2019年 マイルチャンピオンシップ

マイルCSは実力どおりに決まることが多いレース。1984年のレース創設から11年連続で1番人気が連対し、そのうち10回が枠連、馬連で10倍以下の低配当。さらに9回が5倍を切る超低配当だったことから、「日本一堅いG1」と言われていた時期がありました。その頃は、ニホンピロウイナーやニッポーテイオーなど、絶対王者が存在していたことも低配当に拍車を掛けた理由ですが、コース形態も大いに関係しています。

マイルCSが行われる京都芝外回り1600mの舞台は、2コーナー奥のポケット地点がスタート。最初の3コーナーまで約712mも距離があります。逃げ、先行タイプは、隊列形成のため、最初のコーナーまで息が入れられないことが多いので、本来は最初のコーナーまでの距離が長いほど、ペースが上がりやすくなります。東京芝1600mで行われる安田記念の前半ペースが速いことが多いのは、最初のコーナーまで距離が通常よりも長い上に、前半で坂を下るコースだからです。

しかし、京都芝外回り1600mは、前半2F目を過ぎてから徐々に坂を上って行くため、逃げ、先行馬が序盤で行き切っても坂で減速する形。坂の影響によって、前半のペースが速くも遅くもないところで収まることが多いために、後半ペースも速くも遅くもないところで収まるのです。実際に過去10年のマイルCSのペースを平均してみたところ、前半4F46秒5、後半4F46秒4とほとんど前半、後半のペース差がありませんでした。

マイルCSは理想的なほど平均ペースで流れることで、どのポジションからでも能力を出し切ることが可能となっています。3年前のミッキーアイルのような逃げ馬が勝つこともあれば、一昨年のペルシアンナイトのように、追い込み馬が勝つこともあるのは、そのせいでしょう。

今年は逃げ候補がグランチャーレ、マイスタイルで何が何でも逃げたい馬が不在。場合によってはダノンプレミアムが逃げる可能性もあり、スローペースが濃厚ですが、それでも良馬場で前半4F47秒台後半以上というほどのスローペースにもならないでしょう。つまり、展開から穴馬を探すのは難しいということ。

しかし、今年は実力馬が休養明け及び前哨戦で走っている馬が多く、当初からここを目標にしている馬が少ないということ。今年はここからアプローチすれば、案外と高配当が取れるかもしれません。ただし、マイルCSは実力がなければ勝てないレースであることもお忘れなく!!

2019年 東京スポーツ杯2歳S

東京スポーツ杯2歳Sと言えば、2歳戦屈指の出世レースとして名高いレース。過去10年でもワグネリアン、サトノクラウン、イスラボニータ、ディープブリランテ、サダムパテック、ローズキングダムが、このレースも勝って後のG1レースも制しました。

しかし、今年は……? 2014年度に2歳重賞が増設(乱立?)され、勢力が分散した影響もあるにせよ、出走馬が小粒。重賞ウイナー不在でオープンの勝ち馬もラインスペック1頭のみです。ここまでメンバー質が低いのは、2007年以来でしょう。

2007年もオープン勝ち馬がスズジュピター1頭のみで同馬は2着。優勝したのは9番人気の1戦1勝馬フサイチアソートで、同馬は平地で3勝目が挙げられないまま引退しました。今年もここでよほどの成長力が見せられないと、出世レースとはならない可能性もあるでしょう。

また、東京スポーツ杯2歳Sが行われる東京芝1800mは、1コーナーと2コーナーの間からスタートして、すぐに緩やかに2コーナーのカーブを曲がり、直線を向いてすぐに坂を上って行くコース。このため前半ペースが上がりづらいコース形態となっています。(ただし、2~3コーナーまでの距離が約750mもあるので、逃げたい馬が複数いた場合には、一昨年のように消耗戦になる場合もある)

