2005年の朝日杯FS勝ち馬フサイチリシャールがその一頭。皐月賞では速い流れを2番手追走から4角先頭で押し切りを図り、結果は5着も0秒6差と好走。次走のNHKマイルCでは1番人気に支持されたが、6着に敗れている。

 フサイチリシャールが凡走した理由としては、皐月賞でがんばり過ぎて余力がなかったことが考えられる。また、このタイプは朝日杯FS勝ちの実績からマイルがベストのように映るが、皐月賞を先行して好走するタイプはトゥザワールド(2014年2着)やキタサンブラック(2015年3着)、タイトルホルダー(2021年2着)のように中長距離で花開く馬が多い。

 つまり、ジャンタルマンタルも昨年の朝日杯FSは相手がそこまで強くなかったことや、馬場がタフだったこともあってこなしているが、超高速馬場でスピードが要求されるマイル戦はベストな条件ではない可能性が高いということ。前走で見せた能力の高さから軽視できないが、過信も禁物だ。

△ (3)ディスペランツァ

 デビュー2戦目の未勝利戦(阪神芝2000m)では、後のプリンシパルS・2着馬メリオーレムを撃破。デビュー3戦目の京都2歳S、続くホープフルSと重賞ではクラスの壁にぶつかったような成績に終わったが、前々走の1勝クラス戦で転機が訪れる。デビューから一貫して芝2000mを使われていた馬が、1600mに距離短縮して勝利したのだ。

 すると、続戦したアーリントンCで初重賞制覇を達成。前走は3番枠から五分のスタートを切り、促してもあまり進まず位置を下げ、中団内目からの追走に。かなりのスローペースだったが、我慢して前にスペースを作った。3~4角で前のシヴァースが中目に誘導すると、同じようにスペースを潰して中目へ。直線序盤ではそのひとつ外、(7)チャンネルトンネルの後ろからさらに外へ誘導した。ラスト1Fでもしぶとく伸び、あと50mのところでチャンネルトンネルらを一気に捉え、半馬身差で勝利した。

 これで芝1600mでは2戦2勝。前走はシヴァースら内目の馬が直線で詰まったのに対し、ディスペランツァは鞍上に上手く外に誘導されてスムーズな競馬ができた。あれ以上の競馬を求められると微妙な面もあるが、結果的にはデビュー当初は適性と異なる条件を使われていたことになる。このタイプは若い時期に無理をしていないので、芝のマイルでまだ伸びしろがありそう。要警戒だ。

△ (6)ロジリオン

 昨秋の京王杯2歳Sで後の阪神JF3着、フィリーズレビュー2着のコンソラビートとクビ差の2着に好走した馬。同レースでは2番枠からまずまずのスタートを切り、そこから促されたが、あまり進まずに後方に下がった。道中も中団やや後方の最内で進めて、3~4角でも後方の内目から中目を通して直線へ。序盤で狭いところを通しながら、進路を求めて外へ。進路確保で後手を踏み、追い出されたのがラスト1F手前だったが、そこからグングン伸びて前のコラソンビートにクビ差まで迫った。

 ロジリオンは前々走のクロッカスSでは中団最内から京王杯2歳Sの3着馬オーキッドロマンスを差し切って勝利している。同レースは前後半3F34秒2-34秒9とペースが落ち着き、マイルよりの流れだったからだ。しかし、京王杯2歳Sでテンに置かれて後方からラスト1Fでズドンと伸びて来たレースぶりから、本来は1400m向きではないはず。

 よって、マイル戦のここで変わり身を警戒したい。前走のファルコンSでも出遅れて後方最内からレースを進め、最後の直線で進路を作れないまま終わってしまったことも、ここへ向けて余力を残せたという意味では好ましい。

2024年 京都新聞杯、東京9R+メインR以降の予想

京都12Rの予想を追加しますm(__)m

■展開の振れ幅が大きいレース

 京都で行われた過去10年では、平均ペースが半数の5回。しかし、かなりのハイペースになったことが2回、かなりのスローペースになったことも2回あり、長距離らしく、展開の振れ幅が大きいレースとなっている。

