●オーシャンステークス
オーシャンSが行われる中山芝1200mは、外回りの坂の頂上付近からスタートして、約4.5mもの坂を下って行くコース。スタートしてから約275mで最初の3コーナーを向かえますが、「どこがコーナー?」というくらいコーナーが緩いために、そこでスピードが減速することなく、ペースが上がりやすいのが特徴。
実際にこのレースの過去10年を振り返っても、全てが超~ややハイペース。平均~スローペースになったことは一度もありません。昨年のモズスーパーフレア(1着)や2015年~2016年のハクサンムーン(2着)などが逃げてこのレースで連対していますが、それらは後のG1でも通用したように、G1級の実力馬ばかり。展開上、有利なのは中団~差し馬です。
しかし、追い込み馬は、下り坂で加速したまま4コーナーをカーブすることになるので、2016年に1番人気に支持されたアルビアーノが5着に敗れたように、特に外枠の追い込みは不利でしょう。
今年はカッパツハッチやレジーナフォルテ、クールティアラといった芝1000mの逃げ馬が多数出走。その上、テンが速いナックビーナスやエンゲルヘンも出走しているだけに、ハイペースは免れないでしょう。超ハイペースになる可能性もあると見ています。
そうなると展開上は中団~差しが有利ですが、包まれないようにある程度、積極的に出して行く必要性のある1枠の昨年のスプリンターズSの上位2頭、タワーオブロンドン、ダノンスマッシュは割引が必要でしょう。
●チューリップ賞
3年前にG2に格上げされたチューリップ賞。しかし、それにより桜花賞最大の前哨戦という感が薄らいできました。3年前のアーモンドアイや昨年のグランアレグリアのような桜花賞馬のように、トライアルを使わずに本番に直行する有力馬が多くなった一方、賞金が高くなったことで、ここを目標とする馬が多くなったからです。
また、チューリップ賞の全体的な傾向としては、3歳牝馬の重賞らしく、無理をさせないように、また折り合いを学ばせる目的もあり、仕掛けをワンテンポ遅らせる傾向。つまり、スローペースになりやすいということ。このため逃げ馬が穴を開けるケースが目立ち、過去10年の逃げ馬の成績は、1着1回、3着2回と悪くありません。
しかし、決め手ある重賞ウイナーやこの先の重賞ウイナーのほうが圧倒的に活躍しているのも事実です。特に最有力は阪神ジュベナイルFの上位馬が有力で、過去3年とも同レースの優勝馬がこのレースも連対しています。(過去10年で阪神ジュベナイルFの優勝馬で4着以下に敗れたのは、2013年のローブティサージュだけ)
阪神ジュベナイルFを逃げて圧勝したレシステンシアは、本番を見据えて折り合うことを意識してくるはずなので、今回で逃げるのはスマイルカナが濃厚。今回も平均~スローペースで流れて、上がりの競馬となる可能性が高いでしょう。その想定で予想を組み立てたいです。