2024年 関東オークスの予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2024.06.12
2024年 関東オークスの予想

■良馬場の関東オークス逃げ切りが決まらない?

 昨日の川崎は内と前が有利だったが、本日のピーカン照りで良馬場まで回復し、差しが決まり出している。例年の関東オークスと言えば、逃げ馬活躍の舞台で、過去10年で3角先頭馬の成績は【4・2・2・2】。しかし、3着以内時は全て稍重~不良馬場。良馬場で行われた2020年は逃げた馬が初ダート馬だったにせよ、大失速している。

 前走で京都ダ1800mの1勝クラスを圧勝した(6)アンデスビエントが前走どおりの指数で逃げれば、ここも勝ち負けが濃厚。しかし、このレースでアンデスビエントにぴったりついて回った2着馬バスタードサフランは、次走で疲れが出たようで、同レースで4着だったサトノアイオライトに逆転されている。

 また、今回は同型馬の(7)ローリエフレイバーや内から(3)イゾラフェリーチェがある程度、抵抗していくことが予想され、そこまで楽には逃げられないと見ている。よってアンデスビエントは▲評価だ。

川崎11R 関東オークス ダ2100m
 ◎ (3)イゾラフェリーチェ
 ○ (5)プリンセスアリー
 ▲ (6)アンデスビエント
 注 (9)クリスマスパレード
 △ (7)ローリエフレイバー
 △ (10)ミスカッレーラ
結論 馬複3-5,6,9,7,10 (16:16:10:4:4) 複勝3 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (3)イゾラフェリーチェ

 3走前の初ダートの未勝利戦では、大外15番枠から外へ逃げて後手を踏んだが、そこからじわっと挽回して好位の外を追走。3角で単独2番手に上がって、4角で逃げ馬に並びかけた。4角出口でやや外に膨れ、直線序盤でやや遅れを取ったが、盛り返して逃げ馬と半馬身差。ラスト1Fで抜け出して3馬身半差で完勝した。

 3走前はかなりのスタミナを感じさせる内容で、それが前々走のデイジー賞の逃げ切り勝ちに繋がった。前走のスイートピーSは折り合う競馬で最後の直線では伸びずバテず。今回はスタミナを活かせる距離、ダート2戦目でさらなる上昇が期待できる。

○ (5)プリンセスアリー

 3走前のユングフラウ賞では、行った、行ったの展開を出遅れて、3~4角でも前の馬が下がった影響で仕掛けが遅れて4着敗退。ここではメンバー最速の上がり3Fタイムで猛追しており、もったいない内容だった。しかし、ここで能力を出し切れなかったことでエネルギーが溜まり、前走の桜花賞では巻き返しVを決めた。

 前々走の桜花賞は4番枠から好スタートを切って、2列目の内目を追走。向上面で逃げ馬ミチノアンジュの後ろまで上がり、3~4角の最内から直線へ。序盤でミチノアンジュの外に誘導し、2番手に上がる。残り100mでしぶとく踏ん張る同馬をかわして1馬身差で勝利した。ここでは危なげないレース内容だった。

 前走のプリンセス賞では、9番枠からやや出遅れて中団の外を追走。道中でじわっと3列目付近まで上がったが、3~4角ではやや置かれて離され、4角出口で大外に誘導。直線序盤で追われるとじわじわ伸びて2列目まで上がった。ラスト1Fでもしぶとく伸び続け、クビ+クビ差の3着となった。

 プリンセスアリーは近3走ともメンバー最速の上がり3Fを記録しており、差す競馬もできる点が強み。中央馬のペースアップに付き合わず、2、3着狙いの騎乗ならチャンスは広がる。

▲ (6)アンデスビエント

 昨年9月の阪神ダ1800mの未勝利戦を逃げ切り勝ち後、ノド鳴り手術を行い、そこから復帰すると上昇一途。前走では京都ダ1800mの3歳1勝クラスを圧勝した。

 前走は3番枠からトップスタートを切って、そのままハナを主張して先頭。道中では2番手のバスタードサフランにプレッシャーをかけられ、3~4角では外から被されていたが、我慢して4角出口でスパート。直線序盤で楽な手応えで後続を引き離して1馬身半ほど。ラスト1Fでさらに差を広げて3馬身半差で完勝だった。

 アンデスビエントは2022年に優勝したグランブリッジと同じようなローテーションだが、前走指数はアンデスビエントの方が上で断トツ。実際にこのレースの2着馬バスタードサフランと4着馬は、次走で同じレースに出走して3着馬を4馬身離し、2着と1着と好走している。