 今年は何が何でも逃げたい馬が不在。ここは3月のゆきやなぎ賞で楽に先頭に立ちながらも、ウールデュボヌールやはアクアヴォナールに行かせて後半勝負に持ち込み、決め手比べで敗れた(10)ハヤテノフクノスケが序盤から抑えず、ハナを主張する可能性が高い。大外枠の(15)キープカルムも鞍上が武豊なので、他が行かない場合はハナを主張する可能性もある。

 今年は極端ではないにせよ、平均ペースよりも遅くなる可能性が高く、逃げ~中団までを中心に予想を組み立てた。

本日4番 京都11R 京都新聞杯 芝2200m
 ◎ (10)ハヤテノフクノスケ
 ○ (15)キープカルム
 ▲ (12)インザモーメント
 △ (4)ギャンブルルーム
 △ (8)ベラジオボンド
 △ (1)ジューンテイク
 △ (3)オールセインツ
 △ (5)ウエストナウ
 △ (14)アドマイヤテラ
結論 馬連10-15,1,4,8,1,3,5,14 (10:10:9:9:3:3:3:3) 複勝10 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (10)ハヤテノフクノスケ

 デビュー3戦目の前々走、京成杯で4着だった馬。前々走は8番枠から五分のスタートを切り、外からハナを主張する馬を行かせ、そこから促されて先行策と、わりと楽に3番手で進めた。道中は前2頭をある程度は前2頭を追い駆けたが、向上面で息が入るとコントロールして3番手の外を維持。3~4角で仕掛けながら前2頭を2頭分外から追い駆けて2列目の外付近で直線へ。序盤でしぶとく伸びて一旦は先頭列に上がったが、ラスト1Fで内のコスモブッドレアに出られて、さらに外から2頭に差されて、0.4秒差の3着となった。

 前走のゆきやなぎ賞は6番枠からまずまずのスタートだったが、楽に先頭に立ってしまって、そこからコントロールしながら外のウールデュボヌールを行かせ、2番手外。道中でアクアヴォナールにも行かせて3番手を追走し、3~4角ではアクアヴォナールを目標に仕掛けて行く。4角のペースアップでやや置かれ、直線序盤で追われても伸びは地味で2位争いに一角。ただラスト1Fで苦しくなって最後は前3頭から2馬身離されての4着だった。

 ハヤテノフクノスケ前走はラスト1Fの坂で急失速。前々走のでもラスト1Fで甘さを見せていることからラスト1Fで坂のない京都コースはプラスとなる可能性が高い。また、距離が1F短くなることも加点材料だ。また、前走は前後半5F63秒3-58秒8の超絶スローペースの後半勝負となったことで、キレ負けした面もある。

 本馬は3走前の未勝利で好位の外目を追走し、4角先頭から押し切って勝利しているように、前の位置を取って持久力を生かしてこそなのだろう。前走は楽に先頭に立ちながらも、前2頭に行かせたことが完全に裏目となってしまった。よって、ここはゲート出たなりで、前の位置を取って持久力を生かす競馬をすると見て期待した。またこの馬は操縦性が高く、他馬が競り掛けるなどでペースが速くなり過ぎれば、すぐに控えることができるのも魅力のひとつだ。
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本日2番 東京9R 青竜S ダ1600m
 ◎ (2)ソレルビュレット
 ○ (1)ラタフォレスト
 ▲ (7)ソニックスター
 △ (3)セントラルヴァレー
 △ (5)チュウワキャリア
結論 馬連2-1,7,3,5 (20:20:5:5) 複勝2 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にラタフォレスト(-14.3pt)、ブシン(-13.7pt)、ソレルビュレット、ソニックスター(ともに-10.3pt)、セントラルヴァレー、ルディック、チュウワキャリア(ともに-9.7pt)。

