2020年 日本ダービー・目黒記念

●日本ダービー

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●目黒記念

ダービーDayの最終レースとして定着した目黒記念。このレースは、芝2400mのダービーよりも距離が100m長いだけ。しかし、ダービーよりも100m後方からのスタートになるだけで、直線の坂を2度も上ることになります。このためダービー以上に、スタミナが要求されます。

ダービーが中距離指向の強いレースとするならば、目黒記念は長距離指向の強いレース。実際に過去10年の連対馬20頭を見ても、14頭が前走で芝2400m以上の距離を使われていた馬。また、前走で芝2400m以下を使われていた6頭中4頭が、芝2400m以上の重賞で3着以内の実績がある馬でした。(例外は、2010年の2着馬イケドラゴンと2014年の2着馬ラブイズブーシェでともに5歳馬)

また、スタミナが要求されるレースだけに、休養明けはマイナス。半年以上の休養明けだった馬は、過去10年で1度も3着以内がありません。中10週以上の休養明けだった馬も、連対馬は3頭のみ。該当馬は2013年のルルーシュ(2着)、2017年のフェイムゲーム(1着)、2019年のアイスバブル(2着)で、アイスバブル以外は、G2・アルゼンチン共和国杯勝ちやG1・天皇賞(春)で連対するなどの実績があった馬です。

一方、前走・天皇賞(春)の好走馬は、2014年に1番人気に支持されたアドマイヤラクティ(天皇賞・春で4着)のように、馬群に沈むことがほとんど。強豪相手のG1で能力を出し切った後では、おつりがないからでしょう。この年は前走の天皇賞(春)で16着と大敗を喫したムスカテールが巻き返しVを決めています。

当然、前走のG1・大阪杯で好走した馬も苦戦で、昨年は1番人気に支持されたブラストワンピースが、前走の大阪杯で小差の6着と善戦し、このレースでは馬群に沈みました。同馬は前年の有馬記念の覇者であり、決して長距離適性がなかったわけではありません。G1で好走すると、重いハンデを課せられるのも敗因のひとつですが、おつりがないのが一番の理由です。

では、軽ハンデ馬が穴メーカーになっているかというと、決してそうでもありません。目黒記念はスタミナが要求されるワンペースのレースだけあって、軽ハンデ馬の活躍はそこまで目立ちません。もちろん、ハンデが重いよりも軽い方が有利ですが、スタートダッシュが問われる短距離戦や、瞬発力比べのレースほど軽ハンデの優位性はないということです。

まとめるとレースを順調に使わている馬で長距離適性がある馬が有利ということ。休養明けの馬は、長距離実績のある馬でなければ狙いづらいということ。また、前走でG1で好走するなど、馬が消耗していないことがこのレースでの狙い目となります。前記該当馬から、実力のある馬を本命としたいです。

2020年 葵ステークス

年前までは2週前にオープン特別として行われていた葵Sですが、3歳馬のスプリント路線を充実させるために、一昨年より重賞に格上げされ、今回が第3回目。第1回は1番人気の先行馬アサクサゲンキが出遅れ、2番人気の差し馬トゥラヴェスーラが2着同着まで。内枠から8番人気ゴールドクイーン、6番人気ラブカンプーの行った、行ったが決まり、大波乱の幕開けとなりました。

それもそのはず、このレースが行われる京都内回りの芝1200mは、向こう正面の半ばからスタートして、しばらく坂を上るため、ペースが上がりづらいのが特徴だから。逃げ、先行馬が揃った昨年も、1枠のアイサクソニー、ホープフルサインと外からジャスティンが競り合うようにレースが進んだものの、前半3F34秒0‐後半3F34秒0の決着。離れた4番手でレースを運んだ1番人気馬ディアンドルが優勝しました。

今年も前走のファルコンSで大逃げを打ったデンタルバルーンを始め、エレナアヴァンティ、ビアンフェ、カバジェーロ、レジェーロなど、逃げ、先行馬が揃った一戦。当然、ハイペースが想定されます。しかし、コース形態から逃げ馬がペースを上げきれないので、前半3F34秒をギリギリ切って、後半3F34秒台半ばの決着が濃厚と見ています。それくらいのペースならば、過去2年よりも時計を要している京都芝コースを考慮しても、強い先行馬であれば前から押し切れる公算大。

