■ペースが上がりやすい舞台だが…
中山芝1200mは向上面の直線入り口からスタートしてゴール前の坂下まで下っていくコース。最初のコーナー(3角)までの距離は約275mと短いが、カーブが緩いのでそれほど息が入らず、ハイペースが発生しやすい。
実際に過去10年では7回もかなりのハイペースが発生しているが、昨年まで2回中山3日目Aコース使用3日目で行われていたこともあり、逃げ馬1勝、先行馬5勝している。2着も逃げ馬が2回、先行馬が4回だから、逃げ、先行有利の舞台と言えるだろう。
そのうえ今年からは1週早まり、2回中山開幕週Aコース使用初日で行われる。内にテンの速い(2)ウイングレイテストが出走しているが、本馬は2番手に控えることも可能。何が何でもハナへ行きたい(7)テイエムスパーダに行かせる形になるだろう。
テイエムスパーダが逃げるならば、極端なハイペースになることはなく、先行馬が有利と見て予想した。
中山11R オーシャンS 芝1200m
◎ (11)ママコチャ
○ (1)レッドモンレーヴ
▲ (7)テイエムスパーダ
△ (3)ステークホルダー
△ (5)スリーアイランド
△(13)ヴェントヴォーチェ
結論 馬連11-1,7,3,5,13 (10:10:10:10:10) 複勝11 (50)
■有力馬と評価ポイント
◎ (11)ママコチャ
2023年5月の安土城S(L)では、スプリントGⅠ通用レベルの指数で勝利した馬。同レースでは12番枠からまずまずのスタートだったが、二の脚で楽に先行。内のプルパレイを行かせると、さらに内からコムストックロード、グルーヴィットが前を主張してきたので、控えて2列目の外を追走した。
3~4角でもペースが上がらず、ブレーキ気味に外々を回り、4角でさらに外へ誘導。直線序盤で先頭との差は1馬身あったが、グンと伸びて一気に先頭に立つと、ラスト1Fでは楽々と後続を突き放して3馬身差で完勝した。
本馬は前で立ち回れて、最後の直線でもうひと脚使えることが魅力。一昨年のスプリンターズSでも6番枠からまずまずのスタートだったが、そこから押して好位中目を追走。
3角手前で外に誘導し、4角で2頭分外から2番手のテイエムスパーダをかわして、先頭のジャスパークローネに半馬身差の2番手で直線へ。序盤でじわじわ伸びてラスト1Fでジャスパークローネを捉え、内から捌いて上がったマッドクールとの叩き合いをハナ差で制した。
このスプリンターズSは内と前が有利な展開。これを3角手前で思い切って外に誘導し、ロスを作りながら勝利した内容は濃い。このスプリンターズSでは本馬を本命◎としたが、理由は安土城SでGⅠ級の走りを見せたことと、休養明けの北九州記念を叩いてスプリンターズSを大目標にしていたことである。
昨春の高松宮記念は、休養中に体調を崩したようで前哨戦を使えない誤算が生じ、一昨年のスプリンターズSで2着に下したマッドクールとは1.0秒差の8着に敗退。まあまあ崩れてはいるが、圧倒的に内が有利の馬場状態で、好位の外から勝ちに行くロスが生じたことも大きかった。
本馬はその後に立て直されて、昨秋のセントライト記念では半馬身差の2着。スプリンターズSでも小差の4着に善戦しており、復調を見せている。前走の阪神Cは15番枠で前に壁を作れず、かなり掛かりながらの先行策で5着敗退。距離1400mに問題はないが、距離延長でこれまで以上に掛かりながら外々を回ったことで消耗したもの。
今回はそこから立て直されての一戦。開催日が1週繰り上がり、開幕週の馬場と、逃げ、先行馬の手薄を利しての上位争いを期待する。
○ (1)レッドモンレーヴ
初めての芝1400m戦となった2023年の京王杯スプリングCを勝利し、昨年の同レースでも2着と健闘した馬。昨年の京王杯スプリングCでは17番枠から出遅れ、押していったが、いつものように下がって後方からの追走。道中で結局最後方に下げ切って3角へ。
3~4角では最後方の内目で我慢させ、4角出口で大外に誘導。序盤で後方列からじわじわ伸び始めて、ラスト2Fでグンと伸びて一気に2列目。ラスト1Fでそのまま先頭に立ちかけたところで内のウインマーベルに抵抗され、クビの上げ下げでハナ差で敗れた。
