2020年 川崎記念の予想

東京大賞典の3着以内馬が不在
今年は荒れるか!?
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ダートのG1では、最長距離の2100mで行われる川崎記念。このレースの位置付けは、フェブラリーSの前哨戦であり、ドバイワールドカップの前哨戦。しかし、フェブラリーSを目指す馬は、長距離のこのレースよりも、1800mの東海Sに出走することがほとんど。

また、ドバイワールドカップを本気で目指す馬ほど、前年の東京大賞典からドバイワールドカップへ直行する傾向があり、その年は極端にメンバーが手薄となり、やや荒れる傾向があります。準オープンを勝ったばかりのオールブラッシュ(5番人気)がこのレースを優勝した2017年も、東京大賞典の連対馬アポロケンタッキー、アウォーディーともにドバイワールドカップへ直行で不在でした。

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2020年 東海S・AJCC

●東海ステークス

東海Sは例年中京で行われますが、今年は京都ダ1800mで行われます。京都ダ1800mと言えば、チャンピオンズCの前哨戦、みやこSでお馴染みのコース。このコースは、最初の1コーナーまでの距離が約286mと短く、外枠の馬は最初のコーナーで外に張られることになるので、基本的には内枠有利です。また、逃げ馬が外枠の入ると、昨年のみやこSのインティのように、1コーナー先頭を狙って前半からペースが上がる場合があります。逃げ馬の頭数が多いほど、ペースが上がるでしょう。

今回も昨年のみやこSで競り合ったリアンヴェリテこそ出走していないものの、スマハマとインティが出走。インティは今回も外枠ですから、1コーナーの入りが難しくなりました。内枠のアイファーイチオーやエアアルマスのほうがインティよりも前でレースを運ぶ可能性もあります。特にエアアルマスはキックバックを極端に嫌う馬ですから、前目で立ち回りたいでしょう。

ただ、インティの鞍上・武豊騎手は、基本的に競り合いを嫌う騎手。それだけにある程度はペースが上がるにせよ、みやこSのような超絶ハイペースになることはないと見ています。強ければ、前からでも押し切れる可能性大。その前提で予想を組み立てたいです。

●AJCC

AJCCが行われる中山芝2200mは、レース前半で坂を上がって行くコースなので、前半でペースが上がるポイントがありません。あの暴走型逃げ馬ツインターボが圧勝したのも、中山芝2200mのオールカマーです(当時としては、高速馬場)。前半で坂を上って行くことで珍しく折り合いがついて、最後の脚に繋がったのです。

つまり、AJCCはスローペースが発生しやすい舞台。過去10年の脚質別データを見ても、逃げ馬の1着1回、2着2回、3着1回に対して、追い込み馬の連対は一昨年のミッキースワローのみ。ただし、一昨年は、2番手でレースを運んだダンビュライトが優勝し、3着に人気薄の逃げ馬マイネルミラノが粘っているように、けっしてハイペースではなく、スローペースよりの流れでした。

上級条件だと3年前のこのレースのように、向こう上面でペースが緩まずに、平均ペース~ややハイペースになることもありますが、大きな傾向としては、前が有利と考えてもいいでしょう。今年も人気の実績馬ブラストワンピース、ミッキースワロー、ラストドラフトは前に行けないタイプ。特にミッキースワロー、ラストドラフトは出脚が遅いです。それだけに平均ペース~スローペースが濃厚と見て、予想を組み立てたいです。

2020年 TCK女王盃の予想

年明け最初のダートグレードは、牝馬限定戦でお馴染みのTCK女王盃。この時期は女王クラスの馬が引退して繁殖入りしたり、休養していることも少なくないため、年によってレベルに差が生じます。女王クラスの馬が出走していればそれらが勝ち負けすることが多く、出走していなければ新興勢力や地方馬が馬券圏内に突入して波乱になることもあります。

まず、最有力は前年のJBCレディスクラシックの優勝馬で、JBCレディスクラシックが創設された2011年翌年以降の、このレースでの成績は【2・0・1・1】。1着ではなかったのは、2016年のホワイトフーガ(3着)と2018年のララベル(5着)。両方馬ともJBCレディスクラシックからの直行馬で、休養明けでした。逆に優勝した2014年のメーデイア、2015年のサンビスタはJBCレディスクラシック後にチャンピオンズカップを使われていました。つまり、休養明けでなければ信用できることになります。

