2024年 さきたま杯の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2024.06.19
2024年 さきたま杯の予想

■逃げられないレモンポップは能力を出し切れるか?

 (7)レモンポップは昨年のフェブラリーSを完勝してGⅠ馬になり、昨秋はマイルCS南部杯で圧勝し、昨秋のチャンピオンズCも制したほどの馬。ここでは能力断然だ。

 しかし、昨秋以降は逃げ切りであり、マイルCS南部杯は断トツで指数が高かった。現状、逃げなかった場合の指数はスバ抜けていないので、逃げられない今回は最高レベルの走りが出来ないと見て対抗評価に止めた。今回は休養明けでもあり、万が一、取りこぼせば高配当になるだろう。このラインより上のエリアが無料で表示されます。

浦和11R さきたま杯 ダ1400m
 ◎ (5)イグナイター
 ○ (7)レモンポップ
 ▲ (8)サンライズホーク
 注 (2)シャマル
 △ (11)タガノビューティー
 △ (1)アランバローズ
結論 馬複5-7,8,2,11,1 (20:12:12:4:2) 複勝5 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (5)イグナイター

 昨年のJBCスプリントでリメイクを相手に完勝した地方競馬のエース。同レースでは8番枠からまずまずのスタートを切り、そこからかなり押して5頭並走の先行争い。しつこく前を主張して逃げたラプタスの外から3角へ。3~4角でも楽な手応えで積極的にラプタスに絡み、4角では同馬とクビ差。直線序盤で早々と先頭に立つとしぶとく粘り、ラスト1Fで外から伸びるリメイク、リュウノユキナを振り切って1馬身半差で完勝した。

 2着リメイク、3着リュウノユキナは道中でカラ馬に絡まれる不利があったが、タフな馬場で前後半3F34秒4-37秒6の速い流れを勝ちに行って勝利したことは評価できる。

 また、イグナイターは昨年のさきたま杯も優勝。同レースは前後半3F35秒2-37秒5のかなりのハイペースの展開だったが、スマイルウィをマークしながら2列目の中目で進め、最後の直線序盤で外からバスラットレオンに閉められ、仕掛けを待たされる不利がありながらもスマイルウィに迫ってクビ差。スマイルウィは南関東の1400m~1600m路線のエースなので、ここも強い内容だったと言える。

 昨秋のマイルCS南部杯では(7)レモンポップに大差の2着。前々走のフェブラリーSでは11着に敗れているが、本質的にマイルは長く、1400mがベスト。前走のドバイゴールデンシャヒーンでは、最内枠から出遅れ、そこからかなり押して好位の最内まで挽回して行く競馬。最後の直線序盤で進路確保に苦労する場面がありながらも、5着に善戦している。直線で前のカラーアップが下がってきたのを上手く捌けていれば、もっと頑張れていた内容だった。

 今回は得意の浦和ダ1400mが舞台。昨日、開催中止になるほどの不良馬場で、そこから回復するとなるとやや内が有利だろう。今回は内からハナを主張するシャマルに、内から抵抗する(1)アランバローズの2頭が引っ張って行く展開の2列目、昨年のさきたま杯と同様ににレースを進められる点が好ましい。

○ (7)レモンポップ

 昨年のフェブラリーSを完勝してGⅠ馬になり、昨秋のマイルCS南部杯では圧巻の走りを見せた。マイルCS南部杯では3番枠からまずまずのスタートを切って、枠なりでハナを主張すると、道中はコントロールして後続を引き付けての逃げ。3角では2番手外の◎(5)イグナイターとはクビ差。3~4角で後続を引き離してイグナイターと4馬身のリードで直線へ。序盤の上り坂を楽な手応えで駆け上がると、どんどん後続を引き離しての大差勝ちだった。

 2着馬イグナイターに2.0秒差。同馬は次走でJBCスプリントを制しているように、けっして弱い馬ではない。また盛岡の超高速ダートで前後半4F47秒4-46秒4のスローペースだったことを考慮しても、あまりの大きな着差に度肝を抜いた。レモンポップはここで本格化したというのもあるが、逃げてこそのタイプだったということになる。

 前々走のチャンピオンズCは優勝したものの、休養明け好走後の疲れ残りの一戦で大外15番枠からやや出遅れ、そこからじわっとハナを取り切って逃げる形での1馬身1/4差の4着。大幅に指数を下げてしまったが、逃げたことでそれなりに能力を出せたことで勝つことが出来た。

 前走のサウジアラビアRCは12着に大敗したが、中団内目で揉まれる競馬で本来の能力を出し切れなかった。今回は前走から2Fの距離短縮。1800mで後方からレースをしているだけに、1400mのここではさすがに逃げられず、揉まれてしまう可能性が高い。よって、対抗評価に止めた。

