2020年 兵庫CSの予想

ゴールデンウィークに3日間連続で行われる、ダートグレード第3弾は、 JpnⅡ・兵庫チャンピオンシップ。このレースは、昨年の兵庫ジュニアグランプリ以来、地方馬と中央馬が激突する3歳最初のダートグレードです。将来の古馬重賞ウイナーと、生涯1勝クラス(旧500万下)の馬が競うレースのため、能力差が大きく、過去10年中8度も1~3番人気馬が連対しているのがポイント。また、過去10年で1~3番人気馬が3着以内を独占したことが3度もあります。

当然、地方馬は不振で、中央馬の独壇場。2011年に唯一、高知のホクセツサンデーが連対していますが、この年は、東日本大震災の影響で、このレースの前哨戦としての意味合いを持つ伏流Sが開催中止。確かにこの年は高知がややレベルが高かったものの、ヒアシンスSの勝ち馬など、有力馬がぶっつけ本番で挑むことになった背景もありました。関西圏のこのレースは、強豪の南関東勢が滅多に出走してこないこともあり、中央馬が断然有利のレースと考えてもいいでしょう。

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※船橋11Rの東京湾Cの予想も登録予定です♪

2020年 かしわ記念の予想

ゴールデンウィークに3日間連続で行われる、ダートグレード第2弾は、G1・かしわ記念。このレースは、上半期の大一番・帝王賞のステップレースですが、さすがG1だけあって、G1ウイナーが多く参戦します。また、距離1600mの条件設定ということもあり、JRAから参戦してくる大半は、前走でフェブラリーSに出走していた馬。度々、休養明けの実績馬が出走してくることもありますが、スタミナが必要とされるダート戦らしく、それらは苦戦の傾向です。

実際に過去10年の連対馬20頭全てが、同年のフェブラリーS以降のレースに出走していた馬でした。

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2020年 かきつばた記念の予想

ゴールデンウィークに3日間連続で行われる、ダートグレード第1弾は、3年前より装いを新たに、ハンデ戦に生まれ変わり、JRAの出走枠も1枠増えて5頭が出走可能となった、かきつばた記念。しかし、ハンデ戦となったことで、トップスプリンターが参戦しなくなったのも事実。今後もそのような傾向が予想されます。

しかし、大きく変わらないのは、名古屋は地方競馬でも随一の小回りコースであり、逃げ馬が圧倒的に有利であること。実際に過去10年の逃げ馬(3コーナー先頭)の成績は……。

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2020年 天皇賞(春)

昨年の天皇賞(春)で3着馬を6馬身引き離し、昨年の香港ヴァーズの覇者グローリーヴェイズとのマッチレースを演じたフィエールマンが1番人気に支持されています。しかし、フィエールマンは中間アクシデントがあって、昨年のようにAJCCが使えず、有馬記念からぶっつけ本番とローテーションが狂いました。

確かにフィエールマンは追い切りでは動いていましたが、天皇賞(春)は距離3200mと長く、スタミナが必要な舞台。年明けにレースを使わずに天皇賞馬となった馬は1986年以降、皆無です。3着以内に来た馬も、1997年のサクラローレル(2着)しかいません。

近年、育成技術がいくら目覚ましく進化しても、実戦に勝るものはなく、特にスタミナは育成や調教では補えないものというのが私の認識。少なくとも昨年よりもパフォーマンスを落とす可能性が高いでしょう。それならば他馬にも十分に付け入る隙があります。当然、波乱要素が満載でしょう。

また、一昨年のジャパンCをレコード決着へと導き、アーモンドアイの2着と好走したキセキは、どんどん出遅れが悪化し、ヤバいレベルになってきていますが、大丈夫か? 出遅れ癖のある馬がゲート試験で受かっても、実戦では出遅れてしまうように、今回のキセキもいくらスタートの上手い武豊騎手を配したとて、少しはマシになる程度で、出遅れる可能性が高いと見ています。この出遅れ癖は、マイナス要素でしかないでしょう。

