■桜花賞の距離変更でユンフラグ賞組にも十分チャンスあり
浦和1600mは昨年から事実上の廃止となり、桜花賞も1500mに変更された。1600m施行時は短距離色の強いユンフラグ賞(ダ1400m)組が苦戦の傾向で、一昨年のように全滅することもあった。また、2019年の桜花賞3着馬アークヴィグラスのように、距離1400mを嫌って同時期に開催される中央のクイーンC(芝1600m)に出走する馬もいたほどだ。
しかし、今後は昨年のユンフラグ賞の覇者サーフズアップ(桜花賞の2着)のように、ユンフラグ賞組の活躍が見込め、実際に今年はユンフラグ賞組が12頭中9頭も出走してきた。今年も東京2歳優駿牝馬の2着馬ミスカッレーラは強いが、断然の1番人気では配当が作れないこともあり、ユンフラグ賞組に期待したい。
また浦和1600mは最初のコーナーまで距離が短いどころか、コーナーにスタートが設定されており、内枠が断トツ有利。実力どおりに決まらないこともしばしばだったが、1500mになってからはその傾向が薄らいでおり、それも併せて注意したい。ただし、今回は月、火曜日の雨の影響を受けて馬場が高速化し、イン有利になっているので、それも踏まえて予想を組み立てたい。
浦和11R 桜花賞 ダ1500m
◎ (2)ミチノアンジュ
○ (11)ミスカッレーラ
▲ (5)シトラルテミニ
△ (4)プリンセスアリー
△ (7)ファーマティアーズ
△ (6)モノノフブラック
△ (9)トレイルリッジ
結論 馬連2-11,5,4,7,6,9 (16:14:8:8:2:2) 複勝2 (50)
■有力馬と評価のポイント
◎ (2)ミチノアンジュ
ユングフラウ賞の覇者。同レースでは五分のスタートを切って、二の脚の速さと枠の利を生かしてすんなりハナへ。外からスティールマジックがプレッシャーをかけてきたが、それに動じることなくマイペースを貫き、半馬身差のリードで直線へ。そこからさらに1馬身差を広げて、1馬身半差で完勝した。
前走はスティールマジックとは1馬身半差だったが、3着馬(6)モノノフブラックには4馬身半差をつけており、ユングラグ賞組では断然の内容。また前走は前後半3F38秒3-3秒7のスローペースだったので消耗が少なく、レースを順調に使われている強みが生きるはず。
○ (11)ミスカッレーラ
デビューから3連勝でローレル賞を優勝した馬。同レースでは7番枠から出遅れたが、そこから促して逃げ馬テルオールの外2番手を確保する。向正面から同馬にプレッシャーをかけ、3~4角で並びかける。直線序盤で抜け出して半馬身差。ラスト1Fでもうひと伸びして3/4差で勝利した。ラスト2Fは13秒7-13秒3。外から迫るアメリアハートを寄せつけず、3着馬スピニングガールに8馬身差を付けての完勝だった。
前走の東京2歳優駿牝馬は、一転して7番枠から好スタートを切って、速い二の脚で一旦先頭。外から(8)パペッティア、ローリエフレイバーが内に切れ込んできたので、それらを行かせて2列目の外4番手を追走。3~4角でじわっと先頭に並びかけて直線へ。直線ではローリエフレイバー徐々に差を広げられ、2馬身差の2着となった。
前走はローリエフレイバーが外にヨレたのを避けたぶんの着差もあるが、ここでは完敗だった。また前走はデビュー以来の最低体重での出走と、休養明け好走後の疲れもあったと推測されるが、それでも2着を死守した内容は評価できる。
ただし、前哨戦を使わず、ぶっつけ本番な点は減点材料。2022年の二冠馬スピーディキックのようなスケールがあれば東京2歳優駿牝馬からの直行でも通用するが、現状ではそこまでのものを感じさせない。よって対抗評価に止めた。
▲ (5)シトラルテミニ
