2024年 大阪スポーツ杯の予想

おはようございます! 本日は重賞がないので、発送時刻の早い順に掲載していきますm(__)m。

京都11R 大阪スポーツ杯(OP) ダ1800m
 ◎ (7)ミラクルティアラ
 ○ (13)ミスティックロア
 ▲ (8)アルーブルト
 △ (5)リリーミニスター
 △ (9)キングストンボーイ
 △ (16)クールミラボー
 △ (7)ロードアヴェニール
結論 馬連7-13,8,5,9,16,17 (25:5:5:5:5:5) 複勝7 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (7)ミラクルティアラ

 6走前の京都ダ1800m戦・御陵Sでは、後のアンタレスSの覇者ミッキーヌチバナと接戦の2着と好走した馬。同レースでは6番枠から好スタートを決め、二の脚の速さでハナを主張。道中はハナ必須タイプの逃げ馬レッドエランドールに絡まれ、息を入れられずにかなり縦長の展開。それでも4角のコーナーワークでレッドエランドールとの差を2馬身差に広げて直線へ。

 序盤で外から(14)バハルダールに迫られ、ラスト1Fで同馬を振り切ったが、そこをミッキーヌチバナに差されてアタマ差だった。このレースでは前後半4F48秒2-50秒7のかなりのハイペース。逃げて2着に粘り通したことは高評価できる。

 このようにミラクルティアラは前に行ってしぶとさを活かしてこその馬。3角2列目以内で進めたレースでは、4勝2着4回3着1回と複勝率100%である。

 前走のBSN賞は逃げ、先行馬多数で激流。ハナを切れずに外から被されて、前3頭から離れた好位の最内を追走していたが、3~4角で包まれて位置が下がり、気性の脆さも見せて大敗した。

 しかし、今回は外から被されたくない(5)リリーミニスターが逃げる可能性が高いが、2列目を狙える組み合わせ【(6)テーオーシリウスは、ダ1800mでハナを切ったことがない】。ペースはそれなりに流れると見ているが、前に行ければチャンス十分だ。

○ (13)ミスティックロア

 前々走の東京ダ2100m戦、スレイプニルSの3着馬。前々走は12番枠から五分のスタートを切り、無理なく後方2列目の中目付近を追走。向上面半ばから押っつけていたが、3~4角で位置を上げられないまま直線へ。序盤で外に誘導するとラスト2Fで好位列まで上がり、ラスト1Fで前2頭に迫って半馬身+3/4差の3着だった。

 ミスティックロアはいい脚を長く使える点が強み。ベストは長距離だが4走前の京都ダ1800mの大津特別や3走前の桃山Sでも外から早めに仕掛けて行く形で連勝している。

 休養明けで福島ダ1800m戦の前走ラジオ日本賞は、内枠だったこともあり、向上面で中団中目で包まれ、外に誘導したのは4角。ただ大外に出すのを嫌って中途半端な外の出し方だったために、前が壁になって仕掛けが遅れ、ラスト1Fではいい脚で突っ込んできたが3着までだった。

 本馬は二の脚が遅いので、内枠でこの距離だと包まれる可能性があったが、今回は自由に動ける外枠。この枠ならいい脚を長く使える強みが活かせる。

▲ (8)アルーブルト

 3走前のボルックスSでは、今回で上位人気の(9)キングストンボーインに先着した馬。3走前は7番枠から五分のスタートを切り、後方2番手からの追走。道中は行きたがるのを我慢させて脚を温存。3~4角の外々から進出して4角出口で大外に誘導すると、直線ではじわじわ伸び続ける。ラスト1Fで外からキタノリューオーには差されたが、内のキングストンボーイと差し切って3着に浮上した。

 休養明けの前々走は平城京Sでは内枠だったこともあり、序盤である程度出したことで、しっかり脚が温存できなかったこともあり、3走前から指数ダウンの3着。3~4角では中団最内を通したために4角で進路がなくなり、不レーキで位置が下がり、最後の直線で馬群を捌くのに苦労する場面もあった。

 また前走の三宮Sは休養明け好走後の一戦で出遅れ。そこから中団やや後方まで挽回するのに脚を使い、3角手前から位置を押し上げていく早仕掛けで8着に失速した。ここでも4角で失速した馬の影響で仕掛けを待たされる場面もあったが、一番の敗因は脚を溜められなかったことである。

 今回も近2走と同じ鞍上、幸騎手で早仕掛けをする可能性もあるが、3走前のような騎乗ができればOPでも通用する能力がある。三度目の正直に期待したい。

2024年 毎日王冠の予想

■展開の振れ幅が広いコース

 毎日王冠の舞台となる東京芝1800mは、2角を斜めに横切るように向正面に入るコース形態だが、3角までの距離が約750mと長いため、展開の振れ幅が広い。

 2020年のように逃げ馬が大逃げを打てば、稍重で4F通過46秒2とハイペースになることもあり、2013年のように確たる逃げ馬不在のメンバー構成であれば、良馬場で4F通過48秒2とかなりのスローペースになることもある。

 全体的な傾向を見ると、稍重時にハイペースが発生している。今年は土曜日も断続的な雨の中で競馬が行われ、レース当日も稍重が予想される。おそらくそれなりに流れて、差し馬有利になる可能性が高い。

 しかし、穴馬は先行馬だろう。今回は少々ペースを引き上げていっても容易にバテない強い先行馬が揃っている。

東京11R 毎日王冠 芝1800m
 ◎ (9)ローシャムパーク
 ○ (6)シルトホルン
 ▲ (10)マテンロウスカイ
 △ (7)ダノンエアズロック
 △ (11)シックスペンス
 △ (14)エルトンバローズ
結論 馬連9-6,10,7,11,14 (各10) 複勝9 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (9)ローシャムパーク

 デビュー4戦目の山藤賞で7馬身差の圧勝。この時点で古馬3勝クラス級の指数を記録した素質馬だ。当時の指数は翌日の皐月賞(勝ち馬ジオグリフ)出走なら3着入線レベルで、この山藤賞の2~4着馬は現OP馬である。本馬も昨年はむらさき賞(3勝クラス)、函館記念、オールカマーを3連勝した。

 4走前のオールカマーでは13番枠からやや出遅れたが、軽く促されて中団外目を追走。タイトルホルダーが淡々と逃げて向正面で隊列が縦長になっていく展開を外から強気に押し上げ、3角では好位の外に取り付く。

 3~4角では中目を通し、4角出口で外に誘導すると直線序盤では一気に2列目に並びかけ、ラスト1Fでタイトルホルダーを捉えて1馬身1/4差で完勝した。

 今年は大阪杯で2着。同レースでは2番枠からまずまずのスタートを切ったが、二の脚が遅く後方に下がってしまう。そこから外に出して向正面半ばで2列目まで上がったが、内のベラジオオペラが抵抗。3~4角でペースが上がっていくなかで2頭分外を回る形となり、4角出口ではやや置かれてしまった。もう一度盛り返し、ラスト1Fでベラジオオペラに食らいついたが、クビ差及ばなかった。

 本馬はゲートも速くないが、それよりも二の脚が遅い点がネック。ゆえにしばしばマクる戦法を取っているが、前走の宝塚記念は3角までにマクり切れず、ペースが上がった3角でかなり外を回り、そのまま4角でも大外をぶん回して5着に敗れた。自己最高指数を記録したオールカマーとの大きな違いは、3角までにマクり切ったか否か、である。

 しかし、最後の直線が長い東京芝1800mならば、6走前のむらさき賞と同様に無理にマクる必要がない。普通に差す競馬で巻き返せるはずだ。ある程度、時計が掛かる馬場が理想的ではあったが、ペースが遅ければじわっと動いていくことも可能な馬だけに今回の本命候補だ。

○ (6)シルトホルン

 デビュー3戦目の未勝利戦では、2番手追走から6馬身差圧勝。その後のひいらぎ賞でも逃げて2着に善戦するなど、前に行ってしぶとさを活かしてこその馬だ。

 昨夏のラジオNIKKEI賞でも逃げたグラニットにプレッシャーをかけていく競馬で2着に善戦、重馬場で行われた昨秋のオクトーバーS(L)でも逃げたヤマニンサルバムに2番手から食らいついて2着に善戦している。

 3走前のメイS(OP)は3着。同レースでは9番枠から好スタートを決めて先手を主張し、楽にハナを取り切った。道中はスローペースを刻んで3角へ。3~4角でじわっとペースを引き上げ、3/4差で直線に向く。

 直線序盤でもその差を維持し、ラスト2Fで追われるとややリードを広げて1馬身差。ラスト1Fでやや甘くなったところで、外からプレサージュリフトに差されてアタマ+クビ差の3着となった

 続くエプソムCでも2着。ここも10番枠から好スタートを決めて先頭に立ったが、外からセルバーグが競ってくると、同馬を行かせて2番手を追走。3~4角では馬場の悪化した内を避け、外目からじわっと差を詰めていく。

 直線序盤でセルバーグに並びかけ、ラスト2Fでは抜け出して先頭に立ったが、外からレーベンスティールに迫られる。ラスト1Fで甘くなったが、3着争いをアタマ差で死守した。

