2023年 武蔵野S・デイリー杯2歳S東京9R+以降の予想

※福島11R・奥羽Sの予想を追加しました。

■極端なハイペースが発生しやすい舞台

 武蔵野Sが行われる東京ダ1600mは、2角の芝のポケット部分からスタートして3角までの距離は約640m。芝スタートで加速が付くこと、スタートから3角までの距離が長いことから、スローペースになることが少ない。

 実施に過去10年でも極端なハイペースになったことが6回もあり、ややハイペースが2回。スローペースになったことがなく、平均よりもペースが速くなっている。

 今回もケイアイシェルビーがハナを主張し、内からタイセイサムソン、ヘリオス等がそれに抵抗して行く形。メイショウウズマサの鞍上は競り合いを嫌う岩田康騎手なので、先行争いに加わっていかない可能性が高いが、先行馬のドライスタウトやペースセッティングも出走しているので、今年も前半4F46秒半ば前後のかなりのハイペースが想定される。差し馬有利と見て、予想を組み立てたい。

本日1番 東京11R 武蔵野S ダ1600m
 ◎ (12)レッドルゼル
 ○ (1)ペリエール
 ▲ (5)セキフウ
 注 (16)ペースセッティング
 △ (2)ベルダーイメル
 △ (3)ドライスタウト
 △ (4)タガノビューティー
 △ (7)タイセイサムソン
 △ (8)ヘリオス
結論 馬連12-1,5,16,2,3,4,7,8 (15:12:8:3:3:3:3:3) 複勝12 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (12)レッドルゼル

 今年2月のフェブラリーSの2着馬。同レースでは15番枠から好スタートを切ったが、意図的に位置を下げて後方2列目の外からの追走。ペースダウンした3~4角の外から徐々に進出し、4角出口で大外に誘導し、後方2列目で直線へ。ラスト2F目で一気に伸びて2番手に上がり、ラスト1F地点では先頭のレモンポップと1馬身3/4差。しかし、ラスト1Fで伸びきれずレモンポップと1馬身半差でゴールした。

 前記のフェブラリーSは前半4F46秒8-後半4F49秒0のかなりのハイペース。前半がかなりレースが流れた中で、位置を下げて脚を温存。3~4角で馬群が詰まった中で、外から馬なりに近い形で押し上げられたのも功を奏しており、このレースは噛み合った一戦だった。

 しかし、ラスト1Fでやや伸びを欠いたにせよ、ラスト2Fでグングン伸びて来たように、ベストは2021年JBCスプリントを優勝したダ1400mとしても、マイルも守備範囲。厳密には若かりし頃は先行馬だったが、川田騎手が好スタートを切って、行きっぷりのいい本馬を差し馬に育ててくれたことで、マイルにも対応できるようになった。

 末脚を活かす競馬で台頭した馬だけに、安田隆厩舎×横山典騎手のタッグで挑んだ富士Sのダノンタッチダウンのように、「突然の逃げ」などをやられると、距離が持たずに失速する可能性はある。しかし、本来の末脚を活かす競馬なら、7ヵ月の休養明けでもここで通用する状態にある。フェブラリーSでこれでもかとばかりに仕掛けを遅らせた川田騎手だったが、そういう騎乗の本家である横山典騎手が本領を発揮してくれれば、ここは通用すると見ている。

○ (1)ペリエール

 前々走のユニコーンSの覇者。同レースでは3番枠からやや出遅れたが、そこから二の脚で挽回して好位の中目を追走。道中は3列目の中目で2番手のサンライズジークをマークし、3~4角でも同馬の直後。直線序盤で同馬の外に出されると、ラスト2F目で3馬身ほどあった先頭のニシノカシミアとの差をじわっと詰めて同馬に並びかけ、ラスト1Fでそのまま突き抜けて3馬身差で完勝した。

 前々走は前半4F46秒3-後半4F48秒7のかなりのハイペースだったが、これを前半でポジションを取って、ラスト2F12秒7-12秒4と加速してゴール。ラスト1Fで他馬がバテたところを、本馬だけが加速する形で優勝しており、4歳馬が相手とはいえ、ここでは力が抜けていた。

 本馬はその後に休養。休養明けはスタミナが不足するため、緒戦の前走・グリーンチャンネルCは逃げ馬の外2番手でレースを進めて、ラスト1Fで甘くなって3着に敗れた。しかし、ひと叩きされたことで前進が見込める。今回は古馬相手の重賞で相手が強くなるが、休養中に成長していれば、ここは通用していい。

▲ (5)セキフウ

 前々走のエルムSでは、兵庫ジュニアGP以来のダートグレード制覇を達成した馬。本馬は中央場所の1400mでは追走に忙しく、展開に恵まれないと結果を出せずにいたが、3走前の大沼Sよりダ1700mを使われるようになってレースぶりに幅が出て、安定感も増した。

 前々走は6番枠から五分のスタートを切ったが、狭くなって控えて後方からの追走。2角過ぎでペースが落ちて馬群が凝縮していく中で、離れた後方2番手を維持し、3~4角の外からスピードに乗せて中団まで上がる。早めに動いたロッシュローブの後ろから4角出口で外に出されると、しぶとく伸び続け、ラスト1Fで早め先頭に立ったワールドタキオンを捉えて半馬身差で完勝した。

 前々走は高速ダートで前半4F48秒1-後半4F49秒0。けっして速い流れではなく、3~4角でもペースが落ちたわけではないが、3~4角の外から動いて優勝した内容は評価できる。前走の日本テレビ盃は自己最高指数を記録した後の疲れ残りの一戦。タフな馬場で出遅れを挽回して、好位の外と勝ちに行く競馬をしたために最後が甘くなったが、高速ダートのここならば巻き返せるはず。

 本馬は1700m前後の距離は安定して走れるので、一時は本命も視野に入れたが、2番枠だった昨年の武蔵野Sでは勝ちに行ったのもあるが揉まれ弱さを見せた見せたのも敗因のひとつ。内枠は好材料ではないので、3番手評価に止めた。

注 (16)ペースセッティング

 初ダートの前走、桂川Sをいきなり勝利と結果を出した馬。前走は2番枠から出遅れたが、最内のスペースを拾って好位まで挽回して追走。3~4角の最内からキックバックを食らいながらも2列目まで上がって直線へ。序盤で逃げ馬の外に出されると、ラスト1Fで突き抜けて4馬身差で完勝した。

 前走は京都ダ1400mで前半3F35秒3-後半3F36秒0のややハイペース。この流れを前半で位置を取りに行って、ラスト2Fで12秒1-11秒9と加速した点は褒められる。キックバックを食らっても問題なく結果を出した辺りから、ダート適性の高さを感じさせる。4走前の芝1600m戦、白川卿Sで2着と好走しているように、距離が長くなるのもいいだろう。

 しかし、前走は出遅れはしたものの、その後が初ダ―トとは思えないほど素晴らしい立ち回りだったことから、ダート慣れによる大きな上昇は期待しにくい。そこは減点材料で特注馬という評価になった。

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本日5番 京都11R デイリー杯2歳S 芝1600m
 ◎ (10)エンヤラヴフェイス
 ○ (4)ダノンキラウェア
 ▲ (8)フルレゾン
 注 (9)カンティアーモ
 △ (2)ジャンタルマンタル
 △ (5)メイショウサチダケ
 △ (7)ジューンブレア
結論 馬連10-4,8,9,2,5,7 (15:10:10:5:5:5) 複勝10 (50)

■逃げ、先行馬が有利な舞台も…馬場の影響は?

 2歳GⅡとしては数が少ない、伝統のデイリー杯2歳S。このレースは2014年より施行時期が10月から11月に繰り下げられ、朝日杯FSの前哨戦になったことやサウジアラビアRCの創設、京都2歳Sの重賞格上げなど、2歳重賞が増えたことにより、かつてほど強豪が集わなくなった。この影響もあって小頭数となり、ペースもスロー化している。

 デイリー杯2歳Sは過去10年で3角先頭馬が2勝、2着2回、3角2番手馬が3勝、3着5回、3着が2回。前半のペースが上がらず、逃げ、先行馬が有利の展開になることが多いのがポイント。差し、追い込み馬は昨年のダノンタッチダウンのように、メンバー最速の上がり3Fで上がって来られるような馬でないと通用していない。

 ただし、本日は重馬場発表。こうなるとそこまで前が有利にはならない。キャリアの浅い2歳馬はまだ脚質が定まっていない馬が多く、展開読みが難しいが、馬場が及ぼす影響も加味して予想を組み立てたい。

■有力馬とそのコメント

◎ (10)エンヤラヴフェイス

 今夏の中京芝1600mの新馬戦の勝ち馬。同レースでは6番枠から五分のスタートを切ったが、テンで気合を付けるとダッシュ良く2番手に上がってレースの流れに乗った。3~4角から軽く促され、4角の加速でやや置かれたが、直線に入ると逃げ馬をラスト1F手前でかわして堂々先頭に。そこからジワジワと後続を引き離し、結果は5馬身差の圧勝だった。当時、逃げて3着だったタイキヴァンクールは、すでに未勝利戦を突破しており、相手が弱かったというわけでもない。

 前走の新潟2歳Sは6番枠からまずまずのスタートを切って、その後、外の馬と接触。外のショウナンマヌエラが内に切れ込んで来たので、それを行かせて抑えると、そこから行きっぷりが悪くなり、好位から最終的には後方まで位置が下がってしまった。3~4角で前がペースダウンする中で内から位置を押し上げて行くシリウスコルトとは対照的に、そこで位置を下げ、直線序盤まで動かず。直線序盤で後方馬群の外に誘導して、後方2番手から盛り返しを見せたが、7着が精一杯だった。

 前走は新馬戦圧勝の疲れもあっただろうし、キャリアの浅い馬らしく、気性面も脆さを見せた敗戦だった。また、好位から後方まで位置を下がってからの鞍上の工夫も全くなかった。今回は外枠で揉まれずにレースが進められそう。それならば巻き返しが期待できる。

○ (4)ダノンキラウェア

 今夏の新潟芝1600mの新馬戦の勝ち馬。同レースでは1番枠からトップスタートを切ったが、鞍上が抑えるとすっと折り合い序盤は単独3番手を追走。向正面でゲルタが内に潜り込み、そこでは3列目の外。最後の直線で前2頭の外に出されると、スパート開始。早めに抜け出したランドマックスをラスト1F標地点で交わし、そこからはジリジリとした伸びだったが、最後までしぶとく粘って完勝した。

 ラスト2Fは10秒9-11秒2。最後にグンと伸びなかったあたりが数字にも出ているが、悪いものではない。スムーズに折り合える辺りに競馬センスの良さも感じさせ、まずまず良い勝ち方だったと言える。

 全兄はダノンスコーピオン。同馬は新馬戦のラスト2Fは11秒2秒-11秒6とそこまで秀逸と言える内容ではなかったが、勝った時点で世間では妙に高い評価をされた。ただ、同馬は走破タイムが平凡で次走以降の伸びしろが大きく、素質が確かならば化けるかもしれないという要素はあった。そこからラッキーな内容が続き、NHKマイルCを勝利するまでになった。

 本馬は新馬戦時点のダノンスコーピオンと同等ぐらいの評価ができる走りだった。ラスト1Fの数字がそこまで強烈ではなくとも、後続馬がバラバラになって入線した辺りがよく似ている。こういう着差構成の新馬戦勝ち馬は、意外と強いことが多い。負担の少ないレースを選択して成長を促していけば、兄同様に強くなる可能性はある。

▲ (8)フルレゾン

 前々走の新潟芝1600mの新馬戦では出遅れて後方を追走、4角で大外を回り、最後の直線では脚を伸ばしたが3着止まりだった。しかし、デビュー2戦目の前走では2番枠から好スタートを切り、好位でレースを進めるのかと思いきや、前に入られて位置が下がり、そのあと抑えるのに苦労し、結局、最後方まで下がってしまった。

 そのまま最後方から3~4角で外に出されて進出開始したが、4角で外に逃げてかなり大外を回る距離ロスの大きい競馬。この手のロスの大きい競馬をした馬は、直線で伸びかけて止まるのが常だが、本馬は最後までジワジワと脚を伸ばし、残り100mで逃げ粘るエマロアを捉えて1馬身差で完勝した。

