2020年 共同通信杯・京都記念

●共同通信杯

クイーンCの傾向で、クイーンCは桜花賞への前哨戦の意味合いも持つレースであることをお伝えしました。共同通信杯も同じで、弥生賞やスプリングSと肩を並べる皐月賞の前哨戦の意味合いを持ちます。弥生賞やスプリングSと異なるのは、皐月賞への優先出走権があるかないかです。

実際に過去10年の優勝馬、ゴールドシップ(2012年)、イスラボニータ(2014年)、リアルスティール(2015年)、ディーマジェスティ(2016年)、スワーヴリチャード(2017年)、ダノンキングリー(2019年)があとの皐月賞やダービーで連対しています。また、このレースの2着馬ディープブリランテ(2012年)は、その後ダービー馬となり、ドゥラメンテ(2015年)は、皐月賞、ダービーを制して2冠馬となりました。

近年は弥生賞やスプリングSを使わずに、皐月賞へ直行する馬も多くなっているだけに、弥生賞やスプリングS以上にクラシックに繋がるレースと言っても良いかもしれません。つまり、レベルが高く、前走G1以外で3着以下に敗れたような馬ではまず、通用しません。そうなると本来は前走で新馬戦や未勝利戦を使われていた馬は通用しないはすですが、このレースに限っては前走新馬組でも通用しているのがポイント。

なぜかと言うと、大手牧場のノーザンFは、このレースに期待馬を出走させてくる傾向があり、前記したリアルスティールのように、新馬戦をやたらと高い指数で制した馬や素質馬を出走してくる場合もあるからです。ただし、ノーザンF以外の前走新馬戦出走馬は通用していないし、前走未勝利組も通用していないのでご注意を!!

また、展開の傾向としても、このレースは前週のきさらぎ賞やエルフィンS、前日のクイーンCとの勢力分散の影響もあり、例年、小頭数になることや、前哨戦らしく出走馬に無理をさせない傾向があるので、スローペースの傾向。それも昨年のように4F通過49秒5などという「ど」のつくスローペースになることもけっこうあります。逆にハイペースになったことは過去10年でゼロです。

今年は雨の影響で稍重~重が想定されますが、何が何でもの逃げ馬不在でシコウがハナを主張するかというメンバー構成だけに、昨日よりも馬場が悪化したとしてもスローペースが濃厚。過去10年で一番ペースが速くなったのは、稍重で行われた2015年ですが、その時のような逃げ馬(リスペクトアース)がいないので、追い込み一辺倒では、厳しいと見ています。その前提で予想を組み立てたいです。

●京都記念

京都記念は、3年前よりG1に昇格した大阪杯の前哨戦であり、ドバイワールドCの前哨戦でもあります。また、昨秋のG1で上位争いをした一線級の馬たちにとっては、休養明けの始動戦になります。前走でジャパンCや有馬記念、日経新春杯、AJCC、年によってはエリザベス女王杯や菊花賞組など、距離2200m以上を使われている馬が多く出走してくるのがこのレースのポイント。

前走で今回距離と同じか、長距離を使われている馬が多く参戦することや、例年のように少頭数で行われることもあり、芝2200m戦としては各馬の仕掛けどころが遅くなることがほとんど。休養明け初戦から無理をさせたくないという思惑もあるでしょう。

実際に過去10年でまあまあ速い流れとなったのは、雨の影響で時計が掛かる中、ヤマカツライデンが大逃げを打った2017年のみ。(勝ち馬:サトノクライン) とてもスローペースが発生しやすく、先行馬が残りやすいのがこのレースの特徴です。

レース全体の傾向としては、逃げ、先行馬が圧倒的に有利であり、2016年に1番人気に支持されたレーヴミストラルが1番人気で2桁着順に敗れたように、追い込み馬は受難。また、2015年に断然の1番人気に支持された追い込み馬のハープスターのように、スローペースを意識して、普段よりも早めに仕掛けて最後失速と、人気を裏切るケースも少なくありません。

つまり、追い込みタイプは狙い下げる必要があるということ。過去10年でこのレースを差して勝ったのも、次走の天皇賞(春)でも2着と好走した抜群の末脚を持つ2013年のトーセンラーのみです。ただし、今年は大雨の影響で重~不良馬場が濃厚とのこと。今の京都芝コースはただでさえ例年よりも馬場が悪いのに、大雨が降ったらズブズブの馬場になるのではないでしょうか。今年に関しては脚質云々よりも、道悪適性の高さを重視して予想を組み立てたいです。

