2024年 埼玉新聞栄冠賞の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

お問い合わせ

地方競馬

2024.10.23
2024年 埼玉新聞栄冠賞の予想

■差し馬受難の馬場

 昨日は逃げ馬の成績が【2・5・3・2】、その他、3角先頭馬が2勝、2着1回と健闘し、YJSトライアルラウンドで11番人気で2着に好走したナリタアンビションを始め、逃げ馬が穴を開けた。

 一方、差し馬が勝利したのは、先行争いが激化した最終12Rの秋風特別のみ。本日の1Rでも逃げ切りが決まり、2Rも3角先頭馬が勝利。昨日から大きな馬場変化が見られない状況だ。

 この状況下で序盤で置かれるところがある断然1番人気の(2)ナニハサテオキはどう戦うのか? とても楽しみな一戦となった。このラインより上のエリアが無料で表示されます。

浦和11R 埼玉新聞栄冠賞 ダ1800m
 ◎ (4)ヒーローコール
 ○ (2)ナニハサテオキ
 ▲ (6)ユアヒストリー
 △ (8)アイブランコ
 △ (7)ラッキードリーム
 △ (9)ゴールドハイアー
 △ (1)デスティネ
結論 馬複4-2,6,8,9,1 (19:10:6:8:6:1) 複勝4 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (4)ヒーローコール

 今年1月の報知GP(川崎1800m)では強豪相手に2着。同レースでは1番枠から五分のスタートを切ってかなり押していったが、外のエルデュクラージュのほうが速くて逃げられず。そこから同馬の外を狙ったが、その位置を外のマッドルーレットに取られ、エルデュクラージュの後ろをスペースを作って追走する形。

 3~4角では最内から前との差を詰めて、直線序盤で逃げ粘るエルデュクラージュの外に誘導。ラスト1Fで同馬が甘くなり、そこで徐々に差を詰めたが、2馬身差までだった。しかし、先着した相手がスワーヴアラミス、ロードレガリス、ギガキングなど、重賞で好走実績がある馬だったことを考えるとよく粘っている。

 ヒーローコールは昨年9月の戸塚記念(川崎2100m)で逃げて6馬身差で圧勝するなど、これまで3回逃げて勝率100%を誇るように、前に行って持久力を生かしてこその馬。ポジションと着順が比例するような面がある一方で、出遅れ癖や二の脚の遅さがあり、報知GPのように同型馬が手薄にならないと苦しい面がある。

 しかし、今回は同型馬が手薄。前々走の大井記念ではスローペースを出遅れて行きっぷりも悪く、後方からの追走となって6着に敗れたが、立て直された前走フリオーソレジェンドCでは、出遅れてはいるものの、12番枠から先行争いに加わっており、行きっぷりに復調を見せている。

 前走は結果的に前に行く馬に厳しい流れとなって4着に敗れたが、ここは前走で2400mに出走しているテンの遅い馬が多い。前半で無理をさせたくない(7)ラッキードリームの出方ひとつで逃げられるし、同馬が行ったとしてもその2番手にはつけられるだろう。そのうえで浦和は前が有利な馬場でもあるので、前走からの前進に期待したい。

○ (2)ナニハサテオキ

 初めての重賞挑戦となった4走前の報知AC(川ダ2100m)では2着。4走前は1番枠から出遅れたが、じわっと挽回して中団やや後方からの追走。1周目のスタンド前の半ばから押し上げて2周目の1角では逃げるライトウォーリアから大きく離れた3列目の外まで位置を上げる。

 向上面ではライトウォーリアとの差を詰め、3角では2番手まで上がって2馬身差。4角では1馬身差まで詰めると、直線でもしぶとく伸び続けて同馬にクビ差まで迫った。

 4走前は暫定前後半5F62秒6-67秒2のかなりのハイペースで逃げ切ったライトウォーリア(次走の川崎記念を優勝)が強かったが、道中で早めに動いて3着馬に6馬身差をつけた本馬も十分に強い内容だった。

 3走前の京成盃グランドマイラーズでは、2100mから1600mへの大幅距離短縮で5番枠から出遅れ、行き脚もつかず、最後方からの追走となりギガキングに3馬身離ほど離された2着に敗れた。

 しかし、前々走フリオーソレジェンドC(船橋1800m)では逆転V。7番枠から五分のスタート後に挟まれる不利があったが、中団の外から向上面で先に動いたギガキングを追い駆けて進出し、ラスト1Fで捉えて3馬身差で完勝した。

 これまでダートでは12戦7勝2着4回。前走の日本テレビ盃(船橋1800m)では始めて複勝圏外の4着に敗れたが、中央馬が相手で例年ほどペースが上がらず、逃げ切りが決まる展開だったことを考えれば上々だった。

 このように実力は確かだが、今回は前走で能力を出し切った後の疲れ残りの一戦。テンが遅く、後方からの追走となる馬だけに、今回の展開や馬場を考えると不安である。鞍上が「2着でもいい」という騎乗ならばここも崩れない可能性があるが、前々走のように力ずくで捲るような競馬だと崩れる危険性もある。

▲ (6)ユアヒストリー

 昨年の埼玉新聞栄冠賞の3着馬。同レースでは6番枠から五分のスタートを切って、前を主張する馬を行かせて好位馬群の直後を追走。3角で馬群の中目から押し上げて、4角出口で馬場の良い外へ誘導。そこからしぶとく伸びていたが、クビ+ハナ差までだった。

