2024年 中京記念の予想

■小倉大賞典同様、かなりのハイペースも考えられる一戦

 京都競馬場の改修工事による変則日程となった2021、22年以来、2年ぶりに小倉芝1800mで行われる中京記念。小倉芝1800mは発走地点から1角までが約272mと短く、2角までは上りが続くため平均よりも遅いペースで決着することが多い。21年は平均ペースで好位の最内を追走したアンドラステが優勝、22年はかなりのスローペースをベレヌスが逃げ切った。

 しかし今年は、逃げが濃厚の(3)セルバーグに対し、逃げなければ持ち味が生かせない(1)テーオーシリウスが抵抗する可能性が高い。その他にも(11)アナゴサンなど、行く気になればハナを主張できる馬も多数。

 また、今夏の小倉芝は開幕週から例年よりも時計が掛かっている。セルバーグが主導権を握った今年の小倉大賞典のような、かなりのハイペースが想定されることも併せると、差し馬有利になるのではないか。これを前提にしたうえで予想を組み立てたい。

本日3番 小倉11R 中京記念 芝2000m
 ◎ (13)ニホンピロキーフ
 ○ (12)セオ
 ▲ (6)エピファニー
 注 (9)ボーデン
 △ (2)アルナシーム
 △ (8)タガノパッション
 △ (4)ワールドリバイバル
 △ (5)カテドラル
結論 馬連13-12,6,9,2,8,4,5 (15:11:10:5:5:2:2) 複勝13 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (13)ニホンピロキーフ

 小倉芝の中距離で3戦3勝の実績がある小倉巧者。3走前の関門橋Sでは4番枠から好スタートを決め、コントロールしながら好位の中目を確保。その後、前にスペースを作って中団の中目で我慢させて3角へ。3~4角では好位列の中目を通って押し上げ、4角で先頭列2頭の外に誘導。そこで少し置かれて2列目の外になったが、しぶとく伸びて先頭に。ラスト1Fでもしぶとく伸びて2馬身半差で完勝した。

 このレースは小倉開催16日目かつ稍重発表のタフな馬場だったが、前後半5F61秒8-59秒9とかなりのスローペースで12番人気のマテンロウアレスが逃げて2着に粘る展開。後半勝負となったなか、上手く3~4角で位置を押し上げたのもあるが、2馬身半差をつけた内容はとても優秀だった。

 次走のマイラーズCでは、まずまずのスタートから好位馬群の中目につける競馬で道中を進め、直線では序盤で外のソウルラッシュに食らいついた。ラスト1Fで内から捌いてきたセリフォスに差されたが、それでも同馬からは半馬身差の3着と好走した。

 勝ち馬ソウルラッシュには2馬身1/4差と離されてしまったが、自己最高指数を記録。予想外の好走だったが、稍重でややペースが上がったことも良かったのだろう。時計の掛かる馬場で緩みなく流れる展開を、3~4角から仕掛けて差す競馬がベストだ。

 前走の鳴尾記念は12着に大敗してしまったが、前々走で好走した疲れもあっただろうし、超高速馬場の緩みない流れで、速い時計への対応力が要求されたレースだった。そんななか、13番枠から位置を取りに行くも上手くいかず、1角では3頭分外を回り、その後も前に壁がないほど外を回り続け、大敗しても仕方のない内容だった。ある程度時計の掛かる馬場、(3)セルバーグが刻むペース、外差し有利馬場のアドバンテージなど重なれば上位争いに加われるはず。本命に推したい。

○ (12)セオ

 3歳春の中山1勝クラスでは後に重賞で2勝するレーベンスティールを下し、3着以下には7馬身以上の差を付けて勝利。ここではかなりの好指数を記録したが、当時は不良馬場で、かなり適性の偏った馬と見ていた。

 ところが休養明けとなった昨秋の2勝クラスでは、高速馬場の芝マイル戦を逃げ切り、幅広い適性を持つ馬であることを証明した。その後は芝マイル戦を中心に使われ、前々走では立雲峡S(3勝クラス)を勝利、前走では芝1800mの都大路も勝利した。

 都大路Sは6番枠からまずまずのスタートを決めてハナを主張したが、内からアウスヴァールが絡んでくると、行かせて2番手の外で折り合った。道中はかなりのスローペースだったが、コントロールしながら2番手の外を維持。3~4角では楽な手応えで加速し、4角では持ったままアウスヴァールにプレッシャーをかけてコーナー出口で先頭に。直線序盤で追われるとすっと伸びて2馬身半差、ラスト1Fで迫る(2)アルナシームを振り切って1馬身1/4差で勝利した。

 このレースは超高速馬場かつかなりのスローペースだったが、3着馬には3馬身1/4差と後続にしっかり差を付けており、とても強い内容だった。ここでは自己最高指数を記録。今回は余力の面で不安はあるが、時計の掛かる馬場でも実績がある点は加点材料。対抗評価だ。

▲ (6)エピファニー

 デビュー3戦目の芝1800mの未勝利戦を勝利すると、そこから連勝街道に入り、芝1800mを4連勝で3勝クラスを突破した。ところが昇級戦のAJCCでは、11番枠からやや出遅れて内と外から二度の接触を受けてエキサイト。3~4角では2列目の中目に入れ、4角で窮屈になって下げるロスや不利も重なり11着大敗。その次走、芝1600mの東風Sも距離がやや短く4着と連敗してしまった。

 以降は芝中距離を中心に使われるようになって立ち直り、芝2000mのケフェウスSを勝利。そして前々走の小倉大賞典では、今回出走の(14)ロングラン、(3)セルバーグ、(2)アルナシーム、(5)カテドラルらを撃破し、初重賞制覇を達成した。

 小倉大賞典は12番枠から五分のスタートを決めたが、二の脚はひと息で中団からの追走。淡々と緩みなく流れるなかで、道中は中団の中目、3~4角では内目を通りながら4角出口で外へ。直線序盤で5番手から徐々に前との差を詰め、ラスト1Fで前がバテたところをしっかり差し切って1馬身差で勝利した。

 前後半4F46秒0-47秒9とかなりのハイペースで、展開に恵まれての勝利。前走の大阪杯では前有利の展開を出遅れて後手を踏み、能力を出し切れなかったが、今回は前々走と同じ小倉芝1800mが舞台。同様のハイペースになれば、当然チャンスはある。

注 (9)ボーデン

 デビュー2戦目の東京芝1800mの未勝利戦では、中団外目で折り合って進め、3~4角の外から馬なりでじわっと進出して6馬身差で圧勝した馬。ここではキャリア2戦目としては破格の指数を記録し、その次走のスプリングSでは1番人気に支持された。

 そのスプリングSでは極悪馬場で3着。レースでは(4)ワールドリバイバルが逃げたが、向上面でアールバロンに競りかけられて一気にペースアップ。逃げ、先行馬には厳しいタフな展開だったが、好位の外目からしぶとく粘ってアタマ+1馬身3/4差の3着を死守した。

 しかし、何度も伝えているが、タフな馬場での好走は消耗度が高く、競走馬の不振を生み出すもの、スプリングSの優勝馬ヴィクティファルスや2着のアサマノイタズラなどはそのあと不振となり、ボーデンはフレグモーネを発症。戦列復帰しても人気を裏切ることが多かったが、前走の錦Sでは12番人気で1着という、まさかの番狂わせを起こした。

 前走は6番枠からやや出遅れ、そこから最後方に下げ切った。このレースは激流だったが、最後方から内を選択。3~4角で前のカラ馬が動いてくれたので、その内のスペースを拾って中団まで上がって直線へ。序盤で内目のスペースを潰して3列目まで上がり、ラスト1Fでそのまま最内に切り、最後は接戦を制してクビ差で勝利した。

 前走は展開も進路取りもかなり嵌っての好走ではあったが、去勢効果も良かったのか(?)、完全復活を見せつけた一戦だった。今回は休養明け好走後の一戦でダメージが出る危険性はある。しかし、ボーデンの能力の天井次第では突破できる条件である。3歳春の活躍ぶりから、そういう馬であっても不思議ないので、ここは警戒した。

△ (2)アルナシーム

 デビュー2戦目の東京スポーツ杯2歳Sでは掛かって制御不能となる、衝撃的な大暴走をした馬で、その気性から芝1600mを使われることもあった。ただ、マイルではややスピード不足。これまでの5勝中4勝を芝1800mで挙げており、前々走の都大路S(芝1800m)では自己最高指数を記録している。

 都大路Sは4番枠からやや出遅れたが、押して最内から中団まで挽回し、道中は1番人気のダノンティンパニーを見ながら進めた。3~4角でもそのまま我慢し、4角で同馬が外へ行くのを待って最内を狙った。ただ、前のダノンティンパニーの手応えが悪く(この後に競走中止)仕掛けが遅れ、その間に早々と先頭に立ったセオに差を広げられた。直線序盤では2馬身差の2番手。ラスト1Fで差を詰めたが1馬身1/4差までだった。

 このレースは前後半4F47秒6-45秒0とかなりのスローペース。後半勝負となったが、ラスト1Fではしっかり差を詰めている。前有利の展開で出遅れたことが致命的ではあったが、折り合いがつくようになってからは後半型の競馬にも対応できている。

 15番枠だった前走のエプソムCでは(3)セルバーグの逃げでレースが流れたなか、中団の外から3番手まで押し上げたため、最後の直線では伸び切れずに5着に敗れた。それでも3着からはアタマ+アタマ差で悪い内容ではなかった。ただし、今回は2番枠。フラットな馬場状態ならば枠の優位性が活かせるが、外差し馬場ということもあり評価を下げた。

△ (8)タガノパッション

 4走前の小倉芝2000m戦、愛知杯では2着馬。4走前は3番枠からやや出遅れ、そこから押して行ったがペースが速くてあまり進まず、下がって後方からの追走。1~2角で最内を通しロスなく進めて脚を温存して、向正面でペースが落ちると、徐々に中団まで取り付いていった。3~4角で苦しくなり下がってくる馬をかわして、4角で中目に誘導し、コスタボニータの後ろから直線へ。序盤の伸びはやや地味だが、食らいついて4番手に上がる。ラスト1Fでしぶとく伸びて早めに抜け出したミッキーゴージャスに半馬身差まで迫った。

 前記の愛知杯は逃げ馬がぶっ飛ばして、前後半5F57秒4-60秒5とかなりのハイペース。タガノパッションは開幕日の内枠で位置を取りに行かずに、1~4角の全てで内目を立ち回れていた。また前半で脚を温存したことで展開に恵まれ、また3角までにコスタボニータの後ろまで持っていったことでその後の進路取りもスムーズだった。

 3走前の中山牝馬Sはコンクシェルが逃げ切る前有利の展開を1番枠から中団内目を追走していたが、向正面で内の馬が下がってきた影響で後方に下がり、4角でも仕掛けを待たされて能力を出し切れず6着敗退。

