2024年 有馬記念の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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予想

2024.01.21
2024年 有馬記念の予想

■基本的には外枠不利、逃げ馬も不利

 有馬記念は過去20年まで遡っても馬番14~16番は【0-3-4-46】で勝率0.0%。舞台である中山芝2500mはスタートから最初の4角までの距離が約192mしかないこと、外を回ると内に入れるのが難しくなり、終始外々を回ることになりやすい点などが、外枠不利の理由として挙げられる。

 追い込み馬なら、2020年に14番枠から2着に入ったサラキアのように、位置を下げて内目を立ち回り、4角で外に誘導する形を取れるが、先団~中団につける馬はロスの大きい競馬となり、敗れることが多い。

 昨年、大外16番枠から2着に好走して注目を集めたスターズオンアースの場合は、好スタートを決めて4角では2番手を追走し、しっかり内に入れていた。つまり、14~16番は出していくか、下げるかしないと苦しい。

 また、過去10年の逃げ馬の成績は【1-0-2-7】で、好走馬は2015年3着、2017年1着のキタサンブラックと2023年3着タイトルホルダー。キタサンブラックが3着以内だった2回はどちらもかなりのスローペースだった。

 今年は逃げ馬不在で、先行馬も手薄。かなりのスローペースが予想されるだけに、馬によっては逃げてもチャンスがあるとみている。

中山11R 有馬記念 芝2500m
 ◎ (8)レガレイラ
 ○ (10)プログノーシス
 ▲ (5)ベラジオオペラ
 △ (1)ダノンデサイル
 △ (3)アーバンシック
 △ (7)スターズオンアース
 △ (6)ローシャムパーク
 △ (11)ジャスティンパレス
結論 馬連5-8,10,1,3,7,6,13 (10:10:10:10:4:3:3) 複勝8 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (8)レガレイラ

 GⅠ昇格後のホープフルSを牝馬で初めて優勝。このレースは13番枠から出遅れて後方からの競馬となったが、直線で差しきって3/4馬身差での勝利。3~4角で大外を回るロスがありながらの結果で、強い内容だった。今春は牡馬クラシックの皐月賞と日本ダービーに参戦したが栄冠には届かず、秋は牝馬路線に矛先を向けてきた。

 前走のエリザベス女王杯は5着。7番枠から五分のスタートを切った後、挟まれてやや狭くなったが、促してしっかりと位置を取った。道中は外へ誘導できずに中団中目で進めて、手応えの怪しいキミノナハマリアの後ろで3角へ。

 3~4角で前のスペースを維持しながら他馬の仕掛けを待つが、ペースは上がらず、外にも出せずといった厳しい展開になってしまう。直線序盤では狭いところをこじ開け、3列目を維持。ラスト1Fで追われたが、じわじわとしか伸びず5着だった。

 前走時は最後の直線で、前をこじ開けるしか上位を狙える手がなく、鞍上のC.ルメール騎手が悪かったとは思わない。しかし、前々走のローズSでも最後方から仕掛けが遅れる形で敗れており、同騎手とは手が合っていないとみる。

 本馬は(3)アーバンシックとほとんど同じ血統(父はスワーヴリチャード、母ロカはアーバンシックの母エッジースタイルの全姉)であり、アーバンシック同様、ポジションを取りにいくでも、最後の直線一気にかけるのでもなく、徐々にギアを上げていく競馬が合っている。

 少なくともホープフルSはそのような内容で勝利しており、距離が長い舞台は歓迎だろう。3歳牝馬で斤量が54kgと軽い点も好ましく、本馬はここが大目標。ホープフルSの◎以来、本馬を軽視することが多かったが、ここは思い切って本命に推す。

○ (10)プログノーシス

 昨年の札幌記念にて、今回のメンバーでNo.1の指数を記録した。同レースでは13番枠から五分のスタートを切り、序盤は無理せず後方付近からの追走。1角で内に入れ、そのまま位置を上げると、3~4角では内から外目へと誘導しながら2番手まで押し上げて直線へ。

 直線序盤で最内から先頭に立ったトップナイフに並びかけ、ラスト1Fでは抜け出して同馬に4馬身差、3着ソーヴァリアントに7馬身差をつけて完勝した。

 この時はタフな馬場かつ、逃げ馬が多数出走したことからオーバーペースになり、序盤に先行した馬たちが潰れる展開になった。また、この週はA→Cコース替わり。最後の直線で外を通った馬が好走していた。プログノーシスは追い込み有利の展開に恵まれたことに加え、完璧なコース取りで自己最高指数を記録したことになる。

 未だにGⅠを勝っていないが、ハイペースとなった今春のクイーンエリザベス2世Cでも、出遅れて最後方から向正面で好位の外まで押し上げ、ロマンチックウォリアーとクビ差の2着に善戦している。このことから、差し、追い込み有利の展開になればGⅠ獲りに手が届く存在だ。

 今回は逃げ馬不在、先行馬手薄のメンバー構成。こうなると展開面に不安があるが、本馬は前走のコックスプレートで五分のスタートから2番手を先行。近走は絶望的な出遅れもなくなっており、中団くらいの位置で進められそうだし、ペースが遅ければ道中で動いて行くことも可能だろう。