昨年10月の金沢シンデレラCの覇者。同レースでは3番枠から五分のスタートを切って、押して先行策。外から前を主張する馬を行かせてその外に誘導。そこから徐々にポジションを押し上げて3角では2列目。4角では先頭に立ち、2馬身差のリードで直線へ。3~4角では本馬を追い駆けてバラライカが上がってきたが、ほぼ差を詰めさせることなく、2馬身差で完勝した。
前記の金沢シンデレラCは2着バラライカとは2馬身差だったが、3着に大差をつけており、上々の内容だった。このようにシトラルテミニは砂を被らない競馬ができると強く、前走の桃花賞でも大外10番枠から内を見ながら出して好位外3番手で追走し、4角先頭から残り100mで差を広げて3馬身半差で圧勝している。東京2歳優駿牝馬では4着と○(11)ミスカッレーラに完敗だったが、同馬が本来の能力を出し切れなければ、チャンスがありそうだ。
△ (4)プリンセスアリー
デビューから4戦3勝、2着1回で挑んだユングフラウ賞では4着。同レースでは5番枠から出遅れ。内の馬が内によれた影響で前に進出できず、そこで外から被され、中団やや後方の最内を追走。向正面ではペースが上がったがここでは我慢し、3角で中目に誘導して進出開始。3角で前2頭の間を割ったが、前の馬が下がって動けず、4角で外に誘導してからの仕掛け。直線では一気に脚を使って追い上げたが、3着(6)モノノフブラックに3馬身差の4着までだった。
このレースではメンバー最速の上がり3F37秒5を記録。不利があって仕掛けが遅れたからこそ、引き出せた末脚をも言えるが、本馬は末脚を生かす競馬のほうが向いているようだ。しかし、今回の枠の並びだと、◎(3)ミチノアンジュの直後からレースを進めることになりそう。位置を取りに行くと、終いが甘くなりそうなので評価を下げた。
△ (7)ファーマティアーズ
休養明けのユングフラウ賞で7着だった馬。同レースでは大外12番枠から出遅れ。そこから押して中団中目まで挽回して追走。3~4角から仕掛けて行ったが、4角で前の(3)ミモレフレイバーが外に誘導した際に膨らみ、その影響で大きく外に張られてしまう。直線では盛り返したが7着が精一杯だった。このレースでは出遅れを挽回するロス、4角で大きく外に張られるロスがあって本来の能力を出し切れていない。よって、休養明け2戦目の今回は上積みが見込める。ユングフラウ賞時よりもペースが上がりそうな点も好材料だ。
△ (6)モノノフブラック
ユングフラウ賞の3着馬。同レースでは8番枠からやや出遅れたが、じわっと上がって好位外の3番手を追走。3角手前から進出して4角では先頭列と2馬身差ほど。直線では差を広げられたが、◎(2)ミチノアンジュとは3馬身差だった。
ユングフラウ賞ではスタートは遅かったが、それ以上に出遅れ馬た馬が多く、外枠の馬が差し馬ばかりだったこともあり、わりと楽に前の位置を取ることができた。しかし、前有利の展開ながら、ラスト1Fで甘くなってしまったあたりから、1400mでも距離が長いように感じる。ただ前走で終いの甘さを見せたことで、今回は脚を溜めることも考えられる。それならば通用していい。
△ (9)トレイルリッジ
トレイルリッジは1500m以下では5戦2勝、2着2回、3着1回、一方、1600mでは2戦して大敗という馬。前々走の船橋フューチュリティマイルでは大差負けを喫したが、前走のユングフラウ賞では一転して5着と好走。前走では1番枠から好スタートを切って、2列目の最内を追走していたが、向正面のペースアップすると置かれだして中団やや後方まで下がってしまう。しかし、最後の直線で中目に誘導すると盛り返して5着に善戦した。
前走時は位置が伸びない馬場状態。このため向正面で追走がきつくなったが、直線でしっかり盛り返しており、悪くない内容だった。今回は前走時よりも走れて不思議なく、警戒した。