 前々走の福島牝馬Sは11番枠から出遅れて、ここも後方からの追走となったが、向正面でペースが落ち着いたところで、外から動いて行ったが、捲り失敗で3、4角と大外を回らされる形になった。

 前走のマーメイドSは超高速馬場の緩みない流れをやや出遅れて、道中で中団外から押し上げていく競馬で苦しくなって15着に失速した。好位が取れるスピードがない馬だけに、スローペースや超高速馬場では苦戦の傾向だが、今回は時計の掛かる馬場。愛知杯同様に逃げ馬が飛ばしてくれればチャンスがある。

推定3番人気 (7)エルトンバローズ

 昨夏のラジオNIKKEI賞を勝利、休養明けで挑んだ毎日王冠では大接戦を制して4連勝した馬。毎日王冠は6番枠から五分のスタートを決めて、好位の最内を追走。道中は前のエエヤンが外に行ったので、スペースを作って3列目。3~4角で最内から徐々に2列目まで上がり、直線序盤では先頭のウインカーネリアンの直後まで上がるも進路がなくなってしまった。しかし、その外から窮屈な間を割って伸びると、ラスト2Fで先頭列に。ラスト1Fで外から強襲されたがハナ差で制した。

 このレースは開幕週の馬場を最短距離で立ち回っての優勝だったが、当時倒した相手は2022、23年安田記念で上位のソングライン、シュネルマイスターで、その価値は高い。続くマイルCSでは毎日王冠で激走した疲れが懸念されたが、先行争い激化で差し追込馬が有利だった流れのなか、上位のナミュールやソウルラッシュよりも前で進めて0.2秒差の4着に善戦した。ここで大崩れしなかったことは、地力強化がうかがえた。

 しかし、4歳になってからは不振で、3走前の中山記念で7着、前走の安田記念でも8着と、いずれも出遅れて敗れている。トップスピードがそれほど速くなく、未勝利勝ち以降はメンバー最速の上がり3Fを記録したことがない。先行してこそのタイプだけに出遅れは致命的だ。前走から1F長くなるのは好ましいが、この中間の追い切りを見ても良かったころの迫力がないように感じる。ここは評価を下げたい。

小倉大賞典の2着馬 (14)ロングラン

 3走前のディセンバーS勝ちや前々走の小倉大賞典2着など、芝1800mでは【3-1-0-3】の実績を持つ。一方、芝2000mでは【0-0-0-5】と極端。芝2000mでは、前走の福島民報杯のようにペースが上がらないことが多かったが、同様のペースだったディセンバーSは出遅れて後方2番手追走になりながらも、4角大外から直線一気で勝利したことからベストは芝1800m。この距離なら様々な展開に対応できそうだ。

 さらにいえば、小倉大賞典のような緩みない流れの芝1800m戦が理想だろう。同レースは11番枠からやや出遅れたが、無理をさせずに中団やや後方で進めながら内目に入れ、道中は後方内目を追走。3~4角では中団中目のスペースを拾って4角で外に誘導しながら仕掛けて直線へ。直線序盤で中団列まで上がると、ラスト1Fでグンと伸びて最後は2着争いを半馬身差で制した。

 展開に恵まれていながら(6)エピファニーには完敗だったが、その前走で自己最高指数を記録したことによる疲れもあったのだろう。今回も小倉大賞典同様、(3)セルバーグのレースメイクが予想され、再び恵まれる可能性が高い。しかし、休養明けの馬はスタミナに不安があるので、スタミナ比べのレースになると最後に甘さを見せる場合が多い。その点で小倉大賞典の上位の差し馬たちと比較した場合に見劣る。

2024年 7/20(土)メインRの予想

こんにちは! 本日は重賞がないので、締め切り時刻が早い順に掲載していきます。また本日はメインRのみの予想提供となっております。

本日3番 札幌11R TVh賞 芝1200m
 ◎ (10)アドヴァイス
 ○ (1)ブッシュガーデン
 ▲ (6)ジャスティンエース
 △ (3)トーセンサンダー
 △ (5)ドーバーホーク
 △ (8)オウバイトウリ
 △ (9)ドナベティ
 △ (11)オードゥメール
 △ (12)サトノグレイト
 △ (14)ラキエータ
 △ (15)マイネルレノン
結論 馬連10-1,6,3,5,8,9,11,12,14,15 (10:8:4:4:4:4:4:4:4:4) 複勝10 (50)

PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にエイシンフェンサー(-16.7pt)、オードゥメール、マイネルレノン(ともに-16.0pt)、ドーバーホーク(-15.0pt)、サトノグレイト(-14.7pt)。能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っています。

◎ (10)アドヴァイス

 1勝クラスの医王寺特別と2勝クラスを逃げて連勝したことがある馬。当時の連勝劇の前走でも逃げる競馬ができていたように、前に行ける競馬ができていることが調子の良さを示す馬だ。

 前走のUHB杯は4番枠からまずまずのスタート。外のマメコの方がゲートも二の脚も速かったが、かなり押してハナを主張。そのままペースを落とさずに逃げて3馬身差のリードで直線へ。3~4角では2番手のマメコに詰め寄られ、1馬身半差のリードで直線へ。ラスト1Fでもしぶとく踏ん張っていたが、残り100m付近でマメコらにかわされ、3着戦線の4着に敗れた。

 前走は函館芝1200mで前後半3F33秒6-35秒2のかなりのハイペース。逃げ馬にはかなり厳しい展開だったが、現在2番人気の差し馬(5)ドーバーホークにクビ差と好走している。前走は何が何でもというスタンスで逃げたが、もともとは2列目でもやれる馬である。

 今回は札幌の開幕日で前走時よりも逃げ、先行型が手薄。今回のメンバーならば逃げることも可能だが、鞍上が岩田康騎手だけに内の馬に行かせてその2列目でペースを落ち着かせる作戦を取ってくる可能性もある。

 休養明けの前走が馬体重18kg増ながら太目感がなかったことから、叩かれての上積みは「?」。ここに迷いがあって予想の更新が遅れてしまったが、最終的にやはり展開に恵まれる可能性の高いアドヴァイスを本命馬とした。
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小倉11R テレQ杯 芝2000m
 ◎ (2)ラスマドレス
 ○ (12)ヴェローナシチー
 ▲ (4)セブンマジシャン
 注 (5)グランデサラス
 △ (1)マテンロウアレス
 △ (10)シェイクユアハート
 △ (11)ナムラカミカゼ
結論 馬連2-12,4,5,1,10,11 (13:12:10:5:5:5) 複勝2 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にシェイクユアハート、ヴェローナシチー(ともに-16.7pt)、セブンマジシャン、グランデサラス(ともに-16.0pt)、マイネルメモリー(-14.7pt)。能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っています。

◎ (2)ラスマドレス

 4走前の衣笠特別では、先々週の五稜郭S(3勝クラス)を勝利したキミノナハマリアに2馬身半差で勝利し、3勝クラスでも通用する指数を記録した馬。

 4走前は8番枠から五分のスタートを切り、無理をさせずに後方2列目の外を追走。道中でもコントロールして2列目の外目を維持。3~4角ではじわっと押し上げて4角で外に誘導。直線序盤で一気に2列目付近に上がり、ラスト1Fで突き抜けて2馬身半差で完勝した。

 前記のレースでは前後半5F62秒1-57秒1のかなりのスローペースだったが、抜群の瞬発力を見せて、メンバー最速の上がり3Fタイムで勝利した。このようにラスマドレスは、能力を出し切ると素晴らしい瞬発力を見せる馬である。

 その後は出遅れて絶望的な位置からレースを進めたり、前が極端に有利な展開になったりしたこともあり、本来の能力を出し切れていないが、今回は叩かれて体調面の良化が見込める。もともとこのクラスでも通用する能力があるだけに、外差し有利の馬場のここは期待する。
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福島11R TUF杯 ダ1150m
 ◎ (5)ダテボレアス
 ○ (16)ルクルト
 ▲ (11)ミラバーグマン
 △ (1)エスカル
 △ (3)メイショウイジゲン
 △ (7)サザンエルフ
 △ (8)イルクオーレ
 △ (10)マーブルマカロン
 △ (14)エレガントムーン
結論 馬連5-16,11,1,3,7,8,10,14 (10:10:5:5:5:5:5:5) 複勝5 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にサザンエルフ(-20.0pt)、ミラバーグマン(-19.0pt)、マーブルマカロン、ルクルト(ともに-18.3pt)、エスカル(-18.0pt)。能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っています。

◎ (5)ダテボレアス

 デビューからしばらく芝を使われていたが、6走前の初ダート戦で6着になると、近走はダートに路線転向し、ダート2戦目となる4走前の冬至特別では2着と好走した。

 4走前は8番枠からまずまずのスタートだったが、5走前の芝1200mでかなり押して逃げていたこともあり、行きっぷり良く、先行争いに加わっていった。枠なりでキングクーが先頭、プリティインピンクが2番手だったが、その外からプリティインピンクに並びかけ、前2頭にプレッシャーをかけていく。3~4角では2頭分外から馬なりで上がって直線序盤で先頭。ラスト1Fで内からワールズコライドに抜け出されて1馬身半差の2着となった。

 4走前は前後半3F33秒5-37秒3の激流。先行馬に厳しい流れを押し切ったことは評価できる。続く前々走の1勝クラスでも逃げ馬の外2番手を追走し、ラスト1Fで抜け出して勝利。このようにダテボレアスは芝時代からすんなり逃げ、先行できると好走、できなければ凡走するタイプ。近2走はダートスタートで先行できず、揉まれてしまったので度外視できる。

 一転して今回は、3~4走前と同じく芝スタートで逃げ、先行型が手薄なメンバー構成。スムーズに前に行っての巻き返しを期待する。

2024年 マーキュリーCの予想

■メイショウフンジンの三度目の正直はあるか?

