2021年 フローラS

勢力図編

出走馬が経由しているレースで もっとも高指数決着だったのは阪神ジュベナイルFで「指数-17」。次がアネモネSとミモザ賞で「指数-15」、その次がフェアリーSとフラワーCでともに「指数-14」。さらに札幌2歳S、アルテミスS、クイーンCの「指数-13」が続きます。つまり、阪神ジュベナイルFで3着の実績があり、札幌2歳S、アルテミスS、フラワーCを経由しているユーバーレーベンは、ここでは一番の実績馬であるということ。1番人気に支持されるのも当然でしょう。

しかし、現在の東京芝コースは超高速馬場。例年ならば2回東京開催のBコース替わり(ヴィクトリアマイル)の週から高速化することが多いのですが、今年は開幕週から超高速馬場で、基本的には内と前が有利です。まして何が何でも逃げたい馬が不在なだけに、出遅れ癖のある同馬は、脚を余して勝てない危険性もあります。

また、出走馬17頭中7頭が前走1着というメンバー構成。オヌールのような2戦2勝馬も出走しています。キャリアの浅い馬ほど伸び代が大きいだけに、ここでそれらが成長力を見せた場合には、大勢逆転が起こる可能性も十分あります。今回は実績馬が多数出走していたフラワーC組に、新興勢力が成長力でどこまで迫られるかの戦いになるわけです。

フラワーCを経由したのは、前記のユーバーレーベン以外に、クールキャット、エトワールマタン、グローリアスサルム、ルースがいますが、同レースは出負けして後方外を追走したユーバーレーベンが3着に敗れているように、超スローペースで内と前が有利の決着でした。そこにフォーカスして行くと、チャンスがある馬が見えてくるはずですが、どでも差し、追込馬で、東京の超高速馬場にマッチしない馬ばかりのような?

せっかくなので、前記の重賞以外で高指数決着だった上位レースを3つ紹介すると、一番はウインアグライアが勝利した若駒Sで「指数-11」。その次は後のクイーンCの優勝馬であり、桜花賞4着馬アカイトリノムスメが勝利した赤松賞(2着のメイサウザンアワーが出走)とパープルレディーが勝利したゆりかもめ賞でともに「指数-10」。この辺りの馬で、内目、前目でレースを運べる馬が穴メーカーとなりそうです。

2021年 福島牝馬S

勢力図編

過去1年の牝馬限定重賞路線でもっとも決着指数が高かったのは、超絶高速馬場で行われた昨春のヴィクトリアマイルで「指数-28」。このレースはご存じ、アーモンドアイが好位から突き抜けて4馬身差の快勝を収めたレースです。このレースで悪くない走りをしたのがシゲルピンクダイヤ。4番枠から五分のスタートを切り、コントロールして中団中目から。無理に行かずに、脚をなるべく温存させたのも良かったにせよ、2着サウンドアキラとは0.3秒差(6着)に善戦しました。

ただ、シゲルピンクダイヤは道中置かれ気味の忙しい競馬だったことから、マイルよりも中距離でこそを感じさせたのは確か。芝2000mの前々走、中日新聞杯では、スローペースの後半勝負となった中で、好位の外目からインを強襲したボッケリーニ(昨春の3勝クラス、江の島Sでもロザムールを撃破し、小倉大賞典ではハナ差2着の実績馬)との接戦の2着と好走しています。しかし、前走の中日新聞杯では9着に凡退。この敗戦をどう読むかがポイントでしょう。

ヴィクトリアマイルの次に高指数決着だったのは、「指数-25」の昨秋の新潟牝馬ですが、このレースは重馬場で内、中、外とトラックバイアスが生じている状態。他馬が馬場の内を避けて通る中、勝ち馬ウラヌスチャームと5着馬カーロバンビーチだけが中団から向正面でラチ沿いにつけ、中団からスルスルとポジションを押し上げたもの。他騎手が意識するほど、馬場の内が悪くなかったという結果だっただけに、あまり参考になりません。

その次にレベルが高かったのは、ラッキーライラックが制した昨秋のエリザベス女王杯で「指数-24」。エリザベス女王杯の10着馬ミスニューヨークがその後の3勝クラスの虹の松原Sでハナ差2着、スピカS1着でここに挑んでいることからも、レベルが高かったことは明確でしょう。しかし、同馬は前走のスピカSが極悪馬場での好走。AJCCのアリストテレスの二の舞となる危険性があります。