2020年 クイーンカップ

桜花賞の前哨戦のグレードレースは、みなさんもご存知のように、一昨年からG2に昇格したチューリップ賞とフィリーズレビュー。しかし、フィリーズデビューは距離が芝1400mと短く、短距離指向が強いレースとなるため、クイーンCはチューリップ賞に次ぐ、第二の桜花賞の前哨戦、もしくはNHKマイルCの前哨戦としての意味合いを持ちます。つまり、3歳牝馬の強豪が集うことが多いということ。

実際に昨年のこのレースを優勝したクロノジェネシスは、桜花賞3着、オークス3着を得て、秋華賞馬となりました。さらに4着馬のカレンブーケドールもオークス2着、秋華賞で2着と好走しています。それ以前にも2016年の優勝馬や2017年の2着馬アエロリットが同年のNHKマイルCを制し、2015年の2着馬ミッキークイーンもオークスと秋華賞を優勝。襲来の活躍馬を多数輩出しているだけに、今後も見逃せないレースでしょう。

このように終わってみればハイレベル決着となることが多いために、前走で新馬、未勝利組の成績【0・2・3・34】とほどんど通用していません。2頭の2着馬は、2015年のミッキークインと2018年のフィフニティで、この年はともにレベルの低い年でした。また、ともに差す形での2着で、勝ちに行かずに楽をさせたのが良かったのでしょう。

勝ちに行くレース(先行策)をした馬は、昨年の3番人気馬ミリオンドリームズのように、見事なほど馬群み沈んでおり、このことからもその時点で実力の足りない馬が先行することがいかにリスクかがおわかり頂けるでしょう。先週のきさらぎ賞で危険な人気馬に取り上げたアルジャンナは、勝ちに行かなかったから負けたのではなく、勝ちに行かなかったから3着だった…川田騎手は下手打ったのではなく、上手く乗ったと考えるのが競馬の本質だと思っています。

また、短距離路線のトップクラスはフィリーズデビューを目指すことが多いため、前走で距離1400m以下に出走していた馬はほとんど通用していません。前走で1400m以下に出走していた馬の成績は過去10年で【0・1・0・22】で、唯一の2着馬は2010年のプリンセスメモリーですが、この馬も距離延長を意識して脚をタメう形、追い込む形で浮上しています。

まとめると、本命馬には昨年のクロノジェネシスのように、前走阪神ジュベナイルFの上位馬か(今年は不在)、フェアリーSの上位馬、距離1600m以上のオープン特別か、1勝クラス(500万下)を勝ち上がってきた馬が理想的だということ。

また、過去10年の勝ち馬10頭中、6頭が先行馬だったのもポイントでしょう。ただ、昨年のように前半4F48秒8の極端なスローペースになった場合には、上がり3Fタイムが速い馬がワン、ツーを決める可能性が高まるのも確か。今年は逃げ馬のインザムービーの陣営が「タメを利かせたい」とコメントしており、シャンドフルールの単騎逃げの可能性が高まりました。ジョディ―が単騎で逃げた昨年と類似するペースになるかもしれません。

佐賀記念の予想

佐賀記念は、夏のサマーチャンピオンと並ぶ佐賀二大レースのひとつ。中距離路線のG2・G3は、11月のみやこS、浦和記念以来となるために、強豪が集う年がほとんど。2009年にはスマートファルコンが、2013年にホッコータルマエが出走し、圧勝したこともありました。

主なメンバーは、ホッコータルマエのように、東海SでフェブラリーS出走権を逃した東海S(旧、平安S)の上位馬や東海Sで通用しなかった馬、前年のJRAオープン上位の上がり馬です。さらに川崎記念の上位馬が出走してくることもあります。

このように中央勢が手強いために、地方馬が他のG3よりも苦戦しています。地方馬のこのレース3着以内は、2008年のチャンストウライ(1着)まで遡らなければありません。チャンストウライのように、前年の帝王賞で4着、名古屋グランプリで3着など、よほどの実績馬ではない限り、今後も地方馬の苦戦の傾向は続くでしょう。

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2020年 きさらぎ賞・東京新聞杯

●きさらぎ賞

きさらぎ賞は、前日にはエルフィンS、翌週にはクイーンCや共同通信杯とこの2週に3歳のオープン、重賞が集中していることもあり、毎年のように少頭数で行われます。このため道悪にでもならない限り、平均~スローペースが通常化しており、過去10年で逃げ馬の1着1回、2着3回、3着1回という素晴らしい成績を収めています。