 緩みなく流れて差し馬が台頭する展開になった中、本馬は先行馬で唯一、掲示板入りを果たした。前走の関越Sは前々走からの疲れもあって13着と崩れたが、何度も奮闘しているこのコースで巻き返しを期待したい。

▲ (10)マテンロウスカイ

 今年2月の中山記念を優勝した馬。その前々走では8番枠からまずまずのスタートを切り、先行争いに加わっていったが、最終的には前の2頭を行かせて2列目の最内を確保という完璧な入り。道中もかなりのハイペースで展開した中、コントロールしながら前のスペースを維持して3角へ向かう。

 3~4角では先頭のドーブネとの差をじわっと詰めて4角で外に誘導、同馬と3/4差で直線へ。序盤で早々に並びかけると、ラスト1Fで抜け出して2馬身差で完勝した。

 本馬はマイル戦だと前半の位置取りが難しくなることが多く、楽に先行できる芝1800mがベスト。実際に昨年5月のメイS(OP)では、二の脚で内外の各馬を楽に制して緩みないペースで逃げ、後の東京新聞杯の覇者サクラトゥジュールにクビ差の2着と善戦している。

 前走のドバイターフは逃げ馬にそこまで厳しいペースではなかったが、15着に大敗。これはその前の中山記念で自己最高指数を記録と、好走した疲れによるものが大きい。今回はそこから立て直しての一戦。1800mでこのメンバーなら楽に先行できるだけに、期待が高まる。

△ (7)ダノンエアズロック

 デビュー2戦目のアイビーSの2着馬。ここでは1番枠から好スタートを決め、外のホウオウプロサンゲを行かせて2番手でコントロール。高速馬場でかなりのスローペースだったが上手く折り合ってレースを進めていた。

 3~4角でも仕掛けを待ってホウオウプロサンゲと2馬身半差ほどで直線へ。序盤ではまだ2馬身差ほど差があったが、ラスト1Fでじわじわ伸びて1馬身くらいまで差を詰める。ラスト1Fでホウオウプロサンゲが甘くなったところをしぶとく捉えて3/4差で勝利した。

 ここでは後のホープフルSの覇者レガレイラを完封しており、指数は優秀。上がり3Fタイム32秒7も素晴らしかった。本馬はトップスピードに秀でたタイプで、最後の直線距離が長いコースはベスト。

 前々走のプリンシパルSでも大外13番枠から好スタートを決め、こからはコントロールしながら好位の外を追走。ペースが遅くなかなか内に入れられず、道中も好位の外目で我慢。3~4角でも好位の外目で仕掛けを待って出口で外に誘導。序盤で追われてじわじわ伸び初めてラスト2Fで2列目まで上がり、先頭のアスクカムオンモアとは1馬身ほど。ラスト1Fで同馬捉えて抜け出し、1馬身1/4差完勝した。

 前走の日本ダービーはプリンシパルSで好走した疲れが出た面もあった。しかし、前後半5F62秒2-56秒8と極端に遅いペースの中団の最内を立ち回り、最後の直線で一瞬鋭い伸びを見せながらも、ラスト2F以降で伸びを欠いた辺りに距離の壁を感じさせた。今回で距離が短くなる点は◎。馬場が悪化しなかったのも好ましく、警戒が必要だ。

△ (11)シックスペンス

 前々走のスプリングSで3連勝を達成した馬。前々走は4番枠から好スタートを決めて、外の2頭を行かせて2列目の最内を確保した。道中のペースはかなり遅かったが、折り合って前のスペースを維持して3角へ。3~4角では2番手のコスモブッドレアをマークしながら仕掛けを待って、4角出口で外に誘導して直線。序盤ですっと反応して、先頭に立つと、ラスト1Fで鋭く突き抜けて3馬身差で圧勝した。

 前々走は逃げた9番人気馬アレグロブリランテが2着だったように、前後半4F50秒2-46秒3と極端にペースが遅く、前有利な流れ。シックスペンスも上手く乗られていた。

 しかし、休養明けの前走で好走した反動が出たようで、皐月賞はスキップ。日本ダービーへ直行したが9着に敗退した。日本ダービーはエコロヴァルツのレースメイクで前後半5F62秒2-56秒8でここも極端なスローペース。先行馬有利の展開を好位の中目と上手く乗られていたが、最後の直線で伸びてこれなかった。

 日本ダービーでは消耗度の少ないスプリングSで好走した程度で、強い疲れが出てしまう体質の弱さに疑問を感じていたが、夏場を休養させたことでここへの体質強化が見込める。ここでまたC.ルメール騎手に乗り替わったのは、そういうことだろう。

 また、本馬はデビューからスローペースを先行する経験しかなく、本質が後半型の馬だったとするならば、ここでペースが上がって差す形で一変する可能性もある。

△ (14)エルトンバローズ

 休養明けで挑んだ昨年の毎日王冠では、ゴール前の大接戦を制して4連勝。古馬との初対戦でソングラインやシュネルマイスターといった強豪を撃破した。

 そのレースでは6番枠から五分のスタートを切り、好位の最内を追走。道中は前のエエヤンが外に行ったのを見て、スペースを作って3列目を確保する。

 3~4角で最内から徐々に2列目まで上がり、4角では先頭ウインカーネリアンの直後へ。直線序盤は進路がなかったが、ラスト2Fで同馬の外から窮屈な間を割って伸びて先頭列。ラスト1Fで抜け出したところを外から3頭に強襲されたが、ハナ差で勝利を収めた。

 このレースは最後の直線でワンテンポ仕掛けを待たされる場面があったが、最短距離を通すことができ、完璧に近い騎乗だった。とはいえ、倒した相手を考えればその価値は高い。

 続くマイルCSでは休養明け好走の反動が懸念されたが、先行争いが激化して差し追込馬に向いた展開の中、上位のナミュールやソウルラッシュよりも前で進めて0.2秒差の4着と善戦している。

 4歳になってからは不振に苦しみ、中山記念7着、香港のチャンピオンズマイルは8着、前々走の安田記念でも8着に敗れたが、前走の中京記念では3着と復調の気配を見せた。

 その前走はテーオーシリウスとセルバーグの逃げ争いが激化したため極端なハイペースとなったが、それを見ながら離れた中団を追走。3~4角で前とのスペースを詰めて4角で仕掛け、直線早め先頭に立ったことで甘くなっての3着だった。

 前走は本馬をマークしたアルナシームが優勝したことからもわかるように悪い内容ではない。また、今年の中京記念は小倉芝1800mの開催で、本馬は1600mよりも1800mでこそ、ということを改めて感じさせた。昨年優勝したこの舞台でさらなる前進を期待したい。

推定3番人気 (2)ホウオウビスケッツ

 今夏の巴賞と函館記念を連勝。前走の函館記念では12番枠から五分のスタートだったが、二の脚が速く、楽に逃げ馬アウスヴァールの外2番手へ取り付いた。

 1~2角では手綱を抑えてコントロールし、道中はアウスヴァールと2馬身半ほど離れた2番手を追走。3角では同馬と3馬身差だったが、3~4角で徐々に差を詰めながら外に誘導、4角で一気に先頭に並びかける。直線序盤で抜け出すと、ラスト1Fで突き抜けて3馬身半差で圧勝した。

 前走は逃げて勝利した巴賞から1Fの距離延長。前半のペースも速くなったが、ここでは逃げずに離れた2番手に控えたことも功を奏し、自己最高の指数を記録した。

 大きな差をつけた3着アウスヴァールと4着サヴォーナが後にオールカマーで2着、4着と善戦したように、レベルの高い一戦だったのは確かだ。

 今回は時計の掛かる馬場から東京開幕週の高速馬場に変わることで決め手不足が懸念されるため、そこまで人気にはならないようだ。先行してしぶとさを生かせば高速馬場そのものはこなせるだろうが、それよりも前走の疲れが心配で、ここは評価を下げたい。

推定4番人気 (12)ヨーホーレイク

 2021年の皐月賞5着、日本ダービー7着馬。そこから7カ月の休養明けとなった4走前の日経新春杯では、同世代の皐月賞3着、ダービー3着馬ステラヴェローチェを破り、嬉しい重賞初制覇を達成した。

 4走前は10番枠から出遅れて後方、そこから中団馬群の中目まで挽回していった。道中は我慢して動かず、3~4角では前のステラヴェローチェを追いかけて徐々に進出していく。

 直線序盤で外に誘導して追い出されると一気にステラヴェローチェに並びかけ、ラスト1Fではマッチレースに。最後までしぶとく伸び続けて3/4差で勝利した。

 4走前は平均ペースで3着馬に3馬身3/4差をつけ、今回のメンバーではNo.2の指数を記録。その後、屈腱炎を発症して2年2カ月の長期休養を余儀なくされたが、前走の鳴尾記念で見事な復活を果たした。

 しかし、本馬は芝2200m以上がベスト条件で、本来はここよりも同日に京都芝2400mで行われる京都大賞典のほうが向く馬だ。実際、2000mの前走では2200mの4走前ほどの指数で走ることができていない。その背景には、長期休養明け後に前進気勢が強まり、先行していることが影響しているとみる。

