有馬記念が行われる中山芝2500mと言えば、2014年に完全ドラフトで枠順抽選会が行われ、1番クジを引いたジェンティルドンナが2枠4番を選んで優勝したように、内目の枠が圧倒的に有利な舞台。外回りの3コーナーからスタートし、最初の4コーナーまでの距離は約192mと短く、最初のコーナーで他頭数の外を回ってしまうとロスが大きく、また、その後も内目に進路を取るのに仕掛けどころに制約がかかるからです。さらにゴールまで6回のコーナーを全て外々を回った場合には、完全アウトでしょう。
特に稍重でキセキが思い切ったレースをした昨年はともかく、良馬場で行われた2014年~2017年は、5F通過が61秒5よりも遅いかなりのスローペース。しかし、今年は大外枠にテンがもっとも速い逃げ馬アエロリットが外枠に入ったことで、2014年~2017年よりもペースが上がる公算大。どうであれ内枠のほうが有利ですが、外枠の差し馬にもチャンスがありそうです。このことが今年の有馬記念は簡単なようで難しくさせているのですが…今年は外枠だからと言って、安易に軽視できる状況ではないのは確かです。
また、有馬記念は過去10年で菊花賞4着以内馬が4勝。2014年にはトゥザワールドが菊花賞16着大敗から2着に巻き返したこともあるように、菊花賞組が有利です。この理由は3つ。
(1)古馬はジャパンCを大目標にしていることが多いこと。
(2)長距離を経験している優位性があること。
(3)歳馬はこの時期に一気に成長する傾向があること。
しかし、今年の菊花賞は、過去10年、さらに20年前まで遡ってもワースト1の指数で決着しており、非常に凡戦。通常なら軽視したいものですが…トゥザワールドの変わり身を見せられてしまうと、何とも言えないものがあります。
だからと言って、2011年のブエナビスタ、2014年のエピファネイアなど、ジャパンCの上位馬、特に優勝馬はこのレースでドボンする傾向があるので、それらも信頼できません。前記2頭は大げさな例としても、2016年のジャパンCの覇者キタサンブラックですら、同年の有馬記念で同年の菊花賞馬サトノダイヤモンドに先着を許してしまっています。有馬記念で勝ち負けする古馬というのは、おおよそ2パターン。ジャパンCで凡退しているもともと強い馬か、ジャパンCに出走していない馬かのどちらかです。
まとめると、今年の有馬記念は、平均ペースよりも速くなる可能性が高く、外差し馬でもワンチャンスあり。また、菊花賞が凡戦だけに、ジャパンCの凡退しているもともと強い馬か、別路線組の古馬を中心視するのが上策ということです。
それでは素晴らしいグランプリ有馬記念になりますように! (^^人)