 能力値は競走馬の力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (2)ソレルビュレット

 前走の未勝利戦では2着馬に5馬身差、4着以下には大差をつけて圧勝した馬。前走は12番枠から好スタートを切って先行策。最終的には内と外から飛ばす2頭を行かせて3番手を追走した。道中で前2頭に離されたが、3~4角で一気に差を詰めて4角では前2頭の直後。直線序盤で前2頭を早々とかわし、ラスト2Fではもう先頭。そこからどんどん差を広げて5馬身差で圧勝した。

 前走は未勝利勝ちながら、かなりの高指数を記録しての勝利。今回のメンバーはOPとしてはやや低調なメンバー構成となっているだけに、十分に通用すると見る。
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本日3番 京都10R 平城京S ダ1800m
 ◎ (15)ゼットリアン
 ○ (2)キングストンボーイ
 ▲ (6)カフジオクタコ゛ン
 注 (1)デリカダ
 △ (7)テーオーリカード
 △ (9)サンデーファンデー
 △ (11)マリオロード
 △ (12)ロードヴァレンチ
 △ (13)オディロン
結論 馬連15-2,6,1,7,9,11,12,13 (10:10:10:4:4:4:4:4) 複勝15 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にゼットリアン(-26.7pt)、テーオーリカード、ロコポルティ、サンデーファンデー(ともに-25.7pt)、キングストンボーイ、アルーブルト(-25.0pt)。

 能力値は競走馬の力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (15)ゼットリアン

 ヒヤシンスS2着、鳳雛S2着と3歳OPで活躍した馬。古馬混合になっても5走前の2勝クラス、大府特別では1クラス上の指数で勝利。そして4走前のの3勝クラス、観月橋Sでは休養明けながら、オープン級の指数で完勝した。

 4走前は11番枠から五分のスタートを切って、好位直後の外目を追走。3~4角で外からレイクリエーターが捲って来たが、それをやり過ごして直線へ。序盤で追い出されると3列目付近から一気に突き抜けて先頭。ラスト1Fではさらに差を広げて4馬身差で完勝した。

 ゼットリアンは前々走のOP・アルデバランSでも3着。前走に野川Sでは前が残る展開となり、本馬の息の長い末脚が発揮できなかった。ここは勝ちに行く馬が何頭かいるメンバー構成。息の長い末脚が届きそうだ。
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本日5番 新潟11R 越後S ダ1200m
 ◎ (15)イスラアネーロ
 ○ (11)タイセイブレイズ
 ▲ (12)クインズメリッサ
 注 (2)パウオレ
 △ (1)ファーンヒル
 △ (4)オメガシンフォニー
 △ (8)レッドゲイル
結論 馬連15-11,12,2,1,4,8 (15:10:10:5:5:5) 複勝15 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にファーンヒル(-27.3pt)、タイセイブレイズ、クインズメリッサ(ともに-26.0pt)、ナムラフランク(-24.0pt)、オメガシンフォニー、ロードエクレール(ともに-23.0pt)。

 能力値は競走馬の力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (15)イスラアネーロ

 4走前に3勝クラスを勝利すると、前々走のOP・大和Sで3着に善戦した馬。前々走は5番枠から五分のスタート。そこから促されてはいたが、内と外からハナを主張する馬がいたので、控えて2列目の中目を追走。速い流れだったが、3~4角のペースアップでも前2頭を追い駆け、直線序盤で前2頭の外から3番手に上がる。ラスト1Fで前2頭をかわして先頭に立ったが、外から一気にスズカコテキタイにかわされ、外から迫る(11)タイセイブレイズにも差されてハナ差の3着となった。

 イスラアネーロはここに来てかなり力をつけている。前走のOP・千葉Sは3番枠から出遅れ、3~4角で中団の最内で包まれ、ラスト1Fまで進路がなく13着に敗れたが、スムーズな競馬ならここは巻き返せるはず。今回も前々走同様にテンの速い馬が揃っており、(11)タイセイブレイズ向きの展開になりそうだが、イスラアネーロは前走の不利で余力が残っている可能性が高いことと、内の各馬の出方を窺いながら動ける大外15番枠で、逆転の可能性を見出した。
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本日1番 東京11R プリンシパルS 芝2000m
 ◎ (7)ディマイザキッド
 ○ (13)ダノンエアズロック
 ▲ (9)ミカエルパシャ
 注 (11)ファビュラススター
 △ (1)シャンパンマーク
 △ (4)ポッドテオ
 △ (6)メリオーレム
 △ (8)グラヴィズ
 △ (12)エレクトリックブギ
結論 馬連7-13,9,11,1,4,6,8,12 (18:8:8:4:4:4:2:2) 複勝7 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にダノンエアズロック(-12.0pt)、ポッドテオ(-10.0pt)、ディマイザキッド、ファビュラススター(ともに-9.0pt)、メリオーレム(-8.7pt)。