実際にオープン特別時代からの葵Sの過去10年を見ても、逃げ馬が2勝2着2回、先行馬が3勝2着4回と、半数を上回る11連対もしているレース。特に重賞に昇格してからは、前からの押し切りが決まっているだけに、ここも馬券の中心は先行馬としたいです。

2020年 さきたま杯の予想

浦和競馬の春シーズンを締めくくる、さきたま杯。このレースは2011年度にG2に昇格して以来、秋に行われる浦和記念と並ぶ、浦和二大レースのひとつとして定着しました。主なメンバー構成は、東京スプリントやかきつばた記念の上位馬、さらにG2昇格後は、G1・かしわ記念の上位馬の出走が目立ちます。

その中でも最有力は、前走1200m~1400mの東京スプリントやかきつばた記念よりも、1600mのかしわ記念の上位馬。かしわ記念は帝王賞のステップレースですから、同年の優勝馬がここへ出走してきたことはありません。しかし、かしわ記念の2着、3着馬がここへ出走してくることは少なくなく、2011年度以降の成績は【1・2・1・1】と優秀。1着の該当馬は、2016年のソルテ。2着の該当馬は、2016年のベストウォーリア、2017年のモーニン。3着の該当馬は、2014年のセイクエイムズン。

唯一の4着以下馬は、2011年のラヴェリータで、このレースでは1番人気を裏切る形での4着でした。しかし、ここへ出走してきたかしわ記念3着以内の馬で、唯一、1400m以下のダートグレードで連対実績がなかったのも事実。序盤で置かれたレースぶりからも、明確に距離不足でした。つまり、1400m以下のダートグレードで連対実績のあるかしわ記念の3着以内の馬ならば、信頼できることになります。

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2020年 オークス

デアリングタクトにデゼルと無敗馬対決に期待が集まる今年のオークス。しかし、デアリングタクトは道悪の桜花賞を制した後の一戦。道悪での好走は疲れを残しやすく、桜花賞の2着馬レシステンシアのように、次走でパフォーマンス(指数)を下げる危険性もあります。

ましてデアリングタクトは、逃げてこそのスマイルカナがレースメイクし、前半4F46.5-後半4F49.6の超絶ハイペースを作ったことで、展開に恵まれたもの。前がバテたところを差したという競馬でした。デビュー2戦目のエルフィンSも、桜花賞ほどではないにせよ、時計の掛かる馬場のハイペースを差し切ったものであり、果たして前が容易に止まらない、超絶高速馬場の東京でも差し切れるのか? 

また、この馬の新馬戦も超絶スローペースの末脚比べではあったものの、時計は要しており、超絶高速馬場の状況下では、どこまでの末脚が引き出せるのか未知数なのも事実。エルフィンSでも、桜花賞でも、トップスプードを持続させていることから、距離が長くなることは問題なさそうですが、断然の1番人気に相応しいかどうかは「?」です。

一方、デゼルはデビュー2戦目のスイートピーSでは、前半4F48.6-後半4F46.0の超絶スローペースを後方から、メンバー断トツの上がりで差し切ったもの。レース最速地点のラスト2F目でグンと伸びて、前に並びかけた辺りからもかなりの素質を感じさせますが、新馬戦、スイートピーSと出遅れているように、何せゲートが下手。前に行ける可能性は極めて低いものがあります。

もっともデゼルと同タイプで当時はゲートが下手だったブエナビスタは、オークスで始めてスタートを決めて、レッドディザイアをギリギリ差し切りました。しかし、その年は標準馬場で例年のオークスよりも緩みなく流れたもの。今年のように超絶高速馬場で前のポジションが求められているとなると…。また、ブエナビスタは2歳女王であり、桜花賞も優勝という豊富なキャリアと実績がありました。

ここまで綴って思ったのですが、同じ無敗馬でありながら、デアリングタクトは1番人気、デゼルは2番人気、アブレイズは11番人気という差は、いったい何? デアリングタクトもデゼルもアブレイズもキャリアが浅い馬だけに、さらなる成長力を見せる可能性も十分あるでしょう。競走馬はデビューから5戦目くらいまでは上昇力を見せることが多いものです。