 今回は1800m戦になるため中団からのレースになると見ているが、この距離だと本馬よりもキレる脚を使える馬が多く、よほど前がペースを引き上げてくれない限り善戦止まりで終わる可能性が高い。逆にこの距離でポジションを取りに行けば、崩れる可能性もある。

2024年 京都大賞典の予想

■京都芝2400mはステイヤーが活躍の舞台

 京都大賞典は基本的には前半が遅い傾向。ただし、3角の下り坂でペースが上がって、レース最速がラスト3~4F目になるなど、後半の仕掛けが速くなっている。つまり、ステイヤー色の強いレースになっているということだ。

 このため京都実施時の過去10年では逃げ馬の2着は1回のみ。距離が長くなるほど、逃げ切りが困難になってくるのもあるが、先行馬も2着は4回あるものの2勝しかしていない。よって、中団~差し有利で穴馬は先行馬というスタンスで予想したい。このラインより上のエリアが無料で表示されます。

京都11R 京都大賞典 芝2400m
 ◎ (1)サトノグランツ
 ○ (9)ドクタードリトル
 ▲ (11)ブローザホーン
 注 (7)ディープボンド
 △ (10)バビット
 △ (5)ジューンアヲニヨシ
 △ (3)メイショウフレゲ
結論 馬連1-9,11,7,10,5,3 (10:20:11:3:5:1) 複勝1 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (1)サトノグランツ

 今年1月の日経新春杯で(11)ブローザホーンと0.3秒差(3着)に好走した馬。ここでは大外14番枠からまずまずのスタートを切り、促して好位の外まで進出。道中は前4頭からやや離れた5番手を追走した。3~4角で仕掛けて好位の外から2列目まで上がり、4角で内に切れ込んで先頭。直線序盤はしぶとく踏ん張って先頭を維持したが、ラスト1Fで甘くなり、そこを内のサヴォーナ、外のブローザホーンに差された。

 日経新春杯はタフな馬場で前後半5F58秒3-60秒9のかなりのハイペース。さすがに前半である程度の位置をを取りに行っての3~4角からの仕掛けは早すぎた。一方、ブローザホーンは中団外から3~4角でワンテンポ待って仕掛けており、展開に恵まれての優勝だった。

 サトノグランツは超高速馬場の神戸新聞杯で中団からメンバー最速の上がり3Fを駆使して優勝しているように、高速馬場の上がりの速い決着にも適性がある。

 前走の目黒記念では(2)ケイアイサンドラが単騎で逃げて前後半4F61秒9-58秒7のかなりのスローペース。先行馬有利の展開を好位の内目でレースを進めながらも前の(4)シュヴァリエローズをかわせずの4着とやや物足りない内容だったが、海外帰りの休養明けの一戦だったのもあったはず。得意舞台で開幕週の内枠を引き当てたここは巻き返しに期待したい。

○ (9)ドクタードリトル

 前走の関ケ原Sで3勝目を挙げた馬。前走は6番枠から五分のスタート後、軽く促されていたが、あまり進まず後方2番手からの追走。道中は前2頭が飛ばしていったが、向上面で最後方からカランドゥーラが位置を押し上げると、それを追う形でじわっと好位に上がって3角へ。

 3~4角で外を回るロスを作って4角では位置が下がったが、ラスト2Fで再び2列目付近に上がり、ラスト1Fで突き抜けて3馬身差で完勝した。

 前走は中京開幕週で内と前が圧倒的に有利な馬場だったが、外を回って重賞でも上位争い可能な指数で完勝。中距離ではテンに置かれて追走に忙しい競馬になっていることと、トップスピードが長く維持できるスタミナがあるので、今回の距離延長が吉と出る可能性が高いと見ている。

▲ (11)ブローザホーン

 タフな馬場で行われた昨夏の札幌日経OPの覇者。同レースでは6番枠から五分のスタートを切り、押して好位の外目を追走。スタンド前では前3頭からやや離れた4番手で進めていたが、ペースが落ちるとかなり掛かって2列目の外へ。向正面でプライドランドから動くと2番手に上がって追撃。

 3角手前で外から一気にアケルナルスターが上がってきたので、ここで仕掛けてて3馬身ほどのリードで直線へ。序盤で同馬との差を4馬身差に広げ、ラスト1Fで突き放して6馬身差で圧勝した。

 本馬はこの時点でGⅠ通用級の指数を記録。今年1月の日経新春杯を優勝すると、春の天皇賞で2着。そして前走の宝塚記念でGⅠ制覇を達成した。

 前走は距離が短く前半は追走に苦労していたが、時計の掛かる馬場で上がりを要したことや外有利の馬場も後押ししての追い込み勝ち。春の天皇賞を目標にした後の一戦で結果を出したことは大きく、今回は距離延長で前走よりも追走が楽になるはず。ただし、今回は京都開幕週で超高速馬場、内有利の馬場で大外11番枠となると届かいない可能性もある。そこをやや割り引いた。

注 (7)ディープボンド

 春の天皇賞で2021年から連続3着、今年は3着。阪神大賞典でも2021年、2022年と二連覇しているステイヤー。その中でもっとも高指数を記録したのは重馬場で行われた21年の阪神大賞典だ。

 21年の阪神大賞典では後方1番手、2番手のユーキャンスマイル、ナムラドノヴァンが台頭する追込有利のレースとなったが、ディープボンドは12番枠から好スタートを切って、そこからじわっと控えて好位の外4番手を追走。2周目の3~4角で前との差を詰めて3番手に上がり、直線序盤で2番手から早め先頭に立ったシロニイをかわして1馬身リードを奪うと、ラスト1Fでさらに差を広げて5馬身差で圧勝した。

 追い込み馬が台頭する緩みない流れを、好位から押し切れたのは、豊富なスタミナがあればこそ。本馬はコテコテのステイヤーと言える。それでありながら今春の天皇賞では3着だった辺りに全盛期の勢いは感じさせないが、昨秋の京都大賞典でも休養明けでいきなり3着に善戦しており、世間で言われているほどの極端な衰えも感じさせない。

 昨秋の京都大賞典では4番枠から好スタートを決め、そこから押してじわっと先行策。外から被されて窮屈になり、ブレーキで下がって中団内目に押し込まれてしまった。道中で位置を下げ切って何とか外に誘導したが、結局位置を上げられないまま3角へ。

 3~4角では中団中目をかなり押っつけながら通し、4角でも必死に追われていたが、直線序盤はまだ中団。ラスト1Fで前がバテたところをしぶとく伸びて3着横一線を制して(8)プラダリアとクビ+3/4差だった。

 昨秋の京都大賞典は重馬場で、上がりが掛かる展開が味方したのもあるが、前半のポジションダウンがなければもっと際どい決着になっていたと推測される。今年は超高速馬場でこれ自体は減点材料だが、昨年よりも先行勢が手薄で好位かその直後くらいの位置でレースを進められると見ている。

 前走の宝塚記念は前々走で好走した後の一戦で距離も短く、中団外から追走する形となり、最後の直線でも馬場の良い外に出し切れずに7着敗退。昨年の京都大賞典の勝ち馬プラダリアは前走の宝塚記念を大目標にした後の一戦ということもあり、人気のない本馬に食指が動いた。

△ (10)バビット

 2020年に4連勝でセントライト記念を逃げ切り勝ちした馬。その後、長らく不振だったが、4走前の京都記念では3着とセントライト記念以来、久々に馬券に絡むことができた。

 4走前は1番枠からまずまずのスタートを切り、押してハナを主張。外からアフリカンゴールドがハナを主張すると、同馬を行かせて2番手を追走した。道中はアフリカンゴールドから3馬身ほど後ろを維持して追走し、3~4角では最内から同馬との差を詰める。

 最後の直線では外差し有利の馬場を意識して外に出して行ったが、バビットは最内にこだわり、序盤ですっと伸びて先頭に立ち、1馬身半ほど前に出る。ラスト1Fで甘くなり、外差し勢に屈する形となったが、3着は死守した。

 前記の京都記念はアフリカンゴールドに行かせたことでペースが上がらなかったことが功を奏したもの。本馬は逃げて苦しいレースばかりしているので、前半で無理のない入り方ができると善戦することがある。

 また、その前のレースで芝よりもタフなダートで逃げバテとしっかり負荷をかけたことが、粘り強化に繋がった面がある。今回も前走の七夕賞でオーバーペ―スで逃げバテしており、負荷が掛かっている。内の(2)ケイアイサンドラに行かせて、2番手でスローペースという展開になれば面白い。

△ (5)ジューンアヲニヨシ

 休養明けの3走前鳥丸S(3勝クラス・芝2400m)で成長を見せ、なかなかの好指数で勝利した馬。3走前は2番枠から五分のスタートだったが、そこから促して3列目を追走。3~4角でペースが上がったが、徐々に進出してエメヴィベールの後ろから外に誘導して直線へ。序盤で2列目まで上がり、残り100mで先頭。そこでやや内に寄れたが、そのまま押し切った。

 3走前はややハイペースで中団有利の展開に恵まれ、自己最高指数を記録。前々走の目黒記念は休養明けで好走した疲れで12着敗退。前々走は超絶高速馬場で前後半5F61秒9-58秒7のかなりのスローペース。前へ行った馬と瞬発力がある馬が有利な展開だったが、1番枠から出遅れて先頭からかなり離れた中団内目の追走となり、能力を出し切ることができなかった。

