■逃げ馬の連対率が高い
セントウルSは阪神開催時の直近10年では、逃げ4勝、先行3勝、中33勝、差し、追い込みの優勝はゼロ。2着には差し、追い込みも届いているが、逃げ1回、先行5回と明確に前有利の傾向だ。
これはセントウルSが阪神開催2日目の超高速馬場で行われることや3角まで距離が短いことが影響している。この傾向は馬場が高速化するほど顕著だが、今年は(2)テイエムスパーダが逃げ切った2023年ほどのコンクリートレベルの馬場ではない。
そのうえ今回は逃げ馬が(2)テイエムスパーダ、(4)エコロジーク、(13)カルチャーデイの3頭も出走。(13)カルチャーデイは外枠なので好位の外からになりそうだが、(2)テイエムスパーダは逃げ馬としてはそこまで二の脚が速くないので、2番枠だとすぐ外の(4)エコロジークに被されて逃げられない可能性もある。
例年よりも逃げ馬が多く、ペースが上がりそうなメンバーではあるが、それでも開幕週の内と前有利の馬場を考慮すると、差し、追い込みは不利だろう。よって、先行馬を中心に予想した。
阪神11R セントウルS 芝1200m
◎ (3)ママコチャ
○ (4)エコロジーク
▲ (11)ワンダーキサラ
△ (6)アブキールベイ
△ (13)カルチャーデイ
結論 馬連3-4,11,6,13 (15:15:10:10) 複勝3 (50)
■有力馬と評価ポイント
◎ (3)ママコチャ
2023年のOP・安土城S(京都芝1400m)でG1でも通用する自己最高指数を記録した馬。ここでは12番枠からまずまずのスタートだったが、二の脚で楽に先行。内のプルパレイを行かせると、さらに内からコムストックロード、グルーヴィットが前を主張してきたので、控えて好位の外を追走した。
3~4角でもペースが上がらず、ブレーキ気味に3角で2頭分、4角で3頭分外から徐々に進出して直線へ。序盤で1馬身ほどあった先頭との差をグンと伸びて一気に先頭に立つと、ラスト1Fでは楽々と後続を突き放して3馬身差で圧勝した。
この時は超高速馬場で前後半3F34秒4-33秒3のスローペース。馬場の内がやや荒れており、上手く外を通せていたが、最後の直線で一気に後続を突き放した内容は強いの一言だった。
本馬はその勢いのまま同年秋のスプリンターズSを優勝。今年もオーシャンSを勝利し、高松宮記念でも3着に善戦している。
また超タフな馬場だった昨年の高松宮記念では、体調不良で前哨戦を使えない誤算が生じ面も影響したとはいえ、8着に大敗した一方、超高速馬場だった今年のオーシャンSでは好指数で勝利しているように、本馬は超高速馬場がベストでもある。
さらに本馬は中京で行われた昨年のこのレースを休養明けで2着に善戦しているように、休養明けを苦にしないタイプ。総合的に見て、本馬が最有力と見た。
○ (4)エコロジーク
国内では3戦3勝。前走の驀進特別(2勝クラス・新潟芝1000m)では、大外18番枠からまずまずのスタートを切り、すぐに進路を外ラチ沿いを取ったが、すぐ外のニシノトキメキに被されて中団に下がってしまった。道中は中団最内で包まれてしたが、ラスト3Fで馬群の外の誘導し、ラスト2Fで2列目付近に上がる。ラスト1Fで先頭に立ったところを、最内からソルレースに急追されたが、ハナ差で振り切った。
ここはタフな馬場で前半3Fが33秒1と速く、前に不利な展開。序盤で前の位置が取れず、中団からの追走となったことで展開に恵まれてはいるが、ラスト3F目から馬場がそこまで良い状態とは言えない中目に誘導しての勝利だった。
本馬はデビュー2戦目、コンクリート馬場の中山芝1200mでも半馬身の出遅れを挽回してハナを主張し、1分07秒2の2歳レコードタイムで勝利しているように、スピードがある。今回は枠の並びも良く、ハナを狙えるメンバー構成。キャリア5戦と浅い3歳馬でまだ成長力もありそうなだけに、対抗評価とした。
▲ (11)ワンダーキサラ
デビュー当初はダートを使われていたが、そこでは結果を出せなかったが、芝路線に転向し、芝1200m路線で花開いた馬。本馬は芝1200mでは【2・6・1・2】の実績で、馬券圏外に敗れた2回は外差し有利の馬場を1~2番手の内で進めたもの。
本馬は抜群の安定感がありながら、2勝クラスでもたついていたが、超絶高速馬場の前走・長篠S(中京芝1200m)で、ついに3勝クラスを突破した。
前走では1番枠からトップスタートを決めてハナを主張したが、外から前を主張した2頭を行かせて3番手を追走。3~4角で外からメイショウクリフトが捲ってきたが、それをやり過ごして2列目で進め、4角で具とで前3頭の外に誘導。直線序盤で先頭列付近まで上がり、ラスト1Fで抜け出して2馬身差で完勝した。
この時はコンクリート馬場で前後半3F33秒7-33秒5の平均ペース。脚質による大きな有利不利はないが、前の位置を取って勝利したことは、前有利の馬場&展開が濃厚のここに繋がるだろう。近走の勢いに期待する。
△ (6)アブキールベイ
今春の葵Sを優勝した3歳馬で、古馬初対戦の前走・北九州記念でも3着。ここでは14番枠から五分のスタート後、様子を窺っていたが前を主張する馬が多く、じわっと後方に下げる形を選択。3~4角では後方4頭分外から進出して直線へ。
序盤の伸びはやや地味だったが、それでも好位列付近まで上がり、ラスト1Fでしぶとく伸びて2着(5)ヨシノイースターにはクビ差まで詰め寄った。
前走はタフな馬場で前後半3F32秒5-35秒3の激流。激流だったが隊列が縦長とはならずに団子状態。本馬は後方有利の展開には恵まれているが、3~4角でかなりロスを作りながらも最後までしぶとかった辺りに地力強化を感じさせる。
3~4角で本馬の前にいたのが(5)ヨシノイースターで強い内容だったが、同馬は休養明けで好走した後の一戦で余力面で不安があるので、北九州記念組からは3歳馬で勢いがある本馬を推す。
△ (13)カルチャーデイ
今年3月に重馬場で行われたOP・米子城S(阪神芝1200m)を好指数で勝利した馬。ここでは大外16番枠からまずまずのスタートを切り、押してハナを主張し、内に切ってハナを取り切る。道中はそのまま淡々と進めた。
3~4角では仕掛けを待ち、1馬身差ほどのリードで直線へ。序盤で追われてリードをやや広げて1馬身3/4差。ラスト1Fでしぶとく突き抜けて2馬身半差で完勝した。
この時はタフな馬場で前後半3F33秒8-34秒9のかなりのハイペース。自ら厳しいペースを作って、OPで上位常連の2着馬ロードフォアエースにしっかり差を付けたことや、休養明けだったとはいえ(5)ヨシノイースターに完勝だった点はかなりインパクトがあった。
このように本馬は時計の掛かる馬場でこそのタイプだ。しかし、コンクリート馬場や超高速馬場だった2走前の函館スプリントSや前走のCBC賞でもインビンシブルパパの2番手から着差0秒4差(6着)、0秒3差(5着)に善戦している。
しかも、前走は2走前にインビンシブルパパにプレッシャーをかけに行って失速した点を踏まえて控えていったが、かなり掛かってもったいない競馬になってしまっている。今回はハナに行くのは難しいとしてもレースが流れての2番手、3番手ならチャンスがある。