 一昨年のマーキュリーCで7着、昨年は3着の(1)メイショウフンジンが1番人気に支持されている。一昨年は序盤からかなり押してノーヴァレンダのハナを叩いて逃げたが、向正面でテリオスベルが捲ってペースアップし、差し馬が台頭する展開となって7着敗退。

 また、昨年は一昨年の反省を踏まえて向上面でテリオスベルにハナを譲って2番手に控えたが、結果、最後までテリオスベルをかわせず、外から一気にウィルソンテソーロに差されて3着敗退。昨年は前日まで雨が降り続いた影響で前有利の馬場だった。

 今回はテリオスベル不在。今度こそ逃げ切りが期待されるが、本日は差しも利く馬場。ブリリアントS時のように上手く逃げられるか、あるいは前走の平安S時のように他を行かせて2番手で折り合ってもいいが、いかにペースを上げずに、かつ捲られずに行けるかが焦点となる。

 好走幅が案外と狭かったりするのだが…このラインより上のエリアが無料で表示されます。

盛岡12R マーキュリーC ダ2000m
 ◎ (9)クラウンプライド
 ○ (11)ギガキング
 ▲ (3)テンカハル
 注 (1)メイショウフンジン
 △ (7)アラジンバローズ
 △ (8)ケイアイパープル
 △ (6)スワーヴアラミス
結論 馬複9-11,3,1,7,8,6 (12:12:12:6:6:2) 複勝9 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (9)クラウンプライド

 一昨年のチャンピオンズCの2着馬。同レースでは10番枠から五分のスタート。そこからコントロールして外のレッドソルダードを行かせて、その外2番手を追走。道中もペースが上がらない中で、コントロールしながら2番手を維持。3~4角で楽にレッドソルダードに並びかけて、4角出口で先頭に立った。直線序盤ですっと1馬身差のリード。ラスト1Fで迫るテーオーケインズを振り切ったが、外から捌いて上がったジュンライトボルトに最後は突っ込まれ、クビ差で惜敗した。

 初めてのGⅠ制覇となった、4走前のコリアCでもコントロールしながら2番手を追走していたが、かなりペースが遅く、我慢できずに向上面で早々と先頭に立っての大差勝ちだった。このようにクラウンプライドは大半のレースでコントロールして2列目で進めており、スピードがある。

 昨年のチャンピオンズCはコリアC優勝後で楽をさせた影響もあり、大幅馬体増で出走。ここでは11着に大敗したが、前々走のサウジCでは9着に善戦。前々走は馬群から離れた後方1,2番手で進めたセニョールバスカドールとウシュバテソーロがワン、ツーを決めたように、前半から先行争いが激化し、かなりの激流。序盤から2列目の好位馬群が広がっていく展開の中目を追走していたが、さすがに苦しくなった。それでもレモンポップに先着したのは大したものだ。

 前走のかしわ記念は水の浮く馬場で逃げ馬が圧倒的に有利な日。いつものように2列目の最内を狙って行ったが、前々走の激戦の疲れからか、いつものような前進気勢がなく、1角で外のペプチドナイルに進路をカットされる不利もあり、12着に大敗した。今回はそこから立て直されての一戦。この中間の動きは良く、巻き返してこられる可能性が高い。本来の調子を取り戻せればここは勝ち負けになるだろう。

○ (11)ギガキング

 3走前の京浜盃マイラーズCで地方重賞5勝目を挙げた馬。3走前は9番枠から五分のスタートを切ってじわっと先行、前の3頭からやや離れた好位の外目を追走した。3~4角で前2頭が後続を引き離しにかかったが、ここで一気に仕掛けて3番手に上がる。そのまま4角出口で外に誘導すると、ラスト1Fでは2番手。ラスト1Fで甘くなったアランバローズをかわし、外から迫る(7)ナニハサテオキに差を詰めさせることなく、3馬身差で完勝した。

 ギガキングは長くいい脚が使える馬。4走前の報知グランプリC時のように、中距離で前半から位置を取りに行くと甘くなる面があるが、前々走のように3~4角から進出していく競馬はベストオブベスト。前走のかしわ記念は11番枠で前と内が有利な馬場に泣く形になったが、前半で脚をタメられれば、この距離、相手強化のここでも2着、3着があっても不思議ない。

▲ (3)テンカハル

 昨年の東京ダ2100m戦、ブラジルCの勝ち馬。同レースでは10番枠からやや出遅れ、そこから押して後方中目。道中は淡々と流れて縦長の隊列が形成されていったが、中団馬群の単独後方を追走した。3~4角では中団の内のスペースを拾ってじわじわ進出し、直線序盤でするすると外に誘導しながら伸び、ラスト2Fでは一気に2番手上がった。そのままラスト1Fで先頭のロードヴァレンチを捉え、ダンンラスターの追撃も振り切って1馬身1/4差で完勝した。

 テンカハルがブラジルCで記録した指数は重賞で勝ち負けできるもの。矢作厩舎は休養明けから仕上げない厩舎。この馬も長期休養明けの芝の1勝クラスで2番人気に支持されながらも13着に大敗した経緯がある(次走で変わり身を見せて勝利)。休養後の近2走は(1)メイショウフンジンに向く、前有利の展開になったことも災いし、9着、13着と大敗しているが、休養明け3戦目の今回で変わり身を期待したい。


注 (1)メイショウフンジン

 前走の平安Sの3着馬。前走は12番枠から五分のスタート。そこから押して進めていたが、内のミトノオーが速く、外枠なので2番手で折り合うことを選択。向正面でミトノオーがペースを落とすと、そこで息を入れて3角へ。3~4角でもミトノオーの外2番手で仕掛けを待ち、4角で同馬が仕掛けると食らいついて2番手で直線へ。序盤で1馬身3/4差までリードを広げられたが、ラスト1Fでミトノオーがやや甘くなり、そこをじわじわ差を詰める。最後にハピにも差されたが、上位2頭と半馬身差の3着を死守した。

 前走は2番手に控えたことで、前がやや有利な展開となりミトノオーと共存する形。同型馬が不在だった前々走のブリリアントS同様に展開に恵まれる形となった。今回もハナには行ける可能性が高いが、平安S凡退馬は、昨年のテリオスベルのように好走する馬が多い一方で、平安S好走馬は2022年のケイアイパープルのように、善戦止まりで終わっていることもしばしば。また、今回出走の地方馬たちは前に行きたい馬が多く、そこまで楽なペースでも逃げられないと見てやや評価を下げた。


△ (7)アラジンバローズ

 中央時代はOPで2着1回、3着2回の実績馬。特に昨年のエルムS3着馬ロッシュローブと0.1秒差の昨年1月の門司Sが優秀。同レースでは10番枠からまずまずのスタートを切り、外の逃げ馬を前に行かせて3番手を追走。道中は好位の外で進めていたが、3角でソリタリオが並びかけてきたので抵抗して位置を上げ、4角出口で先頭に立った。直線序盤でも先頭を維持していたが、ラスト1Fでロッシュローブに差されて3/4差の2着となった。

 このレースは高速馬場ではあるが、レースが緩みなく流れており、差し馬有利の展開。また勝利したロッシュローブはラジンバローズをマークで乗られており、3角でアラジンバローズが仕掛けたところを追い駆けたもの。そこを考えるとかなり強い内容だった。

 アラジンバローズはその後、園田に移籍して地方の重賞で1着2回2着1回の実績。勝利しているレースでも2着馬との着差が少なく、中央時代の実績を考えるとやや物足りないが、高速馬場巧者な面も影響しているのだろう。休養明けの前走A1・あじさい賞は出遅れて位置取りが悪くなりすぎた影響もあって7着に崩れたが、ひと叩きされての変わり身を期待したい。


△ (8)ケイアイパープル

 一昨年の平安Sの2着馬。同レースでは3番枠からかなり押して出鞭も入れて2列目の外を追走。向上面でじわっと3番手に上がり、3~4角では2頭分そとから前に並びかけて行った。直線ではしぶとく伸びてラスト2Fでは2番手。ラスト1Fで先頭に立って抜け出しかけたところで外からテーオーケインズに突き抜けられ、2馬身半差の2着となった。

 前記の平安Sはそのあとに帝王賞を連覇する3着馬メイショウハリオに2馬身半差をつけており、指数も高く、とても強い内容だった。

 ケイアイパープルはキックバックが苦手でありながらテンのスピードが速くないという弱点はあるが、追っつけて前に行っても容易にバテないスタミナはある馬。基本的に佐賀、名古屋、金沢は内側の砂厚が深く、場合によってはそこに進路が取れる、言わば裏路線を中心に使われ、そこで活躍してきたが、表路線でも上位争いできる素質はあった。

 昨年の名古屋大賞典でハギノアレグリアスと大接戦を演じた後は、しばらく不振だったが、前々走のプリリアントSでは4着に善戦し、復調気配を見せた。同レースでは好位の外でレースを進めていたが、オシュア騎手への手替わりで、キックバックを食らって何度も口向きが外になる場面があったが、それでもがんばれていた。

 もう8歳で年齢的に二連続好走が難しくなっているが、前走の赤レンガ記念で3着に敗れたことで疲れが抜けたと見て、ここは一考したい。


△ (6)スワーヴアラミス

 2020年のマーチS、2021年のエルムS、そして一昨年の東海Sとダートグレードで3勝の実績がある馬。マーチS、エルムSは先行押し切りだったが、徐々に前に行けなくなり、一昨年11月に南関東に移籍した。

 スワーヴアラミスは南関東移籍初戦に川崎ダ2100mの富士見OPを好位の外から早め先頭の競馬で勝利して以降、勝ち星こそないが、南関東の重賞では後方外から長くいい脚を使って、常に善戦している。そして森騎手に乗り替わった昨年の日本テレビ盃では、富士見OP以来の先行策で3着に善戦した。

 昨年の日本テレビ盃では10番枠から五分のスタートを切って、じわっと2番手に上がって追走。向正面からミトノオーにプレッシャーをかけていき、4角では先頭。直線入口で外からウシュバテソーロに一気に交わされたが、そこからもしぶとく粘って3着を死守した。

 このレースではミトノオー以外にテンが速い馬が出走していなかったというのもあるが、前半3F36秒9で通過しているように、まだまだ相手次第で通用するスピードがある。前記したようにGⅢで3勝の実績があるぶん、ここでは◎(9)クラウンプライドよりも重い斤量58kgも背負わされることになるが、今回は休養明け3戦目。前走の赤レンガ賞では楽に2番手につけられたことから、ここで先行する可能性も視野に入れて少し押さえたい。

2024年 函館記念の予想

■前哨戦の巴賞よりもペースが上がりやすい

 函館開催12日目に行われる函館記念は例年タフな馬場で行われる。函館、札幌は寒冷地対策として欧州と同じ洋芝が使用されており、野芝より耐久性が低い。よって開催が進むほど馬場の傷みが進行し、開幕週と最終週では大きく時計の出方が異なる。

 つまり、函館8日目に行われた巴賞の時よりも馬場がタフで、さらに函館記念が行われる函館芝2000mは発走地点から1角までの距離が200m長くなるために、巴賞よりもペースが上がりやすい。このため巴賞で逃げ、または先行して馬券圏内に食い込んだ馬は、ことごとく馬群に沈む傾向があるのだが、さて、今年はどうなるか。

本日1番 函館11R 函館記念 芝1200m
 ◎ (16)マイネルクリソーラ
 ○ (2)オニャンコポン
 ▲ (13)デビットバローズ
 △ (4)グランディア
 △ (8)プラチナトレジャー
 △ (1)サヴォーナ
 △ (3)エンパイアウエスト
 △ (7)エミュー
結論 馬連16-2,13,4,8,1,3,7 (10:10:8:8:6:5:3) 複勝16 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (16)マイネルクリソーラ