それでも長丁場なら2015年のゴールドシップのように、マクリ気味に上がって、3コーナーでは3番手といい位置を取り切れれば上位争いも可能です。しかし、2012年のオルフェ―ヴルのように、3コーナーまでにポジション取れなければ、同馬のようにドボンの二の舞になる危険性もあるでしょう。

超高速馬場の京都外回り・芝3200mが舞台の天皇賞(春)は、3コーナーの下り坂からペースアップしていくことがほとんど。ここで前記のオルフェーヴルのように後方(同馬は17番手)だと、前を捕らえきれません。前も3コーナーまでに脚をタメているので、容易にバテないからです。

一昨年はヤマカツライデンがテレビ馬の如く、大逃げをぶちかましたために、前が潰れてレインボーラインの差しが決まりました。しかし、それは稀なパターンです。しかも今年は逃げ馬不在で、ハナを主張するのは、ダンビュライトかというメンバー構成。3コーナーまでにペースが上がらず、3コーナーの位置が明暗を分けると見るのが順当です。

実際に過去10年の天皇賞(春)の脚質を分析すると、3コーナー11番手のいわゆる差しで優勝したのは、2018年のレインボーラインのみ。他は3コーナー7番手以内でした。2011年にウインバリアシオンが3コーナー14番手から動いて、勝ち馬フェノーメノとの接戦の2着に持ち込んでいますが、勝つことも意識するのであれば、やはりある程度、前を意識して動いて行ける馬でないと厳しいでしょう。実力もあって、3コーナーで7番手以内の馬を本命馬とし、波乱、大波乱に期待したいです。

2020年 青葉賞

青葉賞は、みなさんもご存知のダービートライアル。このレースは皐月賞から中1週で行われるため、皐月賞組の参戦はほどんどありません。このためレベルが低い年もありますが、遡ればゼンノロブロイやシンボリクリスエスのように、遅れてデビュー&年明けに休養から復帰した大物が出現することもあります。

2011年の優勝馬ウインバリアシオンや2012年の優勝馬フェノーメノは、次走のダービーで2着。2013年の2着馬アポロソニック、2014年の6着馬マイネルフロスト、2017年の優勝馬アドミラブルが次走のダービーで3着と好走しています。今年は皐月賞のレベルが高く、このレース自体が敗者復活戦のようなメンバー構成になりましたが、キャリアの浅い馬の成長次第では、ノーチャンスではないでしょう。

また、このレースはは大半の馬が初距離となるトライアルレースということもあり、スローペース、それもかなりのスローペースが基本。時期的に超高速馬場~高速馬場で行われることが多いこともあり、先行馬か、メンバー最速クラスで上がってこられる馬が馬券の対象となっています。

ただし、さすがに牡馬のレースだけあって、仕掛けのポイントが早くなることが多いのもポイント。ラスト4F目から11秒台の脚が求められることも少なくなく、2016年はラスト7F目から11秒台が連発したほどです。

つまり、このレースはトップスピードの持久力、長距離適性が必要であるということ。過去10年の連対馬20頭中、18頭が前走芝2000m組なのもそのせいでしょう。残る2頭は前走芝1800m組( スプリングS凡退馬)ですが、それらにはもともと芝2000mで勝利した実績がありました。

また、よく穴を開ける馬は、2014年に10番人気で優勝したショウナンラグーンや2012年に10番人気で連対したエタンダールのように、前走芝2200m以上の1勝クラスの3着以内馬で、昨年も前走芝2200mの大寒桜賞を勝利していたリオンリオンが5番人気で逃げ切り勝ちを決めています。これらのことを踏まえて、予想を組み立てたいです。

2020年 フローラS・マイラーズC

●フローラS

フローラSは、みなさんもご存知のオークストライアル。このレースは桜花賞から中1週で行われるため、桜花賞組の参戦はほどんどありません。このためレベルが低い年もありますが、3年前の優勝馬モズカッチャン(次走オークス・2着)のように、遅れてデビューした大物が出現することもあります。

