●神戸新聞杯
セントライト記念は上がり馬が集う舞台に対して、神戸新聞杯は日本ダービーの上位馬が集う舞台。また、本番・菊花賞にも繋がるレースで、過去10年の菊花賞の優勝馬のうち、9頭がこのレースで3着以内の馬でした。今年もここから菊花賞馬が誕生するのか?
また、今年は皐月賞と日本ダービー上位のサートゥルナーリア、ヴェロックスの2強の牙城を覆せる馬が現れるのかも焦点となって来ます。優先出走権のある実績馬にとってトライアルは、いわば脚慣らしの一戦のようなもの。菊花賞本番はともかく、何としても出走権を手にしたい伏兵馬の一発は十分あるでしょう。
基本的にトライアルは「本番では能力不足だけど、ここでは足りるという馬を狙う」のがコツであり、該当馬がいなければ、実績馬が勝ち負けするというのが構図です。しかし、やみくもに上がり馬を勝っても馬券は当たりません。
神戸新聞杯のポイントは、今回が始動戦の馬が多いトライアルのため、あまりペースが上がらないこと。今年はともかく、近年の日本ダービーはスローペースになることが多いのですが、神戸新聞杯はそれ以上のスローペースになることが多いです。これが日本ダービーで上がり2位以内の瞬発力型の馬が活躍している理由でしょう。
該当馬は、2010年のエイシンフラッシュ(1着)、ローズキングダム(2着)、2011年のオルフェーヴル(1着)、ウインバリアシオン(2着)、2012年ゴールドシップ(1着)、2014年のワンアンドオンリー(1着)、2016年のサトノダイヤモンド(1着)、2018年のエタリオウ(2着)など。
また、前記該当馬が不在の場合は、しばしば逃げ馬が活躍しています。該当馬は、2009年のリーチザクラウン(2着)、2010年のビッグウィーク(3着)、2015年のリアファル(1着)、2018年のメイショウテッコン(3着)など。
ただし、この傾向は良馬場でのもの。天気予報どおりに雨が降って馬場が悪化すれば、多少なりともペースが上がるので、ただ瞬発力がある、スピードがある馬ばかりではなく、総合力(距離適性)が問われるレースになるでしょう。今回はどこまで馬場が悪化するかが定かではないので、前記事項に距離適性も絡めて予想を組み立てたいです。
●オールカマー
オールカマーは先週のセントライト記念と同距離コースで行われます。先週のセントライト記念の傾向で、「超スローペースが発生しやすい」と綴りましたが、想定よりも馬場が回復せず、重馬場になったことで平均ペースまで上がりました。もちろん、楽に先手を奪ったリオンリオンのハナをアトミックホースが奪ったのもあります。
スタートしてすぐコーナーならば、隊列がスムーズに形成されたのですが、中山芝2200mは最初の1コーナーまで約432mもあるので、それほどスピードがない馬でもハナを奪えるということが影響しているでしょう。このように最初のストレートが長いコースは、騎手の采配ひとつでペースが上がる場合もあるのですが、トライアルやステップレースは、どの陣営も無理をさせたくないので、スローペースになりやすい傾向があります。
また、今秋の中山は、開幕週の京成杯オータムHでレコードタイムを記録したように、超々高速馬場。中山芝コースも行った、行ったのオンパレードだったように、良馬場想定ならば4コーナーで前の位置が取れていないと厳しいものがあります。
今回せ逃げるのは、逃げなければ持ち味が生きないトニーファイブが濃厚ですが、同馬の実力では4コーナーまで息が持たない可能性大。4コーナーでどの馬が先頭にいて、2番手は何なのかを読み切ることが馬券のポイントとなるでしょう。
ちなみに他サイトでのものになりますが、オールカマーのコラムを掲載しているので、まだ、ご覧になっていない方は、ぜひ、ご一読ください<(_ _*)>。
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=160581