2025年 紫苑Sの予想

■開幕週で内と前が有利

 昨秋の中山開催は異次元の高速馬場で、従来のコースレコード(2018年皐月賞)を0秒5更新する1分56秒6で決着した。今年はさすがにそこまで高速馬場ではないが、超高速馬場である。

 普通に考えれば(6)ロートホルンの単騎逃げが濃厚だが、同馬の鞍上は横山典弘騎手。同騎手を単騎で逃げさせると怖いことから、最近はヨコノリ包囲網が敷かれている。

 よって、(6)ロートホルンに(7)ケリフレッドアスクや(8)サタデーサンライズ等が絡んでいくパターンもあるし、(6)ロートホルンがあえて逃げない先手をする可能性もある。この辺りの駆け引きが見え隠れするが、現在の中山芝は内と前有利は明確。展開と馬場の利がある馬を本命◎とした。

中山11RR 紫苑S 芝2000m
 ◎ (6)ロートホルン
 ○ (1)リンクスティップ
 ▲ (9)ダノンフェアレディ
 △ (4)エストゥベンダ
 △ (5)ジョスラン
 △ (13)テリオスララ
 △ (7)ケリフレッドアスク
結論 馬複6-1,9,4,5,13,7 (17:10:8:8:5:2) 複勝6 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (6)ロートホルン

 デビュー2戦目の未勝利(東京芝1800m)では翌週に行われた東京スポーツ杯2歳Sよりも速いタイムで6馬身差の逃げ切り勝ち。もちろん道中の通過タイムが違うので指数は劣るが、それでも能力を出し切った際のスピード スタミナの値はかなり高い。

 前走では1勝クラス(函館芝1800m)を勝利。1番枠から好スタートを決めてじわっとハナを主張したが、外の馬を行かせて2番手を追走。道中は離れた2番手で楽に進めて3角に入る。

 3角5馬身ほどあった先頭との差を3~4角の最内から楽に差を詰めて、逃げ馬の外に誘導して2列目の内で直線へ。序盤ですっと伸びて先頭に立ち3/4差のリードを奪うと、外から迫るウインシャーガスを尻目に1馬身差で勝利した。

 この時はA→Bコース替わり。雨に見舞われた前週から一変して高速馬場で前後半3F46秒6-47秒9のハイペース。これを前から早めに動いてラスト1Fで加速して勝利したことは高評価できる。どうやら勢いを取り戻したようだ。

 中山芝は昨年のような異次元の高速馬場ではないが、開幕週で超高速馬場。何が何でも逃げた馬が不在のここで、前で立ち回れる強みに期待する。

○ (1)リンクステップ

 今春の桜花賞で3着、オークス5着とクラシックで活躍した馬。桜花賞では12番枠から出遅れ、外の馬と接触して狭くなり、下げて最後方からの追走。道中は位置を下げ切って前の馬とのスペースを作って進めた。

 3角でじわっと進出し、スペースを潰しながら勢いに乗せ、4角でその勢いで外に誘導しながら中団外まで押し上げて直線。序盤で追われてすっと伸びたが、先頭列のエンブロイダリー、アルマヴェローチェに1馬身半ほど。ラスト1Fでそのまま2頭に差を広げられ、2馬身半遅れての3着まで。

 この時は標準馬場で前後半4F46秒6-46秒5の緩みない流れ。ここは後方有利の展開に恵まれていたが、本馬よりも前の位置で進めていたエンブロイダリー、アルマヴェローチェに完敗だった。

 前走のオークスでは5着。5番枠からまずまずのスタートを切り、コントロールして中団中目から後方付近まで下げる。しかし、道中でペースが上がってこなかったため、後方から中団の外までじわっと進出した。

 ただ3~4角ではコントロールして一気には動かずに中団外目で我慢。4角で手が動いて仕掛けて直線へ。序盤で追われたが、外からカムニャックに一気に並ばれる。ラスト2Fでカムニャックにかわされたが、3列目に上がり、ラスト1Fでバテた馬をかわして5着まで。

 この時はやや高速馬場で前後半5F60秒0-60秒1の平均ペース。オークスは前半3Fが34秒8と芝1600mレベルの入り方で逃げ、先行馬総崩れの展開。序盤で後方付近まで下げた鞍上の判断は正しかったと見ている。

 しかし、前走はレース中に骨折していた模様。ラスト1Fでジリジリだったのが目についたが、その影響もあったかもしれない。また桜花賞はテンが速くない本馬にとって距離不足のように思えるだけに、ここで大きく上昇というパターンも考えられる。

▲ (9)ダノンフェアレディ

 昨年6月の京都芝1600mの新馬戦を1勝クラスレベルの指数で勝利した馬。ここでは1番枠からまずまずのスタート。スタート直後は外のショウナンザナドゥの方が速かったが、枠の利を行かしてハナを主張。スローではあるが、新馬戦特有の超スローというほどではないペースで逃げた。

 3角では2番手外のショウナンザナドゥと3/4差ほど。4角で同馬に並びかけられたが、直線序盤で追われると2馬身半まで差を広げた。それを目標に仕掛けたショウナンザナドゥにラスト1Fで半馬身差まで詰め寄られたが、3着以下には7馬身以上の差をつけての勝利だった。

 同日4Rの同距離で行われた3歳未勝利戦が走破タイム1分32秒6に対し、この新馬戦が1分33秒8だからそこまで速いように感じないが、実は4Rは1勝クラス級の指数を記録したハイレベル戦で、勝ち馬スカイハイは現在3勝クラスにいる。

 道中のペースはダノンフェアレディが勝った新馬戦の方が明らかに遅く、上がり3Fタイムは断然上。実際にこの新馬戦を勝利したショウナンザナドゥはその後フィリーズレビューを勝利している。このことからもダノンフェアレディはなかなかの素質の持ち主と言える。

 新馬戦が消耗度の高いレースとなり、ここで高指数を記録したことでその後スランプとなったが、休養明けの前走の1勝クラス(小倉芝1800m)では馬体重20kg増と成長した姿を見せて勝利した。

 前走は5番枠からまずまずのスタートを切り、二の脚の速さで逃げ馬の外2番手を追走。道中はペースが上がらなかったがコントロールして進めた。3~4角でじわっと前との差を詰め、先頭と半馬身差で直線へ。序盤で追われてしぶとく伸び、半馬身ほど前に出ると、ラスト1Fで抜け出して2馬身差の完勝だった。

 この時はタフな馬場で前後半4F50秒3-46秒7の超絶スローペース。前有利の展開に乗じて勝利しただけの内容で指数も1勝クラスの水準レベル。しかし、調子を取り戻せたことで今後の視界が広がった。ここでさらなる前進を期待する。

2025年 セントウルSの予想

■逃げ馬の連対率が高い

 セントウルSは阪神開催時の直近10年では、逃げ4勝、先行3勝、中33勝、差し、追い込みの優勝はゼロ。2着には差し、追い込みも届いているが、逃げ1回、先行5回と明確に前有利の傾向だ。

 これはセントウルSが阪神開催2日目の超高速馬場で行われることや3角まで距離が短いことが影響している。この傾向は馬場が高速化するほど顕著だが、今年は(2)テイエムスパーダが逃げ切った2023年ほどのコンクリートレベルの馬場ではない。

 そのうえ今回は逃げ馬が(2)テイエムスパーダ、(4)エコロジーク、(13)カルチャーデイの3頭も出走。(13)カルチャーデイは外枠なので好位の外からになりそうだが、(2)テイエムスパーダは逃げ馬としてはそこまで二の脚が速くないので、2番枠だとすぐ外の(4)エコロジークに被されて逃げられない可能性もある。

 例年よりも逃げ馬が多く、ペースが上がりそうなメンバーではあるが、それでも開幕週の内と前有利の馬場を考慮すると、差し、追い込みは不利だろう。よって、先行馬を中心に予想した。

阪神11R セントウルS 芝1200m
 ◎ (3)ママコチャ
 ○ (4)エコロジーク
 ▲ (11)ワンダーキサラ
 △ (6)アブキールベイ
 △ (13)カルチャーデイ
結論 馬連3-4,11,6,13 (15:15:10:10) 複勝3 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (3)ママコチャ

 2023年のOP・安土城S(京都芝1400m)でG1でも通用する自己最高指数を記録した馬。ここでは12番枠からまずまずのスタートだったが、二の脚で楽に先行。内のプルパレイを行かせると、さらに内からコムストックロード、グルーヴィットが前を主張してきたので、控えて好位の外を追走した。

 3~4角でもペースが上がらず、ブレーキ気味に3角で2頭分、4角で3頭分外から徐々に進出して直線へ。序盤で1馬身ほどあった先頭との差をグンと伸びて一気に先頭に立つと、ラスト1Fでは楽々と後続を突き放して3馬身差で圧勝した。

