2024年 マイルグランプリの予想

■やや外差し有利の馬場で展開も後押し

 テンの速い(16)スマイルウィが出走しているが、同馬は被されなければどの位置でもOKのタイプ。今回は逃げてこその(12)アランバローズが逃げて、2番手がスマイルウィという隊列が濃厚だ。

 しかし、スマイルウィがアランバローズに競り掛けてなかった今年8月のスパーキングサマーC(川崎1600m)でもアランバローズが逃げて前後半4F49秒8-52秒0のハイペースとなり、差し馬の(13)フォーヴィスムが勝利。4着も8番人気の差し馬(4)ボンディマンシュだったことから、ここも差し馬優勢と見ている。

 確かにスマイルウィもアランバローズもダートグレードを勝ち負けするほど手強い馬だが、前々走で厳しい流れを経験したことが前走に繋がった面がある。本日は最後の直線で外を通す方が伸びており、配当妙味も含めて差し馬を本命◎にする結論に至った。


大井11R マイルグランプリ ダ1600m
 ◎ (3)デュードヴァン
 ○ (2)スピーディキック
 ▲ (16)スマイルウィ
 △ (1)ムエックス
 △ (5)マンダリンヒーロー
 △ (11)イグザルト
 △ (13)フォーヴィスム
 △ (15)ボンディマンシュ
結論 馬複3-2,16,1,5,11,13,15 (8:8:8:8:8:8:2) 複勝3 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (3)デュードヴァン

 2022年夏のOP・阿蘇S(東京ダ1700m)の勝ち馬。この阿蘇Sは逃げ馬不在。8番枠から五分のスタートを切り、内からハナを主張したスナ―クスターを制してハナへ。先頭に立ってかなりペースを落とすと、向上面半ばでアッシェンプッテルが並びかけてくる。それに抵抗してペースを引き上げ、同馬とのマッチレースに。ラスト1Fで何とかアッシェンプッテルを競り落として1馬身差で勝利した。

 その次走の武蔵野Sで10着に大敗すると大井に移籍し、昨年は川崎マイラーズC3着、マイルGP3着の実績。今年は1月の川崎マイラーズCで重賞初制覇を達成すると、7月のサンタアニタTも勝利した。

 昨年の川崎マイラーズCは捲り、マイルGPは先行策で最後の直線で甘さを見せていたが、今年は末脚一門で川崎マイラーズCとサンタアニタTを勝利。ともにかなりのハイペースに恵まれての結果だったが、今回も川崎マイラーズCで逃げた(12)アランバローズが出走している。その外にはテンの速い(16)スマイルウィもいる。

 スパーキングサマーC時は、スマイルウィの調子がひと息で逃げるアランバローズを追い駆けなかったが、それでも前述したようにハイペースとなっており、ここもそれなりに速い流れになると見ている。

○ (2)スピーディキック

 昨年のスパーキングレディーCで2着に健闘しているように、ダ1600mがベストの馬。同レースでは大外9番枠から五分のスタートを切ると、そのまま控えて後方2番手で1角へ。内のグランブリッジをマークで乗られていたが、向上面で手応えの悪い同馬をかわし、3~4角で馬群の間に突っ込んでいった。直線序盤で外に誘導し、そこから前を追ったが、レディバグと首の上げ下げで2着に敗れた。

 昨年のスパーキングレディーCはマークする馬を間違えて仕掛けが遅れたもの。普通に乗っていれば勝っていた可能性が高い内容だった。

 今年はフェブラリーS、芝の阪神牝馬Sで大敗。そこから立て直された得意の川崎1600mのスパーキングレディーCでも4着、スパーキングサマーCでも5着と振るわない。状態が上がってこないようで、当初予定していた先週のレディスプレリュードをスキップし(ゆえに、今回は主戦の御神本騎手ではない)、地方馬が相手のここに出走することになった。今年の東京シンデレラマイルで引退が確定している。

 しかし、前々走は4番枠で中団の内から向上面で中目に出していったが、3角から包まれて、最後の直線でも外から蓋をされて進路を内に切り替えるロスがあっての4着。スパーキングサマーCは勝ち馬(13)フォーヴィスムには離されたが、速い流れを終始外々を回るロスを作り、最後の直線でも伸びない外を通っての結果。全盛期の勢いはないにせよ、能力を出し切ったような内容ではなかった。ここで変わる可能性を期待したい。

▲ (16)スマイルウィ

 2022年の京成盃グランドマイラーズで、当時の南関東トップクラスのカジノフォンテン、ギガキング、モジアナフレイバーを下して優勝すると、その後、1400mから1600mの南関重賞やダートグレード競走で11戦連続で連対。昨年はさきたま杯、オーバルスプリントでも2着と健闘した。

 5走前のオーバルスプリントは、3番枠から好スタートを決めたが、内からラプタスがハナを主張したので、競らずにその2番手を追走。外からドライスタウトがプレッシャーをかけてくると、スマイルウィはラプタスにプレッシャーをかけて行く形。3角で外からドライスタウトが並びかけてくると、それに抵抗して4角先頭。直線でしぶとく粘っていたが、最後に差されて3/4馬身で敗れた。

 しかし、逃げたラプタス6着に敗れたように、前後半3F35秒2-38秒1の超絶ハイペース。2番手から2着に粘った内容は十分に強かったと言える。

 前々走スパーキングサマーCは、オーバーペースで逃げる(12)アランバローズの2番手で進めて12着と大失速。しかし、5ヵ月の休養明けでは、息切れしても仕方ない。この厳しい競馬を経験したことがスタミナ強化に繋がり、前走のオーバルスプリントでは悲願のダートグレード制覇を達成することができた。

 前走は昨年ほど相手が強くなかったにせよ、ここでは間違いなくNO.1の実力を持っていると言える。しかし、前走を大目標にして好走した後の一戦となると余力面で不安があり、ここはどうしても評価が下がる。

△ (1)ムエックス

 中央所属時代は阪神ダ1800mで3連勝した後、準オープンで大敗続きだったが、船橋の張田厩舎に移籍するとB2B3の2200mを勝利。そこから徐々に距離を短くし、7走前のB1B2の大井1600m戦を勝利すると、そこから7連勝で前走のマイルグランプリTRを制した。

 前走は8番枠から五分のスタートを切り、前3頭から離れた中団中目を追走。3~4角の外から一気に押し上げて、2列目の外で直線へ。序盤で早々と先頭に立つと、ラスト1Fで一気に差を広げて4馬身差で完勝した。

 前走は前々走のサマーナイト賞で半馬身差だったゴールドレガシーとの差を4馬身まで広げており、完勝だった。前走はJBCの前哨戦ウィークで、ここ最近では馬場は軽かったにせよ、1分40秒0というサンタアニタTよりも0.7秒速いタイムでの勝利。当然、ここでも通用する実力はある。
 
 しかし、トライアルで好走した馬というのは、本番には繋がりにくいもの。過大評価は禁物だ。

2024年 秋華賞の予想

■緩みなく流れやすいGⅠ

 秋華賞の舞台となる京都・芝2000mの内回りは最初のコーナーまでの距離が約309mと短く、上級条件になると2コーナー過ぎまでハナ争いが続くこともある。一方、最後の直線も約328mと短いため、差し追込馬は3コーナーの下り坂から仕掛けていくことが多い。

 2コーナー過ぎまでペースを上げていく先行勢と、最後の短い直線を意識して3コーナーから仕掛ける後方勢。この関係からレースは緩みなく流れやすい。

 秋華賞も例外ではなく、京都開催の過去10回で極端なスローペースになったのは2012年と2023年の2回だけ。ジェンティルドンナとリバティアイランド、末脚型の二冠馬が出走していた年だ。

 ヴィブロスが優勝した2016年もややスローペースではあったが、それ以外の年は平均ペースよりも速く、逃げ馬は2着こそ2回あるものの優勝はゼロである。今年も中団以降の馬が有利と見て予想したい。


京都11R 秋華賞 芝2000m
 ◎ (10)ボンドガール
 ○ (11)ランスオブクイーン
 ▲ (14)ステレンボッシュ
 注 (6)ラビットアイ
 △ (5)チェルヴィニア
 △ (8)コガネノソラ
 △ (9)アドマイヤベル
 △ (2)ミアネーロ
結論 馬連10-11,14,5,6,8,9 (14:10:4:10:4:4) 複勝10 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (10)ボンドガール

 古馬と初対戦のクイーンSで2着。同レースでは1番枠から好スタートを決めたが、そこから位置を下げて控える形を選択。道中は後方最内で脚を溜めた。

 3~4角では中目に誘導、スペースを見つけて中団まで進出して直線へ。序盤で好位列まで上がり、ラスト1Fで馬群を捌いて(8)コガネノソラとの差を詰めたが、アタマ差届かなかった。この時は斤量51kgの恩恵はあったものの、コガネノソラと並ぶトップタイの指数を記録している。

 前走の紫苑Sは、クイーンSで自己最高指数を記録した後の一戦。疲れもあったようで、レコード決着となる速い馬場で痛恨の出遅れ。後方2列目から最内を距離ロスなく立ち回ったが、4角で前が壁になり、外への誘導も難しく、中目で仕掛けを待たされるロスも受けた。それでも、ラスト1Fで外に出し切ってからはしっかり伸びて3着と善戦した。