 昨年の函館2勝クラス・洞爺湖特別を勝利。その後、札幌で3勝クラス・WASJ第2戦を勝利したように洋芝に高い適性を示す馬。その後さらに力をつけて、リステッドのアンドロメダSで2着と好走した。

 このレースでは、2番枠からまずまずのスタートで、促しながらコントロールし、コーナーワークで3列目の最内を確保。道中も好位の最内で進めていたが徐々に位置が下がって3角では先頭から離された中団の最内。3~4角で再び3列目の最内まで上がって直線へ。序盤で最内から一瞬で抜け出し2番手に上がると、ラスト1Fで先頭に立ったが、そこを外からディープモンスターに差されて1馬身半差の2着だった。

 本馬はコーナリングが上手く、小回りコースが得意。これを最大限に生かすなら内枠が欲しかったが、今回はよりによって大外16番枠。ただ、3走前の中山金杯では15番枠からかなり押しての先行策で、終始外々を回り、4角で外に弾かれるロスもありながら3着に好走しており、外枠でもそこまで悪くない。当時の中山芝は内より外が有利の馬場ではあったが、今の函館も内の芝が傷みだし、現在は中目が有利。ペースが上がれば外からでも届くようになっている。

 前々走の中山記念は出遅れて5着。明確に出遅れたことで、後方2列目の外で脚をためる競馬に徹し、ハイペースに巻き込まれなかったという加点材料ありの5着ではあるが、ベストではなかった。また休養明けの前走、新潟大賞典では中団中目でレースを進めていたが、ペースが上がった4角でゴチャついてポジションが下がるロスがあっての7着。近2走は敗因がしっかりしている。今回は得意の洋芝2000mで、外からの一発を期待したい。

○ (2)オニャンコポン

 前々走のOP・メイSの2着馬。11番枠からまずまずのスタートで、楽に2番手を確保した。道中はかなりのスローペースで特に動きのないまま3角へ。3~4角でもそのまま逃げるシルトホルンについて行き、4角では3/4差。直線序盤で追われたがその差は詰まらない。ラスト2Fでも食らいついて3/4差。ラスト1Fで同馬を何とか捉えたが、そこをプレサージュリフトに差されて惜敗。アタマ差の2着だった。

 オニャンコポンは初めての芝1600m戦となった昨年の京都金杯で0.3秒差6着に善戦したことがキッカケでマイル路線を歩み始めたが、このレースは前崩れの展開を中団やや後方から3~4角の最内を立ち回ったもの。マイル戦では先行できず、中団で進めても鋭く伸びずで、その後も好走したのはかなりタフな馬場で前が崩れた昨年の六甲Sのみ。マイル戦では明確に距離不足で、芝1800mから皐月賞で0.4秒差6着の実績がある芝2000mくらいがベストと言える。

 その1800m戦である前走の巴賞では、2着の(13)デビットバローズとハナ+クビ差の4着とやや物足りない内容ではあったが、14番枠からやや出遅れて、向正面でアケルナルスターを追いかけ中団外から進出し、4角で前の同馬が壁になって仕掛けきれずに4角で大外をぶん回すロスがあった。しかし、巴賞は前目内目が有利な展開だったことを考えると悪くない。

 また前走は前々走で自己最高指数を記録した疲れもあったと推測されるだけに、ここで前進が期待できる。また、今回は2番枠内目の枠だが、この距離で今回のメンバーならば好位か、その直後で立ち回れるはず。その位置ならば最後の直線で中目に出して行けると見ている。

▲ (13)デビットバローズ

 時計の掛かる京都芝2000mで行われた今年1月の寿S(3勝クラス)では、休養明けながら2番手から最後まで伸び続けて勝利して、地力強化を証明。続くリステッドの大阪城Sでも2着に好走した。

 大阪城Sでは9番枠から好スタートを切り、2列目の外を追走。中目からハナを主張したショウナンマグマに内と外から抵抗する馬がいて序盤のペースが速くなり、ここで3列目に下げた。

 道中はペースが落ち着き、4番手で3角に入ると、3~4角で再び2列目付近まで位置を上げて直線へ。序盤でしぶとく伸びて先頭列に並びかけ、ラスト1Fで抜け出したステラヴェローチェにアタマ差まで迫った。ここでは3着馬に2馬身差を付けており、ハンデ重賞なら通用レベルの指数を記録した。

 前走の巴賞では12番枠から出遅れたが、そこから二の脚ですっと先行し2列目の外を追走。道中は逃げる(12)ホウオウビスケッツをマークしながら進め、2列目の2頭分外から3角へ。4角でも2頭分外からじわっと仕掛けたが、ホウオウビスケッツに出し抜かれ2馬身差で直線へ。序盤では2馬身半差まで広げられたが、そこから踏ん張りハナ差で2着争いを制した。

 巴賞は前と内が有利な展開を、出遅れを挽回して先行する形。3~4角でロスもあったが、それでも2着を死守したあたりに近走の充実ぶりを感じさせる。前走は上がらないペースを意識して早めに仕掛けたことで最後の直線で甘さを見せてしまったが、もっと上手く脚をためて行けばチャンスがある。

△ (4)グランディア

 きょうだいにディアデラマドレ、ドレッドノータス他、重賞で活躍した馬がズラリと揃う良血馬で早くから期待の高かった馬。出世するのにやや時間が掛かったが、今年初戦のスピカS(3勝クラス)を休養明けで勝利すると、前走のエプソムCでは大接戦の3着争いで微差の6着に健闘した。

 前走は16番枠から出遅れたが、無理をさせずに、じわっと中団の外目につける形。そこから中目に誘導しながら前のスペースを維持した状況で3角へ。3~4角でもそのスペースを埋めず、直線序盤で詰めて前のニシノスーベニアの外からラスト2Fでレーベンスティールの後ろから同馬を追うだけ。ラスト1Fに迫り3着争いに加わったがアタマ差+アタマ差+ハナ差で6着に敗れた。

 前走は緩みない流れ。馬群の中目から詰まることなく、上手く乗られていたが、休養明けの前々走で好走した後の一戦で、疲れが出て凡退しても不思議ない状況下で健闘した辺りに地力強化が窺える。

△ (8)プラチナトレジャー

 前々走のOP・福島民報杯の3着馬。前々走は13番枠から五分のスタートを切り、じわっと促されて中団中目を追走。道中は前の馬とのスペースはあったが、向上面でそのスペースを詰め切っていたために3~4角では包まれてしまう。直線では前がしばらく壁。進路が開いたのは残り150m辺りで、そこから猛追したが、クビ+クビ差の3着に敗れた。

 前走は鞍上が上手く乗っていれば勝っていた可能性が高い内容。とてももったいないレースだった。前走のメイSはかなりのスローペースで前有利の流れ。差し馬のプラチナトレジャーには厳しい展開だった。確かに最後の直線でもっと伸びてきてもいい内容だったが、2番枠だったため序盤で積極的に出し、上がらないペースを意識して、いつもよりも前のポジションを取り過ぎたことも敗因のひとつ。ここは巻き返しを警戒したい。

△ (1)サヴォーナ

 3走前の日経新春杯で、その後の天皇賞(春)2着、宝塚記念で1着のブローザホーンと小差の2着と好走した馬。ここでは13番枠からやや出遅れたが、そこから促して先行策。1角で内に入れて道中は好位の最内を追走した。

 3~4角では逃げるディアスティマの後ろから楽な手応えで最内を通し、4角では進路を作れずにやや窮屈になって仕掛けを待たされたが、直線序盤で進路ができると内からじわじわ先頭のサトノグランツに並びかける。ラスト1Fで同馬をかわして先頭に立ったが、外からブローザホーンに差されて1馬身差の2着だった。

 このレースはタフ馬場でかなりのハイペース。前へ行った馬には厳しい流れで、上位入線馬の中では前半を、もっとも前の位置で進めており一番強い内容だった。これが本馬の自己最高指数を記録したレースである。その後の芝3000m以上のレースでは指数を落としていることや、昨秋の神戸新聞杯(阪神芝2400m)で2列目の最内をスムーズに立ち回り2着に善戦したことから、ベストは芝2400m。芝2000mは距離がやや短い。

 前走の天皇賞(春)は出遅れを挽回して好位を取りに行く競馬で6着に善戦したように、今回のメンバーに入るとスタミナは上位だが、芝3200mを使った後の芝2000mとなると好位が取れず、最内枠の利を生かせない可能性もある。雨が降って時計が掛かり、レースが緩みなく流れた場合には、2022年優勝馬ハヤヤッコのように最内枠から積極的にポジションを取り、長距離で培われたスタミナを生かせる可能性もあるが、良馬場では捲り気味に上がって行かないと厳しい。しかし、これまでも何度かそういうレースをしているので警戒した。

△ (3)エンパイアウエスト

 芝2000mを中心に使われ、目下2連勝。前々走の野島崎特別(2勝クラス)は、8番枠から好スタートを切って、そこから促されて中団の外を確保。1~2角でじわっと3番手まで上がり、道中も前2頭を見ながら進めた。3~4角のペースアップに離されずについて行き、3番手の外から直線へ。そこからしぶとく伸び続けて、ラスト1Fで抜け出したシランケドをゴール寸前でしっかり差し切ってクビ差で勝利した。

 このレースでは3着馬に3馬身半差、2着馬のシランケドは次走で3勝クラスを勝利しているように、2勝クラスとしてはレベルが高く、3勝クラスでも通用レベルの指数を記録。すると前走のパールS(3勝クラス)でも2番手から抜け出して勝利した。前走は後続にクビ差、アタマ差と迫られたように、前々走比で指数を下げたが、休養明けの前々走で好走した疲れもあったのだろう。ここはハンデが最軽量の53kgで、自己最高指数の走りに期待したい。

推定2番人気 (12)ホウオウアマゾン

 前哨戦の巴賞(函館芝1800m)を勝利した馬。同レースでは9番枠からまずまずのスタート。二の脚の速さですっと内に切れ込みながらハナを主張し、主導権を握った。2角過ぎでじわっとペースを落として息を入れ、3~4角で徐々にペースを引き上げる。4角で追われて2馬身、直線序盤では3馬身とリードを広げた。ラスト1Fではやや甘くなったが、それでも2馬身差の完勝だった。

 マイル戦の東京新聞杯、東風Sでは逃げられず、追走にやや苦労している面もあったが、巴賞では休養明けながら、スムーズに先手を取って、ややスローペースに持ち込んでの逃げ切り勝ち。自己最高指数を記録した。今回はその疲れが懸念されるところではある。

 また、今回は函館芝2000mに変わる。4走前、中日新聞杯の敗因はスタミナ不足となる長期休養明けで、前半3F34秒7と序盤のペースが速くなったもの。芝2000mでも問題ないと見ているが、函館芝1800mよりも発走地点から1角までの距離が200m長い475mに変わることで、前半3Fが速くなる点がネックだ。