今年も小頭数8頭立て。逃げ馬はコルテジア、ギベルティの2頭で、両馬ともにスローペースの逃げで結果を出してきた馬です。今回は内枠でこの距離(芝1800m)に自信のあるはコルテジアが逃げる可能性が高いと見ていますが、どちらが逃げるにせよ、無理のないレースメイクで、スローペースよりの流れになると見るのが順当でしょう。京都芝コースは先週と比べると、高速化しているだけになおさらです。

また、このレースのポイントは1番人気馬がよくコケて、案外と荒れているということ。実際に過去10年の1番人気馬の成績は、【3・3・0・4】で、一昨年のダノンマジェスティ(9着)や昨年のヴァンギャルド(4着)が代表されるように、それまで後半型(末脚型)の競馬で結果を出してきた馬が、スローペースを意識して先行し、ドボンするパターンが目立ちます。

今回で断然の1番人気のアルジャンナは、ゲートも二の脚の遅い後半型の馬。前を意識して動けば、最後失速の可能性はあるでしょう。ここでも東京スポーツ杯2歳Sのように、追い込みに徹することができるかがポイントですが、その場合は、同タイプの2010年のレーヴドリアンのように前を捕らえきれずに善戦止まりで終わる可能性もあります。つまり、アルジャンナを過信するのは危険ということ。その前提で予想を組み立てたいです。

●東京新聞杯

東京新聞杯は、近年の強い逃げ馬の不在の影響もあって、スローペースの傾向が強いレースです。2016年、2017年は、それまで逃げたことがなかったスマートレイアーやブラックスピネルが逃げて、押し切れるほど遅いペース。良馬場ながら前半4F48~49秒台と、「東京マイルは淀みなく流れる」という定説を覆すほど、超絶スローペースでした。

しかし、東京マイルは最初の3コーナーまでの距離が約550mもあり、緩やかに坂を下って行くUターンコースのため、外枠の逃げ馬でも行く気になればハナを主張することが可能。逃げ馬の出方ひとつでハイペースにもなります。

実際に逃げ馬が揃っていた昨年は、外のショウナンアンセムと内のロジクライが競り合って、前半4F45秒7-後半4F46秒2(決着タイム:1分31秒9)という緩みないペースで流れて、前が崩れました。

さて、今年はどうかというと、前に行ってこそのモルフェオルフェの逃げが濃厚のメンバー構成。ただし、キャンベルジュニアや、ヴァンドギャルド、クリノガウディー(同馬は、陣営が「ここも脚をタメす競馬で」とコメント)など、先行勢が手強いとなると、ある程度、ペースを引き上げて行くでしょう。

昨年のように逃げ馬が揃っているわけではないので、緩みない流れになる可能性は低いにせよ、ある程度、ペースが上がる、平均ペースで流れる可能性が高いと見て、予想を組み立てたいです。今年の東京は例年のような超高速馬場ではないので、前半4F46秒台半ばの1分32秒台の決着だと、差し馬のほうが優勢と見ていますが、先行馬も残れないことはないと見ています。

また、このレースのポイントは前走のマイルCS出走馬が不振だということ。そもそも前走でG1を目標にした馬というのは、マイルCSに限らずに危険行為で先週の白富士S(オープン)でも、前走のジャパンCで6着のダイワキャグニ―が1番人気でぶっ飛びました。

前走でマイルCS出走馬のこのレースでの成績も過去10年で【1・0・0・13】と不振。唯一の優勝馬は、2010年のスマイルジャックですが、同馬は前年の安田記念の3着馬。前年の秋がやや不振でマイルCSでも6着でしたが、ここで復活したタイプです。つまり、そもそも強く、マイルCSで案外な負け方をしている馬ではないと、狙いづらいということです。

2020年 根岸S・シルクロードS

●根岸ステークス

ダ1400mのグレードレースは、地方競馬を含めて年間8レースあります。中央のダ1400mのオープン特別も、直近ではギャラクシーS、すばるSなど数多く行われています。しかし、中央で行われるダ1400mのグレードレースは、今回の根岸Sと夏のプロキオンSのみ。また、中央のダ1400m戦は、東京、京都、阪神、中京の4場で行われますが、スタート地点がダートなのは、東京コースのみ。さらにスプリントのダートグレードは、1~2月に行われるのはこのレースのみということもあり、根岸Sは地方馬や地方交流戦組の参戦が目立ちます。

