2024年 日本ダービー予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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予想

2024.05.26
2024年 日本ダービー予想

■あまり後方からだと届きにくい

過去10年で先行5勝、中団3勝、追込1勝、マクリ1勝。2着も逃げ~中団が8回。追込馬がワン、ツーを決めたのは、ご存じ、2022年のドウデュースとイクイノックスだが、この年は緩みなくレースが流れていた。

ダービー週はB→Cコースに変わるが、基本的にはスローペースの傾向で、前走から大幅距離延長となる前週のオークスとは違って3角の時点での位置取りがあまり後方からだと届きにくい。今年もメイショウタバルの回避で逃げ馬不在。中団よりも前でレースを進められる馬を中心に狙いたい。このラインより上のエリアが無料で表示されます。

本日1番 東京11R 日本ダービー 芝2400m
 ◎ (13)シンエンペラー
 ○ (15)ジャスティンミラノ
 ▲ (1)サンライズアース
 注 (2)レガレイラ
 △ (12)シックスペンス
 △ (5)ダノンデサイル
 △ (8)アーバンシック
 △ (7)ミスタージーティー
 △ (14)ゴンバデカーブース
 △ (18)エコロヴァルツ
結論 馬連13-15,1,2,12,5,8,7,14,18 (15:8:10:8:3:3:1:1:1) 複勝13 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (13)シンエンペラー

 凱旋門賞馬ソットサスの全弟という超良血馬。新馬戦ではラスト2Fを11秒1-11秒0という素晴らしい内容で勝利すると、デビュー2戦目に京都2歳Sを優勝。素質の片鱗を見せた。

 次走はGⅠホープフルSに出走。6番枠からまずまずのスタートを切って、そこからじわっと先行争いに加わっていった。道中は2列目の内を、前にスペースを作って追走。その後、3~4角のペースダウンで前とのスペースがなくなり、ブレーキ気味で仕掛けを待たされた。

 4角では外へやや膨らみ他馬に接触しかける幼さも見せたが、直線序盤で早々と抜け出すと、後続との差を2馬身まで広げた。ラスト1Fも加速していたが、(2)レガレイラに差し切られて3/4差の2着だった。

 暮れの中山で行われたホープフルSは外差し有利の馬場で緩みない流れ。追込のレガレイラが届くような流れを、早め先頭からの2着という結果は着順以上の強さや豊富なスタミナを感じさせた。

 そこからは日本ダービーにピークがくるように逆算し、使い出した弥生賞で2着。前走の皐月賞は外枠から勝ちに行き、直線序盤でふらつく場面がありながらも5着に健闘した。

 前走時は追い切りの動きが良くなく、陣営も状態面がやや不安であることに言及しており、完調手前の状態だったはず。それを考えれば合格点の内容であり、かつてのダービー馬ワグネリアンを思い出させる臨戦過程。全ては日本ダービーにピークを持ってくるためだ。

 今回、13番枠と外枠に入ってしまったのはやや不安材料だが、このあたりもワグネリアン(17番枠からダービー制覇)に似ている。まだ幼さを見せる走りではあるが、それでもここまで通用してきた。日本ダービー馬になることを期待する。

○ (15)ジャスティンミラノ

 超絶スローペースの新馬戦、共同通信杯はともに2番手でレースを進めて連勝した。

 前々走の共同通信杯は8番枠から出遅れたが、そこからかなり押すとスピードに乗り、かつ前がペースを落としたことで楽に2番手まで上がった。

 そこからはコントロールし、3~4角でもペースが上がらなかったが、逃げ馬をかわさずに2馬身ほどの差で直線へ。序盤で追われると徐々に前との差を詰め、ラスト2Fですっと伸びると一気に抜け出して1馬身差。そのままジャンタルマンタルの追撃を楽に振り切って1馬身半差で完勝した。

 ペースが遅い中でも抜群の操縦性で、しっかりと折り合いがついていた。さらにラスト2F10秒9-10秒8と加速していることからまだ余力があり、次走の皐月賞ではどこまで上昇するのか楽しみにしていた。

 その皐月賞では13番枠からやや出遅れたが、二の脚が速く、好位の外を取り、道中は大逃げのメイショウタバルから離れた好位をコントロールしながら追走。3~4角で前のジャンタルマンタルにやや置かれたが、直線序盤で同馬と2馬身差の2番手まで上がる。ラスト1Fでしぶとく伸びて同馬を捉えると、(6)コスモキュランダの追撃をクビ差で振り切った。