 本馬が今回で記録した指数は、未勝利クラスとしては悪くない。ここまでチグハグでロスの大きい競馬だと、全能力を出し切ったとは言えないだけに、昇級後も楽しみだ。今回でのメンバーでは素質がA級。あっさり素質で突破する可能性もあるが、現状では気性面の課題もあるので3番手評価とした。

注 (9)カンティアーモ

 今夏の新潟芝1800mの新馬戦の勝ち馬。同レースでは大外9番枠からトップスタートを切って逃げ馬の外2番手を追走。折り合いが難しいのか、向正面で3番手以降を引き離し、新馬戦としては緩みないペースを刻んだ。行きたがったまま4角手前では逃げ馬スプリンクルソルトに完全に並びかける。直線に入ると同馬はバテバテになって失速。早めに先頭に立たされてしまい、かなり苦しい展開となった。直線半ばでは外のミッキースターダムに交わされたが、そこから差し返して3/4差の完勝だった。

 このレースでは3着馬には8馬身近い大きな差をつけ、走破タイムは1分46秒4の2歳コースレコード。レコード勝ちでも指数が平凡になることは多々あるが、このレースは指数も新馬戦としては優秀なものを記録した。

 ラスト2Fは11秒1-11秒7。逃げたスプリンクルソルトは最下位となったなか、こちらは減速がそこまで大きくないのだから、強いことは確か。無茶苦茶なレースだったが、レースぶりはAA級。かなり高い能力を持っていることは間違いない。

 ただ前走はあまりにも消耗度が高すぎて、ダメージが残りやすい内容。とにかく疲労残りが懸念される。今後の使われ方次第では凡馬にもなりうるし、大事に育てて気性面が改善されれば、一流馬になる可能性も秘めている。
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本日2番 東京9R オキザリス賞 ダ1400m
 ◎ (8)ラムジェット
 〇 (7)アイアムユウシュン
 ▲ (3)トニーテソーロ
 △ (10)シークレットキー
 △ (14)リジル
 △ (5)メイプルギャング
 △ (11)レーザーショー
結論 馬連8-7,3,10,14,5,11 (16:8:8:8:5:5) 複勝8 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にアイアムユウシュン(-13.3pt)、リジル(-9.7pt)、ラムジェット(-9.3pt)、ミライテーラー(-9.0pt)、トニーテソーロ(-8.1pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (8)ラムジェット

 中京ダ1400mの新馬戦では、出遅れてとても届かないような位置から差し切った馬。前走のヤマボウシ賞はダート短距離の強豪が揃った一戦。スタートでやはり後手を踏んだが、直線で鋭い追い上げを見せ3着に食い込んだ。近2走ともに上がり3Fタイム最速と底を見せていない。逃げ、先行馬揃いのここは本馬の末脚に期待。
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本日3番 東京10R 奥多摩S 芝1400m
 ◎ (14)ラスール
 ○ (5)アサヒ
 ▲ (12)ヴェールアンレーヴ
 △ (2)ミスボニータ
 △ (3)アンセーニュ
 △ (10)アバンチュリエ
 △ (15)トーホウディアス
結論 馬連14-5,12,2,3,10,15 (15:15:10:4:3:3) 複勝14 (50)

PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にラスール(-18.7pt)、トーホウディアス(-15.3pt)、ヴェルトハイム、ヴェールアンレーヴ(ともに-15.0pt)、アステロイドベルト(-14.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (14)ラスール

 新馬戦を圧勝し、鞍上からかなり高い評価を受けた馬。3歳時は伸び悩みの印象だったが、長期休養明けの前々走・飯豊特別(2勝クラス)では2番手からの競馬でオープン級の指数で圧勝した。前走は逃げてマークされる競馬で最後に苦しくなったが、ここは巻き返しが期待できる。
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本日4番 福島11R 奥羽S ダ1700m
 ◎ (2)メイショウジブリ
 ○ (12)ゴールドバランサー
 ▲ (8)プリンスミノル
 △ (1)ヴィブラフォン
 △ (3)スマートサニー
 △ (6)ビオグラフィア
 △ (9)オンザライン
 △ (13)ハイエストポイント
 △ (15)イチネンエーグミ
結論 馬連2-12,8,1,3,6,9,13,15 (15:5:5:5:5:5:5:5) 複勝2 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にゴールドバランサー(-21.3pt)、メイショウジブリ(-20.7pt)、オンザライン(-19.3pt)、ヴィブラフォン(-19.0pt)、プリンスミノル(-17.0pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (2)メイショウジブリ

 デビューから2戦は芝、初ダートの未勝利戦を古馬2勝クラス通用域の好指数で圧勝したところからダート路線に転向。期待ほど一気ではなかったが、少しずつ上昇し、やっと目覚めたのが前々走の小倉城特別。このレースでは先日のみやこSで2着したメイクアリープと3/4の2着。3着馬には3馬身半差を付けて、好指数を記録した。驚くべきはラスト2F12秒0-12秒0と減速しなかったこと。

 そして前走の和布刈特別も指数こそ前々走ほどではなかったが、しっかり勝ちに行く競馬でラスト2F12秒6-12秒4と加速しながら楽勝だった。今回は長期休養明けではあるが、近2走の内容からここでも十分にやれる力はあると見る。

2023年 ロジータ記念の予想

■金沢ダービー馬と岩手ダービー馬が参戦

 今年は金沢、岩手、兵庫で牝馬のダービー馬が誕生した。今年のロジータ記念は金沢ダービー馬ショウガタップリと岩手ダービー馬ミニアチュールが参戦する。

 それを迎え撃つのはロジータ記念TR・サルビアCで8馬身差で圧勝したマテリアルガールや関東オークスでパライバトルマリンと0.4秒差(4着)に好走したメイドイットマム等。

 勝つのは南関馬か、それとも他地区か…。マテリアルガールはサルビアCで圧勝だったが、サルビアCの勝ち馬は2010年以降の過去12年で【0・1・1・10】と2014年のモフモフの2着が最高着順。1勝もしていないこと考えると、サルビアCの敗退馬や他地区の馬もノーチャンスではないと見ている。

川崎11R ロジータ記念 ダ2100m
 ◎ (4)ショウガタップリ
 ○ (9)マテリアルガール
 ▲ (7)メイドイットマム
 注 (8)ワイズゴールド
 △ (2)スギノプリンセス
 △ (6)リコシェ
 △ (11)ミニアチュール
結論 馬複4-9,7,8,2,6,11 (18:14:6:4:4:4) 複勝4 (50)

■有力馬のコメント

◎ (4)ショウガタップリ

 金沢で11戦11勝。牝馬ながら石川ダービーを制した馬だが、前々走の黒潮盃で初めて土が付く形となった。前々走は3番枠からまずまずのスタートを切ったが、トップスタートを切った内のマンダリンヒーローが外にヨレて接触。それでも行き脚がついて好位馬群の中目を追走。3角のペースアップでマンダリンヒーローがやや下がってきたので、そこで一列下げて4角で外に出す形。直線の外から前を追ったが1.9秒差の6着に敗れた。

 黒潮盃は逃げた7番人気馬ウインドフレイバーが3着に好走しているように、前有利の流れ。そこを考えると3角の不利は大きく、スムーズならば本馬と同じ位置の内を追走していた5着馬タイガーチャージと互角のレースはできていたはず。そのタイガーチャージは次走の戸塚記念で3着である。これくらいの走りができれば、今回のメンバーが相手でも見劣りしない。

 また前走の西日本ダービー(距離2000m)で好位の外から4角先頭の競馬で6馬身差で圧勝しているように、距離が延びるのはいいはず。サルビアCの上位2頭は強いが、ここは食い込みを期待したい。

○ (9)マテリアルガール

 ロジータ記念TR・前走のサルビアCを優勝した馬。前走は5番枠から好スタートを切って、最内枠からハナを主張した(7)メイドイットマムをぴったりマークでその外2番手を追走。2週目の向正面半ばからメイドイットマムにプレッシャーをかけ、抵抗する同馬を競り落として4角ではもう先頭。そこから後続との差をどんどん広げて8馬身差で圧勝した。

 本馬は前走を制して4連勝。前走は強かったが、このレースはサルビアCの勝ち馬が苦戦の舞台。2010年以降の過去12年で【0・1・1・10】と2014年のモフモフの2着が最高着順で、それ以外は連対を外している。つまり、それだけトライアルで好走、激走するのは本番へ向けては好ましくないということだ。

 ちなみにモフモフはサルビアCで1.1秒差で圧勝した馬。この着差は過去12年でNO.2のもの。マテリアルガールは1.6秒差とNO.1の着差で強い勝ち方だっただけに、前走からパフォーマンスをダウンさせる形でも、連対を確保する可能性は十分に考えられる。

▲ (7)メイドイットマム

 SⅠの東京2歳優駿牝馬と桜花賞を優勝し、前々走の関東オークスでも0.3秒差(4着)に善戦した馬。前々走は9番枠からまずまずのスタートを切って、そこから押して押しての先行策。最終的には外の2頭を行かせて、好位の最内を確保する。スタンド前でメイショウオーロラ等が外から上がって来たが、それを行かせて好位の直後の最内。2週目の3~4角でも最短距離から進出し、4角で2列目の外に出されると、そこから前に迫って3着メイショウオーロラとハナ差の4着に好走した。

 休養明けの前走、サルビアCは1番枠から好スタートを切って、積極的に出してハナを主張。折り合いを欠いていたが、そこを外から〇(9)マテリアルガールにぴったり外からマークされる形。2週目の3~4角で先頭を狙う同馬に抵抗したが、直線序盤で苦しくなって失速し、離された2着に終わった。前走はデビュー以来、初めての逃げで苦しい競馬になたっが、前走で厳しい競馬をいたことでスタミナ面の良化が見込める。

注 (8)ワイズゴールド

 桜花賞では4着だったが、その後水沢の留守杯日高賞で1着、園田ののじぎく賞で3着と、他地区で賞金加算をした馬。留守杯日高賞では5番枠からまずまずのスタートを切って、内枠の利を活かしてハナを主張すると、マイペースの逃げ。3角手前でキャッツライズが競って来たが、これを競り落として4馬身差で完勝した。

 留守杯日高賞で6馬身半差の3着馬は(1)フークエンジェル。本馬は休養中に成長したにせよ、ワイズゴールドはここでそんなに足りないとも思えない。確かに前々走のレキサンドライトCは(2)スギノプリンセスや(6)リコシェに完敗の3着だったが、今回は休養明けの前走で芝でテンの速力強化を図っての臨戦過程。好位でレースの流れに乗り、展開に恵まれた場合には一発あっても不思議ない。

△ (2)スギノプリンセス

 牝馬クラシック3冠ではひと息だったが、4走前の川崎1600m戦、江戸切子特別では好位の外から早めに抜け出したソウルストライクに迫ってクビ差の2着。ここで成長をアピールすることができた。

 本馬は関東オークスで大敗したことから、距離不安も囁かれているが、前走のサルビアCで▲(7)メイドイットマムの後ろの3~4番手を追走して、最後の直線で同馬に1馬身半差まで迫っていることから、距離の不安はないはず。◎マテリアルガールが本来の能力を出し切れなかった場合にはチャンスがありそうだ。

△ (6)リコシェ

 4走前のB2・ひらつか七夕まつり記念杯では逃げて8馬身差と圧勝しているように逃げてこその馬。本馬はその後も逃げて1着、2着と善戦している。前走のサルビアCでは大外13番枠から控えて好位の外を追走したが、外に逃げようとしてほとんど競馬になっていなかった。

 本馬は外に馬を置いて競馬ができれば逃げなくてもオーケーだが、今回のメンバーだと逃げる可能性が高い。その場合は距離が持たない可能もあるが、上手く折り合って脚を溜めて行ければ、これまで逃げることで鍛えた心肺機能で、この距離を克服しても不思議ないと見ている。

△ (11)ミニアチュール

 岩手の三冠馬。ダイヤモンドC、岩手ダービーの二冠で2着だったリッキーナイトは南関東でルクバーやロッソナブアを相手に歯が立たなかった馬。しかし、ロッソナブアは後の岩手ダービーでリッキーナイトと接戦の3着。それらに4馬身先着していることを考えると、岩手ダービーがそこまでレベルが低いこともなさそうだ。