 この時は超高速馬場で前後半3F34秒4-33秒3のスローペース。馬場の内がやや荒れており、上手く外を通せていたが、最後の直線で一気に後続を突き放した内容は強いの一言だった。

 本馬はその勢いのまま同年秋のスプリンターズSを優勝。今年もオーシャンSを勝利し、高松宮記念でも3着に善戦している。

 また超タフな馬場だった昨年の高松宮記念では、体調不良で前哨戦を使えない誤算が生じ面も影響したとはいえ、8着に大敗した一方、超高速馬場だった今年のオーシャンSでは好指数で勝利しているように、本馬は超高速馬場がベストでもある。

 さらに本馬は中京で行われた昨年のこのレースを休養明けで2着に善戦しているように、休養明けを苦にしないタイプ。総合的に見て、本馬が最有力と見た。

○ (4)エコロジーク

 国内では3戦3勝。前走の驀進特別(2勝クラス・新潟芝1000m)では、大外18番枠からまずまずのスタートを切り、すぐに進路を外ラチ沿いを取ったが、すぐ外のニシノトキメキに被されて中団に下がってしまった。道中は中団最内で包まれてしたが、ラスト3Fで馬群の外の誘導し、ラスト2Fで2列目付近に上がる。ラスト1Fで先頭に立ったところを、最内からソルレースに急追されたが、ハナ差で振り切った。

 ここはタフな馬場で前半3Fが33秒1と速く、前に不利な展開。序盤で前の位置が取れず、中団からの追走となったことで展開に恵まれてはいるが、ラスト3F目から馬場がそこまで良い状態とは言えない中目に誘導しての勝利だった。

 本馬はデビュー2戦目、コンクリート馬場の中山芝1200mでも半馬身の出遅れを挽回してハナを主張し、1分07秒2の2歳レコードタイムで勝利しているように、スピードがある。今回は枠の並びも良く、ハナを狙えるメンバー構成。キャリア5戦と浅い3歳馬でまだ成長力もありそうなだけに、対抗評価とした。 

▲ (11)ワンダーキサラ

 デビュー当初はダートを使われていたが、そこでは結果を出せなかったが、芝路線に転向し、芝1200m路線で花開いた馬。本馬は芝1200mでは【2・6・1・2】の実績で、馬券圏外に敗れた2回は外差し有利の馬場を1~2番手の内で進めたもの。

 本馬は抜群の安定感がありながら、2勝クラスでもたついていたが、超絶高速馬場の前走・長篠S(中京芝1200m)で、ついに3勝クラスを突破した。

 前走では1番枠からトップスタートを決めてハナを主張したが、外から前を主張した2頭を行かせて3番手を追走。3~4角で外からメイショウクリフトが捲ってきたが、それをやり過ごして2列目で進め、4角で具とで前3頭の外に誘導。直線序盤で先頭列付近まで上がり、ラスト1Fで抜け出して2馬身差で完勝した。

 この時はコンクリート馬場で前後半3F33秒7-33秒5の平均ペース。脚質による大きな有利不利はないが、前の位置を取って勝利したことは、前有利の馬場&展開が濃厚のここに繋がるだろう。近走の勢いに期待する。

△ (6)アブキールベイ

 今春の葵Sを優勝した3歳馬で、古馬初対戦の前走・北九州記念でも3着。ここでは14番枠から五分のスタート後、様子を窺っていたが前を主張する馬が多く、じわっと後方に下げる形を選択。3~4角では後方4頭分外から進出して直線へ。

 序盤の伸びはやや地味だったが、それでも好位列付近まで上がり、ラスト1Fでしぶとく伸びて2着(5)ヨシノイースターにはクビ差まで詰め寄った。

 前走はタフな馬場で前後半3F32秒5-35秒3の激流。激流だったが隊列が縦長とはならずに団子状態。本馬は後方有利の展開には恵まれているが、3~4角でかなりロスを作りながらも最後までしぶとかった辺りに地力強化を感じさせる。

 3~4角で本馬の前にいたのが(5)ヨシノイースターで強い内容だったが、同馬は休養明けで好走した後の一戦で余力面で不安があるので、北九州記念組からは3歳馬で勢いがある本馬を推す。

△ (13)カルチャーデイ

 今年3月に重馬場で行われたOP・米子城S(阪神芝1200m)を好指数で勝利した馬。ここでは大外16番枠からまずまずのスタートを切り、押してハナを主張し、内に切ってハナを取り切る。道中はそのまま淡々と進めた。

 3~4角では仕掛けを待ち、1馬身差ほどのリードで直線へ。序盤で追われてリードをやや広げて1馬身3/4差。ラスト1Fでしぶとく突き抜けて2馬身半差で完勝した。

 この時はタフな馬場で前後半3F33秒8-34秒9のかなりのハイペース。自ら厳しいペースを作って、OPで上位常連の2着馬ロードフォアエースにしっかり差を付けたことや、休養明けだったとはいえ(5)ヨシノイースターに完勝だった点はかなりインパクトがあった。

 このように本馬は時計の掛かる馬場でこそのタイプだ。しかし、コンクリート馬場や超高速馬場だった2走前の函館スプリントSや前走のCBC賞でもインビンシブルパパの2番手から着差0秒4差(6着)、0秒3差(5着)に善戦している。

 しかも、前走は2走前にインビンシブルパパにプレッシャーをかけに行って失速した点を踏まえて控えていったが、かなり掛かってもったいない競馬になってしまっている。今回はハナに行くのは難しいとしてもレースが流れての2番手、3番手ならチャンスがある。

2025年 新潟2歳S・長篠Sの予想

■前走で余力を残せた末脚型の馬が有力

 新潟2歳Sの過去10年で平均ペースになったのは、超タフな馬場で実施された2020年の1回のみ(勝ち馬ショックアクション)。残る9回はスローペースで決着している。若駒だけに無理をさせたくないのが一番の理由だが、前走から距離延長になる馬が多いことも影響している。

 タフな馬場の東京芝1600mの新馬戦を逃げて圧勝した(9)リアライズシリウスは自由の利く外枠に入ったことで、何が逃げるのかがより難しくなったが、何が逃げてもスローペースが確定的。同時にこの時期の重賞で逃げるのは出世コースから外れた馬でもある。

 ここは前走で余力を残せている末脚型の馬が有力だ。

■有力馬と評価ポイント

◎ (4)フェスティバルヒル

 6月の阪神芝1600mの新馬戦の勝ち馬。同レースでは9番枠から出遅れたが、すっと挽回して中団の外を追走。道中はペースが上がらず、行きたがって折り合いを欠いていたが、がっちりと抑えてなだめながら進めた。

 3~4角でもペースが上がらずに団子に近い状況で好位の外。前にクールデイトナを置いて仕掛けを待ち、3列目付近で直線へ。序盤で追われてがここでフラつく場面。それでも伸びて先頭列に上がり、ラスト1Fで内から伸びるアルバンヌを競り落とし、半馬身差で勝利した。

 このときは高速馬場で前後半4F49秒6-47秒6のかなりのスロー。新馬戦を考慮してもペースが遅かったために折り合いがつかず、粗削りな面を見せての勝利で全能力を出し切ったものではない。

 この新馬戦の2着、3着馬は次走で未勝利戦を勝ち上がっている点は、出走馬の質の高さとダメージが小さいレースだったことを示すもの。今回の上昇に期待する。

○ (3)タイセイボーグ

 前走のダリア賞ではメンバー中最先着の2着。前走では1番枠から出遅れ、最後方からの追走。道中は内ラチ沿いで進めていたが、3角手前で外に誘導。3~4角でペースダウンすると外から仕掛けて4角では中団外まで進出したが、4角でヤマメライズに外に張られて直線へ。

 序盤でじわじわ伸びて好位列に上がり、ラスト1Fでそのまま伸び続けて2着争い一列しっかり前に出てゴールした。

 このときは逃げたハッピーエンジェルが1馬身3/4差で完勝しているが、超高速馬場で前後半3F35秒3-34秒2のスローペースで展開に恵まれたもの。最後方で進めた本馬には不利な展開だった。

 また当日はやや内有利の馬場だったが、本馬は3~4角の外から進出し、4角で外に張られながらも、ラスト1Fで加速する展開をハッピーエンジェルと3馬身ほどあった差を、1馬身3/4差まで詰めている。

 本馬は前走時、追走にやや忙しさを見せる一方で、一頭だけ違う末脚を見せている。おそらく芝1600mで末脚を活かす競馬がベスト。ここで出遅れても中団くらいの位置は取れるだろう。新潟芝は外差し有利の馬場でもあり、ここは期待したい。

▲ (9)リアライズシリウス

 6月の東京芝1600mの新馬戦で圧勝した馬。ここでは5番枠から五分のスタートを切り、二の脚の速さですっとハナへ。道中は馬なりでペースをコントロールしているが、それでも新馬としてはかなり速いペースを引き上げて3角に入る。

