2024年 皐月賞の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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予想

2024.04.14
2024年 皐月賞の予想

■今年は内外の差がほとんどない馬場

 中山開催16日目、Bコース使用6日目で行われる。一昨年の皐月賞で1番枠から好位の最内を立ち回った2番人気のダノンベルーガが外から一気に差されて4着に敗れたように、例年は馬場の内側が悪化し、外差し有利の傾向だった。しかし、今年は内からでも十分に粘れている。外のほうが伸びる馬場ではあるが、内は経済コースを立ち回れる優位性があるので、フラットな馬場という認識で予想を組み立てるのがベストだ。

本日1番 中山11R 皐月賞 芝2000m
 ◎ (3)エコロヴァルツ
 ○ (9)アーバンシック
 ▲ (5)ミスタージーティー
 △ (2)メイショウタバル
 △ (4)シリウスコルト
 △ (8)ジャンタルマンタル
 △ (12)コスモキュランダ
 △ (13)ジャスティンミラノ
 △ (14)シンエンペラー
結論 馬連3-9,5,2,4,8,12,13,14 (10:10:6:6:6:4:4:4) 複勝3 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (3)エコロヴァルツ

 7月の福島新馬戦、続く8月のコスモス賞を連勝した馬。コスモス賞では2番手から逃げ馬にプレッシャーをかけていく形だったが、折り合いに苦労して2角過ぎで先頭に立ってしまった。3~4角で外から上がってきたコスモディナーにやられてしまうかと見ていたが、直線ではなんとそこから突き放し、6馬身差で圧勝。この時点での指数は世代最高値だった。

 前々走の朝日杯FSでは2着。1番枠からやや出遅れ、そこから好位を取りにいったが、内が窮屈で後方に下がってしまった。そこで最後方付近まで下げ切り、徐々に外に誘導。4角で団子状態の中目から外に誘導して最後方で直線へ。直線序盤で大外に出して仕掛けると、ラスト1Fで一気に伸びて先頭の(8)ジャンタルマンタルに1馬身1/4差まで迫った。

 朝日杯FSはかなりのハイペースで展開上は恵まれている。しかし、前半で位置を取りにいって掛かりながら下げるというチグハグな内容での2着は能力が高ければこそ。前走の共同通信杯は9番人気のパワーホールが3着に粘る超絶スローペースの2番手で進めて、かなり折り合いを欠く競馬になり5着に敗れたが、レースが流れれば巻き返せるはず。(4)シリウスコルト、(11)ホウオウプロサンゲ、(6)アレグロブリランテなど、前哨戦で逃げて皐月賞出走権を勝ち取った馬が出走している状況下でさるがに極端なスローはないと見て、本命馬とした。

○ (9)アーバンシック

 8月の札幌新馬戦、11月の百日草特別を連勝した馬。前々走の百日草特別では4番枠からややアオって出たところを内から接触を受け、最後方からの追走になった。向正面でじわっと位置を上げて後方2列目の外。4角では前とかなりの差があった。直線序盤で大外に誘導しながら追われるとじわじわ伸び始めて、ラスト2Fでは中団列。ラスト1Fでは先頭のマーゴットソラーレと2馬身半くらいはあった差を一気に詰め切って同馬を捉え、クビ差で勝利した。

 前走の京成杯は6番枠からやや出遅れて後方の外を追走し、向正面でじわっと上がって中団の外で1番人気のジュンゴールドをマークして進めた。しかし、4角で同馬の手応えが悪く、同馬の外に誘導しようにも外の馬が蓋になって出せず、仕掛けが遅れてしまっての2着敗退だった。

 本馬はエンジンが掛かってからが強いタイプ。京成杯でも直線でも最後に一気に勝ち馬(6)ダノンデサイルに迫っており、末脚は抜群。3角外から仕掛けて動いたダノンデサイルをマークして乗っていれば、逆転もあったと考えられる。出遅れ癖はあるが、潜在能力は相当なものを感じさせる。前走の敗戦で一気に人気が落ちたここは積極的に狙いたい。

▲ (5)ミスタージーティー

 前走の若葉Sの勝ち馬。前走では3番枠からまずまずのスタートだったが、二の脚は速く、ハナをちらつかせていった。そこで外の各馬が内に切れ込んできたので、それらを行かせて好位の最内を確保。道中は前にスペースを作って追走し、それを徐々に詰めて3角へ。ただ3~4角でもそこまでペースが上がって来ず、2列目の最内で我慢。直線序盤で(11)ホウオウプロサンゲの外に上手く出して、先頭列。ラスト1Fでそこからしぶとく伸びてホウオウプロサンゲをかわし、半馬身差で勝利した。