本来、ダートスタートコースよりも、芝スタートコースのほうがダッシュがつくため、前半ペースが上がりやすい傾向があります。しかし、東京ダ1400mは、芝スタートコースながら、前半ペースが上がりやすいのが特徴。これは最初の3コーナーまでの距離が約442mと阪神ダ1400mに次いで長い上に、前半で坂を下って、後半で坂を上るコースだからです。まして地方経由馬は揉まれ弱い馬が多く、できれば前半からリードを奪いたい馬が多いので、なおさらその傾向に拍車が掛かるのでしょう。

実際に根岸Sの過去10年を見ても、逃げ馬の3着以内はゼロ。2008年にはタイセイアトムが逃げて2着に粘っていますが、この年は降雪により、月曜日に代替開催。不良馬場の上に、2列目を追走していたトウショウギアが故障して、有力馬がことごとく後退する不利がありました。一方、追い込み馬は1着4回、2着1回、3着4回という強烈な成績。この活躍ぶりは、重賞屈指どころか、ぶっちぎりのNO.1でしょう。ただし、本来、最初のストレートが長いコースというのは、隊列形成がスムーズならば、そこまでペースが上がらないことも忘れずにいたほうがいいでしょう。

しかし、そうは言っても特に近3年は、モンドクラッセ、サイタスリーレッド、マテラスカイなど、行くしかない逃げ馬がオーバーペースで逃げていることもあり、カフジテイクやノンコノユメノ追い込みが決まっています。昨年も追い込み馬のペースでしたが、コパノキッキングやユラノトが先行~中団から押し切れたのは、この2頭が強かったからです。(前記2頭は、次走のフェブラリーSでも5着、3着を善戦)

今回逃げる可能性が高いのは、逃げなければ持ち味が生きないドリームキラリが濃厚。ワイルドファラオは初ダートで逃げたユニコーンSはしぶとい内容でしたが、折り合う競馬もできるので逃げない可能性が高いでしょう。例年のこのレースと比べると断然、逃げ、先行馬が手薄な上に、案外と前が楽になる可能性もあります。

まして今年は、土曜日の銀蹄S(ダ1400m)で1分23秒5で決着しているように、例年よりも高速ダートです。土曜日が稍重で日曜日は馬場が回復することを視野に入れても、平均ペース前後で1分22秒台で決着するのではないでしょうか。結局のところ実績も自在性があるコパノキッキングがどこまでドリームキラリを可愛がるかでペースが決まる面はありますが、前からでも押し切れることを視野に入れて予想を組み立てたいです。

●シルクロードステークス

シルクロードSが行われる京都芝1200mは、スタートしてから内回りの3コーナーの坂を上がって行くコース。最初の3コーナーまでの距離が約320mと短い上に、前半で急坂を上るコースのため、京都が超高速馬場で、いかなる快速馬が逃げたとしても、前半3F32秒台に突入することはありません。

前半3F32秒2(小倉1200mの北九州記念)を記録したことがある超快速馬のエイシンダックマンでも、このコースだと馬なりで前半3F33秒5(淀短距離S)でしか行けなかったほど。つまり、エーシンダックマンがこのコースを得意としていたように、前半ペースが上がりづらいため、逃げ、先行馬がやたらと活躍します。過去10年で逃げ馬の2着が5度もあるのだから、異常に逃げ馬が活躍するレースと言えます。

※同距離コースのG3・京阪杯でも過去10年で、逃げ馬が3勝、2着1回。

しかし、昨年のこのレースは、逃げ馬や逃げたい馬が揃っていた上に、大外枠からセイウンコウセイが押して押して内の逃げ馬のハナを叩いて、玉砕覚悟の逃げ。けっして高速馬場でもないのに、1998年のキョウエイマーチ(前半3F33秒1)に次ぐ、シルクロードS史上2番目の前半3F33秒3で逃げて、久々に前がしっかりと崩れました。

同馬は直近のレースが不振で、斤量58kgを背負っていたこともあり、叩き台に徹してきた感が見え見えでした。あれを見てしまうと、ここも楽にハナへ行けるであろうモズスーパーフレアに過度な期待をしてしまうのは危険ですが、ラブカンプーもかつてほど前に行けなくなっており、今年は昨年ほど逃げ馬が揃っていません。