 2015年の巴賞を前半3F36秒0で逃げ切ったマイネルミラノは、函館記念で前半3F34秒9のペースで逃げて8着に失速。2020年の巴賞を前半3F36秒9で逃げ切ったトーラスジェミニは、函館記念で前半3F35秒3のペースで逃げて4着に敗れている。ましてや、開催後半の函館記念は、巴賞時よりも馬場がタフである。

 しかし、ホウオウビスケッツは3走前の東京新聞杯で、外の2頭が前を主張するとすんなり引いて4番手最内の絶好位で進めて1馬身+クビ差の3着に善戦しているように、ハナにこだわるタイプではない。ここで逃げずに前走と同じか、それより遅い前半3Fで行ければチャンスがある。ただ、休養明け好走後の一戦であることを考えると強くは推せない。

推定3番人気 (10)トップナイフ

 昨年の札幌記念2着馬。10番枠から出遅れて最後方だったが、そこから内に切り込んで中団の最内を確保した。1~2角のコーナーワークで前のスペースを拾い、単独4番手だったジャックドールの後方スペースを維持して追走。3角手前で外に行く同馬の内からスペースを潰しながら押し上げ、3~4角の最内からワープするように4角で半馬身差のリードを奪って先頭に。ラスト1Fで外からプログノーシスが突き抜けて4馬身離されたが、2着は死守した。

 このレースは3角で各馬が馬場の良い外に出して行くのに対して、トップナイフは最内を選択。一見、これがハマったようにも見える。しかし、後ろからダノンベルーガとラーグルフが最内を追走しており、そのダノンベルーガは直線でトップナイフとの差を殆ど詰められていない。ラーグルフも最内から押し上げ、直線で中目に出したが伸びあぐねていた。このことから内より外のほうが伸びる馬場だったことが分かる。

 ただ、逃げたユニコーンライオンが最下位15着に敗れ、前3頭から離れた4番手を追走した1番人気のジャックドールも6着に敗れた。レースとしては、ややタフな馬場でオーバーペースであり、前半で脚を使った馬は最後の直線でどこを通っても苦しい展開だった。つまり、出遅れたトップナイフは馬場の悪化した内を走ってはいるが、展開上は恵まれていたことになる。

 本馬は2022年のホープフルS以降、派手に出遅れることが多くなり、前走の菊花賞でも1番枠から出遅れて最後方からだった。スタンド前で顕著にペースが緩んだところから、進出を開始したが、最後の直線序盤では手応えを失って14着に完敗。出遅れたのもあるが、これは距離によるものが主な敗因だろう。
 
今回は札幌記念と同じ洋芝の芝2000mが舞台。2歳時に札幌の中距離で活躍していたように洋芝適性が高い馬ではあるが、今回は長期休養明け。この中間の動きも悪くはないが目立つほどでもなかった。休ませたことで出遅れ癖が解消される可能性もあるが、ここも出遅れると仮定するならば、内が開く馬場ではない今の函館では厳しいだろう。

2024年 函館記念以外のメインR以降の予想

このあと函館12Rの予想も出します。それが本日1番となりますm(__)m。

本日4番 小倉11R 佐世保S 芝1200m
 ◎ (13)タツダイヤモンド
 ○ (8)フロムダスク
 ▲ (2)アドマイヤラヴィ
 注 (6)プロスペリダード
 △ (7)ヒルノローザンヌ
 △ (3)ハギノメーテル
 △ (10)アスクビギンアゲン
 △ (11)スタードラマー
 △ (14)ビアイ
 △ (17)サウンドブライアン
結論 馬連13-8,2,6,7,3,10,11,14,17 (10:10:10:5:3:3:3:3:3) 複勝13 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にタツダイヤモンド(-18.3)、アドマイヤラヴィ、プロスペリダード(ともに-14.7pt)、ハギノモーリス、フロムダスク(ともに-14.0pt)。能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っています。

◎ (13)タツダイヤモンド

 ここでは能力値1位。前々走のライスシャワーCで0.4秒差(4着)に健闘するなど、短距離の差し馬らしく、安定した走りを見せている。前々走は1番枠から五分のスタートを切り、そのまま無理なく中団馬群のやや後方最内を追走。3~4角でも中団の内目。そこで包まれて直線序盤で進路がなかったが、ラスト1Fで中目を捌いて伸び、2着接戦の4着に浮上した。

 前々走は2着馬とハナ+クビ差の3着。前走は最後の直線での進路取りがスムーズならば2着はあったレース内容だった。また3歳時は小倉芝1200mの重馬場の未勝利戦を勝利し、次走はタフな馬場だった新潟芝1200mのゆきつばき賞を勝利しているように、不良馬場でも対応できる下地がある。前々走は内枠で上手く動いて行けなかったので、13番枠から自由に進出して行ける点も好ましい。
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本日2番 福島11R 福島テレビOP 芝1200m
 ◎ (14)サンライズオネスト
 ○ (7)トーセンローリエ
 ▲ (11)ブーケファロス
 △ (8)ロードベイリーフ
 △ (13)スリーパーダ
 △ (6)フレッチア
 △ (9)バンデルオーラ
 △ (10)エナジーグラン
 △ (15)アビッグチア
結論 馬連14-7,11,8,13,6,9,10,15 (15:15:4:4:3:3:3:3) 複勝14 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にエターナルタイム(-18.3)、フレッチア(-17.0pt)、サンライズオネスト(-16.7pt)、フレッチア(-17.0pt)、トーセンローリエ、バンデルオーラ、ブーケファロス(ともに-15.3pt)。能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っています。

◎ (14)サンライズオネスト

 昨年のモルガナイトSでクビ差の2着を始め、福島芝1200mでは好走実績多数の馬。昨年のモルガナイトSでは8番枠から好スタートを切り、内からハナを主張したヴィズサクセスにプレッシャーをかけていく形。このため前半からペースが上がったが、3~4角でもヴィズサクセスと3/4差と離されないようについて行った。直線ではじわじわ差を広げられたが、ゴール寸前でクビ差まで迫った。

 サンライズオネストは休養明けの前々走のモルガナイトSでも前と内が有利な馬場&展開を、10番枠から出遅れて中団からよく追い込み、3着に善戦したように力はある。前走はその疲れも残って最後の直線で伸びあぐねたが、得意の福島で巻き返しが期待できる。今回も14番枠と外枠だが、福島芝も最終日となり内が悪化し、中目が伸びているという点で好ましい。本日の雨予報どおりにひと雨降れば、より外が有利になるだろう。
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本日1番 函館12R 湯の川温泉特別 芝1200m
 ◎ (6)リジル
 ○ (1)ヤマニンアストロン
 ▲ (7)アンビバレント
 注 (12)ワイアウ
 △ (3)ゴキゲンサン
 △ (9)カイカノキセキ
 △ (10)タイセイフェスタ
結論 馬連6-1,7,12,3,9,10 (15:10:10:5:5:5) 複勝6 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にゴルトリッチ(-12.3pt)、アップストローク(-11.0pt)、リジル、ワイアウ(ともに-10.0pt)、トリップトゥムーン(-9.7pt)。能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っています。

◎ (6)リジル

 デビューから前々走までの5戦はダート。なかなかの強敵とぶつかっても正攻法の競馬で大きく崩れず、前々走の1勝クラスでは古馬2勝クラスでも上位争いとなる好指数で勝利した。前走は初芝の一戦ながら、リステッドの橘Sで3着と芝適性も見せた。

 前走は3番枠から好スタートを切って、外の2頭に行かせて2列目の最内を追走。3~4角で逃げ馬が仕掛けて後続を引き離し、ここでガロンヌが外から逃げ馬を追い駆けていったが、リジルはやり過ごして3列目付近で直線へ。序盤で追われるとしぶとく伸び続け、ラスト1Fで逃げ馬をかわして3着となった。

 今回は芝2戦目で慣れも見込め、先行型も手薄。ある程前で立ち回れる優位性を活かして、馬券圏内突入を狙う。

2024年 函館2歳Sの予想

本日は所用で函館2歳Sしか予想が出せませんので、日数消化せず、無料とさせて頂きますm(__)m。

■エンドレスサマーに上昇度があるかが鍵

 今年の函館新馬戦では最高指数を記録したのは(1)エンドレスサマーで、ここでも指数NO.1となる。しかし、新馬戦で強い走りをした馬は特に疲れが残りやすい点は注意で、毎年のように新馬戦で強い勝ち方をした馬がそのあとの疲労から故障がちとなり、結果、早熟馬になってしまうという構図がある。

 前走の新馬戦では余力残しの勝利だったなら、重賞のここもあっさり突破するだろう。しかし、余力がなかったら馬群に沈んでしまうはず。函館2歳Sはこの馬の疲労度を見抜くことが最大のカギとなりそうだ。

函館11R 函館2歳S 芝2000m
 ◎ (2)チギリ
 ○ (14)ヤンキーバローズ
 ▲ (10)エンドレスサマー
 注 (7)サトノカルナバル
 △ (3)リリーフィールド
 △ (5)ニシノラヴァンダ
 △ (6)モズナナスター
 △ (10)カルプスペルシュ
 △ (12)オカメノコイ
馬連 2-14,10,7,3,5,6,10,12 (10:10:10:4:4:4:4:4) 複勝2 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (2)チギリ

 デビュー2戦目の未勝利戦を好指数で勝利した馬。同レースでは大外5番枠から好スタートを切って、逃げ馬の外2番手を追走。4角で自然と逃げ馬に並びかけ、直線序盤で早々と先頭。直線は内にモタれるのを修正しながら、そのまま押し切って1馬身3/4差で勝利した。このレースは2着のドゥアムールに1馬身3/4差だが、3着馬にはさらに4馬身差をつけている。

 新馬戦はスタート直後のダッシュがあまりつかず、そこから何とか前に離されず4番手を追走。4角の手応えからは届きそうにもなかったが、最速の上がり3Fタイムで追い込み、2着に浮上する好内容だった。

 デビュー2戦目の前走ではグンと行きっぷりが良化。昨年のこのレースで6番人気のナナオが2着に好走したように、早い時期の2歳重賞レースはキャリアを積んだ馬の方が有利となりやすいもの。よって、ここは十分チャンスがありそうだ。

○ (14)ヤンキーバローズ

 前走の新馬戦では大外5番枠からゲート内で首を上げた瞬間のスタートとなり、やや出遅れたがそこから促されて2列目の外を追走。3~4角でじわっと押し上げ、4角で勢いをつけて直線序盤で先頭。内の逃げ馬がしぶとく抵抗してマッチレースとなったが、何とか押し切って1馬身差で勝利した。

 このレースは3着馬には4馬身差をつけており、新馬戦としては悪くない指数での勝利。また、粗削りなレースぶりだっただけに、レースを一度使ったことによる変わり身がありそうだ。

