2023年 関東オークスの予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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地方競馬

2023.06.14
2023年 関東オークスの予想

■関東オークスは前有利の舞台

 関東オークスが行われる週は雨が降ることが多く、馬場が軽いことが多い。その上、出走馬の中央のオークス出走馬以外は前走から距離延長、ダートでは初めての長距離戦となる馬が大半なだけに、各馬がたっぷりと息を入れて追走する。このため過去10年の平均1100m通過タイムが71秒24と遅く、前が有利の傾向となっている。実際にこのレースで3角先頭馬だった馬の過去10年の成績は【5・2・2・1】と、複勝率は90%だ。

 今回、逃げると推測されるのは休養明けの前走で逃げて2着のブライアンセンスとはハナ差だったが、3着馬に2馬身半差、4着馬にさらに5馬身差を付けて勝利したパライバトルマリンだ。本馬はこの中間、折り合い重視の調教メニューをこなしているが、前走時トップスタートを切ってすんなりハナを主張したように初速が速いので、逃げてしまう可能性が高い。

 また、同馬が前走で記録した指数は今回の出走メンバー中、断トツのもの。前走どおりに走れればここは確勝だが、前走はラスト1F13秒0と大きく失速しており、今回はその反動が懸念される。1番人気の今回は評価を下げてこそ馬券興味だろう。

川崎11R 関東オークス ダ2100m
 ◎ (11)メイショウオーロラ
 〇 (13)フェブランシェ
 ▲ (9)メイドイットマム
 △ (3)クレメダンジュ
 △ (5)スギノプリンセス
結論 馬連11-13,9,3,5 (20:14:14:2) 複勝11 (50)

■有力馬とそのコメント

◎ (11)メイショウオーロラ

 ダ1800mの未勝利戦、1勝クラスを連勝した馬。前々走の1勝クラスでは10番枠からまずまずのスタートだったが、促すとすっと行き脚がついて先頭。しかし、内からグァルジャーがハナを主張したので、同馬を行かせてその外で折り合って追走。4角でグァルジャーを交わして先頭に立つと、そのまま押し切った。

 前々走はラスト1Fで13秒2と甘くなり、レッツゴーローズに1馬身差まで詰め寄られたが、かなりの高速ダートのとはいえ、前半4F48秒7-後半4F50秒3のややハイペースだったことを考えれば良く粘っている。前走の兵庫チャンピオンシップは、12番枠からスタートはまずまずだったが、二の脚で先頭のミトノオーの外まで挽回。しかし、そこから同馬にどんどん離されて、最終的には16馬身離されてゴールした。

 ミトノオーは伏流Sでも緩みないペースで逃げており、それについて行った馬(1角で2~3列目にいた馬)は全て7着以下に崩れている。このことからも本馬の前走での敗戦も仕方のない結果だったと言える。ひとつ内の(10)パライバトルマリンを見ながらレースを進められる強みもあり、この舞台なら巻き返しの期待が高まる。

○ (13)フェブランシェ

 芝の新馬戦では5着だったが、その後に長期休養し、ダートを使われると目下2連勝と上昇した馬。前走の1勝クラスは11番枠から五分のスタートだったが、促されて好位の外4番手を追走。砂を被らないように終始4頭分外を回って最後の直線で追い出されると、ラスト1Fで先頭に立ったヴァナルガンドとマッチレースの形。それを最後にハナ差で制した。

 初ダートの前々走はずっと耳を立てて行きたがったり、外に膨れたりと若さを見せる走りだったが、前走はチークピーシーズを着用した効果もあって気性の成長が感じられた。今回は再び休養明けになるが、休養中の成長力があれば通用するだろう。

 新馬戦で不適条件を使って無理をさせなかった馬というのは、その後、大きく成長する傾向があることもあり、本馬のさらなる上昇力に期待した。今回はコーナー6回2100mの大外12番枠だがこれまで砂を被る経験をしたことがないことや、内の(10)パライバトルマリンや◎(11)メイショウオーロラの出方を見ながら位置を取って行けるという点では悪くない。

▲ (9)メイドイットマム 

 SⅠの東京2歳優駿牝馬と桜花賞を優勝した、地方トップ級の馬。前々走の桜花賞は6番枠からまずまずのスタートを切って、好位直後の中目を追走。3~4角で位置を押し上げて4角では2列目。そこから追い出されるとラスト100mで突き抜け、2着(9)サーフズアップに1馬身半差で完勝した。

 前走の東京プリンセス賞は、桜花賞を大目標にした後の一戦。前走時は前有利の馬場で前半4F49秒2-後半4F51秒6とペースが上がらず、1番枠から積極的に出して好位の最内から勝ちに行く競馬をしたために脚が溜まらず、末脚不発の3着に敗れた。今回は9番枠と外目の枠で気楽に乗れる立場。上手く脚をタメての巻き返しを期待する。

△ (3)クレメダンジュ

 デビューから上昇一途で前走の1勝クラスを勝利した馬。前走は2番枠から五分のスタートを切ったが、外の各馬が内に切れ込んで来たので、位置を下げて中団馬群の中目を追走。向正面で外に出し、後方から一気に捲って先頭に立ったマコトヴィクラントを追い駆けるようにしてじわじわ進出。最後の直線ではしぶとく伸びてバテた馬たちを交わし、最後に粘り込みを図るメイショウモズを差し切ってハナ差で勝利した。

 前走時は京都の時計の掛かる馬場。逃げていたシゲルショウグンが向正面でマコトヴィクラントに捲られてしまったが、同馬が先頭を奪い返したことで一気にペースアップ。マコトヴィクラントの仕掛けをワンテンポ待って動いた本馬は展開に恵まれたが、長くいい脚を使えており、スタミナの豊富さをアピールできていた。このことから距離が長くなるのは良さそうだが、長期休養明けから押せ押せで使われている点は不安材料である。

△ (5)スギノプリンセス

 デビュー当初は1200m以下を使われ、そこでは結果を出せなかったが、8走前に門別1500mの未勝利戦を逃げ切り勝ちすると、そこから4連勝でブロッサムCを優勝した馬。同レースでは6番枠からやや出遅れたが、前2頭から離れた好位の外を追走。3角で先頭列の直後の2列目の外まで差を詰めて、3~4角でさらに進出して4角先頭。直線でじわじわ差を広げて、3馬身差完勝だった。

 4走前のJBC2歳優駿は、重賞勝ち直後の相手強化の一戦。5番枠から行きっぷりが悪くて前に行き切れず、1角で外から来られて、位置を下げたために揉まれ、9着に大敗した。南関東移籍後は伸び悩みの成績だが、休養明けの前々走・桜花賞は1番枠から出遅れる不利。前走の東京プリンセス賞は終始外々を回る不利があった。しかし、前々走から距離を延ばしたことで、やや前の位置を取れるようになったのは収穫。ブロッサムCで見せた長くいい脚を持続させるレースぶりから、距離が長くなるのは好ましく一考した。

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