確かに例年のこの時期の京都芝コースよりも1秒前後時計を要しており、その上今週よりAコース→Bコースを使用。土曜日の段階では外のほうが伸びていました。そこを考えるとモズスーパーフレアが力任せに行き切ると危険な状況ではありますが、騎手も土曜日を踏まえて乗ってくるでしょう。

ただし、モズスーパーフレアが逃げるとするならば、同馬を見ながらレースを運べる2列目、できれば外でしょう。その位置を取れる(好きな位置を取れる)こと自体が強さですが、強い馬の直後は進路取りに苦労しないし、ましてそれが実績のある逃げ馬だとハイペースなら控えて、スローペースならそのままついて行けば良いのですから楽です。それを踏まえて予想を組み立てたいです。

2020年 川崎記念の予想

東京大賞典の3着以内馬が不在
今年は荒れるか!?
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ダートのG1では、最長距離の2100mで行われる川崎記念。このレースの位置付けは、フェブラリーSの前哨戦であり、ドバイワールドカップの前哨戦。しかし、フェブラリーSを目指す馬は、長距離のこのレースよりも、1800mの東海Sに出走することがほとんど。

また、ドバイワールドカップを本気で目指す馬ほど、前年の東京大賞典からドバイワールドカップへ直行する傾向があり、その年は極端にメンバーが手薄となり、やや荒れる傾向があります。準オープンを勝ったばかりのオールブラッシュ(5番人気)がこのレースを優勝した2017年も、東京大賞典の連対馬アポロケンタッキー、アウォーディーともにドバイワールドカップへ直行で不在でした。

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2020年 東海S・AJCC

●東海ステークス

東海Sは例年中京で行われますが、今年は京都ダ1800mで行われます。京都ダ1800mと言えば、チャンピオンズCの前哨戦、みやこSでお馴染みのコース。このコースは、最初の1コーナーまでの距離が約286mと短く、外枠の馬は最初のコーナーで外に張られることになるので、基本的には内枠有利です。また、逃げ馬が外枠の入ると、昨年のみやこSのインティのように、1コーナー先頭を狙って前半からペースが上がる場合があります。逃げ馬の頭数が多いほど、ペースが上がるでしょう。

今回も昨年のみやこSで競り合ったリアンヴェリテこそ出走していないものの、スマハマとインティが出走。インティは今回も外枠ですから、1コーナーの入りが難しくなりました。内枠のアイファーイチオーやエアアルマスのほうがインティよりも前でレースを運ぶ可能性もあります。特にエアアルマスはキックバックを極端に嫌う馬ですから、前目で立ち回りたいでしょう。

ただ、インティの鞍上・武豊騎手は、基本的に競り合いを嫌う騎手。それだけにある程度はペースが上がるにせよ、みやこSのような超絶ハイペースになることはないと見ています。強ければ、前からでも押し切れる可能性大。その前提で予想を組み立てたいです。

●AJCC

AJCCが行われる中山芝2200mは、レース前半で坂を上がって行くコースなので、前半でペースが上がるポイントがありません。あの暴走型逃げ馬ツインターボが圧勝したのも、中山芝2200mのオールカマーです(当時としては、高速馬場)。前半で坂を上って行くことで珍しく折り合いがついて、最後の脚に繋がったのです。

つまり、AJCCはスローペースが発生しやすい舞台。過去10年の脚質別データを見ても、逃げ馬の1着1回、2着2回、3着1回に対して、追い込み馬の連対は一昨年のミッキースワローのみ。ただし、一昨年は、2番手でレースを運んだダンビュライトが優勝し、3着に人気薄の逃げ馬マイネルミラノが粘っているように、けっしてハイペースではなく、スローペースよりの流れでした。

上級条件だと3年前のこのレースのように、向こう上面でペースが緩まずに、平均ペース~ややハイペースになることもありますが、大きな傾向としては、前が有利と考えてもいいでしょう。今年も人気の実績馬ブラストワンピース、ミッキースワロー、ラストドラフトは前に行けないタイプ。特にミッキースワロー、ラストドラフトは出脚が遅いです。それだけに平均ペース~スローペースが濃厚と見て、予想を組み立てたいです。