その他では、府中牝馬S、愛知杯がレベルが高くともに「指数-23」。牡馬が相手のリステッド競走、東風Sも前記2レースと同等の「指数-22」で決着しています。この3レースはともに超絶ハイペースで前が厳しい流れになりました。ちなみに府中牝馬Sの経由馬は、シゲルピンクダイヤ。愛知杯の経由馬は、アブレイズ、シゲルピンクダイヤ、ディアンドル、東風Sの経由馬がフィリアプーラとクラバシュドールです。これらのエースの仕分けが、このレースの要になりそうです。

その次にハイレベルなのは、秋華賞は「指数-22」。秋華賞の経由馬はパラスアテナとミスニューヨーク、クラヴァシュドール。ミスニューヨークに関しては前記の危険性がありますが、パラスアテナやクラヴァシュドールはその後も順調なので、さらなる成長力があれば、ここでも通用するでしょう。

牡馬混合戦ではありますが、七夕賞、中山金杯もハイレベルで秋華賞と同等の「指数-22」で決着しました。七夕賞の経由馬はパッシングスルー、中山金杯の経由馬はロザムールです。ただ、ロザムールに関しても、休養明け&極悪馬場の前走、中山牝馬Sで自己ベスト「指数-21」を記録した影響がどう出るか…。また、同馬は逃げ馬でもあるだけに、同型のディアン、ドル、カリオストロ等との兼ね合いが気になります。

先週の新潟芝コースは極悪馬場でしたが、昨日のクッション値の発表10.0とやや硬め。標準~やや高速馬場くらいで行われるでしょうか。馬場はそこまでタフではないようなので、それらを加味して予想を組み立てると、より的中に近づけるかもしれません。

2021年 アンタレスS・皐月賞

勢力図編

アンタレスS

出走馬が経由しているここ1年のレースで、もっとも高指数決着だったのは、佐賀記念で「指数-41」。次がチャンピオンズCで「指数-36」、その次が名古屋大賞典、名古屋城Sでともに「指数-35」。その後にみやこSの「指数-34」が続きます。さらにその次がエルムS、武蔵野S、マーチSで「指数-32」。ちなみに昨年のアンタレスSも「指数-32」でした。

佐賀記念、名古屋大賞典、みやこSの優勝馬は、ご存じクリンチャー。チャンピオンズCの優勝馬はチュウワウィザード。つまり、クチンチャーとチュウワウィザードが経由したレースがハイレベルであり、そこに唯一、食い込んでいるのが名古屋城S。つまり、同レースの覇者テーオーケインズが、ここでは能力No.1の存在となります。

名古屋城Sのテーオーケインズは、4番枠から二の脚の速さでハナ争いに加わったものの、外の2頭を上手く行かせて少し離れた3番手。3コーナー手前で外から取り付いて2番手まで上がり、そのまま3~4コーナーでは、逃げるハヤブサレジェンドに並びかけ、4コーナー先頭で直線。序盤から追われて後続とのリードを広げに行ったものの、2着アッシェンプッテルに食いつかれて同馬との着差は1馬身半差ほど。しかし、3着馬のサクラアリュール(昨秋のシリウスSの2着)には8馬身差をつけての快勝でした。

テーオーケインズに前走と同等のパフォーマンスで走られたら、ここも勝てるでしょう。しかし、前走の名古屋城Sは休養明けで好走したもの。休養明けで最高指数を記録した馬というのは、昨年のこのレースで1番人気に支持されたベストタッチダウンのように、ダメージが出る可能性がかなり高まります。同馬は目下3連勝、休養明けでオープンの北山Sで最高値を記録した後に挑み、14着大敗を喫しました。

つまり、テーオーケインズは楽観視できないということ。これはマーチSの上位2頭のレピアーウィット、ヒストリーメイカーにも同じことが言えるでしょう。前記2頭は休養明けのマーチSで自己最高指数を記録しています。ヒストリーメイカーはみやこSの2着馬でここでは実績上位ですが、どうやらその次点の馬を中心視するのがベストのようです。

皐月賞

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https://spaia-keiba.com/news/detail/13122

2021年 アーリントンC・皐月賞

勢力図編

出走馬が経由しているレースで もっとも高指数決着だったのは、朝日杯フューチュリティSで「指数-17」、次が若葉Sで「指数-16」、その次がホープフルSで「指数-15」。しかし、前記の2レースは芝2000mということもあり、上位馬は皐月賞に出走するため、マイル戦のここには出走してきません。

マイル以下の距離で朝日杯フューチュリティSの次に高指数決着だったのは、デイリー杯2歳S、秋明菊賞、シンザン記念、グレイイングリーンが勝利した1勝クラス戦でともに「指数-14」。さらにファルヴォーレやジュリオが勝った1勝クラス戦と、トーホウディアスが3着だったフローラルウォーク賞で、ともに「指数-11」。レイモンドバローズとショウリュウレーヴとジュンブルースカイ が勝利した1勝クラスは、その次点でともに「指数-10」です。