 皐月賞は想像以上に強い内容。皐月賞は2、4、5、6、7、8着馬が差し・追込馬だったように、かなりのハイペースで前に行った馬には不利な流れ。ジャスティンミラノは3番手ジャンタルマンタルの一列後ろでレースを進めての優勝だった。

 今回で不安点を挙げるとすれば、レコードタイムを記録した疲れがどの程度残っているかになるが、馬場が軽かったことから、そこまで疲れが残らない一戦だったと見ている。実際に3着のジャンタルマンタルは次走でNHKマイルCを優勝した。

 また、今回は15番枠と外枠に入ったが、操縦性が高く自在に動けるのでそこまで不利な枠でもないだろう。

 ただし、05年ディープインパクト、06年メイショウサムソン、11年オルフェーヴル、15年ドゥラメンテ、20年コントレイルなど、皐月賞・ダービーの二冠馬が誕生した年の皐月賞はいずれも平均ペースよりも遅かった。

 ハイペースの皐月賞馬はダービーで取りこぼす傾向がある。ジャスティンミラノには目立った死角がなく、馬券圏内には食い込めそうだが、対抗評価に止めたい。

▲ (1)サンライズアース

 サンライズアースは大味なタイプで、デビューから一度もまともに走っていない馬といえる。

 京都芝2000mの新馬戦では8番枠から五分のスタートを切ったが、すぐに首を上げて尻尾をクルクル回転させていた。

 そこから促されるとすっと加速して1角までに先手を取ることに成功。そこからはマイペースの逃げ。3~4角で外からシュクルノアールにプレッシャーをかけられると、それに抵抗して気合をつけられ、2馬身差のリードで直線へ。ラスト1Fで外からヴィスマールに迫られたが、振り切って3/4差で勝利した。

 新馬戦のラスト2Fは11秒7-11秒7。新馬戦としてはそこまで遅いペースではなく、最後まで減速しなかったことにスタミナの豊富さを感じさせた。

 また次走のすみれSでは出遅れ、後方2番手からの追走になったが、向上面で一気に上がって3角手前で先頭のミカエルパシャに並びかける。

 同馬が抵抗して3~4角でペースが上がったが、持ったままついて行き、直線序盤で追われると楽に抜け出した。ラスト1Fでもしぶとく粘り、外から迫るジューンテイク(後の京都新聞杯優勝馬)を寄せ付けず、1馬身半差で完勝した。

 前走の皐月賞は15番枠から出遅れ、終始中団やや後方で外々を回る形。さらに、4角では逸走しかけて大外に膨らみ12着に敗れた。大型馬で完成度が低いが、それでもデビュー2戦目でリステッド競走を勝つあたり、非凡さを感じさせる。

 今回は1番枠。メイショウタバルが不在のここはスタートさえ決めれば、新馬戦のように逃げられるはず。逃げて持ち前のスタミナを生かした場合は怖く、配当妙味も含めて3番手評価とする。

注 (2)レガレイラ

 ホープフルSの勝ち馬。当時は13番枠から出遅れたが、ある程度挽回して後方2列目の外を追走。道中は緩みなく流れていたが、中目のスペースを拾って中団まで進出し、3~4角で押し上げる。

 4角でペースが落ち、そこで好位列が外に広がったが、ワンテンポ待って4角出口で外へ。直線序盤はジリジリとしか伸びなかったが、ラスト1Fで一気に伸びると3/4馬身差で勝利した。

 ホープフルSは5回中山9日目で外差し有利の馬場。さらにレースが緩みなく流れたことで展開の後押しもあった。ここでは馬場の悪化した内を先行した◎(13)シンエンペラーのほうが強いレースをしている。そのうえ、皐月賞はあくまでもダービーを目標とした始動戦だったこともあり、危険な人気馬とした。

 結果は6着敗退。10番枠から五分のスタートを切ったが、やや進みが悪く後方外からの追走となり、(8)アーバンシックをマーク。しかし、同馬とは0.1秒差でゴールとそれほど差を詰めることができなかった。

 それでも上がり3F最速タイを記録した辺りに、それなりの能力の高さを感じさせる。レガレイラは叩かれた今回が本番。あとは牡馬トップ級を相手にどこまで通用するかになる。