基本的に4コーナーを過ぎたあたりからスパートする後半勝負になることが多く、スローペースの傾向。展開上は逃げ、先行馬が有利ですが、出世レースらしく、トップスピードが速い馬が勝ち負けしていることがほどんどです。ただし、今年に関しては、これまでのキャリアの中で抜群のトップスピードを見せた馬が不在なだけに、前に行ってしぶとさを生かす馬の一撃があっても不思議ないでしょう。

もちろん、そう思って予想しても実らないことも多いですが、3歳になると体力がついてきて、逃げ、先行馬が「もっと行かせてみようか?」になってくるので、2歳重賞だからこその前からの一撃がどこかで決まります。今年の2歳重賞はこのタイプがことごとく3着で連対圏内に突入できていませんが、案外とメンバー手薄のここで決まる可能性もありそうです。

2019年 福島記念・エリザベス女王杯

●福島記念

この時期は芝の中距離のハンデG3が少ないこともあり、福島記念は案外と好メンバーが集います。福島は東京や京都と比べると時計を要すこともあり、夏の北海道や福島で活躍した馬が力のいる馬場を求めて出走してくることもしばしば。過去5年の優勝馬を見てもミトラ、ヤマカツエース、ウインブライト、スティッフェリオなど、後のG2勝ち馬やG1でも通用している馬が多いです。今後を占う意味でも、注目の一戦でしょう。

また、福島記念は夏の七夕賞と同じ福島芝2000mが舞台。このコースは最初の1コーナーまでの距離が約505mと長く、更にテンから2度の坂を下るために、福島芝1800mよりも前半が速くなる傾向があります。最初の下り坂で競り合うと、必要以上にペースが上がることになるので、その結果、ハイペースとなり、差し、追い込み馬が台頭することもあります。

マルターズアポジーが逃げ切った3年前のように、逃げ馬が1コーナーまでに楽々とハナを奪えれば、スローペースになる場合もありますが、そのようなレースは稀。大半は逃げ馬や積極歴にレースを運びたい馬が出走しているので、福島記念はかなりの確率で平均ペースよりも速い流れになります。

今年も逃げ馬はリリックドラマのみ。ただし、この馬はマルターズアポジーのようにテンのスピードがないので、他先行馬に競られる危険性はあります。外枠のアロハリリーやウインイクシード、マイネルファンロンやステイフーリッシュと先行馬が案外と多いだけに、スローペースと見せかけて、平均ペースくらいまで上がりそう。場合によってはハイペースになる可能性も視野に入れて予想を組み立てたいです。

●エリザベス女王杯

エリザベス女王杯は、秋の牝馬の大一番。しかし、近年は牝馬の大型化と超高速馬場(高速馬場ほど、牡馬よりも斤量2kg減が生きる)により、牝馬の一線級は牡馬一線級と互角、あるいはそれ以上に戦えるようになったことで、エリザベス女王杯のメンバー質が低下しました。

特に近年はスローペース化で、過去3年とも中盤まで脚をタメて、3コーナーの下り坂でスピードに乗せての下がり勝負が目立っています。つまり、昨年、クロコスミアがハナ差2着に粘ったように、逃げ、先行馬が有利であるということ。差し切るにはリスグラシューのようにメンバー最速クラスで上がって来れる脚力がないと厳しいものがあります。

今年も逃げ馬がクロコスミアと、テンの遅いサラキアのみなので、スローペースになる可能性大。昨年のフロンティアクイーンのように内枠の差し馬は前が壁になったり、スムーズに進路を確保できない馬もいそうで不気味なほど。それだけになおさら、先行馬主体で馬券を組み立てたいです。

また、今回1番人気のラヴズオンリーユーは現状ではやや能力不足。今回で通用するには休養中の成長力が必要とされます。それだけに荒れる可能性が高いでしょう。

2019年 武蔵野S・デイリー杯2歳S

●武蔵野ステークス

武蔵野Sは先週のみやこS同様に、チャンピオンズCの前哨戦。しかし、中距離路線のトップクラスはG1・JBCクラシック、上がり馬はみやこSへ向かうことが多いのに対して、こちらは短距離路線馬が多く出走してきます。しかし、前走でマイル以上の距離を使われていた馬がここで活躍することが多く、それらが勝ち負けした場合には本番に繋がることもあります。(2013年のペルシャザールや2015年のノンコノユメなど)