しかし、明確に死角がある状況の中で、あなたは前記2頭を評価しますか? 私はあくまでも連下の1頭と考えます。では、何が有力かというと…本命にするなら、やっぱりハイレベルの桜花賞組でしょう。オークスではフローラSを始めとする、前哨戦の活躍が目立ちますが、それらが活躍する年は、決着指数が桜花賞と同等レベルだった年。今年は前哨戦のレベルがそこまで高くなかっただけに、桜花賞組が最有力と考えます。

2020年 平安ステークス

平安SはかつてはフェブラリーSの前哨戦でしたが、7年前からこの時期に移行し、ダ1800mからダ1900mとなり、帝王賞の前哨戦のような位置付けとなりました。それだけに例年、G3としては好メンバーが集います。今年もG1馬ゴールドドリーム、オメガパヒューム、ミツバを始め、他重賞ウイナーが3頭出走と、豪華メンバーが集いました。

京都ダ1900mは、京都ダ1800mよりも100m後方からのスタートとなるために、ほぼ似たような傾向。ただ最初の1コーナーまでの距離が約386mと長くなるぶん、内枠有利の傾向が緩和され、外枠の馬にもチャンスが巡ってきます。それでも外枠よりは内枠のほうが有利でしょう。実際に15頭立て以上で行われた過去7年で、馬番11番よりも外の優勝は、逃げて最初のコーナーで最内を立ち回ったアスカのロマンのみです。

また、過去7年で逃げ馬の優勝が3回と最初のコーナーで最内を立ち回れる逃げ馬の活躍が目立っています。これはこの時期、雨の影響を受けて京都のダートが軽いことも影響しており、2番手の馬も1勝2着2回、3着1回と活躍しています。昨年のように時計の掛かる馬場のうえに、風が強いと逃げ、先行馬が総壊滅となる場合もありますが、基本的には前でロスなくレースを運べる馬が有利でしょう。

今年はこの中間に雨が降らず、良馬場発表。そのうえ逃げ馬ともかく、先行馬が揃ってはいます。しかし、道中で動ける、捲りタイプの馬も不在で向こう正面である程度ペースが落ち着く可能性が高いでしょう。また、実績馬のゴールドドリーム、オメガパフュームは前走のG1を目標にした後の始動戦で無理をさせず、結果、前を残らせてしまうなんてことも…。けっして前が楽な展開ではないにせよ、差し、追い込み馬が有利という展開にもならないのではないでしょうか。その前提で予想を組み立てたいです。

2020年 ヴィクトリアマイル

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かなり雨が降った土曜の京王杯SCで、前半3F35.2-後半3F33秒1のどスローで1分19秒8という恐ろしい時計が出ました。そこからさらに馬場回復。トロワゼトワルが逃げなかったとしても、コントラチェックかセラピアが行くでしょう。少なくともコントラチェックの武豊騎手は、逃げることも視野に入れているはず。競られることを嫌う武豊騎手は、極端なスローで逃げることは考えづらいので、その場合でも、平均ペース前後の決着が予想されます。前半4F45秒5くらいで行ったならば、1分31秒0前後の決着にはなるでしょう。

その決着タイムでアーモンドアイが外枠から出遅れた場合、ギリギリ勝つか負けるか…。けっして楽ではないでしょう。同馬は芝2500mからの直行となるだけに、その可能性もゼロではないし、今回はあくまでも始動戦です。リスクヘッジするなら、やはりアーモンドアイよりも前でレースを進められる馬ということになります。

2020年 京王杯スプリングC

京王杯スプリングCは、安田記念の前哨戦。また、春開催では高松宮記念以降、唯一の芝1400m以下で行われる古馬の重賞となるだけに、高松宮記念組が出走してくることが多く、スプリント路線馬とマイル路線馬、さらに上がり馬が激突します。

過去10年で1番人気が6回と、1番人気に支持されることが多いのは、前走の高松宮記念で上位の馬。しかし、それらがことごとく凡走することで、このレースは波乱の連続となっています。