 3~4角で息を入れ、2列目の仕掛けを待ちながらも手応えに余裕があり、1馬身半差のリードで直線へ。序盤で軽く追われてすっと後続を離して3馬身差。ラスト2Fで追われ後続を突き放して5馬身差。ラスト1Fではさらに差を広げて7馬身差で圧勝した。

 このときはタフな馬場で前後半4F48秒6-47秒1のスローペース。前半4Fのペースは新馬戦としては遅くはないが、自身が最後の直線で加速する形でスローにしている。

 このときは一枚上の勝ち方だったが、前走で緩みなく逃げた点が不安。今回で疲れが残る可能性もあり、3番手評価とした。
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中京11R 長篠S 芝1200m
 ◎ (9)エコロマーズ
 ○ (1)ワンダーキサラ
 ▲ (4)メイショウカゼマチ
 △ (5)ヒーローインチーフ
 △ (8)ロードトレイル
結論 馬連9-1,4,7,5,8 (20:10:10:10) 複勝9 (50)

■有力馬と評価コメント

◎ (9)エコロマーズ

 前走で2勝クラスの彦星賞(福島芝1200m)を勝利した馬。前走は9番枠からトップスタートを切り、内からハナを主張したベイビーキッスを行かせてその外2番手を追走。3~4角でもベイビーキッスの外で仕掛けを我慢し、同馬と半馬身で直線へ。序盤でベイビーキッスが本馬を振り切りにかかったが、ラスト1F手前で追われてしぶとく伸び、同馬をクビ差で捉え切った。

 ここは標準馬場で前後半3F35秒2-35秒1の平均ペース。芝1200mとしては遅いペースに持ち込んでの行った、行っただった。

 今回も先行馬が極端に手薄な芝1200m戦。前で流れに乗れて、かつ成績が良い点を評価したい。もともとは2歳時のサウジアラビアRCで5着に善戦した実績があり、素質は3勝クラスでも見劣りしない。

2025年 キーンランドCの予想

■ウインカーネリアンよりも内から差せる馬が有利

 昨年のこのレースで1番人気のナムラクレアが2番枠から先行して5着に敗れたことが記憶に新しいように、外差し決着になることが多い。これはA→Cコース替わり4日目で実施されることが多いためだ。

 しかし、今年はA→Bコース替わり2日目で実施。昨日は稍重スタートで中盤は外差しも決まっていたが、馬場が回復した10Rと11RのWSJSは明確に内有利の決着だった。本日も昨日の後半2戦の傾向を踏襲する可能性が高い。

 ここは前走で逃げている馬が(10)ウインカーネリアン、(6)ペアポルックス、(12)フィオライアの3頭。(12)フィオライアはテンの脚がそこまで速くないので逃げられないと見ているが、それでも競ってはいくだろう。

 その他、(13)ジョーメッドヴィン、(16)カルプスペルシュなど、(10)ウインカーネリアンより外枠に先行馬が多数。ここはペースが上がって、中目より内から差せる馬を中心に予想した。

札幌11R キーンランドC 芝1200m
 ◎ (3)レイピア
 ○ (9)モリノドリーム
 ▲ (6)ペアポルックス
 注 (7)クファシル
 △ (2)エトヴプレ
 △ (4)エーティーマクフィ
 △ (10)ウインカーネリアン
 △ (14)カルロヴェローチェ
 △ (15)ナムラクララ
結論 馬連3-9,6,7,2,4,10,14,15 (10:10:10:4:4:4:4:4) 複勝3 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (3)レイピア

 ゲートが良く、逃げ先行で2勝を挙げた馬だが、3走前の葵Sでやや出遅れ&少し躓いて後手を踏みながらも3着に善戦して以来、後半型のレースをするようになって成績上昇。近2走では古馬相手の2勝クラス、3勝クラスを連勝と勢いがある。

 2走前の武庫川S(阪神芝1200m)は12番枠から五分のスタートを切り、中団の外を追走。道中はワックスフラワーの後ろで我慢させて中団の外を維持。3~4角で外から進出し、4角出口で促して大外に誘導し、3列目付近で直線へ。序盤でじわじわ伸びて2列目に上がり、ラスト1Fで抜け出して3馬身差で圧勝した。

 このときは標準馬場で、内からハナを切ったアメリカンビキニにモンシュマンが競っていったことで、前後半3F33秒5-36秒0の消耗戦となった。ここではペースが速かった前半で動かず、後半の4角から動いたことが好走要因ではあるが、2着馬に3馬身差をつけて勝利したことは評価できる。

 前走の会津S(福島芝1200m)は8番枠から好スタートを決めたが、じわっと控えて中団の外を追走。道中はワックスフラワーの後ろで我慢させて中団の外を維持。3~4角の外から徐々に進出し、4角ではかなり外から仕掛けて進出し、先頭列付近で直線へ。序盤でじわじわ伸びてクビ差ほど前に出ると、ラスト1Fで抜け出して1馬身1/4差で完勝した。

 前走時も標準馬場ではあったが、2走前から一転して前後半3F36秒0-34秒6にスローペース。前有利の展開を3~4角の外から捲る形での勝利だった。

 このように本馬は幅広い展開に対応できるが、ベストは2走前のようにハイペースでこそ。ここは展開に恵まれる可能性が高いと見ており、3歳馬の成長力も加味して本命に押す。

○ (9)モリノドリーム

 昨夏のOP・青函S(函館芝1200m)を重賞通用級の指数で勝利した馬。ここでは8番枠から五分のスタートを切り、じわっと促して流れに乗せ、3角までに好位直後を確保。

 3~4角ではビッグシーザーの後ろを通し、4角で上手く同馬の外に誘導して3列目付近で直線へ。序盤で追われても前も止まらず、さほど差が詰まらなかったが、ラスト1Fでしぶとく伸び続けて先頭のカンティーユをクビ差で捉え切った。

 このときは高速馬場で前後半3F33秒0-34秒7。道中で緩みが生じており、前有利の展開だったが、しっかり末脚を伸ばしている。また当日は3~4角で内を通った馬が2~5着だったように内有利の馬場だったが、3~4角でややロスも作っている。

 本馬は外差し有利の馬場だった昨年のキーンランドCでも、中目から差して4着に善戦しており、洋芝に高い適性を示す。

 近2走の函館戦では9着、5着と敗れているが、2走前の函館スプリントSは極度に内有利の馬場の15番枠で、3角で2頭分、4角で3頭分外を回るロスを作ったことで最後に伸びてこれなかった。

 前走の青函Sは4番枠からしっかり出して序盤2列目と、先行したことが主な敗因。道中で3列目に下げたが、前半のペースが速い地点で流れに乗せているので、最後に甘さを見せたのは仕方ない。本来の末脚を生かす形なら、条件が整ったここで変われる可能性が高い。

▲ (6)ペアポルックス

 今年3月のオーシャンSの2着馬。ここでは12番枠からまずまずのスタートを切り、しっかり出して二の脚ですっとハナを主張したが、内からハナを主張したテイエムスパーダを行かせてその外2番手を追走。道中はコントロールしながら外2番手を維持。

 3~4角でも仕掛けを我慢していたが、テイエムスパーダが下がって4角で先頭に立ち、2馬身のリードで直線へ。序盤で追われてリードを3馬身差に広げたが、最後にママコチャに捉えられて半馬身差で敗れた。

 このときは超高速馬場で前後半3F33秒7-33秒4の平均ペース。芝1200m戦としてはペースが遅く、前有利の展開。ママコチャには完敗だったが、3着馬には2馬身差をつけており、改めて自分のリズムで走れれば強いことを証明している。

 3走前の高松宮記念はタフな馬場で大外18番枠から前に競りかけていったことでオーバーペースとなり、18着に失速。2走前の函館スプリントSは極度に内有利の馬場&かなりのハイペースを11番枠から先行し、3角で2頭分、4角で3頭分外を回るロスを作って5着敗退。また前走のOP・青函S(函館芝1200m)では大外16番枠からトップスタートを決め、脚を使ってハナを主張し、ハイペースで逃げて3着。

 近走はことごとく馬場、展開、枠に恵まれておらず、能力を出し切れていない。前走で逃げてラスト1Fで甘さを見せたことから、今回は外の(10)ウインカーネリアンを行かせて2列目に控える可能性が高い(同じことを繰り返して負けると、乗り替わりになるため) 。

 また昨年11月のOP・みちのくS(福島芝1200m)では、タフな馬場で前有利の展開を、3馬身も出遅れて後方から進め、上がり3F最速で猛追して4着だったように、ある程度、控えてもやれる馬。ややタフな馬場である今回で、いっそ3列目まで下げてしまえば、ここは上位争いに加わる可能性が高いと見ている。