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2020年 京成杯・日経新春杯

●京成杯

中距離路線のトップクラスは、前年の暮れに行われるホープフルS(旧ラジオNIKKEI杯2歳S)を目標にするため、かつてからこのレースはクラシックにあまり縁がありませんでした。直近でもこのレースの優勝馬、サンツェペリン(2007年)やエイシンフラッシュ(2010年)がクラシックで連対した程度です。

その上、近年はホープフルSがG2、G1に格上げされたことで、よりクラシックに繋がらなくなりました。ホープフルSがG2に昇格した2014年以降、このレースを経由した馬のクラシック連対馬は皆無です。特にホープフルSがG1に昇格後の2016年以降、このレースのレベル低下が著しく、前走で未勝利や新馬戦を勝ったばかりのガンサリュート(2017年)、コズミックフォース(2018年)、ラストドラフト(2019年)がこのレースで連対しているのはそのせいでしょう。

また、このレースが行われる中山芝2000mは、最初の1コーナーまでの距離が約405mと長く、逃げ、先行馬が集うと先行争いが激しくなります。テンが遅い馬でも1コーナーまでに先頭に立てるチャンスがあるため、結果、前半3Fが速くなりやすいということです。ただし、スタートしてからゴール前の坂を上って行くコースなので、前半3F34秒台など、極端に速くなることもりません。

坂で動かずに向こう正面で動いて結果緩みないペースになることもありますが、京成杯はそこまで逃げ、先行馬が揃わないこともあり、ほとんどの年が平均ペース前後で決着しています。明確にハイペースになったのは、過去10年ではコスモイグナーツが大逃げを打ち、前半3F35秒4までペースアップした一昨年くらい。逆に、明確にスローペースだったのも、逃げ馬が不在だった2010年くらいです。

今年は前走で逃げている馬が、ロールオブサンダー、ヒュッゲ、スカイグルーヴの3頭。スカイグルーヴは前走の新馬戦が最内枠で自然とハナに立つレース内容だっただけに、逃げにはこだわるタイプではないはず。テンのスピードの違いでロールオブサンダーがハナが濃厚も、ヒュッゲが逃げる可能性もあるでしょう。

ただ、昨日はオープンのニューイヤーSで決着タイムが1分35秒8(ラスト1F13秒0まで落ちるハイペース)と要したように、現在の中山はタフな馬場状態。昨日は降雪の影響もあり、本日は回復に向かうとしても、時期的にすぐには回復しないでしょう。つまり、騎手も時計の掛かる馬場というのを理解しているので、無理な競り合いは避けて、探りながらの競馬になるでしょう。

おそらく今年も今年も平均ペース前後の決着が濃厚。この時期の3歳戦は、先週のシンザン記念同様に成長比べであることを踏まえ、どの位置からでも脚が引き出せる想定で予想を組み立てたいです。


●日経新春杯

古馬中距離のハンデ重賞となる日経新春杯。このレースは、2009年のアドマイヤモナーク(前年の有馬記念・2着)や2014年のラブイズブーシェ(前年の有馬記念・4着)のように、前走・有馬記念で好走した馬の凡走がしばしば見られます。G1を大目標とした後の間もない一戦で、余力がない上にハンデが課せられるからでしょう。

一方、菊花賞上位馬や前走条件戦勝ちの4歳馬や上がり馬の活躍がしばしば見られます。勢いがある上にハンデが軽いからでしょう。特にこのレースで穴を開けているのは、2013年の優勝馬カポーティスター(ハンデ52kg・5番人気)や昨年の3着馬ガンコ(ハンデ52kg・7番人気)など、前走条件戦勝ちの軽ハンデの4歳馬が大半。

ハンデキャッパーがいかに新興勢力を求め、この先のAJCCで実績馬vs新興勢力の対戦図式を作ろうとしているのが伝わってくるほどです。ハンデキャッパーの思惑どおりにならないのが競馬ですが、大きな傾向としては、実績馬よりも勢いがある馬が優勢と考えてもいでしょう。

また、日経新春杯が行われる京都芝2400mの舞台は、4コーナーの奥ポケットからスタートして最初の1コーナーまでの距離が約600m。最初のストレートが長いこともあり、逃げ馬の出方ひとつでレースの流れが大きく変わります。多少行きっぷりが悪い馬でも、騎手の意識ひとつで逃げることが可能。