△ (12)シックスペンス

 3戦3勝と無傷の馬。前走のスプリングSでは、4番枠から好スタートを切って、外の2頭を行かせて2列目の最内を取った。道中のペースはかなり遅かったが、折り合って前のスペースを維持して3角へ。3~4角では2番手のコスモブッドレアをマークしながら仕掛けを待って、4角出口で外に誘導して直線。序盤ですっと反応して、先頭に立つと、ラスト1Fで鋭く突き抜けて3馬身差で圧勝した。

 前走は逃げた9番人気馬アレグロブリランテが2着だったように、前後半4F50秒2-46秒3の前有利な流れ。シックスペンスも上手く乗られていた。

 しかし、休養明けの前走で好走した反動が出たようで、皐月賞はスキップ。ここ一本に絞り込んだ。鞍上、川田騎手は「国枝先生にダービーのプレゼントを」と意気込んでいるようだ。ただ、飛びぬけてレベルが高かったわけでもないスプリングSで好走した程度で、体質面を含めて疲れが出てしまう辺りに不安を感じる。

 それでも今回は前に行ける優位性があり、(11)シュガークンが逃げるとするならば、ここでも絶好位が取れそうだ。またキャリア3戦と浅い馬でもあり、伸びしろに期待した。

△ (5)ダノンデサイル

 京成杯の勝ち馬。前々走の京成杯では14番枠からやや出遅れたが、そこから押して好位の外まで挽回した。向上面でペースが落ちたが、好位の外で促しながら折りあって3角へ。3~4角で軽く仕掛けて徐々に進出。4角出口でやや外に寄れたが、3列目で直線へ。序盤で追われるとじわじわ伸びて4位争いに加わる。ラスト1Fで前が甘くなったところをしっかり捉えて3/4差で勝利した。

 前々走ではラスト1Fで後の皐月賞4着馬(8)アーバンシックにやや詰め寄られたとはいえ、撃破したことは評価できる。また、出遅れ癖はあるが、操縦性が高く、あまり隙のない競馬だった。逆に言えば、完璧に近かったということ。休養明けの前走、皐月賞は跛行で回避したが、前々走から成長していればチャンスはある。

△ (8)アーバンシック

 前々走の京成杯では2着、6番枠からやや出遅れて後方の外を追走し、向正面でじわっと上がって中団の外で1番人気のジュンゴールドをマークして進めた。しかし、4角で同馬の手応えが悪く、同馬の外に誘導しようにも外の馬が蓋になって出せず、仕掛けが遅れてしまっての2着敗退だった。

 アーバンシックはエンジンが掛かってからが強いタイプ。前々走では最後に一気に勝ち馬(5)ダノンデサイルに迫っており、末脚は抜群。3角外から動いたダノンデサイルをマークして乗っていれば、逆転もあったと考えられる。

 前記のことから前走の皐月賞では狙ったが、4着敗退。前走で中団やや後方で馬群の内目からの追走で、展開に恵まれながらも善戦止まりだった辺りに物足りなさも感じるが、出遅れ癖があり、長くいい脚が使える点から、距離が長くなるのは好ましいと見る。

△ (7)ミスタージーティー

 前々走の若葉Sの勝ち馬。前々走では3番枠からまずまずのスタートだったが、二の脚は速く、ハナをちらつかせていった。そこで外の各馬が内に切れ込んできたので、それらを行かせて好位の最内を確保。道中は前にスペースを作って追走し、それを徐々に詰めて3角へ。ただ3~4角でもそこまでペースが上がって来ず、2列目の最内で我慢。直線序盤でホウオウプロサンゲの外に上手く出して、先頭列。ラスト1Fでそこからしぶとく伸びてホウオウプロサンゲをかわし、半馬身差で勝利した。

 前走の皐月賞は10着と大敗したが、ハイペースの好位の中目でレースを進めたことが主な敗因。また皐月賞出走権を手にすることを大目標とし、前々走で好走した疲れもあったはずなので、前走からの前進はあるはず。相手は強いが警戒は必要だ。

△ (14)ゴンバデカーブース

 デビュー2戦目でGⅢサウジアラビアRCを優勝した馬。同レースでは2番枠から五分のスタートを切ったが、そこまで進まず中団からの追走。前のエコロマーズが下がってきたのに巻き込まれたことで、後方まで下げ切った。

