2024年 フジノウェーブ記念の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2024.02.28
2024年 フジノウェーブ記念の予想

■1400mの重賞としては先行型が手薄

 今回で逃げたいのは(5)トップウイナーのみ。しかし、内枠の(3)スワーヴシャルルの方が出脚が速いので、同馬が逃げる可能性はある。また今回からチークピーシーズを着用するブラックストームも積極的に位置を取って行く可能性があるが1400mの重賞としては先行型が手薄だ。

 (7)ギャルダルが優勝した昨年のフジノウェーブ記念も逃げたい馬はテンの速いギシギシ1頭のみでペースが落ち着いたが、今年もペースが落ち着く可能性が高い。

 またサラオクで3000万円弱で取引された(3)オメガレインボーも、公言通りの意欲の連闘策で出走。小久保厩舎と言えば、(15)ブラックパンサーを中5日(2022年11月7日の馬産地日高特別)で勝利に導いたこともあるほどの連闘厩舎。同馬の動向にも注目が集まる。

大井10R フジノウェーブ記念 ダ1400m
 ◎ (7)ギャルダル
 ○ (3)オメガレインボー
 ▲ (13)ルーチェドーロ
 △ (5)トップウイナー
 △ (6)サヨノグローリー
 △ (9)エアアルマス
 △ (11)メンコイボクチャン
 △ (12)スナークダヴィンチ
結論 馬複7-3,13,5,6,9,11,12 (20:8:6:6:6:2:2) 複勝7 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (7)ギャルダル

 昨年1月に大師OPを勝利すると、次走の多摩川OPも勝利し、続くフジノウェーブ記念で初重賞制覇を達成。そして今年1月の川崎マイラーズCも優勝した。昨年の多摩川OPは、今年1月の川崎マイラーズCを優勝したデュードヴァンを1馬身半差の2着に下し、(15)ブラックパンサーに4馬身差を付けて完勝している。

 ただし、多摩川OPはキャッスルトップが大逃げを打って、前後半4F49秒7-52秒9の速い流れ。同レースでは11番枠からまずまずのスタートからじわっと内目に切れ切れ込み、中団最内を追走。向正面で外から捲られやや位置を下げ、3~4角でペースダウンしたところでコズミックフォースを追い駆けて好位の外に進出。ラスト1Fでデュードヴァンをしっかり差し切っての勝利だったが、好位の外から3角手前で2番手まで上がり、4角先頭から押し切りを図ったデュードヴァンの方が内容は上だった。

 しかし、前走の川崎マイラーズでは、デュードヴァンとギャルダルの隊列が逆。前走もアランバローズが大逃げを打って、前後半49秒2-53秒0という多摩川OP以上のハイペースだったが、ここでは3番枠から好スタートをを切って、好位の外をを追走。向正面半ばで進出を開始して、2番手に上がって直線へ。残り100m過ぎでアランバローズをかわし、先頭に立ったところを外からデュードヴァンに差されてアタマ差2着となった。

 前走もは逃げ馬を自ら負かしに行っての2着で内容は濃く、デュードヴァンと同等くらいまで地力を付けていると言える。またギャルダルは昨年のフジノウェーブ記念の覇者であり、この距離も問題ないので本命馬とした。

○ (3)オメガレインボー

 ダ1700mに多くの好走実績があり、2021年夏にはマリーンS、エルムSで連続2着。その次走の武蔵野Sで3着したあと、距離不足と思われたカペラSでも3着。同レースは一気の2Fの距離短縮で、9番枠から出遅れて想定どおり後方からだったが、そこから盛り返すような脚を見せ、後方馬群の最内を追走。3~4角で最短距離を通って、直線では最内から進出。序盤はジリジリだったが、ラスト1Fでバテた馬を捌いて前のモズスーパーフレアをクビほどかわしたところがゴールだった。

 3年前のカペラSは良馬場で前半3F32秒8。芝の逃げ馬モズスーパーフレアが極端なハイペースにしたことで、ラスト3F36秒7(11秒9-12秒0-12秒8)の消耗戦となり、直線で前がバタバタと失速。オメガレインボーはそれをロスなく立ち回り、前を差し切っての3着。本馬は2022年のエルムSでも3着の実績があるように、ベストは1700mだが、スプリント戦でも悪くない。

 昨年はダ1400mのOP・ポラリスSを勝利後に休養し、7月に復帰してからの成績が振るわないが、それでも前々走のカペラSでは勝ち馬と0.9秒差の9着に善戦しているように悪くない。その後、サラブレッドオークションで目玉として出品され、3000万円弱で取引されて小久保厩舎に移籍。前走の梅花賞は馬体重15kg増での出走しなったが、今回は意欲の連闘策で期待したい。

▲ (13)ルーチェドーロ

 中央所属時代は中京ダ1400mの端午Sを勝利している馬。ただ同レースでは前後半3F33秒5-38秒3の超絶ハイペース。7番枠からやや出遅れて、二の脚も他馬にやや見劣り、序盤から後方からになったことで、激流には乗らず、展開に恵まれて1馬身3/4差で勝利した。このことから中央時代は一度も印を打ったことはなかったが、同年秋のOP・大阪スポーツ杯4着後に船橋に移籍すると、移籍2戦目でフジノウェ―ブ記念を完勝。

 同レースでは1番枠から好スタートを切って、楽に2番手を取って追走。3~4角で楽に外から逃げ馬に並びかけ、直線序盤で先頭に立つと、外から食らいつくレッドフレイにラスト1Fで差を広げて3馬身半差で完勝だった。