2020年 TCK女王盃の予想

年明け最初のダートグレードは、牝馬限定戦でお馴染みのTCK女王盃。この時期は女王クラスの馬が引退して繁殖入りしたり、休養していることも少なくないため、年によってレベルに差が生じます。女王クラスの馬が出走していればそれらが勝ち負けすることが多く、出走していなければ新興勢力や地方馬が馬券圏内に突入して波乱になることもあります。

まず、最有力は前年のJBCレディスクラシックの優勝馬で、JBCレディスクラシックが創設された2011年翌年以降の、このレースでの成績は【2・0・1・1】。1着ではなかったのは、2016年のホワイトフーガ(3着)と2018年のララベル(5着)。両方馬ともJBCレディスクラシックからの直行馬で、休養明けでした。逆に優勝した2014年のメーデイア、2015年のサンビスタはJBCレディスクラシック後にチャンピオンズカップを使われていました。つまり、休養明けでなければ信用できることになります。

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2020年 京成杯・日経新春杯

●京成杯

中距離路線のトップクラスは、前年の暮れに行われるホープフルS(旧ラジオNIKKEI杯2歳S)を目標にするため、かつてからこのレースはクラシックにあまり縁がありませんでした。直近でもこのレースの優勝馬、サンツェペリン(2007年)やエイシンフラッシュ(2010年)がクラシックで連対した程度です。

その上、近年はホープフルSがG2、G1に格上げされたことで、よりクラシックに繋がらなくなりました。ホープフルSがG2に昇格した2014年以降、このレースを経由した馬のクラシック連対馬は皆無です。特にホープフルSがG1に昇格後の2016年以降、このレースのレベル低下が著しく、前走で未勝利や新馬戦を勝ったばかりのガンサリュート(2017年)、コズミックフォース(2018年)、ラストドラフト(2019年)がこのレースで連対しているのはそのせいでしょう。

また、このレースが行われる中山芝2000mは、最初の1コーナーまでの距離が約405mと長く、逃げ、先行馬が集うと先行争いが激しくなります。テンが遅い馬でも1コーナーまでに先頭に立てるチャンスがあるため、結果、前半3Fが速くなりやすいということです。ただし、スタートしてからゴール前の坂を上って行くコースなので、前半3F34秒台など、極端に速くなることもりません。

坂で動かずに向こう正面で動いて結果緩みないペースになることもありますが、京成杯はそこまで逃げ、先行馬が揃わないこともあり、ほとんどの年が平均ペース前後で決着しています。明確にハイペースになったのは、過去10年ではコスモイグナーツが大逃げを打ち、前半3F35秒4までペースアップした一昨年くらい。逆に、明確にスローペースだったのも、逃げ馬が不在だった2010年くらいです。

今年は前走で逃げている馬が、ロールオブサンダー、ヒュッゲ、スカイグルーヴの3頭。スカイグルーヴは前走の新馬戦が最内枠で自然とハナに立つレース内容だっただけに、逃げにはこだわるタイプではないはず。テンのスピードの違いでロールオブサンダーがハナが濃厚も、ヒュッゲが逃げる可能性もあるでしょう。

ただ、昨日はオープンのニューイヤーSで決着タイムが1分35秒8(ラスト1F13秒0まで落ちるハイペース)と要したように、現在の中山はタフな馬場状態。昨日は降雪の影響もあり、本日は回復に向かうとしても、時期的にすぐには回復しないでしょう。つまり、騎手も時計の掛かる馬場というのを理解しているので、無理な競り合いは避けて、探りながらの競馬になるでしょう。

おそらく今年も今年も平均ペース前後の決着が濃厚。この時期の3歳戦は、先週のシンザン記念同様に成長比べであることを踏まえ、どの位置からでも脚が引き出せる想定で予想を組み立てたいです。


●日経新春杯

古馬中距離のハンデ重賞となる日経新春杯。このレースは、2009年のアドマイヤモナーク(前年の有馬記念・2着)や2014年のラブイズブーシェ(前年の有馬記念・4着)のように、前走・有馬記念で好走した馬の凡走がしばしば見られます。G1を大目標とした後の間もない一戦で、余力がない上にハンデが課せられるからでしょう。

一方、菊花賞上位馬や前走条件戦勝ちの4歳馬や上がり馬の活躍がしばしば見られます。勢いがある上にハンデが軽いからでしょう。特にこのレースで穴を開けているのは、2013年の優勝馬カポーティスター(ハンデ52kg・5番人気)や昨年の3着馬ガンコ(ハンデ52kg・7番人気)など、前走条件戦勝ちの軽ハンデの4歳馬が大半。