2025年 8/23 BSN賞・WASJ第2戦の予想

■実力馬が前と後ろにハッキリ分かれた一戦

 最内枠を引いた(1)ジャスパーロブストがハナを主張し、これに対して外の(8)ジョージテソーロが競っていく形。(4)レヴォントゥレットは2番手でもいいが、外から競られる形を嫌って、序盤でハナを主張しながらも、最終的には控える可能性が高い。

 (2)ソニックスターや(3)モズミギカタアガリは前記3頭からやや離れた4、5番手くらいか。ただし、それらに続く中団馬が手薄で差し、追込馬が多数となっている。

 このパターンは案外とペースが上がらない場合もあるが、さすがにスローはなく、ペースが上がると読むのが順当。ここは後方から道中でも動ける馬を中心視した。

新潟11R BSN賞 新潟ダ1800m
 ◎ (5)ホウオウルーレット
 ○ (1)ジャスパーロブスト
 ▲ (10)ブレイクフォース
 注 (4)レヴォントゥレット
 △ (2)ソニックスター
 △ (3)モズミギカタアガリ
 △ (6)アイファーテイオー
 △ (11)アスクドゥラメンテ
結論 馬複5-1,10,4,2,3,6,11 (20:10:10:3:3:3:1) 複勝5 (50)

■有力馬を評価ポイント

◎ (5)ホウオウルーレット

 一昨年11月にオープンに昇格してからは頭打ち気味だったが、初めてブリンカーを着用した昨年6月のスレイプニルSで一変して2着。そこでは14番枠から五分のスタートを切り、軽く促して先団馬群の後方外目を追走。道中は緩みなく流れていたが、徐々に進出して3列目の外付近で3角に入る。

 3~4角でじわっとペースが上がっていくなかで2~3頭分外を追走して直線へ。序盤で追われてラスト2Fで先頭列。ラスト1Fで先頭に立ったところを外から立ったところを、外からメイプルリッジに捉えられて半馬身差で敗れた。

 このときは標準馬場で前後半5F61秒5-61秒8の平均ペースだが、東京2100mとしてはほどんど緩んでおらず、後半最速がラスト4F目(3~4角)と仕掛けも早め。ラスト1Fで甘くなっているものの、後方有利の展開を終始好位の外からロスを作り、早めに動いて踏ん張った内容は高評価できる。

 当時のメイプルリッジは次走のブラジルCで2着。3着、4着馬もオープン上位常連のミスティックロア、リチュアルだから当然指数も高く、本馬もここで自己最高指数を記録した。

 このように本馬は2100mがベストではあるが、休養明けの5走前のカノープスS(京都ダ1900m)でも勝利し、3走前のプロキオンS(中京ダ1800m)でも0秒3差の4着に善戦しているように、ダ1800m前後でもやれている。

 2走前のマーチSは5着。このときは標準馬場で前後半4F48秒7-50秒6のかなりのハイペースで後方有利の展開。しかし、3~4角で内を通した馬が上位を独占しているように、内有利の馬場だった。

 後方2列目での外で進めていた本馬は展開にこそ恵まれているが、内有利の馬場に逆行する競馬。3角では(10)ブレイクフォースと同じ横の位置で進めていたが、同馬は3~4角で最内を選択したのに対してホウオウルーレットは3角で中目、4角で大外を回るロスを作っている。

 前走のアンタレスSは、後方追走で見せ場のない9着敗退。当時の勝ち馬ミッキーファイトが帝王賞勝ち、4着ミッキーヌチバナがエルムS3着、7着ヤマニンウルスが東海S勝ちしているように相手も強かったが本調子ではなかった。

 今回はそこから立て直されての一戦。最近は差しのイメージが強くなったが、もともとは先行、距離が延びて好走しているようにスタミナが豊富。ペースが上がらないのであれば、道中で動いても対応できるし、ハイペースならば展開に恵まれるだろう。ここで復活に期待する。

○ (1)ジャスパーロブスト

 これまで9戦し、唯一連対を外したのはゲートが速いブループリマドンナとアンモシエラに挟まれ、前に行けずに揉まれる競馬になったもちの木賞のみ。このときはキックバックをかなり嫌がっていた。

 本馬は4走前の瀬波温泉特別(2勝クラス/新潟ダ1800m)では圧勝。4走前は12番枠から五分のスタートを切り、外からハナを主張したサンライズパスカルを追い駆けて2番手を追走。道中は緩みなく流れていたが、その流れに乗ってサンライズパスカルと2馬身差で直線へ。序盤でしぶとく伸びて半馬身前に出ると、ラスト1Fで突き抜けて4馬身差で圧勝した。

 ここはタフな馬場で前後半48秒7-50秒5のかなりのハイペースだったが、その流れに乗ってぶっちぎっている。さらに前走の阿蘇Sでも超タフな馬場のややハイペースを2番手で進めて、今回の出走馬最先着の2着。本馬は逃げ、もしくはその外2,3番手でレースを進められるととてもしぶとく、ハイペースが濃厚のここでも有力だ。
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札幌11R WASJ第2戦 芝2000m
 ◎ (12)ルカランフィースト
 ○ (14)フクノブルーレイク
 ▲ (3)スピードリッチ
 △ (5)クレバーテースト
 △ (7)アスクオンディープ
 △ (8)スミ
 △ (9)アグラシアド
 △ (10)アイスグリーン
 △ (11)エゾダイモン
結論 馬連12-14,3,5,7,8,9,10,11 (10:10:5:5:5:5:5:5) 複勝12 (50)

■WASJシリーズは差し馬が活躍

 札幌は予報ほど雨が降らず、芝は稍重スタートで高速化傾向。A→Bコースに替わり、先週よりも内が粘れているが、極端に良くなったわけではない。外は不利だが、中目は内と同じくらい伸びている。

 ここはWASJシリーズなので展開を決めつけるのは危険だが、国外の騎手は「逃げ=ラビット」の意識で逃げを嫌うため、C.ルメール騎手が騎乗する(5)クレバーテーストが逃げる可能性が高い。

 一見、ペースは上がりそうもないように映るが、WASJは向上面で捲りが発生するなどして、勝ちに行かない差し馬が勝ち負けすることが多々。ここも差し馬を中心に予想した。

■有力馬と評価ポイント

◎ (12)ルカランフィースト

 一昨年のスプリングSで3着に善戦し、皐月賞にも出走した馬。その皐月賞では酷く掛かったメイショウタバルが大逃げした記憶に残るように、超高速馬場の57秒5-59秒6の激流。本馬は中団やや後方を追走と理想的な位置で進めていたが、最後の直線で伸び切れずの8着に敗れた。

 この年の皐月賞組は優勝馬のジャスティンミラノの戦線離脱を始め、その後にスランプになる馬が多く、「レベルの低い4歳世代」と言われた時期もあったが、これは皐月賞が消耗度の高いレースになってしまったことが理由。結果的に出走馬17頭中、15頭が紆余曲折ありながらもオープン馬となっている。

 未だ3勝クラスの身なのは本馬とミスタージーティー。それでもミスタージーティーは3勝クラスで2度の連対実績があり、オープン入りも時間の問題だろう。
 本馬も皐月賞後は他の皐月賞組同様、すっかりスランプだったが、2走前の鹿野山特別で勝利し、復活を見せた。2走前は3番枠からやや出遅れ、無理をさせずに中団やや後方を追走。道中はコントロールしながら中団の内目で進めて3角に入る。

 3~4角で内目から中目に誘導し、4角出口で外に誘導。直線序盤でさらに外に誘導しながら追われてじわじわ伸び始め、ラスト1Fで一気に差し切ってハナ差で勝利した。

 このときは標準馬場で前後半3F秒6-59秒2のかなりのスローペース。このレースの2~4着馬が先行馬だったように、前有利の流れを後方から差し切っての勝利だった。

 休養明けの前走は福島開幕日のバーデンバーデンCで大外16番枠。内と前有利の馬場&展開を中団外々で進め、4角手前では挟まれて後方列まで下がる不利。不完全燃焼だったが、ここでの巻き返しに期待したい。

2025年 黒潮盃の予想

■人気薄馬の外差しに期待

 ここは逃げてこその(10)アレンパ、前走の大井1600m戦を逃げ切り勝ちした(7)ミクニサンビーム、さらに(4)セイエイ、(5)マウンテンローレル、(11)ヤマノアシオトなど先行馬が揃った一戦。

 さらに昨日から内2頭分が伸びない馬場で、逃げ馬が苦戦している傾向だ。こういう馬場での矢野貴之騎手の立ち回りは素晴らしく、昨日も絶好調だったが、ここはペースが上がっての外差しに期待した。

大井11R 黒潮盃 ダ1800m
 ◎ (9)フレンドローマ
 ○ (7)ミクニサンビーム
 ▲ (5)マウンテンローレル
 注 (9)ユウユウスキー
 △ (3)ドナギニー
 △ (4)セイエイ
 △ (11)ヤマノアシオト
 △ (1)プレミアムハンド
 △ (6)コスタデラルス
結論 馬連9-7,5,9,3,4,11 (16:12:6:4:4:4:2:2) 複勝9 (50)