2010年のように、逃げ馬揃いながらハンデ50kgのドリームフライトがゲート出たなりに行かせてオーバーペースが発生した年もあれば、長距離戦らしく、昨年のように序盤で先行争いが激化した後、道中でメイショウテッコンが捲って緩みないペースになることもあります。また、2016年のように逃げ馬不在で超絶スローペースが発生することもあれば、2018年のように逃げ馬がロードヴァンドールのみで単騎マイペースで逃げられることもあります。

つまり、最初のストレートの長いコースほど、展開のバリエーションが富んでいるのですが、予想する側にとっては、それが悩みの種になることもあります。さて、今年はどうか? 長期休養明けのサイモンラムセスがどこまで思い切って行けるかにもよりますが、ロードヴァンドール、場合によってはハンデ51kgのエーティーラッセンがドリームフライトのように、ゲート出たなりで行かせる可能性もあります。

正直、難しいのですが、ある定地は前半のペースが上がる可能性が高いでしょう。あとは向こう正面で捲る馬がいるかどうかですが…差し馬有利になる可能性が高いと見ています。また、今年の京都はタフな馬場だけに、ステイヤー適性も重視して予想を組み立てたいです。

2020年 愛知杯

4年前より暮れのターコイズSがG3に昇格した影響で、かつてほどメンバーが集わなくなった愛知杯。特に今年は重賞ウイナーが、アルテミスSと昨年の福島記念を制したデンコウアンジュだけ。しかも今年は京都の馬場改修工事に伴う開催日程の変更のため、中京から小倉に舞台を移して行われます。

愛知杯は中京の馬場改修工事の2010年、2011年にも小倉芝2000mで行われたことがありますが、ともに平均よりも速いペースになりました。小倉芝2000mは4コーナー奥のポケット地点からスタートして、最初の1コーナーまで約472mと十分な距離があるコース。メンバー次第で先行争いが激しくなります。テンが遅い馬でも1コーナーまでに先頭に立てるチャンスがあるため、結果、前半3Fが速くなりやすいということです。

また、前半3Fがそこまで速くなかったとしても、小倉は最後の直線が291mと短いため、上級条件ほど後続勢が3コーナーから動いて、全体的にペースが速くなることがほとんどです。

その上で昨年のエプソムC・2着時のように逃げたいサラキアが大外16番枠。サラキアはゲートに甘さがあるだけに、このメンバーだとハナを切れないでしょう。リリックドラマ、ランドネ、距離を怖がらなければウインシャトレーヌがハナ争いをしていく形。リリックドラマは、前走の福島記念でオーバーペースで逃げて失速しているだけに、ペースを上げない意識が働くでしょうが、最内先行馬のサヴォワールエメもある程度抵抗して行くことを考えると、前半からペースが上がる可能性大です。

本日の小倉は雨模様で、現在は稍重。ただ、開幕日なので標準よりも時計が出る馬場状態と見ています。それだけにハイペースになったとしても、さすがに先行馬総崩れのレースになるとは思えませんが、牝馬は決め手を生かす競馬をしている馬が多いので、多少でもペースが上がると末脚が不発する場合があります。

展開上は有利な差し馬でも、前半の追走に体力を使って末脚が不発する場合があるということです。したがって、ハイペースのレースで良績のある馬、好指数のある馬を主体に予想を組み立てたいです。また、ハンデ戦だけに、当然、斤量がより軽ければ理想ですが、重さは加速に影響を及ぼすもの。ハイペースの場合は1速→5速というようなギアチェンジがないので、スローペースほど斤量の影響がありません。このことも加味すると、より的中に近づけるでしょう。

2020年 フェアリーステークス

フェアリーSは、関東圏では数少ない3歳牝馬の重賞。桜花賞と同距離でありながら、阪神ジュベナイルFが終わったばかりの一戦となるために、一昨年のように2勝馬が1頭も参戦していないという、実質1勝クラスのメンバー構成になることもあります。しかし、2017年のアエロリットのように、キャリア1戦馬が連対し、春のクラシック路線を賑わす場合もあります。

また、このレースが行われる中山芝1600mは、上級条件だと向こう上面から3コーナーにかけての下り坂(3~4F目)でペースが緩み切らないことが多く、差し、追い込み馬が台頭することもしばしば。しかし、下級条件やまだ体力のない明け3歳馬だけと、向こう上面の下り坂でペースが上がり切らずに逃げ、先行馬が残れることも少なくありません。