 昨年の埼玉新聞栄冠賞は、ランリョウオーの逃げで前後半5F62秒9-後半5F65秒1のハイペースで、外差し有利の馬場。展開と馬場にやや恵まれた面があったが、5走前の報知ACでは中団やや後方から2周目の向上面で動いて4角で2列目の外まで上がり、◎(4)ヒーローコールにクビ差ほど先着している。

 前々走の六甲S(園田1870m)では(7)ラッキードリームにクビ差敗れたが、逃げた同馬に展開の恩恵があったもの。また前走の姫山菊花賞は休養明けで園田に遠征。中団中目を追走して4角で包まれ、直線序盤で進路を探してややまごつく不利があって6着に敗れている。6着と言っても着差は0.3秒差だから、悪いものではない。ひと叩きされての前進に期待したい。

△ (8)アイブランコ

 JRAの3勝クラスで2着3回、3着1回の実績がある馬。4走前の招福S(中山ダ1800m)では13番枠から五分のスタートを切り、控えて後方馬群の前方中目を追走していたが、向上面で位置を押し上げて3角では好位の外。4角では2列目の外まで上がって直線へ。序盤で先頭列に並びかけたが、ラスト1Fでロードアヴニールが馬群を捌いて一気に先頭。それを目標に追って半馬身まで迫った。

 その後に浦和に移籍。移籍初戦の3走前のスパーキングサマーチャレンジでは7着に敗れているが、ここは距離が短いマイルの外枠で、終始外々回るロスを作ったもの。

 また、前々走の東京記念TR(大井2400m)多いは行った、行ったのワン、ツー、スリー決着を後方で構えたまま5着に敗退している。森泰斗騎手に乗り替わった前走の東京記念(大井2400m)は出遅れながらも、中団内目を追走ともっと流れに乗せて行ったが、結果的に東京記念TR以上のスーパースローペースとなったために、2列目付近から抜け出した前2頭を差し切れなかった。

 近2走は距離に自信のない乗り方だったが、この距離ならもっと積極的にレースの流れに乗せて行けるだろう。ここでの前進に期待したい。

△ (7)ラッキードリーム

 昨年8月のイヌワシ賞(金沢2000m)では2番手から早めに抜け出して今年の東京記念の2着馬ウラノメトリアを撃破した馬。その後も園田で上位争いを繰り返し、前々走の六甲Sでは▲(6)ユアヒストリーを撃破して勝利した。

 ラッキードリームは出遅れ癖があり、二の脚も遅いが、前々走の六甲盃では11番枠から珍しく好スタートを切り、かなり押してハナを主張。ハナを取り切るとマイペースに持ち込み、2周目向正面からペースアップ。3角でユアヒストリーが並びかけるとそこから追い出され、そのまま押し切ってクビ差で勝利した。

 前々走は逃げ馬の不在を利してのスローペースの逃げ切り勝ちだったが、ここでユアヒストリーを撃破したことは評価できる。前々走の東京記念はスタミナが不足する休養明けで大幅延長。馬体重13Kg減が示すように、本調子ではなかったようで、ランリョウオーとのハナの譲り合いの末、2番手を追走する形。結果、勝ち馬から離された4着に敗れた。

 今回は前走から距離が短くなるのもいいし、先行馬が手薄なメンバーもいい。出遅れ癖もあり、二の脚も速い方ではないが、今回のメンバーならば、◎(4)ヒーローコールの出方ひとつで逃げられるし、同馬が行ったとしてもその2番手にはつけられるだろう。

 ただ展開に恵まれながらも4着敗退の前走から一変となると微妙な面もあり、これで人気なら買い目には入れない予定だったが、今回は顕著に前有利の馬場ということもあり、急きょ、買い目に加えた。

△ (9)ゴールドハイアー

 5走前にJRAのオープン、総武S(中山ダ1800m)を勝利した馬。ここでは7番枠から五分のスタートを切って中団中目を追走。道中も中団中目で我慢していたが、3角で前の断然1番人気馬サーマルソアリングが仕掛けて上がっていくと、それを追い駆けて進出。直線序盤で同馬の外に誘導するとしぶとく伸びて好位列まで上がり、ラスト1Fでサーマルソアリングを差し切って3/4差で勝利した。

 今回の出走馬中で、JRA所属時代にオープン勝ちの実績があるのは本馬のみ。その後が不振だが、太かった馬体も前走の日本テレビ盃では好走時の馬体重に戻せており、ここでの変わり身を一考したい。

△ (1)デスティネ

 3走前のアルテア賞では東京記念の覇者ナッジを2着に下して勝利した馬。3走前は5番枠から五分のスタートを切り、中団やや後方を追走。向上面で促されながら2列目の外まで押し上げて3角へ。3~4角でも鞍上の手が動いて4角出口で鞭も入れられたが、序盤の伸びはジリジリ。しかし、徐々に加速がついて先頭列に並びかける。ラスト1Fで一気に抜け出し、3馬身差で完勝した。

 デスティネはエンジンの掛かりが遅いが、掛かってからがしぶとく伸びてくるタイプ。距離延長の前走・東京記念は「この馬の持久力を活かせれば」と重い印を打ったが7着敗退。前走はスーパースローの後方2列目の内を追走と、そもそも苦しい位置取りで上がりの速い決着に泣く形となった。

 今回は相手強化の一戦になるが、騎手変更でR.クアトロ騎手に乗り替わったことは手強い。本日は前有利の馬場を意識して3~4角の外から動いて行く馬が多い中で、1番枠を利して最内を上手く立ち回れれば3着くらいはありそうだ。

記事一覧へ戻る