 昨年暮れのホープフルSでは大外18番枠から出遅れ、そこから中団列まで上がって脚を温存する競馬。3~4角で仕掛けを待って4角で中目のスペースを拾って押し上げたが、直線で進路が作れず、2列目の壁に突っ込んで追い出しが遅れる不利があって5着に敗退した。

 前々走の共同通信杯でも4番枠から出遅れ、そこから促して中団中目を追走したが、向上面では包まれて進路がなく、後方付近まで下がって3角。3~4角でも後方付近で4角出口で外。超絶スローペースの前有利の展開に泣く形で7着に敗れた。ミスタージーティーはトップスピードが速くないのに、ここでも仕掛けが遅れてしまった。

 前走はホープフルSや共同通信杯での敗戦を踏まえての先行策だったのだろうが、極端にペースが遅くもない中で、好位から勝ちに行く競馬で勝利したことは褒められる。また先行することで指数をしっかり上昇させた。そして何よりもスタートを決めたことは大きな収穫である。今回も5番枠と内枠。前走のような競馬ができれば、チャンスがありそうだ。

△ (2)メイショウタバル

 若駒Sは馬場入場後に右前肢跛行を発症したため除外となってしまったが、それを除けば前走の毎日杯を圧勝など目下3連勝中。前走は4番枠からまずまずのスタートで、そこからじわっとハナを主張。道中は1馬身差のリードを保ちながらレースを進め、3角で息を入れた。4角出口で後続をすっと引き離してリードを1馬身半差まで広げて直線へ。そこからどんどん後続を引き離して5馬身差、ラスト1Fでさらにリードを広げ6馬身差で完勝した。

 同日10レースの丹波特別(阪神芝1600m)でも、7頭立ての4番人気だったヒルノショパンが逃げ切り勝ちを収めたように、内と前が有利な馬場状態だった。しかし、雨でタフな重馬場だったことは事実で、豊富なスタミナがなければ逃げて圧勝することはできなかったはず。

 前走でそれまでから一変して好指数を記録した辺りに、重馬場適性の高さが窺える。今回はいくら中山開催16日目といっても前走ほど馬場が悪化するとは考えにくく、加えて前走の疲れもありそう。ただし、他馬が逃げて同馬が2列目の場合はペースが落ち着くのでチャンスがありそうだ。今年は外差し有利な例年の皐月賞と異なり、フラットに近い馬場なので、2番枠も悪くない。

△ (4)シリウスコルト

 デビュー当初は短い距離を使われ、可もなく不可もなくという内容だったが、デビュー3戦目に中山芝2000mの芙蓉Sを使われると一変。同レースでは5番枠から五分のスタートを切って外の各馬を行かせ、中団の最内でコントロールしていたが、前進気勢が良く、2角で好位の外まで上がった。向正面序盤ではではそのまま先頭に立つかの勢いだったが、何とか前の馬の後ろに入れて折り合う。3角で好位の外を回って4角では加速しながら先頭列にプレッシャーをかけ、直線序盤ではしぶとく伸びて先頭のドゥレイクパセージをかわしてクビ差ほど前に出る。ラスト1Fで食らいついてくる同馬を競り落として2馬身差で完勝した。

 前記の芙蓉Sは2Fの距離延長だったが、3~4角の外から長くいい脚を使って、早め先頭で勝利しており、潜在的なスタミナの豊富さを感じさせた。そして前走のディープインパクト記念弥生賞では、その豊富なスタミナを生かし、逃げて皐月賞出走権を手にした。

 前走は8番枠からまずまずのスタートだったが、じわっと内に切り込みながらハナを取り切り、道中は単騎気味の逃げ。向上面でも自然な形でペースを引き上げて3角。ここでコスモキュランダに押し上げられ、抵抗してペースを引き上げる。4角で2列目以下を引き離して直線へ。序盤でしぶとく踏ん張るが、(12)コスモキュランダにクビ差出られ、ラスト1Fで甘くなったところで(14)シンエンペラーにも差し切られ、同馬から1馬身1/4差ほど離された3着となった。

