2019年 クイーン賞の予想

牝馬限定のダートグレードでは唯一、ハンデ戦で行われるクイーン賞。このレースは前走JBCレディスクラシックの上位馬に優先出走権がありますが、ハンデを背負わされることを嫌って出走して来ないことも少なくありません。また、JBCレディスクラシックの優勝馬は、今年のアンジュデジールのように、牡馬相手のチャンピオンズカップに出走することも多く、この隙にこれまで牝馬限定の交流重賞の出走枠に入れなかった馬が、新規参戦してくることも多いです。

続きはこちら!
https://umanity.jp/racedata/columndet_view.php?cid=12040

予想はこちら!
https://nar.umanity.jp/coliseum/coliseum_view.php?user_id=3100000007&race_id=201912111909031

★船橋12R・香取特別も予想登録してあります。
穴予想です°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

2019年 カペラS・阪神ジュベナイルF

●カペラステークス

カペラSはJRAでは唯一行われるダ1200mの重賞。ゆえに同年のG2~G3のスプリント戦で勝ち負けして来た馬や上がり馬など、強豪が集結し、例年ほぼフルゲート16頭立てで行われます。当然、スピード自慢のスプリンターが集うわけですから、出走馬16頭中、逃げ、先行馬が多く占めます。

しかし、カペラSが行われる中山ダ1200mは、高低差4.5mのダートコースの頂上に位置する2コーナー奥の芝のポケット地点からのスタート。緩やかに坂を下って行くコースで、最初の3コーナーまでの距離は約502m。芝スタート+下り坂でダッシュが付く上に、最初のコーナーまでの直線が長く、隊列形成がすぐに決まらないとなれば、当然、前半ペースが上がります。

しかも、中山は年間を通してもJRAのどのダートコースよりも時計を要すタフな馬場状態。前崩れの条件が揃ったも同然でしょう。実際に過去10年を見ても、ダ1200m戦ながら逃げ馬3頭、先行馬6頭しか連対できていません。

それもこのレースを逃げ切り勝ちした馬は、2014年のダノンレジェンド、2016年のノボバカラと、その後のG1でも連対している馬。また、昨年逃げて2着のサイタスリーレッドも、ダ1200mでハナを切った場合には、G1級の能力を発揮する実力馬です。つまり、逃げ馬はG1級の実力がないと通用しないし、先行馬も中団、差し、追い込み馬を上回れる実力が必要ということになります。

●阪神ジュベナイルフィリーズ

2歳牡馬は朝日杯フーチュリティSとホープフルSに有力馬が分散しますが、2歳牝馬はほぼここ一本道。それだけに例年、「2歳女王決定戦」と呼ぶに相応しい、錚々たる顔ぶれが集います。今年も 2戦2勝で前走重賞を制したウーマンズハート、リアアメリア、レシステンシアに、それに準ずる馬も集い、かなりの好メンバーです。

また、例年のこのレースは、前走ファンタジーSなどの短距離戦で逃げた馬や先行馬がスピードをコントロールしきれずにペースを上げ、平均よりもペースが速くなることがほとんど。このため逃げ、先行馬は苦戦しがちです。

実際にこのレースの過去10年の結果を見ると、逃げ馬の3着以内はゼロ。先行して優勝した馬は、2015年のメジャーエンブレムと2016年のソウルスターリングのみ。2着馬は2010年のホエールキャプチャ、2011年のアイムユアーズ、2012年のクロフネサプライズ。3着馬は2011年サウンドオブハート、2016年レーヌミノルと、その後のクラシック戦線で活躍した馬ばかりです。

つまり、正攻法の競馬で優勝するのは、来春のG1を勝てるような馬でないと難しいということ。2着、3着馬でも後のクラシック戦線で有力馬の一頭とみなすことができるほどです。2017年以降は馬場が軽くなっており、それ以前よりも先行馬が活躍しやすくはなっていると見ていますが……それでも本命馬とするには、実力がないと難しいでしょう。