2016年のオークス2着馬チェッキーノも、2013年オークス3着馬デニムアンドルビーも、2010年に史上初のオークス同着を決めたサンテミリオンも、このレースの優勝馬です。今年の桜花賞はレベルが高かったものの道悪で消耗度が高く、上位馬は次走・オークスで余力を残しづらいレースとなっただけに、前記の馬たちのようなキャリア4戦以内の連続連対馬が勝てば、本番に繋がる可能性もあるでしょう。

また、フローラSのペース傾向は、いたってワンパターン。天皇賞(秋)と同じストレートが長い東京芝2000m戦は、本来、緩みないペースが発生しがちですが、フローラSはまだ体力のない3歳牝馬同士の対決。しばしばスローペースが発生し、前からの押し切りが決まっています。実際に過去10年を見ても、良馬場(高速馬場)で行われた年でハイペースになったことは一度もありません。(緩みの少ない流れとなった2016年度は良馬場発表も、午前中に雨の影響あり)

また、過去10年で1番人気を裏切った馬の5頭中4頭は、4コーナー9番手以下だった馬。該当馬は2017年ホウオウパヒューム、2016年ビッシュ、2014年マジックタイム、2011年ダンスファンタジア(ただし、この時は道悪で消耗戦)で、遡れば2009年ミクロコスモスもそうです。

もちろん、良馬場でも3コーナー9番手以下らかでも届く場合もありますが、その場合は2014年のサングレアルや昨年のヴィクトーリアのように内枠を利して終始内々でロスなくレースを運び、4コーナーで外目に持ち出すような乗り方でないと勝ち負けするのは容易ではないでしょう。確かに、一昨年のこのレースでは、サトノワルキューレの大外一気が決まりましたが、よほどの瞬発力の持ち主でないと厳しいものがあります。

今年の東京芝コースは例年ほどの超高速馬場ではありませんが、千両賞を逃げ切り勝ちしシャンドフルールが内枠を利しての逃げ。これに外からセントポーリア賞で2番手から勝利したショウナンハレルヤが内に切り込みながら、ここも2番手を狙って来るかというメンバー構成。ウインマリリンやスカイグルーヴなどの先行馬も出走しており、ある程度はレースが流れる可能性が高いですか、それでも平均ペースくらいで収まる公算大。そこを考えると、やはりある程度は前の位置を取れる馬を本命にするのがベストで、前か後ろかを問われれば、やはり前に行ける脚のある馬が優勢でしょう。

●マイラーズC

安田記念のステップレースの位置付けとなるマイラーズC。このレースは4月の阪神最終週から、4月の京都開幕週に舞台を移して、今年で9年目。しかし、京都に移してから、このレースの優勝馬で安田記念を制した馬は皆無。昨年のインティチャンプは、このレースをステップに安田記念を優勝していますが、同馬はこのレースで4着に敗れており、また、一昨年の2着馬モズアスコットも、マイラーズC・2着後に、オープンの安土城Sを叩いての安田記念終出走でした。

これは、なぜか? 良馬場ならば走破タイム1分32秒台は当然、1分31秒台でも平気で出るほどの超高速馬場で、スピードばかりが求められるからでしょう。前哨戦は無理をさせないことも大切ですが、「負荷」も求められます。つまり、心肺機能(スタミナ)の強化です。しかし、マイラーズCではスタミナを補えないのだから、本気で安田記念を勝ちたいのであれば、ここをステップにして勝ち負けするのはタブーでしょう。

それだけスピードが問われるレースだからこそ、コーナーロスは致命的。3年前のイスラボニータとエアスピネルの勝敗を分けたのも、終始インにこだわて騎乗したイスラボニータ&ルメール騎手と、外から来られて外に出しながらの競馬になったエアスピネル&武豊騎手の差。また、一昨年のこのレースを制したサングレイザーは、終始中団の内々でレースを進めて、直線で外に持ち出した福永騎手の完璧騎乗によるものでもありました。