本馬が昨年の京王杯スプリングCで記録した上がり3Fは、2位のダノンスコーピオンを0秒9も上回る32秒2。最後の直線で脚色の違いを見せられる馬というのは、追い込み馬でも仕掛けのタイミングさえ間違えなければ、着実に上位争いに加わってこられる。
またこのタイプはスピードがあるので距離が短いほど良い。本馬はゲートが悪いので芝1200mまで短ほうがいいのかはわからないが、近走はチークピーシーズ効果でスタートがマシになっており、前走の阪神Cはそれが理由で脚を溜め切れず、中団4頭分外を回るロスを作って16着と崩れている。
ここでスタートを決めて内目をロスなく立ち回り、最後の直線でしっかり進路を取り切れれば、上位争いに加われる可能性は十分にある。
▲ (7)テイエムスパーダ
コンクリート馬場で行われた2022年のCBC賞を逃げ切り勝ちした馬。同レースでは5番枠から五分のスタートを切ると押してハナを主張。そのままペースを落とさずに3~4角でリードを広げ、3馬身半差の圧勝だった。
同レースのラスト2Fは11秒1-12秒0。ラスト1Fで甘くなり、そこで後続馬にやや詰め寄られたが、それもそのはず。このレースは前半3F31秒8という、直線競馬唯一の重賞アイビスSDでもお目に掛かれない超ハイペースでの逃亡劇だった。
このCBC賞は斤量48Kgに恵まれた面が大きいが、同レースで本馬が記録した指数はここでは破格。その後は斤量を課せられテンに鈍さを見せて、時間をかけて何とかハナを主張したり、逃げられなかったりして惨敗と大敗の連続。しかし、わりと楽にハナを切れた2023年のセントライト記念では約1年2ヵ月ぶりに勝利しており、本馬は逃げてこそをアピールしている。
今回もスタートから時間をかけてにはなるが、久々にハナを主張できる組み合わせ。ひょっとしての逃げ切りを期待する。
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阪神11R 仁川S ダ2000m
◎ (12)ジューンアヲニヨシ
○ (16)カズペトシーン
▲ (1)ルクスフロンティア
注 (7)ウェルカムニュース
△ (3)フォーチュンテラー
△ (4)タイセイドレフォン
△ (8)リアレスト
△ (14)クールミラボー
結論 馬連12-16,1,7,3,4,8,14 (10:10:10:5:5:5:5) 複勝12 (50)
■ある程度、前の位置でレースを進められる馬が有利
ここは(5)ダイシンピスケスと(6)シゲルショウグンのハナ争いが予想される組み合わせ。しかし、先行馬が手薄で、先行馬は(7)ウェルカムニュースと(12)ジューンアヲニヨシくらい。
阪神ダ2000mはスタートから最初のコーナー(1角)までの距離はおおよそ500m。逃げ争いが激化すればペースが上がることもあるが、ここは内からダイシンピスケスがハナを主張したところを、テンの速いシゲルショウグンがハナを取り切って、そこからペースが落ち着く可能性が高いと見ている。
つまり、ある程度、前の位置でレースを進められる馬が有利ということだ。
■有力馬と評価ポイント
◎ (12)ジューンアヲニヨシ
初めてのダート戦となった2走前の京都ダ1900m戦、ペテルギウスS(L)で2着に健闘。ここでは14番枠から五分のスタートだったが、押して好位の外を追走。道中は緩みなく流れて隊列が縦長になり、3角では前2頭にやや離された3番手。
3~4角で先頭列の直後まで上がって2列目の外から直線へ。序盤で内のタイセイドレフォンとともに伸びて3番手に上がり、ラスト1Fで同馬を捉えて半馬身差。ただ直線序盤で先頭に立ったサンデーファンデー2馬身半ほど前にいた。
しかし、サンデーファンデーは次走のプロキオンSも逃げ切り勝ちしたほどの馬。ミトノオーに同馬がプレッシャーをかけていく前後半4F48秒0-50秒0のかなりのハイペースの好位を追走し、2着を博ほしたことは評価できる。
前走のアルデバランSは2走前が消耗度の高いレースになった影響で、スローペースの2番手でレースを進めながらも上昇しきれずの3着だったが、本馬のように初ダートでも対応できる馬というのは、ダート適性が高く、ダートに慣れて徐々に前進していく傾向が多々。ここは前走以上の走りが見せられると見て本命に推す。