ハンデキャッパーがいかに新興勢力を求め、この先のAJCCで実績馬vs新興勢力の対戦図式を作ろうとしているのが伝わってくるほどです。ハンデキャッパーの思惑どおりにならないのが競馬ですが、大きな傾向としては、実績馬よりも勢いがある馬が優勢と考えてもいでしょう。

また、日経新春杯が行われる京都芝2400mの舞台は、4コーナーの奥ポケットからスタートして最初の1コーナーまでの距離が約600m。最初のストレートが長いこともあり、逃げ馬の出方ひとつでレースの流れが大きく変わります。多少行きっぷりが悪い馬でも、騎手の意識ひとつで逃げることが可能。

2010年のように、逃げ馬揃いながらハンデ50kgのドリームフライトがゲート出たなりに行かせてオーバーペースが発生した年もあれば、長距離戦らしく、昨年のように序盤で先行争いが激化した後、道中でメイショウテッコンが捲って緩みないペースになることもあります。また、2016年のように逃げ馬不在で超絶スローペースが発生することもあれば、2018年のように逃げ馬がロードヴァンドールのみで単騎マイペースで逃げられることもあります。

つまり、最初のストレートの長いコースほど、展開のバリエーションが富んでいるのですが、予想する側にとっては、それが悩みの種になることもあります。さて、今年はどうか? 長期休養明けのサイモンラムセスがどこまで思い切って行けるかにもよりますが、ロードヴァンドール、場合によってはハンデ51kgのエーティーラッセンがドリームフライトのように、ゲート出たなりで行かせる可能性もあります。

正直、難しいのですが、ある定地は前半のペースが上がる可能性が高いでしょう。あとは向こう正面で捲る馬がいるかどうかですが…差し馬有利になる可能性が高いと見ています。また、今年の京都はタフな馬場だけに、ステイヤー適性も重視して予想を組み立てたいです。

2020年 愛知杯

4年前より暮れのターコイズSがG3に昇格した影響で、かつてほどメンバーが集わなくなった愛知杯。特に今年は重賞ウイナーが、アルテミスSと昨年の福島記念を制したデンコウアンジュだけ。しかも今年は京都の馬場改修工事に伴う開催日程の変更のため、中京から小倉に舞台を移して行われます。

愛知杯は中京の馬場改修工事の2010年、2011年にも小倉芝2000mで行われたことがありますが、ともに平均よりも速いペースになりました。小倉芝2000mは4コーナー奥のポケット地点からスタートして、最初の1コーナーまで約472mと十分な距離があるコース。メンバー次第で先行争いが激しくなります。テンが遅い馬でも1コーナーまでに先頭に立てるチャンスがあるため、結果、前半3Fが速くなりやすいということです。

また、前半3Fがそこまで速くなかったとしても、小倉は最後の直線が291mと短いため、上級条件ほど後続勢が3コーナーから動いて、全体的にペースが速くなることがほとんどです。

その上で昨年のエプソムC・2着時のように逃げたいサラキアが大外16番枠。サラキアはゲートに甘さがあるだけに、このメンバーだとハナを切れないでしょう。リリックドラマ、ランドネ、距離を怖がらなければウインシャトレーヌがハナ争いをしていく形。リリックドラマは、前走の福島記念でオーバーペースで逃げて失速しているだけに、ペースを上げない意識が働くでしょうが、最内先行馬のサヴォワールエメもある程度抵抗して行くことを考えると、前半からペースが上がる可能性大です。

本日の小倉は雨模様で、現在は稍重。ただ、開幕日なので標準よりも時計が出る馬場状態と見ています。それだけにハイペースになったとしても、さすがに先行馬総崩れのレースになるとは思えませんが、牝馬は決め手を生かす競馬をしている馬が多いので、多少でもペースが上がると末脚が不発する場合があります。

展開上は有利な差し馬でも、前半の追走に体力を使って末脚が不発する場合があるということです。したがって、ハイペースのレースで良績のある馬、好指数のある馬を主体に予想を組み立てたいです。また、ハンデ戦だけに、当然、斤量がより軽ければ理想ですが、重さは加速に影響を及ぼすもの。ハイペースの場合は1速→5速というようなギアチェンジがないので、スローペースほど斤量の影響がありません。このことも加味すると、より的中に近づけるでしょう。