 休養明けの前走、新潟記念は芝2000mで距離が忙しく、道中も最後の直線も内にモタれて9着敗退。とても能力を出し切ったと言える内容ではなかった。ひと叩きされて距離延長、実績のある京都芝2400mで巻き返しが期待できる。

2024年 サウジアラビアRCの予想

■ペースが上がりにくい舞台だが…

 サウジアラビアRCは2歳重賞競走の充実により、少頭数になることが大半。フルゲート18頭立てになったのは、2017年のみ。また2歳マイル戦はスプリント路線馬と、1600m、1800m路線馬が激突する舞台となり、スプリント路線馬や将来のスプリンターが逃げ、先行する形になることが多い。しかし、それらは距離延長を意識して、ゆっくり逃げ、先行することが多く、基本的にペースが上がりにくい舞台となっている。

 よって、過去10年で明確にハイペースになったのは、不良馬場で行われた2020年のみ。稍重だった2017年、2018年は平均ペースで決着している。本日は断続的な雨の影響でペースが上がることが予想されるが、それでも平均ペースくらいだろう。高速馬場でこその瞬発力型の馬はやや割り引いて考えたい。

東京11R サウジアラビアRC 芝2000m
 ◎ (6)シンフォーエバー
 ○ (3)アルレッキ―ノ
 ▲ (1)アルテヴェローチェ
 △ (4)マイネルチケット
 △ (5)タイセイカレント
 △ (7)フードマン
結論 馬連6-3,1,4,5,7 (25:10:5:5:5) 
ワイド6-3,1,4,5,7 (25:10:5:5:5)

■有力馬と評価ポイント

◎ (6)シンフォーエバー

 新潟芝160mの新馬戦では、7番枠からまずまずのスタート。二の脚が速く、ハナを主張して先頭に立った。そこからはコントロールしてマイペースの逃げ。3角で2番手と1馬身差。3~4角でじわっと2番手を離して、4角でやや外に膨らみながらも2番手と2馬身差。直線序盤でまたやや外にヨレたが踏ん張って3馬身差。ラスト1Fで2着馬に少し差を詰められたが、3着に6馬身差をつけて完勝した。

 新馬戦ではやや外に張り気味だったが、上がり3Fタイムは33秒3とまずまず。ラスト2F10秒7-11秒0もなかなか良かった。

 前走の新潟2歳Sでは、立ち遅れながらもスピードの違いで結局ハナを主張して逃げ、9着敗退。当日は外差し有利の馬場傾向で、最後の直線では外に出せば出すほど伸びていたが、外に出し切れずに9着に敗れた。

 今回は秋の東京開幕週の芝1600m戦。超高速馬場だと後続馬にキレ負けする可能性もあったが、断続的な雨の影響でそこまで高速馬場ではない。しかし、開幕週らしく内が有利の馬場ではあるので、筋肉の張りがとても良い、パワー型の馬体を活かしての先行押し切りを期待する。

○ (3)アルレッキーノ

 前走の東京芝1600mの未勝利戦では4番枠からスタート。ひとつ内の馬が大きく立ち上がった影響もあり、ゆっくりゲートを出していったが、スピードの違いで先頭に立った。道中はコントロールしながらの逃げで2番手と1馬身差で直線へ。ラスト2Fで追われると2列目に3馬身差。ラスト1Fでさらに差を広げて7馬身差で圧勝した。

 本馬は6月の東京芝1800mの新馬戦では、勝利したクロワデュノールが強すぎたことで好指数を記録しながらも2着。逃げてマークされる苦しい形となりながら、好指数を記録しての2着は高評価できるものだった。

 デビュー2戦目の前走は、勝利は当然としてどのくらいの指数を記録するかが見どころだったが、結果は7馬身差の圧勝。指数は前年の半姉チェルヴィニアがデビュー2戦目の未勝利戦で記録したものと同等となった。よって、前年で言うなら新潟2歳Sで勝ち負けとなる指数を記録したことにもなる。

 当然、ここでは実力№1。大きく崩れる気がしないというのが正直なところではあるが、これまでに能力を出し切ったと言えるようなレースをしていない◎(6)シンフォーエバーの可能性に賭けたい。

▲ (1)アルテヴェローチェ

 札幌芝1500mの新馬戦では12番枠から五分のスタート。そこから促されて4番手を追走した。押して行ったがスムーズに折り合いはついていた。3、4角で3頭分外を回って先頭列で直線へ。直線序盤で追われるとラスト1Fで先頭に。抜け出したところを、同馬をマークしていたヒシアマンに迫られたが、踏ん張ってクビ差で勝利した。

 このレースでは上位2頭が3着以下に5馬身差を付けており、どちらもなかなかの好指数を記録した。そのヒシアマンは次走の札幌芝1500mの未勝利戦で6馬身の圧勝。それもラスト2F12秒0-11秒5とまだ余裕を感じさせる内容で、1勝クラスでも通用する指数を記録した。アルテヴェローチェの上昇力にも期待したい。

2024年 東京盃の予想

■雨の影響で馬場が軽くなったが…

 昨日からひと雨降って馬場が軽くなったが、さすがに粒が大きいオーストラリア産の砂に入れ替わる砂厚8㎝(現在は10㎝)の昨年の東京盃時ほど、馬場が軽くない。スピード重視の馬場ではないので1400mがベストの馬にもチャンスがあると見ている。

■有力馬と評価ポイント

◎ (10)シャマル

 前々走のかしわ記念で念願のJpnI初制覇を達成した馬。前々走は5番枠からまずまずのスタートだったが、そこから押してハナ主張。すっと内に切れ込んで主導権を握った。道中も淡々としたハイペースを刻んで3角へ。

 3~4角でも最短距離を通して淡々と進め、2馬身差のリードで直線。序盤で3馬身半差までリードを広げたが、ラスト1Fでタガノビューティーに半馬身ほど詰め寄られ、2馬身半差で完勝した。

 前々走時は田んぼ馬場で、同日は逃げ馬7勝、2着1回という逃げ馬天国ではあったが、それを考慮しても前後半4F47秒8-51秒2のかなりのハイペースで逃げ切った内容は強かった。

 前走のさきたま杯は、前後半3F34秒8-39秒6のかなりのハイペースを3列目の内を追走して3着。レモンポップが逃げるアランバローズを突いていったことでペースが速くなり、アランバローズは大差の最下位に失速。シャマルの外で進めたバスラットレオンも7着に失速したことを考えれば、3着でも上々だった。

 (10)シャマルは1400m~1600mがベストだが、一昨年の東京スプリントでも全盛期のリュウノユキナを相手に完勝しているようにこの距離でもやれるはず。ここは期待したい。

○ (13)イグナイター

 昨年のJBCスプリントでリメイクを相手に完勝した地方競馬のエース。同レースでは8番枠からまずまずのスタートを切り、そこからかなり押して5頭並走の先行争い。しつこく前を主張して逃げたラプタスの外から3角へ。3~4角でも楽な手応えで積極的にラプタスに絡み、4角では同馬とクビ差。直線序盤で早々と先頭に立つとしぶとく粘り、ラスト1Fで外から伸びるリメイク、リュウノユキナを振り切って1馬身半差で完勝した。

 2着リメイク、3着リュウノユキナは道中でカラ馬に絡まれる不利があったが、タフな馬場で前後半3F34秒4-37秒6の速い流れを勝ちに行って優勝したことは評価できる。

 ただし、これには裏話がある。もともと砂の入れ替え予定があった大井はJBC開催の1ヵ月前の時点で「砂の入れ替え予定はない」とコメントしていたが、直前で青森県の六ケ所村産+東通村産から、粒が大きいオーストラリア産に入れ替えられ、砂厚も8㎝→10㎝に変更された。イグナイターの陣営が「それならば出走しない」とコメントしたため、急きょ、砂を入れ替えたのだ。

 イグナイターは昨年のさきたま杯を優勝し、前走のさきたま杯でも強豪相手に◎(10)シャマルの一列後ろの内目を上手く立ち回って2着に善戦しているように、1400mがベストの馬。高速決着の1200m戦だとドバイゴールデンシャヒーンのように置かれて追走に忙しくなる可能性はあるが、今の大井なら雨の影響があってもそこまで馬場が軽くならないはず。

 それならば当然有力。しかし、前哨戦では体を太めに作ってくる新子厩舎で、今回は体重増が予想される。よって対抗評価が妥当と見る。

▲ (1)エンテレケイア

 今夏のSⅠ・習志野きらっとスプリントを勝利した馬。同レースでは11番枠からトップスタートを切って、押してハナを主張。内からオールスマートが競ってきたが、これを制してハナを主張し、そのままペースを落とさずに3角へ。3~4角でやや息を入れて、直線で追い出されると、どんどん後続との差を広げて4馬身ほど。ラスト1Fでさらに差を広げて6馬身差で圧勝した。

 前走のアフター5スター賞は、外からトップスタートを切ってハナを主張したハセノエクスプレスに内から強引に抵抗していく形。結果的に前後半3F34秒6-37秒6と超ハイペースになったが、ラスト3~2Fで再加速して押し切っている。3番枠で内枠のもあったにせよ、この距離、このメンバーでもやれる強さを感じさせた。今回も内枠でハナを狙えるだけに侮れない。