 しかし、ここでサトノアイオライトとバスタードサフランとの逆転が起こってしまったのは、バスタードサフランが疲れが出て、上昇力を欠いてしまったのが主な理由である。

 今回は同型馬の(7)ローリエフレイバーに、内からある程度、抵抗して行く可能性が高い◎(3)イゾラフェリーチェが出走。アンデスビエントは前走のレースぶりからは、折り合う競馬にも対応できそうな感はあるが、前走の疲れがやや心配で評価を下げた。

注 (9)クリスマスパレード

 デビューから上昇一途で、前走のフローラSでも4着に好走した馬。前走は大外14番枠からやや出遅れ、外に膨れたが、それを立て直して先行策。楽に2列目外まで上がって追走した。道中はやや掛かり気味だったが、それをコントロールして3番手の外で3角へ。3~4角でも2頭分外を回るロスを作って4角出口で仕掛け、2列目の外で直線へ。序盤で追われたが、伸びそうで伸びず。ラスト2Fで何とか先頭列に並びかけたが、ラスト1Fでジリと下がって3着争いの4着に敗れた。

 前走は開幕週の超絶高速馬場、内と前が有利な状況下を考えれば、外々を回っての4着は悪くない内容。ただ、やや追走に苦労していた辺りから、距離が伸びてこそを感じさせた。前々走の水仙賞同様に芝2200mくらいか、それよりも長くても良いイメージがあった。上がりの速い決着でキレ負けした内容から、ダートでやれても不思議ないが、初ダートをこなすのは簡単な条件ではない。よって、特注馬とした。

△ (7)ローリエフレイバー

 中央馬が相手の雲取賞では2番枠から逃げられず、外から被されて11着と大敗した一方、5走前の雷鳥特別では逃げて2.4秒差の大差勝ち。3走前の東京2歳優駿牝馬でも3角先頭で勝利し、前走の東京プリンセス賞でも逃げてクビ差の2着に好走しているように、前に行って砂を被らないレースができるとしぶとい馬だ。

 前走は1番枠から好スタートを切って、枠の利を活かしてハナを主張。道中は3頭並走の最内でマイペースの逃げ。3角手前で大外からムサシジェリーナが捲りをかけ、それに内3頭が抵抗し、ひとつ外の(10)ミスカッレーラとともに先頭列で直線へ。序盤でミスカッレーラに対して半馬身リードを奪ったが、同馬もしぶとく食らいついた。残り100mで同馬を振り切ったところで、外からフェルディナンドに差されてクビ差、○(5)プリンセスアリーの追撃はクビ差で凌いでの2着だった。

 前走は3~4角で仕掛けたことで、ラスト1Fで苦しくなったが、強い内容だった。今回、テンの速い▲(6)アンデスビエントより外の枠で、ローリエフレイバーとしては理想的な位置は取れると見ているが、休養明けの前走で善戦しているため、大きな上積みは期待しにくい。前走から多少なりとも前進があれば、通用するかと言ったところだ。

△ (10)ミスカッレーラ

 デビューから3連勝でローレル賞を優勝した馬。同レースでは7番枠から出遅れたが、そこから促して逃げ馬テルオールの外2番手を確保。向正面で同馬にプレッシャーをかけ、3~4角で並びかけた。直線序盤で抜け出して半馬身差。ラスト1Fでもうひと伸びして3/4差で勝利した。ラスト2Fは13秒7-13秒3。外から迫るアメリアハートを寄せつけず、3着馬スピニングガールに8馬身差を付けての完勝だった。

 その次走の東京2歳優駿牝馬は、一転して7番枠から好スタートを切って、行きっぷり良く一旦先頭。外から後の桜花賞2着馬パペッティアと(7)ローリエフレイバーが内に切れ込んできたので、それらを行かせて2列目の外4番手を追走。3~4角でじわっと進出し、4角では先頭のローリエフレイバーに並びかける。しかし、直線序盤で振り切られて2馬身差。ラスト1Fでもその差を詰め切れずの2着だった。

 東京2歳優駿牝馬はローリエフレイバーが直線序盤で外にヨレたのを避けたぶんの着差もあるが、ラスト1Fでもその差を詰め切れてはおらず、ここでは完敗だった。しかし、休養明け2戦目となった前走の東京プリンセス賞が、ローリエフレイバーに積極的にプレッシャーをかけていく形で同馬と1馬身半差の2着。完調手前だったことを考えれば悪くない内容だった。ローレル賞で見せた素質の高さから、ここは一考したい。

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