 能力値は競走馬の力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (7)ディマイザキッド

 前々走の共同通信杯の4着馬。前走は2番枠から出遅れて後方からの追走となったが、すぐに包まれてしまった。ここで位置を下げたかったが、ペースが遅すぎて難しく、後方最内のまま進める。3~4角でも後方最内で我慢し、直線序盤では内ラチ沿いから追われ、狭い間から中団に上がる。ラスト2Fでもじわじわ伸びて好位列まで上がり、ラスト1Fでは4着争い。最後にエコロヴァルツを差し切って、アタマ差の4着に善戦した。

 前々走は1着のジャスティンミラノと2着のシャンタルマンタルが、次走の皐月賞で1着、3着と好走したように、かなりの好メンバーが揃った一戦。ペースも前後半50秒0-45秒3の超絶スローで前有利の展開だったが、それでも狭い内からメンバー最速の上がり3F32秒5を記録したことは高評価できる。

 本馬はデビューからの5戦全てで最速の上がり3Fタイムを記録しているように、末脚が鋭く、まだ底を見せていない。前走の山吹賞では初めての芝2200m戦で後方から3~4角で馬場の悪化した最内を通したことも祟って、スタミナ切れを起こして3着に敗れたが、直線が長く、幅員の広い東京なら抜群の末脚発揮が期待できる。
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本日6番 京都12R 4歳上2勝クラス 芝1600m
 ◎ (9)スイープアワーズ
 ○ (5)アイルシャイン
 ▲ (7)タガノシャーンス
 △ (3)セブンサミット
 △ (2)ワンダーキサラ
 △ (4)ルカン
 △ (6)フルメタルボディー
結論 馬連9-5,7,3,2,4,6 (15:10:10:5:5:5) 複勝9 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にタガノシャーンス(-14.3pt)、フルメタルボディー(-13.0pt)、セブンサミット(-12.3pt)、スイープアワーズ(-11.3pt)、レゾンドゥスリール(-10.3pt)。

 能力値は競走馬の力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (9)スイープアワーズ

 デビュー4戦目となった5走前の未勝利戦は1クラス上の指数で勝利したように能力を出し切ると強い馬。前々走は休養明けながら直線で外に出されると豪快な伸び、上がり3Fタイムは断然の1位。指数もなかなかよく、高い潜在能力を感じさせた。前走の天神橋特別は休養明けで走りすぎたダメージ、レース間隔を詰めたことも良くなかったのだろう。今回は立て直されて、巻き返しが期待できる。

2024年 東京湾Cの予想

■差しが決まり出して来た

 昨日は土砂降りの影響で不良となり、1~12R中、全て3角3番手以内の馬が勝利。イヤになるほど、逃げ切りのオンパレードだった。本日は晴れで馬場が回復に向かう過程。差しが決まりだしてきている。

 今回で逃げたいのは(8)ツキシロ、(11)コルベット、(10)バハマフレイバー。OPの椿賞ではハイペースで逃げるツキシロを3角手前からプレッシャーをかけに行ってバハマフレイバーが苦しくなって失速。この一戦からバハマフレイバーは早めに前を負かしに行かない可能性は高いが、先行馬が多数のメンバーでもあり、そこまで前が楽な展開にならないと見ている。好位~中団勢が有力と見て予想した。