△ (4)ヘリオス

 2021年の秋に東京ダ1400mのグリーンチャンネルCと、霜月Sを逃げて連勝した馬。本馬は一昨年秋のマイルCS南部杯で2着、JBCスプリントで3着の実績もあるが、前記のグリーンチャンネルCが自己最高指数。2022年の根岸S2着を始め、GⅡ、JpnⅡで2着3回の実績がある1400mがベストだ。

 今回はダ1200m戦。近走の不振もあいまって人気がないが、1500mの3走前のかきつばた記念では2着に善戦している。また、前走の東京スプリントでも大外14番枠から果敢に先行し、3~4角で外を回って4着と見せ場を作っているだけに見限れない。

△ (12)エートラックス

 デビュー当初は芝を使われていたこともあり、1勝目を挙げるのに5戦も要したが、昨年12月に休養明けから復帰すると、馬体重12Kg増の成長した姿を見せ、阪神ダ1400mの未勝利戦を逃げ切った。

 するとそこから上昇一途で目下3連勝。3走前の兵庫CSでは3番枠から好スタートを決めてハナを主張。序盤でエコロガイアが競ってきたが、これを楽に制して逃げた。

 3角手前で外からギガースが上がってくると、3~4角の内から抵抗して2番手のチカッパと2馬身差で直線へ。直線では同馬との差をさらに広げて3馬身差で完勝した。

 休養明けの2走前、北海道スプリントCでは(6)チカッパに逆転されたが、前半3F35秒1のオーバーペースで逃げるオスカーブレインを追い駆けて苦しくなったもの。展開に恵まれて中団後方から差し切った(6)チカッパよりも、エートラックスを上に取りたい。

2024年 ジャパンダートクラシックの予想

■波乱要素もある一戦

 ジャパンダートクラシックは新たに創設された3歳馬による秋のダート頂上決戦。昨年まで7月に同舞台で実施されていたジャパンダートダービーを引き継ぐ形になるが、今春からJpn1に格上げされた羽田盃や東京ダービー上位馬や、Jpn2・不来方賞、G3・レパードS、そして海外の重賞に出走していた馬や地方各地区のエースが集う。

 つまり、真の頂上決戦という対戦図式になるが、4月~6月に実施されるJpn1やG1の上位馬はここが始動戦になることが予想され、先日のマリーンカップの関東オークス馬アンデスビエントのような取りこぼしの危険性もある。


大井11R ジャパンダートクラシック ダ2000m
 ◎ (3)カシマエスパーダ
 ○ (10)ミッキーファイト
 ▲ (1)フォーエバーヤング
 注 (4)ラムジェット
 △ (2)フジユージーン
結論 馬複3-10,1,4,2 (16:17:16:1) 複勝3 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (3)カシマエスパーダ

 デビューから上昇一途で鳳雛Sを勝利した馬。同レースでは五分のスタートだったが、軽く促されると行き脚がついて逃げ馬ブルーサン(雲取賞の優勝馬)の外2番手を追走。道中は楽な手応えでブルーサンを突いていく。3~4角でもブルーサンが抵抗し、同馬と3/4差で直線へ。ラスト1F標地点で同馬をかわして追い出されると、突き抜けて4馬身差で完勝した。

 鳳雛Sはカシマエスパーダがブルーサンを突いていったことで緩みない流れとなったが、後のレパードSの3着馬ミッキークレストの追撃を待ったく問題にしなかった。本馬がここで記録した指数は、(10)ミッキーファイトが優勝したレパードSと同等なもの。

 スタミナが不足する休養明けの前走、不来方賞は4番枠から好スタートを切り、初速の違いで先頭。外の逃げ馬パッションクライに行かせようとしていたが、同馬が行かず、結局、逃げる形。ラスト1Fで苦しくなったところを(12)サンライズジパングに差されて3馬身差の2着となった。しかし、今回は前走で苦しい競馬をしたことで息持ちが良くなってくるはず。巻き返しを期待したい。

○ (10)ミッキーファイト

 前走のレパードSの覇者。前走は1番枠からまずまずのスタートを切り、そこからは押しての2列目の最内を追走。向上面で外に誘導して2列目の外で3角へ。3~4角で2列目外から前2頭を見ながら直線へ。序盤で追われ、先に抜け出したサトノフェニックスに食らいついて半馬身差の2番手に上がり、ラスト1Fで同馬をしっかり捉えて1馬身差で完勝した。

 前々走のユニコーンSでは、4番枠から五分のスタートを切り、好位の内目を追走していたが、最後の直線では前が壁となり、(4)ラムジェットに1馬身3/4差を付けられたもの。しかし、前走は2列目の内から最後に直線でそのまま内を狙っても抜け出してこれそうな手応えだった。ミッキーファイトはこれまでのキャリアが4戦と浅いことから、さらなる上昇力を期待したい。

▲ (1)フォーエバーヤング

 通算6戦5勝3着1回。唯一の3着は、前走のケンタッキーダービーになる。前走は11番枠から出遅れたが、二の脚で挽回して中団中目。そこからじわっと位置を下げて外に誘導し、道中は中団の外を追走した。3~4角の外から徐々に進出して直線へ。

 序盤で3~4角で同馬の後ろから上がったシエラレオーネに外から迫られ、激しく馬体をぶつけられながらの叩き合い(3回接触)。ラスト2Fで2列目まで上がったが、好位の内から抜け出したミスティックダンを捉えきれず、シエラレオーネにも競り負けてハナ+ハナ差の3着に敗れた。

 前走は暫定で前後半5F59秒0-64秒3。かなりのハイペースだが、ケンタッキーダービーとしては極端に前半が速いというほどではなく、例年より瞬発力よりのレースになっている。それでも展開に恵まれたのは確か。

 前走を大目標にした後の疲れ残りの一戦で、陣営も状態に自信を持っていないし、一完歩目が速くない本馬にとって最内枠も減点材料になるが、能力はここでは一枚上。

 京都ダ1900mの新馬戦でラスト2F12秒8-12秒2と急加速して勝利し、次々走の全日本2歳優駿の時点で東京ダービーに準ずる指数を記録したほどの素質馬だけに、ここはそこまで評価は下げられない。

注 (4)ラムジェット

 これまで7戦5勝3着1回、唯一、馬券圏外(9着)に敗れたヤマボウシ賞は、出遅れて位置取りが悪くなり、馬群の内目に入れて行ったら進みが悪くなり、9着に敗れたもの。またダ1400mではゲートも二の脚も遅く、追走に苦労している面があったが、1600m→1900m→2000mと距離を延ばして上昇した。

 前走の東京ダービーは14番枠からやや出遅れたが、すぐに挽回して好位の外を追走。向上面では前2頭から離されないように軽く促しながら前2頭の外3番手を追走した。3~4角では前2頭にやや離されたが、直線序盤で追われると前2頭に並びかける。ラスト1Fで先頭に立つと、そこから後続を引き離して6馬身差で完勝した。

 前走は強かったが、今回は前走を大目標とした後の始動戦。先週の関東オークスのアンデスビエントのような取りこぼしの危険性もないわけではなく、評価を下げた。

△ (4)フジユージーン

 地元水沢、盛岡で9戦8勝。3走前のダイヤモンドSでは2番枠からトップスタートを決め、コントロールしながらハナを主張。1角でしっかり先手を取ると、リードを広げて5馬身ほどの差で向上面へ。3角では2番手のエドノバンザイに3/4差まで詰め寄られたが、3~4角で馬なりのまま振り切って2馬身ほどのリードで直線へ。序盤で追い出されると2番手に上がったオオイチョウに4馬身ほどの差。ラスト1Fでも差を詰めさせることなく、4馬身差で完勝した。

 3走前は4走前のスプリングCや前々走の東海優駿のように大差勝ちはできなかったが、この2レースは岩手の馬が相手で2着馬はサクラトップキッド。前々走ではそのサクラトップキッドに2.9秒差を付け、次走の北海優駿の3着馬オオイチョウに4馬身差、3着のエドノバンザイには12馬身差を付けている。

 休養明けの前走、不来方賞ではJRA馬を相手に4着と初めて土付いたが、ペースが上がらないのに折り合ったことも敗因のひとつと見ている。本馬はそれまで逃げ馬を突いて失速させ、早々と先頭に立つようなレースをしていたような馬。前走は最後の直線でキレ負けするように失速しているだけに、人気薄のここは少し買いたい。

2024年 レディースプレリュードの予想

■ダートグレードの勝ち馬は全て休養明け

 レディースプレリュードは過去10年で1着6回、2着4回、3着3回とブリーダーズGC組が活躍している舞台だが、今年はまさかの不在。当初からBCディスタフに出走予定のブリーダーズGCの覇者オーサムリザルトはともかく、2着のデリカダも自己条件へ向かうことになった。

 そのぶん、昨年暮れから今年のダートグレードを勝ち上がった馬が多数。しかし、それらは全て休養明けである。さて、先週のマリーンCや日本テレビ盃のような実績上位馬が取りこぼすパターンはあるのか?このラインより上のエリアが無料で表示されます。