 昨年6月の新馬戦では、のちのオークス馬チェルヴィニアなどの強豪を破った素質馬。その後はやや順調さを欠き、ようやくたどり着いた大舞台・NHKマイルCでも、最後の直線で最内から先頭を狙ったところをアスコリピチェーノに寄せられて窮屈になり、安全確保のために位置を下げて流して終わるという出来事もあった。

 しかし、近走の内容から、ここに来てようやく軌道に乗ったとみる。

〇 (11)ランスオブクイーン

 オークスでは大外18番枠からやや出遅れたが、楽に挽回して好位の外を追走。道中は離れた2列目の外で進めて3角へ。3~4角で前が苦しくなって下がってくる状況で、ひとつ外からかわして4角先頭で直線を迎える。

 序盤で馬場の中目に誘導して追われたが、そこで外から(2)クイーンズウォークが並びかける。ラスト2Fでも2列目付近を維持していたが、ラスト1Fで甘くなり、クビ+ハナ差の3着争いに敗れた。

 しかし、オークスは前へ行った馬には厳しい流れになった。実際、好位から早めに仕掛けて4着に敗れたクイーンズウォークは次走でローズSを優勝。それを考えるとランスオブクイーンの競馬も強い内容だった。

 その後は1勝クラスを勝ち、前走・夕月特別は3着。前走は単騎で逃げたタケトンボが8番人気2着と好走したように、ややスローペースのなかでランスオブクイーンは逃げ馬から離れた好位の外を追走。ラスト1Fでは3頭の叩き合いとなるも、内の2頭にハナ+アタマで敗れた。

 ただし、その前走が行われた神戸新聞杯当日の中京芝は中>内>外の順で伸びる馬場。そのなかを終始外々から進め、最後の直線も外を選択したことも敗因のひとつだ。前走では全能力を出し切ったような内容ではなかったことから、今回は前進が期待できる。

▲ (14)ステレンボッシュ

 桜花賞1着、オークス2着の実績馬。オークスは12番枠からまずまずのスタートを切り、中団馬群の中目を追走。道中は中団中目で包まれ、我慢を強いられながら3角へ向かう。

 3~4角では前が失速して下がり、進路もスペースもない状態となって4角では位置が下がったが、直線序盤で追われて内の進路を確保するとすっと反応。ラスト2F目で2列目から先頭列に上がり、ラスト1Fで抜け出したが、外のチェルヴィニアに捉えられて半馬身差で敗れた。

 オークスは前の2頭が飛ばし、前後半5F57秒7-61秒4というかなりのハイペースで差し馬有利の展開。また、内が伸びない馬場でもあり、 外から差したチェルヴィニアよりも伸びない内から早めに先頭に立ったステレンボッシュのほうが強い内容だった。

 デビュー3戦目の赤松賞まではコントロールの難しさを見せながら、それでも連対を外すことがなかった素質の高い馬。阪神JFで壁を作るレースを経験して以降は折り合うことを覚え、レースぶりにも安定感がでてきた。出遅れた桜花賞でも中団中目まで挽回して勝利しているように、幅広い距離をこなせるタイプ。ここもマークを外すことはできない。

注 (6)ラビットアイ

 1勝クラスの身だが、デビュー戦から強豪と戦って素質の片鱗を見せてきた馬。前々走のフラワーCは10番枠からまずまずのスタートを切ったが、促してもあまり進んでいかずに後方に下げる形を選択。道中は淡々とした流れの中で後方2番手で進めた。

 3~4角でも最後方列の内目で我慢。徐々に中目に誘導したが、進路を作れず、切り替えて再び内へ。直線では最内からしぶとく伸びて3列目まで上がり、ラスト1Fでもじわじわ伸びていたが、3着争いでクビ差見劣っての4着だった。

 ここでは逃げ切り勝ちした4走前の未勝利戦の再現を狙ったが、外枠で前の位置が取れず、時計の掛かっていた中で後半が速くなり、キレ負けする形での4着だった。

 ラビットアイは逃げてこその馬。4走前では3番枠からまずまずのスタート。内のダノンアルムの方がテンが速くハナを主張したが、外から徐々にハナを主張し、2F過ぎで先頭に立った。

 先頭に経ってからも緩みないペースを刻み、3角で顕著にペースを落として息を入れ、4角で後続を引きつけて直線へ。直線序盤では外にモタれ気味だったが、すっと2馬身半差をつけ、ラスト1Fでさらに差を広げて5馬身差で圧勝した。

 当時の『2歳馬ジャッジ』の評価は「かなりのスタミナを感じさせる強い内容で、1クラス上でも勝ち負けになる指数を記録した。混戦でスタミナが問われそうな牝馬限定重賞などで穴を開けるタイプ」。この見解は今でも替わりはない。

 当時は完成度が低かったが、その後は成長したレースぶりが見せられている。今回は外枠に逃げ、先行馬が入っているだけに、「ひょっとしての逃げ」を予感させる。行き脚さえつけば、横山典弘騎手ならそう乗ると見ている。

△ (5)チェルヴィニア

 デビュー3戦目でアルテミスSを優勝し、5戦目でオークスを優勝した馬。前走のオークスでは12番枠からやや出遅れ、やや窮屈になりながらもコントロール重視で進めた。道中は前2頭が飛ばしていくかなりのハイペースの中で、中団馬群の中で我慢しながら3角へ。

 3角では外目に誘導しながらサフィラの後ろを通して4角出口で同馬の外に出されると、前のホーエリートの外から手応え良く上がって、ラスト2Fで追われる。するとしぶとく伸び始めて2列目に上がり、ラスト1Fでステレンボッシュを捉えて半馬身差で勝利した。

 桜花賞では出遅れ、前半のペースが遅くもないのに無理に脚を使わせて好位の直後まで押し上げ、3角でペースが落ちると我慢するというレースの流れに逆らった酷い乗り方で13着大敗。しかし、オークスでは展開に噛み合った乗り方で、外が伸びる馬場だったことも後押ししての勝利だった。

 今回はオークスから休養明けの一戦。夏場を休養されたことで成長している可能性もあるが、前走ほど走れない可能性が高いと見ている。

△ (8)コガネノソラ

 勝ち上がるまでに4戦を要したが、そこから3連勝でスイートピーSを勝利。前走は古馬相手のクイーンSを優勝した。

 その前走は12番枠からやや出遅れたが、そこから促して中団の外まで挽回。道中も中団外目で仕掛けを待って3角へ。3~4角で前のキタウイングが仕掛けると、それを追いかけるように4角で同馬の外に誘導し、4番手で直線に向く。

 序盤で食らいつき、ラスト1Fではしぶとく伸びて先頭に立つと、外から迫るボンドガールを振り切りアタマ差で勝利した。上述したボンドガールと同様に斤量51kgに恵まれた面はあるが、好指数を記録している。

 前走で自己最高指数を記録しているだけに、スイートピーS好走後のオークス時のように疲れが出る危険性もないわけではない。しかし、オークス時と違って今回はローテーションに余裕を持たせており、ある程度疲れが取れている可能性もある。警戒が必要だ。

△ (9)アドマイヤベル

 デビューから上昇一途で、フローラSを優勝した馬。フローラSは8番枠から五分のスタートを切り、コントロールしながら好位の直後を追走。向正面でエルフストラックが好位の外まで上がると、そこで一列下げた。

 3~4角では中団中目で仕掛けを待って4角出口で外に誘導し、4列目付近で直線へ。直線序盤でもまだ仕掛けず、ラスト2Fで追われるとここからしぶとく伸びて先頭列付近まで上がった。ラスト1Fでもうひと伸びして抜け出し、1馬身差で勝利した。ここでは末脚一閃というレースぶりではなかったが、ある程度前の位置からいい脚を長く使っていた。

 前走のオークスは9着敗退。前走では前の2頭が飛ばし、前後半5F57秒7-61秒4というかなりのハイペースで差し馬有利の展開。中団でレースを進めていたアドマイヤベルは完敗と言える内容だった。しかし、ここはフローラSを大目標とし、そこで好走した疲れもあったと見ている。立て直されての巻き返しを警戒したい。

△ (2)ミアネーロ

 デビュー3戦目でフラワーCを優勝し、5戦目の紫苑Sで2着。前走の紫苑Sでは1番枠からやや出遅れ。二の脚もひと息で中団中目からの追走となった。道中は好位列から前にスペースを作って中団最内で3角へ。

 3~4角では前のスペースを維持しながら最内を通し、4角で徐々にそのスぺースを詰めて4各柄は進路がない状態。直線序盤で何とか捌いて3列目まで上がり、ラスト1Fで急追して2馬身半ほど前にいた(13)クリスマスパレードにクビ差まで迫った。

 ミアネーロはオークスで14着と大敗したが、1番枠からやや出遅れて馬場の悪化した最内から中団まで挽回していく形。4角まで最内を通して、最後の直線序盤で外に出したが、結局進路がなく最内を突いて敗れたもの。この敗戦は情状酌量の余地がある。

 前走はレコード決着となる速い馬場で上手く3~4角の最内を立ち回れたことが好走要因。この好走を鵜呑みにはできないが、あまり底を見せた感がないのも確か。警戒しておきたい。

推定3番人気 (3)クイーンズウォーク

 秋華賞トライアルのローズSを優勝した馬。同レースでは2番枠からまずまずのスタート。やや掛かり気味だったが、コントロールして中団内目に控える形をとる。

 1角で内がごちゃついたので中目に誘導し、向正面で外に出しながら3角へ。3~4角では中団外目から徐々に進出し、直線でさらに外へ持ち出す。序盤で3列目に上がると、ラスト1Fで前を一気に捉え、1馬身半差で完勝した。