また、2歳戦、特に重賞は成長比べですから、前走で大敗している馬はよほどの敗因がないと巻き返してこれません。過去10年の優勝馬を見ても前走の勝ち馬か、重賞連対馬でした。2着馬ならば、前走で多少負けていたとしても巻き返せていますが、それらは全て前走で不利なレースをしている馬たちの巻き返しでした(該当馬は、2010年のホエールキャプチャ、2015年のウインファビラス)。

2019年 中日新聞杯

一昨年より1回中京開催からこの時期に移動した、ハンデG3の中日新聞杯。このレースが行われる中京芝2000mは、スタートしてから約920m地点までゆったりと坂を上って行くコース。最初の1コーナーまでの距離が約314mと短い上に、前半で坂を上って後半で坂を下るコースなので、前半スローの後傾ラップが発生しやすいのが特徴。

しかし、3~4コーナーが下り坂の上に入り口が広く、出口が狭いスパイラルカーブになっており、上級条件のレースは、特に外枠の馬が3~4コーナーの下り坂で勢いに乗せて前との距離を詰めてくるので、差しが届かないこともありません。

最初のコーナーまでの距離が短いので、逃げ、先行馬であれば内枠の馬が有利ですが、差し馬であれば外枠でも問題なく、スピードに乗せやすいという意味では、むしろ有利に働く場合があります。それでもどちらかと言えば、逃げ、先行馬が有利は確か。特に今回は、何が何でもハナを主張したい馬がいないだけに、スローペースが濃厚。ある程度前に行ける馬が有利という前提で予想を組み立てたいです。

2019年 チャンピオンズカップ

2014年に舞台を阪神から中京コースへ移し、名称もジャパンCダートから一新して行われるようになったチャンピオンズC。阪神ダ1800mで行われていた頃は、前走、マイルCS南部杯や武蔵野Sなど、ダ1600m戦出頭馬がしばしば活躍していました。しかし、中京ダ1800mで行われるようになってからは、前走ダ1600m組の活躍が目立ちます。

これは中京ダートコースが中山、函館に次いで起伏が激しく、阪神とよりも持久力が問われるからでしょう。近2年こそダートが軽かったこともあり、前走・マイルCS南部杯で上位のゴールドドリームやルヴァンスレーヴが優勝していますが、2014年~2016年の優勝馬ホッコタルマエ、サンビスタ、サウンドトゥルーは、前走で中距離のJBCクラシックかJBCレディスクラシックで上位の馬でした。今年は良馬場で標準的な馬場状態。それだけに前走・中距離路線組が活躍する可能性が高いでしょう。

また、中京ダ1800mはスタンド正面の上り坂の途中からスタートで最初の1コーナーまでの距離が約291m。1コーナーまでの距離が短すぎるため、2コーナーまで隊列形成が持ち越してハイペースが発生する場合もありますが、基本的には前半ペースが上がりづらいコースです。このため上級条件のこのレースでは3~4コーナーの下り坂で一気にペースアップ。3~4コーナーの加速で外に膨らみ、この際にインコースが開くことが多くあります。

昨年の2着馬ウェスタールンド(8番人気)のように、最後方のインから先行したルヴァンスレーヴの直後まで位置を上げたのは極端な例としても、2014年の優勝馬サンビスタ(12番人気)、2015年のサウンドトゥルー(6番人気)もイン強襲でした。3~4コーナーの外から意、強くても善戦止まりで終わるケースが多いので、このことは理解して予想を組み立てたほうがいいでしょう。もっともインを強襲するには、ロングスパートできる最低限の実力と騎手の覚悟も必要です。インが開かなかった場合には、「あの位置は何なんだよ!」とファンや関係者から叩かれるのだから。

今回は内枠の実績馬インティの逃げで、1番人気のクリソベリルがそれを見ながらの競馬。他の逃げ馬は外枠に入ったこともあり、インティに競り掛けてはいかずに2列目という選択をしてくる可能性が高いだけに(ロンドンタウンは脚をタメる競馬を示唆するコメント)、スローペース~平均ペースが濃厚。前が有利な競馬になると見ていますが、ヒモ穴にはイン強襲馬を加えたいものです。