■人気薄馬の外差しに期待

 ここは逃げてこその(10)アレンパ、前走の大井1600m戦を逃げ切り勝ちした(7)ミクニサンビーム、さらに(4)セイエイ、(5)マウンテンローレル、(11)ヤマノアシオトなど先行馬が揃った一戦。

 さらに昨日から内2頭分が伸びない馬場で、逃げ馬が苦戦している傾向だ。こういう馬場での矢野貴之騎手の立ち回りは素晴らしく、昨日も絶好調だったが、ここはペースが上がっての外差しに期待した。

■有力馬と評価ポイント

◎ (9)フレンドローマ

 2走前の東京ダービーの6着馬。2走前は5番枠からやや出遅れ、無理をさせずに中団やや後方内目からの追走。向正面でやや位置を上げ、最後の直線でしぶとく伸びたが、上位5頭にしっかり離された6着まで。しかし、ここは展開に恵まれなかった面もある。

 2走前は7番枠からトップスタートを決めたスマイルマンボの逃げ…と思わせ、8番枠で同馬を追い駆けて掛かったナチュラルライズが先頭に立ってしまう展開。しかし、ナチュラルライズが先頭を取り切ったことで、スマイルマンボは控える形となり、前後半5F62秒7-61秒1のスローとなった。

 向上面でスマイルマンボらがスローを見据え、ナチュラルライズに競って行ったために同馬が抵抗して早めのスパート。仕掛けが速く、極端に前有利の展開ではないが、好位の外3番手で進めていたシーソーゲーム(6番人気)が3着。好位の内目4番手で進めていたナイトオブファイア(4番人気)が4着だったのは、前半のペースが遅かった影響もある。

 それでも羽田盃4着馬のスズカマンボや東京湾Cの勝ち馬ケンシレインボーに先着。ケンシレインボーは東京ダービーで無印にしていたように東京湾Cで後方有利の展開に恵まれて勝利したところはあったが、充実度を感じさせる内容だった。

 本馬は1200mで2勝を上げているが、テンが速いほうではないので中距離がベスト。前走の優駿スプリントではそれを露呈するかのように8番枠から出遅れ、促しても進みが悪く、後方2番手からの追走。道中でじわっと挽回してもまだ後方3番手の内目。

 3~4角では中目に誘導しながら押し上げ、中団やや後方で直線へ。序盤で外に誘導してしぶとく伸びたが、まだ中団やや後方。ラスト1Fで苦しくなった馬を一気にかわして3着に上がった。

 前走は前後半3F33秒3-38秒5とかなりのハイペースで、ラスト1F13秒7と大きく減速。つまり、本馬は展開に恵まれた3着だった。前走は鞍上の矢野貴之騎手が、ここで(7)ミクニサンビームに乗ることが決まっていたようで、無理をさせてしまった点がやや不安だが、ここは相手がそこまで手強くない。

 またここは逃げてこその(10)アレンパが出走しており、先行馬も多数。ここは思い切って本馬を狙うことにした。

○ (7)ミクニサンビーム

 昨年12月の大井1200mの新馬戦を逃げて4馬身差で圧勝した馬。新馬戦が消耗度の高いレースとなったために、その後の2戦は勝ち切れなかったが、そのあとに立て直され、藤田輝信厩舎に移籍して上昇。移籍緒戦の2走前は6馬身差、前走は8馬身差で圧勝した。

 2走前の大井1400m戦は、5番枠から出遅れたが、二の脚の速さで好位の最内を追走。道中でもじわっと挽回し、2列目の最内で3角。3~4角で先頭のツルマルヴィオの直後まで上がり、直線序盤で同馬の外に誘導。ラスト2Fですっと抜け出して1馬身半ほどリードを奪うと、ラスト1Fで突き抜けて6馬身差で圧勝した。

 2走前は前後半3F36秒6-37秒0の平均ペース。1400mとしてはペースが遅く、逃げた2着馬ツルマルヴィオに向く展開だったが、末脚の違いを見せつけて完勝。ツルマルヴィオはその次走で2馬身半差で完勝しているように、決して弱い馬ではない。

 また前走の大井1600m戦は、5番枠から五分のスタートだったが、二の脚の速さでハナを主張し取り切る。1~2角で息を入れ、向上面半ばからスパート。後続も食らいついてきたが、楽な手応えで3~4角を回り、4角出口で2番手馬を振り切って1馬身半差。直線では後続を離す一方。終わってみれば8馬身差の楽勝だった。

 前走は前後半4F38秒6-37秒5のややスローペース。向上面からペースを引き上げたことで、極端な前有利の展開にはなっていない。ラスト4Fが最速ではあるが、最後まで減速しなかったことは評価できる。同時に前走から1F距離が長くなっても対応できそうな内容だった。今回はさらに相手が強化されるが、さらなる前進があれば通用するはず。

▲ (5)マウンテンローレル

 昨秋の大井1200m新馬戦こそ3着だったが、その後の6戦で全て連対。唯一、2着に敗れた5走前は、休養明けの一戦でで(4)セイエイニに敗れたもの。中距離路線に転向してからは指数を上昇させている。

 2走前の東京ダービーチャレンジ(3歳OP・大井ダ2000m)では5番枠から五分のスタートを切り、コントロールしながら先行策。外から前を主張したスルガダイナゴンを行かせてその外に誘導。道中は2列目の外でスルガダイナゴンをマークしながら進めた。

 3角で前2頭の外に誘導し、4角で(3)ドナギニーが上がってくると抵抗して仕掛け、直線序盤で追われて先頭列に並びかける。ラスト1Fで内から食らいつくスルガダイナゴンを競り落とし、外から迫る(3)ドナギニーを半馬身差で振り切った。

 このときは前後半4F64秒3-63秒7の平均ペース。本馬は2走前同様に平均ペースで流れた前走の若竹賞(3歳OP・ダ1800m)時もそうだったが、好位の外から4角で前2頭に並びかけ、直線序盤で先頭に立って、ラスト1Fで踏ん張るのが勝ちパターンだ。

 こういうレースぶりの馬は成績が安定するのが魅力。ただ今回は相手が強化され、ペースが上がった場合に、最後まで踏ん張り通せるかが課題だとなる。

注 (9)ユウユウスキー

 前走の東京スポーツ賞(B2・大井ダ1800m)を圧勝した馬。前走は五分のスタートを切ったが、内の馬が外によれて接触。これでダッシュが付かずに後方2列目の外からの追走となった。向上面では前にかなり離されていたが、3角手前から徐々に動き出した。

 3~4角でも外から進出して好位の外まで上がって直線へ。序盤でそのままの勢いで先頭に立つと、ラスト1Fで突き抜けて4馬身差で完勝した。

 このときは前後半4F49秒7-51秒2。レース最速が向上面のラスト5F目の12秒5の緩みない流れ。前が苦しく鳴り始めたところから動き出しての勝利だった。それでも長くいい脚を使えていたことは確か。

 また前走の2着馬ムットクルフェは昨年の黒潮盃の3着馬で、昨日のB2・サマーナイト賞を3馬身差で圧勝しているように、古馬のB2としてはレベルが高かった。ここも前走の走りができればチャンスがあるが、前走で能力を出し切っているだけに、余力面での不安がある。

△ (3)ドナギニー

 前走の東京ダービーチャレンジ(3歳OP・大井ダ2000m)では2着。前走は7番枠からやや出遅れ、無理なく後方2列目の外を追走。3角手前で早めに動いて一列位置を上げ、3角で最内に入れる。

 3~4角で押し上げながら外に誘導し、4角出口で大外に誘導。直線序盤でしぶとく伸びて6番手に上がり、ラスト1Fで先に抜け出した▲(5)マウンテンローレルに半馬身差まで迫った。

 このときは前後半4F64秒3-63秒7の平均ペース。位置取りに大きな有利不利はなく、(5)マウンテンローレルに完敗の内容だった。しかし、本馬は2走前の東京プリンセス賞を大目標にした後の一戦で能力全開とまでは行かなかった面もあったはず。その後に休ませて成長を促した効果に期待したい。

△ (4)セイエイ

 前走の明星賞(3歳B2・大井ダ1800m)の勝ち馬。ここでは3番枠から五分のスタートだったが、かなり押してひとつ内枠からハナを主張した(10)アレンパに並びかける。道中も同馬にプレッシャーをかけながら進めた。

 3~4角で再び同馬に並びかけ、先頭列で直線へ。直線では(10)アレンパと長い追い比べとなったが、最終的に半馬身ほど前に出て勝利した。

 このときは前後半4F50秒9-50秒8の平均ペースだったが、向上面からペースが上がっており、ラスト1Fでは13秒3まで減速する展開。前にやや不利な流れであり、(10)アレンパよりも斤量が2Kg軽かった。

