■昨年の金盃よりも断然逃げ、先行型が手薄
1月に1600mの川崎マイラーズ、1800m報知グランプリC、2600mの金盃と各距離の路線分けがしっかりとしたことで、ステイヤーが多く出走してきた。また、これにより1800m路線の逃げ馬は不在。昨年の金盃時は1600m~1800m路線のテンの速い馬が多数出走しており、前がぶっ潰れる展開となったが、今年はそのようなことがないと見て予想を組み立てたい。
また今回で前に行くのはペースを上げたくない(11)アンタンスルフレと小久保厩舎の2頭が予想されるだけに、なまじ潰し合うこともなさそうだ。
大井11R 金盃 ダ2600m
◎ (15)ランリョウオー
○ (8)セイカメテオポリス
▲ (6)マテリアルガール
△ (5)マンガン
△ (13)カイル
△ (11)アンタンスルフレ
△ (7)コスモポポラリタ
△ (9)エイシンピストン
結論 馬複15-8,6,5,13,11,7,9 (16:8:8:8:6:2:2) 複勝15 (50)
■有力馬とその評価
◎ (15)ランリョウオー
2020年の全日本2歳優駿で2着に善戦するなど、2歳時から活躍していた馬だが、古馬になって中長距離路線を使われるようになって大成した馬。前々走の川崎マイラーズでも2着に善戦しているが、一昨年はSⅠの大井記念、東京記念を連勝し、昨年の東京記念でも帝王賞大敗後からの休養明けで逃げて2着に善戦しているように、ベストは距離2000m以上で前で流れてに乗ってこそのタイプだ。
昨年の金盃はスタミナが不足する休養明けでテンの速い馬が多数。同型馬に競られてもハナを譲らず、オーバーペースの逃げ。本馬について行った馬が次々と失速していくなかで、残り100mまで先頭の競馬。それで0.6秒差6着に粘った内容は、負けて強しだった。
今年は前走12月の勝島王冠から続戦で、昨年の金盃よりも同型馬は手薄。大外15番枠だが、一昨年の東京記念時のようにゆっくり出して内の馬の出方を窺えるという点では悪くなく、一昨年の東京記念では2列目の外を追走し、最後の直線で(8)セイカメテオポリスが上がってくるのを待ってから追い出し、同馬に先着している。今回もそういう競馬を期待する。
○ (8)セイカメテオポリス
昨年の大井記念、東京記念を連覇したステイヤー。4走前となる東京記念では4番枠から五分のスタートを切って好位最内を追走。1周目の3角でウェイキーが先頭の(15)ランリョウオーの後ろに入れたためにそこで一列下がって、道中は3列目付近からの追走となった。3~4角で中目に誘導して押し上げ、4角出口で外に出して2列目で直線へ。そこからしぶとく伸び続けて、ランリョウオーを差し切って3/4差で完勝した。
本馬は5走前の大井記念でもやや積極的に出して3列目の最内を追走し、ラスト1Fで2番手に上がり、残り100mで先頭に立って優勝しているように、昨年、地力をつけたのは確か。その後はダートグレードを使われ、そこでは家賃が高かったが、ここは相手が楽。ただ逃げ、先行馬が手薄の今回は積極的に勝ちに行って、終いが甘くなる危険性もあり、対抗評価とした。
▲ (6)マテリアルガール
4連勝でロジータ記念TR・サルビアCを勝利した馬。サルビアCは5番枠から好スタートを切って、最内枠からハナを主張したメイドイットマムをぴったりマークでその外2番手を追走。2週目の向正面半ばからメイドイットマムにプレッシャーをかけ、抵抗する同馬を競り落として4角ではもう先頭。そこから後続との差をどんどん広げて8馬身差の圧勝だった。
このように本馬は楽に前に行くと、しぶとい馬。前々走のロジータ記念は、序盤でハナを取られたが、そこから無理をさせずに3着に敗れた。サルビアCの勝ち馬の2010年から2022年までの過去12年で【0・1・1・10】の例に漏れず、状態が良くなかったからだろう。
前走の名古屋GPは逃げた浦和記念の2着馬ミトノオーが9着に大敗する激流に巻き込まれて大差のシンガリ負けだったが、ここは楽にハナへ行ける組み合わせ。2列目候補も◎(15)ランリョウオーと(11)アンタンスルフレで、アンタンスルフはペースを上げたくないタイプ。ランリョウオーと同厩で、なまじぶっ潰しに行くようなことはないと見て一考した。