 またロッソナブアは今年4月のチューリップ特別で2着と△(6)リコシェに先着している。このレースでは最後の直線でリコシュが飛ぶ鳥に驚いて内ラチに激突と自滅したものではあるが、通用の可能性が残されている以上は警戒しておきたい。岩手ダービー以降の圧勝劇から、本馬自身地力を付けていると見ている。

2023年 ローレル賞の予想

■人気上位馬に死角あり

 『2歳戦は門別の馬が有力』というのをよく耳にする。また、私もよく使う。実際に平和賞では優勝したカプセルを始め、上位を門別勢が独占。鎌倉記念を優勝したサントノーレも門別の馬であり、今年のJBC2歳優駿ではJRA勢がワン、ツーを決めたが、昨年は門別勢が掲示板を独占している。

 しかし、牝馬はどうかというと、そうでもない。特にブロッサムCを大目標にした馬は、2018年のグレイアンジェラ、2019年のプリモジョーカー、2021年のカーロデスティーノなど、この舞台でことごとく崩れている。シンプルに南関勢が強いのもあるが、ホッカイドウ競馬は2歳牝馬限定の重賞が充実しているからこそ、そこを大目とし、ここを惰性で使ってくる馬が多いからだ。

 そう考えると、いくら距離実績があると言えど、アメリアハートで安泰ではないし、1番人気に支持されているミスカッレーラも今回休養明けであり、これまでの2戦が外枠からスムーズにスローペースで逃げる逃げ馬の外を先行と揉まれる競馬を経験していない。つまり、今回で先週のハイセイコー記念で2番人気に支持されてドボンしたピコイチの要素を持っているということ(ただし、ミスカッレーラはタフな馬場を経験できている)。

 またスピニングガールは前走のゴールドジュニアから大幅距離延長。同馬は前走が忙しい競馬になっているだけに、距離が長くなること自体は好ましいが、1600mまで延長するとなると微妙な面がある。さらにザオは新馬戦、つばめ特別と砂を被るのを嫌がって首を上げ、スムーズさを欠く場面も見せており、内枠で揉まれた場合の危うさがある。

 このように人気馬の死角を考えていくと、辿り着いたのは穴馬だった。穴馬予想ばかりで、ごめんなさいm(__)m。

川崎11R ローレル賞 ダ1600m
 ◎ (4)フォルトリアン
 ○ (7)ミスカッレーラ
 ▲ (5)ザオ
 注 (3)スピニングガール
 △ (2)アメリアハート
 △ (13)ムサシジェリーナ
 △ (6)テルオール
 △ (14)ボレロオブソロウ
結論 馬連4-7,5,3,2,13,6,14 (18:10:10:4:4:2:2) 複勝4 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (4)フォルトリアン

 デビュー2戦目の200mで逃げて7馬身差の圧勝、3走前の1400mでも中団外から差し切って2勝目を挙げた馬。しかし、4走前の1600m戦、カワセミ賞でも2着、前走のとき特別でも2着に善戦している。4走前の勝ち馬は、先週のハイセイコー記念で2番人気に支持されたピコイチ。前走の勝ち馬はハイセイコー記念で独走したダテノショウグンである。このように本馬は1600m戦で牡馬の強いところとぶつかって健闘している。

 ピコイチはハイセイコー記念で3.8秒差(6着)に凡退。これによりピコイチと対戦していた馬たちの総体評価は下がったが、同馬は大井の高速馬場で6頭立て以下のスローペースの経験しかなく、タフな馬場の馬場のハイペースに対応できなかったもの。カワセミ賞の次走で2着馬に7馬身、3着馬に大差勝ちをしているように十分に強い馬だ。

 また前走ではダテノショウグンに1.4秒差をつけられているが、今回で上位人気に維持されている(5)ザオもつばめ特別で1.3秒差を付けられている。このようにダテノショウグンが経由した路線がハイレベルであるのは明確。ここも能力が足りない馬ではない。

 今回は上位人気馬が前走が大目標だったり、休養明けだったり、大幅距離延長だったり、揉まれる競馬の経験がなかったり、キックバックが苦手だったりと死角を抱えているなかで、本馬は幅広い競馬に対応でき、レースを順調に使われている強みがある。

○ (7)ミスカッレーラ

 船橋1600mの新馬戦では2番手追走から直線早め先頭に立って、大差勝ちすると、前走も圧勝。前走は大外6番枠から出遅れたが、二の脚で挽回して逃げ馬の外を追走。前半は3F通過40秒1とゆったりした入りで、3~4角からペースが上がっていくなかで、4角で逃げ馬に並びかけ、直線序盤で早々と先頭。ラスト1Fでじわじわ差を広げて4馬身差で完勝した。

 前走2着のコルベットは平和賞で0.6秒差(5着)に善戦した馬。クビ差3着のパンセは若武者賞で0.1秒差(2着)、鎌倉記念で0.5秒差(3着)と重賞で連続好走した馬。その実績を考えると、1番人気に支持されるのも当然だ。しかし、今回は相手強化の重賞で3ヵ月の休養明け。さらにこれまで外枠からすんなり先行と揉まれた経験もないので、揉まれた場合の危うさがある。そこを考慮して対抗評価とした。

▲ (5)ザオ

 新馬戦、つばめ特別と砂を被るのを嫌がって首を上げ、スムーズさを欠く場面もあったが、それでも新馬戦では後の鎌倉記念の勝ち馬グラッシーズマンと0.6秒差(2着)、その次走でも後のハイセイコー記念の勝ち馬ダテノショウグンと1.3秒差(4着)に善戦した馬。

 前走は4番枠から好スタートを切って、逃げ馬の外2番手を追走。向正面半ばから逃げ馬にプレッシャーをかけ、4角ではもう先頭。そこから後続を突き放して大差勝ちした。今回は激走後の一戦で疲れが残っている可能性はあるが、今回が内枠でも前走時に揉まれない競馬で結果を出したことで、揉まれない競馬を意識した競馬をしてくるだろう。

注 (3)スピニングガール

 9月のゴールドジュニアの3着馬。同レースでは5番枠から好スタートを切って、積極的に出して好位を狙ったが、徐々に下がって中団のやや後ろを追走。3角中目から4角では内目。直線ではクルマトラサンの後ろを通して、その外へから同馬に迫ったが0.3秒差(3着)までだった。

 そのクルマトラサンは、次走のハイセイコー記念で3着。一気の距離延長で最後に甘さを見せて3着に敗れたが、南関東のこの世代ではダテノショウグン次ぐ、2番手グループにはいる実力馬だ。そこを考えると本馬もここで通用しても不思議なく、前走が忙しい競馬だったことから距離が長くなるのもいいが、2Fの距離延長となると微妙な面がある。警戒が必要な馬ではあるが、過大評価もできない。

△ (2)アメリアハート

 フルールC、フローラC、ブロッサムCとホッカイドウ競馬の牝馬重賞路線を使われてきた馬。4走前のオープンでは、好位追走から先週のエーデルワイス賞の2着馬スティールマジックにクビ差2着に迫った内容も素晴らしかったが、エーデルワイス賞の優勝馬モズミギカタアガリと0.6秒差(4着)だった前走のブロッサムCもより素晴らしかった。

 前走は4番枠から好スタートを切って、好位馬群の中目を追走し、3角から仕掛けて、早めに抜け出したヴィヴィアンエイトに迫る競馬。ヴィヴィアンエイトが強くて同馬との差はなかなか詰められなかったが、同馬とアタマ差2着だったモズミギカタアガリの次走の活躍からもそれなりのレベルにあったのは確かだ。しかし、今回は前走を大目標にした後の一戦。

 南関東の牝馬重賞はローレル賞と暮れの東京2歳優駿牝馬の2レースしかないために、ビックタイトルこそないが、牡馬トップクラスを相手に善戦してきた馬が多いのも事実である。2018年のグレイアンジェラ、2019年のプリモジョーカー、2021年のカーロデスティーノなど、ブロッサムCの上位馬の苦戦の歴史を考えると過大評価は禁物だ。

△ (13)ムサシジェリーナ

 1200mのデビュー2戦目、デビュー3戦目のオオタカ特別では、好位の外を追走して、4馬身差、1馬身半差と連勝した馬。前走のゴールドジュニアは1番枠から五分のスタートを切ったが、二の脚が遅くて好位へは行けず、砂を被って後退。後方2番手からのレースとなり、結果、前を射程圏内に入れられず、結果、勝ち馬から1.4秒離された6着に終わった。

 本馬は距離が伸びることはあまりいい材料ではなさそうだが、外枠の今回は砂を被らない競馬ができる。人気の実績馬が自滅すればチャンスが巡ってきそうだ。

△ (6)テルオール

 新馬戦、オオクワガタ特別と逃げて連勝した馬。特に3番枠からまずまずのスタートを切って、二の脚でハナを主張し、前半3F37秒2-後半3F42秒2のハイペースで逃げ切った前々走の川崎1500m戦、オオクワガタ特別の内容が強かった。

 前走の小町特別は2番枠から出遅れ、そこから挽回して行ったが外から被され、そこから前2頭の外に出して位置を押し上げていく形、3角で2番手、4角で先頭。しかし、前半で脚を使ったことが仇となり、ラスト1Fで失速し、5着に敗れた。しかし、今回は本馬以外に逃げたい馬が不在で、ハナを狙える組み合わせ。ペース次第では粘り込みの可能性がありそうだ。

△ (14)ボレロオブソロウ

 これまでの4戦すべてが3着以内という実績。前々走のオオムラサキ特別では、10番枠から好スタートを切って2番手を追走し、アジアミッションの2着。最後の直線でアジアミッションに差を広げられたが、勝ちに行く競馬での2着の内容は悪くない。

 前走の初陣賞は前々走を踏まえて、中団から最内をロスなく立ち回って、最後の直線では外という脚をタメる競馬をしたが、そこでも離された3着。ただアジアミッションが、その後の若武者賞で0.3秒差(3着)、鎌倉記念で0.9秒差(5着)に善戦していることを考えると、牝馬相手のここなら、本馬もそれなりの走りを見せられそうだ。

2023年 アルゼンチン共和国杯・みやこS+京都9R+メイン以降の予想

京都9Rの予想を追加しますm(__)m。

■極端な脚質の馬は全く馬券に絡んでいない

 過去10年で遅い年は5F通過62秒後半~63秒台、速い年は59秒~60秒だが、60秒を切った年は2回しかない。それも遅い年は極端なほど遅いので、予想する際には「極端なスローペース」か「ややハイペース」かに決め打つのもひとつの手段だが、全体的には極端にスローペースになることが多い。

 それ以上に面白いのは、過去10年で逃げや追い込みという極端な脚質が全く馬券に絡んでいないこと。基本的に先行~中団が強く、勝ち馬は先行馬5勝、中団馬4勝と先行~中団がほぼ独占している。唯一、差し馬が優勝したのは2014年で5F通過59秒8とややハイペースだった年だ。

 今年はアフリカンゴールドとディアスティマがハナを争うと見ているが、ハイペースにしていいタイプではなく、平均よりも遅いペースになると見ている。前走で長い距離を使われ、後方からレースを進めたようなタイプは苦戦する可能性が高い。

本日4番 東京11R アルゼンチン共和国杯 芝2500m
 ◎ (16)テーオーロイヤル
 ○ (14)ヒートオンビート
 ▲ (2)レッドバリエンテ
 △ (1)プリュムドール
 △ (3)ヒュミドール
 △ (4)チャックネイト
 △ (9)ゼッフィーロ
 △ (17)マイネルウィルトス
 △ (8)アリストテレス
 △ (12)ハーツイストワール
結論 馬連16-14,2,1,3,4,9,17,8,12 (11:10:5:5:5:5:5:2:2) 複勝16 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (16)テーオーロイヤル

 昨年は4連勝でダイヤモンドSを優勝し、天皇賞(春)でも3着と上半期の注目株だった馬。ダイヤモンドSは9番枠から五分のスタートを切って、単騎で逃げるグレンガリーから離れた好位の中目を追走。向正面で3番手に上がって、3~4角で前のアンティシペイトの外に誘導して同馬を交わし、グレンガリーとの差を詰める。4角では同馬と2馬身半差、それを直線序盤で一気に伸びて先頭列に上がり、ラスト2Fでは抜け出して2馬身差。ラスト1Fでジリジリ迫るランフォザローゼスにもしっかり差を付けて2馬身半差で完勝した

