2020年 宝塚記念

今週より『SPAIA AI競馬』でPP指数を用いた重賞分析コラムを書かせ頂くことになりました✧◝(⁰▿⁰)◜✧ 今回は宝塚記念の傾向と人気の出走馬、有力馬について綴っています(^^♪

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GⅠ馬8頭の豪華メンバー 今年も「悲願成就」のレースとなるか?

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2020年 帝王賞の予想

いよいよ上半期の総決算・帝王賞。かつてはマキバスナイパー(2001年)、ネームヴァリュー(2003年)、アジュディミツオ―(2006年)、ボンネビルレコード(2007年)、フリオーソ(2008年)がこのレースを制すなど、地方勢、特に船橋所属馬の活躍が目立っていました。しかし、近年はJRAのダートのレースが充実。早い時期からダートを目指す馬が多くなったことや、地方の中距離レースが減ったことなどから、地方馬の活躍が激減。2011年度以降は地方馬の連対ゼロと、地方馬苦戦の傾向が続いています。

このようにJRA勢の独壇場が続く帝王賞ですが、最有力は同年のフェブラリーSで上位のマイラーよりも、距離1800m以上で高いパフォーマンスを見せている馬たち。その中でも前年の…。

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2020年 ユニコーンS・函館スプリントS

●ユニコーンステークス

フェブラリーSと同じ東京ダ1600mで行われるユニコーンS。東京芝1600mは芝ポケット地点からのスタートで加速がつくうえに、最初の3コーナーまでの距離が約640mもあるので、前半3Fペースが上がりやすいのが特徴。過去10年でも平均ペースで決着したのは、高速ダートで逃げ馬の出走がサマリーズのみだった、2013年(勝ち馬ベストウォーリア)のみ。それ以外の年は全てハイペースで決着しており、ダート戦でありながら、過去10年では差し馬が2勝2着4回、追い込み馬が1勝2着1回と活躍しているほど。

今年も初めての芝スタートで出遅れることがなければ、レッチェバロックがハナを切ってこれまでどおりに飛ばす公算大。オーロラテソーロはこの中間の追い切りで控える形を試していることもあり、積極的に行かない可能性が高いでしょう。それでも番手、あるいは先行策か? 他にもサンライズホープやマカオンブランなどの先行馬が出走しているので、例年どおりにペースが上がって、差し馬有利の展開になる可能性が高いでしょう。

ただ、昨日が重場馬場で高速ダート。本日そこから回復するにせよ、軽いダートではあるので、実力があれば前から押し切れる可能性も十分あると見ています。また、今回が初めての芝スタートとなる逃げ、先行馬が多いだけに、出遅れたことで逆に展開が有利となり穴を開けるパターンもありそう。前に行ける実力馬、素質馬に一発を期待するのもありでしょう。

 

●函館スプリントステークス

函館スプリントSが行われる芝1200mは、前半で坂を上って、後半で坂を下るコース。このためスプリント戦としては本来ペースが上がりにくいのですが、高松宮記念以来の芝1200m戦となるために、トップクラスのスピードタイプが集い、意外とペースが上がることが多いのがポイント。

今年はこのレースが6年ぶりに函館2週目に行われ、昨日のSTV杯(1勝クラス)は前半3F33秒5-後半3F35秒0のハイペースで流れて1分08秒5で決着。近年のような高速馬場状態ではなく、やや時計を要しており、ハイペースになっても不思議ない条件は揃っています。

しかし、今年は高松宮記念で積極的に前に行った馬は不出走。さらに実績上位馬は、差し、追い込み馬ばかりだけに、そこまでペースが上がらない可能性もあると見ています。

また、このレースは2013年のドリームバレンチノ(7着)、2015年のコパノリチャード(14着)、2017年のセイウンコウセイ(4着)のように、高松宮記念の上位馬がひと息入れて凡走することも多いだけに、前に行ける別路線組、上がり馬タイプから一発を狙うのもありでしょう。