大井11R レディースプレリュード ダ1800m
 ◎ (3)グランブリッジ
 ○ (5)アイコンテーラー
 ▲ (4)ライオットガール
結論 馬複3-5,4 (35:15) 複勝3 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (3)グランブリッジ

 川崎記念、帝王賞と牡馬Jpn路線を歩んで来た馬。強豪オーサムリザルトが相手の前々走、エンプレス杯でも2着。同レースでは4番枠から五分のスタートを切り、好位馬群の中目5番手を追走。2周目の3角手前から進出しながら4角で外に誘導し、大外から直線へ。そこからしぶとく伸び続け、早めに抜け出したオーサムリザルトに迫ったが、クビ差で惜敗した。

 グランブリッジは1800mよりも2100mの川崎記念、エンプレス杯で指数を上昇。今回は距離1800mが嫌われたのか、前記の2レースで(5)アイコンテーラーに先着しながらも同馬よりも人気がない。しかし、前走の帝王賞では外有利の馬場状態を1番枠から好位の内目を通ったことも、外から差したキングズソードに離されてしまった理由であり、悲観する内容ではなかった。

 また2000mの前走で前半3F37秒0と前の位置でレースを進めているだけに、出遅れた昨年のレディースプレリュードやJBCレディスクラシックよりも前の位置でレースを進められる可能性が高い。よって、実力上位で安定感もある本馬を◎とした。

○ (5)アイコンテーラー

 休養明けで初ダートとなった7走前のBSN賞を完勝すると、6走前のシリウスSでも2着と善戦し、5走前のJBCレディスクラシックで戴冠と一気に上昇した馬。

 5走前は4番枠から五分のスタートだったが、促されるとすっと行き脚がついて先行し、道中は内からハナを主張したヴァレーデラルナにある程度プレッシャーをかけながらの追走。3角手前で同馬に並びかけ、3~4角で先頭。そこで捲って上がってきたテリオスベルに抵抗しながら2頭で並走して直線へ。序盤で同馬を振り切り、そこから4馬身ほどリードを広げる。ラスト1Fでもその差を守り切って完勝した。

 当時の大井は砂を入れ替えたばかりで、砂厚も8㎝→10㎝に変更。かなり時計が掛かる状況下で、前後半4F49秒8-51秒0のハイペースとなったが、これを2番手から楽に抜け出して優勝したことは高く評価できる。

 しかし、その後はJBCレディスクラシック時ほどの指数で走れていない。前々走の川崎記念では2着だったが、2番手から3角手前で動いてライトウォーリアに並びかけて行った時は勝かのように思えたが、最後に苦しくなってアタマ+ハナ差の3着。アイコンテーラーの勝ちパターンでありながら、最後に甘さを見せた点にやや不安も残る。

 ただし、前走のエンプレス杯は3番手を追走し、1周目4角で先頭に立ったオーサムリザルトをマークして2番手に上がり、2周目の向上面での同馬ペースアップについて行ったために、最後の直線で苦しくなったもの。そこまで悲観するような内容ではなかった。

 今回はスタミナが不足する休養明けであり、近走で見せた終いの甘さから、(2)アンティキティラや(4)ライオットガールには競っていなかい可能性が高く、巻き返しへの期待が高まる。

▲ (4)ライオットガール

 3走前の兵庫女王盃でダートグレード3勝目を挙げた馬。3走前は7番枠から好スタート。内の(6)ヴィブラフォンも好スタートを切ったが、同馬より加速が付いて、そのままハナへ。マイペースで逃げて、2周目の向正面で徐々にペースアップ。3角で外から(7)アーテルアストレアに並びかけられたが、それに抵抗して4角で2馬身ほど差を広げれ直線へ。直線でもしぶとく粘ってその差を維持して完勝した。

 ライオットガールは前に行ってこその馬。ただし、3走前は鞍上の岩田望来騎手が、レース後に「地元のジョッキーに聞いても逃げて内を通るのが有利だということでしたので、出していって、先手が取れそうだったので、逃げる選択をしました」とコメントしていたように、園田としては馬場が軽く、内と前が有利な状況下でマイペースで逃げることができたというのもある。

 前々走エンプレス杯でも積極的に出してハナを取り切ったが、1周目の4角でオーサムリザルトに捲られ、それでも何とか付いていったが、最後の直線で苦しくなってキャリックアリードにも差されての4着。

 前走のスパーキングレディーCは、2.5Fの距離短縮となった影響もあってやや出遅れ。キャリックアリードが内にヨレてぶつけられ、後方からの追走。そこから内に入れて位置を挽回していったために、苦しくなって5着に敗退した。今回の距離で今回のメンバーなら、楽に先行できるはず。また今回は、印上位の2頭や(7)アーデルアステリアよりも軽い斤量55Kgで乗れる優位性もある。

2024年 マイルCS南部杯の予想

盛岡12R マイルCS南部杯 ダ1600m
 ◎ (2)ミックファイア
 ○ (1)レモンポップ
 ▲ (14)ペプチドナイル
 注 (4)タガノビューティー
 △ (6)キタノリューオー
 △ (7)サヨノネイチャ
結論 馬連2-1,14,4,6,7 (15:5:3:1:1) 複勝2 (25)

■有力馬と評価ポイント

◎ (2)ミックファイア

 デビューから無敗でダート三冠馬となった馬。5走前のジャパンダートダービーでは6番枠から好スタートを切って、そこから押して行ったが、外のミトノオーの方が速く、同馬を行かせてその外を取りに行く。

 しかし、内のテーオーリカードやユティタムらが速く、好位の外5番手を追走する形。道中のペースは速かったが、3角で3頭分外から位置を押し上げ、3番手で直線へ。ミトノオーとの差は大きかったが、ラスト1F手前でユティタムをかわし、最後ミトノオーをかわして2馬身半差で完勝した。

 本馬がジャパンジャパンダートダービーで記録した指数は、今年のフェブラリーSと同等なもの。その後は不振だったが、前々走のフェブラリーSで小差の7着、前走のかしわ記念で小差の5着と復調の兆しを見せている。

 今回はそこから立て直されての一戦。この距離だと好位にはいけないので、(1)レモンポップの引き上げ方によっては昨年のマイルCS南部杯の3着馬レディバグのように、展開がドンピシャに嵌る可能性がある。昨日は2番人気だったが、本日は4番人気まで下がり、この人気ならば食指が動く。

○ (1)レモンポップ

 昨年のフェブラリーSを完勝してGⅠ馬になり、昨秋のマイルCS南部杯では圧巻の走りを見せた。マイルCS南部杯では3番枠からまずまずのスタートを切って、枠なりでハナを主張すると、道中はコントロールして後続を引き付けての逃げ。3角では2番手外のイグナイターとはクビ差。

 3~4角で後続を引き離し、イグナイターと4馬身差で直線へ。序盤の上り坂を楽な手応えで駆け上がると、後続をどんどん突き放して独走。2着イグナイター(次走、JBCスプリント優勝)に2.0秒差の大差で完勝した。

 本馬はデビュー以来、初めての逃げたここで戦慄の自己最高指数を記録。ここで逃げがベストであることを証明した。二度の海外遠征で二桁着順に敗れているのは、テンの速い馬多数で逃げられなかったことが主な敗因だろう。

 その次走のチャンピオンズCは、休養明け好走後の疲れ残りの一戦で大外15番枠からまずまずのスタート後、外にヨレするロスがあった。それでも同型馬不在を利して思い切って逃げるたことで、マイルCS南部杯から大幅に指数を下げながらも優勝することができた。

 休養明けの前走・さきたま杯は、7番枠から好スタートを切って内のシャマルを被せてトップスタートを切って逃げるアランバローズに競り掛けていく形。結果、前後半4F34秒8-39秒6の消耗戦となり、アランバローズは3~4角で早々と失速。レモンポップを追い駆けたシャマルも直線序盤で手応えを失ってイグナイターにかわされてしまったが、レモンポップはイグナイターを寄せ付けずに2馬身で完勝した。

 今回は最適距離の1600m戦。しかし、今回はこの中間の追い切りで物足りなさを感じさせていた。最内枠で出遅れて逃げられない可能性も視野に入れて対抗評価とする。

▲ (14)ペプチドナイル

 今年のフェブラリーSでは11番人気の低評価を覆して優勝した馬。同レースでは9番枠からまずまずのスタートを切って先行し、2列目争いに加わって行く。3角手前まで4頭併走状態の内から3頭目を追走していたが、3角手前で2列目の一番外のウィルソンテソーロが2番手に上がり、好位の外で3角へ。

 3~4角でも好位の外から進出して、直線序盤で追われると2列目に上がる。ラスト2Fで追われて先頭列に並びかけると、ラスト1Fで抜け出すと2着争いを尻目に1馬身1/4差で完勝した。

 ペプチドナイルは昨夏の大沼SとマリーンCをフェブラリーSと同等の指数で連勝。大沼Sは10番枠からまずまずのスタートを切り、押して内に切れ込みながらハナを主張。2角過ぎでペースを落とすと、外から一気にボイラーハウスに捲られたが、内から抵抗して同馬をかわす。