 前走はややスローペースでレースを支配しての逃げ。通常なら捲りが発生しないくらいのペースまで引き上げたが、(12)コスモキュランダのまさかの捲りで早仕掛けを余儀なくされ、最後に甘さを見せてしまった。また、初めての逃げで終いが甘くなってしまった面もある。芙蓉Sで一変した潜在的なスタミナの豊富さから、もう一段階ペースを引き上げてもやれそうなので警戒した。

△ (8)ジャンタルマンタル

 前々走の朝日杯FSを優勝して3戦3勝で2歳チャンピオンとなった馬。前々走は3番枠からまずまずのスタートを切って先行したが、外から被されて進路がやや狭くなり、位置が下がってしまった。道中は中団付近を追走し、3角でペースダウンして包まれてしまったが、3~4角で狭い最内を通って2列目まで上がって直線へ。序盤で馬場の良い外へ誘導しながら追われると、すっと抜け出し、そのまま1馬身1/4差で完勝した。

 朝日杯FSは前半が激流で、そこで位置が下がって最短距離を通ったことで展開に恵まれた面があった。またここで記録した指数も例年の朝日杯FS並で突出した強さを見せていないが、折り合い難もなく、進路が狭くても怯まずに走る抜群のレースセンスを見せた。

 復帰戦となった前走の共同通信杯では2着。9番枠から五分のスタート。10頭立で先行馬が手薄だったこともあり、自然な形で3番手を追走した。ただ道中で外から(13)ジャスティンミラノが本馬に蓋をするように2番手に上がり、中団の中目に押し込まれてしまった。3~4角ではジャスティンミラノの後ろだったが、同馬がなかなか動かないので4角で外に誘導し、直線で外へ。序盤で中団列から3番手に上がって、ラスト2Fで抜け出したジャスティンミラノに食らいついたが、ラスト1Fでもその差は詰まらず、1馬身半差の2着に敗れた。

 ジャンタルマンタルはそこまでトップスピードが速くない。よってジャスティンミラノより後ろからになってしまったことは間違いなく痛かった。ジャスティンミラノと同じ上がり3Fタイムを記録していることから、隊列が逆なら結果も違っていた可能性もある。

 しかし、共同通信杯で折り合いに専念する競馬をしたということは、本番への距離不安を抱いているということでもあり、実際にジャンタルマンタルの自己最高指数は、朝日杯FS時のもの。現状はスピードを生かせる芝1600mがベストと見ているが、前哨戦で能力を出し切っていないので、ここでの前進はありそうだ。

△ (12)コスモキュランダ

 前走の弥生賞ディープインパクト記念では、単勝34.9倍の6番人気という低評価を覆して優勝した。7番枠から出遅れて後方からの追走となったが、すぐに外に誘導。向正面序盤で中団の外目からじわっと動いて下り坂でスピードに乗せ、そこから一気に動いて3角で2番手まで上がった。4角で先頭のシリウスコルトに並びかけ、食らいついた。直線序盤でしぶとく伸びてクビ差ほど前に出ると、ラスト1Fでそのまま抜け出し、外から迫るシンエンペラーに1馬身1/4差つけて振り切った。

 前走はややスローペースで、向正面でも多少ペースは緩んでいるが、緩み切っていたわけではない。それでも一気に動いて3角で2番手まで上がって、そのまま押し切ったことは褒められる。

 コスモキュランダはスタートも二の脚も遅いので、今回も後方からの競馬になる可能性が高いが、前走のような競馬ができるかというと、その可能性は低いだろう。馬番12番と外枠なのですぐに外に出せるとしても、多頭数の外々となるとロスも大きいし、弥生賞時よりも前半、中盤のペースが速くなるはず。そう考えると捲りで馬券圏内まで突入するのは厳しそうだが、ペースが上がって差す競馬ならチャンスがありそうだ。

△ (13)ジャスティンミラノ

 前走の共同通信杯を勝って2戦2勝。前走は8番枠から出遅れ、そこからかなり押すとジャスティンミラノはスピードが乗り、一方、前がペースを落としたことで、楽に2番手まで上がる。そこからはコントロールし、3~4角でもペースが上がらなかったが、逃げ馬をかわさずに2馬身ほどの差で直線へ。序盤で追われると徐々に前との差を詰め、ラスト2Fですっと伸びてここで一気に抜け出して1馬身差。そのままジャンタルマンタルの追撃を楽に振り切って1馬身半差で完勝した。前走は前半から脚を使ってあっさり勝利する着差以上の内容だった。

