■7カ月以内に古馬重賞勝ちのある馬は不在で混戦模様
今年の南関東の古馬重賞路線は、1月の報知GCで逃げるとしぶといエルデュクラージュの7番人気の逃げ切りこそ決まっているものの、堅い決着で推移。
しかし、ここは今年行われた南関東の重賞、川崎マイラーズ、金盃、報知オールスターCの勝ち馬は不在。それどころか直近で古馬重賞を優勝したのは昨年8月のフリオーソレジェンドC(優勝馬は(9)ギガキング)という組み合わせだ。
そのギガキングは前走のOP・駿麗賞で7馬身差で圧勝したが、2~3走前の大敗からの巻き返しであり、その疲れが懸念される。混戦の様相のここは攻めて高配当を狙う。
船橋11R 京成盃グランドマイラーズ ダ1600m
◎ (2)ヒーローコール
○ (8)アランバローズ
▲ (1)フォーヴィスム
注 (5)ナニハサテオキ
△ (3)ブルベアイリーデ
△ (6)ベストリーガード
結論 馬複2-8,1,5,3,6 (20:14:8:4:4) 複勝2 (50)
■有力馬と評価ポイント
◎ (2)ヒーローコール
前々走の報知GCは古馬の強豪相手に2着。1番枠から五分のスタートを切って押して行ったが逃げられず、好位の最内を追走。3~4角では最短距離から前との差を詰めて、直線で逃げ粘るエルデュクラージュの外に出されると、2馬身差に迫った。
そこから中1週で挑んだ前走、報知ACは4着敗退。前走は3走前の戸塚記念時と同じ3番枠で、外からトップスタートを切って逃げたライトウォーリアのハナを叩きに行ったが、3走前のように相手が強くてハナを取り切ることができず、苦しくなって4着に失速した。
今回は(6)ベストリーガード、(8)アランバローズと同型馬が出走しているが、今回は前々走で2100m戦を使われていることや前走の敗戦からハナを狙いには行かないだろう。まして鞍上は競りかけ屋だが、競り掛けられるのは嫌う御神本騎手である。
またヒーローコールは6走前のサンタアニタTで10着に大敗していることから、マイル適性がないという風潮だ。しかし、6走前は8番枠からスタート時に内にヨレて接触し、そこから押して行ったところで外からシュアゲイトが急に内に切れ込み(斜行に近い状態)で、進路が狭くなって立ち上がり、後方3番手からの競馬になる不利があったもの。
6走前の大敗で「マイルが苦手」と見限るのは早計だろう。今回はさすがに当時のような後方からの競馬にはならないと見ている。5走前の黒潮盃時のように、好位から道中で早めに動いて行く競馬で巻き返しを期待する。
○ (8)アランバローズ
2020年の全日本2歳優駿で、逃げてランリョウオーに5馬身差をつけて優勝し、その後の東京ダービーも制した実績馬。古馬になってからはやや伸び悩み気味ではあるが、前々走の川崎マイラーズCでは4着と、2022年の11月サンタアニタT2着以来の掲示板入りを果たした。
前々走は6番枠からまずまずのスタートだったが、かなり押して出ムチも入れてハナを主張。ハナを取り切ってからもペースを落とさずに3角では4馬身、4角では3馬身差のリードで直線へ。ラスト1Fで甘くなったところを外から3頭に差されたが、展開に恵まれた3着馬(1)フォーヴィスムとはクビ差、上位2頭とは1馬身半差だから悪くない。
さらに前走の多摩川OPでは9番枠から好スタートを切ったが、内から前を主張したジョーパイロライト、ポリゴンウェイヴを行かせて3番手を追走。向正面に入るとすぐに外からプレッシャーをかけ、3角手前で先頭。そこから後続との差を一気に広げ、そのまま押し切って6馬身差で圧勝した。前走は相手が強くなかったのもあるが、一時期の不振から脱出したのは明確。今回も同型馬(6)ベストリーガードよりも外枠だけに、同馬を行かせての再度の善戦に期待する。