今年の京都芝コースは、前開催が異常に時計を要していたこともあり、例年のような超高速馬場ではありません。京都芝1600mは最初の3コーナーまでの距離が715mと長く、逃げ、先行馬が集うとある程度ペースが上がりますが、今回の実績馬は前走で差し、追い込み競馬をした馬ばかり。逃げ、先行馬が手薄なだけにスローペースが濃厚でしょう。

また、今回で一番の実績馬は昨年の春秋のマイルG1を制したインディチャンプですが、昨春のこのレースや、昨春の毎日王冠のように、叩き台に徹してくるのか? いかにも叩き台の仕上げではありますが…同馬がぶっ飛ぶとなるといくらでも波乱の可能性がありそうです。

2020年 福島牝馬ステークス

福島牝馬Sはローカルで行われることもあり、注目度こそ高くないものの、阪神牝馬Sと並ぶヴィクトリアマイルのステップレース。阪神牝馬Sと比べるとレースの格が落ちる上に、こちらは愛知杯や中山牝馬S組などの中距離路線組が集うことが多く、超高速馬場でスプリント色も問われることが多い本番ヴィクトリアマイルにはあまり繋がっていません。

それでも過去に福島牝馬Sの2着馬デンコウアンジュ(11番人気)や5着馬ミナレット(18番人気)が、本番ヴィクトリアマイルで2着、3着と好走し、超高配当を演出しました。今年も福島牝馬Sから、本番でアドバルーンを打ち上げる馬が現れるのか? 穴馬発掘という意味でとても楽しみな一戦です。

また、阪神牝馬Sはヴィクトリマイルの前哨戦らしくスロー~平均ペースよりになりやすいのに対して、こちらは平均~ハイペースになりやすいのが特徴。これはカワキタエンカのような決め手よりも持久力を生かして逃げ、先行したい馬が時計の掛かる馬場を求めて多く出走してくるもの理由ですが、福島芝1800mのコース形態も影響しているはず。

福島芝1800mは、最初の1コーナーまでの距離が約305mとローカル競馬場ではもっとも長い上に、1コーナー手前から下り坂。このため逃げ、先行馬が集うと、前半ペースが上がります。標準馬場でも前半3F34秒台と極端にペースが速くなる場合があります。

福島芝1800mは、最初の1コーナーまでの距離が約305mとローカル競馬場の芝1800m戦としてはもとも長く、そのうえ福島芝コースは最後の直線が292m(Bコース使用時は、297.5m)と短いので、前がよほどバテないと直線一気が決まりません。このため後続馬も早仕掛けしてくるので、牝馬限定戦ながらハイペースになりやすく、総体的に逃げ馬よりも差し馬が有利の傾向です。

今年もモルフェオルフェを始めとする逃げ馬が揃った一戦。しかも、同馬は外枠でハーレムライン、ショウナンバビアナ辺りが続いて、内からアロハリリーやサラキアなどが抵抗して行くでしょうから、道悪の先週から馬場が回復しても、速い流れが濃厚。差し馬中心で予想を組み立てたいです。

2020年 アンタレスS・皐月賞

●アンタレスS

アンタレスSは、上半期の大一番・帝王賞に向けての出発点となるレース。2012年度よりマイラーズCと入れ替わる形で京都で行われるようになり、これまでにゴルトブリッツ、ホッコータルマエ、アウォーディーなどがこのレースを制して、同年の帝王賞た同年のG1を制しました。つまり、新星が誕生することがとても多いレースです。

このレースが行われる阪神ダ1800mは、最初の1コーナーまでの距離は約303m。スタートしてすぐにコーナーがあるので最短距離と立ち回れる内枠の馬が有利(揉まれ弱い馬にとっては、各馬が最序盤から内に切り込んでくるのでハナに行き切らないと不利)。最初の1コーナーまでの距離が約286mと短い、京都ダ1800m(代表レース:みやこS)と類似したコースとなっています。

みやこSといえば、昨年、大外枠のインティがハナに行けずに外を回った上に、無理に前に競り掛けてオーバーペースが発生。大敗したことが記憶に新しいです。それだけに今回、ハナへ行きたいメイショウワザシが大外枠に入ったことが、乱ペース発生の不安の種となるかもしれません。