また、武蔵野Sが行われる東京ダ1600mの舞台は、2コーナー奥の芝からスタートし、最初の3コーナーまで約640mとストレートが長いのが特徴。これによりテンの遅い馬でも3コーナーまでにハナを主張することが可能。つまり、逃げたい馬、積極的なレースをしたい馬が複数出走していれば、隊列形成が激しくなり、ハイペースになることがあります。

ノンコノユメがこのレースを制した2015年も短距離路線の逃げ馬セカンドテーブルに、ニシケンモノノフ、タガノトネールなどが競り掛けて前半4F46秒1のオーバーペースが発生したほど。逆に今年のフェブラリーSのように、逃げ馬がインティのみならば、前半4F48秒0のスローペースで流れて、逃げ、先行馬が楽に残れる場合もあります。

さて、今年はスローペースかハイペースか!? 良馬場ならば前半4F47秒台後半までペースを落とせれば、逃げ、先行馬優勢ですが…前半4F46秒台前半までペースを上げてしまうと、差し、追い込み馬が台頭するようなレースになるでしょう。

●デイリー杯2歳ステークス

2歳G2としては数が少ない伝統のデイリー杯2歳S。2014年より施行時期が10月から11月に繰り下げられ、朝日杯FSの前哨戦になったことやサウジアラビアRC創設や京都2歳Sの重賞格上げなど、2歳重賞が増えたことにより、かつてほど強豪が集わなくなりました。しかし、ホープフルSがG1昇格後は、中距離路線のトップクラスが同レースへ向かうこともあり、案外と本番には繋がっています。そういう意味では、要注目のレースでしょう。

また、デイリー杯2歳Sが行われる京都芝外1600mの舞台は、最初の3コーナーまでの距離が約716mと長いのが特徴。しかし、特に2歳馬のレースは、は3コーナーの坂を意識して前半のペースが上がらないのが特徴。2歳馬はまだ体力がついていないからです。このためか過去10年で逃げ馬が2勝、2着2回、3着1回と活躍しています。昨年もアドマイヤマーズとメイショウショウブの行った、行ったでした。差し馬はメンバー最速クラスで上がってこれる馬でないと厳しいでしょう。

2019年 メルボルンCの予想

日本人にとっては、規格外の24頭立てで行われるメルボルンC。このレースが行われるフレミントン競馬場は平坦コースで、直線1000mのレコードは、直線・芝1000mで55秒42m、芝1200mで1分07秒16で、芝1600mが1分33秒49という日本に近い高速馬場です。

コースは左周り・1周2312m。メルボルンCが行われる芝3200mのスタート地点は、直線1000mが行われる約手前にあるために、最初の1コーナーまで約900mもあります。このため1コーナーまでに隊列が形成されることが多く、超多頭数ながら、枠順による大きな有利不利はありません。

最後の直線も450mもあるので、先日のコックスプレートのリスグラシューのように、コーナーの外から位置を押し上げて行く必要もありません。(ムーニーバレー競馬場の最後の直線は137m) 脚質による大きな有利不利もないでしょう。

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2019年 JBCクラシックの予想

下半期の古馬ダート中距離路線の最初のG1「JBCクラシック」。このレースは過去10年で地方馬の3着以内は、2010年のフリーオーソのみという地方馬受難。中距離路線は中央と地方の実力差が大きく、中央のトップクラスと同等の実績がない限り、容易に狙えません。

同年のフェブラリーSの覇者の活躍が目立つレースながら、今年はインティが状態に自信が持てずに格下のみやこSに出走。また、無敗の日本テレビ盃の覇者、クリソベリルも浦和コースを嫌って回避。これにより地方馬の3着以内があるかもしれませんね。