 天皇賞(春)は7番枠からまずまずのスタートを切って、タイトルホルダーの単騎逃げから離れた3列目の中目を追走。3角手前で外からクレッシェンドラヴに並びかけて交わし、そのままカラ馬のシルヴァーソニックの外からタイトルホルダーに迫ったが、4角ですっと離されて甘くなる。そこをディープボンドに交わされ、同馬に1馬身差つけられたが、ここではタイトルホルダーを負かしに行く好内容だった。

 しかし、本馬はその後、不利の連続で本来の能力を出し切れていない。昨年のオールカマーは内が圧倒的に有利な馬場&展開を終始好位の外々から押し上げていく不利。アルゼンチン共和国杯は最後の直線でキングオブドラゴンを捕らえに行くなかで、同馬が内ラチに激突し、それに巻き込まれて減速する不利。前走のジャパンCは最後の直線で追い出されたところで窮屈になり、そこをボッケリーニに寄られてブレーキ。徐々に位置が下がって終戦となった。今回は骨折による長期休養明けで、8枠というのも不安材料だが、実力はここでは上。配当妙味もあるここは大逆転に期待してみたい。

〇 (14)ヒートオンビート

 今年の目黒記念の2着馬。同レースは10番枠からまずまずのスタートを切って、中団中目から1角で内目に入れて追走。3~4角では最内で脚を溜め、4角でひとつ外に出し直線では中目に誘導。序盤は進路がなく仕掛けを待たされたが、ラスト2Fで中目を捌いて3番手まで上がると、ラスト1Fで逃げ粘る(13)ディアスティマを強襲し、アタマ差で捕え切った。

 前記の目黒記念は超絶スローペースで3~4角からペースが上がったが、そこで最内を走り貯金ができたことが大きく、それが最後の末脚に繋がった面がある。同レースは戦前の段階から、メンバーの貧弱さが囁かれており、今回と同格&同コースで勝ちながらも低評価されている。しかし、終わってみれば今年の目黒記念はそこまでレベルが低いものでもなかった。

 また本馬は昨年のこのレース3着馬でもあり、この舞台に高い適性を示している。前走の京都大賞典は休養明けで9着敗退。しかし、すでに体勢が決した後ではあったが、ラスト1Fで挟まれブレーキをかけたための大敗である。このような実績で低評価というのは不思議だ。

▲ (2)レッドバリエンテ

 3走前の2勝クラス・熊野特別ではオープン通用域の指数を記録して勝利と、ここに来て地力を付けている馬。同レースでは8番枠方五分のスタートを切って、中団のやや後方外目を追走。3角手前でタイセイドリーマーが2列目まで上がったが、これを追い駆けてじわっと進出。3~4角の外から徐々に上がって3列目付近で直線へ。そこからしぶとく伸び続けて4馬身差の圧勝だった。

 前走は休養明けで3勝クラスのムーンライトHを勝利。ここでも完勝ではあったが、3走前よりも指数は低く、全能力を出し切ったものではない。叩かれての前進が期待できる。

△ (1)プリュムドール

 デビュー当初は芝1600、1800mに使われ勝ちきれない競馬が続いた。しかし、芝2000m以上を使われて成績が上昇。未勝利、1勝クラスを連勝した。昨秋のローズSはスピード不足だったが、その次走の芝2400mの2勝クラスを勝利したように、距離適性はかなり長距離にある。

 その後も芝3200mの松籟Sで3着、そして前々走は芝3000mの古都Sで1着、前走は芝3600mのステイヤーズSで2着だった。その前走は12番枠からやや出遅れたが、そこから促して中団の外で流れに乗せ、向正面で最内に入れて追走。2週目の3~4角で中目に誘導して押し上げ、4角で外々からしぶとく差して、最短距離を立ち回ったシルヴァーソニックに3/4差まで迫った。

 このように芝2000mをやや超える距離では掲示板止まりだったが、3000m級になると重賞でも馬券になるという、かなり距離適性が偏った馬だ。今回のメンバーでは指数上位の存在だが、休養明けで芝2500mとなると、レースの流れに乗れず、スタミナを生かせないまま終わってしまう可能性もある。鞍上がどうやってこの馬の持ち味を引き出すかが見どころとなりそうだ。

△ (3)ヒュミドール

 デビュー以来久々の芝レースとなった信夫山特別(2勝クラス)を勝利すると、そこから芝に路線転向し、3勝クラスのノベンバーSも勝利した。オープン昇格後はやや足りない成績が続いた時期もあったが、2021年は小倉記念2着、福島記念2着と芝の重賞で馬券圏内に突入するまで地力をつけた。

 しかし、その後はまた不振が続き、さすがに終わったかと思わせたが、前々走のダイヤモンドSでは2着に激走。同レースは5番枠から五分のスタートを切り、二の脚で楽に先行し、好位の最内を追走。向正面でスタッドリーが捲って先頭に立ち、ペースが上がったが、そこでワンテンポ待って前のスペースを広げた。3~4角でそのスペースを潰して最短距離を立ち回り、直線序盤ですっと伸びて2列目まで進出。ラスト2Fで先頭列に並びかけ、大外のミクソロジーとの叩き合い。惜しくもクビ差で敗れたが、3着馬には2馬身差としっかり差をつけた。

 本馬はデビューしてからしばらくの間、不適なダートを使われ、無理をさせなかったことで7歳馬だがまだまだ元気だ。今回は前走で距離の長い天皇賞(春)を後方からレースをした後の一戦となり、レースの流れに乗れるか微妙も、能力はまだしっかりしたものを持っている。過大評価は禁物も、警戒しておく必要はある。

△ (4)チャックネイト

 昨春にノド鳴り手術をし、そこから復帰すると右肩上がりで上昇。休養明けの前走では3勝クラスの六社を勝利した。前走は9番枠から五分のスタートを切って中団の外目を追走。3~4角では3列目の外から4角で手口で外に出されると、直線序盤の伸びはそこまででもなかったが、外から上がって来たエンドウノハナと馬体をぶつけるように併せて一気に伸び、同馬に競り勝ち、内から上がった2頭も振り切ってクビ差で制した。

 本馬は前走で自己最高指数を記録。正直、本馬が2番人気に支持されるほどの能力の裏付けはない。しかし、前走からさらなる前進があればここで通用する領域にはいる存在だ。

△ (9)ゼッフィーロ

 今年のオールカマー3着馬。同レースは8番枠から五分のスタートだったが、二の脚が速く、中団最内を取って追走。道中は本馬の前でレースを進めていたマテンロウレオが下がってきたので、コントロールしながら後方付近までポジションダウン。3~4角でマテンロウレオの外に出して前のスペースを詰め、中団の中目で直線へ。序盤で好位列まで上がってラスト1Fで窮屈なところを走り切って最後まで伸び続け、2着タイトルホルダーにクビ差まで迫った。

 前走は前後半5F61秒1- 58秒5とかなりのスローペースで、前有利の流れだった。それだけに前のウインマリリンに突進しようとするのを抑え、位置が下がったマテンロウレオの巻き添えで位置が下がってしまったのは痛かった。しかし、最内から中目を追走したことで、脚を溜めたことが功を奏して自己最高指数を記録。そういったことを考えると、今回でさらなる上昇を期待するのは難しい。

 また前々走の目黒記念は、まずまずのスタートを切りながらも坂スタートの影響もあって二の脚が遅く、位置が下がって最後方からの競馬になり、3角でも後方3番手。3~4角で外目を追走も位置を押し上げ切れず4着に敗れた。本馬はここへきて地力をつけていることは確かだが、目黒記念と同舞台の今回も後方からになることが予想され、ペースが上がらないと届かない可能性も十分あり、全幅の信頼はおけない。

△ (17)マイネルウィルトス

 デビューからしばらく脚を溜める競馬で伸び悩んでいたが、2020年4月の飯盛山特別(1勝クラス)では先行策から圧勝。スタミナ豊富なところを見せた。その後、極悪馬場の新潟芝2000mで行われた2021年福島民報杯でも大差勝ち。同レースは序盤は好位直後の最内を追走していたが、そこから徐々に位置を上げ、4角では2列目。直線序盤で中目に誘導されると、他馬が次々と失速していく中を最後までしぶとく粘り、2着馬に1.8秒差をつけた。

 本馬は豊富なスタミナで時計の掛かる馬場を得意としており、凱旋門賞などもタイミングが合えば激走しそうなタイプだ。その後もアルゼンチン共和国杯、目黒記念、そして重馬場の函館記念で2着しているように、とにかくスタミナが豊富。

 ただ今年に入ってややレース内容が悪くなっているのも確か。超高速馬場の東京芝でスローペースになったときは微妙な印象もある。ただ全能力を発揮したときには、今回のメンバーでも能力上位の存在。スタミナが生きる流れ、スタミナを生かす騎乗がされたときは一発の可能性は十分ある。

3番人気 (13)ディアスティマ

 今年の目黒記念の2着馬。同レースは7番枠からまずまずのスタート。内からトップスタートを切ったバーデンヴァイラーがハナを主張したが、押して1角までにハナを奪った。そこからはペースを超絶スローに落とし、特に動きのないまま一団で3角へ。3~4角でじわっとペースを引き上げ半馬身差のリードで直線へ。序盤でバラジに並ばれたが、しぶとく踏ん張ってラスト1Fで同馬を振り切った。しかし、最後は中目から馬群を捌いて強襲してきた○(14)ヒートオンビートに差されてアタマ差の惜敗だった。

 前走の目黒記念は超絶高速馬場で前半5F62秒0-後半5F57秒9の超絶スローペース。つまり、逃げて内目をロスなく立ち回った本馬は展開に恵まれての2着だった。今回は同型馬(6)アフリカンゴールドの出走により、前走ほど楽には前に行けないはず。今回は前走を大目標とし、そこで自己最高指数を記録した後の休養明けの一戦。ここが目標ではないはずで評価を下げたい。
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本日2番 京都11R みやこS ダ1800m
 ◎ (7)メイクアリープ
 ○ (1)アスクドゥラメンテ
 ▲ (6)ブリッツファング
 △ (3)タイセイドレフォン
 △ (14)ウィリアムバローズ
 △ (10)ホウオウルーレット
 △ (4)サンライズホープ
 △ (12)ペプチドナイル
結論 馬連7-1,6,3,14,10,4,12 (14:9:9:9:5:2:2) 複勝7 (50)

■みやこSのポイント

 みやこSは2018年はJBCが京都競馬場で開催されたため、行われなかったこともあるレース。このようにJBCと開催時期が重なっているため陰が薄く、古馬一線級の参戦が少ないことから、上がり馬、特に4歳馬が過去10年で6勝2着1回(出走馬32頭中)が目立つ。

 また、このレースが行われる京都ダ1800mの舞台は、最初のコーナー(1角)までの距離が286mと短く、外枠の馬は最初のコーナーで外に張られることになるので、基本的には内枠有利だ。2015年の7番人気で優勝した2番枠のロワジャルダンを始め、最内を立ち回った馬が上位争いをしている。

 ただし、今年は何が何でも逃げるペプチドナイルが出走しているので、序盤でウィリアムバローズがハナを狙うフリをして抵抗していく可能性が高いにせよ、隊列がすぐに決まる可能性が高い。そうなると逃げ馬インティが大外16番枠に入り、序盤から先行争いが激化した2019年のような極端な外枠不利ではなくなるが、それでも有利な材料ではない。今回はそれも踏まえて予想を組み立てた。

■有力馬とそのコメント

◎ (7)メイクアリープ

 3走前の三宮Sでは、先日のJBCクラシックを優勝したキンズソードに最後までしつこく抵抗してハナ差の2着。前々走の名鉄杯でもJBCレディスクラシックで3着のアーテルアストレアとハナ差の2着。前々走は14番枠から五分のスタートを切って、逃げ馬からやや離れた好位の外を追走し、3~4角で前との差を詰めて4角2列目の外から直線へ。ラスト2Fでグンと伸びて先頭に立ち、ラスト1Fで高速を突き放したが、最後に外から一気に伸びたアーテルアストレアに交わされてハナ差だったが、3着ニューモニュメント(今年の川崎記念3着の実績)には4馬身差をつけた。

