シリウスSが行われる阪神ダ2000mは、芝内回りの4コーナーポケットからのスタートで、最初の1コーナーまでの距離は約500m。芝スタートで勢いに乗せられるため、前半のペースこそ速いものの、1~2コーナーが急カーブのため、ここでペースが緩みます。1~2コーナーはおおよそ前半4F地点となり、G3のこのレースでもほぼ13秒台までペースが緩みます。
本来、前半のストレートの長いコースでは、逃げ、先行馬のポジション争いが激化しやすい傾向がありますが、阪神ダ2000mは4F目でしっかりと息が入れられるため、逃げ、先行馬でも十分に残れます。
しかし、逃げ、先行馬が有利かと問われると、けっしてそうでもありません。前半4F目で緩みが生じることで、前半5Fと後半5Fではペース差のない平均ペースで決着することがほとんどです。つまり、逃げ馬でも、追い込み馬でも万遍なく走れるということ。
連対馬をデータ化してしまうと、先行~中団が圧倒的に活躍しているのですが、これはダート戦はほとんどハイペースのため。前走、近走で厳しいレースをしていた先行、中団馬が巻き返しているにすぎません。データは大雑把な傾向としては間違っていませんが、本質を理解しないと、実力不足の先行~中団馬にお金を注ぐことになります。
今回はハナへ行くのは、おそらくヤマカツライデンでしょう。久々のダート戦となる馬は出遅れることもありますが、阪神ダ2000mは芝スタートなので、その可能性は低いと見てます。また、騎手心理としても内枠ですから、包まれないように積極的に出して行きたいでしょう。外枠のメイショウワザシも鞍上が逃げの松山騎手だけに、ヤマカツライデンに競る可能性も否定しませんが、同馬はこの距離に不安を持っているので、無理をさせない気がしています。
また、グリムやテルペリオンがここを回避して白山大賞典に回ったことで先行型が手薄。おそらく例年よりもスローペースで、前半5F62秒台まであるかないかでしょう。そのくらいまでペースが落ちるとさすがに実質上も先行馬が有利です。ここは先行馬有利の前提で馬券を組み立てたほうがいいでしょう。