■穴馬は差し馬
東京記念は2018年にSⅠに格上げされたが、またSⅡに昇格した。これによりメンバーが手薄。前哨戦の東京記念TRもメンバーが手薄で行った、行ったの展開だった。今回も9頭立で前に行く(2)ラッキードリーム、(8)ランリョウオーは2番手でも問題ないタイプ。今回もペースが落ち着きそうだが、さすがに東京記念TR時よりもペースは上がると見ている。穴馬は差し馬だろう。
東京11R 東京記念 ダ2400m
◎ (8)ランリョウオー
○ (5)デスティネ
▲ (4)アイブランコ
△ (1)ナッジ
結論 馬複8-5,4,1 (20:15:15) 複勝8 (50)
■有力馬と評価ポイント
◎ (8)ランリョウオー
南関東の重賞5勝馬。2000m以上では2022年の大井記念、東京記念、今年の金盃を優勝している。今年の金盃(大井2600m)は、大外15番枠だったが五分のスタートを切り、そこからかなり押して2番手を確保。ゆったりとしたペースで逃げるマテリアルガールに付き合っていたが、2周目の3角手前でセイカメテオポリス外から動いてきたのでが抵抗してハナへ。4角では同馬に並ばれたが、直線序盤で振り切り、じわじわ伸びて2馬身ほどリードを広げる。ラスト1Fで再びセイカメテオポリスに迫られたが、踏ん張ってアタマ差で勝利した。
ランリョウオーはそこまでゲートもテンも速くはないが、前にいって持久力を活かすとしぶとい馬。マイルだと楽に前に行けないが、中距離ならある程度ポジションを取って行けるし、長距離ならスムーズに前に行けるばかりではなく、相手が手薄というプラス要素もある。
休養明けの前走・スパーキングSCは休養明けでマイル戦。スパーキングSCは今年SⅡに昇格し、1着賞金2100万円まで増額されたことで、重賞勝ち馬が何頭も揃っていた。その上、逃げ馬もポリゴンウェイヴ、アランバローズ、スマイルウィと揃っており、内枠から出鞭を入れてハナを主張するポリゴンウェイヴのハナをアランバローズが叩いて大逃げ。後半4F49秒8-52秒9のオーバーペースとなり、3列目の外でこの流れに乗ってしまったため、12着に敗れた。
また前走で通った内から2頭分外は、この日もっとも伸びないところでもあった。同じ付近の内でレースを進めたリンゾウチャネルが3着に善戦しているのは、同馬がそれなりに強いというのもあるが、コース取りの差もあった。
しかし、前走で前半37秒1と前半で速く入っているので、長距離でもあるここは1~2番手に行けるはず。また(2)ラッキードリームもこの馬も2番手でも問題ないタイプなので、競り合ってペースが上がることもなさそうだ。得意舞台のここで巻き返しを期待したい。
○ (5)デスティネ
前々走のアルテア賞で(1)ナッジを2着に下して勝利した馬。前々走は5番枠から五分のスタートを切り、中団やや後方を追走。向上面で促されながら2列目の外まで押し上げて3角へ。3~4角でも鞍上の手が動いて4角出口で鞭も入れられたが、序盤の伸びはジリジリ。しかし、徐々に加速がついて先頭列に並びかける。ラスト1Fで一気に抜け出し、3馬身差で完勝した。
デスティネはエンジンの掛かりが遅いが、掛かってからがしぶとく伸びてくる。また年齢を重ねてズブさも見せており、道中で頭を上げさせてもらえないほど追われていても、最後に伸びてくる辺りにかなりのスタミナを感じさせる。この馬は隠れステイヤーと見ているだけに、相手強化のここでも期待したい。
▲ (4)アイブランコ
JRAの3勝クラスで2着3回、3着1回の実績がある馬走前の招福Sでは13番枠から五分のスタートを切り、控えて後方馬群の前方中目を追走していたが、向上面で位置を押し上げて3角では好位の外。4角では2列目の外まで上がって直線へ。序盤で先頭列に並びかけたが、ラスト1Fでロードアヴニールが馬群を捌いて一気に先頭。それを目標に追って半馬身まで迫った。
アイブランコはトップスピードが長く維持できる馬。しかし、前走の東京記念TRは行った、行ったのワン、ツー、スリー決着を後方で構えたまま5着に敗退している。3走前のように道中で動いていけばもっと上の着順が狙えたと見ている。
この馬は前々走のスパーキングサマーチャレンジでも7着に敗れているが、ここは距離が短いマイルの外枠で、終始外々回るロスを作ったもの。近2走とも敗因が明確なだけに、鞍上強化のここは期待したい。森泰斗騎手は特に大井では、道中で積極的に動いていく騎手なので、手も合いそうだ。
△ (1)ナッジ
前走の東京記念TRの覇者。前走は6番枠から五分のスタートを切り、積極的に先行争いに加わったが、タイガーチャージが1番枠を利して最初の3角で先頭に立ち、この馬は控えて2番手から。そのままペースが落ち着き、隊列で馬群が縦長になっていった。2角を過ぎたあたりから馬群が詰まってきたが、先団の隊列はタイガーチャージ、ナッジ、(7)ウラノメトリアと変わらず、ナッジはタイガーチャージと1馬身差で最後の直線へ。そこから3番手以下を引き離して伸び続け、残り100mでイガーチャージを捉え切って2馬身で勝利した。
ナッジは7走前のブリリアントCTRでは好位から早め先頭に立ってナンセイホワイト(次走、ブリリアントC3着)と勝利しているように、前に行って持久力を活かしてこその馬。しかし、距離2000mで出鞭を入れても先行できない時もあり、スピード不足に悩まされていたが、この距離なら(2)ラッキードリームや◎(8)ランリョウオーを見ながらレースをすることが出来るだろう。
東京記念TRの勝ち馬は2022年、2023年のマンガンのように本番でドボンするのがお約束だが、今年は東京記念がSⅠ→SⅡに降級したことでA2級の馬が多く凡戦。またかなりのスローペースで前残り競馬となっているだけに、消耗度は少ないはず。よってここも警戒が必要だ。