実際、このレースが中山芝1600mで行われるようになってからの2009年以降、2013年のクラウンロゼ(10番人気)、2015年のノットフォーマル(11番人気)、2016年ビービーバーレル(3番人気)とそれなりの人気馬から超人気薄まで3度も逃げ切りが決まっています。他にもこのレースで逃げた2009年グッデーコパ(10番人気)、2014年リラヴァティ(4番人気)が3着に食い込んだこともあります。

「中山芝1600mは逃げ馬が逃げ切るのが厳しい」という大きな傾向が、人気薄馬の逃げ切りを許してしまっているのです。逆にこのレースが差し馬有利の消耗戦になったのは、逃げ馬が大逃げを打った2010年、2011年、2017年の3年のみ。中山は最後の直線が約310mと短いこともあり、後方からズドンは容易に決まりません。

今回は最内枠に入ったスマイルカナの逃げが濃厚。しかし、同馬は「他馬が行ってペースが上がれば控えもOK」とコメントしているだけに、外からカインドリーが逃げる可能性もあります。その場合は、スマイルカナがある程度抵抗して行くでしょうから、ペースが上がる可能性が高いです。

さらにこのレースの過去11年では、これまでに芝1500m以上の距離が未経験だった馬の3着以内が昨年のホウオウカトリーヌ(2着)のみ。芝1600m戦だとスパートのタイミングがスプリント戦よりも早い地点になるので、スピ―ドだけでは押し切れず、持久力も必要になるからです。スローペースの2列目、3列目を上手く折り合えたとしても、仕掛けが早まることによって、ラスト1Fの失速に繋がりやすいということです。

スプリント路線組でもチャンスがあるとすれば、そこで結果を出しているタイプよりも、負けている馬でしょう。この場合の「負けている」とは、本来、中距離馬でありながら、不適距離を使われたことで負けているという意味です。この傾向も踏まえて予想を組み立てたいです。

2020年 シンザン記念

シンザン記念は、過去10年の優勝馬からジェンティルドンナ、ミッキーアイル、アーモンドアイとG1馬を3頭も輩出したレース。また、2016年は2着のジュエラー、2017年は3着のペルシアンナイト、6着のアルアインがその年のG1を制しており、ひと足遅れて大物が出現することもあります。

みなさんもご存知のように、昨年暮れの朝日杯フーチュリティS、ホープフルSともにハイレベルでした。その上でシンザン記念でもコントレイル、サリオスに匹敵する、もしくはそれ以上の大物が誕生するのか? 特にコントレイルは、東京スポーツ杯2歳Sで古馬通用レベルの指数をマークしているだけに、それを上回る大物となると決して簡単なことではありません。しかし、なかなかの素質馬が揃ったことも事実です。

また、この時期の3歳重賞も成長合戦で、レベルの高いレースほど前走で敗因なく、あまりに負け過ぎている馬は巻き返せません。それだけに近走の勢いを示すPP指数の「能力値」は重要。ただし、昨年の朝日杯フーチュリティSは逃げ、は先行馬に厳しい流れ。つまり、タガノビューティーの前走4着時の0.6秒差(4着)時の指数は展開に恵まれたものです。

同馬の前走は、初芝でのパフォーマンスとしては褒められますし、ダートのプラタナス賞を断然の末脚「34秒8」て完勝した点も褒められます。しかし、展開に恵まれて好走した馬、特に差し馬というのは、前走からの大きな上積みが期待できません。それだけに正攻法の競馬で順当な上昇を見せている馬を本命視するのが上策でしょう。

また、新馬戦をあまりに高い指数で圧勝した馬も、先週の福寿草特別で1番人気に支持されたレッドフラヴィアのようにドボンする場合もあります。もちろん、順当に勝ち上がる場合も少なくないのですが、デビュー戦からその馬の素質を上回るような消耗度の高いレースを差せた場合には、ダメージが出て取りこぼす場合もあります。さて、ルーツドールは、レッドフラヴィアなのか? 大物なのか? このジャッジメントもこのレースの大きなポイントになるでしょう。

最後にシンザン記念の展開。このレースの舞台、京都芝外回り1600mは、スタートしてから最初の3コーナーまで約712mも距離があります。しかし、前半2F目を過ぎてから徐々に坂を上って行くため、逃げ、先行馬が序盤で行き切っても坂で減速する形。騎手が坂を目標に動いて行くため、平均ペースになりやすいのが特徴。