 このように後に交流重賞を勝利する馬と接戦、それも先に仕掛けてしつこく抵抗する形で好指数を記録しているように、実力はある。スタミナが不足する休養明けの前走、太秦Sは11番枠で人気を背負ったこともあって、ハナを奪う競馬。ペースが速くなり、最後の直線で勝ち馬に早めに来られてしまう苦しい展開となり、ラスト1Fで失速した。しかし、前走で厳しい競馬をしたことで、スタミナが強化され、ここでの上昇が期待できる。
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本日1番 京都9R もちの木賞 ダ1800m
 ◎ (2)ピュアキアン
 〇 (4)ジャスパーロブスト
 ▲ (9)テンエースワン
 注 (8)アラレタバシル
 △ (5)ヒロノラメール
 △ (10)グランルーチェ
結論 馬連2-4,9,8,5,10 (20:10:8:6:6) 複勝2 (50)

PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にピュアキアン(-9.0pt)、テンエースワン(-7.0pt)、アンモシエラ(-6.3pt)、グランルーチェ(-6.0pt)、ジャスパーロブスト(-5.7pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (2)ピュアキアン (新馬戦の評価A)

 9月の中山ダ1800mの新馬戦の勝ち馬。同レースでは10番枠からトップスタートを切ってハナを主張すると、ペースを落としてマイペースで逃げ。逃げながらも道中では脚を溜めていたため、手応えに余裕があり、3~4角から後続を引き離しにかかった。

 ところがラオラシオンが食らいついて来たため、リードを奪い切れず、楽な展開とはならなかった。同馬は直線序盤で失速したが、最内からバナマンテソーロが猛追。しかし、本馬は追い出されるとフットワークの回転が上がり、最後まで抜かせず、半馬身差で振り切った。

 結果、上位2頭で3着馬に10馬身以上の差をつけてゴールイン。ラスト2Fは13秒1-12秒6。逃げて最後まで加速できた内容は優秀だ。また道中で息を入れての逃げができていたことから、逃げ限定タイプではないだろう。2着馬バナマンテソーロも指数は良く、近いうちに未勝利を突破すると見ていたが、先月末にしっかり勝ち上がった。
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本日3番 福島11R みちのくS 芝1200m
 ◎ (1)エナジーグラン
 ○(12)グルーヴィッド
 ▲ (7)アビッグチア
 △ (4)シュバルツカイザー
 △ (6)モントライゼ
 △ (8)コムストックロード
 △ (9)ファロロジー
 △ (11)グレイトゲイナー
 △ (15)キャプテンドレイク
結論 馬連1-12,7,4,6,8,9,11,15 (10:10:10:4:4:4:4:4) 複勝1 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にシュバルツカイザー(-20.0pt)、コムストックロード(-17.3pt)、エナジーグラン、グレイトゲイナー(ともに-16.0pt)、リレーションシップ、ファロロジー、 ディヴィナシオン(ともに-15.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (1)エナジーグラン

 昨秋の福島1勝クラスを勝利すると、そこから一気に3連勝してオープン入りした馬。4走前の下関Sは11番枠から五分のスタートを切って、そこから押して中団中目を追走。位置を取ってからはレースの流れに乗り、3~4角の外から勢いに乗せて4角大外から直線へ。ラスト1Fで追い出されると一気に抜け出し、猛追するグランレイをクビ差で振り切った。

 ただ、4走前を含めて3連勝は展開に恵まれた面もあったため、オープン昇級後はやや苦戦しているが、前走の信越Sでは1番枠から五分のスタートを切って、馬場の悪化した最内からじわっと上がって好位の直後を追走。3~4角でも3列目付近の最内でレースを進めて直線で中目に出されると、勝ち馬に0.4秒差まで迫った。前走るは地力をつけていることがよくわかる内容だった。

 今回のメンバーでは能力値上位。今回も最内枠なのでギャンブル的な要素もあるが、うまく捌ければ十分に勝ち負けが狙える。また現時点では5番人気で内枠のリスクに見合うオッズとなっているので狙うことにした。

2023年 京王杯2歳S+ファンタジーS+メイン以降の予想

本日は下記の4レースで終了ですm(__)m。

■過去10年で前半3Fが後半3Fよりも速くなったことがない

京王杯2歳Sが行われる東京芝1400mの舞台は、スタートして約60mから緩やかに坂を上りながら、約350m地点で3角を迎えるため、前半ペースが上がりにくいのがポイント。

またこのレースは朝日杯FSの前哨戦であり、前走芝1200mで逃げて好走した馬たちが、ここで脚をタメて将来的にもっと長い距離もこなす工夫をしてくることがとても多い。このため過去10年では前半3Fが後半3Fよりも速くなったことが一度もない。

今年も逃げ、先行馬が多数揃ってはいるが、例年のように平均よりも遅いペースで決着すると見て予想を組み立てたい。

本日4番 東京11R 京王杯2歳S 芝1400m
 ◎ (8)ミルテンベルク
 ○ (2)ロジリオン
 ▲ (9)バンドシェル
 注 (12)ジャスパーノワール
 △ (3)オーキッドロマンス
 △ (6)ゼルトザーム
 △ (7)コラソンビート
結論 馬複8-2,9,12,3,6,7 (15:10:10:5:5:5) 複勝8 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (8)ミルテンベルク (新馬戦の評価A)

 小倉芝1200mの新馬戦では2番枠から抜群のスタートを切ったが、コントロールして2番手を追走し、2着に3馬身、3着には10馬身の差をつけて好指数勝ちした馬。今回のメンバーでは新馬戦時の指数はNO.1となり、素質上位と判断できる。

 前走はデビュー2戦目ながら、いきなり重賞の小倉2歳Sで2着と好走。ここでは9番枠からまずまずのスタートで、促されてもそこまで進んで行かず、中団外からの追走となった。3~4角でも外を回ったが、好位列がしんどくなって凝縮して横に広がり、4角で大外に振られてしまう。その影響で直線序盤の伸びはひと息だったが、外から上がったアスクワンタイムとともに抜け出し、同馬に食らいついてのアタマ差だった。

 前走は小倉1200mで前半3F33秒3-後半3F35秒3のかなりのハイペースで淡々とした流れ。レース当日は外差し馬場であり、馬場と展開に恵まれたのは確かだが、4角で外に振られて(11)アスクワンタイムの目標にされながらも、ギリギリまで抵抗した内容は、同馬よりも上だった。

 今回は京都1400m戦。前走で芝1200m戦の速い流れを経験していることで、ここは好位でレースの流れに乗れる可能性が高い。またデビュー3戦目でさらなる前進も期待できる。

○ (2)ロジリオン

 デビューから上昇一途で、前走の未勝利戦を勝利した馬。前走は重馬場の東京芝1400m戦。6番枠からやや出遅れたが、押して挽回し、好位の外目を追走。3~4角でペースが緩んだところで2列目の外まで押し上げて直線へ。序盤でじわっと仕掛けられて2番手まで上がり、ラスト2Fで追い出されるとそこで先頭。ラスト1Fでそのまま突き抜けて2馬身半差の完勝だった。

 本馬はデビューから1~2戦目は後方からの競馬だったが、前走では出遅れたものの、前の位置を取って押し切れたことは大きな収穫。良馬場の今回は前走ほど前の位置は取れないが、中団くらいでレースを進められるだろう。それならばチャンスがある。また経験豊富でレースを順調に使っている強みもある。

▲ (9)バンドシェル

 重馬場の京都芝1400mの新馬戦を勝利した馬。同レースでは14番枠から出遅れたが、押して挽回し、中団の外目を追走。道中はレースの流れに乗れていたが、3~4角でも中団外のままでロスが大きく、それでも中団を維持して直線へ。序盤でしぶとく伸びて先頭列まで一気に上がり、ラスト1Fでは内からサリュエに食らいつかれたが、それをクビ差で捻じ伏せた。

 前記の新馬戦では、3~4角のかなり大外を回って4角では前の馬と約4馬身差はあったが、そこを回転の速いフットワークで一気に先頭列まで上がったように末脚抜群。今回はデビュー2戦目。五分のスタートを切ってスムーズなレースができれば、いきなり重賞で通用しても不思議ない。

注 (12)ジャスパーノワール (未勝利戦の評価A)

 小倉芝1200mの新馬戦では2番人気に支持されたが、スタートから3頭雁行の先行争いが長く続き、3~4角で一番外を回って直線で失速。6着に敗退した。しかし、前走では一変。1番枠から五分のスタートだったが、枠の利を生かして先手を取ることに成功すると緩みないペースを刻んだ。最後の直線でもその逃げ脚は衰えず、2着に3馬身半差、3着以下には7馬身半以上の差をつけて圧勝した。

 前走では1クラス上の指数を記録。厳しいペースを経験していたことが今回に繋がったのだろうが、とにかく強かった。ただし、前走は前々走で厳しい流れを経験したことが粘り強化に繋がった面がある。つまり、今回で上昇しきれない可能性があるということ。本馬は最終的にはオープンで活躍する馬になると推測され、今回も逃げて展開に恵まれる可能性が高いが評価を下げた。
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本日3番 京都11R ファンタジーS 芝1400m
 ◎ (18)クリノハレルヤ
 ○ (17)キャンシーエンゼル
 ▲ (4)ヒヒーン
 △ (3)ピューロマジック
 △ (5)クイックバイオ
 △ (10)イツモニコニコ
 △ (14)シュークリーム
 △ (16)ワイドラトゥール
 △ (2)ロータスワンド
 △ (6)カルチャーデイ
 △ (8)テラメリタ
結論 馬連18-17,4,3,5,10,14,16,2,6,8 (10:9:8:8:3:3:3:2:2:2) 複勝18 (50)

■珍しくフルゲートで逃げ、先行馬が揃った

 ファンタジーSが行われる京都外回りの芝1400mの舞台は、スタートして約200m地点から3角にかけて急坂を上って行くコース。このため短距離戦ながら、前半のペースが上がりにくい。

 またこのレースは阪神JFの前哨戦であり、前走芝1200m~芝1400m戦で逃げて好走した馬たちが、ここで脚をタメて将来的にもっと長い距離もこなす工夫をしてくることがとても多い。このため過去10年で逃げ馬が1勝、2着3回と好走しており、前へ行ける馬が活躍している。

 今年は珍しくフルゲート18頭立てとなった。そのうえ逃げ、先行馬も揃っているが、テンは速くないが逃げてこそのイツモニコニコが強引にハナを主張して行かない限り、ペースはそこまで上がらないだろう。平均ペース前後で流れて1分12秒前後の決着になると見ている。

■有力馬とそのコメント

◎ (18)クリノハレルヤ (新馬戦の評価A)

 7月の中京芝1200mの新馬戦の勝ち馬。同レースでは7番枠から出遅れたうえに外に大きくヨレたが、大外枠だったのでそれが致命傷とはならず、他の馬にも被害を与えなかった。そこから気合いをつけるとあっという間にハナを奪うスピードを見せたが、先頭に立ってからはペースを落として折り合いをつけた。後続を引き付けたまま最後の直線へ。重馬場での長い直線、逃げ切るのは簡単なことではないが、そこから後続を突き放し、3馬身半差の勝利と強かった。

 ラスト2Fは11秒3-11秒6。馬場がタフだったことを考慮すれば悪くない。上がり3Fタイムの34秒5はこの日の中京芝では評価できる数字。スタートでロスがありながらの快勝劇や、なかなか軽くて良いフットワークからまだ奥を感じる。また新馬勝ち後に休養させて成長を促した点にも好感が持てる。
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本日1番 福島11R フルーツラインC ダ1150m
 ◎ (8)イスラアネーロ
 〇 (5)ウラカワノキセキ
 ▲ (3)ロックユアハート
 注 (12)エコロアイ
 △ (7)メルシー
 △ (2)オンザダブル
 △ (10)クインズレモン
 △ (1)ナンヨープランタン
 △ (9)ギャラクシーナイト
結論 馬連8-5,3,12,7,2,10,1,9 (15:10:10:5:3:3:2:2) 複勝8 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にウラカワノキセキ(-22.0pt)、イスラアネーロ(-20.0pt)、エコロアイ(-19.3pt)、ロックユアハート(-19.7pt)、ユスティニアン(-17.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (8)イスラアネーロ

