2024年 エンプレス杯の予想 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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地方競馬

2024.05.08
2024年 エンプレス杯の予想

■川崎記念で0.2秒差のディクテオンは名古屋GPで馬群に沈んだ

 先月の川崎記念でアタマ+ハナ+1馬身差のディクテオンは、先日の名古屋GPで1番人気に支持されながらも、上位馬に大きく離された4着と馬群に沈んだ。同馬は弱かったのか? 体調面の問題か? 前有利の馬場だったからなのか?

 今回は川崎記念で2着、3着だった(4)グランブリッジと(7)アイコンテーラーが出走。ディクテオンの名古屋GPの敗戦をどう考えるが予想のポイントとなる。

川崎11R エンプレス杯 ダ2100m
 ◎ (12)アーテルアストレア
 ○ (7)アイコンテーラー
 ▲ (1)キャリックアリード
 △ (4)グランブリッジ
 △ (10)オーサムリザルト
結論 馬連12-7,1,4,10 (20:10:10:10) 複勝12 (50)

■有力馬と評価ポイント

◎ (12)アーテルアストレア

 昨年のエンプレス杯では4着に敗れたが、その後に地力をつけて6走前の名鉄杯では、3着馬に4馬身差をつけ、川崎記念の上位2頭に見劣りしない指数で勝利した。同レースでは9番枠から五分のスタートを切って、中団やや後ろから追走。前2頭が飛ばして隊列が縦長になったが、3~4角でペースダウンすると、外から手応え良く前との差を詰め、4角出口で外に誘導。直線序盤で追い出されてスピードが乗ると一気に2番手に上がった。そこからもしぶとく伸び続け、早めに抜け出したメイクアループを捉えてクビ差で勝利した。

 アーテルアストレアは中団からのロングスパートが持ち味で、その次走のレディスプレリュードではテリオスベルの捲りによる前崩れの流れを利して、(4)グランブリッジをクビ差で差し切って勝利。本番のJBCレディスクラシックでは休養明けのレディスプレリュードで好走した反動で、今年の川崎記念の上位2頭には敗れたが、今年2月のクイーン賞では中団やや後方追走から向正面から動いて捲って行く競馬で完勝している。ここでも川崎記念の上位2頭に見劣らない指数での勝利だった。

 前走の兵庫女王盃は休養明け好走の反動で出遅れ。スタンド前や向上面で強気に押し上げて3角では先頭に立ったが、さすがに3~4角から苦しくなって(5)ライオットガールに敗れた。アーテルアストレアは今年3月で引退したテリオスベルの後釜のような存在で、捲りが板についてきた。今回はグランブリッジと(7)アイコンテーラーは前走で馬場と展開に恵まれ、ある程度の能力を出し切った後の一戦だけに、ここでの逆転を期待したい。 

○ (7)アイコンテーラー

 休養明けで初ダートとなった6走前のBSN賞を完勝すると、5走前のシリウスSでも2着と善戦し、4走前のJBCレディスクラシックを優勝と一気に上昇した馬。

 4走前は4番枠から五分のスタートだったが、促されるとすっと行き脚がついて先行し、道中は内からハナを主張したヴァレーデラルナにある程度プレッシャーをかけながらの追走。3角手前で同馬に並びかけ、3~4角で先頭。そこで捲って上がってきたテリオスベルに抵抗しながら2頭で並走して直線へ。序盤で同馬を振り切り、そこから4馬身ほどリードを広げる。ラスト1Fでもその差を守り切って完勝した。

 当時の大井は砂を入れ替えたばかりで、砂厚も8㎝→10㎝に変更。かなり時計が掛かる状況下で、前後半4F49秒8-51秒0のハイペースとなったが、これを2番手から楽に抜け出して優勝したことは高く評価できる。

 3走前のチャンピオンズCは、内と前有利の馬場&展開を14番枠から前に行けず、初めて被る砂を嫌がって進んで行かずの14着大敗。前々走の仁川Sでは内と前有利の馬場&展開を大外16番枠からトップハンデ57kgを背負っていた影響もあり、ハナを取り切れずに終始好位の外々を回るロスが生じての3着。またアイコンテーラー同様の競馬で13着に敗れたヒロイックテイルは先日の名古屋GPで2着に巻き返している。

