■テンの速い馬多数で、外差し有利の馬場
東京スプリントは昨年、前々走のカペラSで2着のリュウノユキナが優勝したように、前年暮れのカペラSか同年の根岸Sの3着以内馬が活躍しているレース。しかし、2020年に前年のカペラSを優勝し。前走の根岸Sでも2着に善戦したコパノキッキングがここで断然1番人気に支持されながらも8着と崩れたように、カペラSや根岸Sからの直行馬は、ここでの取りこぼしが見られる。
今回は昨年のカペラSの優勝馬(10)テイエムトッキュウも、今年の根岸Sの2着馬(12)アームズレインも、直行で出走。さらに昨年のカペラSも今年の根岸Sも例年にように逃げ、先行馬に厳しいレースにはなっておらず、ここでそれらが競り合うと危うい。
おそらくここはテイエムトッキュウがハナを主張する形になると見ているが、内の(5)キュウドウクン、(6)ギシギシ、(9)ジャスティンもテンの速い馬である。昨日の大井は後半になるにつれて外差しが利いており、本日の東京スプリントが行われる頃には外差し有利の馬場になっている可能性が高い。よって、ここは差し馬を中心に予想を組み立てた。
大井11R 東京スプリント ダ1200m
◎ (11)マルモリスペシャル
○ (12)アームズレイン
▲ (6)ギシギシ
注 (10)テイエムトッキュウ
△ (8)クロジシジョー
△ (4)アポロビビ
結論 馬複11-12,6,10,8,4 (14:14:12:8:2) 複勝11 (50)
■有力馬と評価ポイント
◎ (11)マルモリスペシャル
3走前にJRAのOP・ギャラクシーSを勝利した馬。3走前は4番枠からは五分のスタート。押して位置を取りに行って好位馬群の後方中目を追走。3~4角で徐々に進出し、4角で前のアイオライトが仕掛けると、それを追い駆けて直線へ。序盤でしぶとく伸びて2番手まで上がり、ラスト1Fでアイオライトをかわして先頭。外からカセノダンサーに食らいつかれたが、踏ん張ってクビ差で勝利した。
3走前は北海道スプリントCの2着馬アイオライトを撃破しているように、オープンとしてはなかなかの指数が高く、展開に恵まれればここでも通用する指数を記録している。前走の兵庫ゴールドTは出遅れを挽回して中団を追走し、3~4角で外を回るロスが生じたこともあり、終いが甘くなって4着敗退。
前走の黒船賞は7番枠から五分のスタートだったが行きっぷり良く先行。1角で2列目のサンライズホークの外付近にはいたが、外から上がったヘリオスに前に入られ、手綱を引いて一列下げる形。3角で外を選択した兵庫のタイガーインディに対し、マルモリスペシャルは砂厚の深い内を選択し、そこから追い上げたために直線で伸び切れず、7着に敗れた。
前走は若き田口騎手には荷が重かったと言わざるを得ない結果。しかし、今回は大井の御神本騎手に乗り替わる。特に大井のような馬場の変化が著しい魔境では、地元の騎手に乗せるアドバンテージは大きく、ここは期待したい。
○ (12)アームズレイン
前々走のJRAのOP・りんくうSを勝利した馬。前々走は五分のスタートを切ったが、外のシンシティが内にヨレた影響を受けて、中団やや前の外を追走。3~4角では仕掛けを我慢し、4角で勢いに乗せて外へ誘導し、直線序盤で追い出されると、一気に伸びて2番手に上がる。ラスト1Fで先頭のイスラアネーロを早々とかわし、外から迫るサンライズアムールを寄せ付けず、1馬身1/2差で勝利した。
前々走の3着馬(8)クロジンジョーだが、同馬に3馬身半差をつけており、ここでは重賞通用レベルの指数を記録している。
3走前の室町Sはスタミナがが不足しがちな休養明けで、馬体重12Kg増が示すように明確に太め。さらに京都改修後のタフな馬場で前後半3F34秒9-37秒9のかなりのハイペースを2列目の外を追走し、苦しい競馬になったことが、前々走のスタミナ強化とシェイプアップに繋がった面がある。
しかし、前々走は2番手の外を追走して2着だった前走の根岸Sよりも指数が高いことから、アームズレインは差し競馬がベストと言える。今回は前々走と同様に1200m戦。この距離で外枠となると先行するのが難しい。よって、展開に恵まれる可能性が高いと見て対抗馬とした。
▲ (6)ギシギシ