 前走が意外と消耗度の高い一戦で、今回で前走よりもペースが上がった場合の不安はある。ただ2走前の大井1600m戦で▲(5)マウンテンローレルを2着に下して勝利しているように、勢いがある。

△ (11)ヤマノアシオト

 2走前の山桃特別(3歳OP・高知1800m)では、後の高知優駿の2着馬ユラリユラメイテを2着に下して勝利。ここでは4番枠からまずまずのスタートを切り、好位の内目を追走。道中は3番手の内目で進め、2週目の3角手前から徐々に動き出す。

 3~4角でも内から進出して単独2番手に上がり、4角出口で先頭のユラリユラメイテの外に誘導して直線へ。直線ではユラリユラメイテ遠い比べとなったが、半馬身差で差し切った。

 本馬は休養明けの黒潮皐月賞で5着に敗れ、そこから中1週で山桃特別出走と押せ押せで使ったためにジュゲムーンに離された3着に敗れたが、ここは巻き返しに一考したい。

2025年 8/2・豊明S&柳都Sの予想

■芝1400mとしては逃げ、先行馬が手薄

 ここは芝1400mとしては逃げ、先行馬が手薄な一戦。内から前を主張する(1)ブリックワークや(2)ショウナンラスボスに、外から(11)レディマリオン辺りが競っていく形になるだろうか? それを見ながら(4)アクートゥス(9)や外のテーオーダヴィンチ辺りが先行策。

 いずれにしても(1)ブリックワーク、(2)ショウナンラスボス、(11)レディマリオンはテンが速くなく、(1)ブリックワーク、(2)ショウナンラスボスはスロー逃げて結果を出している馬だけに、ここも極端ではないにせよ、前有利の展開になる可能性が高い。

中京7R 豊明S 芝1400m
 ◎ (9)テーオーダヴィンチ
 ○ (13)マイネルチケット
 ▲ (11)レディマリオン
 注 (12)トワイライトシティ
 △ (1)ブリックワーク
 △ (3)スーサンアッシャー
 △ (4)アクートゥス
 △ (8)キャプテンシー
結論 馬連10-9,13,11,1,3,8,12 (10:10:10:5:5:5:5) 複勝10 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (9)テーオーダヴィンチ

 2023年以降の芝1400mでは6戦して全て着差0.3秒差以内と崩れていない馬。特に4走前の戎橋Sは昨秋の信越S(L・新潟芝1400m)の覇者レイベリングと同タイムの2着。ここでは1番枠から五分のスタートを切り、じわっと中団中目を追走。道中は行きたがるの我慢させ、前にスペースを作って3角へ。

 3~4角で前のスペースを潰しながら外に誘導して直線へ。序盤で追われて3列目付近まで上がり、ラスト1Fで早めに抜け出したレイベリングにしぶとく迫ったが、アタマ差届かずの2着だった。

 ここは標準馬場で前半3F34秒6-34秒6の平均ペース。位置取りによる大きな有利不利はなかったが、本馬は二の脚が遅いので、芝1200mよりも芝1400mがベストだ。

 本馬は今回は繋靭帯炎による休養明け2戦目。繋靭帯炎は屈腱炎と並ぶ不治の病で、ある程度順調に追い切れるようになるまで1年近くも掛かることから引退させるケースが多い。

 しかし、本馬は現役続行を選択。それは所有者が個人オーナーというのもあるが、3勝クラスでも十分通用する実力があるからだろう。また1年2ヵ月も休養させていることから、ほぼ完治していることが推測される。

 前走のテレQ杯は実績のない芝1200mで速い流れを積極的に出していく形。結果12着に崩れたが、着差は0秒6差だから悪くない。今回はひと叩きされてベストの芝1400m。前走で芝1200mを使っているのでここは好位でレースを進められると見て本命馬とした。
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■ウィンドフォールが展開のカギを握る

 内から(3)ウィンドフォールがハナを主張するが、テンが速くないので昇級のここでハナを取り切れるかどうか? 今回は骨折による休養明けでもあり、外の(14)ジェットランドとのハナ争いになりそうだ。

 この外から(15)サトノアイオライトも先行策。中目のユアフラッシュや(13)ダイシンイメルも先行する可能性が高いが、(12)デコラシオンは今回は「じっくりと構える形から敢えて仕掛けを遅らせる」とコメントしている。

 何れにしろ、しっかりレースを引っ張れる逃げ馬は不在なだけに、ここもそこまでペースが上がらない可能性が高い。

新潟7R 柳都S ダ1800m
 ◎ (15)サトノアイオライト
 ○ (12)デコラシオン
 ▲ (3)ウィンドフォール
 △ (8)フルオール
 △ (2)メテオールライト
 △ (7)ユアフラッシュ
結論 馬連15-12,3,8,2,7 (15:15:8:6:6) 複勝15 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (15)サトノアイオライト

 デビューから一貫して牝馬限定戦を使われており、牡馬と戦うのは今回が初となる。しかし、休養明けの2走前・舞鶴Sでは強豪ダブルハートボンドと0秒6差の3着に健闘。

 2走前は2番枠からまずまずのスタートを切り、二の脚でハナへ。外から前を主張したバスタードサフラン、ダブルハートボンドらを行かせて、2列目の最内を追走。向上面で中目に誘導してダブルハートボンドをマークして3角へ。

 3~4角でもダブルハートボンドを徹底マークしていたが、直線序盤で同馬に離されてしまう。ラスト1Fで甘くなったバスタードサフランをかわして2番手に上がったが、最後にネバーモアに差されて同馬とクビ差の3着となった。

 ダブルハートボンドには3馬身半も突き放されたが、同馬は次走でOPの三宮Sを勝利し、デビューから5戦5勝。この先の交流重賞でオーサムリザルトのライバルになりうる素質馬だ。

 また2着のネバーモアは次走で3勝クラスを勝利。7着のヘニータイフーンも次走で牡馬相手の3勝クラスを勝利したようにハイレベルだった。

 前走のアリエスSは休養明け好走の反動で5着に敗退。ハイペースを先行して早め先頭に立っての1秒1差だけにそこまで悪い内容ではない。そこから立て直されての今回は巻き返しが期待できる。

2025年 7/26・TVh杯&新潟日報賞の予想

■超高速馬場ではないが内有利

 ここは(4)マキアージュ、(5)ナムラローズマリー、大外の(12)モズナナスターなど、テンの速い馬が多数。中目の(7)トウカイファクター、外の(9)ロードトレイル辺りも前を狙ってくる可能性が高い。

 本日の札幌芝は雨の影響でコンクリート馬場や超高速馬場ではないが、開幕週らしく内有利の馬場状態。後半になるにつれて馬場が乾いて高速化することが予想される。

 ここは前掛かりの展開でも、内と前が残る展開になると見て予想した。

札幌11R TVh賞 芝1200m
 ◎ (4)マキアージュ
 ○ (5)ナムラローズマリー
 ▲ (3)カルプスペルシュ
 注 (12)モズナナスター
 △ (2)ポエットリー
 △ (7)トウカイファクター
 △ (9)ロードトレイル
 △ (10)エマヌエーレ
結論 馬連4-5,3,12,2,7,9,10 (15:15:10:3:3:2:2) 複勝4 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (4)マキアージュ

 4走前の2勝クラス(京都芝1200m)を2馬身半差で勝利した馬。ここでは4番枠から五分のスタートを切り、押して押してハナを主張。先頭を取り切ったが2番手のクリスアーサーに突かれてペースを落とせないまま3角へ。

 3~4角でもペースが落とせなかったが、クリスアーサーがバテたことで1馬身差のリードで直線へ。序盤でしぶとく伸びて2馬身差。ラスト1Fでさらに差を広げて2馬身半差で勝利した。

 このときは標準馬場で前後半34秒3-34秒8の平均ペース。斤量52Kgに恵まれたところはあったが、逃げて後続にしっかり差をつけた内容は評価できる。

 前走のUHB賞(函館芝1200m)は大外15番枠から押して押してハナへ。先頭を取り切って息を入れたところで(5)ナムラローズマリーにハナを奪われるリズムの悪い競馬。開幕週よりも2秒以上時計が掛かる標準馬場で、実走ペースが厳しかったこともあり、10着に敗れた。

 しかし、厳しい流れの経験は次走での粘り強化に繋がることが多いもの。今回は4番枠で内枠の利があり、4走前よりも斤量が軽い51Kgという点も魅力。2列目の最内をロスなく立ち回っての上位争いを期待する。

○ (5)ナムラローズマリー

 昨夏の札幌開幕日のHBC賞を逃げ切り勝ちした馬。ここでは3番枠からアオり気味のスタートだったが、押すと速い二の脚でスッと先頭。先頭を取り切るとペースを落とし、3/4差のリードで3角に入った。