 前走は緩みない流れのなか、積極的に前に行き過ぎたことで追走が忙しくなり、しまいの甘さを見せてしまったが、芝2500mなら息を入れながら追走できる。これまでも高速馬場の芝2000mで忙しさを見せていたことからも距離を延ばしたほうがいいと感じていただけに対抗評価とした。

▲ (5)べラジオオペラ

 今春の大阪杯で悲願のGⅠ初制覇を達成。同レースでは11番枠から五分のスタートを切り、ハナを主張した(13)スタニングローズの外2番手で折り合った。道中はスローペースだったが、上手く2番手で進め、3角手前で外から(6)ローシャムパークが上がってくると、同馬に抵抗して仕掛ける。

 4角ではローシャムパークの前に出て、2番手で直線へ。直線序盤でスタニングローズを捉えて半馬身ほど前に出ると、ラスト1Fで外からしぶとく食らいつくローシャムパークをクビ差で振り切って勝利した。

 次走の宝塚記念では2列目の外から進み、最後の直線で馬場の良い外に出ると、ラスト1Fで先頭に。そこから苦しくなってしまい、外から(4)ブローザホーンやソールオリエンスに差されて3着に敗れた。しかし、勝ちにいっての結果で、悪い内容ではない。

 復帰戦の前走の天皇賞(秋)は最後の直線で伸び切れず6着だったが、夏負けで調整が遅れた影響があったようだ。今回は叩かれて前進が見込める一戦。ドウデュースが出走なら早めに捲られて苦しくなると見て△のプランもあったが、同馬の回避で一気に浮上した。

 ここは逃げ馬不在、先行馬が手薄であることから、前で流れに乗れる優位性が生かされる。ただ本馬のベストは大阪杯や宝塚記念のように2列目からレースを進めること。今年は例年よりも馬場の内側がいいのでスローペースなら逃げてもいいが、本日の強風が不安を感じさせる。よって、3番手まで評価を下げた。

△ (1)ダノンデザイル

 今春の日本ダービー馬。ダービーでは5番枠からますまずのスタートを切り、ハナに立つ素振りを見せながらの先行策。最終的には外のエコロヴァルツを行かせて2列目の最内を確保した。

 道中はかなりのスローだったが、3角手前でマクる馬が出たことにより一気にペースアップ。3~4角で外を回るロスがあった馬たちが苦戦するなか、最短距離を通し直線序盤ではエコロヴァルツの内を突いてじわっと伸びる。ラスト2Fで3/4馬身ほど前に抜け出すと、ラスト1Fで突き抜けて2馬身差で完勝した。

 前記の日本ダービーは早めに2番手の内に上がった15番人気のサンライズアースが4着に善戦しているように、内と前が有利な展開。本馬は2列目の最内と最短距離を通して上手く乗られていた。

 ところがぶっつけ本番で挑んだ前走の菊花賞では一転して不運に見舞われる。4番枠からまずまずのスタートを切り、好位の最内を前にスペースを作って追走していたが、スタンド前で外から各馬が動いて中団に下がってしまう。向正面でペースダウンして馬群が凝縮すると、さらに前のスペースに各馬に入られ後方まで下がってしまった。

 結局、前のスペースがほどんどなくなり、3角手前で捲られて動けずに包まれてしまう。3~4角では下がってくる馬もいて進路を作れずブレーキを踏む羽目に。4角出口でようやく外に誘導して、直線序盤ではさすがの伸びを見せていたが、ラスト1Fではじわじわ。鞍上ももう届かないとわかっているので、無理をさせずに6着に敗れた。この敗戦はさすがに度外視していいだろう。

 今回も1番枠と内枠だが、さすがに同じ失敗を繰り返さないのでは? おそらく逃げる息子の(5)ベラジオオペラをかわいがりしながら2列目で進めるのか、(7)スターズオンアースに捻じ込まれてそれよりも後ろになるのか、そのパターンを視野に入れて早めに動いて行くのか? この辺りはやってみなければわからない面があるが、逃げ馬不在、先行馬手薄のここで先行できることは強みになる。

△ (3)アーバンシック

 クラシック三冠レースす)アーバンシックべてに出走し、前走の菊花賞で最後の一冠を手中に収めた3歳馬。前走は13番枠からやや出遅れ、後方からの追走。スタンド前で徐々に中団中目まで上がり、向正面でも中団外目から進出して好位の直後で仕掛けを待った。3~4角で2列目の外まで押し上げ、直線序盤ではアドマイヤテラの外に出し、堂々の先頭。ラスト1Fでさらに差を広げて2馬身半差で完勝した。

本馬の鞍上はリーディングトップのC.ルメール騎手。本馬自身も2走前のセントライト記念から連勝中と、ここへ来て地力をつけているのは明確だ。前走の3000m戦で後方からレースをした後になるので、流れにれるかかが鍵になるが、3歳馬は斤量の優位性や勢いがある。