 ローズS当日は馬場の内が悪化しており、外が伸びる馬場を上手く外に誘導できた。しかし、逃げた11番人気(11)セキトバイーストが3着に粘る前有利の展開を3~4角の外から早めに仕掛け、末脚の違いを見せつける形で勝利したことは高評価できる。

 とはいえ、今回は休養明けで自己最高指数を記録した後の一戦。余力の面で不安があり、評価を下げたい。

2024年 オクトーバーSの予想

秋華賞の予想は別ページにて予想を掲載しておりますm(__)m。

東京11R オクトーバーS(L) 芝2000m
 ◎ (6)ボーンディスウェイ
 ○ (3)マイネルケレリウス
 ▲ (7)アドマイヤハダル
 △ (1)レインフロムヘヴン
 △ (5)グランディア
 △ (10)ベラジオソノダラブ
 △ (14)ラヴェル
 △ (16)ドゥラドーレス
結論 馬連6-3,7,1,5,10,16 (15:10:5:5:5:5:5) 複勝6 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (6)ボーンディスウェイ

 2歳時には葉牡丹賞を逃げ切り、3歳春の弥生賞では2列目の最内を上手く立ち回って3着と善戦。デビュー当初から芝2000mで活躍していた馬だ。その後伸び悩みの時期があったが、昨年暮れに3勝クラスを勝利し、今年に入って中山金杯4着と立ち直ってきた。

 前々走の福島芝2000m戦、福島民報杯の2着馬。前々走では4番枠から五分のスタートを切り、そこから押していったが、あまり進んで行かず、外から内に切り込みながらハナを主張するテーオーシリウスの外に誘導。道中は好位の外を追走した。

 ペースが上がった3角で3頭分外から追っつけて押し上げ、4角でも3頭分外から3列目で直線へ。そこから追われると2番手に上がり、ラスト1Fでもしぶとく伸びて内のショウナンマグマは捉えたが、最後はまとめてリフレーミングに捉えられ、クビ差で敗れた。

 前々走では前後半5F60秒0-58秒9のややスローペースではあったが、ペースが上がった3角でロスを作って勝ちに行く、濃い内容の2着だった。

 休養明けの前走の七夕賞は前後半3F57秒3-60秒6のかなりのハイペース。前半3F33秒6と短距離のように前半が速い展開の中で、かなり押して先行し、道中も3番手と積極的に位置を取っていったため、最後の直線でしんどくなって9着に敗れた。

 しかし、ここは逃げ、先行馬が手薄で、前走の前半3F比較ではボーンディスウェイがもっとも速い。外の(8)ギャラクシーナイトや(10)ベラジオソノダラブが絡んで行く形でそれなりにはペースが上がると思うが、超高速馬場の東京なら前走ほどペースは上がらないはず。前走で厳しい流れを経験したことでスタミナが強化されての押し切りを期待する。

○ (3)マイネルケレリウス

 3走前に東京芝2000mの府中市政記念(3勝クラス)を勝利した馬。ここでは8番枠から五分のスタートを切り、前が飛ばして隊列が縦長になっていく展開をコントロールしながら中団中目で進めた。3~4角で徐々に進出して、直線序盤で外へ。ラスト2Fで追われると伸び始めて好位列まで上がり、ラスト1Fで突き抜けて1馬身半差で完勝した。

 3走前は前がある程度飛ばして、前後半5F59秒1-58秒7の平均ペースだったが、ラスト3F11秒7-11秒8-11秒3と加速する展開を差し切って勝利している。ラスト1Fで加速した辺りに成長を感じさせると同時に、距離が延びてこそを感じさせる。

 前々走のエプソムCは休養明け好走後の一戦で距離も短く、後方のままで13着に大敗したが、前走のケフェウスSでは巻き返して4着。

 前走は11番人気の(10)ベラジオソノダラブが3着に好走しているようにかなりのスローペースで前有利の展開だったが、3~4角の最内で包まれて直線序盤で前が壁。そこで位置が下がって仕掛けが遅れ、4着に敗れている。今回◎(6)ボーンディスウェイが逃げるとなると極端なスローペースは考えにくく、中団内目を立ち回ってのスムーズな競馬で前進を期待したい。

▲ (7)アドマイヤハダル

 一昨年の中山記念の3着馬。同レースは12番枠から五分のスタートを切り、じわっと好位直後の外まで挽回。しかし、このレースは逃げ馬が多数出走しており、それらがパンサラッサに競り掛けたため1~2角でもペースが落ちず。本馬は向正面では前5頭に引き離され、中団の外を追走する形。

 3角手前で外からダノンザキッドが上がってきたので、これに内から抵抗して3~4角で位置を押し上げ、3列目で直線へ。そこからしぶとく伸びて2列目まで上がり、ラスト1Fではバンサラッサとの差を詰めていったん2番手に上がったが、最後は外からカラテに差されてクビ差の3着だった。

 ここではパンサラッサが序盤から極端に速い流れを作ったことで、3~4角でペースが落ち、そこから押し上げての3着だった。ただ序盤で脚を使い、3角から動いての3着は褒められる。

 その後1年1ヵ月に及ぶ長期休養明けの六甲Sでは12着に敗れたが、その次走の都大路Sでクビ差2着、前々走の毎日王冠でもハナ+ハナ+アタマ差の4着に善戦するなど、オープンや重賞で安定した成績を残せている。

 今回のメンバーでは実力断然。しかし、今回も11ヵ月に及ぶ長期休養明けだ。前回の長期休養明け(六甲S)で大敗したことで今回は意外なほど人気がないが、前回は中山記念で自己最高指数を記録した後に強いダメージが出ての休養明け。そのうえ「重」とタフな馬場で、スタミナが不足する休養明けで結果を出すのが難しい状況だった。

 六甲S時よりも今回のほうが走れると見ているが、脚元を気にしながらの調整で直前の追い切りが軽い点が気掛かりでやや評価を下げた。

2024年 大阪スポーツ杯の予想

おはようございます! 本日は重賞がないので、発送時刻の早い順に掲載していきますm(__)m。

京都11R 大阪スポーツ杯(OP) ダ1800m
 ◎ (7)ミラクルティアラ
 ○ (13)ミスティックロア
 ▲ (8)アルーブルト
 △ (5)リリーミニスター
 △ (9)キングストンボーイ
 △ (16)クールミラボー
 △ (7)ロードアヴェニール
結論 馬連7-13,8,5,9,16,17 (25:5:5:5:5:5) 複勝7 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (7)ミラクルティアラ

 6走前の京都ダ1800m戦・御陵Sでは、後のアンタレスSの覇者ミッキーヌチバナと接戦の2着と好走した馬。同レースでは6番枠から好スタートを決め、二の脚の速さでハナを主張。道中はハナ必須タイプの逃げ馬レッドエランドールに絡まれ、息を入れられずにかなり縦長の展開。それでも4角のコーナーワークでレッドエランドールとの差を2馬身差に広げて直線へ。

 序盤で外から(14)バハルダールに迫られ、ラスト1Fで同馬を振り切ったが、そこをミッキーヌチバナに差されてアタマ差だった。このレースでは前後半4F48秒2-50秒7のかなりのハイペース。逃げて2着に粘り通したことは高評価できる。

 このようにミラクルティアラは前に行ってしぶとさを活かしてこその馬。3角2列目以内で進めたレースでは、4勝2着4回3着1回と複勝率100%である。

 前走のBSN賞は逃げ、先行馬多数で激流。ハナを切れずに外から被されて、前3頭から離れた好位の最内を追走していたが、3~4角で包まれて位置が下がり、気性の脆さも見せて大敗した。

 しかし、今回は外から被されたくない(5)リリーミニスターが逃げる可能性が高いが、2列目を狙える組み合わせ【(6)テーオーシリウスは、ダ1800mでハナを切ったことがない】。ペースはそれなりに流れると見ているが、前に行ければチャンス十分だ。

○ (13)ミスティックロア

 前々走の東京ダ2100m戦、スレイプニルSの3着馬。前々走は12番枠から五分のスタートを切り、無理なく後方2列目の中目付近を追走。向上面半ばから押っつけていたが、3~4角で位置を上げられないまま直線へ。序盤で外に誘導するとラスト2Fで好位列まで上がり、ラスト1Fで前2頭に迫って半馬身+3/4差の3着だった。

 ミスティックロアはいい脚を長く使える点が強み。ベストは長距離だが4走前の京都ダ1800mの大津特別や3走前の桃山Sでも外から早めに仕掛けて行く形で連勝している。

 休養明けで福島ダ1800m戦の前走ラジオ日本賞は、内枠だったこともあり、向上面で中団中目で包まれ、外に誘導したのは4角。ただ大外に出すのを嫌って中途半端な外の出し方だったために、前が壁になって仕掛けが遅れ、ラスト1Fではいい脚で突っ込んできたが3着までだった。

 本馬は二の脚が遅いので、内枠でこの距離だと包まれる可能性があったが、今回は自由に動ける外枠。この枠ならいい脚を長く使える強みが活かせる。

▲ (8)アルーブルト

 3走前のボルックスSでは、今回で上位人気の(9)キングストンボーインに先着した馬。3走前は7番枠から五分のスタートを切り、後方2番手からの追走。道中は行きたがるのを我慢させて脚を温存。3~4角の外々から進出して4角出口で大外に誘導すると、直線ではじわじわ伸び続ける。ラスト1Fで外からキタノリューオーには差されたが、内のキングストンボーイと差し切って3着に浮上した。