 3~4角でも仕掛けを待って1馬身差のリードで直線へ。序盤でしぶとく伸びてその差を維持。ラスト1Fで外からエリカカリーナらに迫られたが、何とか踏ん張ってアタマ差で勝利した。

 このときはコンクリート馬場で前後半34秒1-34秒7の平均ペース。馬場を考えると、もっと後続を離していても良かったところではあるが、アタマ+ハナ差の3着馬シカゴスティングは次走で3勝クラスを勝利しているように、なかなか好メンバーが揃っていたので仕方ないところがある。

 爪不安による長期休養明け後の2戦はやや不振だったが、再び立て直された前走のUHB賞では4着に善戦。ここでもスタートはそんなに早くなかったが、押してからのスピードの乗りはさすがで先頭に立ちかけたが、◎(4)マキアージュに被されて2番手。しかし、3角で先頭を取り返して4着に粘った。

 前走では(4)マキアージュとハナ争いで共倒れしたが、さすがに前走と同じ轍は踏まないだろう。おそらく本馬がハナへ行く可能性が高いと見ているが、2番手でも悪くない馬である。

▲ (3)カルプスペルシュ

 前走のHTB杯(函館芝1200m)は3馬身差で圧勝とここへ来ての地力強化が著しい馬。前走は5番枠から好スタートを決めてハナを主張したが、内のファイツオンを行かせて2番手を追走。道中は同馬の外、半馬身差付近でぴったり進めて3角に入った。

 4角では持ったままファイツオンに並びかけ、直線序盤で早々と先頭に立って半馬身差。ラスト1Fで突き抜けて3馬身差で圧勝した。

 前走はコンクリート馬場で前後半3F32秒9-34秒3のかなりのハイペース。前に不利な展開を2番手に外で進めてしっかり突き抜けた内容は圧巻だった。

 前走をここで再現されれば当然、勝ち負けになるが、前走が消耗度の高いレースになっているだけに疲れが心配で評価を下げた。
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■新潟芝は断然内有利ではないが超高速

 新潟芝は第1回新潟競馬前にAコース部分を張り掛け、第1回終了後にBコース部分を中心に張り替えを実施。Bコース部分のほうが芝が良いので断然内有利ではないが、今夏の新潟は農家が悲鳴を上げるほどほとんど雨が降らず、超高速馬場である。

 そのうえ、ここは小頭数10頭立て逃げ馬は(3)イサチルシーサイドと(6)ワールズエンドのみ。しかし、両馬とも2番手でもやれるタイプだ。前走からブリンカー着用した(9)ベンダバリラビアや暴走馬の(1)ヤマニンアドホックも前に行くと見ているが、さすがにハナ争いには加われないだろう。

 ここはペースが上がらず、前残り決着になる可能性が高いと見て予想した。

新潟7R 新潟日報賞 芝1400m
 ◎ (6)ワールズエンド
 ○ (7)アームテイル
 ▲ (3)イサチルシーサイド
 △ (8)ユキマル
 △ (1)ヤマニンアドホック
 △ (2)ランドオブラヴ
 △ (5)メイショウウネビ
結論 馬連6-7,3,8,1,2,5 (14:14:10:4:4:4) 複勝6 (50)

■有力馬と評価コメント

◎ (6)ワールズエンド

 デビューから6戦し、唯一連対を外したのは超絶スローペースを出遅れて後方からの追走となり、メンバー最速の上がり3F32秒1を駆使しながらも4着と届かなかったアーリントンCのみ。その後はどんどん地力をつけて、2走前の壬生特別(2勝クラス・京都芝1600m)では圧勝した。

 2走前は4番枠からまずまずのスタートを切り、軽く促すと勢いがつきすぎてハナへ。自身は抑えたまま内のビップジーニーを行かせて、2番手でコントロールしながら3角に入った。

 3~4角ではじわっと差を詰めて、4角出口で先頭。直線序盤で馬場の良い外に誘導しながら追われて1馬身のリードを奪うと、ラスト1Fで突き抜けて3馬身差で圧勝した。

 2走前はややタフな馬場で内荒れ。前後半3F34秒9-34秒0のややススローペースで上手く馬場の良い外に誘導できていたが、このクラスでも通用する指数で完勝だった。

 前走の新春S(3勝クラス・中京芝1600m)はタフな馬場でハナを主張したが、内のコスモスパーダに抵抗されてややハイペースの逃げ。最後に本馬をマークしていたコスモエスパーダに差し切られたが、半馬身差の2着なら上等だ。

 本馬はこれまで芝1600mを一貫して使われており、始めての芝1400mになる。しかし、テンが速く、末脚を生かす競馬もできるので、この距離でも問題ないだろう。

○ (7)アームテイル

 目下2連勝の上がり馬。前走の由比ヶ浜S(2勝クラス・東京1400m)は、12番枠から好スタートを決めて中団やや前方の外を追走。3~4角でも仕掛けを待って、直線序盤で外に誘導しながら追われたが伸び始めはやや地味。ラスト2Fでしぶとく伸びて好位に上がり、ラスト1Fで一気に抜け出して1馬身半差で勝利した。

 前走はコンクリート馬場で前後半3F35秒0-341とややスローペース。前有利の展開を中団やや前方の外から鋭く突き抜けての1馬身とここでの末脚は一枚上だった。

 二の脚や伸び始めがやや地味で、加速力があるタイプえはないので、あまりに脚を温存し過ぎると不安があるが、スローペースでもやれる馬。◎(6)ワールズエンドが早めに抜け出す形になれば、いかにも2着に突っ込んできそうなタイプだ。

2025年 7/5・TVh杯&マレーシアCの予想

■重発表も馬場回復の傾向

函館11R TVh杯 芝1200m
 ◎ (8)ナムラクララ
 ○ (12)レオテミス
 ▲ (9)ソルトクィーン
 注 (5)ドゥアムール
 △ (3)ポエットリー
 △ (2)シュヴェルトライテ
 △ (6)スピードオブライト
 △ (1)トーセンサンダー
結論 馬連8-12,9,5,3,2,6,1 (15.13.10.5.3.3.1) 複勝8 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (8)ナムラクララ

 3走前に紅梅Sを勝利した馬。ここでは8番枠からまずまずのスタートを切り、無理をさせずに中団外目で様子を見ながら進め、道中も我慢して3角に入る。3~4角で好位列の中目のスペースを拾い、4角出口で外に誘導して3列目で直線へ。序盤で追われて先頭列付近まで上がると、ラスト1Fで抜け出して1馬身3/4差で完勝した。

 ここは標準馬場で前後半3F34秒1-35秒2とかなりのハイペース。アメリカンビキニがぶっ飛ばしたことで後方有利の展開にめぐ案れての2着だったが、Bコース替わり初週でやや内有利の馬場だったことを考えると、外からよく伸びた。また、3着馬には3馬身半と決定的な差をつける強い勝ちっぷりだった。

 2走前のチューリップ賞は4番枠から好スタートを切ってハナを主張する形。最終的にはコントロールされ好位の中目に控えたが、やや窮屈な競馬を強いられる形で3角に入る。3~4角でも好位の中目で進め、4角出口で仕掛けて外目に誘導して直線へ。序盤で追われたが、前に食らいつくのが精一杯で、ラスト1Fでもじわじわ伸びていたが5着までだった。

 チューリップ賞は超高速馬場で前後半4F48秒0-46秒0とかなりのスローペース。前が有利な展開だったが、行きたがるのを控えて脚を溜めたことが裏目に出た。また短距離ばかりを使われていたことで、序盤から掛かって、脚が溜まらなかった面もある。

 くわえて、3~4角で最内を追走した馬が1着、2着、4着しているように、阪神の開幕週で極端に最内が有利だった。出たなりで逃げて最内を通していれば勝ち負けまで持ち込めていた可能性もあったが、完全裏目の6着敗退。

 前走の桜花賞も裏目の裏目でチューリップ賞時よりも2ランクは馬場が悪化していたが、オーバーペースで逃げるエリカエクスプレスを追い駆けて12着敗退。今回はそこから立て直されての一戦になるが、馬場が悪化すると、前走で厳しい流れを経験している馬や今回よりも長い距離を使われている馬、道悪を経験している馬が有利になるので本馬を本命馬とした。芝1400mがベストだが、芝1600mよりは芝1200mの方が好ましい。
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■ブリンカー効果てき面のサウンドウォリアーが出走

 前走のむらさき賞で5F56秒8の短距離レベルのペースで逃げた(2)サウンドウォリアーのハナが濃厚の組み合わせ。本馬は2年近く掲示板にも乗れない状況が続いていたが、前走時、苦肉の策でブリンカーを着用するとその効果がてき面。今回はさすがに前走より控えるだろううが、ハナは主張するだろう。

