●チャレンジC
この時期の阪神ではかつて鳴尾記念(別定戦)が行われていましたが、7年前にハンデ戦芝1800mのチャレンジCに変更。さらに一昨年から別定の芝2000mへ変更。目まぐるしく施行条件が変わるこのレースは、一体、何にチャレンジするのだろうか? 有馬記念の前哨戦としても、例年、メンバーが手薄です。
ただし、阪神芝1800mから阪神芝2000mに替わったことで、前からでも押し切りやすくなったのは確か。阪神芝1800mは最初の3コーナーまでの距離が約665mとストレートが長く、隊列形成が長引くため、何が何でもハナへ行きたい馬は、3コーナー(4F目あたり)まで息を入れられません。目下5連勝で挑んだあのエイシンヒカリに初めて土が付いたのも阪神芝1800m時のチャレンジCです。
しかし、阪神芝2000mは、スタート直後に坂を上って約365mで最初の1コーナーを向かえます。芝1800mよりも最初のコーナーまでの距離が約半分。つまり、早い時点で隊列が形成され、ペースが落ちつきやすいということ。実際に過去2年の勝ち馬はサトノクロニカルとエアウインザーで、ともに先行馬です。
今年もブラックスピネルか、距離を怖がらなければベステンダンクの逃げが濃厚。先行馬も揃ってはいますが、コースと開幕週の馬場を考慮した場合、極端にはペースが上がらないでしょう。スローペースよりの平均ペースで収まりそうな感があります。また、最初のストレートが短いコースは、ロスなく立ち回れる内枠の馬が有利でもあるだけに、内枠の先行馬を主体に予想を組み立てたいです。
●ステイヤーズS
ステイヤーズSは、ご存知のように日本の最長距離戦。天皇賞(春)などのG1では、やや能力が足りない長距離馬にとって、最終目標となるのがG2のこのレースです。重要なのは、芝3000m級の距離実績。過去10年の優勝馬10頭中8頭が、芝3000m以上での重賞連対実績がありました。該当馬は、2009年のフォゲッタブル、2011年のマイネルキッツ、2012年のトウカイトリック、2013年-2014年のデスペラード、2016-2017年のアルバート、2018年のリッジマン。2着馬4頭、3着馬は4頭が前記項目に該当しています。
しかし、距離3000mを超えるレースは、国内ならばステイヤーズS以外に、万葉S、ダイヤモンドS、阪神大賞典、天皇賞(春)、菊花賞と、そう多くはありません。今年は前記該当馬は、アルバートとリッジマンの2頭で、両馬ともに近走不振。その上、人気。それだけに芝3000m以上を未経験の隠れステイヤータイプを中心視することをお薦めします。
よくある穴パターンは、2010年の優勝馬コスモヘレノス(5番人気)、2011年の2着馬イグアス(6番人気)のように、デビューから距離を延ばしてパフォーマンスを上げて来たタイプ。2009年に13番人気で2着に入線し、波乱の立役者となったゴールデンメインも、近走、中距離戦を使われて凡退続きでしたが、もともとは距離を延ばして指数を上昇させた馬でした。
ただし、前記の馬ほどわかりやすいタイプもそう多くないのも確か。長距離戦はトップスピードの速さよりも、早めの仕掛けから押し切れる強さ(ロングスパート)が求められるだけに、そういうタイプを積極的に狙いたいです。中山芝3600mなら2週目の向こう正面(ラスト5F目あたり)から動いても、最後までバテない馬が理想的です。