船橋11R 東京湾C ダ1700m
 ◎ (7)マコトロクサノホコ
 ○ (2)アムクラージュ
 ▲ (10)バハマフレイバー
 △ (3)オーウェル
 △ (4)マサノロイヤル
 △ (1)クリコマ
 △ (12)トーセンヴィオラ
結論 馬複7-2,10,3,4,1,12 (14:12:8:8:4:4) 複勝7 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (7)マコトロクサノホコ

 4走前の門別・ビアパーティーAibでは、今回で1番人気に支持されている(9)シシュフォスに先着。4走前は6番枠から出遅れて最後方からの追走。このレースはサントノーレが逃げてペースを引き上げて行く展開で、同馬が3角の時点で、最後方2列目の外のマコトロクサノホコまで15~16馬身差も差があった。3~4角でじわじわ差を詰め、ラスト1Fでバテた馬をかわしてようやく後方2列目の外。そこから一気に伸びて勝ち馬キタサンヒコボシに半馬身差まで迫っての2着だった。

 4走前はかなりのハイペースで3番手を追走したシシュフォスより、マコトロクサノホコ向きの展開ではあったが、それでもラスト3Fタイムは38秒9と、ラスト3Fタイム2位の馬を0.9秒上回る末脚で追い込み、2着に食い込んでいる。

 マコトロクサノホコはその後、南関東に移籍して2連勝。前走のアクララインCは前後半4F53秒6-50秒4のかなりのスローペースで前有利の展開。ここは中団の外を追走したマコトロクサノホコよりも逃げたシシュフォスに分があった。シシュフォスとマコトロクサノホコはもともとの能力は互角。シシュフォスは前走の重賞・クラウンCが大目標でそこで結果を出した後の一戦となるが、マコトロクサノホコは前走では展開に恵まれず、能力を出し切っていないぶん、今回に向けては余力がある。巻き返しに期待する。

○ (2)アムクラージュ

 6走前の浦和1400m戦、ルーキーズサマーCの優勝馬。6走前は大外12番枠から五分のスタートを切って1角では3番手。そこから位置を上げ、2角出口では2番手。向上面では先頭ライゾマティクスにプレッシャーをかけていき、3角ではもう先頭。そこから徐々に後続との差を広げて、最終的には5馬身差で圧勝した。

 その後のマイル戦では案外な結果だが、3走前のニューイヤーC、前々走のネクストスター東日本ともに4着に善戦。前々走は稍重の川崎らしく、4角まで内を通した馬が1~3着と独占する結果。アムクラージュは11番枠から好スタートを切りながらも外から前に行く馬を行かせて中団中目を追走。これにより展開には恵まれたが、上位馬に対してコーナーロスが大きく、4馬身離される結果となった。

 前々走の内容からはマイルでもやれそうな手応えはあったが、前走のクラウンCでは2着と予想以上に走ってくれた。前走は前後半4F51秒2-53秒2の速い流れ。3番枠から押して(9)シシュフォスの後ろ、3列目最内を追走したアムクラージュは展開に恵まれた面もあったが、マイルにも対応したことは大きい。今回は100mの距離延長で、そこにやや不安はあるが、相手関係を考えると有力だ。

▲ (10)バハマフレイバー

 4走前のチバテレビ盃では大外8番枠から五分のスタートを切って、じわっとハナを主張。1~2角でしっかりハナを取り切るとマイペースに持ち込み、3角からスパートして後続との差を広げていく。最終的には5馬身差で圧勝した。

 バハマフレイバーは前々走の船橋フューチュリティマイルでも逃げ切り勝ちしているように、前に行って持久力を生かしてこその馬。前走はハイペースで逃げた(8)ツキシロを3角手前からプレッシャーをかけ、負かしに行ったために小差の5着に敗れたが、前走で厳しい流れを経験したことで、ここでの持久力強化が期待できる。

 実際に椿賞で逃げたツキシロは、次走の重賞・クラウンCでの持久力強化に繋がり、逃げて4着と人気以上の走りを見せている。今回は前走ほど早めにツキシロを負かしに行かないと見て期待した。