 すると今度はディアセオリーに捲られて先頭に立たれたが、3角手前で進路を外に切り替え、3~4角では楽な手応えでディアセオリーに並びかけていく。直線序盤から2頭で後続を離し先頭を取り返すと、ラスト1Fでしぶとく抜け出して3馬身で完勝した。

 その次走のマリーンSは、10番枠から五分のスタートを切って、かなり押して外から競ってくるウェルドーンを制してハナを取り切る。向正面ではコントロールしてややペースを落とし、2馬身のリードで3角へ。3~4角で外から各馬が上がってくると、そこで後続を引き離し、再び2馬身のリードで直線へ。序盤で3馬身ほど差を広げ、ラスト1Fでもしぶとく伸びて3馬身半差でゴールした。

 このようにペプチドナイルはペースが遅ければ自らレースを作ることができ、捲られても対応できる強さ、折り合う競馬にもある程度対応できるのは強み。しかし、前走のかしわ記念ではシャマルのオーバーぺースを追い駆け、ラスト1Fで(4)タガノビューティーに差されてしまったように、今回も○(1)レモンポップを深追いしてしまうことも視野に入れ、評価を下げた。

2024年 スプリンターズSの予想

■ペース上がりやすい舞台も、逃げ候補は競り合わない

 スプリンターズSが行われる中山芝1200mは、外回りの坂の頂上付近からスタートし、約4.5mの坂を下っていくコース。3~4角のカーブが緩いため、下り坂で加速がついたまま4角に進入することになるが、もうひと押しのところで失速し、差し馬が台頭するというパターンが多い。

 スプリンターズSも、中山開催の過去10回で逃げ馬は2着3回、3着1回と一度も勝利がなく、同様の傾向が見てとれる。この傾向は前半からスピードが乗ってしまう超高速馬場でより顕著となる。

 しかし、今年は最終週にして時計が掛かり出しており、逃げ馬候補のピューロマジックとビクターザウィナーが極端に競り合っての前がかりの展開にはならないと想定している。

中山11R スプリンターズS 芝1200m
 ◎ (14)ビクターザウィナー
 ○ (10)ピューロマジック
 ▲ (13)ルガル
 注 (5)ナムラクレア
 △ (3)ウインマーベル
 △ (7)マッドクール
 △ (8)モズメイメイ
 △ (12)サトノレーヴ
結論 馬連14-10,13,5,3,7,8,12 (10:10:10:5:5:5:5) 複勝14 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (14)ビクターザウィナー

 今春の高松宮記念は逃げながらも最後の直線で伸びない外を選択する形で3着に敗れた。しかも、この高松宮記念はセンテナリースプリントCを大目標とし、結果を出した後の一戦である。

 前々走のチェアマンズSPでも抜群のスタートを決めてハナを主張したが、前半は外からハウディープイズユアラブに競られて息を入れられず、3角手前で今度はマッドクールが迫ってきたので抵抗し、ペースを引き上げて苦しくなった。完全なオーバーペースだったが、マッドクールには先着している。

 前走のシャティンヴァーズでは6着敗退。ここではシーズンオフを前に一度使っておきたかったのか、斤量61kgの酷量を背負っての出走だった。ややスローペースで逃げながらも最後の直線で伸びあぐねた辺り、本調子ではなかったと考えられるが、それでも残り300mまで先頭に立っており、見せ場はあった。

 今回は立て直されての一戦。現状、香港馬と日本馬のトップクラスの対決では香港馬が優勢の勢力図がうかがえるだけに、ここは本命馬としたい。

 斤量61kgを背負っても抜群のスタートを決めるほど一完歩目が速いが、昨年の香港スプリントでは外のジャスパークローネを行かせて2番手の外から小差の4着に善戦しているように、控えてもやれる馬。大方の予想に反し、ピューロマジックとそこまで競り合いにならないパターンもあり得るとみている。

○ (10)ピューロマジック

 3歳馬ながら北九州記念を優勝。同レースでは12番枠からまずまずのスタートだったが、スピードの違いで内に切れ込み、同型馬を制すると、そのままペースを緩めずに3角へ。3~4角でも最内を通って2馬身差を維持。直線序盤でヨシノイースターに1馬身3/4差まで詰められた。ラスト1Fでは同馬にさらに詰め寄られたが、しぶとく踏ん張り、半馬身差で振り切った。

 北九州記念当日は時計の掛かる稍重馬場かつ強風で、ハイペースで逃げ切るのは楽ではなかった。それでも、前後半3F32秒3-35秒6の相当なハイペースで逃げ切り勝ち。斤量53kgと恵まれた面はあったが、初速の速さにものを言わせての横綱競馬で新星誕生を予感させた。

 前走のセントウルSは休養明けで好走した疲れで13着敗退。それほど速くないペースので逃げだったが、前々走では消耗戦に持ち込んでの優勝だったことから、大敗しても当然だった。今回は前走で凡走したことで疲れが取れて、変わり身が見込める。

 今回は(14)ビクターザウィナーとの競り合いが予想されるが、ピューロマジックは初速が非常に速い上に、ビクターザウィナーよりも内枠を引いたので、本馬が逃げて、ビクターザウィナーがその外2番手という形で隊列が落ち着く可能性が高いとみている。対抗評価だ。

▲ (13)ルガル

 デビュー当初はダートを使われていたが、芝路線に転向して本格化。芝2戦目、不良馬場で行われた昨年の橘Sを5馬身差で圧勝し、3歳春の時点で古馬OPでも十分に通用する指数を記録した。その後は出遅れやレース中の不利が続いて善戦止まりだったが、前々走のシルクロードSで重賞を初制覇した。

 前々走は4番枠から好スタートを決めてハナを主張したが、最終的には外のテイエムスパーダを行かせて、離れた2番手を追走した。3~4角ではコントロールしながらテイエムスパーダとの差を詰め、4角では持ったままで同馬と半馬身差で直線へ。直線序盤で馬場状態の良い外に誘導してテイエムスパーダをかわし、1馬身半ほど前に出た。ラスト1Fでそのまま抜け出し、アグリの追撃を問題にせず、3馬身差で完勝した。

 シルクロードSで記録した指数は、ここでは1位タイ。昨秋のスプリンターズS出走なら優勝、今春の高松宮記念出走なら(7)マッドクールや(5)ナムラクレアと接戦レベルのものだった。

 しかし、1番人気に支持された前走の高松宮記念では10着敗退。この敗因を悪化した馬場に求める見解もあるが、この馬は不良馬場でも実績がある。となると、シルクロードSで自身がこれまでにないレベルの走りをした疲れによるものが大きいと考えられる。レースからしばらくたった頃に骨折が判明し、今回は休養明けのぶっつけ本番になるが、巻き返して当然の実力がある。

△ (3)ウインマーベル

 前走の京王杯SCを始め、芝1400mの重賞で3勝を挙げた馬だが、2022年のスプリンターズSで2着の実績がある。同レースでは7番枠から五分のスタートを切り、そこからは押しながらの追走で中団中目で落ち着いた。3~4角でも中団中目でややロスを作ったが、直線序盤でしぶとく伸びて2列目まで上がり、ラスト1Fで抜け出したジャンダルムにクビ差まで迫った。

 ここでは前後半3F32秒7-35秒1のかなりのハイペースに恵まれての2着だった。本馬は芝1200mでは先行できないこともあり、今年の高松宮記念のような内と前が有利な馬場&展開の大外枠だと苦しいが、今回はさすがに高松宮記念時よりはペースが速くなるだろう。また今回は内枠というのも好ましい。

△ (7)マッドクール

 今春の高松宮記念の覇者。同レースでは2番枠からまずまずのスタートを切り、そこから押して先行策をとった。外からハナを主張するビクターザウィナーにある程度は抵抗しながらも最終的には行かせ、2列目の3~4角で最内を通り直線へ。直線序盤ですっと伸びて半馬身ほど前に出て、ラスト1Fでそのまま抜け出したところをナムラクレアに急追されたが、ハナ差でしのいだ。

 中京芝1200mは道悪になっても外差しは決まりにくく、前走時も圧倒的に内が有利な馬場。ここでは最短距離を通るスマートな立ち回りで自己最高指数を記録した。

 前走のチェアマンズSPは、休養明けで高松宮記念を好走した疲れからか大外11番枠からやや出遅れてしまった。そこから押してハナを狙ったが、3角までに取り切れなかったことで、3角で外に膨らんで位置が下がり、11着に大敗。今回はそこから立て直されての一戦で巻き返しは期待できる。

 高松宮記念時ほどの指数では走れないと見ているが、国内では熱中症に近い状態で体を絞り切れなかったCBC賞以外は馬券圏内を外していない。昨秋のスプリンターズSでも10番枠から上手く好位の最内に入れてハナ差2着に善戦したこともあり、軽視できない。

△ (8)モズメイメイ

 デビュー4戦目のチューリップ賞を優勝し、桜花賞出走後の初めての芝1200m戦となった葵Sでは、フライング気味のスタートを切って逃げ切り勝ちした馬。その後は2桁着順の繰り返しと調子を落としていたが、今夏の北九州記念で3着と復調を見せると、次走のアイビスSDを優勝。前走のセントウルSでも3着と上昇一途だ。

