2024年 オールカマーの予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2024.09.22
2024年 オールカマーの予想

■中山芝2200mはペースが上がりにくい

 オールカマーは先週のセントライト記念と同じ中山芝2200mが舞台。前半で高低差5.3mの最高地点を目指して坂を上り、向上面の中盤で坂を下るコース。このため前半のペースが上がりにくく、唯一、ややハイペースになったのが、中山で行われた過去10年では逃げ馬が多数だった2013年のみ。

 一方、スローペースになったことは8回もあり、そのうち7回がかなりのスローペース。特に何が何でも逃げたい馬が不在だった2020年には、前半5F64秒3-後半5F58秒3と前後半差5秒以上の超絶スローペースが出現している。

 また2020年も含めて、過去5年連続で5F通過60秒7より遅いかなりのスローペースが出現していること、昨日の時点でもコンクリート馬場だったこと、近2走とも平均~スローペースで逃げた(3)アウスヴァールが逃げる可能性が高いことから、ここもかなりのスローペースになると見て予想したい。

 昨年の金鯱賞と鳴尾記念で逃げて2着と好走しているように、逃げるとしぶとい(10)フェーングロッテンが逃げた場合には、平均に近いところまでペースが上がる可能性もあるが、この馬はテンがそれほど速くないし、今回は休養明けでもあるので無理をさせないと見ている。

中山11R オールカマー 芝2200m
 ◎ (6)アルビージャ
 ○ (12)ロバートソンキー
 ▲ (3)アウスヴァ―ル
 △ (8)ニシノレヴナント
 △ (9)キラーアビリティ
 △ (4)レーベンスティール
 △ (7)ヤマニンサンパ
結論 馬連6-13,3,8,9,4,7 (10:10:6:6:14:4) 複勝6 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (6)アルビージャ

 3歳春に1勝目を挙げるとそこから3連勝。驚かされたのは前々走の3勝クラス緑風S。ここでは6番枠から五分のスタートを切ったが、無理せず中団馬群の後方中目を追走。かなりのスローペースで4角まで包まれ、折り合いに専念する形だったが、ラスト2Fで内の進路が開くと一気に突き抜けて先頭へ。ラスト1Fで外差し2頭に詰め寄られたが、3/4差で勝利した。

 前々走は4着馬に4馬身と大きな差をつけ、古馬OP級の指数を記録。当時の2着馬は後のOP・福島民報杯を勝利したカレンルシェルブル。当日の3着馬は後のジャパンCを優勝したヴェラアズールだ。

 前走の関越Sはそこから2年2ヵ月の休養明けの一戦。夏の新潟開幕初日で超絶高速馬場とはいえ、レコード決着となるほどの湯積みない流れを1番枠から出遅れて、中団中目まで挽回していったことが祟って最後に伸びあぐねたが、見せ場はあった。

 またアルビージャは芝2400m前後がベストの馬。久々を叩かれて最適距離に戻る今回は巻き返しを期待したい。(5)ステラヴェローチェも屈件炎による長期休養明け後は不適距離の芝1400m戦を使われていたように、このタイプは変わり身を見せることが多いので本命に推したい。

○ (12)ロバートソンキー

 当時1勝馬の身ながら3歳秋の神戸新聞杯で3着、菊花賞で6着に善戦した馬。その後、1勝クラスから再スタートで2連勝。春の天皇賞では離された7着に敗れたが、その後3勝クラスを勝利し、続く2022年のオールカマーでは2着と健闘した。

 ここでは1番枠から躓いてやや出遅れ、促されてもあまり進んで行かなかったが、ひとつ外のジェラルディーナが内に切れ込んできたので、その後ろの中団の位置を取ることができた。向正面でも3~4角でも同馬をひたすらマーク。最短距離を通し切り、直線でも同馬の能力を信じてその後ろから。ラスト1Fでようやく外に誘導し、そこからグンと伸びて同馬と1馬身半差の2着に好走した。

 このオールカマーでは内を立ち回った馬が1~4着を独占したように、前日の雨の影響を受け、馬場が内側から乾いて圧倒的に内と前が圧倒的に有利な馬場&展開だった。ロバートソンキーは枠の利を生かして最短距離を通すことはできていたが、前有利の展開をジェラルディーナと同じ最速の上がり3Fを駆使したことは褒められるものだ。

 今回も能力を出し切れれば十分に通用する組み合わせ。もっと内目の枠が欲しかったが、2022年の時ほど相手が強くない。前々走の日経新春杯で5着した後、骨折で1年以上の休養となったが、始動戦の前走ではダートに起用し、無理をさせていない。叩かれて一変が期待できる。

▲ (3)アウスヴァ―ル

 デビュー3戦目の未勝利を逃げ切り勝ちした馬。この馬は抑える競馬をすると味がなく、その後1勝クラス、2勝クラスも1~2番手で結果っを残している。3勝クラス昇級後もすんなり逃げられた時に好走する点は変わらないが、成績の安定感は増している。今春の3勝クラス・難波Sを休養明けで逃げて勝利すると、前々走の函館記念で3着。

 前々走は9番枠からまずまずのスタートだったが、そこから押してハナを主張し、取り切った。道中は2番手のホウオウビツケッツが手綱を抑えて控えたこともあり、単騎気味の逃げ。3馬身ほどのリードで3角を向かえた。3角で動いて仕掛けたが、4角で外からホウオウビスケッツに並ばれて直線へ。序盤で並ぶ間もなくホウオウビスケッツに前に出られたが、ラスト1Fで同馬に進路をカットされたこともあって甘くなり3着となった。

 前々走は前後半5F59秒6-59秒6のジャスと平均ペースでの逃げ。特に逃げ馬は勝ったり、負けたりしながらスタミナが強化されて強くなっていくパターンが多いが、アウスヴァ―ルもまさにそれだろう。前走の札幌記念ではマイペースの単騎で逃げたが、勝ち馬に早めに上がって来られて苦しくなり、7着に敗れた。しかし、着差は0.8秒差と大崩れもしていない。ここは先行勢が手薄。展開と枠の利が生かせそうだ。

△ (8)ニシノレヴナント

 4走前の有馬記念前日の芝2500m戦、グレイトフルSの勝ち馬。4走前は10番枠からやや出遅れ、そこから軽く促されると二の脚は遅くなかったが、前に行く馬が多く、最終的には中団中目で進めた。道中も前が飛ばしていったが、中団中目でコントロールしながら追走した。

 向正面でプリマヴィータが後続を大きく引き離し、3角手前から動いていく馬もいたが、ニシノレヴナントは仕掛けずに後方に下がって3角へ。3~4角でも前が仕掛けて行く状況下でワンテンポソ仕掛けを遅らせ、外に誘導しながら仕掛けて4角でキングズパレスの後ろから4列目で直線へ。序盤でジリジリ伸びて3列目に上がり、ラスト1Fで一気に伸びてキングズパレスを捉え、半馬身差で勝利した。

 キングズパレスはその後に3勝クラスを勝利し、今春の新潟大賞典で2着、今夏は七夕賞2着、新潟記念3着と活躍した実績馬。4走前でキングズパレスを下したことは高い評価ができる。

 ニシノレヴナントは超絶高速馬場の青葉賞で9着に敗れて以降、ある程度、時計の掛かるレースばかりを使われている。積極的にというよりは偶然の部分もある。おそらく不良馬場の稲城特別(1勝クラス)を勝利している辺りから高速馬場適性が不安視され、過剰に人気がないものと推測されるが、4走前はそこまで時計が掛かっていなかった。キングズパレスが出走してくれば、上位人気に支持されることが予想されるだけに、この馬に一考してみたい。

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