つまり、デイリー杯2歳Sでアタマ差2着、朝日杯フューチュリティSで勝ち馬と0.7秒差(9着)のホウオウアマゾンと秋明菊賞で次走の朝日杯フューチュリティSで5着となったブルースピリットと0.3秒差(3着)、その次走でシンザン記念を優勝したピクシーナイトがここでは能力上位となります。

しかし、両馬は今回が始動戦。休養明けはスタミナが不足するので、雨の影響で重~不良馬場になった場合には、大阪杯のコントレイル、グランアレグリア、サリオスのように敗れる危険性もあります。特にピクシーナイトは前走のシンザン記念を大目標にした後の楽をさせた後の一戦となるために、ここは楽ではないでしょう。そこを考慮するとレースを順調に使われている、次点の能力値上位馬を中心視するのが、上策でしょう。

ただし、芝1400mの1勝クラス戦で強豪と対戦してきたグレイイングリーンは、今回が初めてのマイル戦。キャリアの浅い3歳馬だけにやってみないとわからない面があります。同馬はゲートが下手という弱点がある馬だけに、その面での距離延長は好ましいでしょう。

しかし、前々走では出負けして後方外から3~4コーナーで位置を押し上げるロスがあり、前へ行った2頭が競り合ってペースを引き上げたことで、展開の後押しもありながらも最後伸びあぐねて3着だった辺りにやや不安を感じます。また前走の1勝クラスも、超高速馬場で内と前が有利となった中で、内枠から最短距離を立ち回っての勝利でしたが、高速馬場ならばともかく、重~不良馬場で距離1F延長をこなすのは楽ではないでよう。

ここはそれ以外の前走1勝クラス戦で上位の、マイル適性の裏付けのある馬を中心に馬券を組み立てたいです。

2021年 東京スプリント

今年は中央馬か、地方馬か…

東京スプリントはダートグレードとしては歴史が浅く、今回で13回目となる。かつては4月に行われていたJRAのプロキオンS(阪神ダ1400m)が夏場へ移行し、3月の黒船賞から5月のかきつばた記念まで短距離のダートグレードがなかったことから、3月に行われていた東京シティ盃を「東京スプリント」と名を改め、この時期に施行されるようになった。

4月に行われる短距離のダートグレードはここだけ。そのうえダ1200m戦は前年のカペラS以来となり、この先も6月の北海道スプリントカップまで番組がない。このため前年のGⅠ・JBCスプリントがダ1200mで行われた年は特に、JBCスプリントの上位馬をはじめとする、ダ1200mでこそのトップスプリンターが集う。しかし、2017年のニシケンモノノフのように、前年のJBCスプリントの優勝馬でありながら、その後に順調さを欠いて通用しない場合もある。

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2021年 桜花賞

無敗の2歳女王ソダシが出走ながら、世間から「ダート血統で瞬発力疑問」等と評価され、混戦ムードとなりました。もっともスローの上がり勝負にならなければ問題ありませんが、昨日から急に馬場が高速化し、騎手の意識が高速馬場のペースについて行けてないだけに、そうなる可能性は否定しません。

平均ペースで1分32秒半ば、ハイペースなら1分31秒台も見えてくる馬場状態ですが、そこまで時計の速い決着になるイメージが沸かずにいます。

馬場が高速化する前に綴ったコラムではありますが、よろしければ『SPAIA AI競馬』を参考にして下さいm(__)m。おおよその力関係わかります(^▽^)/。

https://spaia-keiba.com/news/detail/13050

2021年 ニュージーランドT・阪神牝馬S

ニュージーランドT

ニュージーランドTは、先週のダービー卿チャレンジTと同じ中山芝外1600mが舞台。中山芝外1600mは高低差5.3mの最高地点からスタートして、3~4コーナーに向かって約4.5mの坂を下るコース。円状コースの上に最初の2コーナーまでの距離が約240mと非常に短く、ここで外を回らされると、終始外々を回ることになりかねません。つまり、内枠が有利なコースということ。

また、スタートしてすぐに2コーナーがあるので、2コーナーまでにしっかりとハナを取り切れるような快速馬が不出走だと、序盤のペースは落ち着きます。ただし、序盤でペースが上がらない場合、後続の実力馬が中山の最後の短い直線を意識して、向こう上面の下り坂で勢いに乗せて位置を押し上げてくるので、上級条件になるほど逃げ馬が楽に逃げ切るような展開にはなりません。

このレースも急に馬場が高速化した一昨年こそ、最内枠を利して逃げたワイドファラオが優勝しているものの、今年の中山は安定して標準馬場なので、一昨年のようなことも起きづらいでしょう。