 前走は1番枠から五分のスタートだったが、そこから押して枠の利とペースも上がってこないということもあり、楽に2列目の最内を追走。3~4角でもスムーズに最内を通して、2列目で直線へ。序盤で進路がなく、ややまごつく場面もあったが、最内を狙って2列目に食らいつく。ラストFではそのまま最内から踏ん張って先頭に立ったが、そこを外から2頭に差されて3着となった。

 ここでは(2)トウシンマカオ、(6)ママコチャに敗れたが、前記2頭は休養明けで好走した後の一戦。おそらく目標はこの先だろう。一方、モズメイメイはレースを順調に使われ、前進を見せている。相手強化のここでも侮れない。

△ (12)サトノレーヴ

 △ (12)サトノレーヴ

 3歳4月と遅いデビューになった芝1600mの未勝利戦を勝利。その後は条件戦で一度も連対を外すことなく芝1200mで順調にキャリアを積み、今年2月の阪急杯では、重賞初挑戦ながら4着とOPでも通用する能力をアピールした。3走前の春雷Sを勝利すると、重賞の函館スプリントS、キーンランドCを連勝し、サマースプリント王者に輝いた。

 前走のキーンランドCでは、10番枠から五分のスタートだったが、二の脚が速く楽に先行。他馬の出方をうかがいながら2列目の中目で進めた。3~4角で先頭のセッションの後ろを進み、4角出口でセッションの後ろから外に出て、2列目付近で直線へ。直線序盤ですっと伸びて先頭列に並びかけると、ラスト1Fでそのまま抜け出して1馬身半差で完勝した。

 折り合いがスムーズで、仕掛けを我慢できる点が魅力のレース巧者だ。また前々走では最後の直線で1頭分だけ開いたスペースを突いて抜け出しており、この辺りに素質の高さも窺える。しかし、秋の頂点を目指す馬は夏場を休養にあてるのが一般的だ。

 サマースプリントを二連覇したベルカントが、スプリンターズSで2桁着順に終わったのは、そこにも理由があったとみているし、2022年のサマースプリント王者となったナムラクレアも同年のスプリンターズSでは5着と、初めて芝1400m以下で連対を外す結果となっている。また、〇(10)ピューロマジックや◎(14)ビクターザウィナーが前に行く形での12番枠となると、3~4角で外々を回るリスクもあすが、本馬に関してはまだキャリアが浅く、上昇一途なので警戒はしたい。

2024年 シリウスS+中京9R以降の予想

シリウスSの前に、中京9Rの予想を出します。以降のレースはもうしばらくお待ち下さいm(__)m。

中京9R ヤマボウシ賞 ダ1400m
 ◎ (10)ハッピーマン
 ○ (2)エコロアゼル
 ▲ (5)クレーキング
 △ (1)アメリカンビキニ
 △ (4)スカイブルー
 △ (9)ソロモン
結論 馬複10-2,5,1,4,9 (各10) 複勝10 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にアメリカンビキニ(-14.7pt)、ハッピーマン(-9.0pt)、スカイブルー(-8.0pt)、クレーキング(-5.0pt)、エコロアゼル(-4.0pt)。

 力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また、最高値が能力値上位馬と同等の場合には、それを本命馬とする場合もある。

◎ (10)ハッピーマン

 京都ダ1200mの新馬戦では8番枠から出遅れたが、そこから加速して好位列の中目の後ろまで巻き返した。道中は序盤の加速がつきすぎて、そこから抑えたのでやや折り合いを欠いたが、流れに乗ってからはスムーズだった。3~4角では砂を被りながら好位の中目まで上がり、直線序盤で外に誘導された。追われると手応え良く一気に先頭に並びかけ、ラスト1Fで突き抜けて2着に3馬身半差、3着に7馬身差をつけて圧勝した。

 上がり3Fタイムの36秒8は、同日3Rの3歳未勝利戦を8馬身差で勝利し、1クラス上の指数を記録したゼンカイパイロと同等の数字。2歳新馬戦としてはかなり優秀なタイムだ。

 ラスト2Fは12秒5-12秒4。ダート新馬戦で最後まで加速したことは高く評価できる。スタート後のロスを考慮すれば、今回の指数以上に強いと評価できる。今後かなりの活躍が期待できる。

○ (2)エコロアゼル

 新潟ダ1200mの新馬戦では、3番枠から五分のスタート。芝の部分ではダッシュがつかなかったが、ダートコースに入ると加速して先頭に立った。そこからも緩みないペースで走り、半馬身ほどの差で直線へ。直線序盤は軽く追われて1馬身差。ラスト1Fで追われると一気に後続を引き離して2馬身半差で完勝した。

 前走は無理目に逃げての勝利だったが、本馬が本来、差し馬だったとするならば、ここで変わってくるだろう。

▲ (5)クレーキング

 東京ダ1400mの新馬戦では2番枠から五分のスタート。外の馬たちの方が勢いはあったが、気合を付けると加速が付いて、好位の最内を確保。道中は逃げ馬とのスペースを維持して2列目の最内を追走した。3~4角でスペースを詰め切ったため直線序盤で進路がなく、これはピンチかと思われた。しかし、ラスト2Fで進路が開くと一気に抜け出して先頭に並びかけ、ラスト1Fで突き抜けて3馬身半差の完勝だった。

 指数はこの時期の2歳ダートとしては悪くない。また最後の直線で追い出しを待たされたことを考慮すれば、今回の走破タイム以上に奥がありそう。今後の成長が楽しみだ。

△ (1)アメリカンビキニ

 小倉ダ1000mの未勝利戦では、6番枠から好スタート。外のタガノサダフの方がゲートは速かったが、本馬は二の脚が抜群に速く、楽にハナを取って逃げる形となった。4角まで後続との差はそこまで大きくなかったが、直線に入るとグングン引き離していき、直線序盤で3馬身半差。最終的には2着に7馬身、3着とは15馬身もの差をつけて圧勝した。

 前々走の京都ダ1200mの新馬戦では勝ち馬(10)ハッピーマン同様、スタートがあまり良くなかったが、そこからポジションを取りに行った競馬ぶりは勝ち馬以上にロスがあったとも言える。ハッピーマンが好指数勝ちで高評価していただけに、前走時は期待していたが…走破タイムは57秒2で2歳レコード。

 前走は同日の同距離2勝クラスを上回る走破タイム(指数自体は同日2勝クラスと同等)での勝利とは驚きだった。ラスト2Fは11秒8-11秒5と加速できており、余裕を感じさせた点も評価できる。

 アメリカンビキニはデビュー2戦目で古馬2勝クラスを勝利できる指数を記録。これは、例年のエーデルワイス賞を楽に勝てるものだ。ただし、今回は減量騎手を起用したことで加速が楽になったため、恵まれた面はある。さらにこれだけの走りをすると、楽勝のように見えても疲労が残る可能性がある。それでも前走の走りが優秀だったことは確か。順調ならダートのオープン、重賞でかなりの活躍ができるだけに、警戒は必要だ。

△ (4)スカイブルー

 前走の新潟ダ1200mの未勝利戦では、大外9番枠からトップスタートを決め、軽く促してハナを主張。楽に先頭に立ったが、息を入れようとしたところでジャスパーソレイユが内からプレッシャーをかけてきた。これにより道中は緩みない流れになった。3~4角で今度は外からジャスパーソレイユが絡み、スカイブルーは半馬身差のリードで直線へ向いた。

 逃げるスカイブルーの鞍上はかつて南関東で名を馳せ、中央に移籍してきた戸崎圭太騎手。それを追うジャスパーソレイユの鞍上は大井の笹川翼騎手。この二人による一騎打ちになった。ラスト2Fでスカイブルーは3/4差ほど前に出ていたが、ジャスパーソレイユも食い下がる展開に。最後はスカイブルーが1馬身差で勝利した。

 本馬はデビュー1~2戦目が芝で連続2着。前走はデビュー3戦目で初ダートだった。前走はタフな馬場の小倉で逃げて厳しいペースを経験していたことが最後の粘りに繋がった面もあるが、芝デビューのダート馬はその後の上昇力が大きいもの。ここは一発を期待したい。

△ (9)ソロモン

 前々走の札幌芝1500mの新馬戦では、6番枠からまずまずのスタートを切り、軽く内の馬と接触する場面もあったが、積極策で2番手を確保。道中は逃げ馬の半馬身外を追走。3角から外に張り気味だったが、4角でも逃げ馬と半馬身差を維持。直線では逃げ馬を捉えられる展開だったが、外にややモタれてなかなか伸びず、ラスト1Fでも逃げ馬と半馬身差。それでも最後にハナ差だけ交わしたところがゴールだった。

 本馬は全姉に何かと注目を集めて大活躍したメイケイエールがいる血統馬。堀厩舎ということもあり、3走前の東京芝1800mの新馬戦でも1番人気に支持されたが、好位の外から直線で伸びそうなところから伸びあぐねての4着だった。

 新馬戦、未勝利戦ともにキレ負けしたことから、前走のクローバー賞では1番枠を利して逃げの手に出たが、4着敗退。自身の指数を更新させることはできたが、相手が強かったこともあり、勝ち馬に6馬身、2着馬に4馬身も離されてしまった。ダートの短距離で一考したい。