 ルーチェドーロはその後が振るわないが、休養明けの前々走の笠松GPでは3番枠から五分のスタートを切って、中団の最内から向正面半ばでハナを取り切って、2着(9)エアアルマスに3馬身差をつけて圧勝。ここで復調気配を見せた。

 前走の川崎マイラーズはその疲れで8着に敗れているものの、ここは巻き返しが期待できる。本馬は1400mで結果を出したことでスプリント路線を中心に使われているが、本質的にこの距離は忙しい。しかし、前々走の3F通過は36秒6。これくらいで行ければ、好位の直後から中団の位置は取れると見ている。

△ (5)トップウイナー

 2017年のプロキオンSの覇者。同レースでは6番枠からまずまずのスタートから押して出鞭も入れて前を主張。最終的には外から一気にメイショウウズマサが一気に内に切れ込んできたので、その外に誘導して2番手の外をコントロールしながら追走。3~4角でメイショウウズマサがペースを引き上げ、その外から楽に食らいついて4角で同馬に並びかけて直線へ。序盤でそのまましぶとく伸び、ラスト1Fで抜け出しかけたところで外からメイショウカズサに差し切られて2馬身半差の2着となった。

 前記のプロキオンSは超絶高速ダートで前有利の展開だったが、強豪相手に通用したのも確か。本馬は前に行って揉まれないレースができるとしぶとい。南関東移籍後は距離が短く、前にいけていないが、1400mで先行型が手薄のここなら1~2番手でレースを進められる可能性がある。現時点で14番人気と過小評価されているここは一考したい。

△ (6)サヨノグローリー

 昨年7月のプラチナCの覇者。同レースでは5番枠から五分のスタートからかなり押して好位外3番手を追走。3~4角で進出し、4角では2番手の外。残り100mで逃げるベストマッチョをかわし、差し迫るアマネラクーンもしのぎ切ってアタマ差で勝利した。

 サヨノグローリーはプラチナC後に夏負けして休養。始動戦のマイルGP時は一杯にすら追えない状態で馬体重13kg増での出走だったが、レースを使われて良化。前走の梅見月杯では馬体重493kgと、ほぼ休養前の体重に絞れていた。そこで巻き返しが期待されたが2着敗退。

 前走は6番枠から五分のスタートから押して好位の中目5番手を追走。砂厚の深い内側に閉じ込められないように、終始外から上がってくる馬たちに抵抗していく形。3~4角でボヌールバローズに外から被されて、これに抵抗して4角で先頭列2番手と早仕掛けをしたために、終いが甘くなり、外から名古屋のメルトに差される形となった。これは鞍上が内が砂厚の深いコースを乗り慣れておらず、ミス騎乗と言えるもの。好調は取り戻せているようなので、ここは警戒したい。

△ (9)エアアルマス

 2020年の東海Sの優勝馬。同レースでは7番枠からまずまずのスタート切って、押してハナを意識したが、他が速いのでそれらに行かせて好位の外を追走。3~4角ではインティが絡んで来たので、先頭列に並びかけて直線へ。早仕掛けではあったが、そこから押し切って半馬身差で勝利した。

 エアアルマスはキックバックが苦手で、包まれると終わる馬。またさすがに東海S優勝時ほどの勢いはないが、それでも前々走の笠松GPは、5番枠からかなり押して、1角の入口で好位外に出して追走し、3角手前から動いて直線でもしぶとく粘り3着に善戦している。

 前走の川崎マイラーズはオーバーペースで逃げるアランバローズを追いかけて失速。勝ち馬から4.1秒差の最下位に敗れたが、同日は外有利な馬場で終始砂の深い内を立ち回ったことも影響している。今回は外目の枠。先行型が手薄のここで綱を被らずに行ければ巻き返しがあっても不思議ない。

△ (11)メンコイボクチャン

 昨年の優駿スプリントで3着の実績があり、4走前のA1・サファイアSも勝利した馬。4走前は好スタートを切って、外のポーチュラカを行かせて2番手を追走。3~4角でペースアップするポーチュラカについて行って、ラスト1Fで同馬をかわして先頭。外から差し迫るホウオウスクラムをしのぎ切って1馬身半差で完勝した。

 メンコイボクチャンはその次走の1400m戦、ノベンバー賞では大差の11着に大敗しているが、これはサファイアS好走後の疲れ残りの一戦で、終始フジコチャンに競り掛けられ、前後半3F36秒2-38秒8(ラスト1F13秒8)のかなりのハイペースになったことが影響している。また、この日は外差し有利な馬場状態でもあった。

 本馬はダ1400mの知床賞で2着の実績があり、芝1600mの盛岡・ジュニアGPや中央・ひいらぎ賞でも善戦した実績があるだけに、ノベンバー賞の大敗だけで、1400mが苦手とは決めつけられない。今回は相手が強くなるが、少し買ってみたい。

△ (12)スナークダヴィンチ

 2022年12月のりんくうSでは、その後の北海道スプリントCの覇者ケイアイドリーの2着に好走した馬。同レースでは4番枠から五分のスタートを切ったが、じわっと下げて中団の中目を追走。3~4角からのペースアップでやや置かれたが、ラスト1Fで一気に伸びて勝ち馬ケイアイドリーに1馬身半差まで迫った。

 同レースは前有利な展開で上々の内容。休養明けで挑んだ昨年6月の松風S2着後が不振だが、前走のりんくうSでは復調気配を見せて4着。スタミナがあるタイプではないので、スタミナが不足しがちな休養明けで距離延長は減点材料だが、実力はあるので押さえておきたい。

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