▲ (1)フォーヴィスム
6走前のJRA3勝クラス・鎌倉Sの勝ち馬。6走前は9番枠から好スタートを切って、先行争いに加わったが、そこで下がって好位の直後を追走。道中は前2頭が飛ばして行ったため、やや離れた5番手。3~4角で徐々に差を詰めて直線へ。ラスト2F目で仕掛けて2番手に上がり、ラスト1Fで早め先頭に立ったライフレッスンズを差し切って1馬身3/4差で完勝した。
前記の鎌倉Sはパサパサダートで前後半3F34秒6-37秒5のかなりのハイペース。前に行った2頭のフォルツァエフとレイニーデイがブービーと最下位に敗れる流れを、ある程度前の位置から勝利したことは評価できる。
フォーヴィスムはJRA時代に時計の掛かるハイペースを差す競馬で指数が高かった馬だが、○(8)アランバローズが前後半4F49秒2-53秒0のかなりのハイペースで逃げた前走の川崎マイラーズでも好位内直後の内から、3角で外に誘導して3着と好走。展開に恵まれての好走ではあったが、移籍初戦の前々走が神奈川記念が馬体重20kg増で、まだ緩さがあった。体が絞れてのさらなる前進を期待する。
注 (5)ナニハサテオキ
JRAから浦和に移籍し、初ダートのB2・福寿草特別を勝利すると快進撃が続き、ダートでの通算成績は9戦6勝2着3回。初めての重賞挑戦となった前走の報知ACでも2着と好走した。
前走は1番枠から出遅れたが、じわっと位置を挽回して中団やや後方からの追走。1周目のスタンド前半ばから位置を上げて2周目の1角では先頭のライトウォーリアから大きく離れた3列目の外まで上がる。向上面ではライトウォーリアとの差を詰めて、3角では2番手まで上がって2馬身差。4角では1馬身差まで詰めて、直線でもじわじわと伸びてクビ差まで迫った。
前走はハイペースで逃げ切ったライトウォーリアが強かったが、道中で早めに動いて3着馬に6馬身差をつけたナニハサテオキもなかなか強い内容。今となってはJRA所属時代にダートを使わなかったことが悔やまれるほどだ。しかし、前走が消耗度の高い内容だっただけに、その疲れが懸念されるところではある。
△ (3)ブルベアイリーデ
2021年のリステッド競走、BSN賞の勝ち馬。同レースでは前走から2Fの距離延長だったこともあり、3番枠から好スタートを切って楽に逃げ馬の直後を取る。逃げ馬とのスペースを作って好位の最内を追走し、2列目の最内を追走。3~4角で逃げ馬との差を詰めて2列目の最内で直線へ。先に抜け出した逃げ馬ベルダーイメルを追い駆けて2番手に上がり、ラスト1Fで捉え切って3馬身差で完勝した。
ブルベアイリーデはその後のリステッド競走でも2着2回。2021年のシリウスSで2着。翌年の東海S、マーチSでも3着の実績がある。本馬は前々走のBSN賞でも2着に善戦しているように大きな衰えを感じさせないが、半年の休養明けとなった移籍初戦の梅花賞が勝ち馬から4馬身離された3着とひと息。今回はひと叩きされての最適距離で前進が期待できるが、前走時が馬体重17kg増と緩かったことから、能力全開はまだ先と見て評価を下げた。
△ (6)ベストリーガード
JRA所属時代は中距離戦で逃げることで素質が開花した馬。初距離となった中山ダ1800mの2勝クラスを逃げて6馬身差で圧勝し、オープン通用レベルの指数を記録すると、そこから快進撃が続き、その後のオープンでは3戦連続2着と好走した。
本来の能力を出し切れればここでも当然通用するが、移籍初戦の前走・駿麗賞が外からプレッシャーをかけられたにせよ、(9)ギガキングに10馬身以上離されの4着と実質大敗。前走があまりに不甲斐なさ過ぎたので、ここで変われても通用するかは微妙なところで、評価を下げた。