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2019年 JBCスプリントの予想

古馬のダート、唯一のスプリント路線のG1レース「JBCスプリント」。今年も昨年同様に前走でスプリンターズSに出走していた馬も参戦しますが、例年は前哨戦の東京盃組やマイルCS南部杯組が集います。年によっては、JBCクラシックの出走が叶わずに、白山大賞典の優勝馬がここに出走してくる年もあるほど。本来は、前走で同距離、もしくは1F前後の距離を使われているほうが有利なはずですが、同年の白山大賞典やマイルCS南部杯の優勝馬の活躍が目立っています。スプリント路線よりも中距離路線のほうがレベルが高いからでしょう。

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2019年 JBCレディスクラシックの予想

2011年に創設されて今年で9年目となる「JBCレディスクラシック」は、今年は浦和が舞台。「この日、今まで見たことのない浦和になる」というキャッチフレーズどおり、見たことないほどの人で賑わうことでしょう。浦和になったことで、まさかのJBCスプリントと同距離1400mで行われることになります。もともと距離の長短を視野に入れたデータ作りはしていますが、本来であればスプリントに出走するはずのスプリント路線馬は警戒したほうがいいでしょう。

浦和1400mが舞台になったことで、前哨戦のレディスプレリュードを制したアンデスクイーンがクラシックに回り、3着馬のラビットランは昨日のみやこSに出走していましたね。これはさすがに浦和で行われることの弊害でしょう。何だか気の毒です(´;ω;`)ウッ…

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2019年 みやこS・アルゼンチン共和国杯

●みやこステークス

昨年はJBCが京都競馬場で開催されたため、ひっそりと行われなかったみやこS。このレースはチャンピオンズCの前哨戦で、休養明けの実績馬vs夏以降使われてきた上がり馬という対戦図式になることがほとんど。また、JBCと開催時期が重なっており、一線級の参戦が少ないことから、上がり馬、特に4歳馬の活躍が目立ちます。

また、このレースが行われる京都ダ1800mの舞台は、最初の1コーナーまでの距離が286mと短く、外枠の馬は最初のコーナーで外に張られることになるので、基本的には内枠有利です。2015年の7番人気で優勝した2番枠のロワジャルダンを始め、最内を立ち回った馬が上位争いをしています。

当然、物理的に最内を通せる逃げ馬も警戒が必要ではありますが、今年に関しては、リアンヴェリテ、インティ、更にはスマハマと逃げ馬や積極的なレースをしたい馬が集いました。さすがにここまで逃げると強力な馬が集うと、ペースが上がるでしょう。前半4F48秒前後までペースが上がっても不思議ないメンバー構成だけに、後半型の馬を中心に馬券を組み立てたいです。

また、本来は浦和のJBCクラシックでも良かったはずのフェブラリーSの覇者インティが、斤量59kgを背負ってまでここに出走してくる意味を考えると、より予想にまとまりが出るでしょう。予想のベテランの方なら、簡単に推測がついちゃいますね(^_-)-☆

●アルゼンチン共和国杯

アルゼンチン共和国杯が行われる東京芝2500mは、目黒記念と同じコース。目黒記念とアルゼンチン共和国杯しか行われないコースです。このコースは芝2400mのスタート地点を100m後方に延ばしたところがスタート。スタンド前直線の坂下からスタートし、すぐに上りとなるため2400mよりもテンは落ち着く傾向があります。

ただし、最初の1コーナーまでの距離は長いため、今年の目黒記念のように逃げ馬が多数出走していると、平均ペースよりも速くなります。逆に昨年のアルゼンチン共和国杯のよう逃げたい馬がウインテンダネス1頭だと平均ペースよりも遅くなり、上がり勝負となります。

今年はパリンジェネシスが逃げを示唆するコメントを出し、同馬の逃げが濃厚。オジュウチョウサンがよっぽど積極的に出して行けば、平均ペースよりも速くなる可能性がありますが、無理に行かせて押し切れるほどの能力もないので、無理をさせないでしょう。