 しかし、今回は前に行ってこその(10)メルトユアハートも出走しており、(2)サウンドウォリアーがペースを落とせば、(2)サウンドウォリアーに絡んでいく可能性が高い。

 先行馬も(5)アイスグリーン、(6)バッデレイトが出走しており、ここはある程度ペースが上がると見て予想した。

小倉11R マレーシアC 芝1800m
 ◎ (3)アウフヘーベン
 ○ (10)メルトユアハート
 ▲ (4)コルレオニス
 △ (5)アイスグリーン
 △ (6)バッデレイト
 △ (1)ドットクルー
 △ (2)サウンドウォリアー
 △ (7)ウインリブルマン
結論 馬連3-10,4,5,6,1,2,7 (12:10:10:10:4:2:2) 複勝3 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (3)アウフヘーベン

 小倉芝1800mで【2-1-1-0】の実績馬。2走前の別府特別(2勝クラス)では5番枠から立ち遅れ、そのまま無理をさせずに中団中目を追走。道中ではコントトールして前にスペースを作り、3~4角でそのスペースを潰して押し上げ、4角で外目に誘導して中団やや前方で直線へ。序盤の伸びはまだ地味で3列目の外。ラスト1Fで一気に抜け出して2馬身差で完勝した。

 ここは1回小倉12日目でかなりタフな馬場。逃げ馬がコントロールして逃げたことで前後半4F50秒0-48秒2のかなりのスローペース。前有利な展開ではあったが、外差し有利の馬場を利しての差し切りでもあった。

 本馬はエンジンが掛かってから強く、2走前の豊橋Sでも6番枠から五分のスタートを切ったが、単独最後方で進め、最後の直線序盤でエンジンを掛けながら中目から外にエンジンをかけながら誘導し、ラスト1Fで一気に差を詰めてハナ+3/4差の3着に健闘している。

 2走前もややタフな馬場で前後半4F48秒5-46秒7のややスローペースだったが、小倉芝1800mである程度前が飛ばして上がりが掛かってくれればチャンスが広がる。

 前走のシドニーTは中間で楽をさせての馬体重12kg増と体が太く、2~3走前以上のスローペースでレースの上がり3Fが34秒1と極端に速かったために能力を出し切れていないが、ここは前走の鬱憤を晴らす好走を期待する。

○ (10)メルトユアハート

 4走前の中京日経賞(2勝クラス)では5番枠から好スタートを切って押して行ったが、外のビーナスローズが速く、同馬を行かせて2番手を追走。道中はビーナスローズが淡々と逃げだたが、離れた2番手進めて3角に入る。

 3~4角ではじわっと差を詰めて、ビーナスローズと2馬身半差で直線へ。序盤でしぶとく伸びて半馬身差まで迫り、ラスト1Fで同馬を早々と捉えて抜け出し、外から迫るケイセンマークをクビ差で振り切った。

 ここは超高速馬場で前後半46秒7-47秒2の平均ペース。ビーナスローズが緩みないペースで逃げたことで2番手で上手く脚を溜めることができた。

 ややスローペースで逃げてハナ差の2着に粘った2走前の豊橋Sも悪くないが、ここではラスト1Fでやや甘さを見せており、近4走よりも1F距離が長くなることを考えると、(2)サウンドウォリアーから離れた2番手で脚をタメたいところである。そういう競馬ができればここも上位争いだろう。

2025年 バーデンバーデンCの予想

■開幕週らしく内と前が有利

 梅雨時期の開催で野芝よりも耐久性が低いエクイターフを使用している福島芝は、開幕週でも「超」が付くほど高速馬場で行われることは少ない。今年は開幕週としては時計が掛かっているが、内と前へ行ける馬が活躍している。

 またこのレースは昨年までは福島芝1200mだったが、今年からは福島芝2000mに変更。福島芝2000mは前半で坂を下るコースで最初のコーナー(1角)までの距離も長いため、前半3Fが速くなりやすが、ここは開幕週を考慮し、内と前を中心に予想した。

福島11R バーデンバーデンC 芝2000m
 ◎ (4)キュクヌス
 ○ (1)アンゴラブラック
 ▲ (15)アスクナイスショー
 注 (2)バロネッサ
 △ (5)ワイドアラジン
 △ (7)モズマーヴェリック
 △ (16)ルカランフィースト
 △ (12)ドラゴンヘッド
結論 馬連4-1,15,2,5,7,16,12 (20:10:7:5:3:3:2) 複勝4 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (4)キュクヌス

 3走前の初音S、2走前のスピカSで3着、4着。3走前の勝ち馬カナテープは次走の中山牝馬Sで2着と好走、3走前の2着馬であり、2走前の勝ち馬であるアドマイヤマツリは、その次走の福島牝馬Sを勝利した。このように本馬は3勝クラスで十分に勝ち負けになる実力がある。

 特に3走前は11番枠から好スタートを決め、外からハナを主張したビジュノワールを行かせて好位の中目を追走。そこから外に誘導して2番手に上がり、道中は逃げ馬からやや離れた2番手で折り合って進めた。

 3~4角でもやや離れた2番手で仕掛けを待ち、直線序盤でじわっと逃げ馬との差を詰める。ラスト2Fで追われて先頭に立ち、ラスト1Fでもしぶとく踏ん張っていたが、最後にカナテープとアドマイヤマツリに差されてクビ+クビ差で敗れた。

 2走前は標準馬場で前後半4F46秒4-47秒3の平均ペース。レースの上がり3Fが35秒2と掛かったことで、先行策から押し切れた。本馬はトップスピードが速くないので、前半である程度、リードを奪ってこそのタイプ。

 前走は中1週の強豪軍で大外16番枠からの逃げ。内からパワーホールの抵抗されて、ハナを取り切るまでに脚を使い、道中でも同馬に突かれてペースが落とせず、苦しくなって8着に失速。この時、パワーホールも本馬に絡んだことで苦しくなって11着に失速したが、次走の3勝クラスでは2着に巻き返している。

 前走はペースが厳しかったことは明確。今回は(12)アスクナイスショーに競られる怖さがあるが、前走で厳しい流れを経験しているので、極端にペースが上がらなければ持ち応えてくれるだろう。開幕週の内枠替わりに期待する。

○ (1)アンゴラブラック

 1勝クラスと、2勝クラスの野島崎特別を2連勝。前走の野島崎特別では8番枠から好スタートを切り、内からハナを主張したテリオスサラを行かせて1角で2列目の最内を確保。道中はコントロールしながら前にスペースを作って好位の最内で3角に入った。

 3~4角で前のスペースをじわっと詰めて2列目の最内に上がり、直線序盤では先頭列付近。ラスト1Fで抜け出したところを外差し勢2頭に迫られたが、クビ差で振り切って勝利した。

 ここはコンクリート馬場で前後半5F59秒6-58秒6のスローペース。ここでは内有利の馬場と展開に恵まれた面が大きいが、ここも開幕週の内枠で馬場と展開に恵まれる可能性が高い。実績を考えると、1番人気というのは過剰人気だが、逆らいにくい馬である。

▲ (15)アスクナイスショー

 2走前に2勝クラスの初日の出賞を逃げ切り勝ちした馬。ここでは9番枠から五分のスタートだったが、押して押してハナを主張。先頭に立ってからもペースを落とさず、淡々と逃げて1馬身ほどのリードで3角に入った。

 3~4角でやや息を入れて直線序盤ですっと加速し、リードを2馬身差に広げる。ラスト1Fで外からタイキラプターに1馬身まで詰め寄られたが、危なげない勝利だった。

 ここは標準馬場で前後半5F59秒9-60秒2の平均ペース。A→Bコース替わり2日目で内有利だったが、緩みないペースで逃げて押し切ったことは高評価できる。

 本馬は1勝クラス勝利時も逃げ切り勝ちで逃げがベストではあるが、何が何でもハナにこだわるタイプではない。上述したように福島芝コースは1角が下り坂になっているのでペースが上がりやすい面があるが、◎(4)キュクヌスと上手く共存を図れれば行った、行ったが決まる可能性もある。

注 (2)バロネッサ

 3歳春以来の芝のレースとなった前走・むらさき賞では6着。ここでは15番枠から五分のスタートを切り、無理なく枠なりで中団の外を追走。道中では前2頭から離れた中団の外を促しながら進めて3角に入った。

 3~4角でペースが落ちたところをじわっと差を詰めたが、直線序盤でもかなり離れた中団の外。最後の直線では苦しくなった馬たちをかわして前との差を詰めたが、6着が精一杯だった。

 この日は雨の日本ダービー当日ながら超高速馬場。前後半4F45秒1-47秒8のかなりのハイペースとなったことで、追走に忙しさを見せていたが、前走時よりも時計が掛かる馬場で、1Fの距離延長は好材料。また開幕週の内枠という点も好ましい。久々の芝2戦目で前進を期待する。