 そこから促して3~4角でペースが落ちてくると、コントロールして後方の外へ誘導。4角で逸走しかけた前2頭の内から押し上げて直線へ。

 序盤で追われるとジリジリ伸びて3列目。残り200mで一気にボンドガールらを捉えると、ラスト100mでそのまま突き放して2馬身差で完勝した。

 このサウジアラビアRCは2歳秋の重賞としては緩みない流れ。前半脚を溜めたことで、最後の直線で末脚を炸裂させることができた。しかし、デビュー2戦目での重賞勝利は素質が高ければこそである。

 ノド鳴りの手術による休養明けとなった、前走のNHKマイルCでは4着敗退。中団でレースを進め、最後の直線は序盤の加速でやや置かれながらもラスト1Fで伸びてきた。エンジンの掛かりがやや遅いことを感じさせたが、ここでも長くいい脚を使っており、悪い内容ではなかった。

 今回は注(2)レガレイラ同様に叩かれての前進が見込まれる。また長くいい脚が使える点からは距離が延びても良さそうだが、もともとノド鳴り持ちだっただけに不安もある。現状で能力面の疑問もあるが、まだキャリアは3戦と浅く、伸びしろがあるはず。警戒しておきたい馬だ。

△ (18)エコロヴァルツ

 昨年暮れの朝日杯FSの2着。同レースでは1番枠からやや出遅れ、そこから好位を取りにいったが、内が窮屈で後方に下がってしまった。そこで最後方付近まで下げ切り、徐々に外に誘導。4角で団子状態の中目から外に誘導して最後方で直線へ。直線序盤で大外に出して仕掛けると、ラスト1Fで一気に伸びて先頭のジャンタルマンタルに1馬身1/4差まで迫った。

 朝日杯FSはかなりのハイペースで展開上は恵まれている。しかし、前半で位置を取りにいって掛かりながら下げるというチグハグな内容での2着は能力が高ければこそ。

 前々走の共同通信杯は9番人気のパワーホールが3着に粘る超絶スローペースの2番手で進めて、かなり折り合いを欠く競馬になり5着に失速。折り合いを欠くことを嫌った前走の皐月賞は、3番枠から五分のスタートを切りながらも、そこからコントロールして後方に下げ切っての競馬。後方に下げ切ったことで展開に恵まれ、7着と悪くない成績を収めているが、正直、最悪だった。

 エコロヴァルツはデビュー2戦目のコスモス賞で2番手から逃げ馬にプレッシャーをかけていく形だったが、折り合いに苦労して2角過ぎで先頭。3~4角で外から上がってきたコスモディナーにやられてしまうかと見ていたが、直線ではなんとそこから突き放し、6馬身差で圧勝。このことから、先行してこその馬だと言える。

 そういう意味では岩田康騎手に乗り替わるのは好ましい。内枠ならば先行して最短距離を回る岩田競馬に期待し、もう少し評価を上げたが、乗り難しい大外枠で押さえ程度の評価とした。

推定4、5番人気 (6)コスモキュランダ

 1勝馬ながら弥生賞を捲る競馬で優勝すると、前走の皐月賞でも2着と好走した。

 前走は12番枠からやや出遅れ。そこからコントロールしながら中団と、いつもよりも前の位置を追走した。1角で内に入れ、道中は中団の内目で我慢。3~4角では◎(13)シンエンペラーをマークして、かなり押しながら鞭も入れて中目に誘導、4角出口で外に出して直線へ。序盤は4列目。そこからじわじわ伸びて2列目付近まで上がり、ラスト1Fで内から先に動いた○(15)ジャスティンミラノと一緒に伸びる。ジャンタルマンタルは捉えたが、勝ち馬にはクビ差届かなかった。

 前走はメイショウタバルの大逃げで、前後半5F57秒5-59秒6とかなりのハイペース。3~4角のペースダウンで各馬が前を捉えに動いていく中、本馬はほぼ動かなかったことで展開に恵まれての好走だった。

 似たような例では、オークスに出走したコガネノソラがスイートピーSで同様に恵まれたことで上位の指数を記録するも、次走のオークスでは展開に恵まれながらも末脚不発で12着に敗れている。

 コスモキュランダはそこまで遅くはないペースの弥生賞を捲って勝利した内容が強く、前走皐月賞での指数も高いことからコガネノソラとは異なるが、展開に恵まれて能力を引き出された後の次走を狙うのは怖いもの。ダメージが出る危険性があり、今回は本来の能力を出し切れないと見る。

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