●ファンタジーステークス
ファンタジーSは、阪神ジュベナイルFの前哨戦。2012年に同前哨戦のアルテミスSが創設されて以来、出走馬が分散し、小頭数で行われることがほとんど。しかし、今年はアルテミスSに強豪リアアメリアが出走し、同馬を避けるかのように小頭数。そのぶんこちらのほうが15頭立てになりました。本番に繋がることが多いのは、アルテミスSのほうですが、昨年、このレースの覇者ダノンファンタジーが本番を制したように、全く繋がらないこともありません。
また、ファンタジーSが行われる京都外回りの芝1400mは、スタートして約200m地点から3コーナーの急坂を上って行くコース。このため短距離戦ながら前半ペースがそこまで上がらず、後傾ラップが発生しやすくなっています。つまり、上がり勝負。この週からBコース使用となっても、Aコース使用時が雨に祟られることが多いせいか、大きく影響を受けることがなく(年によっては高速化)、逃げ、先行馬が有利の傾向となっています。
実際に2014年~2016年は、レースの前半3Fが35秒台前半。一昨年に至っては、出遅れ馬が多発し、前走芝1600mの新潟2歳Sで逃げたコーディエライトのレースメイクする形で前半3F36秒3の超スローペースが発生しました。このような経緯から2015年~2017年は逃げ馬が連対しています。また、2014年は前走・小倉2歳Sでオーバーペースに巻き込まれて大敗した14頭立て、14番人気のクールホタルビが先行策から押し切り、アドバルーンを打ち上げました。
ただし、今年の京都芝コースは、台風の影響などで例年よりも時計が掛かる状況下。先週までなら直線の外を通らないと苦しい状況下でした。その上で今年は芝1200m路線の逃げ馬ケープコッドの逃げが濃厚。他にも新潟2歳Sで逃げたエレナアヴァンティに外枠のマジックキャッスル、ペコリーノロマーノ、クリアサウンと先行馬が揃い、前半3F34秒台までペースが上がる可能性もあります。Bコース使用で、どう変わるのかをチェックしてから、予想を組み立てるのが理想でしょう。
●京王杯2歳ステークス
京王杯2歳Sは、朝日杯フーチュリティSの前哨戦。2歳戦で唯一の短距離G2ともあって、短距離志向の強い馬がここを目標にすることもあります。しかし、けっして本番に全く繋がらないこともなく、2010年にはこのレースの1着馬グランプリボスと2着馬リアルインパクトが本番でワン、ツーを決めたこともありました。
ただし、本番に繋がるのは、デイリー杯2歳S勝ちなど、もともとマイル戦で実績がある馬ばかり。マイル戦での実績がないと、一昨年の優勝馬モンドキャンや3着馬タワーオブロンドンのように、2着、3着と善戦止まりで終わることが大半です。
また、ファンタジーSの傾向は、上がり勝負になりやすいと説明しましたが、京王杯2歳Sが行われる東京芝1400mも同じ。スタートして緩やかに坂を上りながら、約350m地点で3コーナーを迎えるために、ペースが上がりにくいからです。特に逃げ馬不在の場合には、前半3Fが36秒台よりも遅い超絶スローペースが発生する場合もあります。超高速馬場でそこまでペースが遅いとなると、上がり3F33秒台前半よりも速い末脚が使えないと、勝ち負けするのは物理的に不可能です。
しかし、今年は函館2歳Sを逃げ切り勝ちしたビアンフェが出走。同じく芝1200m路線馬のアポロニケ、セイラブミーなどが出走しているだけに、前半3F35秒台くらいまでは上りそうです。それぐらいまでペースが上がれば、逃げ、先行馬が有利となるはず。前が有利と見て、予想を組み立てたいです。