今回の逃げ馬候補が矢作厩舎の2頭とゲート次第のワーズワース。矢作厩舎のゲンパチミーティアはしまいを伸ばす調教をしているだけに、行くのは同厩のバスラットレオンか? しかし、同馬も逃げにこだわるタイプでもないので、外からワーズワースやゲンパチミーティアがハナを主張すれば控えてと、流動的な展開になりそう。あまり決めつけるのも危険ですが、内枠の強い馬が優位となる平均ペース前後で収まると見て、予想を組み立てるのがベストでしょう。

阪神牝馬S

阪神牝馬Sはかつて芝1400mで行われていましたが、2016年度よりヴィクトリアマイルと同距離の芝1600mで行われるようになりました。これによりメンバーレベルがアップ。2017年の優勝馬ミッキークインや2019年の優勝馬ミッキーチャームのように、中距離路線組が多く参戦し、それらが活躍することが多くなりました。

しかし、ほとんどの中距離路線馬は、マイル戦では楽に逃げ、先行するスピードがないので、芝1400m時代から一転してレースがスローペース化。重馬場で行われた2017年こそ前が崩れているものの、2016年、2018年、2019年ともに3コーナー2番手以内の馬が連対しています。昨年は一昨年秋の京成杯オータムHを逃げて楽勝したトロワゼトワルが逃げたために、ペースが平均まで上がりましたが、何が何でも逃げたい馬がいない限りは、スローペースになると見ていいでしょう。

今年は中距離路線から転戦馬は、マジックキャッスルとデゼルとリアアメリアの4歳馬の3頭。リアアメリアは最内2番手でレースを運んだローズSで2着と好走しているように、前に行ってこその馬ですが、さすがにここはイベリスがハナへ行くでしょう。内のメイショウグロッケがその2列目を狙って、ブランノワール、ドナウデルタも包まれないようにある程度出していく形。大外のエーポスが積極的に位置をとってくるかもしれませんが、逃げたい馬がイベリスだけなので、今年もペースが落ち着きそうです。前目が優勢と見て、予想を組み立てたいです。

2021年 マリーンカップ

今年も堅く収まるか?

船橋で行われるマリーンカップは、数ある牝馬限定ダートグレードの中でもっとも本命党好みのレースだ。もともと船橋競馬場は、直線が長い上にスパイラルカーブが使用されており、後続馬でもトップスピードに乗せたまま3~4コーナーを回ることが可能。内ががっぽり開いてイン突きが決まることが少なく、強い馬が実力を発揮しやすいコースだ。

そのうえマリーンカップは、このあとの牝馬限定ダートグレードが7月のスパーキングレディーカップまで行われないため、GⅢながらトップクラスの牝馬が出走してくる。

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2021年 ダービー卿CT

ハンデ戦ながら、この先のマイラーズCや京王杯スプリングC、さらには安田記念へと繋がる一戦。このレースの優勝馬には、ショウワモダン(2010年)、トウケイヘイロー(2013年)、モーリス(2015年)のように、同年の安田記念や秋のGⅠ戦線で活躍している馬もいます。上がり馬が勝てば、この先のG1レースでのチャンスが広がるでしょう。

また、2010年にショウワモダン(2番手)とマイネルファルケ(1番手)の行った、行ったが決まったように、中山芝1600m重賞としては珍しいほど、スローペースになることがあります。先週Aコース→Bコースに替わることで、前週よりも馬場が高速化することが多いからでしょう。騎手は前週の感覚でレースを運ぶ傾向があるため、仕掛けが遅れて、前を残らせることがあります。

さらに秋の中山開幕週で超高速馬場で行われることが多い、京成杯オータムHほど顕著ではありませんが、インコースを通れる内枠の馬が活躍しています。2014年のカレンブラックヒル(2番枠)、2017年のロジチャリス(3番枠)、2020年のクルーガーなど、過去10年で優勝した4番人気以下の大半が、内枠か前に行って最短距離の競馬をした馬でした。この辺りは最初のコーナーで内に入れられないと、終始外々を回らされてしまうことになる円状コースの中山芝1600mの傾向どおりと言えます。

しかし、今回は最内枠のスマイルカナがある程度は前を主張し、他が行かなければ逃げの手も視野に入れているはず。また、外枠のトーラスジェミニも逃げてこその馬。昨年は最内枠のナインテイルズが積極的に行ったためにハナへ行けずに大敗を喫したことからも、押してでもハナを主張してくる可能性が高いでしょう。さらに内枠のボンセルヴィーソやソーグリッタリング、外枠のマイスタイルやアトミックフォースらが先行してくるとなれば、平均ペースよりも速い流れになると見ています。内目で脚をタメて最後にもうひと脚使える馬が有利でしょう。