よって、パリンジェネシスの逃げでスローペースの上がり勝負が濃厚。どちらかというと昨年のこのレースに似た展開、昨年より少し速いくらいのペースで落ちつくと見ています。そうなると逃げ、先行馬でも十分に残れる可能性もありますが、そこまで強力な馬がいないのも事実。それだけに末脚の速い馬を積極的に狙いたいです。

2019年 ファンタジーS・京王杯2歳S

●ファンタジーステークス

ファンタジーSは、阪神ジュベナイルFの前哨戦。2012年に同前哨戦のアルテミスSが創設されて以来、出走馬が分散し、小頭数で行われることがほとんど。しかし、今年はアルテミスSに強豪リアアメリアが出走し、同馬を避けるかのように小頭数。そのぶんこちらのほうが15頭立てになりました。本番に繋がることが多いのは、アルテミスSのほうですが、昨年、このレースの覇者ダノンファンタジーが本番を制したように、全く繋がらないこともありません。

また、ファンタジーSが行われる京都外回りの芝1400mは、スタートして約200m地点から3コーナーの急坂を上って行くコース。このため短距離戦ながら前半ペースがそこまで上がらず、後傾ラップが発生しやすくなっています。つまり、上がり勝負。この週からBコース使用となっても、Aコース使用時が雨に祟られることが多いせいか、大きく影響を受けることがなく(年によっては高速化)、逃げ、先行馬が有利の傾向となっています。

実際に2014年~2016年は、レースの前半3Fが35秒台前半。一昨年に至っては、出遅れ馬が多発し、前走芝1600mの新潟2歳Sで逃げたコーディエライトのレースメイクする形で前半3F36秒3の超スローペースが発生しました。このような経緯から2015年~2017年は逃げ馬が連対しています。また、2014年は前走・小倉2歳Sでオーバーペースに巻き込まれて大敗した14頭立て、14番人気のクールホタルビが先行策から押し切り、アドバルーンを打ち上げました。

ただし、今年の京都芝コースは、台風の影響などで例年よりも時計が掛かる状況下。先週までなら直線の外を通らないと苦しい状況下でした。その上で今年は芝1200m路線の逃げ馬ケープコッドの逃げが濃厚。他にも新潟2歳Sで逃げたエレナアヴァンティに外枠のマジックキャッスル、ペコリーノロマーノ、クリアサウンと先行馬が揃い、前半3F34秒台までペースが上がる可能性もあります。Bコース使用で、どう変わるのかをチェックしてから、予想を組み立てるのが理想でしょう。

●京王杯2歳ステークス

京王杯2歳Sは、朝日杯フーチュリティSの前哨戦。2歳戦で唯一の短距離G2ともあって、短距離志向の強い馬がここを目標にすることもあります。しかし、けっして本番に全く繋がらないこともなく、2010年にはこのレースの1着馬グランプリボスと2着馬リアルインパクトが本番でワン、ツーを決めたこともありました。

ただし、本番に繋がるのは、デイリー杯2歳S勝ちなど、もともとマイル戦で実績がある馬ばかり。マイル戦での実績がないと、一昨年の優勝馬モンドキャンや3着馬タワーオブロンドンのように、2着、3着と善戦止まりで終わることが大半です。

また、ファンタジーSの傾向は、上がり勝負になりやすいと説明しましたが、京王杯2歳Sが行われる東京芝1400mも同じ。スタートして緩やかに坂を上りながら、約350m地点で3コーナーを迎えるために、ペースが上がりにくいからです。特に逃げ馬不在の場合には、前半3Fが36秒台よりも遅い超絶スローペースが発生する場合もあります。超高速馬場でそこまでペースが遅いとなると、上がり3F33秒台前半よりも速い末脚が使えないと、勝ち負けするのは物理的に不可能です。

しかし、今年は函館2歳Sを逃げ切り勝ちしたビアンフェが出走。同じく芝1200m路線馬のアポロニケ、セイラブミーなどが出走しているだけに、前半3F35秒台くらいまでは上りそうです。それぐらいまでペースが上がれば、逃げ、先行馬が有利となるはず。前が有利と見て、予想を組み立てたいです。