 休養明けの前々走は平城京Sでは内枠だったこともあり、序盤である程度出したことで、しっかり脚が温存できなかったこともあり、3走前から指数ダウンの3着。3~4角では中団最内を通したために4角で進路がなくなり、不レーキで位置が下がり、最後の直線で馬群を捌くのに苦労する場面もあった。

 また前走の三宮Sは休養明け好走後の一戦で出遅れ。そこから中団やや後方まで挽回するのに脚を使い、3角手前から位置を押し上げていく早仕掛けで8着に失速した。ここでも4角で失速した馬の影響で仕掛けを待たされる場面もあったが、一番の敗因は脚を溜められなかったことである。

 今回も近2走と同じ鞍上、幸騎手で早仕掛けをする可能性もあるが、3走前のような騎乗ができればOPでも通用する能力がある。三度目の正直に期待したい。

2024年 京都大賞典の予想

■京都芝2400mはステイヤーが活躍の舞台

 京都大賞典は基本的には前半が遅い傾向。ただし、3角の下り坂でペースが上がって、レース最速がラスト3~4F目になるなど、後半の仕掛けが速くなっている。つまり、ステイヤー色の強いレースになっているということだ。

 このため京都実施時の過去10年では逃げ馬の2着は1回のみ。距離が長くなるほど、逃げ切りが困難になってくるのもあるが、先行馬も2着は4回あるものの2勝しかしていない。よって、中団~差し有利で穴馬は先行馬というスタンスで予想したい。このラインより上のエリアが無料で表示されます。

京都11R 京都大賞典 芝2400m
 ◎ (1)サトノグランツ
 ○ (9)ドクタードリトル
 ▲ (11)ブローザホーン
 注 (7)ディープボンド
 △ (10)バビット
 △ (5)ジューンアヲニヨシ
 △ (3)メイショウフレゲ
結論 馬連1-9,11,7,10,5,3 (10:20:11:3:5:1) 複勝1 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (1)サトノグランツ

 今年1月の日経新春杯で(11)ブローザホーンと0.3秒差(3着)に好走した馬。ここでは大外14番枠から促して好位の外まで進出。道中は前4頭からやや離れた5番手を追走した。3~4角で仕掛けて好位の外から2列目まで上がり、4角で内に切れ込んで先頭。直線序盤はしぶとく踏ん張って先頭を維持したが、ラスト1Fで甘くなり、そこを内のサヴォーナ、外のブローザホーンに差された。

 日経新春杯はタフな馬場で前後半5F58秒3-60秒9のかなりのハイペース。さすがに前半である程度ポジションを取りに行っての3~4角からの仕掛けは早すぎた。一方、ブローザホーンは恵まれての優勝だったのだ。

 サトノグランツは超高速馬場の神戸新聞杯で中団からメンバー最速の上がり3Fを駆使して優勝しているように、高速馬場の上がりの速い決着にも適性がある。

 前走の目黒記念では(2)ケイアイサンドラが単騎で逃げて前後半4F61秒9-58秒7のかなりのスローペース。先行馬有利の展開を好位の内目でレースを進めながらも前の(4)シュヴァリエローズをかわせずの4着とやや物足りない内容だったが、海外帰りの休養明けの一戦だったのもあったはず。得意舞台で開幕週の内枠を引き当てたここは巻き返しに期待したい。

○ (9)ドクタードリトル

 前走の関ケ原Sで3勝目を挙げた馬。前走は6番枠から五分のスタート後、軽く促されていたが、あまり進まず後方2番手からの追走。道中は前2頭が飛ばしていったが、向上面で最後方からカランドゥーラが位置を押し上げると、それを追う形でじわっと好位に上がって3角へ。

 3~4角で外を回るロスを作って4角では位置が下がったが、ラスト2Fで再び2列目付近に上がり、ラスト1Fで突き抜けて3馬身差で完勝した。

 前走は中京開幕週で内と前が圧倒的に有利な馬場だったが、外を回って重賞でも上位争い可能な指数で完勝。中距離ではテンに置かれて追走に忙しい競馬になっていることと、トップスピードが長く維持できるスタミナがあるので、今回の距離延長が吉と出る可能性が高いと見ている。

▲ (11)ブローザホーン

 タフな馬場で行われた昨夏の札幌日経OPの覇者。ここでは6番枠から五分のスタートだったが、かなり押して先行策。前3頭が飛ばして行った中、離れた単独4番手を追走した。向正面ではややペースが落ち、アケルナルスターが上がってくると抵抗して3角手前で仕掛け、3~4角ではもう先頭。4角で再び仕掛けて3馬身差のリードで直線に入り、ラスト1Fで突き抜けて6馬身差で圧勝した。

 本馬はこの時点でGⅠ通用級の指数を記録。今年1月の日経新春杯を優勝すると、春の天皇賞で2着。そして前走の宝塚記念でGⅠ制覇を達成した。

 前走は距離が短く前半は追走に苦労していたが、時計の掛かる馬場で上がりを要したことや外有利の馬場も後押ししての追い込み勝ち。春の天皇賞を目標にした後の一戦で結果を出したことは大きく、今回は距離延長で前走よりも追走が楽になるはず。ただし、今回は京都開幕週で超高速馬場、内有利の馬場で大外11番枠となると届かいない可能性もある。そこをやや割り引いた。

注 (7)ディープボンド

 春の天皇賞で2021年から連続3着、今年は3着。阪神大賞典でも2021年、2022年と二連覇しているステイヤー。その中でもっとも高指数を記録したのは重馬場で行われた21年の阪神大賞典だ。

 21年の阪神大賞典では後方1番手、2番手のユーキャンスマイル、ナムラドノヴァンが台頭する追込有利のレースとなったが、ディープボンドは12番枠から好スタートを切って、そこからじわっと控えて好位の外4番手を追走。2周目の3~4角で前との差を詰めて3番手に上がり、直線序盤で2番手から早め先頭に立ったシロニイをかわして1馬身リードを奪うと、ラスト1Fでさらに差を広げて5馬身差で圧勝した。

 追い込み馬が台頭する緩みない流れを、好位から押し切れたのは、豊富なスタミナがあればこそ。本馬はコテコテのステイヤーと言える。それでありながら今春の天皇賞では3着だった辺りに全盛期の勢いは感じさせないが、昨秋の京都大賞典でも休養明けでいきなり3着に善戦しており、世間で言われているほどの極端な衰えも感じさせない。

 昨秋の京都大賞典では4番枠から好スタートを決め、そこから押してじわっと先行策。外から被されて窮屈になり、ブレーキで下がって中団内目に押し込まれてしまった。道中で位置を下げ切って何とか外に誘導したが、結局位置を上げられないまま3角へ。

 3~4角では中団中目をかなり押っつけながら通し、4角でも必死に追われていたが、直線序盤はまだ中団。ラスト1Fで前がバテたところをしぶとく伸びて3着横一線を制して(8)プラダリアとクビ+3/4差だった。

 昨秋の京都大賞典は重馬場で、上がりが掛かる展開が味方したのもあるが、前半のポジションダウンがなければもっと際どい決着になっていたと推測される。今年は超高速馬場でこれ自体は減点材料だが、昨年よりも先行勢が手薄で好位かその直後くらいの位置でレースを進められると見ている。

 前走の宝塚記念は前々走で好走した後の一戦で距離も短く、中団外から追走する形となり、最後の直線でも馬場の良い外に出し切れずに7着敗退。昨年の京都大賞典の勝ち馬プラダリアは前走の宝塚記念を大目標にした後の一戦ということもあり、人気のない本馬に食指が動いた。

△ (10)バビット

 2020年に4連勝でセントライト記念を逃げ切り勝ちした馬。その後、長らく不振だったが、4走前の京都記念では3着とセントライト記念以来、久々に馬券に絡むことができた。

 4走前は1番枠からまずまずのスタートを切り、押してハナを主張。外からアフリカンゴールドがハナを主張すると、同馬を行かせて2番手を追走した。道中はアフリカンゴールドから3馬身ほど後ろを維持して追走し、3~4角では最内から同馬との差を詰める。

 最後の直線では外差し有利の馬場を意識して外に出して行ったが、バビットは最内にこだわり、序盤ですっと伸びて先頭に立ち、1馬身半ほど前に出る。ラスト1Fで甘くなり、外差し勢に屈する形となったが、3着は死守した。

 前記の京都記念はアフリカンゴールドに行かせたことでペースが上がらなかったことが功を奏したもの。本馬は逃げて苦しいレースばかりさせているで、前半で無理のない入り方ができると善戦することがある。

 また、その前のレースで芝よりもタフなダートで逃げバテとしっかり負荷をかけたことが、粘り強化に繋がった面がある。今回も前走の七夕賞でオーバーペ―スで逃げバテしており、負荷が掛かっている。内の(2)ケイアイサンドラに行かせて、2番手でスローペースという展開になれば面白い。

△ (5)ジューンアヲニヨシ

 休養明けの3走前鳥丸S(3勝クラス・芝2400m)で成長を見せ、なかなかの好指数で勝利した馬。3走前は2番枠から五分のスタートだったが、そこから促して3列目を追走。3~4角でペースが上がったが、徐々に進出してエメヴィベールの後ろから外に誘導して直線へ。序盤で2列目まで上がり、残り100mで先頭。そこでやや内に寄れたが、そのまま押し切った。