△ (5)マンガン
一昨年の金盃の覇者。同レースでは3番枠から五分のスタートを切って、外の各馬を行かせて、中団の最内を追走。2週目の3~4角で徐々に前との差を詰め、4角で大外に出して一気に2列目に進出。直線序盤で先頭に立つと、そこから突き抜けて9馬身差で圧勝した。
本馬はその後の東京記念TRで2度の勝利があるように、出遅れ癖やテンに置かれる面があるので、長距離がベスト。3走前の富士見オープンでは出遅れて後方最内から、2週目の向正面で一気に2列目の外まで上がったことが裏目とあり、最後に直線で先頭のユアヒストリーに離される結果となってしまったが、一昨年の金盃時のように中団で脚を溜める競馬ならチャンスがあるはず。この距離で見直したい。
△ (13)カイル
昨年の金盃の覇者。同レースでは2番枠から好スタートを切ったが、外の4頭が競り合いながら内に切り込んで来たので、それらを行かせて中団最内で折り合う競馬。最短距離を通し、2週目の3~4角の最内からじわっと進出し、4角出口で外。直線序盤でさらに外に出されてスパート。外から併せるようにしてセイカメテオポリスが伸びて来たが、同馬を差し返し、最後に先頭のトーセンブルを差し切ってアタマ差で勝利。
昨年の金盃は逃げた(3)ランリョオーが6着に失速しているように、前がとても厳しい流れ。距離ロスのない立ち回りと、展開に恵まれての勝利だったことは確かだが、一昨年の東京ダービーで逃げるシャルフジンにプレッシャーをかけに行って、ハイペースの前崩れの流れを作り出し、ラスト1F手前で同馬を競り落として優勝した実績もある。
昨年の東京記念で休養明けから復帰して以降、調子を落としてしまっているが、前々走の富士見オープンでは3番枠から出遅れて、かなり押して2列目を取りに行き、そこで置かれて中団まで下がってもしつこく位置を取りに行く、本来なら大敗レベルのヤバい騎乗でまずまずの見せ場を作れている。前走の勝島王冠も1番枠で何の策もなく、出遅れて後方から、最後の直線まで砂厚の深い内最内を走らせての8着だった。この2戦がブラインドとなり、実はそこまで調子が悪くないという気がしているので、ここは警戒したい。
△ (11)アンタンスルフレ
距離2100m以上では4戦4勝。3走前の金沢2600m戦、北国王冠では7番枠から躓いて後手を踏みながらもハナを主張して逃げ、2着(7)コスモポポラリタに8馬身差をつけて優勝している。南関移籍初戦の前走。金盃TRでも内からかなり押してハナを主張したリュミエールからかなり離れた2番手を追走。2周目の向正面では内から(14)ミヤギザオウが上がって2列目となり、3~4角では同馬とともに押し上げて4角先頭列で直線へ。激しい2頭の叩き合いとなり、ラスト1F標地点ではヤギザオウが前に出たが、残り50mくらいで本馬が半馬身ほど前に出てゴールした。
前走は3着馬コスモポポラリタを5馬身突き放しており、ここでも好内容。ただし、前走は2600mで前半5F68秒2-後半3F67秒3のスローペースと言っても、最後の直線で競り合いになったことでけっこう走ってしまったので、今回での余力面がやや不安。距離適性◎で自在性もあるが、評価をやや下げた。
△ (7)コスモポポラリタ
2600mでは4戦して掲示板を外したことがない馬。昨年の金杯盃でも中団中目を立ち回り、最後の直線で大外と展開に恵まれる形ではあったが5着に善戦している。3走前の北国王冠、前走の金盃TRでは△(11)アンタンスルフレに完敗だったが、スローペースで前に行けない弱みが出たというのもある。本番でペースが上がればもう少し上位馬との着差が詰まりそうだ、
△ (9)エイシンピストン
A2クラスが相手の3走前・ルビー賞で3着に好走するなど、ここへ来ての地力強化が窺える馬。中距離ではテンに置かれて後方からぼ追走になってしまうことや、大幅距離延長で初距離となった前走の金杯TRで4着に善戦した辺りからも、この距離がベストと推測される。前走はトライアルらしいスローペースで最後方、2周目の4角でも後方から2列目の外だった本馬は3着コスモポポラリタと1馬身半差が精一杯だったが、本番でペースが上がればもう少し上位馬との着差が詰まりそうだ。