しかし、この時期の阪神ダートは雨の影響でダートが軽いことが多く、多少のハイペースでも逃げ、先行馬が残れていることがポイント。2015年にはクリノスターオーとアジアンエクスプレスの行った、行ったが決まったこともありました。本日も不良馬場からの馬場回復で高速ダートが予想されるだけに、今年も前と内を主体に馬券を組み立てたいです。

●皐月賞

かつては皐月賞トライアルの弥生賞やスプリングSで勝ち負けして、皐月賞馬となるのが主流でした。ナリタブライアン、ディープインパクト、オールフェーヴルなどの3冠馬は、全て弥生賞かスプリングSの覇者です。しかし、近年は共同通信杯を始めとする別路線組の活躍が目立ちます。

これはなぜか? ひとつの理由は皐月賞トライアルのレベル(決着指数が低い)こと、もうひとつの理由は、皐月賞トライアルを休養明けで勝ち負けしていることです。2017年、2019年は弥生賞、スプリングSのレベルが低く、別路線組が優勝したパターン。2015年は弥生賞のレベルがそれなりに高かったものの、優勝馬のサトノクラウンは休養明けでの激走となったために、皐月賞では二走ボケを起こしました。

これを今年に当てはめると、弥生賞馬のサトノフラッグは、サトノクラウンに該当しないか(?)ということです。サトノフラッグは弥生賞馬でホープフルSの3着、5着馬を降し、クラシック戦線の3強の一角として一気に名乗りを挙げましたが、裏を返せばそれだけハードなレースをしているということ。二走ボケを起こしても不思議ではありません。

一方、1コーナーまでの距離が405mと十分あり、ゴール前の急坂を2度も超える中山芝2000mで行われる皐月賞は、最短距離を立ち回った馬が断然有利の日本ダービーよりもフロックが利かず、強い馬が勝ち負けするコース。(極端なスローペースが発生しづらいらめ) 一般的なレース以上に、強さの裏付けがなければ、勝ち負けするのが難しいコースです。それだけに強さにローテーションの予想を加味しながら、予想を組み立てたいレースです。

2020年 アーリントンカップ

かつてオグリキャップが中央馬を相手に初勝利を飾ったことで有名なペガサスS。その後、アーリントンパークとの交換競走となり、名称が「アーリントンC」に変更。一昨年より2月から4月に移行し、NHKマイルCのトライアルレースに位置付けられました。

しかし、このレースは2月に行われていた頃よりも、NHKマイルCやクラシックに繋がらなくなくなりました。3月に行われていた頃は、2014年のミッキーアイルのような連勝馬、素質馬が通過点として出走してくることが多かったですが、この時期に移行してからは、ニュージ―ランドTや桜花賞から中1週で行われるため、トップクラスのマイラーが集まりづらいからでしょう。

今年も重賞ではやや足りなかった馬VS上がり馬の図式。朝日杯フューチュリティSの上位馬が上位人気に支持されていますが、同レースではビアンフェがオーバーペースで逃げたことで展開に恵まれ、上位着順を拾ったもの。それはグランレイのその後の成績を見れば一目瞭然で、決して実力断然の存在ではありません。それだけに他馬にも付け入る隙がありそうです。

また、このレースが行われる阪神芝1600mは、先週の桜花賞の傾向でもお伝えしたように、最初の3コーナーまでのストレートが約444mと長く、逃げ馬の出方次第では、スローペースにもハイペースにもなります。桜花賞は雨の影響で馬場悪化が著しい上に、スマイルカナが内から先手を主張したところ、外からレシステンシアが2番手に上がって競り掛けたことで、前が厳しい展開となりました。