 3走前はややハイペースで中団有利の展開に恵まれ、自己最高指数を記録。前々走の目黒記念は休養明けで好走した疲れで12着敗退。前々走は超絶高速馬場で前後半5F61秒9-58秒7のかなりのスローペース。前へ行った馬と瞬発力がある馬が有利な展開だったが、1番枠から出遅れて先頭からかなり離れた中団内目の追走となり、能力を出し切ることができなかった。

 休養明けの前走、新潟記念は芝2000mで距離が忙しく、道中も最後の直線も内にモタれて9着敗退。とても能力を出し切ったと言える内容ではなかった。ひと叩きされて距離延長、実績のある京都芝2400mで巻き返しが期待できる。

2024年 毎日王冠の予想

■展開の振れ幅が広いコース

 毎日王冠の舞台となる東京芝1800mは、2角を斜めに横切るように向正面に入るコース形態だが、3角までの距離が約750mと長いため、展開の振れ幅が広い。

 2020年のように逃げ馬が大逃げを打てば、稍重で4F通過46秒2とハイペースになることもあり、2013年のように確たる逃げ馬不在のメンバー構成であれば、良馬場で4F通過48秒2とかなりのスローペースになることもある。

 全体的な傾向を見ると、稍重時にハイペースが発生している。今年は土曜日も断続的な雨の中で競馬が行われ、レース当日も稍重が予想される。おそらくそれなりに流れて、差し馬有利になる可能性が高い。

 しかし、穴馬は先行馬だろう。今回は少々ペースを引き上げていっても容易にバテない強い先行馬が揃っている。

東京11R 毎日王冠 芝1800m
 ◎ (9)ローシャムパーク
 ○ (6)シルトホルン
 ▲ (10)マテンロウスカイ
 △ (7)ダノンエアズロック
 △ (11)シックスペンス
 △ (14)エルトンバローズ
結論 馬連9-6,10,7,11,14 (各10) 複勝9 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (9)ローシャムパーク

 デビュー4戦目の山藤賞で7馬身差の圧勝。この時点で古馬3勝クラス級の指数を記録した素質馬だ。当時の指数は翌日の皐月賞(勝ち馬ジオグリフ)出走なら3着入線レベルで、この山藤賞の2~4着馬は現OP馬である。本馬も昨年はむらさき賞(3勝クラス)、函館記念、オールカマーを3連勝した。

 4走前のオールカマーでは13番枠からやや出遅れたが、軽く促されて中団外目を追走。タイトルホルダーが淡々と逃げて向正面で隊列が縦長になっていく展開を外から強気に押し上げ、3角では好位の外に取り付く。

 3~4角では中目を通し、4角出口で外に誘導すると直線序盤では一気に2列目に並びかけ、ラスト1Fでタイトルホルダーを捉えて1馬身1/4差で完勝した。

 今年は大阪杯で2着。同レースでは2番枠からまずまずのスタートを切ったが、二の脚が遅く後方に下がってしまう。そこから外に出して向正面半ばで2列目まで上がったが、内のベラジオオペラが抵抗。3~4角でペースが上がっていくなかで2頭分外を回る形となり、4角出口ではやや置かれてしまった。もう一度盛り返し、ラスト1Fでベラジオオペラに食らいついたが、クビ差及ばなかった。

 本馬はゲートも速くないが、それよりも二の脚が遅い点がネック。ゆえにしばしばマクる戦法を取っているが、前走の宝塚記念は3角までにマクり切れず、ペースが上がった3角でかなり外を回り、そのまま4角でも大外をぶん回して5着に敗れた。自己最高指数を記録したオールカマーとの大きな違いは、3角までにマクり切ったか否か、である。

 しかし、最後の直線が長い東京芝1800mならば、6走前のむらさき賞と同様に無理にマクる必要がない。普通に差す競馬で巻き返せるはずだ。ある程度、時計が掛かる馬場が理想的ではあったが、ペースが遅ければじわっと動いていくことも可能な馬だけに今回の本命候補だ。

○ (6)シルトホルン

 デビュー3戦目の未勝利戦では、2番手追走から6馬身差圧勝。その後のひいらぎ賞でも逃げて2着に善戦するなど、前に行ってしぶとさを活かしてこその馬だ。

 昨夏のラジオNIKKEI賞でも逃げたグラニットにプレッシャーをかけていく競馬で2着に善戦、重馬場で行われた昨秋のオクトーバーS(L)でも逃げたヤマニンサルバムに2番手から食らいついて2着に善戦している。

 3走前のメイS(OP)は3着。同レースでは9番枠から好スタートを決めて先手を主張し、楽にハナを取り切った。道中はスローペースを刻んで3角へ。3~4角でじわっとペースを引き上げ、3/4差で直線に向く。

 直線序盤でもその差を維持し、ラスト2Fで追われるとややリードを広げて1馬身差。ラスト1Fでやや甘くなったところで、外からプレサージュリフトに差されてアタマ+クビ差の3着となった

 続くエプソムCでも2着。ここも10番枠から好スタートを決めて先頭に立ったが、外からセルバーグが競ってくると、同馬を行かせて2番手を追走。3~4角では馬場の悪化した内を避け、外目からじわっと差を詰めていく。

 直線序盤でセルバーグに並びかけ、ラスト2Fでは抜け出して先頭に立ったが、外からレーベンスティールに迫られる。ラスト1Fで甘くなったが、3着争いをアタマ差で死守した。

 緩みなく流れて差し馬が台頭する展開になった中、本馬は先行馬で唯一、掲示板入りを果たした。前走の関越Sは前々走からの疲れもあって13着と崩れたが、何度も奮闘しているこのコースで巻き返しを期待したい。

▲ (10)マテンロウスカイ

 今年2月の中山記念を優勝した馬。その前々走では8番枠からまずまずのスタートを切り、先行争いに加わっていったが、最終的には前の2頭を行かせて2列目の最内を確保という完璧な入り。道中もかなりのハイペースで展開した中、コントロールしながら前のスペースを維持して3角へ向かう。

 3~4角では先頭のドーブネとの差をじわっと詰めて4角で外に誘導、同馬と3/4差で直線へ。序盤で早々に並びかけると、ラスト1Fで抜け出して2馬身差で完勝した。

 本馬はマイル戦だと前半の位置取りが難しくなることが多く、楽に先行できる芝1800mがベスト。実際に昨年5月のメイS(OP)では、二の脚で内外の各馬を楽に制して緩みないペースで逃げ、後の東京新聞杯の覇者サクラトゥジュールにクビ差の2着と善戦している。

 前走のドバイターフは逃げ馬にそこまで厳しいペースではなかったが、15着に大敗。これはその前の中山記念で自己最高指数を記録と、好走した疲れによるものが大きい。今回はそこから立て直しての一戦。1800mでこのメンバーなら楽に先行できるだけに、期待が高まる。

△ (7)ダノンエアズロック

 デビュー2戦目のアイビーSの2着馬。ここでは1番枠から好スタートを決め、外のホウオウプロサンゲを行かせて2番手でコントロール。高速馬場でかなりのスローペースだったが上手く折り合ってレースを進めていた。

 3~4角でも仕掛けを待ってホウオウプロサンゲと2馬身半差ほどで直線へ。序盤ではまだ2馬身差ほど差があったが、ラスト1Fでじわじわ伸びて1馬身くらいまで差を詰める。ラスト1Fでホウオウプロサンゲが甘くなったところをしぶとく捉えて3/4差で勝利した。

 ここでは後のホープフルSの覇者レガレイラを完封しており、指数は優秀。上がり3Fタイム32秒7も素晴らしかった。本馬はトップスピードに秀でたタイプで、最後の直線距離が長いコースはベスト。

 前々走のプリンシパルSでも大外13番枠から好スタートを決め、こからはコントロールしながら好位の外を追走。ペースが遅くなかなか内に入れられず、道中も好位の外目で我慢。3~4角でも好位の外目で仕掛けを待って出口で外に誘導。序盤で追われてじわじわ伸び初めてラスト2Fで2列目まで上がり、先頭のアスクカムオンモアとは1馬身ほど。ラスト1Fで同馬捉えて抜け出し、1馬身1/4差完勝した。

 前走の日本ダービーはプリンシパルSで好走した疲れが出た面もあった。しかし、前後半5F62秒2-56秒8と極端に遅いペースの中団の最内を立ち回り、最後の直線で一瞬鋭い伸びを見せながらも、ラスト2F以降で伸びを欠いた辺りに距離の壁を感じさせた。今回で距離が短くなる点は◎。馬場が悪化しなかったのも好ましく、警戒が必要だ。

△ (11)シックスペンス

 前々走のスプリングSで3連勝を達成した馬。前々走は4番枠から好スタートを決めて、外の2頭を行かせて2列目の最内を確保した。道中のペースはかなり遅かったが、折り合って前のスペースを維持して3角へ。3~4角では2番手のコスモブッドレアをマークしながら仕掛けを待って、4角出口で外に誘導して直線。序盤ですっと反応して、先頭に立つと、ラスト1Fで鋭く突き抜けて3馬身差で圧勝した。

 前々走は逃げた9番人気馬アレグロブリランテが2着だったように、前後半4F50秒2-46秒3と極端にペースが遅く、前有利な流れ。シックスペンスも上手く乗られていた。

