■実績馬はここを目標にしない
斤量は瞬発力(スピードのアップダウン)に一番大きな影響を及ぼすので、重量が重いと低速→高速にギアチェンジするまでに時間が掛かり、ダッシュ力が鈍り、時々出遅れるシーンを見かけることがある。よく重量を背負わされた逃げ馬のダッシュ力が鈍り、時々出遅れるシーンを見かけるが、それはスピードが加速するまでに時間が掛かるためだ。
こういった影響もあり、ダ900m戦で別定戦でもあるこのレースはA1格付けの馬は斤量を背負うことになるため、ここを目標にしないことが多い。つまり、実績馬は顕著に定量戦であるSⅠ・習志野きらっとスプリントが目標であるということ。このためこのレースは格下の馬が活躍している傾向だ。
川崎11R 川崎スパーキングスプリント ダ900m
◎ (2)プライルード
○ (6)ティアラフォーカス
▲ (4)エンテレケイア
注 (10)サンダーゼウス
△ (3)カプリフレイバー
△ (5)ヴァンデリオン
△ (8)アポロビビ
結論 馬複2-6,4,10,3,5,8 (14:14:10:6:4:2) 複勝2 (50)
■有力馬と評価ポイント
◎ (2)プライルード
昨年のアフター5スター賞を3歳馬ながら圧勝した馬。同レースでは6番枠からやや出遅れたがじわじわ位置を上げ、2列目の好位馬群の中で3角へ。4角出口で前の3頭の外に誘導すると、直線序盤でしぶとく伸びて先頭。ラスト1Fでそのまま抜け出して3馬身半差で完勝した。
同時の2着馬は(3)カプリフレイバー。3歳馬で斤量4kgの恩恵を差し引いても、前半3F34秒2-後半3F37秒2のハイペースを好位でレースを進めての結果は十分に褒められるものだった。
またその次走のJBCスプリントは超高速ダートで行った、行ったが決まる流れ。プライルードは前に行けずに差す競馬となったが、その後、ダ900m~1000mの重賞で5勝を挙げたキモンルビーに先着している。
一昨年の東京スプリントで1.1秒差(6着)に善戦後、しばらく不振だったが、昨秋はOP特別2勝、重賞の船橋記念2着と好走し、復調気配を見せている。休養明けの前走、東京スプリントは3番枠から出遅れ、そこから積極策で2列目の最内まで挽回して行く競馬。結果、最後の直線では早々と手応えを失ってしまったが、叩かれての今回は変わり身を期待する。
またプライルードはスパーキングスプリントチャレンジを除外されてのここ出走。斤量57Kgと重いことは、特にダ900m戦において不利な材料だが、トライアルを除外されてここを目標にせざるを得なくなったという意味では評価できる。
○ (6)ティアラフォーカス
一昨年の船橋記念の優勝馬。同レースでは大外12番枠からやや出遅れたが、挽回して外を追走。3~4角の大外から置かれずについて行き、直線序盤で2列目付近まで上がった。ラスト1Fで抜け出しかかったキモンルビーを差し切って半馬身差で勝利した。
ティアラフォーカスは昨年の船橋記念でも3着。昨年の川崎スパーキングスプリントでも内と前が有利の展開を8番枠から出遅れ、3~4角の外々から押し上げて行く競馬で5着に善戦しており、見せ場はあった。近走はやや物足りないが、前走で逃げてオーバーペースのレースをしたことで、今回はレースの流れに乗りやすいはず。さらなる前進を期待する。
▲ (4)エンテレケイア
6走前のA2・ミズナラ賞で大楽勝した馬。9番枠から五分のスタートを切り、そこからすっとハナを主張。そのまま逃げてマイペースに持ち込んだ。3角手では半馬身ほどのリードだったが、そこからスパートして4角では3馬身差までリードを広げた。最後の直線では後続を引き離す一方で、9馬身差の圧勝だった。
このようにエンテレケイアは外から被されないと強く、4走前のA2・新春賞でも3馬身差で大楽勝している。前走のA2・五月特別もオーバーペースで逃げて、クビ差ながら勝利している。
昨年の川崎スパーキングスプリントでは1番枠だったが、逃げられず、好位から最短距離を立ち回って5着。900mは短いが許容範囲のではあるだけに、地力を付けた今年は軽視できない。
注 (10)サンダーゼウス
川崎900mで10勝のコース巧者。7走前のやまなみ五湖「津久井湖」賞では4馬身枠からまずまずのスタートを切ってかなり押してハナを主張しての逃げ切り勝ち。このレースでは(12)ノボベルサイユを相手に3馬身差で逃げ切り、前走のスパーキングスプリントチャレンジでは、3着の同馬に4馬身差をつけて逃げ切った。
前走では(9)マッドシェリーやノボベルサイユの方がテンが速かったが、内から抵抗して3角でハナを取り切っての勝利だった。ただし、前走は内と前が有利な馬場に恵まれた面があった。今回はそこから相手が強化されるとなると不安もあるが、差す競馬にも対応できるので警戒した。