しかし、今回は逃げると指数を上昇させるノルカソルカが最内枠に入ったことで、同馬の逃げが濃厚。これに外枠のロードベイリーフがどこまで競り掛けて行くですが、この2頭はどもに1勝馬。行き切って押し切れるだけの実力の裏付けがないので、平均ペースかやや速いくらいで収まると見ています。実際にこのレースは、逃げ、先行馬が手薄になることが多く、過去10年ともスローペース~平均ペースで決着しています。(ただし、全て良馬場)

配当妙味がある馬は、ある程度、前の位置を狙って行ける馬。昨年はイベイス本命で、バッチリ万馬券を当てたレースでもあるので、今年もどうにか当てたいレースですが、イベリスほど前走で厳しいレースをしている馬がいない(=ここが大目標の馬がいない)ことがネックかなあ?

2020年 桜花賞

桜花賞はこれまで数々の1番人気馬が人気を裏切ってきました。2012年・ジョワードヴィーブル→6着、2013年・クロフネサプライズ→4着、2015年・ルージュバック→9着、2016年・メジャーエンブレム→4着、2017年・ソウルスターリング→3着、2018年・ラッキーライラック→2着。2019年・ダノンファンタジー→4着など。それもルージュバック、メジャーエンブレム、ソウルスターリン、ラッキーライラックは、単勝オッズ1.0倍台の断然人気馬です。

これらの共通項はというと、メジャーエンブレムを除いて、休養明けで前走の重賞を好走した馬たち。特に、前走で重賞を制した1番人気馬の桜花賞でのぶっ飛び率は、半端なものではものではありません。2015年は前走・休養明けできさらぎ賞を制したルージュバックと前走・休養明けでチューリップ賞を制したココロノアイ(2番人気)が10着に敗れて大波乱。

過去10年で休養明けでチューリップ賞を制して桜花賞馬となったのは2014年の1番人気馬ハープスターのみですが、同馬はそれまでのキャリアが4戦と浅い馬。桜花賞では指数を上昇させての優勝でした。(過去10年で休養明けで重賞を勝って、桜花賞馬となったのはハープスターだけ) 

確かに成長途上のキャリアの浅い段階でチューリップ賞を制した馬ならば、桜花賞を成長力で突破する場合がありますが、名馬でも休養明けで走り過ぎれば二走ボケを起こすことを証明しています。他に2010年に1番人気でアパパネが優勝していますが、同馬は前年の阪神ジュベナイルfの覇者でありながら、前走のチューリップ賞では、2着に敗れています。さて、今回で二走ボケを起こす馬はどの馬か?

また、桜花賞が行われる阪神マイルは、昨日の阪神牝馬Sの傾向でもお伝えしたように、最初の3コーナーまでのストレートが約444mと長く、逃げ馬の出方次第では、スローペースにもハイペースにもなります。昨日の阪神牝馬Sは、先行馬揃いではありましたが、逃げ馬はトロワゼトワルのみで、鞍上がハイペースを嫌う騎手だったこともあり、平均ペースで収まりました。

今回の桜花賞は、逃げ馬がスマイルカナ、レシステンシアの2頭。スマイルカナは馬群に入れた赤松賞、チューリップ賞が凡退の一方で、ハナへ行った場合は3戦3勝。特に緩みないペースで逃げたフェアリーSがしぶとく粘って優勝したこともあり、同馬は逃げ宣言。スマイルカナがハナへ行く気になれば、外枠のレスステンシアは逃げられないでしょう。

レシステンシアは折り合っても問題のない馬ですが、その場合はファンタジーS勝ちや前走のチューリップ賞3着の実績が示すようにトップクラスの一頭のパフォーマンスでしか走れない馬。一方、阪神ジュベナイルFでは圧勝しているように、玉砕逃げを打てばえげつなく強いです。それだけにスマイルカナに競って行く可能性が高く、馬場が悪化するほどハイペースになる可能性が高いでしょう。

レシステンシアが自分の型に嵌めなかった場合には、ほぼ横一線という力関係だけに荒れる要素は満載ですが、ハイペースが想定される以上、展開上有利なのは差し、追い込み馬。穴狙いをするのであれば、それらを本命にするのがもっとも有効と言えます。