▲ (8)サンライズホーク

 距離を1200mから1400mに延ばしたことで1~2番手で揉まれない競馬ができるようになり、サマーチャンピオン、兵庫GT、かきつばた記念を3連勝した。前々走のかきつばた記念は、4番枠からやや出遅れ、ラプタスに外から進路をカットされたが、そこから進路を砂厚の深い内に切って最短距離から先頭へ。3~4角で外からヘリオスに競られたが、直線序盤でそれを振り切り、1馬身半差で勝利した。

 名古屋1500mで前後半3F36秒3-38秒2の速い流れを、やや出遅れを挽回して逃げ切った前々走は強く、ここで自己最高指数を記録している。前走の黒船賞は休養明けで自己最高指数を記録した反動で11着に大敗。前走は4番枠から内から好スタートを切った(2)シャマルのハナを叩きに行ったところで、外からヘリオスにプレッシャーをかけられ、1角で外に振られる不利はあったが、そこからも崩れているので、本調子になかったと言える。

 今回は立て直されての一戦。(2)シャマル、(1)アランバローズのハナを叩くのは難しいが、前記2頭の外でも揉まれない競馬ができる。ここでの変わり身に期待する。

注 (2)シャマル

 前々走のかしわ記念で念願のJpnI初制覇を達成した馬。前々走は5番枠からまずまずのスタートだったが、そこから押してハナ主張。すっと内に切れ込んで主導権を握った。道中も淡々としたハイペースを刻んで3角へ。3~4角でも最短距離を通して淡々と進め、2馬身差のリードで直線へ。序盤で後続を引き離して3馬身半差までリードを広げたが、ラスト1Fで甘くなり、そこをタガノビューティーにやや詰められたが2馬身半差で完勝した。

 前走時は不良で、同日は逃げ馬7勝、2着1回という逃げ馬天国。こういう時にハナを取り切るのも素質であるが、ここではハナを切ったころで馬場に恵まれ、自己最高指数を記録している。

 シャマルは昨年の黒船賞でも好位の内を前の馬とのスペースを作って追走し、4角で砂厚の深い最内から抜け出し、直線序盤で外に誘導しながら一気に先頭に立ち3馬身差で完勝。ダ1400mにも問題はないが、前走の疲れが心配で評価を下げた。

△ (11)タガノビューティー

 前走で2度目のかしわ記念連対を果たした馬。前走は2番枠からまずまずのスタートを切り、そこから押していったが、あまり進まずに後方に下がってしまった。しかし、道中でじわっと最内から中団まで押し上げて3角へ。3~4角でも中団最内からしぶとく押し上げて3列目の外から直線に。序盤で外に誘導してしぶとく伸びて4番手まで上がると、ラスト1Fでシャマルに2馬身半差の2着まで迫った。

 前走は淡々としたハイペースで前と内が有利の馬場。内々を通したことで噛み合っての好走だった。

 タガノビューティーは1400mでは目立った実績がなく、マイルがベスト。今回は距離が短く、後方からの競馬になる可能性が高いが、前走同様に前がペースを引き上げてくれればチャンスはありそうだ。

△ (1)アランバローズ

 2020年の全日本2歳優駿の優勝馬であり、2021年の東京ダービー馬でもあるが、同年のオーバルスプリントでも3着の実績がある馬。そのオーバルスプリントでは、10番枠から好スタートを切り、押してハナを主張。淡々としたペースで逃げ、前半3Fは34秒9。3角手前で一気に上がって来たテイエムサウスダンに競られ、3角では前に出られたが、それでもしぶとく食らいついて直線序盤でも2番手。ラスト1Fでティーズダンクに外から差されて、同馬と2馬身差の3着だった。

 このオーバルスプリントが、全日本2歳優駿に次ぐ2番目の走り。アランバローズは1400m~1600mがベストの馬だ。

 アランバローズは調子の波が激しく、オーバルスプリント後に調子を落とし、昨年9月の千葉ダートマイルで勝利し、サンタアニタT2着で復活。またその後に調子を落としたが、今年に入ってからは1400m~1600mで1~2番手の競馬で安定した走りを見せている。

 さきたま杯は過去10年で5人気以下の地方馬7頭が3着以内に好走しているが、そのうち3頭が前走で3角2番手以内でレースを進めていた。該当馬は2020年のノブワイルド(6番人気・3着)、2022年のサルサィオーネ(5番人気・1着)、2023年のスマイルウィ(5番人気・2着)。遡れば2013年のナイキマドリード(7番人気・3着)も前記に該当。浦和コースは最後の直線が短く、差し、追い込み馬は不利。逃げ馬、マクリ馬が有利なので、早めに動ける地方馬は警戒しておきたい。

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