 4走前の2勝クラスでは、3勝クラスは勝てる、ここでNO.1の指数を記録した馬。4走前は5番枠からトップスタートを切って、緩みないペースで逃げて5馬身差の圧勝だった。本馬はすんなり前に行けると強いが、そうでない場合は成績が悪くなる傾向がある。

 休養明けの前々走、会津特別は5番枠から五分のスタートを切って、2列目付近の内目を追走していたが、前のパウオレが不用意に下がり、そこでコントロールすると、中団に近い位置まで下がったのが痛かった。その後は中目に誘導し、4角出口で外と進路取りはスムーズだったが、ラスト1Fでジリジリになり、3着争いの5着までだった。

 前走はダ1000mの釜山Sを使われ、忙しい競馬で凡退となったが、前走で1000mに使われたことで今回はデンのダッシュが良くなるはず。それならば能力発揮が期待できる。このクラスは勝って当然の力量馬。逃げられずとも2番手外、2列目外くらいなら有力だ。
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本日2番 京都12R 3歳上・2勝クラス 芝1600m
 ◎ (3)ショーモン
 〇 (10)ディオ
 ▲ (5)テラステラ
 △ (6)ロンズデーライト
 △ (9)セオ
結論 馬連3-10,5,6,9 (20:10:10:10) 複勝3 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にディオ(-14.0pt)、エアミアーニ(-12.0pt)、テラステラ(-11.3pt)、ムーンリットナイト(-11.0pt)、フランコイメル(-9.3pt)。

 能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っている。また穴狙いの場合は、近5走以内に能力値上位馬に準ずる指数を記録し、今回が当時と類似条件となる馬としている。

◎ (3)ショーモン

 デビュー3戦目にデイリー杯2歳Sで3着と善戦し、今春のアーリントンCでは3着と好走した馬。アーリントンCは1番枠からトップスタートを切ってハナに立ったところを、外からユリーシャに競られて苦しい展開。最終的には同馬を行かせて2番手を追走し、3~4角で最短距離を通してはいたが、最後までしぶとかった。

 このアーリントンCは、道悪で前半4F45秒8-後半4F48秒1のかなりのハイペースの2番手を追走しながらも、ラスト1Fで外からセッションに交わされても食らいつき、再びクビ差まで詰め寄っており、とても中身が濃い。

 前走は休養明けで初ダート。明確に叩き台で大敗は度外視できる。本馬はマイル適性の高さ、札幌芝1500mの新馬戦で外枠から距離ロスを作りながらも2着し、次走の未勝利戦で4馬身差で圧勝した素質の高さからも、ここで十分に勝利が期待できる。

2023年 JBC4大競走の予想

前回行われた2020年のJBC大井開催では、JBC2歳優駿も含めて4競走全的中の快挙を達成しました。今年も全突破を狙っていますが、調子こくと悲惨な目に遭うので謙虚にいきます(笑)。また、最初のJBCレディスクラシックを外すとシラけるので、何とか突破したい気持ちです。当たるような気がしていますけど…。

発走時刻が早い順に掲載しておりますm(__)m。

■JBC大井のポイント

 今回のポイントは前哨戦の東京盃やレディスプレリュードと全く違う馬場だということ。東京盃はドンフランキーが1分00秒0のレコードタイムで優勝して話題を集めたが、今開催は青森県の六ケ所村産+東通村産から、粒が大きいオーストラリア産に入れ替えられ、砂厚も8㎝→10㎝に変更。

 これによりタフな馬場となり、スピードや決め手が削がれるため、スタミナのある馬が活躍しているということだ。

大井9R JBCレディスクラシック ダ1800m
 ◎ (4)アイコンテーラー
 ○ (1)ヴァレーデラルナ
 ▲ (10)テリオスベル
 △ (2)グランブリッジ
 △ (12)アーテルアストレア
 △ (8)ライオットガール
 △ (3)スピーディキック
 △ (5)レディバグ
結論 馬複4-1,10,2,12,8,3,5 (10:10:10:10:6:2:2) 複勝4 (50)

■有力馬とそのコメント

◎(4)アイコンテーラー

 休養明け&初ダートで前々走のBSN賞を圧勝すると、前々走のシリウスSでも2着と好走した馬。前走は2番枠から五分のスタートを切って、外から内に切れ込んだサンマルレジェンドを行かせて、その外へ誘導。道中は2列目の外を追走し、3角では前2頭の外から仕掛けて4角ではもう先頭。そこから追われて抜け出し、後続を突き放したが、最後に外から伸びてきたハギノアレグリアスに捕らえられて、1馬身1/4差。しかし、3着馬に3馬身半差を付けており、早仕掛けでこの内容は立派なもの。

 前走は3角でやや反応が甘くて、押して押して行ったら、勢いが付いて4角で先頭に立ってしまって、後続の目標にされたという内容。ラスト6F辺りから仕掛けて最後までしぶとかった内容はダ1800mよりもダ2000mでこそ。しかし、大井のタフな馬場ならばそれくらい長距離適性がある馬のほうが好ましい。まだダートのキャリアが浅くダート慣れも見込め、ここは順当に勝利が期待できる。

○ (1)ヴァレーデラルナ

 昨秋のJBCレディスクラシックの覇者。同レースでは大外12番枠から五分のスタートを切って、内の馬の出方を窺いながら、2番手の外を追走。3角手前で外から(10)テリオスベルが並びかけてくると、それに抵抗して並走。4角出口で仕掛けて直線で早々と先頭に立つと、しぶとく粘り、外から迫る(2)グランブリッジをクビ差退けた。

 昨秋のJBCレディスクラシックは超高速馬場。サルサディオーネが逃げたが、ペースを引き上げられなかったことで、前有利の流れとなり、ここでは展開に恵まれた。本馬は今年1月のTCK女王盃では2着。2番枠から好スタートを切って最序盤は先頭だったが、外からハナを主張する(10)テリオスペルに行かせて2番手を追走。ラスト1Fでそのテリオスベルを交わして先頭に立ったとこをろ、(2)グランブリッジに差されて1馬身差だった。

 しかし、JBCレディスクラシックを大目標にした後の一戦だったことを考えると上々の内容。その後のエンプレス杯は距離延長とタフな馬場が応えて2着。また前々走のかしわ記念は川崎以上にタフな馬場の船橋で、1番枠から積極的に出して逃げ、カジノフォンテンに競られて苦しくなって大敗したもの。

 今回は立て直されて2戦目。タフな馬場ではグランブリッジの方が上だが、今回での勝負度合いは本馬のほうが上で対抗馬とした。実際にこのレースでは、2017年の優勝馬ララベル、2018年の優勝馬アンジュデジールなどが、休養明けのレディスプレリュードで4着以下から巻き返している。

▲ (10)テリオスベル

 前々走のブリーダーズゴールドCで、昨秋のクイーンC以来のグレードレース2勝を達成した馬。前々走は6番枠から五分のスタートを切って、かなり押して出鞭を入れてハナを主張。ハナを取り切ると後続との差を徐々に広げ、3角では2番手のパライバトルマリンとは4馬身差。4角ではそれを6馬身差まで広げて直線へ。ラスト1Fでパライバトルマリンに4馬身差まで詰め寄られたが、余裕を持っての完勝だった。

 本馬は逃げ、もしくは早め先頭から上がりの掛かる展開に持ち込んでこその馬。前走のレディースプレリュードは、内の(9)ノーブルシルエットがしつこく抵抗したため、先手を取るのに苦労して4着敗退。前日にレコードタイムが出るような超絶高速馬場の1800mは向いていないが、それでも上位2頭とは1馬身3/4差だった。

 今回は一転してタフな馬場。今回もノーブルシルエットがいるし、テンの速い◎(4)アイコンテーラーもいるが、両馬ともにハイペースにしていいタイプではないので、2角までには先手を取れると見て、3番手評価とした。
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■JBCスプリントの馬場と展開

 今回のポイントはJBCの前哨戦の東京盃やレディスプレリュードと全く違う馬場だということ。東京盃はドンフランキーが1分00秒0のレコードタイムで優勝して話題を集めたが、今開催は青森県の六ケ所村産+東通村産から、粒が大きいオーストラリア産に入れ替えられ、砂厚も8㎝→10㎝に変更。これによりタフな馬場となり、スピードや決め手が削がれるため、スタミナのある馬が活躍しているということだ。

 ここは今回初ダートとなるモスメイメイがどこまで行けるかは読みにくいが、テンは速いのでハナを主張してくるはず。大外のダンシングプリンスも逃げてこそなので、同馬に競り掛けて行くだろう。また東京盃でドンフランキーのハナを叩いたギシギシも最内枠を引き当て、前を狙ってくるはず。その他、強豪先行馬が多数出走しており、ここはペースが上がる可能性が高いと見ている。

大井10R JBCスプリント ダ1200m
 ◎ (11)リメイク
 ○ (15)ダンシングプリンス
 ▲ (7)ラプタス
 △ (10)ジャスティン
 △ (14)バスラットレオン
 △ (6)マックス
結論 馬複11-15,7,10,14,6 (16:10:10:10:4) 複勝11 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (11)リメイク

 昨年暮れのカペラSを圧勝し、ひと皮剥けた強さを見せると、今夏はプロキオンS2着、前々走のクラスターCでは好指数勝ちした。前々走は8番枠から出遅れて中団から挽回して好位の内目を追走。3~4角で上手く好位の中目のスペースを拾って2列目に押し上げて直線へ。そのまま先頭のドンフランキーを楽捕らえて、2馬身半差で圧勝した。

 前々走は超高速馬場の盛岡で、前半3F33秒6-後半3F35秒0のかなりのハイペース。3~4角で上手く立ち回ってスピードに乗せたまま直線を向かえたとはいえ、上がり3Fタイム2位の馬を1.0秒も上回る33秒5の芝並みの末脚。本馬は前々走のような超高速馬場のハイペースが理想的な馬ではあるが、本馬は1400mもこなせるスタミナがある。

 今回は韓国遠征後という点がやや不安ではあるが、ここ3戦では今回のメンバーにおいて一枚上の強さを見せていること、ダ1400m以下では崩れない安定感があり、今回は展開に恵まれる可能性も高いことから、ここは大崩れしないと見た。

○ (15)ダンシングプリンス

 昨年のJBCスプリントの覇者。同レースは6番枠からまずまずのスタートを切って、二の脚でハナを取り切り、超高速馬場の盛岡で前半3F34秒4-後半3F34秒7の平均ペースでの逃げ。最後の直線でリュウノユキナに3/4差まで迫られたが、2番手のヘリオスには3馬身3/4差引き離しての完勝だった。本馬はこの時点ではNO.1と言える存在だったが、その後、◎(11)リメイクが力を付け、ドンフランキーという存在も現れた。

 前走の北海道スプリントCは、4番枠から好スタートを切ってハナを主張したが、斤量59Kgを背負っていたために、そこまでスピードが乗らず、スペシャルエックス内から競られ、最内枠の(10)ジャスティンも内から抵抗。前半3F33秒7-後半3F38秒0の超絶ハイペースとなり、5着に失速した。前走は負けて当然の内容であり、定量戦で斤量57Kgのここは巻き返しが期待されるが、本馬は超高速馬場で平均ペースで逃げてこそのタイプなので、今回は馬場も展開も向かない。

 ただし、今回は大外枠なので「2番手でもいいよ」という入り方ができるので、前走よりは楽なレースができるだろう。また、前哨戦の東京盃で展開に恵まれて連対したようなタイプは、2014年の1番人気馬ノーザンリバー→5着、2016年の5番人気馬ドリームバレンチノ→10着、2021年の3番人気馬(5)リュウノユキナ→5着と、この舞台でことごとく敗れていることもあり、本馬を対抗馬とした。
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■ブリーダーズゴールドジュニアCのレベルがポイント

 このレースはサッポロクラシックCが2020年に門別1200mから1700mに条件変更されてから、同レースの連対馬の活躍が目立っていた。2020年の優勝馬ラッキードリーム、2着馬のトランセンデンス、2022年の2着馬ベルピットがそれである。つまり、サッポロクラシックCの連対馬でここが目標の馬を本命にするだけで、的中にかなり近づけていたが、今年からそうもいかなくなった。