しかし、古馬の上級条件は平均ペースでも下級条件や3歳戦だと、速く動き過ぎることもあるため、ややハイペースになることもあります。また、騎手の意識としても、3歳になると逃げ馬をある程度行かせる意識が働くのも要因でしょう。今年はダートの逃げ馬ディモールトがどうでるかはわかりませんが、逃げ馬コルテジアを始め、前に行きたい馬がそれなりに揃った一戦。平均ペースかそれよりもやや速くなることも視野に入れて、予想を組み立てたいです。

2020年 中山金杯・京都金杯

●中山金杯

中山金杯が行われる中山芝2000mの舞台は、3コーナーの出口付近からスタートして、ゴール前の急坂を2度も超えるトリッキーなコース。最初の1コーナーまでの距離が405mと十分に距離があり、そこで競り合いが生じると、ペースが上が上がります。また、最初のコーナーまでの距離が長いと、テンの遅い逃げ馬でもハナを主張することが可能なため、2014年のドリームヒーローのように、前半からぶっ飛ばせばハイペースになることもあります。ただし、前半で坂を上るコースのため、極端にはペースが上がらないのが特徴。

今回で逃げるのは、内枠を利してブラックスピネルが濃厚。前走のチャレンジCは逃げを嫌うスミヨン騎手ということもあり、音無氏の支持を無視して逃げませんでしたが、今回は津村騎手。さすがに支持どおりに乗る可能性が高いと見ています。トリオンフは前走のチャレンジCでは逃げましたが、逃げに拘るタイプでもないので、外からタニノフランケルやイレイションが競って来れば、控える可能性が高いでしょう。

タニノフランケルやイレイションがブラックスピネルに競り掛ければ、ハイペースになる可能性が高いですが、それでも強い先行馬ならば、十分に押し切れるレベルのはず。逆に競らなければ平均ペースの範囲内で収まり、ほぼ実力どおりに決まる可能性が高いでしょう。

今回1番人気はクレッシェンドラヴですが、指数上は既に重賞2勝を挙げ、能力値1位のトリオンフが主役。この馬ならば快速馬マルターズアポジーが逃げた一昨年の鳴尾記念でも、先行策で2着に粘っているように、多少ハイペースでも通用するでしょう。ただし、今回はトップハンデ58Kgに加えて、長期休養明け2戦目。休養明け2戦目馬はスムーズに上昇する場合もありますが、二走ボケを起こす場合もあります。これをどう読むかが馬券のポイントでしょう。

●京都金杯

昨年11月の京都開催をCコースで終了して、今週はAコースを使用。一昨年の京都金杯当日は、前年の11月の京都開催が雨に祟られたこともあり、例年よりも時計を要していました。昨年も11月の京都開催が時計を要していただけに、今年もそうなる可能性が高いでしょう。

また、京都金杯が行われる京都外回りの芝1600mの舞台は、2コーナー奥のポケット地点がスタート。最初の3コーナーまで約712mも距離があります。逃げ、先行タイプは、隊列形成のため、最初のコーナーまで息が入れられないことが多いので、本来は最初のコーナーまでの距離が長いほど、ペースが上がりやすくなります。安田記念が行われる東京芝1600mの前半ペースが速いことが多いのは、最初のコーナーまで距離が通常よりも長い上に、前半で坂を下るコースだからです。

しかし、京都芝外回り1600mは、前半2F目を過ぎてから徐々に坂を上って行くため、逃げ、先行馬が序盤で行き切っても坂で減速する形。坂の影響によって、前半のペースが速くも遅くもないところで収まることが多いために、後半ペースも速くも遅くもないところで収まるのです。実際に過去10年の中山金杯のペースを平均してみたところ、前半4F46秒8、後半4F46秒6とほぼ前半、後半のペース差がありませんでした。(これはマイルCSも同じ傾向)

京都金杯は理想的なほど平均ペースで流れることで、どのポジションからでも能力を出し切ることが可能となっています。2011年のシルポートや、2015年のウインフルブルームのように逃げ馬が勝つこともあれば、2014年のエキストラエンドや、2018年のブラックムーンのように追い込み馬があるのは、そのせいでしょう。ただし、前記したように、一昨年は例年よりも時計を要していました。

今回はマイル戦でもマルターズアポジーの逃げが濃厚。モズダディーはボンネルヴィーソなどが競り掛けて来た前々走の紅葉Sでは控えたように、外枠の今回も控える可能性が高いでしょう。メイショウショウブもスタートが雑な池添騎手だけに、前々走のローズSのように行かないでしょう。あとは前に行ってこそのボンセルヴィーソがどこまでマルターズアポジーに競り掛けて行くか?