2020年 マーメイドS・エプソムC

●マーメイドS

マーメイドSは、みなさんもご存知のように、先週の鳴尾記念と同じ阪神芝2000mで行われるレース。先週の鳴尾記念の傾向でもお伝えしたように、阪神芝2000mはラスト1Fで急坂のある阪神芝コースとしては、逃げ、先行馬がけっこう頑張れるコースであり、内枠よりも3~4コーナーの下り坂でスピードに乗せられる外枠のほうが有利です。

阪神芝2000mが阪神芝1800mなどと比べて逃げ、先行馬が有利なのは、スタート直後に上り坂があるため、前半のペースが上がりづらいのが理由。また、内枠が不利なのは、3コーナーが鋭角のため、あまりにインに入りすぎると減速する必要性があり、それによって包まれる場合があるからです。

しかし、馬場が悪化して時計が掛かると状況が変わってきます。時計が掛かると実走ペースが上がるために、逃げ、先行馬が不利になりますし、馬群が縦長になるので、3コーナーで減速しても包まれるリスクが軽減されます。また、外枠の馬も3~4コーナーでスピードに乗せると、早仕掛けになるので、よほどスタミナに自信がない馬以外は早仕掛けになるので動きません。

それが先週の鳴尾記念の1枠1番のパフォーマプロミスの勝因。先週は阪神開幕週ながら、雨の影響もあり、高速馬場ではありませんでした。また、実際に重馬場で行われた2008年のこのレースで優勝したのも、後方から最短距離を立ち回り、実質内枠の競馬をした12頭立てで12番人気だったトーホウシャインでした。馬場が悪化すると、逃げ、先行馬が有利ではなくなること、また内枠不利外枠有利でもなくなることを踏まえて予想を組み立てたいです。

また、このレースはハンデ52kg以下の馬がしばしば穴を開けているのがポイント。過去10年の該当の連対馬は2012年・クリスマスキャロル(7番人気・2着)、2014年のコスモバルバラ(13番人気・2着)、2016年のヒルノマテーラ(7番人気・2着)、2018年のアンドリエッテ(10番人気・1着)、2019年のサラス(7番人気・1着)、レッドランディー二(10番人気・2着)。ちなみに前記したトーホウシャインも、2勝馬だったこともあり、ハンデ48kgでした。20頭中6頭も連対しているのですから、一考の価値はあるでしょう。

●エプソムC

昨年のこのレースは、出走馬唯一の逃げ馬ダノンキングダムが大外枠に入り、他馬が勝ちに行くと伸びない差し、追い込み馬ばかというメンバー構成。同馬は1000万下でマイペースで逃げて、ひとクラス上の指数で完勝の実績もあり、テンのスピードもNO.1。当然、同馬が単騎で逃げるものかと思っていましたが……内枠からハナを主張したサラキアに行かせて、まさかの2列目外に控える形。その結果、前半4F51秒3-後半4F45秒2という、理解不能なウルトラスローペースが発生しました。

こういうのを見せつけられると、それまでの傾向を参考にしたくなくなるのですが、基本的に東京芝1800mで行われるエプソムCは、「府中の千八展開いらず」という言葉がピッタリのレースです。東京芝1800mは1~2コーナーの間のポケット地点からスタートして、最初の2コーナーまでの距離が約160m。このため序盤のペースが上がらず、約750mある2~3コーナーの間のストレートでじわじわとペースが上がり、3~4コーナーで息を入れて、直線でもう一度ペースが上がることが大半。

さっくり言うと、レースが適度に緩みあるワンペースになるので、どこから動いても強ければ通用します。出遅れ癖のある馬でも、道中でリカバーできる能力があれば問題ありません。昨年はダノンキングダムを始め、2~3コーナーの間のストレートでどの馬も動かず、ペースが上がらなかったことが問題なのであって、通常はある程度上がり、実力どおりに決まることがほとんどです。

だからこそこのレースで連対したダークシャドウ(2011年・優勝)、ダノンシャーク(2012年・2着)、ジャスタウェイ(2013年・2着)、エイシンヒカリ(2015年・優勝)、サトノアラジン(2015年・2着)らが、その後のG1でも通用しているのです。将来に繋がっていないのは、レベルが低いか、昨年とまではいかずとも極端なスローペースになった年ばかりです。