 というのはサッポロクラシックCがまた門別1200mに戻り、開催時期も早まってしまったからだ。ホッカイドウ競馬は短距離路線に力を入れ、中距離路線の牡牝混合重賞は、8月のブリーダーズゴールドジュニアCとサンライズCしかない。しかも、ブリーダーズゴールドジュニアCは今年からHⅠ→HⅡに降格し、1着賞金も600万円→500万円に減額された。

 これにより今後は門別勢の中距離路線のレベル低下が予想され、2020年以降の門別勢の快進撃はストップし、JRA勢が2019年以前のように活躍しそうだ。何れにせよ、ブリーダーズゴールドジュニアCのレベルがポイントとなる。

門別11R JBC2歳優駿 ダ1800m
 ◎ (5)ブラックバトラー
 ○ (3)フォーエバーヤング
 ▲ (12)サンライズジパング
 △ (4)ティントレット
 △ (1)ダバイエスペランサ
 △ (9)エストレヤデベレン
 △ (10)パッションクライ
結論 馬複5-3,12,4,1,9,10 (20:12:6:4:4:4) 複勝5 (50)

■有力馬とそのポイント

◎ (5)ブラックバトラー

 前々走のブリーダーズゴールドジュニアCを勝利した馬。前々走は1番枠から五分のスタートを切って中団の最内を追走。3角手前で最内からじわっと位置を上げ、4角では逃げ馬カプセルの後ろ。直線で同馬の外に出されると、それを交わして1馬身半差で勝利した。

 前々走で2着に敗れたカプセルは後の平和賞の勝ち馬、2馬身半差の3着馬サントノーレは鎌倉記念の勝ち馬だ。前走のサンライズCは2着に敗れたが、前々走がハイレベル戦だっただけに、少し疲れも残っていたのだろう。前記したラッキードリーム、トランセンデンス、ベルピットもサンライズCで2着以下に敗れていた馬たちだ。

 本馬は対門別組ではキャリアが浅いが、JRA勢は初ダートや1戦1勝馬、ダートのキャリアが浅い馬ばかりなのに対して、ダートの経験が豊富で地の利もある。○(3)フォーエバーヤングも本命候補だったが、ここは配当面も考慮し、本馬を本命に推す。

○ (3)フォーエバーヤング

 京都ダ1800mの新馬戦の覇者。同レースでは2番枠からまずまずのスタートを切ったが、二の脚で置かれて位置が下がり、そこから1番枠の馬の外に出して好位の直後を追走。外に出せるタイミングがなく、向正面では内目で包まれた。手応えに余裕がありながらも4角では前に馬がズラリ。そこでも外に出せない状況だったが、直線序盤で馬の間が開くと一瞬で抜け出し、そこから一気に後続を突き放して4馬身差で圧勝した。

 ラスト2Fは12秒8-12秒2。最後の直線で抜け出してから、他馬とはフットワークの回転スピードが違っており、やはり映像通りというべきか、ラスト1Fが急加速で速い。

 砂を被っても問題なく、最後の脚も文句なしで、見たところまだ余裕たっぷり。当然、ダートで今後の活躍が期待できる馬ではあるが、あの瞬発力ならいずれ芝路線に転向しても面白そうだと感じている。何れにせよ、素質はAAAだがデビュー2戦目で輸送、そして門別のタフな馬場に対応できるかという点が不安がある状況での1番人気なので、対抗馬とした。

▲ (12)サンライズジパング

 6月東京芝のダノンエアズロックが勝利した新馬戦では好位から伸びずバテずの4着。前走はデビュー2戦目で、初ダートながら1番人気に支持された。確かに大型馬で前肢の掻き込みが強いフットワークから、芝よりもダートのほうが合う印象はあった。

 レースは1番枠から五分のスタートを切って好位を取ったが、1角で外に張りそうになるのを抑えて中団から。枠なりに最内からじわっと上がり、3角では2列目に進出した。3~4角で前との差を詰め、4角で外に誘導しようとしたところで、外に膨れてノイヤーヘルトと接触。同馬の体勢を崩す形になったが、それが壁になったことでそこまで大きく膨らむことなく、先頭列に並びかけた。直線ではジワジワと後続を引き離し、ダート経験馬たちを相手に4馬身差をつけて快勝した。

 ラスト2Fは12秒8-13秒1とまずまずだが、芝の新馬戦で見せたようなフットワークの空転感がなく、やはりダートが合うのだろう。レースぶりに気性面の若さを残すが、今回はダートに慣れての前進が見込める。

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■JBCクラシックの馬場と展開

 今回のポイントはJBCの前哨戦の東京盃やレディスプレリュードと全く違う馬場だということ。東京盃はドンフランキーが1分00秒0のレコードタイムで優勝して話題を集めたが、今開催は青森県の六ケ所村産+東通村産から、粒が大きいオーストラリア産に入れ替えられ、砂厚も8㎝→10㎝に変更。これによりタフな馬場となり、スピードや決め手が削がれるため、スタミナのある馬が活躍しているということだ。

 ここはタフな馬場では前の位置を取ってくる森騎手鞍上のノットゥルノがどこまで前を主張してくるかにもよるが、テンが速くないケイアイパープルが逃げるならばペースは速くならないだろう。ここは展開に幅を持たせて予想を組み立てたい。

大井11R JBCクラシック ダ2000m
 ◎ (5)ウィルソンテソーロ
 ○ (4)ケイアイパープル
 ▲ (7)メイショウハリオ
 △ (3)テーオーケインズ
結論 馬連5-4,7,3 (18:18:14) 複勝5 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (5)ウィルソンテソーロ

 8走前の初ダートの未勝利戦では、3番手から最後の直線早めに抜け出して、3勝クラス通用域の指数で勝利した素質馬。その後2勝クラス、3勝クラスを連勝。4走前の名古屋城Sは、8番枠からまずまずのスタートを切ったが、内の馬が外によれて、タックルされる不利。そこから狭いところを通って位置を上げ、好位外まで挽回して追走。最後の直線序盤でしぶとく伸びてはいたが、ラスト1Fで甘くなっての9着に敗れた。

 4走前はダ1800mで1分50秒2の好タイム決着となったように、超絶高速馬場。スタート直後の不利を挽回するのに脚を使ったことや終始3頭分外を回るロスを考えれば、崩れても仕方のない内容だった。しかし、能力を出し切れずに敗れれば巻き返すのが競走馬の宿命。3走前のかきつばた記念では初重賞制覇を達成した。

 3走前は8番枠から五分のスタートを切って、好位外を追走。2周目の向正面では外からルーチェドーロが捲ってきたが、それをやり過ごして4角で外に出して先頭列で直線へ。直線では本馬が上がってくるのを待っていたドライスタウトと追い比べになったが、それをハナ差で制した。

 そして休養明けの前々走マーキュリーCでは、初めての距離2000mにも対応して、重賞2勝目を達成。前々走は9番枠から五分のスタートを切って、無理せず5番手を追走。3~4角からじわっと進出して、4角で前を射程圏に捉えると、直線で一気に伸びて4馬身差の圧勝。ここでは今年の帝王賞の勝ち馬(7)メイショウハリオと同等の指数を記録した。

 ただし、前々走は緩みない流れとなったことで展開に恵まれ、超絶高速馬場でスピードが問われたことで、距離適性がそこまで求められなかった面もある。そこで自己最高指数を記録となると、前走の白山大賞典は不安もあったが、3番枠からまずまずのスタートを切って好位でコントロール。2週目の3角で好位の外から押し上げて4角では2列目の外。そのまま直線でメイショウフンジンを捕えて半馬身差で勝利した。

 前走は陣営もコメントしていたように、ここへ向けての叩き台だったはず。相手がそこまで強くなかったとはいえ、あっさりと勝たれたように、本馬はダートで底を見せ切っていない。また今年の帝王賞の上位2頭が休養明けに対して、本馬は夏場を順調に使われた強みもあり、ここはJpnⅠ獲りのチャンスだ。

○ (4)ケイアイパープル

 キックバックが苦手でありながらテンのスピードが速くないという弱点がある馬。しかし、昨年の平安Sでは3番枠からかなり押して出鞭も入れて2列目の外を追走し、3~4角で前2頭に並びかけ、ラスト1Fで先頭。外からテーオーケインズに突き抜けられたものの、2馬身半差の2着を死守。このように本馬は豊富なスタミナの持ち主で、早め先頭から押し切れることが強みだ。

 また本馬は、佐賀、名古屋、金沢は最内の砂厚が深く、場合によっては他馬が避けて走る最内に進路が取れる、言わば裏路線を主体に使われている。そういう事情があって裏路線を使われているだけで、昨年の白山大賞典では、今年の帝王賞の勝ち馬(7)メイショウハリオと同等の指数を記録している。

 同レースでは4番枠から五分のスタートを切って、前2頭から離れた4番手を追走し、2週目の4角では前2頭の外に出して3番手を追走。2週目の向正面で先頭に立つと、そのまま押し切る強い内容だった。今回は一転して表街道のこの舞台に出走。しかし、ここは相手は強いが、逃げたい馬は本馬のみという組み合わせ。タフな馬場では前の位置を取ってくる、森騎手騎乗の(2)ノットルノの出方にもよるが、マイペースで逃げられる可能性もかなりあり、対抗馬とした。

▲ (7)メイショウハリオ

 昨年の帝王賞は5番人気ながら(3)テーオーケインズらを撃破し、優勝した馬。同レースは大外9番枠からやや出遅れたが、前半のペースがかなり遅かったこともあり、わりと楽に好位の外を確保。テーオーケインズをマークしながらの追走になった。しかし、向正面でスワーヴアラミスが外から捲って一気にペースアップ。これに抵抗して速度を上げたテーオーケインズ、クリンチャー、オーヴェルニュは最後の直線で余力がなく、苦しくなり潰れた。

 一方、本馬は捲られてもワンテンポ待ち、脚をタメることを選択したことで、最後の直線で余力を残せた面が大きい。帝王賞は本馬が強かったというより、前記した馬たちが自滅したことが大きかったレース。当時、本馬が記録した指数はそこまで高いものではなかったが、ここへ来てかしわ記念、帝王賞を連勝。

 今年の帝王賞では4番枠から五分のスタートを切って、中団の外を追走。3~4角で位置を押し上げ、最後の直線でも伸び続けて、内で粘るクラウンプライド、テーオーケインズらを交わしてJpn3勝を達成した。前走は前半5F60秒4-後半4F61秒5とややハイペースではあったが、そこまで差しが有利な決着だったわけではない。

 また本馬はそもそもペースにあまり影響されることなく、外枠、あるいは外から自分の形で動ければ、常に安定して差し込んでくるタイプ。前走ではテーオーケインズと接戦だったが、外目の枠の今回は同馬よりも印を上に取りたい。

△ (3)テーオーケインズ

 一昨年の帝王賞を含めて、GⅠ・JpnⅠで3勝を挙げた実績馬。一昨年のチャンピオンズCは、6番枠からまずまずのスタートを切って好位の中目を追走。向正面でスペースを作って、4角出口でそれを詰めて直線で外に出されると、圧巻の末脚。戦慄の6馬身差で完勝した。

 昨年は平安SとJBCクラシックを優勝し、今年は川崎記念で2着。今年は一昨年と比べるとやや勢いは落ちているが、それでも3走前の川崎記念では好位の内から3角手前で外に出し、そこから勝ちに行く競馬で3着馬ニューモニメントに4馬身差を付けての2着に善戦している。

 3走前は本馬が3角で外に出したことで内にスペースが生まれ、本馬をマークしていたウシュバテソーロがそこから先に抜け出し、直線で逆に同馬を追い駆ける立場となったもの。半馬身届かなかったが、タフな馬場で前半5F63秒3-後半5F66秒0のかなりのハイペースを3角から3角外から勝ちに行っての内容は悪くなかった。

 前々走のドバイワールドCは6番枠から好スタートを切って4頭の先行争いに加わる形。外からパンサラッサが上がって来ると、3列目くらいの最内まで位置を下げて追走していたが、序盤で競り合った代償は大きく、最後の直線伸びあぐねて4着に終わった。しかし、休養明け好走後の一戦で激流に巻き込まれながらも4着と大崩れしなかった辺りはさすがではあった。