△ (3)オーウェル

 前々走の鶯特別の3着馬。前々走は2番枠から好スタートを切ったが、外の(11)コルベットとスピナッチバイパーの2頭が速く、外に進路を切り替え、3番手から追走した。向正面で前の2頭がペースを引き上げ、それらとの差は広がったが、3~4角でその差を詰め、前2頭の外から直線へ。そこからしぶとく伸び続けたが、ラスト1Fで内から一気にデザートトレインに差され、スピナッチバイパーをかわして3着となった。

 前々走は3~4角の最内を立ち回った馬のワン、ツー決着だったように内が有利の馬場。(11)コルベットとは2馬身差が開いてしまったがこれは仕方ない。逆に前走のアヴニール賞は外が有利な馬場を、中団最内からポジションを上げていく競馬で4着。前走は1Fの距離短縮で追走に苦労し、伸びない最内から追い上げるしかなかったが、今回は前走から1.5Fの距離延長。この距離なら好位の内で流れに乗れる。ここでの巻き返しを期待したい。

△ (1)クリコマ

 前々走の椿賞では4着と、▲(10)バハマフレイバーに先着した馬。前走はハイペースで逃げた(8)ツキシロを3角手前からプレッシャーをかけ、負かしに行ったため前後半4F51秒7-54秒9のかなりのハイペース。クリコマは2番枠から五分のスタートを切ったが、進みが悪く、単独最後方からの追走。3角手前で後方列まで上がって、4角で大外をぶん回して直線へ。ラスト1Fでも後方列だったが、そこから一気に伸びて接戦の4着に食い込んだ。

 前々走はラスト2Fで14秒4-14秒7と減速。展開に恵まれた面はあったが、ここへ来て地力をつけている感はある。前走のクラウンCは出遅れて不発に終わっており、ここへ向けての余力もあるはず。船橋は外からの差しも利いてきているが、まだ内が有利であり、その優位性を行かせればチャンスがあると見る。

△ (12)トーセンヴィオラ

 デビュー3戦目の新生特別は、7番枠から好スタートを切って、外からハナを主張したモンゲースパイを追いかけるように前に行って、2番手からの追走。3角から同馬にプレッシャーをかけて、ラスト100mでしっかりかわして1馬身半差で完勝した。

 トーセンヴィオラはその後が不振だったが、前々走の青鵐特別では2番手から追走して、4角先頭から押し切って勝利と復調気配を見せた。前々走のアヴニール賞は外が伸びる馬場で、中団中目を追走して(3)オーウェルとアタマ差。前走はやや追走が忙しかった面もあるので、この距離での前進を警戒したい。

2024年 かしわ記念の予想

■フェブラリーSとは逆よりの展開が予想される

 今年のフェブラリーSは逃げるドンフランキーにウィルソンテソーロが狂ったように競り掛けて、前後半4F45秒6-50秒1の超絶ハイペースになった。今回は一転して何が何でも逃げたい馬は不在。さらに重~不良馬場。タフな馬場の船橋でペースは上がるにせよ、フェブラリーS時よりもかなり前が楽な展開になると見て予想を組み立てた。

 ただし、フェブラリーSで先行策から押し切って優勝した(10)ペプチドナイルに関しては、2016年のモーニン、2018年のノンコノユメ、2021年のカフェファラオにようなパターンにいなる可能性も十分あると見ている。

船橋11R かしわ記念 ダ1600m
 ◎ (7)クラウンプライド
 ○ (6)ミックファイア
 ▲ (13)キングズソード
 注 (1)ウィリアムバローズ
 △ (5)シャマル
 △ (9)ギャルダル
 △ (11)ギガキング
結論 馬複7-6,13,1,5,9,11 (12:12:12:6:4:4) 複勝7 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (7)クラウンプライド

 デビュー3戦目のヒヤシンスS以来のマイル戦出走。当時は成長途上で内と前有利の馬場&展開を9番枠からスタート後に挟まれて後手を踏み、後方外からの追走。結果6着に敗れ、以降はマイル戦を使われていないが、山崎的には中距離よりもマイルがベストの馬と見ている。