 しかし、休養明けの前走で好走した反動が出たようで、皐月賞はスキップ。日本ダービーへ直行したが9着に敗退した。日本ダービーはエコロヴァルツのレースメイクで前後半5F62秒2-56秒8でここも極端なスローペース。先行馬有利の展開を好位の中目と上手く乗られていたが、最後の直線で伸びてこれなかった。

 日本ダービーでは消耗度の少ないスプリングSで好走した程度で、強い疲れが出てしまう体質の弱さに疑問を感じていたが、夏場を休養させたことでここへの体質強化が見込める。ここでまたC.ルメール騎手に乗り替わったのは、そういうことだろう。

 また、本馬はデビューからスローペースを先行する経験しかなく、本質が後半型の馬だったとするならば、ここでペースが上がって差す形で一変する可能性もある。

△ (14)エルトンバローズ

 休養明けで挑んだ昨年の毎日王冠では、ゴール前の大接戦を制して4連勝。古馬との初対戦でソングラインやシュネルマイスターといった強豪を撃破した。

 そのレースでは6番枠から五分のスタートを切り、好位の最内を追走。道中は前のエエヤンが外に行ったのを見て、スペースを作って3列目を確保する。

 3~4角で最内から徐々に2列目まで上がり、4角では先頭ウインカーネリアンの直後へ。直線序盤は進路がなかったが、ラスト2Fで同馬の外から窮屈な間を割って伸びて先頭列。ラスト1Fで抜け出したところを外から3頭に強襲されたが、ハナ差で勝利を収めた。

 このレースは最後の直線でワンテンポ仕掛けを待たされる場面があったが、最短距離を通すことができ、完璧に近い騎乗だった。とはいえ、倒した相手を考えればその価値は高い。

 続くマイルCSでは休養明け好走の反動が懸念されたが、先行争いが激化して差し追込馬に向いた展開の中、上位のナミュールやソウルラッシュよりも前で進めて0.2秒差の4着と善戦している。

 4歳になってからは不振に苦しみ、中山記念7着、香港のチャンピオンズマイルは8着、前々走の安田記念でも8着に敗れたが、前走の中京記念では3着と復調の気配を見せた。

 その前走はテーオーシリウスとセルバーグの逃げ争いが激化したため極端なハイペースとなったが、それを見ながら離れた中団を追走。3~4角で前とのスペースを詰めて4角で仕掛け、直線早め先頭に立ったことで甘くなっての3着だった。

 前走は本馬をマークしたアルナシームが優勝したことからもわかるように悪い内容ではない。また、今年の中京記念は小倉芝1800mの開催で、本馬は1600mよりも1800mでこそ、ということを改めて感じさせた。昨年優勝したこの舞台でさらなる前進を期待したい。

推定3番人気 (2)ホウオウビスケッツ

 今夏の巴賞と函館記念を連勝。前走の函館記念では12番枠から五分のスタートだったが、二の脚が速く、楽に逃げ馬アウスヴァールの外2番手へ取り付いた。

 1~2角では手綱を抑えてコントロールし、道中はアウスヴァールと2馬身半ほど離れた2番手を追走。3角では同馬と3馬身差だったが、3~4角で徐々に差を詰めながら外に誘導、4角で一気に先頭に並びかける。直線序盤で抜け出すと、ラスト1Fで突き抜けて3馬身半差で圧勝した。

 前走は逃げて勝利した巴賞から1Fの距離延長。前半のペースも速くなったが、ここでは逃げずに離れた2番手に控えたことも功を奏し、自己最高の指数を記録した。

 大きな差をつけた3着アウスヴァールと4着サヴォーナが後にオールカマーで2着、4着と善戦したように、レベルの高い一戦だったのは確かだ。

 今回は時計の掛かる馬場から東京開幕週の高速馬場に変わることで決め手不足が懸念されるため、そこまで人気にはならないようだ。先行してしぶとさを生かせば高速馬場そのものはこなせるだろうが、それよりも前走の疲れが心配で、ここは評価を下げたい。

推定4番人気 (12)ヨーホーレイク

 2021年の皐月賞5着、日本ダービー7着馬。そこから7カ月の休養明けとなった4走前の日経新春杯では、同世代の皐月賞3着、ダービー3着馬ステラヴェローチェを破り、嬉しい重賞初制覇を達成した。

 4走前は10番枠から出遅れて後方、そこから中団馬群の中目まで挽回していった。道中は我慢して動かず、3~4角では前のステラヴェローチェを追いかけて徐々に進出していく。

 直線序盤で外に誘導して追い出されると一気にステラヴェローチェに並びかけ、ラスト1Fではマッチレースに。最後までしぶとく伸び続けて3/4差で勝利した。

 4走前は平均ペースで3着馬に3馬身3/4差をつけ、今回のメンバーではNo.2の指数を記録。その後、屈腱炎を発症して2年2カ月の長期休養を余儀なくされたが、前走の鳴尾記念で見事な復活を果たした。

 しかし、本馬は芝2200m以上がベスト条件で、本来はここよりも同日に京都芝2400mで行われる京都大賞典のほうが向く馬だ。実際、2000mの前走では2200mの4走前ほどの指数で走ることができていない。その背景には、長期休養明け後に前進気勢が強まり、先行していることが影響しているとみる。

 今回は1800m戦になるため中団からのレースになると見ているが、この距離だと本馬よりもキレる脚を使える馬が多く、よほど前がペースを引き上げてくれない限り善戦止まりで終わる可能性が高い。逆にこの距離でポジションを取りに行けば、崩れる可能性もある。

2024年 サウジアラビアRCの予想

■ペースが上がりにくい舞台だが…

 サウジアラビアRCは2歳重賞競走の充実により、少頭数になることが大半。フルゲート18頭立てになったのは、2017年のみ。また2歳マイル戦はスプリント路線馬と、1600m、1800m路線馬が激突する舞台となり、スプリント路線馬や将来のスプリンターが逃げ、先行する形になることが多い。しかし、それらは距離延長を意識して、ゆっくり逃げ、先行することが多く、基本的にペースが上がりにくい舞台となっている。

 よって、過去10年で明確にハイペースになったのは、不良馬場で行われた2020年のみ。稍重だった2017年、2018年は平均ペースで決着している。本日は断続的な雨の影響でペースが上がることが予想されるが、それでも平均ペースくらいだろう。高速馬場でこその瞬発力型の馬はやや割り引いて考えたい。

東京11R サウジアラビアRC 芝2000m
 ◎ (6)シンフォーエバー
 ○ (3)アルレッキ―ノ
 ▲ (1)アルテヴェローチェ
 △ (4)マイネルチケット
 △ (5)タイセイカレント
 △ (7)フードマン
結論 馬連6-3,1,4,5,7 (25:10:5:5:5) 
ワイド6-3,1,4,5,7 (25:10:5:5:5)

■有力馬と評価ポイント

◎ (6)シンフォーエバー

 新潟芝160mの新馬戦では、7番枠からまずまずのスタート。二の脚が速く、ハナを主張して先頭に立った。そこからはコントロールしてマイペースの逃げ。3角で2番手と1馬身差。3~4角でじわっと2番手を離して、4角でやや外に膨らみながらも2番手と2馬身差。直線序盤でまたやや外にヨレたが踏ん張って3馬身差。ラスト1Fで2着馬に少し差を詰められたが、3着に6馬身差をつけて完勝した。

 新馬戦ではやや外に張り気味だったが、上がり3Fタイムは33秒3とまずまず。ラスト2F10秒7-11秒0もなかなか良かった。

 前走の新潟2歳Sでは、立ち遅れながらもスピードの違いで結局ハナを主張して逃げ、9着敗退。当日は外差し有利の馬場傾向で、最後の直線では外に出せば出すほど伸びていたが、外に出し切れずに9着に敗れた。

 今回は秋の東京開幕週の芝1600m戦。超高速馬場だと後続馬にキレ負けする可能性もあったが、断続的な雨の影響でそこまで高速馬場ではない。しかし、開幕週らしく内が有利の馬場ではあるので、筋肉の張りがとても良い、パワー型の馬体を活かしての先行押し切りを期待する。

○ (3)アルレッキーノ

 前走の東京芝1600mの未勝利戦では4番枠からスタート。ひとつ内の馬が大きく立ち上がった影響もあり、ゆっくりゲートを出していったが、スピードの違いで先頭に立った。道中はコントロールしながらの逃げで2番手と1馬身差で直線へ。ラスト2Fで追われると2列目に3馬身差。ラスト1Fでさらに差を広げて7馬身差で圧勝した。

 本馬は6月の東京芝1800mの新馬戦では、勝利したクロワデュノールが強すぎたことで好指数を記録しながらも2着。逃げてマークされる苦しい形となりながら、好指数を記録しての2着は高評価できるものだった。

 デビュー2戦目の前走は、勝利は当然としてどのくらいの指数を記録するかが見どころだったが、結果は7馬身差の圧勝。指数は前年の半姉チェルヴィニアがデビュー2戦目の未勝利戦で記録したものと同等となった。よって、前年で言うなら新潟2歳Sで勝ち負けとなる指数を記録したことにもなる。

 当然、ここでは実力№1。大きく崩れる気がしないというのが正直なところではあるが、これまでに能力を出し切ったと言えるようなレースをしていない◎(6)シンフォーエバーの可能性に賭けたい。