 前走の川崎記念はJpnⅠとしては凡戦。3角手前でライトウォーリアを負かしに動いた時は、勝ったかと思ったが最後に苦しくなってアタマ+ハナ差の3着。前走は勝ちパターンだったが、最後に甘さを見せた点にやや不安も感じる。昨年のJBCレディスクラシック時の能力を出し切れれば、勝ち負けになるが、人気も考慮の上で対抗評価とした。しかし、今回もマテリアルガール(吉原J)が逃げる展開の2番手でレースの流れに乗れる点も好ましい。

▲ (1)キャリックアリード

 3走前の神奈川記念の2着馬。前走は3番枠からやや出遅れ、そこからあまり進んで行かずに、中団中目を追走。道中は前のスペースを維持して、3~4角でそのスペースを潰して4角出口で外に誘導。直線序盤でスムーズに3番手に上がり、ラスト1Fで早め先頭に立ったヴィブラフォンに3/4差まで迫った。

 3走前はは逃げたポリゴンウェイヴの外2番手からヴィブラフォンがプレッシャーをかけ、緩みない流れ。ヴィブラフォンが3角で先頭に立つ強気の仕掛けをしたことで展開に恵まれた面がある。今年、復帰してからはクイーン賞3着、兵庫女王盃4着に敗れているが、前走は逃げ馬不在で2番手と積極策を取ったことで勝負所で苦しくなったもの。今回は休養明け3戦目で、3走前のような着狙い騎乗でペースが上がってくれれば、馬券圏内突入のチャンスはある。

△ (4)グランブリッジ

 ダートグレードで4勝、2着6回の実績馬。川崎2100mでは一昨年の関東オークスと昨年のエンプレス杯を優勝の実績があり、前走の川崎記念でも2着に善戦している。昨年のエンプレス杯では2番枠から出遅れ、中団やや後方を追走。向正面で外に誘導し、3角手前から進出開始。3~4角で3頭分外から位置を押し上げ、4角では先頭のサルサディオーネとは1馬身差。直線序盤で同馬を交わして先頭に立つと、じわじわ差を広げて2馬身半差で完勝した。

 グランブリッジは川崎のダ2100mがベスト。前々走の佐賀記念では2番枠で終始砂厚の深い内を先行して4着敗退と、能力を出し切れておらず、前走の川崎記念はもっと走れても良かったが…JpnⅠとしては凡戦の川崎記念でわずか差だが2着まで。

 前走は前後半5F想定63秒3-65秒8のかなり速い流れ。中団を追走していた本馬は勝ち負けしても不思議なかったが、ライトウォーリアをわずかに差し損なった。同じく展開に恵まれながらも4着だったディクテオンは、先日の名古屋GPで2.9秒差の4着に敗れている。

 名古屋GPは内と前が有利な馬場でペースも速くはなかったが、捲りに行かなかったのが大敗の理由。結果的に1~3番手馬のワン、ツー、スリーの前残り決着ではあるが、大差で敗れたとなると状態面にも問題があったはず。グランブリッジはダ2100mなら幅広い立ち回りができ、崩れにくい馬ではあるが、前走勝負で勝てなかった辺りにやや物足りなさを感じ、評価を下げた。

△ (10)オーサムリザルト

 デビューから上昇一途で前走のアルデバランSを勝利した馬。前走は大外12番枠からスタートでアオって後手を踏んだが、二の脚が速く、3角で後方2列目の3番手に上がった。向上面序盤で外に誘導し、半ばから動いて3角では3番手。3~4角では5頭分外からさらに進出し、内から抵抗するテーオーリカードと並んで直線へ。序盤で同馬を競り落としてラスト1Fで完全に抜け出したところを、内からハピに迫られたが、もうひと伸びして3/4差で完勝した。

 前走はかなり強い内容で、ダートグレードでも勝ち負けになる指数を記録している。また序盤で控えて初めて砂を被る競馬になったが、それも難なくクリアして見せた。その後の休養中にさらに成長している可能性もあるが、休養明けで相手強化となると取りこぼす危険性もある。将来が楽しみな馬ではあるが、ここは評価を下げた。

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