 本馬は昨年のチャンピオンズCも10番枠から五分のスタートを切りながらも、コントロールして外のレッドソルダードを行かせてからその外を追走するなど、大半のレースで2列目でコントロールして追走しており、スピードがある。

 3走前のコリアCでも大外14番枠から好スタートを切り、内からハナを主張した馬を行かせて2番手を追走。道中はペースが遅く、コントロールして追走していたが、向上面では先頭に立ってしまった。3~4角も馬なりのまま進めて、4角で外からグロリアムンディが上がってくるのを待って直線へ。序盤で一気に加速して4馬身差。ラスト1Fで流しながら差を広げて大差で勝利した。

 韓国はJRAよりもダートが軽い国。前後半4F50秒3-48秒9とクラウンプライドにとっては遅いペースだったようで、ここでは抜群のスピードを見せている。3走前がとても強い内容だっただけに、前々走のチャンピオンズCは疲れが出たようで、前に行くスピードを見せることもなく11着大敗。

 前走のサウジCは9着に敗れたが、前走は馬群から離れた後方1,2番手で進めたセニョールバスカドールとウシュバテソーロがワン、ツーを決めたようにかなりの激流。序盤から2列目の好位馬群が広がっていく展開の中目を追走して9着に敗れたもの。さすがにペースが速すぎたために4角ですでに手応えがなかったが、スピードの復活は見せた。今回は何が何でも逃げたい馬が不在で、前走ほど先行馬に厳しい流れにならないと見て、巻き返しを期待した。

○ (6)ミックファイア

 デビューから無敗でダート三冠馬となった馬。3走前のジャパンダートダービーでは6番枠から好スタートを切って、そこから押して行ったが、外のミトノオーの方が速く、同馬を行かせてその外を取りに行く。しかし、内のテーオーリカードやユティタムらが速く、好位の外5番手を追走する形。道中のペースは速かったが、3角で3頭分外から位置を押し上げ、3番手で直線へ。ミトノオーとの差は大きかったが、ラスト1F手前でユティタムを交わし、最後ミトノオーを交わして2馬身半差で完勝した。

 ミックファイアはジャパンダートダービーで記録した指数は、古馬相手のダートグレードでも通用するもの。この激走でかなり疲れが出たようで、JBCクラシックを狙うプランを変更して同世代相手のダービーGPに出走。そこでは何とか勝ったが、東京大賞典では8着大敗。しかし、前走のフェブラリーSでは、序盤が芝で前半3F33秒9と前半が速かったこともあり、中団最内からに追走となったが着差0.8秒差(7着)に善戦しており、復調の兆し。道悪でも時計が掛かる船橋での巻き返しに期待する。

▲ (13)キングズソード

 3走前の大井2000mmのJBCクラシックは、自身にとって初距離だったが、JpnⅠの舞台で初重賞制覇を達成。同レースは9番枠からまずまずのスタートを切って、楽な手応えで先行策。道中は3列目の外を2列目のテーオーケインズをマークして追走した。3~4角でペースダウンすると外から押し上げ、4角で仕掛けながら3番手で直線へ。序盤ですっと加速して先頭に立ち、1馬身ほど前に出る。ラスト1Fではさらに差を広げて4馬身差で完勝した。

 3走前はとても強く、今回のメンバーではNO.1の指数を記録。潜在的なスタミナの豊富さを感じさせるかなり強い内容だった。前々走の東京大賞典は、休養明けでJBCクラシックを激走した後の疲れ残りの一戦。1番枠で中団から最短距離を回って、直線で外に誘導したが、ジリジリとしか伸びてこれなかったのは仕方ない。しかし、5着と大きくは崩れなかったように能力は高い。

 前走のフェブラリーSでは、本馬はスタミナを生かす競馬がベストで、後方からの追走になるということで危険な人気馬としたが、11番枠から好スタートを切りながらも、じわっと下がって中団やや後方の外を追走する形となり、5着に敗れた。思ったよりもやれた印象だが、ウィルソンテソーロが狂ったように逃げ馬ドンフランキーに競り掛けて行ったのもある。