しかし、今年は昨日がど不良だったこともあり、馬場の完全回復は難しく、時計の掛かる馬場のはず。大外枠からトーラスジェミニが逃げるか、同馬がハナを主張しなければマイネルハニーが行くか…。その直後にマイネルファンロンやダイワキャグニーといった形。もともと逃げ馬だったアンドラアステは、前走時に出遅れ、末脚を生かす競馬で結果を出したことで、行かない可能性が高いでしょう。岩田望来騎手は、父のようにあまり行きたがらない傾向もあります。

そうなると一見、前が楽な展開になるようにも感じますが、馬場が重いので、極端なスローペースになることもないでしょう。重馬場だった昨年くらい(平均ペースくらい)までは上ると見ています。それだけに実力や将来G1で活躍する素質重視で予想を組み立てたいところ。

今年は過去2年のこのレースの覇者サトノアーサーやレイエンダを始め、重賞ウイナーが7頭。前哨戦のオープン・メイSのレベルも高く、重賞ウイナーに準ずる馬も多数出走のなかなかのメンバー構成です。それだけにここで連対した馬は近い将来、G1でも活躍しても不思議ありません。この先を占う意味でも、楽しみな一戦となりました。

2020年 関東オークス

3歳牝馬限定の唯一のダートグレードとなる関東オークス。関東オークスは、2012年に川崎のアスカリーブルが中央の強豪を抑えて優勝するなど、地方勢の活躍が目立ちます。2016年は船橋のミスミランダー(7番人気)が2着に食い込んで波乱。2018年も川崎のゴールドパテック(5番人気)、大井のクレイジーアクセル(3番人気)が2着、3着に食い込み、また、1着馬が中央勢ではもっとも人気のないハービンマオ(6番人気)だったこともあり、3連単10万越えの高配当決着となりました。

地方馬のこのレースでの成績は、過去10年で1着1回、2着4回、3着7回。中央馬が1~3着を独占した年は、2013年しかありません。中央馬の活躍ばかりが目につくダートグレードで、地方馬のこの成績は驚くほど優秀です。これは地方競馬が牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を目的として、2010年よりグランダムジャパン(対象レースの競走成績に応じてポイントを付与し、上位3頭の地方馬はボーナスがもらえる)を開催するなど、牝馬の番組が充実していることが一番の理由でしょう。

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2020年 安田記念

今週初めに安田記念の出馬表を見た時、不気味さを感じました。それは全ての実績馬がここ4走以内に出遅れの前科があったことです。もっともダノンプレミアムは、昨年の安田記念は外のロジクライに進路妨害をされたもの。決してスタートは下手ではありませんが、それ以外の実績馬は全て出遅れ癖があります。

比較的にスタートが安定していたインディチャンプでさえも、昨秋の香港マイルでは、マイルCSで好走した疲れもあったようで、3番枠から出遅れて後方から。そのため内から位置を押し上げたものの包まれて位置を下げ、直線ドン詰まりとなって7着に敗れました。

そのうえで今回は昨年のアエロリットのように、最後までしっかりとレースを引っ張れる逃げ馬が不在。馬群が縦長になる可能性が低いとなると、実績馬が内枠に入って出遅れた場合には、インディチャンプの二の舞となる危険性が高まります。どんな実力馬でも包まれて進路を失ったらThe end。だからこそ欧州競馬ではラビットを用意するし、先週の日本ダービーでも前田軍が率いるコントレイルがチームプレーを見せたのです。

日本ダービーのコントレイルは、しっかりとした逃げ馬不在のうえで5番枠。それよりも内枠にテンの速い馬がおらず、本来であれば外から切り込まれて進路確保に苦労するのが見え見えの状況下でした。しかし、逃げるウインカーネリアンの外にコルテジア、ディープボンドを配して、進路確保に努めました。何かに捲られた場合には、コントレイルがディープボンドの直後につけて外に出す、捲られなければディープボンドが道中でハナに立ってペースを引き上げる計画だったのでしょう。さすがは日本一を誇るチームプレイヤーです。