▲ (10)エンドレスサマー

 前走の新馬戦では5番枠から好スタート、好ダッシュでハナを主張し、主導権を握った。スピード任せに逃げているわけではなく、ちゃんと息を入れながら逃げ、ラスト2Fとなる4角でゴーサインが出されると後続を引き離しながら直線へ。序盤で3馬身半差、ラスト1Fでさらにリードを広げて5馬身差で圧勝した。

 走破タイムの1分9秒4はなかなか優秀。1クラス上で通用する指数を記録しての勝利だった。これは今年の函館新馬戦では最高指数。前走は優秀だが、新馬戦で強い走りをした馬は特に疲れが残りやすいもの。毎年のように新馬戦で強い勝ち方をした馬がそのあとの疲労から故障がちとなり、結果、早熟馬になってしまうという構図がある。

 前走が余力残しの勝利だったなら、ここももあっさり突破するだろう。しかし、余力がなかったら馬群に沈んでしまうはず。この中間の追い切りは、逃げられない場合も想定しての併せ馬だったが、コントロールしながらも併走馬を抜かせず、煽る勢いで先着と元気の良さを見せていた。調子は悪くなさそうだが、それでも敗れることがあるのが新馬戦で高指数を記録した馬の怖さ。よって、3番手評価とした。

注 (7)サトノカルナバル

 前走の東京芝1400mの新馬戦では3番枠から好スタートを切ったが、外から前を主張する馬たちを行かせ、控えて折り合う優等生ぶりを見せた。道中は3列目の5番手を追走し、3~4角で外に誘導しながらじわっと上がって直線へ。さらに外に出されるとラスト2Fで先頭に並びかけ、残り300m辺りから抜け出した。抜け出すのが早かった分、最後は止まるかと思われたが、さらに差を広げて7馬身差の圧勝だった。

 芝1400mの走破タイムは1分23秒6。上がり3Fタイムは34秒0、ラスト2Fは11秒1-11秒6と数字面はそこまで優秀というわけではない。このレースは2着以下の馬がやや弱かったようだ。

 ただ早めに抜け出しやや苦しい形になりながら、後続に着差をつけての勝利は評価できる。走破タイムが遅かった点も疲れを残しにくく、今後に向けては良い材料だ。

△ (3)リリーフィールド

 今回が初芝となる馬。函館ダ1000mの新馬戦では、7番枠から五分のスタートだったが、そこからダッシュがついてハナ奪取に成功。3~4角で後続との差を広げ、1馬身差のリードで直線へ。そこからじわじわ引き離して2着(13)オカメノコイに6馬身差、3着馬に11馬身差をつけて圧勝した。

 走破タイムは59秒0。これは同日の古馬1勝クラスの勝ちタイムと同じ。当然、指数も1クラス上のレベルという、かなり優秀なものとなった。

 芝、ダートともに1000m戦で好指数を記録する馬は鞍上が減量騎手であることが多いが、今回は武豊騎手だけに価値は高い。ただ前走はあまりにも強すぎたので、疲労が残る可能性がある点は懸念材料。また、キビキビとしたフットワークでいかにも短距離のダートが合いそうなタイプであるが、前走の疲れなく、レースを順調に使っていけるようになれば、かなり出世が期待できる馬だけに買い目に加えた。

△ (5)ニシノラヴァンダ

 前走の新馬戦では5番枠からトップスタートを決めて、楽に先頭に立った。道中で外からワイルドブッターが掛かり気味に上がって並ばれたが、抵抗してハナを譲らず、1馬身差のリードで3角へ。4角で再びワイルドブッターに迫られたが、直線序盤で追われると2馬身差までリードを広げ、ラスト1Fではさらにリードを広げて4馬身差で圧勝した。

 この新馬戦の前半3Fは34秒1。ニシノラヴァンダとワイルドブッターが競り合ったことで、同日2Rの3歳未勝利戦と同等の速いラップを刻んだ。走破タイムの1分9秒3は同日2Rよりも速く、ある程度は高く評価できる。

 指数は前日の(9)ヴーレヴーが勝利した新馬戦と同等となった。逃げて勝利した点もヴーレヴーと同様で、逃げて初戦を勝利した馬は次走で大きく上積みを見せることもある。

 ただヴーレヴーは押してハナを奪取する形。一方、ニシノラヴァンダはトップスタートを決めながらもワイルドブッターに競り掛けられてペースを上げる形。競り掛けられても抵抗して勝利した内容はこちらが上だったこと、今回ヴーレヴーよりも内枠を引いたことで楽に逃げられる可能性が高いことから、本馬の方を買い目に加えた。

△ (6)モズナナスター

 ▲(10)エンドレスサマーが逃げ切り勝ちした新馬戦の2着馬。同レースでは2番枠から好スタートを切り、外からハナを主張したエンドレスサマーを追い駆けて同馬の後ろ4番手を追走。3~4角で先頭のエンドレスサマーの直後まで上がったが、4角で手応えが怪しくなり、エンドレスサマーにはどんどん離されたが、ラスト1Fでバテたシャドウキャッスルをかわし、2列目の外でレースを進めたデコピンの追撃をクビ差で振り切り2着を死守した。

 前走時は実質追い切り1本。さすがは新馬戦で走らせすぎてはいけないことをよく理解している矢作氏だ。それでも悪くない走りだったことは評価できるし、逆に言えば、ここが目標であるということ。ブービー人気だが、馬券を買う上では面白い。

△ (10)カルプスペルシュ

 前走の新馬戦では2番枠から好スタートを切ったが、内にもたれてフラフラ。ポジションが下がってしまったが、立て直して逃げ馬の後ろ4番手で流れに乗った。しかし、3~4角で包まれて直線序盤は前が壁。ピンチとなったがラスト1Fで一旦下げて勢いに乗せ、狭い間を割って一気に伸びてクビ差で勝利した。

 上がり3Fタイム33秒8は、この日の函館芝としてはなかなか優秀なもの。ここまでの函館芝2歳戦では最も優秀な指数での勝利となったが、ここでレースぶりに前進があれば通用するだろう。

△ (12)オカメノコイ

 今回が初芝となる馬。函館ダ1000mの新馬戦では3番枠から五分のスタート。ゲートは外のサフランキララやラヴィングユーのほうが速かったが、押して加速し、枠なりでハナを取り切る。外からサフランキララやラヴィングユーにプレッシャーをかけられ、緩みないペースで逃げたが、4角でサフランキララが脱落。直線序盤でラヴィングユーが迫ってきたが、ラスト1Fでその差を広げて2馬身半差で完勝した。

 ダ1000m新馬戦では出遅れて、△(3)リリーフィールドに6馬身も離されてしまったが、前走では五分のスタートを切ることができた。ゲートが速くないので、距離も1000mよりも1200mの方がいいだろう。その上で今回は連闘策。また前記したように、早い時期の2歳重賞レースはキャリアを積んだ馬の方が有利となりやすいもの。よってここは一考したい。

推定2番人気 (13)エメラヴィ

 前走の新馬戦では4番枠から五分のスタートだったが、促されると加速がついて2列目の内目を追走。3角手前で最内に入れ、最短距離を通って直線へ向いた。序盤でスムーズに前2頭の外に誘導され、追われて伸び始めた。残り100mで前2頭をかわし、2馬身半差で完勝した。

 新馬戦としては悪くない指数だが、函館開幕週で明確に内が有利な馬場状態だった。ただ、操作性が高く、距離ロスなく運べたことで有利になったのは確か。レースがとても上手な馬で、今後、多頭数戦になった場合は優位になりそう。しかし、もうワンパンチ欲しかったところではある。

2024年 優駿スプリントの予想

■一発逆転に期待

 地方馬限定重賞のニューイヤーC、ネクストスター東日本、そして1200mの若潮スプリントを優勝した(16)ギガースが一歩リードした存在。今年に入ってからは地方馬には負けていないが、ここは一発逆転に期待したい。

大井11R 優駿スプリント 芝1200m
 ◎ (10)パペッティア
 ○ (16)ギガース
 ▲ (5)エドノフェニックス
 △ (8)ティントレット
 △ (12)カヌレフレイバー
 △ (13)ザイデルバスト
 △ (14)スマイルナウ
 △ (1)ヘリアンフォラ
 △ (3)ビッグショータイム
馬複 10-16,5,8,12,13,14,1,3 (14:8:8:8:4:4:2:2) 複勝10 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (10)パペッティア

 前々走の桜花賞2着馬。前々走は8番枠から好スタートを切って、好位の外を追走。向上面から進出し、先頭列3頭に並びかけて3角へ。3~4角でミチノアンジュがリードを奪って、直線序盤では2列目の外。ミチノアンジュの直後の外からプリンセスアリーが抜け出し、それを追い駆けて同馬に1馬身差に迫った。

 桜花賞の勝ち馬プリンセスアリーは2列目の最内を立ち回り、直線序盤で上手くミチノアンジュの外から抜け出して優勝。一方、パペッティアは終始2~3頭分外から勝ちに行っての2着で負けて強しだった。

 パペッティアは門別の1100mでデビューし、デビュー3戦目、4戦目と1200mで連勝したように、短距離がベストの馬。前走のアヴニール賞は追い込み馬の(3)ビックショータイムが勝利したように、オーバーペースの逃げ。それでも差したニューイヤーC、ネクストスター東日本の2着馬クルマトラサンと2馬身半差だから、この距離で一考したい。

○ (16)ギガース

 地方馬限定重賞のニューイヤーC、ネクストスター東日本、そして1200mの若潮スプリントを優勝した馬。4走前の雲取賞では相手も強く、距離も長くて7着に大敗したが、前々走の兵庫GTでも5着に善戦しているように、1500m以下では崩れていない。また、今年に入ってからは地方馬相手には負けていない。

 3走前のネクストスター東日本は4番枠から好スタートを切って、内からハナを主張するライゾマティクスを行かせてその外2番手を追走。3角手前で同馬に並びかけ、プレッシャーをかけ、4角でライゾマティクスが苦しくなると、そこで先頭。直線でじわじわ後続を引き離し、2着クルマトラサンに2馬身半差で完勝した。

 ギガースはここではNO.1の存在だが、前走の若潮スプリントは前後半3F35秒5-38秒6のかなりのハイペースに恵まれ、3着馬に5馬身差の実質上の圧勝。疲れが残っている危険性もあり、対抗に止めた。

▲ (5)エドノフェニックス

 5走前から1200mを使われるようになり、4連勝で前々走の若潮スプリントTR・フロックススプリントを勝利した馬。前々走は1番枠から五分のスタートだったが、かなり押してハナを主張。先頭の(14)スマイルナウがハナを譲ってくれたこともあり、逃げることができた。しかし、3角からスマイルナウにプレッシャーをかけられ厳しい展開。それでもしぶとく粘ってクビ差で勝利した。