 しかし、今回は東京よりも時計の掛かる船橋1600mが舞台。かしわ記念はフェブラリーSよりも長距離色が強く、帝王賞、JBCクラシック、東京大賞典組が活躍の舞台であり、そこに期待した。ただし、砂厚を2㎝深くし、砂を入れ替えたばかりのタフな馬場の大井で一変した馬だけに、道悪になってしまったのは減点材料だ。

注 (1)ウィリアムバローズ

 前走の東海Sで初重賞制覇を達成した上がり馬。前走は14番枠からやや出遅れたが、二の脚ですっと2番手に上がって、バビットを見ながらコントロールして追走。3~4角でバビットが下がって、ここで押し出されるようにして先頭。4角でオメガギネスが上がってくると、そこで仕掛けてクビ差のリードで直線へ。序盤はオメガギネスとの叩き合いとなったが半馬身差のリードを維持。ラスト1Fですっと抜け出して1馬身差で完勝した。

 前走は超高速ダートで、前後半48秒9-後半4F48秒1のややスローペース。内と前が有利な流れを内目、前目でレースを進めたことが好走の要因ではあるが、近走の勢いを考えると侮れない。また今回も何が何でも逃げたい馬が不在でそこまでペースが上がらないことが予想されるだけに、内枠から前に行ける優位性を考慮して特注馬とした。

△ (5)シャマル

 短距離のダートグレードで5勝の実力馬。昨年の黒船賞では4番枠から五分のスタート。好位の内を前の馬とのスペースを作って追走し、3~4角でスペースを詰めて4角で砂厚の深い最内から抜け出し、直線序盤で外に誘導しながら一気に先頭。そこから後続との差をじわじわ広げ、3馬身差で完勝した。

 前走となる今年は昨年ほどの強さは見せられなかったが、2番枠から好スタートを切って、そのままハナを主張してマイペースで逃げ。3角からペースを上げて馬場の良い外に誘導しながら3馬身差で直線へ。3~4角の内から2列目に上がったヘルシャフトに1馬身ほど詰め寄られたが、余裕を持って2馬身差で勝利した。

 シャマルは一昨年のマイルCS南部杯3着やチャンピオンズC5着の実績もあり、マイル戦でもある程度やれる馬。何が何でも逃げたい馬が不在、道悪の今回で前に行ける優位性があるので警戒した。

△ (9)ギャルダル

 前々走のフジノウェーブ記念で南関東初重賞制覇を達成した上がり馬。前々走は7番枠からトップスタートを切ったが、内から前を主張する馬を行かせて、好位外6番手を追走。3角手前で2列目の外4番手まで上がり、3~4角の外から前3頭に並びかけていく。直線序盤では早め先頭に立ったオメガレインボーを追い駆け、ラスト1Fでは2番手。ラスト1Fっで同馬との差をじわじわ詰めて、最終的にはアタマ差で勝利した。

 前走の東京スプリントは前後半3F34秒5-37秒8のかなりのハイペース。中団最内から4角で外に誘導と展開には恵まれたが、追走に忙しく、5着が精一杯だった。1600mでは3走前の川崎マイラーズCで接戦の2着に善戦しており、この距離ならもう少しやれるはず。相手は強化されるが、近走の勢いから警戒した。

△ (11)ギガキング

 前走の京浜盃マイラーズCで地方重賞5勝目を挙げた馬。前走は9番枠から五分のスタートを切ってじわっと先行、前の3頭からやや離れた好位の外4番手を追走した。3~4角で前のフォーヴィスムとアランバローズが後続を引き離しにかかったが、ここで一気に仕掛けて3番手に上がる。スピードに乗せたまま4角出口で外に誘導すると、ラスト1Fでは2番手。ラスト1Fで失速しかけたアランバローズをかわし、外から迫るナニハサテオキに差を詰めさせることなく3馬身差で完勝した。

 ギガキングは長くいい脚が使える馬。3走前の報知グランプリC時のように前半から位置を取りに行くと甘くなる面があるが、前走のように3~4角から進出していく競馬はベストオブベスト。今回も前半で脚をタメられれば、相手強化のここでも一発あっても不思議ない。