 ただ前走の帝王賞はもっとやれると見ていたが、接戦の3着に終わった。Ⅰ番枠から出遅れて中団の最内を追走したため、3~4角で包まれて最後の直線で馬群を捌きながらの競馬になったにせよ、一昨年の帝王賞やチャンピオンズC時と比べると明確に物足りない。前走からさらに相手が強化されるこの一戦で、どこまで立て直されているかが鍵となるだろう。

△ (12)ケイアイパープル

 キックバックが苦手でありながらテンのスピードが速くないという弱点がある馬。しかし、一昨年の平安Sでは3番枠からかなり押して出鞭も入れて2列目の外を追走し、3~4角で前2頭に並びかけ、ラスト1Fで先頭。外からテーオーケインズに突き抜けられたものの、2馬身半差の2着を死守したように、豊富なスタミナの持ち主で、早め先頭から押し切れる強みがある。

 またケイアイパープルは佐賀、名古屋、金沢は内の砂厚が深く、場合によってはそこに進路が取れる、言わば裏路線を中心に使われている。一昨年の白山大賞典でも、4番枠から五分のスタートを切って、前2頭から離れた4番手を追走し、2週目の4角では前2頭の外に出して3番手を追走。2週目の向正面で先頭に立つと、そのまま押し切る強い内容だった。4走前の名古屋大賞典も2列目の砂厚の深いインコースから進出して早め先頭に立っての2着だった。

 前走のJBCクラシックでは揉まれ弱さを見せて9着と大敗してしまったが、今回はそこから立て直されての一戦。ケイアイパープルは鉄砲駆けするタイプであり、今回は大外12番枠と自由に動ける枠でもあるので警戒しておきたい。

2023年 エーデルワイス賞の予想

■今年は門別勢が優勢

 このレースは過去10年で地方馬が6勝、2着6回、3着7回と、とにかく門別勢が活躍している。これは地方勢、特に門別はデビュー時期が早く、番組が充実しているのが理由だ。また門別勢が活躍するのは、どういう年かというと、中央馬に2勝馬や圧勝馬が出走していない年だ。

 今年は2013年の覇者フクノドリームや2016年の覇者リエノテソーロなどの2勝馬は不在。2014年の覇者ウィッシュハピネスや2021年のヒストリックノヴァなどの前走で1.0秒以上、圧勝している馬も不在。ダートは未知数のスカイキャンバスが、「実はダート適性が高かった」のストーリーはあるかもしれないが、今年も門別勢が優勢と見る。

 ※11月4日(金)はJBC4大競走が行われます。前日から順次予想を更新し、当日の12時30分を目途に終える予定ですm(__)m。

門別11R エーデルワイス賞 ダ1200m
 ◎ (7)イイデスカイハイ
 〇 (4)スカイキャンバス
 ▲ (3)ジュデシャンス
 △ (5)ライトヴェール
 △ (9)シシャモフレンド
 △ (13)スティールマジック
 △ (10)モノノフブラック
 △ (2)ホーリーブライト
 △ (11)ムーム
 △ (14)ハニービート
結論 馬連7-4,3,5,9,13,10,2,11,14 (8:8:8:8:8:4:2:2) 複勝7 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (7)イイデスカイハイ

 門別1200mの新馬戦をなかなかの好タイムで勝利した馬。デビュー2戦目のJRA認定ターフチャレンジⅡでは、その後、重賞のイノセントCとネクストスター門別と連勝したトラジロウと2馬身半差に善戦している。驚きは前々走のすずらん賞で、初芝の一戦ながら13番枠から好スタートを切って、逃げる(4)スカイキャンバスに競りかけ、差し馬台頭の流れを作ったこと。スピード能力はかなり高い。

 前走のトルマリン特別も逃げ馬に競りかけ、途中からハナを奪ってオーバーペースを演出。差し馬のザイデルバストが勝利することになった。ここも当然ペースが厳しくなるであろうが、近2走の厳しい流れでスピードを問われた競馬の経験が生きれば、チャンスは十分にあると見る。

 実際に前走の門別ダ1200m戦・リリーCでオーバーペースで逃げた2017年のストロングハートはこのレースを優勝、2015年のモダンウーマンは2着、2016年のアップトゥーユは3着と好走、善戦している。ちなみにトルマリン特別は、2020年よりこの時期の1000m~1200mで施行されたオープン特別。これまでは同レースからこのレースに参戦する馬は不在だったが、今年からリリーCの開催時期が移行したことで、今後はここを経由した馬が穴を輩出する機会が多くなると推測される。また、レースレベルも低くない。

○ (4)スカイキャンバス

 今夏の函館2歳Sの3着馬。同レースでは1番枠から好スタートを切って、そこからは押してハナを主張。外のナスティウェザーが競り掛けてきたので、レースが淡々と流れて超ハイペースとなった。3~4角では2列目をやや離して、1馬身3/4差くらいのリードで直線へ。序盤は踏ん張っていたが、ラスト2Fで外から2頭に交わされ、最後に甘くなっての3着だった。

 函館2歳S当日は重馬場発表でタフな馬場。レースが消耗戦になっており、逃げた本馬には厳しい流れだったが、3着に好走したことは高く評価できる。またその次走のすずらん賞も、◎(7)イイデスカイハイに競られながらも上々の3着。前走のカンナSは最内枠のモンシュシュマンのテンが速くて、ハナに行けず、同馬と競り合って10着に大敗したが、前走でテンの速いレースをしているので、本馬にダート適性があれば、楽に先手を主張できるはず。巻き返しを期待したい。

▲ (3)ジュデシャンス

 前々走のフル―ルCの2着馬。前々走は6番枠から好スタートを切って一旦2番手にはいたが、外からトップスタートを切ったヨシノヒローインに内の(8)シシャモフレンドが抵抗していく形でテンが速くなったので、控えて3番手、最終的には先頭から離れた4番手を追走。4角で2列目の外に上がって、ラスト1Fで甘くなったシシャモフレンドを交わして同馬と1馬身半差の2着に好走した。

 前々走ではヨシノヒローインには5馬身差を付けられてしまったが、勝ちに行っての2着なら上々。そこから1Fの距離延長となった前走・園田プリンセスCは1番枠から積極的に出して逃げ、終始地元のコモリリーガルにプレッシャーをかけられ、4角から早々と失速したが、前々走で好走した疲れもあったし、ペースも厳しく、距離も長かったのだろう。実績のある門別1200mで前を見ながらレースを進められるここは、巻き返しを期待する。

△ (5)ライトヴェール

 門別1000mの新馬戦、オープンを連勝した馬。特に前々走のオープンでは、2番枠からトップスタートを切って、出鞭を入れての逃げ。外からジャティルウィにプレッシャーをかけられて緩みないペースで逃げて、最後の直線で苦しくなって内にヨレながらも6馬身差で逃げ切った。

 休養明けの前走・トルマリン特別は3番手の外を追走していたが、◎(7)イイデスカイハイが3~4角で逃げ馬を競り潰したところで進出し、4角では同馬に並びかけていく形。ラスト1F付近で先頭に立ったが、その外からザイデルバストに差されて1馬身差の2着となった。結果的に早仕掛けでだった。

 今回は前走から1Fの距離延長。スタミナが不足する休養明けだったにせよ、逃げなかった前走でもラスト1Fで甘くなっていることから、距離延長は好材料ではないと見ている。この距離に対応させるにはもっと後方で脚をタメる必要がありそうだ。ただし、今回はダートグレードでペースが速くなりそうなだけに、展開に恵まれる可能性は十分あると見ている。

△ (8)シシャモフレンド

 デビュー2戦目で門別のクラシック一冠目のリリーCを勝利した馬。同レースでは6番枠からトップスタートを切って、マイペースの逃げ。最後の直線ではどんどん後続を引き離し、4馬身差の圧勝だった。本馬は1Fの距離延長となった次走のフルールCでは3着に敗れたが、これはリリーCを大目標にした後の一戦で、外からトップスタートを切ったヨシノヒローインのハナを叩いて、ペースが厳しくなったもの。

 また前走のネクストスター門別は出遅れて自分の型の競馬ができず8着に大敗したが、五分のスタートなら巻き返しがあっても不思議ない。

△ (13)スティールマジック

 門別1100mの新馬戦で逃げて9馬身差の圧勝を飾り、今回の栄冠賞でも2着と好走した馬。前走のオープンでも2着とは1馬身差だったが、3着馬には7馬身差をつけて完勝した。前走は5番枠から好スタートを切って、内の2頭を行かせて3番手の外を追走。3~4角の外を回って内のデカプリオを交わしにかかったが、同馬がしぶとく抵抗。しばらく並走状態が続いたが、ゴール手前で捕らえて1馬身差で勝利した。

 前走は7馬身離された逃げ馬のパレスレガシーが次走でオープンを完勝しているように、ハイレベルだった。しかし、2着のデカプリオは次走のオープンで2番人気に支持されながらもドボン。本馬とマッチレースでハイレベル戦へと持ち込んだことで強い疲れが出たようだ。フローラルC大敗からの直行ならここで本命馬にした可能性が高いが、臨戦過程が好ましくないので評価を下げた。

△ (10)モノノフブラック

 前々走のイノセントCで3着、前走のネクストスター門別では2着と牡馬相手の重賞で善戦した馬。前々走は1番枠から五分のスタートを切って、前3頭から離された5番手を追走。最後の直線でしぶとく伸び続けて、早めに2番手に上がったストリームにアタマ差まで迫った。

 また前走のネクストスター門別は8番枠から好スタートを切って、3列目の外を追走。ここでも前2頭が飛ばしていく中での離れた3列目で実質差しの競馬だったが、3~4角の中目から4角で2列目まで上がって、最後の直線も脚を伸ばした。近2走とも前がペースを引き上げ、直線で早めにトラジロウが抜け出したことで、展開に恵まれての善戦。今回も展開に恵まれる可能性が高く、この馬なりの走りを見せられると見ているが、相手強化が課題となる。

△ (2)ホーリーブライト

 中央所属の1勝馬。前々走の未勝利戦では、16番枠から好スタートを切って、一旦先頭に立ったが、内からハナを主張するカラフルメロディーに行かせて、その外からプレッシャーをかけていく形。緩みない流れとなり、ラスト2F12秒1-13秒1と失速したが、本馬とカラフルメロディーがワン、ツーを決めた。

 つまり、相手が弱わく、最後に失速した本馬とカラフルメロディーを、差せなかったということ。実際にこの未勝利戦で敗退した馬は、当時が初ダートだったマーゴットファイブしか勝ち上がっていない。本馬の前走・ヤマボウシ賞6着敗退も納得の結果であるが、JRA勢は門別勢と比べてキャリアが浅いので上昇力は見込める。

△ (11)ムーム

 休養明け&初ダート、初ブリンカー着用でもあった前走・未勝利戦で一変して勝利した馬。前走は6番枠からまずまずのスタートだったが、二の脚が速く、じわっとハナへ行くことに成功。マイペースの逃げだったが、他馬にからまれることなく、最後の直線では一気に後続を引き離す。しかし、ラスト1Fで甘くなって、2番手のシリウスに3/4差まで迫られる形。3着馬に6馬身差の差を付けていたが、このレースも△(2)ホーリーブライトの未勝利戦以上に凡戦で、まだ一頭も勝ち上がっていない。

 しかし、キャリアが2戦と浅く、ダートのキャリアも浅いことから、ここで一気の上昇を見せても不思議ない。ただし、相手も強いので、よほど大きく変わらないと連対圏内に突入するのは難しいと見る。

△ (14)ハニービート

 前々走のフローラルCの2着馬。前々走では7番枠から五分のスタートを切って、中団の外を追走。最後方から3角手前で捲って上がったサウスヴィルを追い駆けて進出。4角では2列目まで上がって、直線序盤で先頭に立ったが、そこを内からアメリアハートにすくわれて半馬身差の2着となった。

 ただし、前々走は前半4F50秒0-後半4F56秒8の超絶ハイペース。(12) モズミギカタアガリと△(13)スティールマジックが競り合ってペースを引き上げたことで展開に恵まれた面は否めない。

 前走のフルールCは最後の直線でアメリアハートが外に斜行し、進路をカットされて下がる不利があっての8着大敗だったが、上がってからもさほど盛り返せてはおらず、決定的なものではなかったと見ている。前走で1700mを使われ、差す競馬をしているので、ここではテンに置かれるとみているが、展開に恵まれて、どこまで着順を上げられるかになってくるだろう。