▲ (1)アルテヴェローチェ

 札幌芝1500mの新馬戦では12番枠から五分のスタート。そこから促されて4番手を追走した。押して行ったがスムーズに折り合いはついていた。3、4角で3頭分外を回って先頭列で直線へ。直線序盤で追われるとラスト1Fで先頭に。抜け出したところを、同馬をマークしていたヒシアマンに迫られたが、踏ん張ってクビ差で勝利した。

 このレースでは上位2頭が3着以下に5馬身差を付けており、どちらもなかなかの好指数を記録した。そのヒシアマンは次走の札幌芝1500mの未勝利戦で6馬身の圧勝。それもラスト2F12秒0-11秒5とまだ余裕を感じさせる内容で、1勝クラスでも通用する指数を記録した。アルテヴェローチェの上昇力にも期待したい。

2024年 東京盃の予想

■雨の影響で馬場が軽くなったが…

 昨日からひと雨降って馬場が軽くなったが、さすがに粒が大きいオーストラリア産の砂に入れ替わる砂厚8㎝(現在は10㎝)の昨年の東京盃時ほど、馬場が軽くない。スピード重視の馬場ではないので1400mがベストの馬にもチャンスがあると見ている。

■有力馬と評価ポイント

◎ (10)シャマル

 前々走のかしわ記念で念願のJpnI初制覇を達成した馬。前々走は5番枠からまずまずのスタートだったが、そこから押してハナ主張。すっと内に切れ込んで主導権を握った。道中も淡々としたハイペースを刻んで3角へ。3~4角でも最短距離を通して淡々と進め、2馬身差のリードで直線へ。序盤で後続を引き離して3馬身半差までリードを広げたが、ラスト1Fでタガノビューティーにやや詰められたが、余裕を持って2馬身半差で完勝した。

 前々走時は田んぼ馬場で、同日は逃げ馬7勝、2着1回という逃げ馬天国ではあったが、それを考慮しても強い内容だった。また、強豪を相手にハナへ行けるスピードがあること自体が才能である。

 前走のさきたま杯は、前後半3F34秒8-39秒6のかなりのハイペースを3列目の内を追走して3着。レモンポップが逃げるアランバローズを突いていったことでペースが速くなり、アランバローズは大差の最下位に失速。シャマルの外で進めたバスラットレオンも7着に失速したことを考えれば、3着でも上々だった。

 (10)シャマルは1400m~1600mがベストだが、一昨年の東京スプリントでも全盛期のリュウノユキナを相手に完勝しているようにこの距離でもやれるはず。ここは期待したい。

○ (13)イグナイター

 昨年のJBCスプリントでリメイクを相手に完勝した地方競馬のエース。同レースでは8番枠からまずまずのスタートを切り、そこからかなり押して5頭並走の先行争い。しつこく前を主張して逃げたラプタスの外から3角へ。3~4角でも楽な手応えで積極的にラプタスに絡み、4角では同馬とクビ差。直線序盤で早々と先頭に立つとしぶとく粘り、ラスト1Fで外から伸びるリメイク、リュウノユキナを振り切って1馬身半差で完勝した。

 2着リメイク、3着リュウノユキナは道中でカラ馬に絡まれる不利があったが、タフな馬場で前後半3F34秒4-37秒6の速い流れを勝ちに行って優勝したことは評価できる。

 ただし、これには裏話がある。もともと砂の入れ替え予定があった大井はJBC開催の1ヵ月前の時点で「砂の入れ替え予定はない」とコメントしていたが、直前で青森県の六ケ所村産+東通村産から、粒が大きいオーストラリア産に入れ替えられ、砂厚も8㎝→10㎝に変更された。イグナイターの陣営が「それならば出走しない」とコメントしたため、急きょ、砂を入れ替えたのだ。

 イグナイターは昨年のさきたま杯を優勝し、前走のさきたま杯でも強豪相手に◎(10)シャマルの一列後ろの内目を上手く立ち回って2着に善戦しているように、1400mがベストの馬。高速決着の1200m戦だとドバイゴールデンシャヒーンのように置かれて追走に忙しくなる可能性はあるが、今の大井なら雨の影響があってもそこまで馬場が軽くならないはず。

 それならば当然有力。しかし、前哨戦では体を太めに作ってくる新子厩舎で、今回は体重増が予想される。よって対抗評価が妥当と見る。

▲ (1)エンテレケイア

 今夏のSⅠ・習志野きらっとスプリントを勝利した馬。同レースでは11番枠からトップスタートを切って、押してハナを主張。内からオールスマートが競ってきたが、これを制してハナを主張し、そのままペースを落とさずに3角へ。3~4角でやや息を入れて、直線で追い出されると、どんどん後続との差を広げて4馬身ほど。ラスト1Fでさらに差を広げて6馬身差で圧勝した。

 前走のアフター5スター賞は、外からトップスタートを切ってハナを主張したハセノエクスプレスに内から強引に抵抗していく形。結果的に前後半3F34秒6-37秒6と超ハイペースになったが、ラスト3~2Fで再加速して押し切っている。3番枠で内枠のもあったにせよ、この距離、このメンバーでもやれる強さを感じさせた。今回も内枠でハナを狙えるだけに侮れない。

△ (4)ヘリオス

 2021年の秋に東京ダ1400mのグリーンチャンネルCと、霜月Sを逃げて連勝した馬。本馬は一昨年秋のマイルCS南部杯で2着、JBCスプリントで3着の実績もあるが、前記のグリーンチャンネルCが自己最高指数。2022年の根岸S2着を始め、GⅡ、JpnⅡで2着3回の実績がある1400mがベストだ。

 今回はダ1200m戦。近走の不振もあいまって人気がないが、1500mの3走前のかきつばた記念では2着に善戦している。また、前走の東京スプリントでも大外14番枠から果敢に先行し、3~4角で外を回って4着と見せ場を作っているだけに見限れない。

△ (12)エートラックス

 デビュー当初は芝を使われていたこともあり、1勝目を挙げるのに5戦も要したが、昨年12月に休養明けから復帰すると、馬体重12Kg増の成長した姿を見せ、未勝利戦を逃げ切った。そこから上昇一途で目下3連勝。

 前走の兵庫CSでは3番枠から好スタートを切ってハナを主張。序盤でエコロガイアが競ってきたが、これを楽に制して逃げた。3角手前で外からギガースが上がってくると、3~4角の内から抵抗して2番手の(6)チカッパと2馬身差で直線へ。序盤で同馬との差をさらに広げて3馬身差で完勝した。

 休養明けの前走、北海道スプリントCでは(6)チカッパに逆転されたが、オーバーペースで逃げるオスカーブレインを追い駆けて前半3F35秒1までペースが上がり、苦しくなったもの。展開に恵まれて中団後方から差し切った(6)チカッパよりも、エートラックスを上に取りたい。

2024年 ジャパンダートクラシックの予想

■波乱要素もある一戦

 ジャパンダートクラシックは新たに創設された3歳馬による秋のダート頂上決戦。昨年まで7月に同舞台で実施されていたジャパンダートダービーを引き継ぐ形になるが、今春からJpn1に格上げされた羽田盃や東京ダービー上位馬や、Jpn2・不来方賞、G3・レパードS、そして海外の重賞に出走していた馬や地方各地区のエースが集う。

 つまり、真の頂上決戦という対戦図式になるが、4月~6月に実施されるJpn1やG1の上位馬はここが始動戦になることが予想され、先日のマリーンカップの関東オークス馬アンデスビエントのような取りこぼしの危険性もある。


大井11R ジャパンダートクラシック ダ2000m
 ◎ (3)カシマエスパーダ
 ○ (10)ミッキーファイト
 ▲ (1)フォーエバーヤング
 注 (4)ラムジェット
 △ (2)フジユージーン
結論 馬複3-10,1,4,2 (16:17:16:1) 複勝3 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (3)カシマエスパーダ

 デビューから上昇一途で鳳雛Sを勝利した馬。同レースでは五分のスタートだったが、軽く促されると行き脚がついて逃げ馬ブルーサン(雲取賞の優勝馬)の外2番手を追走。道中は楽な手応えでブルーサンを突いていく。3~4角でもブルーサンが抵抗し、同馬と3/4差で直線へ。ラスト1F標地点で同馬をかわして追い出されると、突き抜けて4馬身差で完勝した。

 鳳雛Sはカシマエスパーダがブルーサンを突いていったことで緩みない流れとなったが、後のレパードSの3着馬ミッキークレストの追撃を待ったく問題にしなかった。本馬がここで記録した指数は、(10)ミッキーファイトが優勝したレパードSと同等なもの。

 スタミナが不足する休養明けの前走、不来方賞は4番枠から好スタートを切り、初速の違いで先頭。外の逃げ馬パッションクライに行かせようとしていたが、同馬が行かず、結局、逃げる形。ラスト1Fで苦しくなったところを(12)サンライズジパングに差されて3馬身差の2着となった。しかし、今回は前走で苦しい競馬をしたことで息持ちが良くなってくるはず。巻き返しを期待したい。

○ (10)ミッキーファイト

 前走のレパードSの覇者。前走は1番枠からまずまずのスタートを切り、そこからは押しての2列目の最内を追走。向上面で外に誘導して2列目の外で3角へ。3~4角で2列目外から前2頭を見ながら直線へ。序盤で追われ、先に抜け出したサトノフェニックスに食らいついて半馬身差の2番手に上がり、ラスト1Fで同馬をしっかり捉えて1馬身差で完勝した。