マルターズアポジーが本気で逃げた場合には、ややハイペースになる可能性もありますが、それでも京都外回り芝1600mで標準馬場を想定しても、極端なハイペースになることはないはず。ハンデを加味した上で、その前提で馬券を組み立てたいです。

2019年 東京大賞典

地方競馬もクライマックス。いよいよ年の瀬恒例の一年の総決算、東京大賞典が行われます。ダートの王道路線は、秋は10月のJBCクラシックから始まり、続いてチャンピオンズC、そして最終戦がこのレースとなります。例年、JBCクラシックやチャンピオンズCの上位馬が集うため、年によってはチャンピオンズC以上のハイレベルな戦いになることも少なくありません。

本来は、秋のG1戦ではもっとも賞金が高い中央のチャンピオンズCを大目標とし、東京大賞典は消化レースでもいいはずですが、東京大賞典のほうがハイレベルになることがある理由は大きく2つ。有終の美を飾りたがる日本人の国民性と、東京大賞典がもっとも実力どおりに決まると言われているチャンピオンディスタンス(大井外回り2000mは、コースの癖も少ない)で行われることです。

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2019年 ホープフルステークス

有馬記念の感動(?)が冷めやらぬ中で、間髪を入れずに行われるホープフルS。このレースは、5年前にラジオNIKKEI杯2歳Sを引き継ぐ形でG2に昇格し、さらに3年前にG1レースにステップアップ。朝日杯フューチュリティSが短距離~マイル路線の2歳チャンピオン決定戦とするならば、こちらはマイル~中距離路線の2歳チャンピオン決定戦。それだけに成長力が重要ポイントとなります。

実際にホープフルSがG2に昇級してからの過去5年は、前走で連対していた馬ばかりが、1~3着を独占しています。近走で凡退が続いて成長力にやや疑問符がつく成績の馬が苦戦しているのは、朝日杯フューチュリティSと同じ。つまり、高い能力を持ち、近走成績も良い勢いのある馬を狙うのが基本。前走で大敗しているような馬は、致命的な敗因がない限り、巻き返すのは厳しいでしょう。

一方、レベルが高い2歳戦ほど、デビュー2戦目で相手が強い重賞レースを使い、そこで好走した馬は苦戦している傾向があるのも事実。今年の朝日杯フーチュリティSでも、デビュー2戦目でデイリー杯2歳Sを制したレッドベルジュールが、10着大敗を喫しました。

また、阪神ジュベナイルFでも、デビュー2戦目でアルテミスSを制したリアアメリアが1番人気を裏切り、見せ場のない6着に敗れています。キャリアの浅い時点で、強豪にぶつけて無理に走らせてしまうと、成長力を欠く傾向があるからです。

確かに、デビュー2戦目のサウジアラビアRCで強烈な末脚を見せつけたサリオスは、朝日杯フューチュリティSでさらなる強さを見せ、2歳マイル王となりました。遡ればデビュー2戦目で淀みないペースで流れたサウジアラビアRCを先行策から押し切ったダノンプレミアムも、朝日杯フューチュリティSでも強さを見せつけることができました。

これはサウジアラビアRCでの走りがサリオスやダノンプレミアムにとっては、全く負担になっていなかったということ。それほどの素質馬だからこそ、朝日杯フーチュリティSでも通用したのです。しかし、そのような馬は稀。デビュー2戦目で重賞を使って、大幅に指数を跳ね上げたような馬を狙い続ければ、馬券で大損します。

さて、今回で1番人気に支持されている、デビュー2戦目で東京スポーツ杯2歳Sを制したコントレイルは、稀な素質馬なのか? この馬も東京スポーツ杯2歳Sでは、前記2頭同様にレコードタイムで優勝しています。それも2着馬に2馬身半差、3着馬に5馬身半差突き放す圧勝でした。このコントレイルの取り扱いか、馬券の最重要ポイントとなるでしょう。