△ (7)スターズオンアース

 昨年の有馬記念では、大外16番枠から好スタートを決め、押されてしっかりと前へ出ていった。内からタイトルホルダーがハナを主張すると、その2番手を追走し、スタンド前では少し息を入れる形。2角過ぎで前と6馬身ほどの距離を取り、向正面でも少し息を入れて後続の仕掛けを待った。

 4角で外からドウデュースが上がってくると、仕掛けて最短距離からタイトルホルダーとの差を3馬身差まで詰めて直線へ。ラスト1Fで前のタイトルホルダーを捉えてドウデュースに食らいついたが、同馬に半馬身前に出られて2着となった。

 C.ルメール騎手が上手く乗った面もあるが、ジャパンCで3着に入った後に有馬記念でも好走できるのは地力があればこそだ。

 しかし、その後は着外が続いている。前走ジャパンC時のコラムで、「有馬記念では気合が乗ってこない本馬に対して、鞍上が過剰なほど返し馬を行なっていたことから、無理をさせてしまったのでないか。もし、そうならこの後、不振になる」と書いたが危惧したとおりになり、ジャパンCは7着完敗。

 この中間の動きも物足りなく、騎乗していた川田将雅騎手が「何もコメントしたくない」と口にしたほど。競走馬は状態が整わないタイミングで無理に走らせるとスランプになると考えている。

 それでも、もともと強い馬は何かのキッカケで巻き返すことが多いもの。逃げ、先行馬が手薄のここで、昨年のこのレース同様、前で上手く流れに乗れれば復活があっていい。

△ (6)ローシャムパーク

 デビュー4戦目の山藤賞では向上面先頭の競馬で7馬身差の圧勝。この時点で古馬3勝クラス級の指数を記録した素質馬だ。当時の指数は翌日の皐月賞(勝ち馬ジオグリフ)出走なら3着入線レベルで、この山藤賞の2~4着馬は現OP馬である。

 昨年はむらさき賞(3勝クラス)、函館記念、オールカマーを3連勝。このオールカマーでは13番枠からやや出遅れたが、軽く促されて中団外目を追走。タイトルホルダーが淡々と逃げて向正面で隊列が縦長になっていく展開を外から強気に押し上げ、3角では好位の外に取り付く。

 3~4角では中目を通し、4角出口で外に誘導すると直線序盤では一気に2列目に並びかけ、ラスト1Fでタイトルホルダーを捉えて1馬身1/4差で完勝した。

 本馬は今年の大阪杯でも向正面半ばで2列目まで上がり、内の◎(5)ベラジオオペラが抵抗して、3~4角でペースが上がっていくなかで2頭分外を回るロス。4角出口ではやや置かれてしまったが、そこからもう一度盛り返し、ラスト1Fでベラジオオペラに食らいついてクビ差の2着に善戦している。

 本馬は折り合い面に問題はあるが、ペースが上がって折り合いさえつけばG1タイトルを取れる実力があり、前走のBCターフでもクビ差2着に好走している。

 前走は前後半5F61秒30-59秒90の平均ペース。1番枠から出遅れて最後方からの追走となってしまったが、向正面でもうワンテンポ速く動いていければ、ラスト1Fで抜け出したレベルスロマンスを差し切れた可能性もある。ローシャムパークの能力の高さは認めているが、今回は前走を大目標にした後の一戦。今回のメンバーを相手に余力で勝ち負けするのは難しく、評価を下げた。

△ (11)ジャスティンパレス

 昨年の天皇賞(春)で悲願のGⅠ制覇を達成。このレースはタイトルホルダーが逃げて主導権を握り、前半~中盤は速かったが2周目の3角手前で同馬が故障し、下がったことで大きくペースが緩んだ。

 本馬は1番枠から五分のスタートを切り、積極的に促したが2番枠のディープモンスターの方が速かったこともあり、控えて中団やや前目を追走。1~2角で(9)ディープボンドの後ろについて、同馬をマークしながら進めた。

 3角手前で一気にペースダウンするとディープボンドを追いかけ、楽な手応えで進出し、4角で同馬の外に出すと直線序盤では先頭に。ラスト1Fでディープボンドとの差を広げて2馬身半差で完勝した。このレースは3角手前からジョッキーが上手く押し上げたことが功を奏しての優勝で、自己最高指数を記録した。

 その後は中距離路線に矛先を向け、昨年の天皇賞(秋)では2着に善戦するなど、中距離戦でも上位争いを繰り広げた。ただ、ゲートやテンに甘さがあり、徐々にエンジンをかけていくタイプであることから、ベストはあくまでも長距離だろう。

 今年の天皇賞(秋)は出遅れて後方からになるも、ラスト1Fでしぶとく伸びて4着。続く、前走ジャパンCは好スタートを決めて中団の内目からの競馬になったが5着だった。

 今回は芝2500mが舞台。昨年の有馬記念は10番枠から出遅れ、最後方の競馬だったことに加え、4角で大外をぶん回すロスがありながらドウデュースと約1馬身半差の4着に善戦。そのことからも近2走以上の結果を出せるはず。位置を取れない馬なので勝ち負けは難しいとみているが、2、3着ならありそうだ。

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