 前走は前後半4F50秒0-45秒3の超絶スローペースで前有利の競馬。△(8)ジャンタルマンタルが控えて折り合いに専念する競馬をしてくれたこと、◎(3)エコロヴァルツがかなり折り合いを欠いて自滅したことがもたらした優勝だったとも言える。前走で展開に恵まれて2着だった馬が2番人気というのは、さすがに過大評価であるが、キャリア2戦目で重賞を勝利した素質と、さらなる成長力を警戒したい。

△ (14)シンエンペラー

 昨年のホープフルSの2着馬。ホープフルSでは6番枠からまずまずのスタートを切って、そこからじわっと先行争いに加わっていった。道中は2列目の内を、前にスペースを作って追走。3~4角のペースダウンで前とのスペースがなくなり、ブレーキ気味で仕掛けを待たされた。4角では外に逃げそうになってやや膨らみ、外のアンモシエラに接触しかける幼さも見せたが、直線序盤で早々と抜け出し、後続との差を2馬身ほどまで広げた。ラスト1Fでは自身も加速していたが、レガレイラに差し切られて3/4差の2着となった。

 ラスト1Fでは(10)レガレイラと並走状態に持ち込もうと思ったのか、外に誘導する際に斜行して(1)サンライズジパングに不利を与えてしまった。しかし、外差し有利の馬場と展開で、2列目の内から早め先頭に立って勝ちにいく競馬での2着は負けて強しだった。

 前走の弥生賞ディープインパクト記念でも2着。このレースでは5番枠から五分のスタートを切って、好位の中目を追走した。1角で内に入れて、道中は4番手を追走し、向正面で(12)コスモキュランダが捲っても3列目の内5番手で折り合いに専念して仕掛けを我慢した。3~4角でペースが上がったところで促され、4角で狭い中目を捌いて直線へ。序盤で追われたがそこで前が後続を引き離し、ラスト1Fでようやく外から伸びてコスモキュランダに1馬身1/4差まで迫った。

 前走は3角から一気にペースアップしており、3角で2番手だったコスモキュランダが1着、3角で先頭だった(4)シリウスコルトが3着という結果。トップクラスが相手だとトップスピードで見劣るシンエンペラーには苦しい展開だった。前々走のホープフルSも前走の弥生賞も幼さを見せる競馬で、キレ負けする形での2着。この辺りが遅咲きの凱旋門賞馬ソットサスの全弟らしい。距離が延びる日本ダービーやそれこそ欧州の舞台のほうが向いていると見ている。

推定1番人気 (10)レガレイラ

 新馬戦では出遅れを挽回し、中団の外から後に札幌2歳Sを圧勝するセットアップを差しきり勝ち。この時点で非凡な才能を見せていた。次戦のアイビーSでもやや出遅れ、3列目の外を追走。しかし(11)ホウオウプロサンゲが2着に逃げ粘る超スローペースでは、スタートが致命的となり3着に敗れた。ただ、メンバー最速タイの上がり3Fタイムと2歳重賞でも通用する指数を記録しており、負けて強しの内容だった。

 そしてデビュー3戦目は牝馬ながら牡馬が相手のGⅠホープフルSに出走。このレースでも13番枠から出遅れた。ある程度挽回して後方2列目の外を追走。道中では脚を温存し、3角から中目のスペースを拾いながら進出し、4角でペースが緩んだところで上手く外へ誘導して直線で大外へ出した。直線序盤でじわじわ上がって3列目。ラスト1Fでグンと伸びて抜け出し、3/4差で勝利した。

 前走は5回中山9日目で外差し有利の馬場。さらにレースが緩みなく流れたことで展開の後押しもあった。また前々走のアイビーSで展開に恵まれず、能力を出し切っていなかったことで疲れが残らなかった。それがこのレースに繋がったのだろう。ここでも見事な末脚で、記録した指数は先に行われた阪神JFを上回るものとなった。

 本馬は桜花賞には目もくれず、ホープフルSと同舞台の皐月賞に出走。出遅れ癖があるのでマイルの桜花賞よりも芝2000mの皐月賞のほうが向くが、ホープフルSでは馬場の悪化した内を先行した(14)シンエンペラーのほうが強いレースをしている。その後の休養中に成長している可能性はあるが、これで1番人気なら評価を下げたい。

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