2010年のエーシンフォワードは高松宮記念・3着→4着、2012年のサンカルロは高松宮記念・2着→9着、2013年のサンカルロは高松宮記念・2着→10着、2014年のコパノリチャードは高松宮記念・1着→7着、2015年のダイワマッジョーレは高松宮記念・6着→10着、2018年のダンスディレクターは高松宮記念・4着→15着。つまり、前走でG1を大目標にした馬は、その後に楽をさせることもあり、苦しいということなのでしょう。

前走で高松宮記念に出走していた馬が通用するパターンは、2014年のレッドスパーダー・1着(高松宮記念・17着)、2015年のサクラゴスペル・1着((高松宮記念・9着)、2017年のレッドファルクス・1着(高松宮記・3着)、2019年のロジクライ・3着(高松宮記念・8着)と、何かしらの理由で、高松宮記念で能力を出し切れなかった馬ばかりです。

一方、ダービー卿CT、東京新聞杯、マイラーズCなど、マイル路線組の活躍も目立ちます。また、それらは1番人気に応えて優勝した2013年のダイワマッジョーレや昨年のタワーオブロンドンなどのような、いわゆる近走着順(指数)の良い上がり馬ばかり。大敗から巻き返したケースは、2012年のサダムパティックのみです。

サダムパティックはもともと皐月賞・2着を始め、クラシックでも上位の馬でしたが、立て直されての巻き返しVでした。前走・東京新聞杯組は休養明けになるので大敗からでも巻き返せますが、前走・ダービー卿CTやマイラーズCなど、レースを順調に使われている馬は勢いが必要。このことを踏まえて馬券を組み立てると、的中に近づけるでしょう。

2020年 新潟大賞典・NHKマイルC

●新潟大賞典

春の新潟開催を代表する新潟大賞典。このレースは、ここをステップに宝塚記念へ向かう馬もいれば、来月の鳴尾記念やエプソムC、その先のサマー2000シリーズを目指す馬も出走してくるため、中距離路線のG3としてはレベルが高くなることがほとんど。G1レースの上位馬や重賞上位常連馬、新興勢力と様々な路線から出走してきます。

また、このレースはステップレースらしく、休養明けの馬がやたらと出走してきますが、さすが好メンバーだけあって、格下の休養明けの馬はほとんど通用していません。休養明けでも通用しているのは、2016年の優勝馬パッションダンスのような重賞勝ちか、重賞で上位の実績がある馬ばかりです。

さらにこのレースが行われる新潟外回りの芝2000mは、芝2000mでは日本唯一のUターンコース。最初の3コーナーまでの距離は約948mと非常に長いために、前半3~4F目でもほとんどペースが緩みません。このやめ逃げ、先行馬は苦戦。さらに3~4コーナーで急坂を下りながらのスパイラルカーブとなっており、ここで勢いに乗せられる差し馬が非常に有利となっています。

実際に過去10年で逃げ馬の3着以内はゼロ、先行策で優勝したのも前記したパッションダンスだけです。他、9年の優勝馬は全て中団以降の馬ですから、差し馬上等レースなのはご理解頂けるでしょう。今回は逃げ馬がダイワキャグニー&内田騎手と、ブラックスピネル&丸田騎手。両者ともに積極的に逃げたがらない騎手で、ややタフな馬場を考慮し、コントロールして来る可能性が高いと見ていますが、そんなでも差しが決まっちゃったりするので、ここは差し馬主体で予想を組み立てたいです。

●NHKマイルC

NHKマイルCは1996年当時、クラシックに出走権のなかった外国産馬に門戸を開くことを目的とし、1996年にGIとして創設されたレース。しかし、現在は中距離だと距離が長いという馬にとっての3歳最強マイラー決定戦となっています。

このレースはトライアルのアーリントンCやニュージーランドT、クラシックの桜花賞、皐月賞など、様々な路線馬が出走してくるのが特徴。もっとも活躍が目立つのは、これまでに4勝を挙げているニュージーランドT組ですが、結局のところ、ハイレベルなレースを経由した馬が活躍しています。

今年、ハイレベルだったのは、前走比較で皐月賞>桜花賞>ファルコンS>アーリントンC>毎日杯>ニュージーランドT。今年は皐月賞の上位馬は不出走なだけに、桜花賞で2着のレシステンシアが一番人気に支持されるのは順当でしょう。ただし、レシステンシアは前走道悪で好走している点が落とし穴だったりも…。