一昨年の東京スプリントの3着馬。同レースでは逃げ争いをすると目されていたピンシャンとヒロシゲゴールドが揃って出遅れ。ギシギシは10番枠からトップスタートを切って、ひとつ内から好スタートを切ったカプリフレイバーを行かせ、内のリュウノユキナを被せて2番手の外を追走。3~4角でもそのままの隊列でペースが上がらず、直線序盤で追い出されると、早々とカプリフレイバーをかわして先頭に立ったが、内からリュウノユキナにかわされ、ラスト1Fでは2番手。そこからしぶとく食らいついたが、ゴール寸前で外からシャマルに差されてハナ+クビ差の3着となった。
前記の東京スプリント当日は砂を入れ替える前で砂厚8㎝の軽いダート。3~4角でリュウノユキナが包まれて動けなかったこともあって3~4角でペースが上がらず、例年のこのレースと比べるとペースが遅い決着。やや前が有利な展開ではあった。それでもシャマルやリュウノユキナと接戦したことは褒められる。
その後の東京盃や昨春の東京スプリントでも逃げて5着に粘り、昨秋の東京盃でもトップスタートを切ったが、ドンフランキーにハナを譲って、2列目の外を追走し、4着に善戦している。その後の2戦は調子を崩し、前走の船橋記念でも勝ち馬キモンルビーに4馬身離された4着だったが、今回は立て直されての一戦。今回は(10)テイエムトッキュウを行かせて昨年の東京盃のような立ち回りができる点も好ましく、3番手評価とした。
注 (10)テイエムトッキュウ
昨年暮れのカペラSの覇者。同レースでは3番枠から好スタートを切ってナを主張。外から内に切れ込んでくる馬もいなかったので、楽々とハナを取り切って、ペースを落とさすに淡々と進めていく。3~4角でも単独先頭、持ったままで2馬身半ほどのリードで直線へ。ラスト1Fでも高速を寄せ付けず、3馬身差で圧勝した。
前々走の室町Sで同型馬のチェイスザドリームと競り合ってオーバーペースとなり、共倒れをしたことで、前走はテイエムトッキュウが単独先頭、チェイスザドリームが単独2番手と、共存を図る隊列。前々走と比べるとはるかに前有利の馬場であり、展開でもあった。
今回はテンの速い馬が多数ので外枠で、すんなり逃げられない可能性が高いと見ている。まして今回は始動戦でスタミナ面での不安がある。前走のカペラSではチェイスザドリームとともに万馬券をプレゼントしてくれたが、1番人気の今回は評価を下げたい。
△ (8)クロジシジョー
4走前のりんくうSでは○(12)アームズレインに3馬身半離された3着だったが、その後に地力をつけて1月のジャニアリーSと2月の令月Sを2連勝した。
3走前のジャニュアリーSは2番枠から五分のスタートを切ったが、左右から挟まれて後手を踏み、そこから押して外に誘導しながら中団を追走。3~4角の中目から前との差を詰めて4角出口で外へ。ラスト1Fで2列目付近まで上がり、ラスト1Fで早々と抜け出し、外から迫るタイセイブレイズに1馬身差で完勝した。
前々走の令月Sは大外16番枠から五分のスタートを切って、好位直後の外を追走。3~4角でじわっと2列目外まで上がって直線へ。序盤でじわじわ伸びて3列目付近まで上がり、ラスト1Fでは失速しかけた前2頭をかわして3/4差で勝利した。
クロジシジョーは自ら動くと甘くなるタイプだったが、前々走では自ら3~4角で勝ちに行って勝利。前走の千葉Sは緩みない流れを終始外々を回るロスを作った影響もあって4着に敗れたが、中間で時計を出していない週もあり、楽をさせた影響もあったのだろう。この中間の追い切りは問題ないが、このパターンはそのまま調子落ちの危険性もあるので評価を下げた。ただし、ここは展開に恵まれる可能性は高い。
△ (4)アポロビビ
中央のダ1200mのオープンで2度の優勝と2着の実績がある馬。バリバリのオープン馬でありながら、アポロサラブレッドクラブの解散に伴ってサラオクに出品され、税込3000万円を越える落札価格で浦和に移籍した。ただし、オープン連対時の全てのレースは、後方からの追走で、展開に恵まれたものだ。
南関東移籍後はひと息だったが、昨春の東京スプリントでは(6)ギシギシとティアラフォーカスが競り合って、前後半3F33秒8-後半3F36秒5の速い流で展開に恵まれたこともあり、勝ち馬リュウノユキナと0.9秒差と善戦している。
また、その後のさきたま杯やオーバルSでも5着と好走しており、ペースが速くなる大レースは合う。今回のメンバーだと展開に恵まれても3着くらいが予想されるが、今回は今年からJpnに昇格したさきたま杯を目標にしている馬が多いようで、実績馬の大半が始動戦。うっかり2着に食い込み、大波乱というパターンも考えられるので、少しだけ買い目に加えることにした。