さて、話は元に戻しますが、今週初めに「出遅れ癖のある実績馬が、揃って内枠に入ったらどうなるのか?」と考えたら、気味が悪くなったのですが、それらが本当に内枠に入ってしまったという話です。特に5番枠のアーモンドアイは出遅れたらかなり苦しい枠に入ったと感じます。

今回それよりも内枠のダノンプレミアム、ダノンキングリーには、ダノンスマッシュというアシスト役がいます。ダノンスマッシュが外から内に切り込み同馬が逃げてペースを引き上げるか、逃げ宣言をしているミスターメロディの外につけて進路を確保するか…。しかし、アーモンドアイにはそういう馬がいません。実際にノーザンF軍は、他よりもチームプレーにうるさくないし、騎手の配慮によって進路を開けるくらいと騎手から聞いています。

だからと言って、勝ちに行けば、競られたり、後続にガンガン突かれたりするでしょう。大本命馬を破滅へと導けば、騎手にとってこのうえない手柄。それを出柄を得て次の騎乗馬の交渉をする者もいます。実際に昨年の有馬記念のアーモンドアイは、嫌がらせのようにスタンド前の壁を作りたいところで外に弾かれ(それが理由で前に馬が置けずに折り合いを欠いたもの)、さらに3~4コーナーでは先頭列に並びかけたものの、本来、同チームであるはずのフィエールマンに外から蓋をされ、馬場の良い外に出せずにThe endとなりました。

そういったことを考えたうえで、今回ではアーモンドアイは本命にしたくないという結論に達しました。これまで「一戦ごとの消耗度が大きい」ということでレース間隔を開けることに徹していた同馬が、中2週で使ってくることも狙い下げたい理由のひとつです。そのうえヴィクトリアマイルよりも相手強化となるだけに、△まで印を落とすことにしよう。これは私がアーモンドアイに印を打ってきた中で、一番低い評価です。

2020年 鳴尾記念

鳴尾記念はかつて12月に有馬記念の前哨戦のような位置付けで行われていましたが、2012年に現在の時期へと移行。宝塚記念の前哨戦の位置付けで行われるようになりました。ここ4年で2度もレコードが更新されているように、6月は芝の発育期ということもあり、超高速馬場で行われることがほとんど。

ただ、時期的に前に祟られることもあり、年によってはそこまで高速馬場ではないこともあります。それだけに「開幕日だから超高速馬場」とは決めつけずに、馬場をしっかりと見極める必要性がありますが、今年はさほど雨が降っていないことから、高速馬場で行われる可能性が高いと見ています。

また、その他の傾向としては、内枠よりも外枠のほうが有利で、7・8枠だった馬は【6・5・0・20】で連対率35.5%。対して1・2枠だった馬は【0・1・2・15】しかありません。これは3コーナーが鋭角で、外枠の馬は下り坂を利して加速していくのに対して、あまりにインに入りすぎると減速する必要性があるからです。一度外に出して、再び内に切り込める逃げ馬ならともかく、先行~中団だと内に押し込められて位置取りを下げることもあります。

そう考えると、現役時代は内枠率が高かったキタサンブラックが大阪杯を始めとする阪神ではやたらり外目の枠を引いていた辺りに、噂の枠順操作疑惑が拭えませんが、とにかく開幕週でも外枠有利の傾向があることは覚えておいて損はないでしょう。今回もそういう前提で予想を組み立てたいです。

2020年 北海道スプリントCの予想

旭川競馬場の廃止により、2009年から門別に舞台を移し、2010年より門別のダ1200mで行われている北海道スプリントカップ。このレースは放牧地という土地柄で行われることもあり、秋の大一番を目指して、このあとにリフレッシュ放牧予定の実績馬が多く集います。このため好メンバーが集うことが多く、人気の実績馬同士で決着することがほどんど。

実際に2009年以降は、7度も1~3番人気で決着しています。1~3番人気でありながら、このレースで4着以下だったのは、2014年のセイクリムズン(2番人気)、2015年のアドマイヤサガス(3番人気)、2018年のニシケンモノノフ(2番人気)、2019年のシュウジ(2番人気)、タテヤマ(3番人気)のみ。

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