例えば、先週の天皇賞(春)に出走していたキセキ。同馬はど不良の菊花賞を制したことで、その後、スランプになりました。桜花賞は当時の菊花賞ほど酷い馬場ではありませんでしたが、道悪で好走する(バテさせる)というのは、それくらい戦意喪失に繋がるものです。また、ファルコンCも、アーリントンCも、毎日杯も、ニュージ―ランドTも水準以上の時計を要しており、すべて超ハイペース。それだけに上位馬、特に展開に恵まれた上位馬は危ういでしょう。

危うい実力馬同士の決着となるので、前記した馬たちが全て馬群に沈むとも思えませんが、前走比でパフォーマンスを落とす可能性が高く、そこに前走で馬場&展開に恵まれなかった馬の付け入る隙があるということです。まあ、その類の馬はけっこううますけど…ぐふふっ。

また、今回は前記レースがことごとく、差し、追い込み馬有利のレースとなったことで、逃げ、先行馬がことごとく賞金不足で出走権を獲り逃し、手薄になったことがこのレースの最重要ポイントとなるでしょう。これ以上書くと、心に留めておいた必殺の穴馬がバレてしまうので、もう止めておきます(笑)。

2020年 京都新聞杯

東の青葉賞、西の京都新聞杯。京都新聞杯は、ダービーのトライアルレースではありませんが、そういう意識で使われることが多いレースです。実際に昨年は、ロジャーバローズがこのレースをステップにダービー馬となりました。遡れば、2013年のダービー馬キズナもそうです。

他にもサトノラーゼン(2015年)やトーセンホマレボシ(2012年)などがダービー2着、3着と活躍しており、近年は青葉賞以上にダービーでの活躍が目立っています。今年の皐月賞はレベルが高いだけに、大勢逆転するのは容易なことではありませんが、新星誕生なるか!?

また、このレースは、キズナの直線外一気のイメージが強いかもしれません。しかし、あの年はレース直前で雨が降り、少し時計を要した上に、逃げたウインアルザスと2番手キングデザイヤーが後続を突き放して5F通過59秒2と、過去10年の京都新聞杯では2番目にペースが速かった年(1番目は2014年で5F通過57秒7、優勝馬はハギノハイブリッド)

ほとんどの年は、芝2200mが初距離となる馬や前走から距離延長となる馬が多いために、向こう上面の上り坂で坂で息が入り、スロー~平均ペースで流れます。そして3コーナーの下り坂から、レースが動くことが多いレース。3コーナーからペースが上がるので、ここで外々を回ると苦しいものがあります。先行馬であれば外枠でも内目を立ち回れますが、差し馬ならば3~4コーナーをロスなく立ち回れる内目の枠の馬が有利です。

今年は13頭だけに、外枠の馬を大きく割り引く必要はありません。しかし、過去10年で馬番13番より外の馬の連対は、2番手を追走した一昨年のステイフーリッシュ(1着)のみという成績だけに、内枠有利の意識は持って予想を組み立てたほうがいいでしょう。だだし、それらは人気に反映されます。穴を狙うのであれば、2017年に9番人気で連対したアグネスゴルテや7番人気で優勝したステイフーリッシュのような先行馬です。それも外枠だと実力以上に人気にならないので、配当妙味があります。

今年はホウオウエクレールが逃げて、大外枠のプレシオーソを始め今回が初芝となる馬たちがどこまで前に行くのか? また、スタート次第でファルコニアも先行するでしょうし、内目の枠のディープボンドも強豪アドマイヤビルゴよりも前を狙うかもしれません。アドマイヤビルゴが先行することで、前が飛ばす意識が高まり、極端なスローになることはなさそうですが、それでも京都の高速馬場を考慮すると前が容易には止まらないでしょう。

実力断然の先行馬が2頭以上出走している場合は、ペースが上がって前が崩れることが多いですが、1頭という状況下では、その馬が自分のペースのレースをすることで、案外と前を楽にさせてしまうことも少なくありません。それもアドマイヤビルゴのような、「差しでもいいよ」という決め手型(後半型)の先行馬なら、なおさらでしょう。それだけに今回は、穴馬はドマイヤビルゴよりも前でレースをする馬という前提で予想を組み立てたいです。