 前々走のユニコーンSでは、4番枠から五分のスタートを切り、好位の内目を追走していたが、最後の直線では前が壁となり、(4)ラムジェットに1馬身3/4差を付けられたもの。しかし、前走は2列目の内から最後に直線でそのまま内を狙っても抜け出してこれそうな手応えだった。ミッキーファイトはこれまでのキャリアが4戦と浅いことから、さらなる上昇力を期待したい。

▲ (1)フォーエバーヤング

 通算6戦5勝3着1回。唯一の3着は、前走のケンタッキーダービーになる。前走は11番枠から出遅れたが、二の脚で挽回して中団中目。そこからじわっと位置を下げて外に誘導し、道中は中団の外を追走した。3~4角の外から徐々に進出して直線へ。

 序盤で3~4角で同馬の後ろから上がったシエラレオーネに外から迫られ、激しく馬体をぶつけられながらの叩き合い(3回接触)。ラスト2Fで2列目まで上がったが、好位の内から抜け出したミスティックダンを捉えきれず、シエラレオーネにも競り負けてハナ+ハナ差の3着に敗れた。

 前走は暫定で前後半5F59秒0-64秒3。かなりのハイペースだが、ケンタッキーダービーとしては極端に前半が速いというほどではなく、例年より瞬発力よりのレースになっている。それでも展開に恵まれたのは確か。

 前走を大目標にした後の疲れ残りの一戦で、陣営も状態に自信を持っていないし、一完歩目が速くない本馬にとって最内枠も減点材料になるが、能力はここでは一枚上。

 京都ダ1900mの新馬戦でラスト2F12秒8-12秒2と急加速して勝利し、次々走の全日本2歳優駿の時点で東京ダービーに準ずる指数を記録したほどの素質馬だけに、ここはそこまで評価は下げられない。

注 (4)ラムジェット

 これまで7戦5勝3着1回、唯一、馬券圏外(9着)に敗れたヤマボウシ賞は、出遅れて位置取りが悪くなり、馬群の内目に入れて行ったら進みが悪くなり、9着に敗れたもの。またダ1400mではゲートも二の脚も遅く、追走に苦労している面があったが、1600m→1900m→2000mと距離を延ばして上昇した。

 前走の東京ダービーは14番枠からやや出遅れたが、すぐに挽回して好位の外を追走。向上面では前2頭から離されないように軽く促しながら前2頭の外3番手を追走した。3~4角では前2頭にやや離されたが、直線序盤で追われると前2頭に並びかける。ラスト1Fで先頭に立つと、そこから後続を引き離して6馬身差で完勝した。

 前走は強かったが、今回は前走を大目標とした後の始動戦。先週の関東オークスのアンデスビエントのような取りこぼしの危険性もないわけではなく、評価を下げた。

△ (4)フジユージーン

 地元水沢、盛岡で9戦8勝。3走前のダイヤモンドSでは2番枠からトップスタートを決め、コントロールしながらハナを主張。1角でしっかり先手を取ると、リードを広げて5馬身ほどの差で向上面へ。3角では2番手のエドノバンザイに3/4差まで詰め寄られたが、3~4角で馬なりのまま振り切って2馬身ほどのリードで直線へ。序盤で追い出されると2番手に上がったオオイチョウに4馬身ほどの差。ラスト1Fでも差を詰めさせることなく、4馬身差で完勝した。

 3走前は4走前のスプリングCや前々走の東海優駿のように大差勝ちはできなかったが、この2レースは岩手の馬が相手で2着馬はサクラトップキッド。前々走ではそのサクラトップキッドに2.9秒差を付け、次走の北海優駿の3着馬オオイチョウに4馬身差、3着のエドノバンザイには12馬身差を付けている。

 休養明けの前走、不来方賞ではJRA馬を相手に4着と初めて土付いたが、ペースが上がらないのに折り合ったことも敗因のひとつと見ている。本馬はそれまで逃げ馬を突いて失速させ、早々と先頭に立つようなレースをしていたような馬。前走は最後の直線でキレ負けするように失速しているだけに、人気薄のここは少し買いたい。

2024年 レディースプレリュードの予想

■ダートグレードの勝ち馬は全て休養明け

 レディースプレリュードは過去10年で1着6回、2着4回、3着3回とブリーダーズGC組が活躍している舞台だが、今年はまさかの不在。当初からBCディスタフに出走予定のブリーダーズGCの覇者オーサムリザルトはともかく、2着のデリカダも自己条件へ向かうことになった。

 そのぶん、昨年暮れから今年のダートグレードを勝ち上がった馬が多数。しかし、それらは全て休養明けである。さて、先週のマリーンCや日本テレビ盃のような実績上位馬が取りこぼすパターンはあるのか?このラインより上のエリアが無料で表示されます。

大井11R レディースプレリュード ダ1800m
 ◎ (3)グランブリッジ
 ○ (5)アイコンテーラー
 ▲ (4)ライオットガール
結論 馬複3-5,4 (35:15) 複勝3 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (3)グランブリッジ

 川崎記念、帝王賞と牡馬Jpn路線を歩んで来た馬。強豪オーサムリザルトが相手の前々走、エンプレス杯でも2着。同レースでは4番枠から五分のスタートを切り、好位馬群の中目5番手を追走。2周目の3角手前から進出しながら4角で外に誘導し、大外から直線へ。そこからしぶとく伸び続け、早めに抜け出したオーサムリザルトに迫ったが、クビ差で惜敗した。

 グランブリッジは1800mよりも2100mの川崎記念、エンプレス杯で指数を上昇。今回は距離1800mが嫌われたのか、前記の2レースで(5)アイコンテーラーに先着しながらも同馬よりも人気がない。しかし、前走の帝王賞では外有利の馬場状態を1番枠から好位の内目を通ったことも、外から差したキングズソードに離されてしまった理由であり、悲観する内容ではなかった。

 また2000mの前走で前半3F37秒0と前の位置でレースを進めているだけに、出遅れた昨年のレディースプレリュードやJBCレディスクラシックよりも前の位置でレースを進められる可能性が高い。よって、実力上位で安定感もある本馬を◎とした。

○ (5)アイコンテーラー

 休養明けで初ダートとなった7走前のBSN賞を完勝すると、6走前のシリウスSでも2着と善戦し、5走前のJBCレディスクラシックで戴冠と一気に上昇した馬。

 5走前は4番枠から五分のスタートだったが、促されるとすっと行き脚がついて先行し、道中は内からハナを主張したヴァレーデラルナにある程度プレッシャーをかけながらの追走。3角手前で同馬に並びかけ、3~4角で先頭。そこで捲って上がってきたテリオスベルに抵抗しながら2頭で並走して直線へ。序盤で同馬を振り切り、そこから4馬身ほどリードを広げる。ラスト1Fでもその差を守り切って完勝した。

 当時の大井は砂を入れ替えたばかりで、砂厚も8㎝→10㎝に変更。かなり時計が掛かる状況下で、前後半4F49秒8-51秒0のハイペースとなったが、これを2番手から楽に抜け出して優勝したことは高く評価できる。

 しかし、その後はJBCレディスクラシック時ほどの指数で走れていない。前々走の川崎記念では2着だったが、2番手から3角手前で動いてライトウォーリアに並びかけて行った時は勝かのように思えたが、最後に苦しくなってアタマ+ハナ差の3着。アイコンテーラーの勝ちパターンでありながら、最後に甘さを見せた点にやや不安も残る。

 ただし、前走のエンプレス杯は3番手を追走し、1周目4角で先頭に立ったオーサムリザルトをマークして2番手に上がり、2周目の向上面での同馬ペースアップについて行ったために、最後の直線で苦しくなったもの。そこまで悲観するような内容ではなかった。

 今回はスタミナが不足する休養明けであり、近走で見せた終いの甘さから、(2)アンティキティラや(4)ライオットガールには競っていなかい可能性が高く、巻き返しへの期待が高まる。

▲ (4)ライオットガール

 3走前の兵庫女王盃でダートグレード3勝目を挙げた馬。3走前は7番枠から好スタート。内の(6)ヴィブラフォンも好スタートを切ったが、同馬より加速が付いて、そのままハナへ。マイペースで逃げて、2周目の向正面で徐々にペースアップ。3角で外から(7)アーテルアストレアに並びかけられたが、それに抵抗して4角で2馬身ほど差を広げれ直線へ。直線でもしぶとく粘ってその差を維持して完勝した。

 ライオットガールは前に行ってこその馬。ただし、3走前は鞍上の岩田望来騎手が、レース後に「地元のジョッキーに聞いても逃げて内を通るのが有利だということでしたので、出していって、先手が取れそうだったので、逃げる選択をしました」とコメントしていたように、園田としては馬場が軽く、内と前が有利な状況下でマイペースで逃げることができたというのもある。

 前々走エンプレス杯でも積極的に出してハナを取り切ったが、1周目の4角でオーサムリザルトに捲られ、それでも何とか付いていったが、最後の直線で苦しくなってキャリックアリードにも差されての4着。

 前走のスパーキングレディーCは、2.5Fの距離短縮となった影響もあってやや出遅れ。キャリックアリードが内にヨレてぶつけられ、後方からの追走。そこから内に入れて位置を挽回していったために、苦しくなって5着に敗退した。今回の距離で今回のメンバーなら、楽に先行できるはず。また今回は、印上位の2頭や(7)アーデルアステリアよりも軽い斤量55Kgで乗れる優位性もある。