 前々走はかしわ記念同日の逃げ馬天国の馬場。しかし、前に行けるスピードがあること自体が才能であり、前走で2着のスマイルナウは若潮スプリント同日の海風スプリントを勝利している。またフロックススプリントの3着馬が、若潮スプリントで○(16)ギガースとマッチレースを演じた(2)オーソレリカである。

 前走の若潮スプリントではオーバーペースで逃げるオーソレリカを追い駆けて8着に大敗したが、前走の敗戦で疲れも抜けたはず。一方、オーソレリカは恐らく余力がない。ここはエドノフェニックスの巻き返しを警戒したい。

2024年 プロキオンS以外の福島9R以降の予想

→福島9Rの予想を出します。

■例年の夏の福島開催2週目よりも高速馬場

 七夕賞が行われる福島芝2000mは1角までの距離が約505mと長く、さらに序盤から2度の坂を下るため、福島芝1800mよりも前半3Fが速くなりやすい。その上、この時期の福島は雨に見舞われることが多く、過去10年で4回もかなりのハイペースが発生している。

 しかし、本日は良馬場。先週の日曜日も雨の影響をそこまで受けておらず、例年の福島2週目と比較をすると馬場状態が良好。また、馬場の内側も見た目ほど悪化しておらず、内を通しても残れている。

 今回は(9)バビットがハナを主張、外から(14)フェーングロッテンや(15)セイウンプラチナも積極策で、前半のペースはそれなりに速くなりそうだ。またペースが遅ければ(11)キングズパレスが捲ってくるだろう。

 ただし、福島は最後の直線が約292mと小倉同様にとても短く、3角地点である程度の位置にいないと、勝ち負けするのは難しい。今回はそれを踏まえて予想を組み立てた。

本日2番 福島11R 七夕賞 芝2000m
 ◎ (3)ボーンディスウェイ
 ○ (11)キングズパレス
 ▲ (5)カレンルシェルブル
 △ (7)ノッキングポイント
 △ (14)フェーングロッテン
 △ (8)ダンディズム
 △ (1)ノースザワールド
馬連 3-11,5,7,14,8,1 (15:10:9:9:5:2) 複勝3 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (3)ボーンディスウェイ

 2歳時には葉牡丹賞を逃げ切り、3歳春の弥生賞では2列目の最内を上手く立ち回って3着と善戦。デビュー当初から芝2000mの右回りで活躍していた馬だ。その後伸び悩みの時期があったが、昨年暮れに3勝クラスを勝利し、今年に入って中山金杯4着と立ち直ってきた。

 前々走の福島芝2000m戦、福島民報杯の2着馬。前々走では4番枠から五分のスタートを切り、そこから押していったが、あまり進んで行かず、外から内に切り込みながらハナを主張するテーオーシリウスの外に誘導。道中は好位の外を追走した。

 ペースが上がった3角で3頭分外から追っつけて押し上げ、4角でも3頭分外から3列目で直線へ。そこから追われると2番手に上がり、ラスト1Fでもしぶとく伸びて内のショウナンマグマは捉えたが、最後はまとめて(13)リフレーミングに捉えられ、クビ差で敗れた。

 前走は3角から外々を回るロスを作って勝ちに行く、濃い内容での2着。前記したように、現在の福島芝はある程度ポジションを取れることが優位に働く馬場でもあり、ここは期待したい。

○ (11)キングズパレス

 前走の新潟大賞典の2着馬。前走は13番枠から五分のスタートを切ったが、二の脚が遅く、いつものように下がって後方からの追走。道中はペースが上がらず、ゆったりとした流れ。そこで中団の外まで進出して3角へ。3~4角でも外々から押し上げ、直線序盤で追われても伸びは地味。しかし、ラスト2Fで徐々に伸び始めて2列目まで上がり、ラスト1Fで逃げ切りを図るヤマニンサルバムに強襲したが、ハナ差で届かず2着に惜敗した。

 前走は中団の最内を立ち回った、次走で鳴尾記念勝ちのヨーホーレイクが4着に敗れたように、外のほうが伸びる馬場状態。3~4角のロスは致命的なものではなかったが、道中で動いて勝ちに行く好内容だった。

 この馬は二の脚が遅く、序盤から前の位置が取れるスピードはないが、道中で位置を上げても最後まで伸びてくるしぶとさがある。今回も前半は後方追走でも3角では中団くらいまで上がってこられると見て、対抗評価とした。

▲ (5)カレンルシェルブル

 4走前の福島記念の3着馬。4走前は2番枠からまずまずのスタートを切ったが、そこから無理をさせずに後方に下げて進めた。道中も後方馬群の内目でその外は(8)ダンディズム。3角でダンディズムが外から先に仕掛け、そこで後手を踏む。4角でダンディズムのひとつ内で我慢して直線へ。3~4角で脚をタメたことで、すっと伸びて2列目に上がり、ラスト1Fで先に抜け出した前2頭に迫った。

 4走前は前後半5F59秒5-61秒4の速い流れ。ここで先に仕掛けたダンディズムにラスト1Fで差を詰められなかったことから、ここでの内容はダンディズムのほうが上だったと言える。しかし、カレンルシェルブルは休養明けでもあり、その後も順調さを欠いてない。

 また、休養明けの前走、福島民友杯では大外16番枠で3角で中団の外、4角で大外を回るロスを作って、ラスト1Fで外から(10)リフレーミングに内に切り込まれて接触し、追いにくくなる場面があった。前走では能力を出し切っていないことから、今回は前進する可能性が高い。

△ (7)ノッキングポイント

 4走前の新潟記念で初重賞制覇を達成した馬。4走前は3番枠からまずまずのスタートだったが、二の脚で楽に先行。そこからじわっと好位に下げ、外の各馬を行かせて3列目の最内を追走した。3~4角でも最短距離を通って直線へ。序盤ですっと反応してすぐに2列目に上がり、ラスト2Fでは半馬身差で先頭。そのまま踏ん張って、外から伸びるユーキャンスマイルを振り切って1馬身差で完勝した。

 この馬は日本ダービーでは15番人気ながら、最後の直線で中団中目からしぶとく伸び続けて5着に善戦したように、超高速馬場で後半に掛ける競馬がベスト。

 前走の新潟大賞典はいつものようにいったん先行策から3列目まで下げたが、3角手まで外から上がったセルバーグを追い駆けてしまって早仕掛け。結果、8着に敗れたが、着差は0.9秒差を大崩れしなかったあたりに復調気配を感じる。
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本日4番 福島9R 織姫賞 芝1800m
 ◎ (6)ミヤビブレイブ
 〇 (12)ティンク
 ▲ (2)ビヨンドザリミット
 △ (9)シロノクミキョク
 △ (10)グレイトクラウン
 △ (3)マルアズール
 △ (15)ウインネモフィラ
馬連 6-12,2,9,10,3,15 (20:10:7:7:3:3) 複勝6 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にティンク(-9.3pt)、テンペスト(-7.7pt)、ルーチェロッサ(-7.7pt)、ミヤビブレイブ(-5.7pt)、ビヨンドザリミット、アームテイル(ともに-5.3pt)。能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っています。

◎ (6)ミヤビブレイブ

 新馬戦は7着に敗れたが、その後の未勝利戦で6連続2着した馬。このような安定感ある成績を残す馬は潜在能力がかなり高いことが多い。それを感じさせたのが前走の1勝クラスだ。

 前走は10番枠から好スタート。内からハナを主張するアスクカムオンモアを行かせようとしていたが、スピードの違いで先頭に立って緩みないペースを刻み、ラスト1F手前まで粘り通して4着。

 このレースを勝利したのはアスクカムオンモアで、同馬がここで1クラス上の指数を記録したのは、ミヤビブレイブが緩みないペースを刻み、最後まで粘っていたことが大きな要因と言える。長期休養明けを叩かれての上昇を期待する。
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本日3番 函館11R 五稜郭S 芝1800m
 ◎ (8)キミノナハマリア
 ○ (14)アスクドゥポルテ
 ▲ (9)マイネルエンペラー
 注 (10)ホウオウスーペリア
 △ (5)エープラス
 △ (11)ポッドボレット
 △ (12)ミスフィガロ
 △ (13)カヨウネンカ
結論 馬連8-14,9,10,5,11,12,13 (10:10:10:5:5:5:5) 複勝8 (50)

 PP指数の各馬の(前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にホウオウスーペリア(-16.0pt)、インスタキング(-15.7pt)、タシット(-15.0pt)、ポッドボレット(-14.3pt)、マイネルエンペラー(-13.3pt)。能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っています。

◎ (8)キミノナハマリア

 3歳春の君子蘭賞を3馬身差で勝利し好指数を記録、さらに3走前の北大路特別は6馬身差の圧勝でOP級の指数を記録しているように能力を出し切るととても強い馬だ。このタイプは瞬発力に欠けるが、操作性に優れ、長く良い脚を使う強い馬であることが多い。

 実際に3走前は重でタフな馬場。9番枠から五分のスタートだったが、そこから押して好位の外を追走。向上面で徐々に進出し、3角手前でフェジェスが捲って先頭に立っても意に介さず、自分のリズムを守って2番手で3角へ。

 3~4角でフェジェスとの差を詰めて4角ではもう先頭。直線で馬場の良いさらに外に出されると、序盤で2馬身ほどリードを奪い、ラスト1Fでその差を広げて6馬身差で圧勝した。

 前走の福島牝馬Sは落馬のあおりを食らってレースになっていなかったので参考外。函館は雨の影響で馬場が悪化し、最内2頭分より外が有利。悪化した馬場で好位の外で流れに乗り、スタミナを生かす競馬ならば能力全開できそうだ。
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2024年 プロキオンSの予想

■展開の振れ幅が大きい小倉ダ1700m

 今年のプロキオンSは京都競馬場の改修工事による変則日程となった2021年と2022年以来、2年ぶりに小倉ダ1700mで行われる。このコースは発走地点から初角までが平坦で約343mあり、外枠の馬でもハナを主張することが可能。よって逃げたい馬が多数いればハイペースに、少なければスローペースになる。

 21年は雨の影響でかなり軽い馬場。スローペースで逃げた12番人気メイショウウズマサが3着、2番手の14番人気トップウイナーが2着に粘り込んだ。

 また、22年も雨の影響で馬場が軽くなり、前半のペースは遅くなったが、勝ったゲンパチルシファーのマクリで緩みのない流れとなり、結果的には逃げ先行馬が総崩れとなった。

 このように展開の振れ幅が大きなコースだが、小回りで最後の直線が291mと短いだけに、勝ち負けを意識するならば3角である程度前の位置にいないと厳しい。

 今回は(13)ブルーサンや(6)レガーメペスカ、(7)バスラットレオンといった逃げたい馬が多数出走。この3頭の隊列が決まるまではレースが流れそうだ。ややハイペースで流れ、先行馬や向正面で好位を取りに行くことができる馬が有利になるとみる。このラインより上のエリアが無料で表示されます。

本日1番 小倉11R プロキオンS ダ1700m
 ◎ (11)ヤマニンウルス
 ○ (12)デシエルト
 ▲ (7)バスラットレオン
 △ (2)ヴァンヤール
 △ (5)スレイマン
 △ (14)ブラックアーメット
 △ (15)グロリアムンディ
結論 馬連11-12,7,2,5,14,15 (10:10:10:10:7:3) 複勝11 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (11)ヤマニンウルス

 2歳夏の新馬戦では2番手外から3角手前で早々と先頭に立ち、2着馬に4.3秒の大差を付けてレコード勝ちした馬。当時の2着馬は後にJBC2歳優駿を制するゴライコウだからとても価値の高い勝利で、指数は同世代の2歳時におけるNo.1だった。

 しかし、新馬戦でそれだけの走りをしてしまうと大きな疲労が残り、故障しやすくなりやすい。それを考慮して、その後は休ませながら大事に使われてきた。

 前走の雅S(3勝クラス)も完勝。6番枠からまずまずのスタートだったが、二の脚が速く楽に2番手に上がって先頭に立とうかという勢い。そこから外のレガーメペスカを行かせて、その外に誘導した。

 道中もコントロールしながらレガーメペスカのペースに付き合って3角へ。3~4角でも2番手外から楽な手応えで4角で先頭に立ち、3/4差ほど前に出る。最後の直線はほぼ追うところなく差を広げ、ラスト1Fでバハルダールが差し脚を伸ばしてきたが、余裕を持って1馬身1/4差で完勝した。

 2着馬とはそこまで大きな差がつかなかったが、3着馬には4馬身1/4差。また、バハルダールは次走で3勝クラスを勝利して現在はOP馬となっている。

 上昇一途でここまで4戦4勝。相手強化のここも通過して、体が万全となったところでGⅠ獲りを期待したくなる素質馬だ。

○ (12)デシエルト

 かなりの高速馬場で行われた昨秋のグリーンチャンネルCを休養明けながらレコード勝ちした素質馬。この時は15番枠から好スタートを切り、内から主張する2頭を行かせて2列目の外を追走した。

 3~4角でもコントロールしながら2頭分外を回り、直線序盤は3番手。ラスト2Fで追われるとグンと伸び、逃げるノーブルシルエットを捉え、ラスト1Fで抜け出して後続に3/4差で完勝した。

 ラスト1Fで抜け出したところをギルデッドミラーには詰め寄られたが、3着タガノビューティーには2馬身以上と決定的な差をつける完勝。この2頭はともにその後、ダートマイル路線でトップ級の活躍をした馬たちである。デシエルトはこの時点で新星誕生をうたわれ、筆者自身もダートマイル路線でGⅠ級の馬になることは必至と見ていた。

 ところが、休養明けで激走したダメージは大きく、骨折により長期休養へ。復帰してからの近4走は以前のような走りができていないが、前走の三宮Sでは激流の2番手を追走し、4角で勝ち馬オメガギネスが上がってくると、これに抵抗して仕掛けて3着と復活の兆しを見せた。そろそろ怖く、対抗評価だ。

▲ (7)バスラットレオン

 2022年のGⅡ・ゴドルフィンマイルを逃げ切って勝利すると、同年秋には武蔵野Sでも逃げて3着と好走した馬。その武蔵野Sでは8番枠から好スタートを切ると、押してハナを主張。楽に主導権を握り、2列目が競りかけてくることもなく平均ペースに持ち込んだ。

 3~4角で脚を溜め、4角出口では強気に仕掛けて2馬身差のリードで直線へ。残り300mで3馬身ほどまで差を広げたが、そこから徐々に甘くなり、レモンポップに2馬身弱まで迫られる。ラスト1Fではレモンポップにかわされ、さらに外からギルデッドミラーに差しきられてハナ+半馬身差の3着だった。

 しかし、ギルデッドミラーは次走の根岸Sで2着、レモンポップはその根岸SとフェブラリーSを連勝。GⅠ級3勝、国内では負けていないという強豪で、かなりのハイレベル戦だった。

 芝とダートの二刀流だが、これまでの5勝はすべて逃げ切り勝ちであるように、ベストは逃げで、スムーズに前に行くほど指数を上昇させる馬だ。

 近走はテンから逃げられず大敗が続いているが、前走でダ1400mのさきたま杯を使い、序盤からかなり気合をつけて行ききったことで今回はダッシュがつきやすいはず。ダ1700mのここなら逃げる可能性が高いと見ている。

△ (2)ヴァンヤール

 2022年の名古屋グランプリで2着、昨年もアンタレスSで2着、平安Sは3着の実績馬。1800mから2100mと幅広い距離に対応しているが、2100mの名古屋グランプリはメンバーがやや手薄で、最高指数を記録したのは1800mのアンタレスSになる。

 同レースでは9番枠からやや後方外目を追走。道中で前5頭が飛ばして行く中、やや離れた6番手の外で進め、3角手前から前に取りついて行った。

 3~4角で中目から外目に誘導し、3列目で直線へ。序盤では4馬身半ほどあった差をじわじわと3馬身差まで詰め、ラスト1Fでもしぶとく伸びて逃げたプロミストウォリアに半馬身差まで迫った。

 このレースは重馬場で前後半4F47秒5-50秒1という激流。それでもいつもより位置を取りに行き、最後までしぶとく伸びていた。また、22年の九州スポーツ杯(3勝クラス)では中団外から向正面でポジションを押し上げて行く競馬で勝利していることから、この舞台にも問題はない。

 ただし、休み明けのBSN賞で3着に敗れているように、3走前の平安S以降は休養前の指数で走れていない。今回も疝痛の手術などで9カ月ぶりの休養明けとなる。中間の追切はやや物足りなさも感じたが、もともとの能力の高さから侮れない存在。立て直したことで本来の能力を出し切れれば通用するだろう。

△ (5)スレイマン

 3走前に小倉ダ1700mのOP・門司Sを圧勝した馬。同レースでは12番枠から五分のスタートを切り、かなり押して好位の中目に食らいついていった。道中では好位の中目で流れに乗って3角へ。

 3~4角で前の馬が動けず、その分少し仕掛けを待たされたが、4角へ誘導するとすっと伸びて一気に仕掛ける。直線序盤では1馬身のリードを奪い、ラスト1Fでそのまま突き抜けて4馬身差の完勝。離した2着馬がOPで上位常連のペースセッティングだから実力があるのは確かだ。

 馬体重546kgという超大型馬で、レース間隔を開けて好走するタイプ。これまで中4週よりも短い間隔で使われた時を振り返ると、1番人気に支持された一昨年の三宮Sで5着に敗れ、前走の平安Sでも10着に敗れるなどことごとく走れていない。

 今回はその平安Sから中6週。さらに門司Sなどハイペースで好走するタイプで、逃げ、先行馬揃いでそれなりにペースが上がりそう。雨が降らず、プロキオンSが3走前同様に標準的な馬場で行われるのも好ましい。

△ (14)ブラックアーメット

 昨年、今年と福島ダ1700mの吾妻小富士Sを連覇した馬。今年のレースでは12番枠から五分のスタートを切り、無理をさせずに中団の外目を追走。向正面に入ってすぐに外からライラボンドが進出してきたが、それをやり過ごして3~4角の3頭分外から進出して直線へ。

 直線序盤ではライラボンドが外に逃避したことで外のサンマルレジェンドに接触して外に膨れ、それを避けたため2頭分外に出してラスト1F地点でもまだ3列目付近だったが、そこからしぶとく伸びて1馬身3/4差で完勝した。

 OPクラスでは先行するスピードがなく、後方からレースを進める馬。前走は最後の直線序盤で接触を避けるために外に出すロスがあったが、ライラボンドが捲ってくれたことでレースが緩みなく流れ、展開には恵まれた形になった。

 かなりのハイペースとなった4走前の福島民友カップでも中団の内目を立ち回って2着と善戦しているように、やはり展開次第のところがある。今回は前走で展開に恵まれて好走した後の一戦とあって、余力の面で不安はあるが、ここもある程度は展開に恵まれそうなだけに警戒した。

△ (15)グロリアムンディ

 昨年のダイオライト記念では9馬身差で圧勝した馬。同レースでは1番枠から五分のスタートを切り、軽く促されて好位の内目を追走。そこからじわっと控えて道中は中団中目。2周目の向正面で徐々にペースが上がって行く中で、わりと楽な手応えで内から3角へ。

 3~4角でやや詰まったが、ワンテンポ待って砂の深い最内から押し上げ、4角ではもう先頭。2馬身差ほどのリードで直線を向かえると、一気に後続を引き離して5馬身。ラスト1Fでさらにぶっちぎって9馬身差で圧勝した。

 昨年のダイオライト記念では自己最高指数を記録している。この馬の持ち味はタフな馬場、タフな展開で他馬が消耗する中、しぶとく脚を使ってくること。長距離でこそのタイプだろう。

 しかし、その次走となった昨年の平安Sでも優勝した実績があるように、けっして中距離がダメなわけではない。昨年の平安Sでは2番枠から好スタートを切って楽々2列目の内を追走し、4出口で逃げ馬のひとつ外に誘導という完璧な立ち回りだったが、改装後の京都でタフな馬場も噛み合ってここでは2馬身半差で完勝している。

 昨年の平安S優勝後はしばらくスランプだったが、前走の平安Sでは、好位の外から終始外々を回る競馬で勝ち馬ミトノオーや2着の(9)ハピと0.6秒差と復調の兆し。ダ1700mで雨が降って馬場が軽ければ軽視する予定だったが、今の小倉ならばノーチャンスではなさそうだ。

推定2番人気 (9)ハピ

 前走は平安Sで2着。6番枠から五分のスタートを切り、そこから押し進めてインコースを取りに行った。道中は中団の最内。向正面でペースが落ち着いたが、ここでは我慢。3~4角で徐々にペースが上がり、3列目の内目を通して直線へ。序盤は前が壁になり、そこで外に持ち出して追われた。

 序盤の反応は甘くジリジリ。ラスト1Fでは4列目付近方だったが、そこからしぶとく伸びて、最後は逃げ粘るミトノオーにクビ差まで迫った。

 ダートグレードでも当たり前のように上位に来るが、重賞タイトルは未だ手にしていない。この馬はエンジンが掛かってからがしぶとく長距離型と見ているが、1800m路線を使われているのが勝ち味に遅い理由だろう。

 実際に1900mの前走ではややハイペースな流れを中団中目から上手く立ち回れていたにせよ、最後の直線で外に持ち出すロスがなければ優勝していた可能性もあった内容だった。

 今回のメンバーでは能力値1位。前走よりも相手が弱化するのは好ましいが、1700mの距離は忙しい。小倉は平坦の小回りで最後の直線も短く、3角である程度前の位置にいないと勝ち負けに持ち込めないのがネックだ。今回も善戦するとは見ているが、配当妙味がまいので今回は消す。